音響トモグラフィを用いた樹木内部の非破壊検査方法及び装置
【課題】立木内部の空洞や腐朽部の状態を非破壊で効率良く診断する。
【解決手段】樹木内部の状態を非破壊で検査する際に、樹木内部に振幅と周波数を正確に制御した高周波数の音響波を複数の位置から入射し、樹木内部を伝播した音響波を複数の位置で受信し、該受信信号に基づいて、樹木内部の状態を可視化する。このとき前記受信信号の速度により、樹木の堅さ、空洞や腐朽部の有無、及び含水量を診断、または前記受信信号のエネルギーにより、空洞や腐朽部の大きさを診断、あるいは前期受信信号の周波数特性により空洞や腐朽部の大きさを診断する
【解決手段】樹木内部の状態を非破壊で検査する際に、樹木内部に振幅と周波数を正確に制御した高周波数の音響波を複数の位置から入射し、樹木内部を伝播した音響波を複数の位置で受信し、該受信信号に基づいて、樹木内部の状態を可視化する。このとき前記受信信号の速度により、樹木の堅さ、空洞や腐朽部の有無、及び含水量を診断、または前記受信信号のエネルギーにより、空洞や腐朽部の大きさを診断、あるいは前期受信信号の周波数特性により空洞や腐朽部の大きさを診断する
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹木内部の非破壊検査方法及び装置に係る。特に、街路樹や重要な樹木の内部の空洞や腐朽部を、立木のまま診断することが可能な、音響トモグラフィを用いた樹木内部の非破壊検査方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
樹木内部の空洞や腐朽部を調査して健全性を評価することは、街路樹の倒壊による近隣被害の防止、製材用の樹木を伐採する際の製品過程の検討、屋久杉等の重要記念物や記念樹等の保護を行なう上で、大変重要である。しかし、外観による樹木診断だけでは、内部の状態を把握することが難しいため、樹木内部の診断を行なう必要がある。
【0003】
立木の樹木内部を破壊検査する方法としては、図1に示す如く、(1)ドリルや針14を用いて木10に穴をあけるときの貫入抵抗を計測するレジストグラフ法がある。図1において、11は空洞又は腐朽部である。
【0004】
又、立木の樹木内部を樹木を傷めることなく非破壊で検査する方法として、(2)図2に示す如く、ハンマーで釘16を叩いた時の打撃を加速度計18で計測する打撃音検査法、(3)図3に示す如く、立木10の上下に距離Lだけ離して配設した釘16により数kHz以下のパルス状音波を上下方向に伝播させてセンサ20で検出し、オシロスコープ24で木の強度や固さを評価する音波検査法、(4)含有水の成分や密度の違いを自然電位、電気抵抗や静電容量から推定して、木の腐敗状態を把握する電気探査等が提案されている。
【0005】
又、樹木の診断ではないが、音響トモグラフィを用いる診断技術として、出願人の一部は特許文献1や2を提案している。
【0006】
【特許文献1】特開平10−186048号公報
【特許文献2】特開2000−35483号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、(1)のレジストグラフ法は、樹木を傷つけてしまうだけでなく、針14を慣入できる長さしか計測できず、計測できる樹木の大きさに限界がある。又、金属の針14を直接樹木10に慣入させるため、樹木を傷めないためには慣入回数は数回に限られるが、空洞や腐朽部に針14が当たらなければ、これらを検知できない。更に、針14の慣入時の作業に危険が伴い、熟練が必要である。又、針14が折損し易く、修理費用が嵩む、等の問題点を有する。
【0008】
一方、(2)乃至(4)の非破壊検査法によれば、樹木を傷めることは無いが、(2)の打撃音検査法は、発振する音を制御できないため、再現性が悪く、得られた信号の読み取りが難しい。又、信号の読み取りに熟練が必要であるだけでなく、客観性や精度に問題にある。
【0009】
又、(3)の音波検査法は、装置が大掛かりであり、精度が悪いだけでなく、空洞を検知できない。
【0010】
又、(4)の電気探査法は、樹液の量等に測定結果が大きく左右され、木の生理学的な状態を大きく反映する結果となる。
【0011】
なお、音波の代りにX線やガンマ線、レーダ等を用いることも考えられるが、装置の取り扱いや携行性に難があり、簡便な計測が難しい等の問題点を有していた。
【0012】
本発明は、前記従来の問題点を解決するべくなされたもので、樹木を傷めることなく、樹木内部の状態を現場で効率良く診断可能とすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、樹木内部の状態を非破壊で検査する際に、樹木内部に振幅と周波数を正確に制御した高周波数の音響波を複数の位置から入射し、樹木内部を伝播した音響波を複数の位置で受信し、該受信信号に基づいて、樹木内部の状態を可視化することにより、前記課題を解決したものである。
【0014】
又、前記音響波を、疑似ランダムコードバイナリシークエンス(PRBS)信号化したものである。
【0015】
又、前記受信信号の速度により、樹木の堅さ、空洞や腐朽部の有無、及び含水量を診断するようにしたものである。
【0016】
又、前記受信信号のエネルギにより、空洞や腐朽部の有無、及び含水量を診断するようにしたものである。
【0017】
又、前記受信信号の周波数特性により、空洞や腐朽部の大きさを診断するようにしたものである。
【0018】
又、前記受信信号の速度、エネルギ、周波数特性を総合的に解析するようにしたものである。
【0019】
又、前記受信信号の速度及びエネルギの周波数特性により、透水性を診断するようにしたものである。
【0020】
又、前記受信信号に基づいて可視化処理する際に、樹木の断面を仮想的に分割し、その中の最大値又は平均値を使って描画するようにしたものである。
【0021】
本発明は、又、樹木内部の状態を非破壊で検査するための樹木内部の非破壊検査装置であって、樹木内部に振幅と周波数を正確に制御した高周波数の音響波を入射するための発震器と、樹木内部を伝播した音響波を複数の位置で受信するための受振器と、該受信信号に基づいて、樹木内部の状態を可視化するためのコンピュータと、を備えたことを特徴とする、音響トモグラフィを用いた樹木内部の非破壊検査装置を提供するものである。
【0022】
又、前記発震器と受振器を共通化し、樹木への取付位置を変えることなく、発震位置及び受振位置が変更できるようにしたものである。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、樹木を傷めることなく、立木の内部の状態を非破壊で効率良く検査することが可能となる。
【0024】
従って、(1)街路樹等の倒壊被害防止および効率的な植栽の実施が可能になる。即ち、職人芸に頼らない簡便な計測手法を導入することで、樹木診断を迅速に、安価で、正確に実施することができるようになる。又、街路樹の立ち枯れ、倒壊の原因になる空洞を正確に把握することで、倒木危険度の判定を行なうことができる。又、危険度の高い樹木を適切に伐採、置換することで樹木周囲の倒木による被害を防止することができる。又、危険度に応じた効率的な対処方法を把握・適用することで、過度の伐採を防ぎ、植栽工事のコストを大幅に低減できる。
【0025】
又、(2)重要な樹木の保存が可能になる。即ち、天然記念物等の重要な樹木の保存において、適切な処置を講じるための診断を行なうことができるようになる。特に、内部の診断が大変困難な直径1mを越えるような大木において、空洞や内部の腐敗の状態を把握することが可能になるため、これら重要な樹木の維持保存に大変有効である。又、重要な樹木のうち完全に非破壊の調査を要するような御神木、皇室が植樹された木などについては、既存の技術では実質的に調査が不可能であるが、本発明のような非破壊調査手法を用いることで、樹木内部の診断を実施することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0027】
本発明の第1実施形態は、図4に示す如く、樹木10の内部に音響波を入射すると共に、樹木内部を伝播した音響波を受信するための、発震器32と受振器34の機能を兼有する多数(例えば8個又は16個)のセンサ30と、前記発震器32に入射される音響波を増幅するための音響増幅器36と、前記受振器34による受信信号中の所定成分を通過するための信号フィルタ38と、前記センサ30中の発震器32として機能させるものに発震信号を入力すると共に、前記センサ30中の受振器34として機能するものからの出力に基づいて、樹木内部の状態を可視化する計測機器(PC)40とを備えている。
【0028】
前記発震器32及び受振器34は、例えばピエゾ素子を用いることによって共通化され、樹木10への取付位置を変えることなく、発震位置及び受振位置が変えられるようになっている。
【0029】
前記発震器32から入射される音響波は、従来のようなパルス波でなく、例えば特許文献1に記載したように、正弦波をPRBSコードによって変換した連続波とされ、発震波と受振波の相関をとり、音の伝搬を把握するようにされている。従って、通常では伝搬できない高周波であっても、計測距離を長く取ることができる。即ち、従来のパルス波を用いた音波検査法では、(1)周波数を変えるために振動子を変える必要があり、(2)信号が減衰してしまうため、出力を大きくする必要があり、(3)出力の制御ができなかったのに対し、本発明ではPRBSコードを用いた連続波により計測が可能になり、(1)周波数を制御して発振でき、(2)小さな出力で精度の高い計測ができ(S/N比が約1000倍)、(3)出力を一定にして発振できるため、音圧を用いた評価ができる。
【0030】
特に、センサ30にピエゾ素子を用いた場合には、発震・受振の両方に用いることができるだけでなく、小型で、且つPRBS化された信号を発振することができる。更に、小型のセンサ30を用いることで、高い所の枝等での計測に使用できる。
【0031】
又、センサ30を上下に移動して計測することで、任意の高さを計測できる。
【0032】
以下、図5を参照して、計測手順を説明する。
【0033】
まず現場において、ステップ100で、樹木10の近くに計測機器40を据付ける。
【0034】
ついで、ステップ110で、樹木10にセンサ30を設置する。センサは、例えば図6に示す如く、針金50をガイドとして、図7(A)に示す如く、粘土52で直接、樹木10に貼り付けたり、あるいは図7(B)に示す如く、釘54に接着して取り付けることができる。粘土50は、音を伝播させ易く、センサ30を粘着力で固定できる。粘土52を用いた場合には、樹木10に傷を付けることがない。一方、釘54は、樹皮12の厚い場合や、樹皮12の裏側に隙間がある場合に好適である。粘土52や釘54等を用いることで、樹木の形状に依存せず、任意の配置が可能となり、正確な振幅制御が可能となる。
【0035】
各センサ30は、図6に示したように、釘や粘土を用いて樹木の外側に直接取り付ける場合の他、図8に示す如く、枠56及び、これと縲合するボルト58を用いて、樹木表面に圧着させることもできる。
【0036】
センサ設置後、図5のステップ120に進み、センサ位置情報を計測機器40に入力する。次いでステップ130で複数の発震器32を同時多重発振させ、受振器34により受振信号を得る。ここで、同時多重発振した信号の識別には、例えば出願人の一部が特願2002−331057号で提案した技術を用いることができる。
【0037】
このステップ130では、温度、エネルギ及びその周波数特性を計測する。ここで、速度は、木の堅さに比例し、空洞や腐朽部により遅くなり、含水量に反比例する。エネルギは、空洞や腐朽部により小さくなり、含水量に反比例する。又、周波数特性は、空洞や腐朽部の大きさに影響を受け、波長の1/4以下の空洞を把握できない。従って、周波数を変えて計測することにより、空洞の大きさを検知することもできる。
【0038】
又、速度、エネルギ、周波数特性を総合的に解析することで、従来より精度の高い、又、解釈の容易な結果を得ることができる。これに対して従来は、音を使う場合は速度、電気を使う場合は抵抗値等、情報量が1つだけなので、空洞、腐朽、含水量、固さの何れの影響を受けているかわからず、結果として計測結果を解釈することが難しかった。
【0039】
又、速度及びエネルギの周波数特性を計測し、特許文献2に記載したBiot理論を適用することで、樹木内部の透水性を把握することが可能となる。通常、元気な樹木は透水性が高く水分を十分吸い上げているのに対し、中が乾いている、あるいは病気の樹木は、透水性が低く、水が流れ難くなっている。
【0040】
ステップ130終了後、ステップ140で、波形出力及びデータ読み取りを行なう。次いでステップ150で、速度及び減衰率、内部情報を得る。次いでステップ160で、樹木断面等の結果を表示する。
【0041】
ステップ140における処理は、具体的には、図5(B)に示す如く行なう。即ち、まずステップ200で、多重相関計算により、複数の発震器からの信号を分離し、解析する。次いでステップ210で、音の到達時間や振幅を読み取る。次いでステップ220で、到達時間、振幅から、速度分布、減衰率分布を計算する。そして、必要であればステップ230で、逆計算による高精度な解析を行なう。
【0042】
次いでステップ240で、例えば健全部と危険部をカラーで分離して、樹木内部状態の画像を出力する。次いでステップ250で、樹木データベースを用いて、危険度等の予測を行なう。
【0043】
ステップ240で描画する際に、図9に示す如く、計測線上のデータを、そのまま使用すると、空洞(腐朽)部11を通るデータは、問題線として、図10に示す如く、健全部まで線として影響することがある。
【0044】
そこで、本実施形態では、調査する樹木を仮想的に分割し、統計処理をした後、その中の例えば最大値と平均値を使って描画するようにしている。これにより健全部の健全なデータが強調され、描画時には健全なデータとして表示される。
【0045】
図11は、最大、平均のデータを採取する過程の図で、まず採取した測点間データを点として測点間にプロットする。このとき点間の分割数を指定することが可能で、例えば20分割する。
【0046】
次に、樹木を例えば20×20の格子状のエリアに分割する。統計処理をした後、最後に格子内にある点の例えば最大値と平均値を抽出し、その格子の代表値とする。
【0047】
代表数値により最大と平均の描画を行う。例を図12に示す。
【0048】
本実施形態では、問題線が残らず、健全部が健全として表示される。例えば、最大値は鈍感で、小さな穴は表現できないが、穴が大きくなると解りやすい。一方、平均値は、敏感で、小さな穴の表現は出来るが、穴が大きくなると全体にぼやけてしまう。
【0049】
第1実施形態による計測結果の一例を図13に示す。計測結果と実際の空洞が精度良く一致していることがわかる。
【0050】
次に、図14を参照して、本発明の第2実施形態を説明する。
【0051】
本実施形態は、木10の上下に2台のセンサ30A、30Bを配置したものである。
【0052】
本実施形態によれば、2台のセンサ30A、30Bの中間の状態も、合せて検査できる。
【0053】
前記実施形態においては、音響波をPRBS信号化しているので、連続波を用いて、長い距離に亘る高精度の測定が可能である。なお、用途によっては、PRBS信号化を省略することも可能である。
【0054】
又、前記実施形態においては、発震器32及び受振器34を多数配置して、多重同時発震しているので、計測時間を短縮できる。なお、例えば一対の発震器32と受振器34の位置を変えつつ、繰り返し計測することも可能である。
【0055】
又、前記実施形態においては、センサにピエゾ素子を用いているので、発震器と受振器を兼用できる。なお図15に示す如く、発震器32と受振器34を別体とすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】従来の慣入抵抗によるレジストグラフ法を示す断面図
【図2】同じく打撃音検査法を示す断面図
【図3】同じく音波検査法を示す正面図
【図4】本発明の第1実施形態を示す(A)斜面図、(B)ブロック図及び(C)断面図
【図5】本発明の計測手順を示す流れ図
【図6】同じくセンサの取付方法の一例を示す断面図
【図7】同じくセンサの取付状態を示す断面図
【図8】同じくセンサの取付け方法の他の例を示す断面図
【図9】同じく一般的な描画方法を示す平面図
【図10】図9の方法による描画例を示す図
【図11】実施形態における描画方法を示す平面図
【図12】同じく描画例を示す図
【図13】本発明の効果を示す図
【図14】本発明の第2実施形態の構成を示す斜視図
【図15】センサの変形例を示す図
【符号の説明】
【0057】
10…木
11…空洞/腐朽部
12…樹皮
30…センサ
32…発震器
34…受振器
36…音響増幅器
38…信号フィルタ
40…計測機器
50…針金
52…粘土
56…枠
58…ボルト
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹木内部の非破壊検査方法及び装置に係る。特に、街路樹や重要な樹木の内部の空洞や腐朽部を、立木のまま診断することが可能な、音響トモグラフィを用いた樹木内部の非破壊検査方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
樹木内部の空洞や腐朽部を調査して健全性を評価することは、街路樹の倒壊による近隣被害の防止、製材用の樹木を伐採する際の製品過程の検討、屋久杉等の重要記念物や記念樹等の保護を行なう上で、大変重要である。しかし、外観による樹木診断だけでは、内部の状態を把握することが難しいため、樹木内部の診断を行なう必要がある。
【0003】
立木の樹木内部を破壊検査する方法としては、図1に示す如く、(1)ドリルや針14を用いて木10に穴をあけるときの貫入抵抗を計測するレジストグラフ法がある。図1において、11は空洞又は腐朽部である。
【0004】
又、立木の樹木内部を樹木を傷めることなく非破壊で検査する方法として、(2)図2に示す如く、ハンマーで釘16を叩いた時の打撃を加速度計18で計測する打撃音検査法、(3)図3に示す如く、立木10の上下に距離Lだけ離して配設した釘16により数kHz以下のパルス状音波を上下方向に伝播させてセンサ20で検出し、オシロスコープ24で木の強度や固さを評価する音波検査法、(4)含有水の成分や密度の違いを自然電位、電気抵抗や静電容量から推定して、木の腐敗状態を把握する電気探査等が提案されている。
【0005】
又、樹木の診断ではないが、音響トモグラフィを用いる診断技術として、出願人の一部は特許文献1や2を提案している。
【0006】
【特許文献1】特開平10−186048号公報
【特許文献2】特開2000−35483号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、(1)のレジストグラフ法は、樹木を傷つけてしまうだけでなく、針14を慣入できる長さしか計測できず、計測できる樹木の大きさに限界がある。又、金属の針14を直接樹木10に慣入させるため、樹木を傷めないためには慣入回数は数回に限られるが、空洞や腐朽部に針14が当たらなければ、これらを検知できない。更に、針14の慣入時の作業に危険が伴い、熟練が必要である。又、針14が折損し易く、修理費用が嵩む、等の問題点を有する。
【0008】
一方、(2)乃至(4)の非破壊検査法によれば、樹木を傷めることは無いが、(2)の打撃音検査法は、発振する音を制御できないため、再現性が悪く、得られた信号の読み取りが難しい。又、信号の読み取りに熟練が必要であるだけでなく、客観性や精度に問題にある。
【0009】
又、(3)の音波検査法は、装置が大掛かりであり、精度が悪いだけでなく、空洞を検知できない。
【0010】
又、(4)の電気探査法は、樹液の量等に測定結果が大きく左右され、木の生理学的な状態を大きく反映する結果となる。
【0011】
なお、音波の代りにX線やガンマ線、レーダ等を用いることも考えられるが、装置の取り扱いや携行性に難があり、簡便な計測が難しい等の問題点を有していた。
【0012】
本発明は、前記従来の問題点を解決するべくなされたもので、樹木を傷めることなく、樹木内部の状態を現場で効率良く診断可能とすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、樹木内部の状態を非破壊で検査する際に、樹木内部に振幅と周波数を正確に制御した高周波数の音響波を複数の位置から入射し、樹木内部を伝播した音響波を複数の位置で受信し、該受信信号に基づいて、樹木内部の状態を可視化することにより、前記課題を解決したものである。
【0014】
又、前記音響波を、疑似ランダムコードバイナリシークエンス(PRBS)信号化したものである。
【0015】
又、前記受信信号の速度により、樹木の堅さ、空洞や腐朽部の有無、及び含水量を診断するようにしたものである。
【0016】
又、前記受信信号のエネルギにより、空洞や腐朽部の有無、及び含水量を診断するようにしたものである。
【0017】
又、前記受信信号の周波数特性により、空洞や腐朽部の大きさを診断するようにしたものである。
【0018】
又、前記受信信号の速度、エネルギ、周波数特性を総合的に解析するようにしたものである。
【0019】
又、前記受信信号の速度及びエネルギの周波数特性により、透水性を診断するようにしたものである。
【0020】
又、前記受信信号に基づいて可視化処理する際に、樹木の断面を仮想的に分割し、その中の最大値又は平均値を使って描画するようにしたものである。
【0021】
本発明は、又、樹木内部の状態を非破壊で検査するための樹木内部の非破壊検査装置であって、樹木内部に振幅と周波数を正確に制御した高周波数の音響波を入射するための発震器と、樹木内部を伝播した音響波を複数の位置で受信するための受振器と、該受信信号に基づいて、樹木内部の状態を可視化するためのコンピュータと、を備えたことを特徴とする、音響トモグラフィを用いた樹木内部の非破壊検査装置を提供するものである。
【0022】
又、前記発震器と受振器を共通化し、樹木への取付位置を変えることなく、発震位置及び受振位置が変更できるようにしたものである。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、樹木を傷めることなく、立木の内部の状態を非破壊で効率良く検査することが可能となる。
【0024】
従って、(1)街路樹等の倒壊被害防止および効率的な植栽の実施が可能になる。即ち、職人芸に頼らない簡便な計測手法を導入することで、樹木診断を迅速に、安価で、正確に実施することができるようになる。又、街路樹の立ち枯れ、倒壊の原因になる空洞を正確に把握することで、倒木危険度の判定を行なうことができる。又、危険度の高い樹木を適切に伐採、置換することで樹木周囲の倒木による被害を防止することができる。又、危険度に応じた効率的な対処方法を把握・適用することで、過度の伐採を防ぎ、植栽工事のコストを大幅に低減できる。
【0025】
又、(2)重要な樹木の保存が可能になる。即ち、天然記念物等の重要な樹木の保存において、適切な処置を講じるための診断を行なうことができるようになる。特に、内部の診断が大変困難な直径1mを越えるような大木において、空洞や内部の腐敗の状態を把握することが可能になるため、これら重要な樹木の維持保存に大変有効である。又、重要な樹木のうち完全に非破壊の調査を要するような御神木、皇室が植樹された木などについては、既存の技術では実質的に調査が不可能であるが、本発明のような非破壊調査手法を用いることで、樹木内部の診断を実施することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0027】
本発明の第1実施形態は、図4に示す如く、樹木10の内部に音響波を入射すると共に、樹木内部を伝播した音響波を受信するための、発震器32と受振器34の機能を兼有する多数(例えば8個又は16個)のセンサ30と、前記発震器32に入射される音響波を増幅するための音響増幅器36と、前記受振器34による受信信号中の所定成分を通過するための信号フィルタ38と、前記センサ30中の発震器32として機能させるものに発震信号を入力すると共に、前記センサ30中の受振器34として機能するものからの出力に基づいて、樹木内部の状態を可視化する計測機器(PC)40とを備えている。
【0028】
前記発震器32及び受振器34は、例えばピエゾ素子を用いることによって共通化され、樹木10への取付位置を変えることなく、発震位置及び受振位置が変えられるようになっている。
【0029】
前記発震器32から入射される音響波は、従来のようなパルス波でなく、例えば特許文献1に記載したように、正弦波をPRBSコードによって変換した連続波とされ、発震波と受振波の相関をとり、音の伝搬を把握するようにされている。従って、通常では伝搬できない高周波であっても、計測距離を長く取ることができる。即ち、従来のパルス波を用いた音波検査法では、(1)周波数を変えるために振動子を変える必要があり、(2)信号が減衰してしまうため、出力を大きくする必要があり、(3)出力の制御ができなかったのに対し、本発明ではPRBSコードを用いた連続波により計測が可能になり、(1)周波数を制御して発振でき、(2)小さな出力で精度の高い計測ができ(S/N比が約1000倍)、(3)出力を一定にして発振できるため、音圧を用いた評価ができる。
【0030】
特に、センサ30にピエゾ素子を用いた場合には、発震・受振の両方に用いることができるだけでなく、小型で、且つPRBS化された信号を発振することができる。更に、小型のセンサ30を用いることで、高い所の枝等での計測に使用できる。
【0031】
又、センサ30を上下に移動して計測することで、任意の高さを計測できる。
【0032】
以下、図5を参照して、計測手順を説明する。
【0033】
まず現場において、ステップ100で、樹木10の近くに計測機器40を据付ける。
【0034】
ついで、ステップ110で、樹木10にセンサ30を設置する。センサは、例えば図6に示す如く、針金50をガイドとして、図7(A)に示す如く、粘土52で直接、樹木10に貼り付けたり、あるいは図7(B)に示す如く、釘54に接着して取り付けることができる。粘土50は、音を伝播させ易く、センサ30を粘着力で固定できる。粘土52を用いた場合には、樹木10に傷を付けることがない。一方、釘54は、樹皮12の厚い場合や、樹皮12の裏側に隙間がある場合に好適である。粘土52や釘54等を用いることで、樹木の形状に依存せず、任意の配置が可能となり、正確な振幅制御が可能となる。
【0035】
各センサ30は、図6に示したように、釘や粘土を用いて樹木の外側に直接取り付ける場合の他、図8に示す如く、枠56及び、これと縲合するボルト58を用いて、樹木表面に圧着させることもできる。
【0036】
センサ設置後、図5のステップ120に進み、センサ位置情報を計測機器40に入力する。次いでステップ130で複数の発震器32を同時多重発振させ、受振器34により受振信号を得る。ここで、同時多重発振した信号の識別には、例えば出願人の一部が特願2002−331057号で提案した技術を用いることができる。
【0037】
このステップ130では、温度、エネルギ及びその周波数特性を計測する。ここで、速度は、木の堅さに比例し、空洞や腐朽部により遅くなり、含水量に反比例する。エネルギは、空洞や腐朽部により小さくなり、含水量に反比例する。又、周波数特性は、空洞や腐朽部の大きさに影響を受け、波長の1/4以下の空洞を把握できない。従って、周波数を変えて計測することにより、空洞の大きさを検知することもできる。
【0038】
又、速度、エネルギ、周波数特性を総合的に解析することで、従来より精度の高い、又、解釈の容易な結果を得ることができる。これに対して従来は、音を使う場合は速度、電気を使う場合は抵抗値等、情報量が1つだけなので、空洞、腐朽、含水量、固さの何れの影響を受けているかわからず、結果として計測結果を解釈することが難しかった。
【0039】
又、速度及びエネルギの周波数特性を計測し、特許文献2に記載したBiot理論を適用することで、樹木内部の透水性を把握することが可能となる。通常、元気な樹木は透水性が高く水分を十分吸い上げているのに対し、中が乾いている、あるいは病気の樹木は、透水性が低く、水が流れ難くなっている。
【0040】
ステップ130終了後、ステップ140で、波形出力及びデータ読み取りを行なう。次いでステップ150で、速度及び減衰率、内部情報を得る。次いでステップ160で、樹木断面等の結果を表示する。
【0041】
ステップ140における処理は、具体的には、図5(B)に示す如く行なう。即ち、まずステップ200で、多重相関計算により、複数の発震器からの信号を分離し、解析する。次いでステップ210で、音の到達時間や振幅を読み取る。次いでステップ220で、到達時間、振幅から、速度分布、減衰率分布を計算する。そして、必要であればステップ230で、逆計算による高精度な解析を行なう。
【0042】
次いでステップ240で、例えば健全部と危険部をカラーで分離して、樹木内部状態の画像を出力する。次いでステップ250で、樹木データベースを用いて、危険度等の予測を行なう。
【0043】
ステップ240で描画する際に、図9に示す如く、計測線上のデータを、そのまま使用すると、空洞(腐朽)部11を通るデータは、問題線として、図10に示す如く、健全部まで線として影響することがある。
【0044】
そこで、本実施形態では、調査する樹木を仮想的に分割し、統計処理をした後、その中の例えば最大値と平均値を使って描画するようにしている。これにより健全部の健全なデータが強調され、描画時には健全なデータとして表示される。
【0045】
図11は、最大、平均のデータを採取する過程の図で、まず採取した測点間データを点として測点間にプロットする。このとき点間の分割数を指定することが可能で、例えば20分割する。
【0046】
次に、樹木を例えば20×20の格子状のエリアに分割する。統計処理をした後、最後に格子内にある点の例えば最大値と平均値を抽出し、その格子の代表値とする。
【0047】
代表数値により最大と平均の描画を行う。例を図12に示す。
【0048】
本実施形態では、問題線が残らず、健全部が健全として表示される。例えば、最大値は鈍感で、小さな穴は表現できないが、穴が大きくなると解りやすい。一方、平均値は、敏感で、小さな穴の表現は出来るが、穴が大きくなると全体にぼやけてしまう。
【0049】
第1実施形態による計測結果の一例を図13に示す。計測結果と実際の空洞が精度良く一致していることがわかる。
【0050】
次に、図14を参照して、本発明の第2実施形態を説明する。
【0051】
本実施形態は、木10の上下に2台のセンサ30A、30Bを配置したものである。
【0052】
本実施形態によれば、2台のセンサ30A、30Bの中間の状態も、合せて検査できる。
【0053】
前記実施形態においては、音響波をPRBS信号化しているので、連続波を用いて、長い距離に亘る高精度の測定が可能である。なお、用途によっては、PRBS信号化を省略することも可能である。
【0054】
又、前記実施形態においては、発震器32及び受振器34を多数配置して、多重同時発震しているので、計測時間を短縮できる。なお、例えば一対の発震器32と受振器34の位置を変えつつ、繰り返し計測することも可能である。
【0055】
又、前記実施形態においては、センサにピエゾ素子を用いているので、発震器と受振器を兼用できる。なお図15に示す如く、発震器32と受振器34を別体とすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】従来の慣入抵抗によるレジストグラフ法を示す断面図
【図2】同じく打撃音検査法を示す断面図
【図3】同じく音波検査法を示す正面図
【図4】本発明の第1実施形態を示す(A)斜面図、(B)ブロック図及び(C)断面図
【図5】本発明の計測手順を示す流れ図
【図6】同じくセンサの取付方法の一例を示す断面図
【図7】同じくセンサの取付状態を示す断面図
【図8】同じくセンサの取付け方法の他の例を示す断面図
【図9】同じく一般的な描画方法を示す平面図
【図10】図9の方法による描画例を示す図
【図11】実施形態における描画方法を示す平面図
【図12】同じく描画例を示す図
【図13】本発明の効果を示す図
【図14】本発明の第2実施形態の構成を示す斜視図
【図15】センサの変形例を示す図
【符号の説明】
【0057】
10…木
11…空洞/腐朽部
12…樹皮
30…センサ
32…発震器
34…受振器
36…音響増幅器
38…信号フィルタ
40…計測機器
50…針金
52…粘土
56…枠
58…ボルト
【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹木内部の状態を非破壊で検査する際に、
樹木内部に振幅と周波数を正確に制御した高周波数の音響波を複数の位置から入射し、
樹木内部を伝播した音響波を複数の位置で受信し、
該受信信号に基づいて、樹木内部の状態を可視化することを特徴とする、音響トモグラフィを用いた樹木内部の非破壊検査方法。
【請求項2】
前記音響波が、疑似ランダムコードバイナリシークエンス信号化されていることを特徴とする請求項1に記載の音響トモグラフィを用いた樹木内部の非破壊検査方法。
【請求項3】
前記受信信号の速度により、樹木の堅さ、空洞や腐朽部の有無、及び含水量を診断することを特徴とする請求項1又は2に記載の音響トモグラフィを用いた樹木内部の非破壊検査方法。
【請求項4】
前記受信信号のエネルギにより、空洞や腐朽部の有無、及び含水量を診断することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の音響トモグラフィを用いた樹木内部の非破壊検査方法。
【請求項5】
前記受信信号の周波数特性により、空洞や腐朽部の大きさを診断することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の音響トモグラフィを用いた樹木内部の非破壊検査方法。
【請求項6】
前記受信信号の速度、エネルギ、周波数特性を総合的に解析することを特徴とする請求項1又は2に記載の音響トモグラフィを用いた樹木内部の非破壊検査方法。
【請求項7】
前記受信信号の速度及びエネルギの周波数特性により、透水性を診断することを特徴とする請求項1又は2に記載の音響トモグラフィを用いた樹木内部の非破壊検査方法。
【請求項8】
前記受信信号に基づいて可視化処理する際に、樹木の断面を仮想的に分割し、統計処理を用いて描画することを特徴とする、請求項1乃至7のいずれかに記載の音響トモグラフィを用いた樹木内部の非破壊検査方法。
【請求項9】
樹木内部の状態を非破壊で検査するための樹木内部の非破壊検査装置であって、
樹木内部に振幅と周波数を正確に制御した高周波数の音響波を入射するための発震器と、
樹木内部を伝播した音響波を複数の位置で受信するための受振器と、
該受信信号に基づいて、樹木内部の状態を可視化するためのコンピュータと、
を備えたことを特徴とする、音響トモグラフィを用いた樹木内部の非破壊検査装置。
【請求項10】
前記発震器と受振器が共通化され、樹木への取付位置を変えることなく、発震位置及び受信位置が変更可能とされていることを特徴とする、請求項9に記載の音響トモグラフィを用いた樹木内部の非破壊検査装置。
【請求項1】
樹木内部の状態を非破壊で検査する際に、
樹木内部に振幅と周波数を正確に制御した高周波数の音響波を複数の位置から入射し、
樹木内部を伝播した音響波を複数の位置で受信し、
該受信信号に基づいて、樹木内部の状態を可視化することを特徴とする、音響トモグラフィを用いた樹木内部の非破壊検査方法。
【請求項2】
前記音響波が、疑似ランダムコードバイナリシークエンス信号化されていることを特徴とする請求項1に記載の音響トモグラフィを用いた樹木内部の非破壊検査方法。
【請求項3】
前記受信信号の速度により、樹木の堅さ、空洞や腐朽部の有無、及び含水量を診断することを特徴とする請求項1又は2に記載の音響トモグラフィを用いた樹木内部の非破壊検査方法。
【請求項4】
前記受信信号のエネルギにより、空洞や腐朽部の有無、及び含水量を診断することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の音響トモグラフィを用いた樹木内部の非破壊検査方法。
【請求項5】
前記受信信号の周波数特性により、空洞や腐朽部の大きさを診断することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の音響トモグラフィを用いた樹木内部の非破壊検査方法。
【請求項6】
前記受信信号の速度、エネルギ、周波数特性を総合的に解析することを特徴とする請求項1又は2に記載の音響トモグラフィを用いた樹木内部の非破壊検査方法。
【請求項7】
前記受信信号の速度及びエネルギの周波数特性により、透水性を診断することを特徴とする請求項1又は2に記載の音響トモグラフィを用いた樹木内部の非破壊検査方法。
【請求項8】
前記受信信号に基づいて可視化処理する際に、樹木の断面を仮想的に分割し、統計処理を用いて描画することを特徴とする、請求項1乃至7のいずれかに記載の音響トモグラフィを用いた樹木内部の非破壊検査方法。
【請求項9】
樹木内部の状態を非破壊で検査するための樹木内部の非破壊検査装置であって、
樹木内部に振幅と周波数を正確に制御した高周波数の音響波を入射するための発震器と、
樹木内部を伝播した音響波を複数の位置で受信するための受振器と、
該受信信号に基づいて、樹木内部の状態を可視化するためのコンピュータと、
を備えたことを特徴とする、音響トモグラフィを用いた樹木内部の非破壊検査装置。
【請求項10】
前記発震器と受振器が共通化され、樹木への取付位置を変えることなく、発震位置及び受信位置が変更可能とされていることを特徴とする、請求項9に記載の音響トモグラフィを用いた樹木内部の非破壊検査装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2006−53045(P2006−53045A)
【公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−234842(P2004−234842)
【出願日】平成16年8月11日(2004.8.11)
【出願人】(301035976)独立行政法人農業工学研究所 (9)
【出願人】(591205536)JFEシビル株式会社 (39)
【出願人】(592178716)ヤマモト エンジニアリング コーポレーション (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年8月11日(2004.8.11)
【出願人】(301035976)独立行政法人農業工学研究所 (9)
【出願人】(591205536)JFEシビル株式会社 (39)
【出願人】(592178716)ヤマモト エンジニアリング コーポレーション (1)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]