説明

音響用部材の製造方法

【課題】エッジを成形する際に、ガスケットが溶融しても、この溶融分がエッジとの間から流出するのを抑制する。
【解決手段】エッジ13の射出成形時に、溶融樹脂をガスケット12の表面のうち互いに連なる複数の面12a、12bに沿って流動させることにより、該エッジ13を成形しかつこれら複数の面12a、12bに連続して接合し、該エッジ13におけるガスケット12との接合部分16、17の一部が当該エッジ13の射出成形時に溶融樹脂が射出されるゲート部分13aとされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音響用部材の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
音響用部材として、例えば下記特許文献1に示されるような音響装置フレームに装着される環状のガスケットと、該ガスケットに接合され、かつ該ガスケットを形成する材質よりも軟質材で形成された環状のエッジと、を備える構成が知られている。
エッジには、音響用部材の軸線方向にドーム状に湾曲しかつ全周にわたって延びるロール部と、ロール部の外周側部分に径方向の外側に向けて全周にわたって突設された外フランジ部と、が備えられている。そして、この外フランジ部上に前記ガスケットの一端面が接合されている。
このような音響用部材の製造方法として、ガスケットを一次成形品としかつエッジを二次成形品とする二色成形、またはガスケットをインサート品としてエッジをインサート成形することが考えられる。また、それぞれの製造方法でエッジを成形する際、エッジが成形されるキャビティのうち、外フランジ部が成形される部分、つまりガスケットの一端面が露呈している部分から溶融樹脂が射出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−325221号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来の音響用部材の製造方法では、エッジを成形する際に射出された溶融樹脂によって、ガスケットの一端面側の部分が溶融し、この溶融分がエッジの外フランジ部との間から流出し、エッジの表面に硬質の被膜が形成されるおそれがあった。
この場合、軟質材で形成されたエッジにおいて硬質の被膜が形成された部分に応力が集中し易くなり、エッジの耐久性が低下するおそれがある。
【0005】
この発明は、このような事情を考慮してなされたもので、エッジを成形する際に、ガスケットが溶融しても、この溶融分がエッジとの間から流出するのを抑制することができる音響用部材の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明の音響用部材の製造方法は、音響装置フレームに装着される環状のガスケットと、該ガスケットに接合され、かつ該ガスケットを形成する材質よりも軟質材で形成された環状のエッジと、を備える音響用部材の製造方法であって、前記ガスケットを一次成形品としかつ前記エッジを二次成形品とする二色成形、または前記ガスケットをインサート品として前記エッジをインサート成形すること、により形成され、前記エッジの射出成形時に、溶融樹脂を前記ガスケットの表面のうち互いに連なる複数の面に沿って流動させることにより、該エッジを成形しかつこれら複数の面に連続して接合し、該エッジにおける前記ガスケットとの接合部分の一部が、当該エッジの射出成形時に溶融樹脂が射出されるゲート部分とされていることを特徴とする。
【0007】
この発明によれば、エッジの射出成形時に、溶融樹脂を前記ガスケットの表面のうち互いに連なる複数の面に沿って流動させるので、射出された溶融樹脂によって、ガスケットにおける前記複数の面のうち、前記ゲート部分に近い第1面の一部が溶融しても、該第1面よりも前記ゲート部分から離れて位置する他の面、並びにこれらの面同士の間の接続部分によって、この溶融分の流動を抑えることが可能になり、該溶融分がエッジの前記接合部分とガスケットの前記複数の面との間から流出するのを抑制することができる。
【0008】
ここで、前記ガスケットにおける前記複数の面は互いに角部を介して連なってもよい。
【0009】
この場合、ガスケットにおける前記複数の面が互いに角部を介して連なっているので、前述の溶融分を前記第1面から前記他の面へ移行させ難くすることが可能になり、この溶融分の流動を確実に抑えることができる。
【0010】
また、前記ガスケットにおける前記複数の面のうちの少なくとも1つは、前記ゲート部分よりも径方向の内側に位置してもよい。
【0011】
この場合、ガスケットにおける前記複数の面のうちの少なくとも1つが、ゲート部分よりも径方向の内側に位置しているので、前述の作用効果が確実に奏功されることとなる。
【0012】
さらに、前記エッジにおける前記ガスケットとの接合部分は、外周面が前記ガスケットの内周面に全周にわたって接合される接合筒部を備え、該エッジには、該音響用部材の軸線方向にドーム状に湾曲しかつ全周にわたって延びるとともに、前記接合筒部よりも径方向の内側に位置するロール部が備えられ、該ロール部と前記接合筒部とが段部を介して連結されてもよい。
【0013】
この場合、前記接合筒部と該接合筒部よりも径方向の内側に位置するロール部とが段部を介して連結されているので、例えばエッジ等を振動させて音響用部材を使用する際に、前記接合筒部の外周面とガスケットの内周面との界面に加えられる応力を低減することができる。
【発明の効果】
【0014】
この発明に係る音響用部材の製造方法によれば、エッジを成形する際に、ガスケットが溶融しても、この溶融分がエッジとの間から流出するのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る一実施形態として示した音響用部材の縦断面図である。
【図2】図1に示す音響用部材の製造方法を示す第1工程図である。
【図3】図1に示す音響用部材の製造方法を示す第2工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る音響用部材の一実施形態を、図1を参照しながら説明する。
本実施形態の音響用部材1では、振動板11と、振動板11を径方向の外側から囲繞しかつ音響装置フレームFに装着される環状のガスケット12と、これらの振動板11およびガスケット12に接合されて両者を連結する環状のエッジ13と、を備え、電気信号を受けて音響装置の外側に音波を放射する構成となっている。
【0017】
ここで、ガスケット12およびエッジ13はそれぞれ共通軸と同軸に配設されている。以下、この共通軸を軸線Oといい、この軸線O方向に沿って音響装置の外側を上側、音響装置の内側を下側といい、また、軸線Oに直交する方向を径方向といい、さらに軸線Oを中心に周回する方向を周方向という。
【0018】
振動板11は、上方に向けて膨出するドーム状の振動部11aと、振動部11aの外周縁に上方に向けて延設された外筒部11bと、を備え、例えばポリプロピレン等の合成樹脂材料により一体に形成されている。
振動部11aは平面視円形状に形成されるとともに、前記軸線Oと同軸に配設されている。また、振動部11aは、電子信号を受けて振動するように形成されている。
外筒部11bは円筒状に形成されるとともに、前記軸線Oと同軸に配設されている。外筒部11bの高さH1は、例えば振動部11aの厚さd1の約2倍から約20倍となっている。
ガスケット12は、振動板11を形成する材質と同じ材質で円環状に形成されている。
【0019】
エッジ13は、前記軸線O方向にドーム状に湾曲しかつ全周にわたって延びるロール部14と、ロール部14よりも径方向の内側に前記軸線Oと同軸に配設された内筒15と、ロール部14よりも径方向の外側に前記軸線Oと同軸に配設された外筒(接合筒部)16と、外筒16の下端に径方向の外側に向けて全周にわたって突設された下フランジ部17と、を備え、例えばスチレン系の熱可塑性エラストマ等、射出成形可能でかつ振動板11およびガスケット12を形成する材質よりも軟質な材料で一体に形成されている。なお、エッジ13は円環状に形成されている。
【0020】
ロール部14は、本実施形態では、上方に向けて膨出したドーム状に形成されている。なお、音響用部材1の縦断面視において、ロール部14の曲率半径は、振動板11の振動部11aの曲率半径よりも小さくなっている。そして、ロール部14の内周側部分の下端が内筒15の上端に接続され、ロール部14の外周側部分の下端が外筒16の上端に接続されている。さらに本実施形態では、ロール部14の内周側部分の下端と内筒15の上端とは、全周にわたって連続して延びるフランジ状の第1段部18を介して接続され、ロール部14の外周側部分の下端と外筒16の上端とは、全周にわたって連続して延びるフランジ状の第2段部19を介して接続されている。
【0021】
エッジ13の内筒15の内周面は、振動板11の外筒部11bの外周面に接合されている。
そして、エッジ13の外筒16の外周面と、ガスケット12の内周面12aと、が全周にわたって接合され、エッジ13の下フランジ部17の上面と、ガスケット12の下端面12bと、が全周にわたって接合されている。図示の例では、ガスケット12の内周面12aのうち下側部分がエッジ13に接合され、ガスケット12の下端面12bのうち径方向の内側部分がエッジ13に接合されている。
【0022】
すなわち本実施形態では、エッジ13は、ガスケット12の表面のうち互いに連なる内周面12aおよび下端面12bに沿って連続して接合されている。また、エッジ13におけるガスケット12との接合部分は、外筒16および下フランジ部17となっている。これにより、エッジ13において、ロール部14は、ガスケット12の内周面12aに接合された外筒16よりも径方向の内側に位置し、かつ外筒16に第2段部19を介して連結されている。なお、外筒16の高さH2は、例えば下フランジ部17の厚さd2の約0.5倍から約10倍となっている。
さらに本実施形態では、ガスケット12における内周面12aと下端面12bとが、角部12cを介して連なっている。なお例えば、ガスケット12における内周面12aと下端面12bとがなす角度は約90°となっている。
【0023】
また本実施形態では、エッジ13における下フランジ部17の一部が当該エッジ13の射出成形時に溶融樹脂が射出されるゲート部分13aとなっている。なお、ゲート部分13aは、例えば、エッジ13の射出成形時に形成される、後述する二次キャビティ金型42のゲート44の痕である。図示の例では、ゲート部分13aは、下フランジ部17の外周縁に位置していて、エッジ13が接合されるガスケット12の内周面12aおよび下端面12bのうちの少なくとも内周面12aは、ゲート部分13aよりも径方向の内側に位置している。すなわち、このガスケット12の内周面12aは、エッジ13の射出成形時に溶融樹脂がゲート部分13aから振動板11側(内筒15側)に向けて流れる流動方向に沿ってゲート部分13aよりも前側に位置している。
【0024】
次に、以上のように構成された音響用部材1の製造方法について説明する。
【0025】
まず、図2に基づいて、可動側型板30に固定されたコア金型31と、固定側型板40に固定された一次キャビティ金型41と、を用い、一次成形品である振動板11およびガスケット12を成形する一次成形工程について説明する。
【0026】
まず、図2(a)に示されるように、可動側型板30を固定側型板40に向けて前進させて型締めを行い、コア金型31と一次キャビティ金型41との間に、振動板11およびガスケット12が成形される一次キャビティを形成する。
次に、図2(b)に示されるように、一次キャビティ金型41のキャビティ面に開口するゲート43、43から前記一次キャビティ内に溶融樹脂を射出して充満させることにより、一次成形品である振動板11およびガスケット12が成形される。なお、音響用部材1において、エッジ13の内筒15が、ロール部14の内周側部分の下端から下方に突出しているので、一次キャビティ金型41に、コア金型31側に向けて薄肉の中子を突設せずに、肉厚で剛性の高い中子41aだけを突設すれば足りる。
次に、図2(c)に示されるように、可動側型板30を固定側型板40から後退させて型開きを行う。このとき、一次成形品である振動板11およびガスケット12は、コア金型31に保持されて、一次キャビティ金型41から離脱される。なお、成形された振動板11の外筒部11bが、振動部11aの外周縁からコア金型31側に向けて突出していて、この外筒部11b内にコア金型31の中子31aが嵌合されているので、型開き時に振動板11がコア金型31から脱落することが抑制される。
【0027】
次に、図3に基づいて、コア金型31と、固定側型板40に固定された二次キャビティ金型42と、を用い、二次成形品であるエッジ13を成形する二次成形工程について説明する。
【0028】
まず、図3(a)に示されるように、コア金型31を二次キャビティ金型42に対向させ、その後、可動側型板30を固定側型板40に向けて前進させて型締めを行い、コア金型31と二次キャビティ金型42との間に、エッジ13が成形される二次キャビティを形成するとともに、振動板11およびガスケット12を配置する。
次に、図3(b)に示されるように、二次キャビティ金型42のキャビティ面に開口するゲート44から前記二次キャビティ内に溶融樹脂を射出して充満させることにより、二次成形品であるエッジ13が成形されるとともに、振動板11およびガスケット12に接合され、音響用部材1が形成される。
ここで本実施形態では、ゲート44から前記二次キャビティ内に射出された溶融樹脂は、ガスケット12の表面のうち互いに連なる下端面12bおよび内周面12aに沿って流動して、エッジ13が成形されかつガスケット12の下端面12bおよび内周面12aに連続して接合される。
なお図示の例では、前記ゲート44は、二次キャビティ金型42のキャビティ面に、可動側型板30が固定側型板40に対して進退移動する方向に直交する方向、つまり音響用部材1における径方向に開口している。そして、溶融樹脂は前記二次キャビティ内に前記径方向の外側から内側に向けて射出される。
次に、図3(c)に示されるように、可動側型板30を固定側型板40から後退させて型開きを行う。このとき、音響用部材1は、コア金型31に保持されて、二次キャビティ金型42から離脱され、その後、可動側型板30に設けられた図示されないエジェクタピンにより突き出されコア金型31から離型される。
【0029】
以上説明したように、本実施形態による音響用部材1の製造方法によれば、エッジ13の射出成形時に、溶融樹脂をガスケット12の表面のうち互いに連なる下端面12bおよび内周面12aに沿って流動させるので、射出された溶融樹脂によって、ガスケット12における内周面12aおよび下端面12bのうち、ゲート部分13aに近い下端面12bの一部が溶融しても、この下端面12bよりもゲート部分13aから離れて位置する内周面12a、並びにこれらの面12a、12b同士の間の角部12cによって、この溶融分の流動を抑えることが可能になり、該溶融分がエッジ13の外筒16とガスケット12の内周面12aとの間から上方に流出するのを抑制することができる。
【0030】
また本実施形態では、ガスケット12における内周面12aと下端面12bとが角部12cを介して連なっているので、前述の溶融分をゲート部分13a側の下端面12bから内周面12aへ移行させ難くすることが可能になり、この溶融分の流動を確実に抑えることができる。
さらに、エッジ13が接合されるガスケット12の内周面12aおよび下端面12bのうちの少なくとも内周面12aが、ゲート部分13aよりも径方向の内側に位置しているので、前述の作用効果が確実に奏功されることとなる。
【0031】
また本実施形態では、エッジ13において、ロール部14は、ガスケット12の内周面12aに接合された外筒16よりも径方向の内側に位置し、かつ外筒16に第2段部19を介して連結されているので、例えば振動板11やエッジ13等を振動させて音響用部材1を使用する際に、外筒16の外周面とガスケット12の内周面12aとの界面に加えられる応力を低減することができる。
【0032】
なお、本発明の技術的範囲は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0033】
例えば、前記実施形態では、エッジ13に第1段部18および第2段部19を設けたが、これら18、19を設けず、ロール部14と内筒15および外筒16とが直接接続されてもよい。
また、エッジ13にロール部14は設けなくてもよく、さらにロール部14は下方に向けて膨出させてもよい。
また、エッジ13におけるゲート部分13aを下フランジ部17に位置させたが、このゲート部分13aの位置は適宜変更してもよい。さらに、二次キャビティ金型42のゲート44の開口方向は、前記実施形態に代えて、前述の進退移動する方向としてもよい。
また、エッジ13の内筒15は、ロール部14の内周側部分の下端から上方に突出してもよい。
さらに、エッジ13の内筒15に代えて例えば、ロール部14の内周側部分に径方向の内側に全周にわたって突設されたフランジ部を採用し、かつ振動板11の外筒部11bに代えて例えば、振動部11aの外周縁に径方向の外側に全周にわたって突設されたフランジ部を採用し、これらのフランジ部同士を接合してもよい。
【0034】
また、振動板11の振動部11aは、前記実施形態に代えて例えば、平面視楕円形状や多角形状、その他の形状であってもよく、あるいは平板状であってもよく、さらには下側から上側に向けて漸次拡径されたテーパー筒状であってもよい。
さらに、振動板11の外筒部11bは、振動部11aの外周縁から下方に向けて延設してもよい。
また、ガスケット12の表面のうち、エッジ13が接合された互いに連なる複数の面は、前記実施形態に限らず例えば、波形状若しくは鋸刃形状等、適宜変更してもよく、また、これらの複数の面同士の間に、角部12cを介在させなくてもよい。
【0035】
さらに前記実施形態では、音響用部材1を二色成形により形成したが、これに代えて、振動板11およびガスケット12をインサート品としてエッジ13をインサート成形して音響用部材1を形成してもよい。
また、上記した実施の形態では、電気信号を音波に変換する音響用部材1を示したが、これに限らず例えば、音波を受けて振動して電気信号に変換する音響用部材に適用してもよい。
さらに前記実施形態では、音響用部材1として振動板11を有する構成を示したが、振動板11は有しなくてもよい。
また前記実施形態では、ガスケット12およびエッジ13を円環状に形成したが、これに限らず例えば平面視楕円形状や多角形状、その他の形状に形成してもよい。
【0036】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、前記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0037】
エッジを成形する際に、ガスケットが溶融しても、この溶融分がエッジとの間から流出するのを抑制することができる。
【符号の説明】
【0038】
1 音響用部材
11 振動板
12 ガスケット
12a ガスケットの内周面(複数の面)
12b ガスケットの下端面(複数の面)
12c 角部
13 エッジ
13a ゲート部分
14 ロール部
16 外筒(ガスケットとの接合部分、接合筒部)
17 下フランジ部(ガスケットとの接合部分)
18 第1段部
19 第2段部(段部)
F 音響装置フレーム
O 軸線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
音響装置フレームに装着される環状のガスケットと、
該ガスケットに接合され、かつ該ガスケットを形成する材質よりも軟質材で形成された環状のエッジと、を備える音響用部材の製造方法であって、
前記ガスケットを一次成形品としかつ前記エッジを二次成形品とする二色成形、または前記ガスケットをインサート品として前記エッジをインサート成形すること、により形成され、
前記エッジの射出成形時に、溶融樹脂を前記ガスケットの表面のうち互いに連なる複数の面に沿って流動させることにより、該エッジを成形しかつこれら複数の面に連続して接合し、
該エッジにおける前記ガスケットとの接合部分の一部が、当該エッジの射出成形時に溶融樹脂が射出されるゲート部分とされていることを特徴とする音響用部材の製造方法。
【請求項2】
請求項1記載の音響用部材の製造方法であって、
前記ガスケットにおける前記複数の面は互いに角部を介して連なっていることを特徴とする音響用部材の製造方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の音響用部材の製造方法であって、
前記ガスケットにおける前記複数の面のうちの少なくとも1つは、前記ゲート部分よりも径方向の内側に位置していることを特徴とする音響用部材の製造方法。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の音響用部材の製造方法であって、
前記エッジにおける前記ガスケットとの接合部分は、外周面が前記ガスケットの内周面に全周にわたって接合される接合筒部を備え、
該エッジには、該音響用部材の軸線方向にドーム状に湾曲しかつ全周にわたって延びるとともに、前記接合筒部よりも径方向の内側に位置するロール部が備えられ、
該ロール部と前記接合筒部とが段部を介して連結されていることを特徴とする音響用部材の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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