説明

飲料冷却装置

【課題】飲料の温度を、より低温まで精度よく冷却することが可能な飲料冷却装置を提供する。
【解決手段】ビール冷却装置100は、ビール冷却部110と、冷却液冷却部120とを備える。ビール冷却部110は、外部から供給されるビールの冷却を行うものであり、飲料路形成部113と、熱電変換ユニット114とを備える。注入口111を介して飲料路形成部113内に導入されたビールは、熱電変換ユニット114によって所定の温度(例えば、−2℃)にまで冷却されて、注出口112を介して外部に導出される。冷却液冷却部120は、熱電変換ユニット114が備える熱電変換モジュールの放熱側を冷却するための冷却液(不凍液)を所定の温度(例えば、−5℃)にまで冷却するものであり、その内部に、冷却液を収容するための液槽121と、液槽121に収容された冷却液を冷却するための圧縮式冷凍機を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料(例えば、ビール)を冷却する飲料冷却装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、飲食店等において、ビールサーバーを用いて、ビールをジョッキやグラスに注いで客に提供する場合、ビールの冷却には、氷冷却式の冷却装置が一般に利用されている。氷冷却式の冷却装置は、例えば、冷却装置内に設けられた水槽内に収容された水を、圧縮式冷凍機で冷却して、水槽内に氷を形成させることで蓄熱を行うと共に、当該水槽内に、ビールを通過させる配管を設けておいて、当該配管内を、ビール樽から導かれるビールを通過させることで、ビールを飲み頃の温度(例えば、5℃程度)まで冷却している。
【0003】
一方、飲料の種類によっては、このような氷冷却式の冷却装置で冷却可能な温度より低い温度(例えば、−2℃程度)が飲み頃のものも存在する。
【0004】
このような飲料を飲み頃の温度まで冷却する装置としては、水の代わりに、水より低い温度で凍結する不凍液を利用して、当該不凍液を圧縮式冷凍機で冷却することで、氷冷却式の冷却装置より低い温度までの飲料の冷却を実現するものが知られている。
【0005】
しかしながら、このような圧縮式冷凍機を利用した従来の装置では、飲料の温度の精密な制御が困難であり、例えば、飲料の飲み頃の温度と飲料の凍結温度とが近い場合には、実際上、そのような飲料を、(凍結させることなく)飲み頃の温度まで冷却することはできなかった。
【0006】
なお、特開2003−28552号公報には、液槽の内部に、ビール等を冷却するための冷却蛇管と、圧縮式冷凍機の冷媒を蒸発させる冷媒蒸発管とを設け、液槽内に張り込む不凍液の温度を、圧縮式冷凍機の作動によって、−3℃程度に保持することによって、0℃以下に冷えたビール等の提供を可能とするディスペンサーが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−28552号公報(段落0012〜0013、図5)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、飲料の温度を、より低温まで精度よく冷却することが可能な飲料冷却装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る飲料冷却装置は、冷却対象となる飲料を流すための飲料路を形成する飲料路形成部と、前記飲料路形成部の冷却を行うための熱電変換モジュールと、前記熱電変換モジュールの放熱を行うための冷却液の冷却を行う冷却液冷却部とを備えることを特徴とする。
【0010】
この場合において、前記冷却液冷却部は、前記冷却液の冷却を行うための圧縮式冷凍機を備えるようにしてもよい。また、前記冷却液は、不凍液であるようにしてもよい。この場合、前記冷却液冷却部は、前記不凍液を、氷点下(例えば、−5℃)まで冷却するようにしてもよい。
【0011】
また、以上の場合において、前記飲料を氷点下(例えば、−2℃)まで冷却するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、飲料の温度を、より低温まで精度よく冷却することが可能な飲料冷却装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明によるビール冷却装置の構造を説明するための正面図である。
【図2】本発明によるビール冷却装置の構造を説明するための平面図である。
【図3】本発明によるビール冷却装置の構造を説明するための側面図である。
【図4】熱電変換ユニット114の構造を説明するための平面図及び正面図である。
【図5】熱電変換ユニット114の構造を説明するための断面図である。
【図6】熱電変換モジュール430の構造を説明するための図である。
【図7】飲料路形成部113の構造を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下では、飲料としてのビールの冷却を行うビール冷却装置について説明する。本ビール冷却装置は、外部から供給されるビールを冷却するために利用される。より具体的には、本ビール冷却装置は、外部(例えば、ビール樽)から連続的に供給される所定の温度(例えば、25℃)のビールを、所定の飲み頃の温度(例えば、−2℃程度)にまで冷却して外部(例えば、ディスペンサ)に連続的に供給するものである。
【0015】
図1〜図3は、本発明によるビール冷却装置の構造を説明するための図である。図1は正面図を示し、図2は平面図を示し、図3は側面図を示している。
【0016】
図1〜図3に示すように、本発明によるビール冷却装置100は、ビール冷却部110と、冷却液冷却部120とを備える。本実施形態においては、ビール冷却部110と冷却液冷却部120とは上下に重なるように配置されている。
【0017】
ビール冷却部110は、外部から供給されるビールの冷却を行うものである。ビール冷却部110は、その内部へビールを注入するための注入口111と、その内部からビールを注出するための注出口112とを、その上面に備える。注入口111を介して導入されたビールは、ビール冷却部110の内部において、所定の温度(例えば、−2℃)にまで冷却されて、注出口112を介して外部に導出される。
【0018】
図1〜図3に示すように、ビール冷却部110は、その外形を形成する直方体状の筐体の内部に、飲料路形成部113と、熱電変換ユニット(ペルチェユニット)114とを備える。本実施形態では、ビール冷却部110は、複数(具体的には、2つ)の熱電変換ユニット114(114a,114b)を備える。但し、簡単のため、図1では、一つの熱電変換ユニット114のみを示し、図3では、熱電変換ユニット114の図示を省略している。飲料路形成部113及び熱電変換ユニット114は、筐体内に設けられた断熱用ケース115に収容されており、断熱用ケース115の内部の空間は、断熱材(例えば、ウレタンフォーム)が充填される。なお、図示は省略してるが、筐体内には、断熱用ケース115以外に、熱電変換ユニット114を動作させるための電源や制御基板等が設けられている。
【0019】
熱電変換ユニット114は、熱電変換モジュール(ペルチェモジュール)を備えており、当該熱電変換モジュールに一定方向の電流を流すことによって、飲料路形成部113及び当該飲料路形成部113内を流れるビールが冷却されることになる。なお、図1〜図3においては、簡単のため、熱電変換ユニット114へ電力を供給するための配線等は省略してある。また、熱電変換ユニット114は、熱電変換モジュールの放熱を行うための液冷ジャケットを備えており、ビール冷却部110は、その側面に、熱電変換ユニット114の液冷ジャケットへ冷却液を供給するための冷却液供給口116と、熱電変換ユニット114の液冷ジャケットからの冷却液を排出するための冷却液排出口117とを備える。前述したように、本実施形態においては、複数(具体的には、2つ)の熱電変換ユニット114を備えているが、各熱電変換ユニット114の液冷ジャケットは、ビール冷却部110内部において、一本の冷却液経路を形成するように、チューブを介して、直列に接続されている。熱電変換ユニット114の構造の詳細については後述する。
【0020】
飲料路形成部113は、その内部に、飲料であるビールを流すための飲料路が形成されているものであって、ビールを導入するための注入口と、ビールを導出するための注出口を有するものである。本実施形態においては、飲料路形成部113が備える注入口及び注出口がそれぞれ、ビール冷却部110の筐体及び断熱用ケース115に設けられた孔を介して外部に露出することによって、ビール冷却部110の注入口111及び注出口112を構成する。注入口から飲料路形成部113内に導入されたビールは、注出口から外部に導出されるまでの間に、熱電変換ユニット114によって所望の温度(例えば、−2℃)まで冷却される。飲料路形成部113の構造の詳細については後述する。
【0021】
一方、冷却液冷却部120は、熱電変換ユニット114が備える熱電変換モジュールの放熱側を冷却するための冷却液を所定の温度に冷却するためのものである。本実施形態においては、冷却液として不凍液を利用して、冷却液を氷点下(例えば、−5℃)まで冷却する。ビール冷却部110と冷却液冷却部120とは、チューブ及び冷却液循環用ポンプ130を介して適宜接続されており、冷却液冷却部120によって冷却された冷却液は、冷却液循環用ポンプ130を動作させることによって、ビール冷却部110(の熱電変換ユニット114)に供給されて、熱電変換ユニット114の熱電変換モジュールの放熱側の冷却(放熱)を行う。熱電変換モジュールの放熱側で温められた冷却液は、冷却液冷却部120に戻されて、再度、所定の温度まで冷却される。
【0022】
冷却液冷却部120は、その外形を形成する直方体状の筐体の内部に、冷却液を収容するための液槽121を備える。また、冷却液冷却部120は、液槽121に収容された冷却液を所定の温度にまで冷却するため、圧縮機、凝縮器、蒸発器等により構成される圧縮式冷凍機(不図示)を備える。例えば、蒸発器を構成する冷媒管が、液槽121内に設けて、当該冷媒管内で冷媒が蒸発することによって、液槽121に収容された冷却液が冷却される。
【0023】
また、冷却液冷却部120は、筐体の側面に、液槽121と連通する吸入口122及び排出口123を備えており、冷却液冷却部120の排出口123が、冷却液循環用ポンプ130を介して、チューブによって、ビール冷却部110の冷却液供給口116と接続されると共に、冷却液冷却部120の吸入口122が、チューブによって、ビール冷却部110の冷却液排出口117と接続されて、冷却液の循環経路を形成される。このようにビール冷却部110と冷却液冷却部120とを接続した状態で、冷却液循環用ポンプ130を動作させると、冷却液冷却部120の液槽121で冷却された冷却液が、ビール冷却部110に供給されると共に、ビール冷却部110から排出された冷却液が、冷却液冷却部120の液槽121へ戻されて、改めて冷却されることとなる。
【0024】
次に、熱電変換ユニット114の構造について説明する。
【0025】
図4及び図5は、熱電変換ユニット114の構造を説明するための図である。図4(a)は平面図を示し、同図(b)は正面図を示し、図5(a)は、図4のA−A断面図を示し、図5(b)は、図4のB−B断面図を示す。なお、図5に示した断面図においては、ハッチングは説明に必要な範囲でのみ付してある。
【0026】
図4に示すように、熱電変換ユニット114は、伝熱ブロック410と、液冷ジャケット420と、ケース430とを備える。更に、図5(a)に示すように、伝熱ブロック410と、液冷ジャケット420との間には、熱電変換モジュール440が挟持されている。
【0027】
伝熱ブロック410は、熱電変換モジュール440の一方の面(本実施形態では、吸熱面)に接触して熱を伝達する伝熱部材であって、例えば、熱伝導性の高い金属(例えば、アルミニウム)によって構成される。伝熱ブロック410は、概ね四角柱状の形状を有しており、その上面に飲料路形成部113が適宜固定される。
【0028】
液冷ジャケット420は、熱電変換モジュール440の他方の面(本実施形態では、放熱面)に接触して熱を伝達(放熱)する伝熱部材(放熱部材)であって、本実施形態では、本体部421と、一対のパッキン部422と、一対のエンドブロック423と、一対の継手424によって構成されている。
【0029】
本体部421は、冷却液を流すための液路を形成する主要な部材であって、例えば、熱伝導性の高い金属(例えば、アルミニウム)によって構成される。本体部は、概ね矩形平板状の外形を有し、図5(b)における左右の端面の一方から他方の端面に向かって延びる複数(本実施形態では、12個)の貫通孔4211が形成されている。更に、蛇行する液路が形成されるよう、複数の貫通孔4211は、同図(b)における左右の端部において交互に、隣接する貫通孔4211と連通するように、隔壁が切り欠かれている。
【0030】
パッキン部422は、本体部421の貫通孔4211が形成された端面に取り付けられて、本体部421と一体となって、冷却液が流れる液路を形成する部材であって、例えば、シリコンゴムで構成される。エンドブロック423は、パッキン部422を本体部421に固定するための部材であって、パッキン部422を間に挟んだ状態で、本体部421に固定(ねじ留め)されるものである。
【0031】
継手424は、本体部421内に形成される液路へ冷却液を供給するための供給口及び液路から冷却液を排出する排出口を構成する部材であって、図5(b)における右端面において、上下端に位置する貫通孔4211にねじ込まれることで、本体部421に取り付けられる。
【0032】
液冷ジャケット420は、以上のような構成要素421〜424によって構成されているので、その内部に、冷却液を流すための液路が、一方の継手421から他方の継手421に向かって、図5(b)における左右方向に蛇行しながら進むように形成されることになる。このように形成された液路内に、供給口となる一方の継手424から冷却液を供給すると、当該冷却液は、排出口となる他方の継手424に向かって、熱電変換モジュール440の放熱面と平行に蛇行しながら流れることとなり、熱電変換モジュール440の放熱面の熱が効果的に奪われることになる。
【0033】
ケース430は、伝熱ブロック410及び液冷ジャケット420によって挟持される熱電変換モジュール440の周囲(側方)を間隔をあけて覆い密閉空間を形成するものであって、例えば、熱伝導性が低く、耐水性を有し、ガス透過性が低い合成樹脂(例えば、ポリフェニレンスルフィド)で構成される。ケース430は、伝熱ブロック410の側面の大部分を覆うように、伝熱ブロック410の側面に沿って延びる側壁部431と、液冷ジャケット420の上面の大部分を覆うよう、液冷ジャケット420の上面に沿って外向きに延びる張出部432とによって構成されており、断面が概ねL字状になるように形成される。ケース430は、例えば、伝熱ブロック410と一体をなすように、インサート成形によって形成され、張出部432が液冷ジャケット420に固定(ねじ留め)される。また、図4、図5等では簡単のため省略してあるが、ケース430の張出部432の一辺には、熱電変換モジュール440に直流電流を供給するためのタブ端子が一組設けられている。
【0034】
なお、前述したように、本実施形態では、ビール冷却部110の内部に、2つの熱電変換ユニット114a,114bを備えており、これら2つの熱電変換ユニット114a,114bの液冷ジャケット420は、ビール冷却部110内において、一本の冷却液経路を形成するようにチューブを介して接続される。すなわち、図2に示すように、冷却液供給口116と、一方の熱電変換ユニット114aの液冷ジャケット420の供給口201とがチューブを介して接続され、当該一方の熱電変換ユニット114aの液冷ジャケット420の排出口202と、他方の熱電変換ユニット114bの液冷ジャケット420の供給口203とがチューブを介して接続され、当該他方の熱電変換ユニット114bの液冷ジャケット420の排出口204と、冷却液排出口117とがチューブを介して接続される。その結果、冷却液供給口116を介して、ビール冷却部110の内部に供給された冷却液は、まず、一方の熱電変換ユニット114aの液冷ジャケット420に供給されて、当該一方の熱電変換ユニット114a内の熱電変換モジュール440の放熱側の冷却を行った後に、当該一方の熱電変換ユニット114aの液冷ジャケット420から排出される。当該一方の熱電変換ユニット114aの液冷ジャケット420から排出された冷却液は、他方の熱電変換ユニット114bの液冷ジャケット420に供給されて、当該他方の熱電変換ユニット114b内の熱電変換モジュール440の放熱側の冷却を行った後に、当該他方の熱電変換ユニット114bの液冷ジャケット420から排出される。当該他方の熱電変換ユニット114bの液冷ジャケット420から排出された冷却液は、冷却液排出口117を介して、ビール冷却部110の外部に排出される。
【0035】
図6は、熱電変換モジュール440の構造を説明するための図である。
【0036】
同図に示すように、熱電変換モジュール440は、板状に並べられた複数のπ型熱電素子610(n型半導体素子611及びp型半導体素子612の一端を金属電極613で接合したもの)によって構成されており、複数のπ型熱電素子610は、金属電極620によって、電気的には直列に、熱的には並列に接続されている。同図に示した例では、矢印の方向(π型熱電素子のn側からp側へ向かう方向)に直流電流を流すと、上面側(π型熱電素子のnp接合側)で吸熱が行われ、底面側で放熱が行われることになる。また、一般に、上面及び底面には、それぞれ、絶縁基板630(例えば、セラミック基板)が接合されており、吸熱面及び放熱面を形成している。なお、同図では、上面側の絶縁基板は省略してある。
【0037】
次に、飲料路形成部113の構造について説明する。
【0038】
図7は、飲料路形成部113の構造を説明するための図である。同図(a)は平面図を示し、同図(b)は正面図を示し、同図(c)は側面図を示している。
【0039】
同図に示すように、飲料路形成部113は、概ね矩形平板状の形状を有しており、その内部に、飲料を流すための飲料路1131が形成されている。また、内部に形成された飲料路1131に対して、飲料を導入又は導出するための一対の飲料入出口1132が、同図(a)における右上端部及び右下端部に形成されている。本実施形態においては、飲料路1131は、一方の飲料入出口1132から他方の飲料入出口1132に向かって、飲料路形成部113内を、同図(a)における左右方向に蛇行しながら進むように形成されている。なお、飲料路の寸法や形状は、実装条件に応じて、適当なものを選択することができる。飲料路形成部113は、例えば、熱伝導性の高い金属(例えば、アルミニウム)によって構成される。
【0040】
次に、以上のような構成を有するビール冷却装置100の動作について説明する。
【0041】
ビール冷却装置100の電源が投入されると、冷却液冷却部120が動作を開始して、冷却液冷却部120内の液槽121に収容された冷却液が、予め設定された温度(例えば、−5℃)になるように、冷却液の冷却が行われる。冷却液冷却部120は、液槽121に収容された冷却液が予め設定された温度に達した後は、当該温度が維持されるような制御を行う。
【0042】
また、冷却液循環用ポンプ130についても動作を開始して、冷却液冷却部120内の液槽121で冷却された冷却液が、ビール冷却部110に供給される。
【0043】
また、ビール冷却部110についても適宜動作を開始し、飲料路形成部113の温度が、予め設定された温度(例えば、−4℃)になるよう、飲料路形成部113の冷却が行われる。飲料路形成部113が予め設定された温度に達したかどうかは、例えば、飲料路形成部113に適宜設けられた温度センサによって検知される。ビール冷却部110は、飲料路形成部113が予め設定された温度に達した後は、当該温度が維持されるような制御を行う。
【0044】
飲料路形成部113が予め設定された温度(例えば、−4℃)に冷却された状態において、ビール冷却部110の注入口111を介して、飲料路形成部113にビールが導入されると、当該ビールは、飲料路形成部113の内部に形成された飲料路1131を通っている間に、所望の温度(例えば、−2℃)にまで冷却されて、ビール冷却部110の注出口112から出てくることになる。
【0045】
上述したビール冷却装置100によれば、飲料路形成部113の冷却を、熱電変換モジュール440によって行っているので、熱電変換モジュール440へ供給する電流を制御することによって、飲料路形成部113の温度を精度良く制御することができる。その結果、例えば、飲料の飲み頃の温度と飲料の凍結温度とが近い場合であっても、飲料を凍結させることなく、飲み頃の温度まで冷却することが可能となる。
【0046】
また、熱電変換モジュール440の放熱側を冷却する冷却液として、不凍液を圧縮式冷凍機で冷却したものを利用しているので、熱電変換モジュール440の吸熱側と放熱側との温度差を非常に小さくすることができ、熱電変換モジュール440を効率よく動作させることができる。
【符号の説明】
【0047】
100 ビール冷却装置
110 ビール冷却部
111 注入口
112 注出口
113 飲料路形成部
1131 飲料路
1132 飲料入出口
114,114a,114b 熱電変換ユニット
115 断熱用ケース
116 冷却液供給口
117 冷却液排出口
120 冷却液冷却部
121 液槽
122 吸入口
123 排出口
201,203 供給口
202,204 排出口
130 冷却液循環用ポンプ
410 伝熱ブロック
420 液冷ジャケット
421 本体部
4211 貫通孔
422 パッキン部
423 エンドブロック
424 継手
430 ケース
431 側壁部
432 張出部
440 熱電変換モジュール
610 π型熱電素子
611 n型半導体素子
612 p型半導体素子
613,620 金属電極
630 絶縁基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷却対象となる飲料を流すための飲料路を形成する飲料路形成部と、
前記飲料路形成部の冷却を行うための熱電変換モジュールと、
前記熱電変換モジュールの放熱を行うための冷却液の冷却を行う冷却液冷却部と
を備えたことを特徴とする飲料冷却装置。
【請求項2】
前記冷却液冷却部は、前記冷却液の冷却を行うための圧縮式冷凍機を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の飲料冷却装置。
【請求項3】
前記冷却液は、不凍液である
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の飲料冷却装置。
【請求項4】
前記冷却液冷却部は、前記不凍液を、氷点下まで冷却する
ことを特徴とする請求項3に記載の飲料冷却装置。
【請求項5】
前記飲料を氷点下まで冷却する
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の飲料冷却装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−180959(P2012−180959A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−43427(P2011−43427)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【出願人】(398032289)株式会社テックスイージー (20)
【出願人】(311007202)アサヒビール株式会社 (36)
【出願人】(000004743)日本軽金属株式会社 (627)
【Fターム(参考)】