説明

駆動制御装置、時計装置、及び電子機器

【課題】一次電源部の出力電圧が変動しても、モータを正常に駆動することができるようにする。
【解決手段】太陽電池1の起電力による二次電池2への充電を、モータを駆動する前にその時点における充電より減弱させ、モータを駆動した後にその時点における充電より増強させるモータ駆動制御部5bを備える。二次電源部の電圧を検出する電池電圧検出部8bと、前記モータ駆動制御部5bによる充電の増強は、前記検出された電圧が予め決められた電圧以下の場合に行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動制御装置、時計装置、及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、光エネルギーを電気エネルギーに変換する光電変換手段(太陽電池)や使用者の動作に伴う運動エネルギーを電気エネルギーに変換する発電装置などを一次電源部として用いる時計、電卓などの電子機器が、幅広く使用されている。電子時計においても、一次電源部が発電した電圧によって二次電池(二次電源部)を充電し、二次電池の充電エネルギーを用いて時計回路からモータ駆動パルスを出力し、運針用のロータを回転駆動するアナログ電子時計である(例えば、特許文献1及び特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−306274号公報
【特許文献2】特開平7−294670号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載された電子時計などの従来の電子機器では、運針用のモータを駆動する場合に、モータ駆動中に太陽電池(一次電源部)の出力電圧が変動すると、電源電圧が急変して上記モータが正常に回転できなくなる可能性がある。また、従来の電子機器では、電源電圧が急変すると、モータが正常に回転したことを検出する際に誤検出が生じて、正確な時刻を計時できなくなる運針ミスが生じる可能性もある。このように、従来の電子機器では、太陽電池の出力電圧が変動することにより、モータを正常に駆動できなくなるという欠点があった。
【0005】
本発明は、上記問題を解決すべくなされたものであり、その目的は、一次電源部の出力電圧が変動しても、モータを正常に駆動することができる駆動制御装置、時計装置、及び電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題を解決するために、本発明の一態様は、一次電源部の起電力による二次電源部への充電を、モータを駆動している間はモータを駆動していないときと比較して充電を減弱させるモータ駆動制御部を備えることを特徴とする駆動制御装置である。
【0007】
また、本発明の一態様は、上記の駆動制御装置において、前記モータ駆動制御部によって前記充電が減弱させられている期間は、モータの主駆動パルス発生期間であることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の一態様は、上記の駆動制御装置において、前記モータの回転を検出する回転検出部を備え、前記モータ駆動制御部によって前記充電が減弱させられている期間は、前記モータの主駆動パルス発生期間と前記回転検出部が前記モータの回転を検出し始めてから検出するまでの期間とであることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の一態様は、上記の駆動制御装置において、前記モータ駆動制御部による充電の増強は、前記回転検出部により回転が検出された場合に行われることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の一態様は、上記の駆動制御装置において、前記モータ駆動制御部による充電の増強は、前記回転検出部により所定の時間内にモータの回転が検出されなかった場合に行われることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の一態様は、上記の駆動制御装置において、自装置が受ける磁界を検出する磁界検出部を備え、前記モータ駆動制御部による充電の増強は、前記検出された磁界が予め決められた磁界より大きい場合に行われることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の一態様は、前記二次電源部の電圧を検出する電池電圧検出部と、前記モータ駆動制御部による充電の増強は、前記検出された電圧が予め決められた電圧以下の場合に行われることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の一態様は、前記モータ駆動制御部による充電の増強は、固定パルス駆動に移行した場合に行われることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の一態様は、上記の駆動制御装置において、前記駆動制御装置は、前記二次電源部の充電を停止する充電停止部を備え、前記モータ駆動制御部は、前記充電停止部に対して前記二次電源部の充電を、前記モータを駆動する前に停止させ、前記モータを駆動した後に許可させることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の一態様は、上記の駆動制御装置において、前記充電停止部は、前記一次電源部の出力電位差が予め定められた閾値以上である場合に、前記二次電源部の充電を停止する過充電保護部を含むことを特徴とする。
【0016】
また、本発明の一態様は、上記の駆動制御装置において、前記充電停止部は、前記一次電源部の出力電位差が前記二次電源部の出力電位差以下である場合に、前記二次電源部の充電を停止する逆流防止部を含むことを特徴とする。
【0017】
また、本発明の一態様は、上記の駆動制御装置において、前記充電停止部は、前記二次電源部の充電を停止する場合に、前記二次電源部の陽極端子と前記一次電源部の陽極端子との間、又は前記二次電源部の陰極端子と前記一次電源部の陰極端子との間を非導通状態にすることを特徴とする。
【0018】
また、本発明の一態様は、上記の駆動制御装置において、前記駆動制御装置は、前記一次電源部の出力電位差が前記二次電源部の出力電位差以下である場合に、前記二次電源部の陽極端子と前記一次電源部の陽極端子との間、又は前記二次電源部の陰極端子と前記一次電源部の陰極端子との間を非導通状態にする逆流防止部を備え、前記充電停止部は、前記二次電源部の充電を停止する場合に、前記一次電源部の陽極端子と前記一次電源部の陰極端子との間を導通状態にすることを特徴とする。
【0019】
また、本発明の一態様は、上記の駆動制御装置において、前記二次電源部は、太陽電池であることを特徴とする。
【0020】
また、本発明の一態様は、上記の駆動制御装置において、前記モータは、時刻を計時する時刻モータであることを特徴とする。
【0021】
また、本発明の一態様は、上記の駆動制御装置を備えることを特徴とする時計装置である。
【0022】
また、本発明の一態様は、上記の駆動制御装置を備えることを特徴とする電子機器である。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、モータの駆動を開始する前に、一次電源部(例えば、太陽電池)による二次電源部(例えば、二次電池)への充電を停止して、モータ駆動中に電力を供給する電源の電圧が変化しないようにする。これにより、一次電源部の出力電圧が変動しても、モータを正常に駆動することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第1の実施形態における時計装置を示す概略ブロック図である。
【図2】同実施形態における時計装置の動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明の第2の実施形態における時計装置を示す概略ブロック図である。
【図4】同実施形態における過充電保護部20aの構成を示す概略ブロック図である。
【図5】同実施形態における時計装置の動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第3の実施形態における時計装置を示す概略ブロック図である。
【図7】モータ駆動制御部がモータを回転と判定した場合に、充電を増強させる処理の一例について説明するための図である。
【図8】モータ駆動制御部がモータを非回転と判定した場合に、充電を増強させる処理の一例について説明するための図である。
【図9】モータ駆動制御部が磁界を検出したと判定した場合に、充電を増強させる処理の一例について説明するための図である。
【図10】モータ駆動制御部が二次電池の電圧が低下した場合に、充電を増強させる処理の一例について説明するための図である。
【図11】第3の実施形態におけるモータ駆動制御部5bの動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
<第1の実施形態>
以下、本発明の第1の実施形態おける電子装置(例えば、時計装置)について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態における時計装置(以下、時計という)を示す概略ブロック図である。
この図において、時計200は、太陽電池1、二次電池2、水晶発振子4、時刻用(運針用)のモータ6、スイッチ(SW)7、及び駆動制御装置100で構成される。また、駆動制御装置100は、発振制御部3、モータ駆動制御部5、電池電圧検出部8、充電検出逆流防止部9、低消費モード制御部10、及び過充電保護部20を備える。この時計200は、例えば、アナログ表示式の電子時計であり、運針用のモータ6はステップモータである。
【0026】
なお、時計200において、駆動制御装置100内の充電検出逆流防止部9は、充電停止部30に含まれる。
以下、図1を参照して、時計200内の各部の機能について順次に説明する。
【0027】
太陽電池1(一次電源部)は、陽極端子が電源線VDDに接続され、陰極端子が電源線SVSSに接続される。また、太陽電池1の陰極端子は、充電検出逆流防止部9に接続される。太陽電池1は、光により起電力を生成する。太陽電池1は、充電検出逆流防止部9を通じて二次電池2を充電する。また、太陽電池1は、電源線VDDを通じて時計200の各部に電力を供給する。なお、ここで電源線VDDはVDDアースであり、時計200全体の基準電位を示す。
【0028】
二次電池2(二次電源部)は、陽極端子が電源線VDDに接続され、陰極端子が電源線VSSに接続される。また、二次電池2の陰極端子は、充電検出逆流防止部9に接続される。二次電池2は、充電検出逆流防止部9を通じて太陽電池1の起電力によって充電される。また、二次電池2は、電源線VDDを通じて時計200の各部に電力を供給する。
【0029】
発振制御部3は、水晶発振子4と接続され、時刻の計時に用いる基本クロック信号を発振して生成する。発振制御部3は、低消費モード制御部10から供給される定電圧ON(オン)/OFF(オフ)信号に基づいて、基本クロック信号の発振動作の制御を行う。ここでは、例えば、定電圧ON/OFF信号がH(ハイ)状態である場合に、発振制御部3は、基本クロック信号の発振を停止する。また、例えば、定電圧ON/OFF信号がL(ロウ)状態である場合に、発振制御部3は、基本クロック信号の発振を行う。
【0030】
発振制御部3は、生成した基本クロック信号をモータ駆動制御部5に供給する。発振制御部3によって生成される基本クロック信号の周波数は、例えば、32.768kHz(キロヘルツ)である。水晶発振子4は、発振制御部3に接続され、基本クロック信号の発振に使用される。
【0031】
モータ駆動制御部5は、発振制御部3から供給された基本クロック信号に基づいて、時刻を計時する時計動作を制御する。この時計動作には、時刻を表示する時計200の針を運針するモータ(M)6を駆動する動作が含まれる。つまり、モータ駆動制御部5は、モータ6と接続され、モータ6の駆動を制御する。モータ駆動制御部5は、低消費モード制御部10から供給される低消費モード信号に基づいて、時計200を低消費モードに移行させる。具体的には、低消費モード信号がH状態である場合に、モータ駆動制御部5は、時計200を低消費モードに移行させる。また、低消費モード信号がL状態である場合に、モータ駆動制御部5は、時計200を低消費モードから通常動作モードに移行させる。また、モータ駆動制御部5は、スイッチ(SW)7の一端と接続され、スイッチ7の状態により、モータ6の駆動を停止、又は開始する。
【0032】
また、モータ駆動制御部5は、モータ6を駆動して運針を開始する前に、充電OFF信号をH状態にして充電停止部30(充電検出逆流防止部9)に出力する。これにより、モータ駆動制御部5は、太陽電池1から二次電池2への充電を停止させる。また、モータ駆動制御部5は、モータ6を駆動した後に、充電OFF信号をL状態にして充電停止部30(充電検出逆流防止部9)に出力する。これにより、モータ駆動制御部5は、太陽電池1から二次電池2への充電を許可させる。つまり、モータ駆動制御部5は、充電停止部30に対して二次電池2の充電を、モータ6を駆動する前に停止させ、モータ6を駆動した後に許可させる。すなわち、モータ駆動制御部5は、太陽電池1から二次電池2への充電を停止した状態において、モータ6を駆動して運針動作を行う。
また、モータ駆動制御部5は、モータ6の回転を検出し、運針が正常に行われた否かを判定する。モータ駆動制御部5は、運針が正常に行われていないと判定した場合、再度モータ6を駆動させて、時計の針が正確な時刻を示すようにする。
【0033】
モータ6は、モータ駆動制御部5から供給される駆動信号に基づいて、時計200の針を運針する。すなわち、モータ6は、時刻を計時する時刻モータである。
スイッチ7は、一方の端子がモータ駆動制御部5に接続され、他方の端子が電源線VDDに接続される。スイッチ7は、時計200のリュウズスイッチである。リュウズが時計200から引き出された場合に、スイッチ7は、例えば、導通状態になり、リュウズが時計200に押し込まれた場合に、スイッチ7は、例えば、非導通状態になる。時計200は、リュウズが引き出された場合、針の運針を停止し、時刻合わせを行うことができる状態になる。つまり、スイッチ7が導通状態にある場合、モータ駆動制御部5は、モータ6の駆動を停止させる。
【0034】
電池電圧検出部8は、低消費モード制御部10から供給される検出サンプリング信号をトリガとして、二次電池2の出力電圧(出力電位差)を検出する。電池電圧検出部8は、二次電池2の出力電圧が予め定められた閾値未満である状態を検出すると、検出結果として低消費モード検出信号を低消費モード制御部10に出力する。具体的には、低消費モード検出信号は、二次電池2の出力電圧が予め定められた閾値未満である場合に、H状態になり、二次電池2の出力電圧が予め定められた閾値以上である場合に、L状態になる。
また、予め定められた閾値は、モータ6を駆動可能な下限電圧より予め定められた電圧分大きい値である。
【0035】
充電停止部30内の充電検出逆流防止部9(逆流防止部)は、太陽電池1の出力電圧(出力電位差)が二次電池2の出力電圧(出力電位差)以下の状態を示す非充電状態を検出する。充電検出逆流防止部9は、非充電状態を検出した場合、検出結果として、充電検出信号を低消費モード制御部10に出力する。具体的には、充電検出信号は、非充電状態である場合に、H状態になる。また、充電検出信号は、太陽電池1の出力電圧が二次電池2の出力電圧より大きい状態を示す充電状態である場合に、L状態になる。
【0036】
また、充電検出逆流防止部9は、非充電状態である場合に、太陽電池1の陰極端子に接続された電源線SVSSと二次電池2の陰極端子に接続された電源線VSSとの間の導通をスイッチ92により遮断(非導通状態に)する。これにより、充電検出逆流防止部9は、二次電池2から太陽電池1に電流が逆流するのを防止する。つまり、充電検出逆流防止部9は、太陽電池1の出力電圧が二次電池2の出力電圧以下である場合に、二次電池2の充電を停止する。また、充電検出逆流防止部9は、二次電池2の充電を停止する場合に、二次電池2の陽極端子と太陽電池1の陽極端子との間を非導通状態にする。
【0037】
また、充電検出逆流防止部9は、モータ駆動制御部5から出力される充電OFF信号を入力とする。この充電OFF信号は、モータ駆動パルス出力の前にモータ駆動制御部5から所定時間出力される信号であり、例えば、H状態になる信号である。この充電OFF信号のH状態の信号が充電検出逆流防止部9に入力されると、充電検出逆流防止部9は、電源線SVSSと二次電池2の陰極端子に接続された電源線VSSとの間の導通を遮断する。なお、この充電検出逆流防止部9の詳細な構成については後述する。
この充電停止部30の動作により、モータ6の回転(運針)の前に、太陽電池1から二次電池2への充電を停止させる。
また、充電検出逆流防止部9は、コンパレータ91、スイッチ92、2入力のOR(オア)回路93を備える。なお、スイッチ92は、例えば、MOSトランジスタ(金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ)あるいはアナログスイッチ等の半導体素子で構成される。
【0038】
コンパレータ91は、一方の入力端子が、太陽電池1の陰極端子に接続された電源線SVSSに、他方の入力端子が、二次電池2の陰極端子に接続された電源線VSSに、それぞれ接続される。コンパレータ91の出力は、充電検出信号となる。
コンパレータ91は、太陽電池1の出力電圧が二次電池2の出力電圧以下である場合(非充電状態である場合)に、充電検出信号としてH状態を低消費モード制御部10に出力する。また、コンパレータ91は、太陽電池1の出力電圧が二次電池2の出力電圧より大きい場合に、充電電検出信号としてL状態を低消費モード制御部10に出力する。
【0039】
OR回路93は、一方の入力端子が、コンパレータ91の出力端子に、他方の入力端子が、モータ駆動制御部5から出力される充電OFF信号の信号線に、それぞれ接続される。この充電OFF信号は、通常はL状態の信号であり、スイッチ92を開放に(非導通状態)する場合に、H状態となる信号である。OR回路93の出力端子から出力される信号によりスイッチ92のON/OFF(接続/開放)が制御される。例えば、OR回路93から出力される信号がH状態の場合にスイッチ92がOFF(開放)し、電源線VSSと電源線SVSSとの間を遮断する。また、OR回路93から出力される信号がL状態の場合にスイッチ92がON(接続)し、電源線VSSと電源線SVSSとの間を導通にする。
【0040】
なお、OR回路93の出力がH状態になり、スイッチ92がOFFされるのは、以下の2通りの場合である。
第1の場合は、充電検出信号がH状態になる場合、すなわち、太陽電池1の発電電圧が二次電池2の充電電圧よりも低い場合には、スイッチ92を開放し、二次電池2から太陽電池1へ電流が逆流することを回避する。なお、過充電保護部20において過充電保護動作が行われている場合(過充電保護部20内のスイッチ22がONの場合)においても、も、スイッチ92を開放する。これは、太陽電池1の出力端子がスイッチ22を通して短絡される場合は、充電検出逆流防止部9から見ると、太陽電池1の発電電圧が低下したことと等価になるため、コンパレータ91の動作によりスイッチ92が開放される。
【0041】
第2の場合は、充電OFF信号がH状態になる場合である。すなわち、モータ駆動制御部5から出力する充電OFF信号によりスイッチ92を開放させ、太陽電池1から二次電池2への充電を停止させる。
【0042】
このように、充電停止部30(充電検出逆流防止部9)は、スイッチ92を開放(非導通状態)にすることにより、太陽電池1の発電電圧が二次電池2の充電電圧よりも低い場合に二次電池2から太陽電池1に電流が逆流することを防止する。また、充電停止部30(充電検出逆流防止部9)は、モータ駆動制御部5からの制御により太陽電池1から二次電池2への充電を停止させる。さらに、過充電保護部20において過充電保護動作が行われている場合に、充電停止部30(充電検出逆流防止部9)は、二次電池2の出力端子がスイッチ22を通して短絡されることを防ぐことができる。なお、コンパレータ91の出力がL状態(充電状態)であり、充電OFF信号がL状態である場合には、充電停止部30(充電検出逆流防止部9)は、スイッチ92により電源線VSSと電源線SVSSとの間を導通にする。これにより、時計200は、太陽電池1の起電力により二次電池2が充電される充電状態になる。
【0043】
過充電保護部20は、発電検出部21及びスイッチ22を備える。過充電保護部20は、太陽電池1の出力電圧(発電電圧)を検出する。過充電保護部20は、検出した太陽電池1の発電電圧が所定の閾値以上になった場合(発電電圧が過大になった場合)に、二次電池2が過充電されることを回避するために、スイッチ22をONして発電側をショートする。なお、この過充電保護部20の詳細な構成については後述する。
【0044】
発電検出部21は、太陽電池1の出力電位差が予め定められた閾値以上であるか否かを検出する。つまり、発電検出部21は、太陽電池1の発電電圧が過大であるか否かを検出する。発電検出部21は、太陽電池1が上述の閾値以上である場合に、H状態を出力し、上述の閾値より低い場合に、L状態を出力する。
スイッチ22は、例えば、MOSトランジスタ、あるいはアナログスイッチ等の半導体素子で構成される。スイッチ22は、一方の端子が太陽電池1の陽極端子に接続され、他方の端子が太陽電池1の陰極端子に接続される。スイッチ22は、発電検出部21から出力される信号によりON/OFF(導通/開放)が制御される。例えば、発電検出部21から出力される信号がH状態の場合、すなわち、発電検出部21により太陽電池1の発電電圧が過大であることが検出された場合に、スイッチ22をON(導通状態)にし、太陽電池1の陽極端子と陰極端子との間をショート(短絡)する。これにより、太陽電池1の発電電圧が過大な場合に、太陽電池1の出力電流をスイッチ22にバイパスさせて、太陽電池1から二次電池2への充電を停止する。
【0045】
このように、過充電保護部20では、太陽電池1の発電電圧が所定の電圧値以上になった場合に、スイッチ22をONにすることにより太陽電池1の出力側をショートし、太陽電池1から出力される電流をバイパスさせることにより、二次電池2が過充電されることを防いでいる。なお、太陽電池1の出力端子がスイッチ22によりショートされる過充電保護動作中は、充電検出逆流防止部9では、太陽電池1の発電電圧が低下したものと見なして、スイッチ92を開放(非導通状態)にする。
【0046】
低消費モード制御部10は、電池電圧検出部8による検出結果(低消費モード検出信号)に基づいて、二次電池2の出力電圧が上述の予め定められた閾値以下であるか否かを判定する。また、低消費モード制御部10は、充電検出逆流防止部9による検出結果(充電検出信号)に基づいて、太陽電池1の出力電圧が二次電池2の出力電圧以下の状態を示す非充電状態であるか否かを判定する。低消費モード制御部10は、低消費モード検出信号と充電検出信号とに基づいて、低消費モードに移行させる。
【0047】
ここで、低消費モードとは、例えば、モータ駆動制御部5がモータ6の駆動を停止し、且つ、発振制御部3が基本クロック信号の出力を停止した状態である。従って、低消費モード制御部10は、低消費モードに移行させる場合に、モータ駆動制御部5に時計動作(モータ6による運針動作)を停止させる。また、低消費モード制御部10は、低消費モードに移行させる場合に、発振制御部3に基本クロック信号の発振を停止させる。
【0048】
また、低消費モード制御部10は、充電検出信に基づいて、非充電状態でない場合に、低消費モードから時計動作を行う通常動作モードに遷移させる。ここで、通常動作モードとは、発振制御部3が基本クロック信号を出力し、且つ、モータ駆動制御部5がモータ6の駆動を行っている状態である。
【0049】
なお、低消費モード制御部10は、二次電池2の出力電圧を検出するトリガ信号として検出サンプリング信号を電池電圧検出部8に供給する。また、低消費モード制御部10は、発振制御部3に定電圧ON/OFF信号を供給し、モータ駆動制御部5に低消費モード信号を供給する。低消費モード制御部10は、定電圧ON/OFF信号及び低消費モード信号により、通常動作モードから低消費モードに移行させる制御、又は低消費モードから通常動作モードに移行させる制御を行う。
【0050】
次に、本実施形態の動作について説明する。
図2は、本実施形態における時計200の動作を示すフローチャートである。以下、図2に示すフローチャートを参照して、時計200の動作について説明する。
なお、ここで説明する充電制御処理は、モータ駆動制御部5から出力される充電OFF信号により充電検出逆流防止部9を制御する場合の処理の流れを示したものである。
【0051】
まず、モータ駆動制御部5は、モータ6を駆動して運針を開始する前に(モータ駆動パルス出力の前に)、充電OFF信号をH状態にして充電検出逆流防止部9に出力する(ステップS101)。充電検出逆流防止部9は、充電OFF信号がH状態になることによりスイッチ92をOFFにして、電源線VSSと電源線SVSSとの間を遮断(非導通状態に)する(ステップS102)。
【0052】
次に、モータ駆動制御部5は、モータ6の駆動パルスを出力し(ステップS103)、モータ6を回転させて時計200の運針動作を行う(ステップS104)。なお、この際に、運針が正常に行われた否かを判定するために、モータ6の回転検出も行われる。時計200の運針動作が完了すると、モータ駆動制御部5は、充電OFF信号をL状態にして出力する。充電検出逆流防止部9は、充電OFF信号がL状態になるとスイッチ92をONにして、電源線VSSと電源線SVSSとの間を導通させる(ステップS105)。
【0053】
以上により、駆動制御装置100及び時計200では、モータ駆動制御部5が、太陽電池1(一次電源部)の起電力による二次電池2(二次電源部)への充電を、モータ6を駆動する前に充電停止部30に停止させる。また、モータ駆動制御部5は、モータ6を駆動した後に、太陽電池1の起電力による二次電池2への充電を充電停止部30に許可させる。つまり、モータ駆動制御部5は、モータ6の駆動を開始する前に、充電検出逆流防止部9のスイッチ92を非導通状態にすることにより、太陽電池1から二次電池2へ充電が流れないようにする。これにより、モータ6の駆動中に電力を供給する電源電圧が、太陽電池1の出力電圧が変動しても、変化しないようになる。そのため、モータ駆動制御部5は、モータ6を正常に回転することができる。また、モータ駆動制御部5は、モータ6が正常に回転したことを検出する際に誤検出が生じることを回避でき、正確な時刻を計時できなくなる運針ミスを防止することができる。従って、駆動制御装置100及び時計200は、太陽電池1の出力電圧が変動しても、モータ6を正常に駆動することができる。
また、充電停止部30は、太陽電池1の出力電圧が二次電池2の出力電圧以下である場合に、二次電池2の充電を停止する充電検出逆流防止部9(逆流防止部)を含む。これにより、充電停止部30は、充電検出逆流防止部9と機能を兼用することができる。そのため、駆動制御装置100及び時計200の部品数の増加を抑えつつ、太陽電池1の出力電圧が変動しても、モータ6を正常に駆動することができる。
【0054】
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態おける電子装置(例えば、時計装置)について図面を参照して説明する。
図3は、本発明の第2の実施形態における時計200aを示す概略ブロック図である。
この図において、時計200aは、太陽電池1、二次電池2、水晶発振子4、時刻用(運針用)のモータ6、スイッチ(SW)7、及び駆動制御装置100aで構成される。また、駆動制御装置100aは、発振制御部3、モータ駆動制御部5、電池電圧検出部8、充電検出逆流防止部9a、低消費モード制御部10、及び過充電保護部20aを備える。この時計200aは、例えば、アナログ表示式の電子時計であり、運針用のモータ6はステップモータである。
【0055】
なお、時計200aにおいて、駆動制御装置100a内の過充電保護部20aは、充電停止部30aに含まれる。
また、本実施形態の時計200aは、図1に示す充電検出逆流防止部9を、充電検出逆流防止部9aに変更した点、及び図1に示す過充電保護部20を、図3に示す過充電保護部20aに変更した点が図1に示す第1の実施形態の時計200と異なる。他の構成は、図1に示す時計200と同様である。このため、同一の構成部分には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0056】
本実施形態では、モータ駆動制御部5が、モータ6の駆動前に太陽電池1から二次電池2への充電を停止させる際に、過充電保護部20aのスイッチ22を導通状態にする。これにより、モータ駆動制御部5は、太陽電池1の出力端子をショートさせ、太陽電池1から出力される電流をスイッチ22にバイパスする。二次電池2への充電を停止させる。
【0057】
充電検出逆流防止部9aでは、第1の実施形態における充電検出逆流防止部9内のスイッチ92代わりに、ダイオード94を用いている。このダイオード94は、アノード側が電源線VSSに接続され、カソード側が電源線SVSSに接続される。この構成により、充電検出逆流防止部9aは、太陽電池1の発電電圧が二次電池2の電池電圧よりも低い場合において、二次電池2から太陽電池1へ電流が逆流することを防いでいる。また、充電検出逆流防止部9aは、太陽電池1の出力端子がスイッチ22によりショートされた場合において、二次電池2の出力側がスイッチ22を通してショートされることを防いでいる。
【0058】
充電停止部30a(過充電保護部20a)は、太陽電池1の出力電圧(発電電圧)を検出する。過充電保護部20aは、検出した太陽電池1の発電電圧が所定の閾値以上になった場合(発電電圧が過大になった場合)に、二次電池2が過充電されることを回避するために、スイッチ22をONして発電側をショートする。また、過充電保護部20aは、太陽電池1の出力電圧が予め定められた閾値以上である場合に、二次電池2の充電を停止する。なお、過充電保護部20aは、二次電池2の充電を停止する場合に、太陽電池1の陽極端子と太陽電池1の陰極端子との間を導通状態にする。
【0059】
また、過充電保護部20aは、発電検出部21、スイッチ22、及び2入力のOR回路23を備える。
OR回路23は、一方の入力端子が、発電検出部21の出力端子に、他方の入力端子が、モータ駆動制御部5から出力される充電OFF信号の信号線に、それぞれ接続される。この充電OFF信号は、通常はL状態の信号であり、スイッチ22を導通にする場合に、H状態となる信号である。OR回路23の出力端子から出力される信号によりスイッチ22のON/OFF(接続/開放)が制御される。例えば、OR回路23から出力される信号がH状態の場合にスイッチ92がON(接続)し、太陽電池1の陽極端子と太陽電池1の陰極端子との間を導通状態にする。また、OR回路23から出力される信号がL状態の場合にスイッチ92がOFF(開放)し、太陽電池1の陽極端子と太陽電池1の陰極端子との間を非導通状態にする。
【0060】
図4は、本実施形態における過充電保護部20aの構成を示す概略ブロック図である。
この図において、過充電保護部20aは、第1の実施形態と同様に太陽電池1の出力電圧が過大になった場合に太陽電池1から二次電池2への充電を停止させる機能を備え、さらに、モータ駆動制御部5からの制御により、太陽電池1から二次電池2への充電を停止させる機能を備えている。
【0061】
この図の例に示すように、スイッチ22は、PMOSトランジスタ(Pチャネル型MOSトランジスタ)221及びインバータ222を備える。
PMOSトランジスタ221は、ソース端子が太陽電池1の陽極端子に接続され、ドレイン端子が太陽電池1の陰極端子に接続される。また、PMOSトランジスタ221のゲート端子は、インバータ222の出力端子に接続される。
インバータ222は、入力端子がOR回路23の出力端子に接続され、OR回路23の出力を論理反転する。
【0062】
発電検出部21は、基準電圧源(Vref)211、NMOSトランジスタ(Nチャネル型MOSトランジスタ)212、分圧用の抵抗213と214、及びインバータ215を備えている。この基準電圧源(Vref)211は、一方の端子が太陽電池1の陽極端子に接続され、他方の端子がノードN1を通して、インバータ215の入力端子と、NMOSトランジスタ212のドレイン端子とに接続される。また、NMOSトランジスタ212のソース端子は、太陽電池1の陰極端子に接続される。
【0063】
抵抗213は、一端が太陽電池1の陽極端子に接続され、他端がノードN2を通して抵抗214の一端に接続され、抵抗214の他端は、太陽電池1の陰極端子に接続されている。したがって、ノードN2は、太陽電池1の出力電圧の抵抗分圧点となる。また、NMOSトランジスタ212のゲート端子は、ノードN2に接続されている。また、インバータ215の出力端子は、OR回路23の一方の入力端子に接続され、OR回路23の他方の入力端子には、モータ駆動制御部5から出力される充電OFF信号が入力される。また、OR回路23の出力端子は、インバータ222の入力端子に接続され、インバータ222の出力端子はPMOSトランジスタ221のゲート端子に接続される。
【0064】
次に、本実施形態の動作について説明する。
まず、過充電保護部20aの動作について説明する。
【0065】
過充電保護部20aにおいて、太陽電池1の出力電圧が上昇することにより、抵抗213,214の分圧点(ノードN2)の電圧も上昇する。このノードN2の電位が、基準電圧源211及びNMOSトランジスタ212の特性により決まる所定の閾値の電圧値を超えると、NMOSトランジスタ212がONになる。NMOSトランジスタ212がONになると、ノードN1の電位がL状態(太陽電池1の陰極側の電位)になる。このため、インバータ215の入力がL状態、出力がH状態となり、また、インバータ215に接続されたインバータ222の出力がL状態となり、PMOSトランジスタ221のゲート端子がL状態になる。PMOSトランジスタ221のゲート端子がL状態になると、PMOSトランジスタ221がONになり、太陽電池1の陽極端子と陰極端子とがショート(短絡)される。
【0066】
このように、太陽電池1の発電電圧が所定の電圧値以上になった場合に、PMOSトランジスタ221をONにすることにより太陽電池1の出力側をショートさせ、太陽電池1から出力される電流をPMOSトランジスタ221でバイパスさせることにより、二次電池2が過充電されることを防いでいる。
【0067】
また、上述のようにOR回路23の他方の入力端子には、モータ駆動制御部5から充電OFF信号が入力される。この充電OFF信号は二次電池2への充電を停止させる場合にH状態になる信号である。この充電OFF信号をH状態にすることにより、OR回路23の出力端子がH状態、インバータ222の出力端子がL状態になり、PMOSトランジスタ221がONになる。このPMOSトランジスタ221をONにすることにより、太陽電池1の陽極端子と陰極端子とがショート(短絡)され、太陽電池1から出力される電流をPMOSトランジスタ221によりバイパスさせる。これにより、過充電保護部20aは、太陽電池1から二次電池2への充電を停止する。
【0068】
このように、第2の実施形態における過充電保護部20aは、モータ駆動制御部5からの充電OFF信号が入力されるように構成されており、モータ駆動制御部5は、モータ6の駆動前に充電OFF信号をH状態にすることにより、太陽電池1から二次電池2への充電を停止させる。
【0069】
図5は、本実施形態における時計200aの動作を示すフローチャートである。以下、図5に示すフローチャートを参照して、時計200aの動作について説明する。
なお、ここで説明する充電制御処理は、モータ駆動制御部5から出力される充電OFF信号により過充電保護部20aを制御する場合の処理の流れを示したものである。
【0070】
まず、モータ駆動制御部5は、モータ6を駆動して運針を開始する前に(モータ駆動パルス出力の前に)、充電OFF信号をH状態にして過充電保護部20aに出力する(ステップS201)。過充電保護部20aでは、充電OFF信号がH状態になるとスイッチ22(より正確にはPMOSトランジスタ221)をON(導通状態)にして、太陽電池1の陽極端子と陰極端子とをスイッチ22により接続する(ステップS202)。これにより、過充電保護部20aのスイッチ22をONにして発電側をショートし、太陽電池1の出力電流をスイッチ22によりバイパスさせることにより、太陽電池1から二次電池2への充電を停止させる。なお、過充電保護部20aのスイッチ22をON(導通状態)にすると、太陽電池1の出力電圧が、二次電池2の出力電圧より低下する。このため、充電検出逆流防止部9aのダイオード94が非導通状態になる。
【0071】
次に、モータ駆動制御部5はモータ6の駆動パルスを出力し(ステップS203)、モータ6を回転させて時計200aの運針動作を行う(ステップS204)。なお、この際に、運針が正常に行われた否かを判定するために、モータ6の回転検出も行われる。
そして、時計200aの運針動作が完了すると、一定時間経過後に、モータ駆動制御部5は、充電OFF信号をL状態にして出力する。過充電保護部20aは、充電OFF信号がL状態になるとスイッチ22をOFF(非導通状態)にする(ステップS205)。これにより、太陽電池1から二次電池2への充電を再開する。
【0072】
以上により、駆動制御装置100a及び時計200aでは、モータ駆動制御部5が、太陽電池1(一次電源部)の起電力による二次電池2(二次電源部)への充電を、モータ6を駆動する前に充電停止部30aに停止させる。また、モータ駆動制御部5は、モータ6を駆動した後に、太陽電池1の起電力による二次電池2への充電を充電停止部30aに許可させる。つまり、モータ駆動制御部5は、モータ6の駆動を開始する前に、過充電保護部20aのスイッチ22により太陽電池1から流れる充電電流をバイパスさせることにより、太陽電池1から二次電池2へ充電が流れないようにする。これにより、モータ6の駆動中に電力を供給する電源電圧が、太陽電池1の出力電圧が変動しても、変化しないようになる。そのため、モータ駆動制御部5は、モータ6を正常に回転することができる。また、モータ駆動制御部5は、モータ6が正常に回転したことを検出する際に誤検出が生じることを回避でき、正確な時刻を計時できなくなる運針ミスを防止することができる。したがって、駆動制御装置100a及び時計200aは、第1の実施形態と同様に、太陽電池1の出力電圧が変動しても、モータ6を正常に駆動することができる。
【0073】
また、充電停止部30aは、太陽電池1の出力電圧が二次電池2の出力電圧以下である場合に、二次電池2の充電を停止する過充電保護部20aを含む。これにより、充電停止部30aは、過充電保護部20aと機能を兼用することができる。そのため、駆動制御装置100a及び時計200aの部品数の増加を抑えつつ、太陽電池1の出力電圧が変動しても、モータ6を正常に駆動することができる。
【0074】
なお、第2の実施形態の充電検出逆流防止部9aでは、二次電池2から太陽電池1へ電流が逆流しないように電源線SVSSとVSSとの間にダイオード94を挿入した例を示したが、これに限定されず、第1の実施形態と同様にスイッチ92を備える充電検出逆流防止部9を用いることもできる。
【0075】
なお、本発明の実施形態によれば、駆動制御装置100(又は100a)は、太陽電池1(一次電源部)の起電力による二次電池2(二次電源部)への充電を、モータ6を駆動する前に停止させ、モータ6を駆動した後に許可させるモータ駆動制御部5を備える。
これにより、駆動制御装置100(又は100a)は、太陽電池1(一次電源部)の出力電圧が変動しても、モータ6を正常に駆動することができる。
【0076】
また、駆動制御装置100(又は100a)は、二次電池2の充電を停止する充電停止部30(又は30a)を備え、モータ駆動制御部5は、充電停止部30(又は30a)に対して、太陽電池1から二次電池2への充電を、モータ6を駆動する前に停止させ、モータ6を駆動した後に許可させる。
このような構成の駆動制御装置100(又は100a)では、モータ6を駆動する前に、充電停止部30(又は30a)を作動させ、太陽電池1から二次電池2への充電を停止させる。そして、モータ6を駆動した後に、太陽電池1から二次電池2への充電を再開させる。
これにより、駆動制御装置100(又は100a)は、太陽電池1の出力電圧が変動しても、モータ6を正常に駆動することができる。
【0077】
また、充電停止部30aは、太陽電池1の出力電圧(出力電位差)が予め定められた閾値以上である場合に、二次電池2の充電を停止する過充電保護部20aを含む。
このような構成の駆動制御装置100aでは、太陽電池1の出力電圧(出力電位差)が予め定められた閾値以上である場合は、二次電池2が過充電されることを回避するために、二次電池2への充電を停止する。
これにより、充電停止部30aは、二次電池2が過充電され、二次電池2が劣化することを防ぐことができる。さらに、充電停止部30aは、二次電池2の過充電を保護する機能と兼用することができる。そのため、駆動制御装置100aは、部品数の増加を抑えつつ、太陽電池1の出力電圧が変動しても、モータ6を正常に駆動することができる。
【0078】
また、充電停止部30は、太陽電池1の出力電圧(出力電位差)が二次電池2の出力電圧(出力電位差)以下である場合に、二次電池2の充電を停止する充電検出逆流防止部9(逆流防止部)を含む。
このような構成の駆動制御装置100では、太陽電池1の出力電圧が二次電池2の出力電圧以下である場合に、二次電池2への充電を停止する。
これにより、充電停止部30は、二次電池2から太陽電池1へ電流が逆流することを回避できる。さらに、充電停止部30は、二次電池2から太陽電池1へ電流が逆流することを防止する機能と兼用することができる。そのため、駆動制御装置100は、部品数の増加を抑えつつ、太陽電池1の出力電圧が変動しても、モータ6を正常に駆動することができる。
【0079】
また、充電停止部30(又は30a)は、二次電池2の充電を停止する場合に、二次電池2の陽極端子と太陽電池1の陽極端子との間、又は二次電池2の陰極端子と太陽電池1の陰極端子との間を非導通状態にする。
このような構成の駆動制御装置100(又は100a)では、二次電池2の充電を停止する場合に、例えば、二次電池2の陽極端子と太陽電池1の陽極端子との間をスイッチ92により開放し非導通状態にする。
これにより、駆動制御装置100(又は100a)は、二次電池2と太陽電池1の間を非導通状態にして、二次電池2への充電を停止させることができる。
【0080】
また、駆動制御装置100aは、太陽電池1の出力電圧(出力電位差)が二次電池2の出力電圧(出力電位差)以下である場合に、二次電池2の陽極端子と太陽電池1の陽極端子との間、又は二次電池2の陰極端子と太陽電池1の陰極端子との間を非導通状態にする充電検出逆流防止部9aを備え、充電停止部30aは、二次電池2の充電を停止する場合に、太陽電池1の陽極端子と太陽電池1の陰極端子との間を導通状態にする過充電保護部20aを備える。
このような構成の駆動制御装置100aでは、太陽電池1の出力電圧(出力電位差)が二次電池2の出力電圧(出力電位差)以下である場合に、充電検出逆流防止部9aにより、例えば、二次電池2の陽極端子と太陽電池1の陽極端子との間を非導通状態にして、二次電池2から太陽電池1に電流が逆流することを防止する。また、二次電池2の充電を停止する場合は、太陽電池1の陽極端子と陰極端子との間をスイッチ22により接続し、太陽電池1の出力電流をバイパスさせる。そのため、太陽電池1の出力電圧が低下し、充電検出逆流防止部9aが動作して、二次電池2への充電を停止する。
これにより、駆動制御装置100aは、太陽電池1の出力電流をバイパスさせることにより、二次電池2への充電を停止することができる。
【0081】
また、上記実施形態において、一次電源部は、太陽電池1である。
これにより、太陽電池1は、光エネルギーを直接電力に変換できるため、一次電源部の部品数を低減することができる。
【0082】
また、上記実施形態において、モータ6は、時刻を計時する時刻モータである。
これにより、太陽電池1の出力電圧が変動しても、時刻を正確に計時することができる。
【0083】
<第3の実施形態>
次に、本発明の第3の実施形態における電子装置(例えば、時計装置)について図面を参照して説明する。本実施形態における時計では、秒針を動かすためにモータに供給する主駆動パルスの生成期間とモータの回転を検出する回転検出期間とにおいて二次電池の電圧の変動を抑制するために二次電池への充電を減弱させる。
【0084】
主駆動パルスの生成期間と回転検出期間では、他の期間と比較して時計が二次電池の電圧の変動の影響を受け易い。本実施形態における時計では、それらの期間に二次電池への充電を減弱させる。また、本実施形態における時計は、それらの期間以外の期間では、充電を減弱させない。これにより、本実施形態における時計は、第1の実施形態と第2の実施形態と比較して、多く二次電池へ充電することができる。
なお、本実施形態の時計は、二次電池の充電を減弱させる期間(充電減弱期間)を上記期間に限定するものではなく、充電減弱期間には少なくとも主駆動パルスの生成期間を含んでいればよい。
【0085】
図6は、本発明の第3の実施形態における時計200bを示す概略ブロック図である。
この図において、時計200bは、太陽電池1、二次電池2、水晶発振子4、時刻用(運針用)のモータ6、スイッチ(SW)7、及び駆動制御装置100bを備える。また、駆動制御装置100bは、発振制御部3、モータ駆動制御部5b、電池電圧検出部8b、充電検出逆流防止部9、低消費モード制御部10、過充電保護部20b、及び充電停止部30bを備える。この時計200bは、例えば、アナログ表示式の電子時計であり、運針用のモータ6はステップモータである。
【0086】
また、本実施形態の時計200bは、図3に示すモータ駆動制御部5を図6に示すモータ駆動制御部5bに変更した点、図3に示す電池電圧検出部8を図6に示す電池電圧検出部8bに変更した点、図3に示す過充電保護部20aを図6に示す過充電保護部20bに変更した点及び図3に示す充電停止部30aを図6に示す充電停止部30bに変更した点が図3に示す第2の実施形態の時計200aと異なる。他の構成は、図3に示す時計200aと同様である。このため、同一の構成部分には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。また、過充電保護部20bの構成は、第1の実施形態に過充電保護部20と同一であるので、その説明を省略する。
【0087】
電池電圧検出部8bは、第1および第2の実施形態における電池電圧検出部8と同様に、低消費モード制御部10から供給される検出サンプリング信号をトリガとして、二次電池2の出力電圧(出力電位差)を検出する。電池電圧検出部8bは、検出した二次電池2の出力電圧が予め定められた閾値未満である場合、低消費モード検出信号をH状態とする。一方、電池電圧検出部8bは、検出した二次電池2の出力電圧が予め定められた閾値以上である場合に低消費モード検出信号をL状態とする。そして、電池電圧検出部8bは、低消費モード検出信号を低消費モード制御部10とモータ駆動制御部5bとに出力する。また、予め定められた閾値は、モータ6を駆動可能な下限電圧より予め定められた電圧分大きい値である。
【0088】
充電停止部30bは、モータ駆動制御部5bから入力される充電OFF信号に基づいて、太陽電池1から二次電池2への充電の強弱を変更する。具体的には、例えば、充電停止部30bは、充電OFF信号がH状態の場合その充電を減弱させる。一方、充電停止部30bは、充電OFF信号がL状態の場合その充電を増強させる。ここで、充電の減弱とは現在より充電を弱めることを意味し、現在充電している場合には充電の停止を含む。また充電の増強とは現在より充電を強めることを意味し、現在充電していない場合には充電の開始を含む。
【0089】
充電停止部30bは、スイッチ23と、抵抗24とを備える。
スイッチ23は、例えば、MOSトランジスタ、あるいはアナログスイッチ等の半導体素子で構成される。スイッチ23は、一方の端子が太陽電池1の陽極端子に接続され、他方の端子が抵抗24に接続されている。スイッチ23は、モータ駆動制御部5bから入力された充電OFF信号によりON/OFF(導通/開放)する。
【0090】
例えば、モータ駆動制御部5bから入力された充電OFF信号がH状態の場合、すなわち、発電検出部21により太陽電池1の発電電圧が予め定められた閾値以上であることが検出された場合に、スイッチ23をON(導通状態)にする。これにより、太陽電池1の陽極端子と陰極端子との間に抵抗24が挿入され、太陽電池1から出力される電流が抵抗24にバイパスされるので、太陽電池1から二次電池2へ供給される電流が減少し、太陽電池1から二次電池2への充電が減弱する。
【0091】
一方、モータ駆動制御部5bから入力された充電OFF信号がL状態の場合、すなわち、発電検出部21により太陽電池1の発電電圧が上述の閾値より低いことが検出された場合に、スイッチ23をOFF(開放状態)にし、太陽電池1の陽極端子と陰極端子との間を開放する。これにより、太陽電池1の陽極端子と陰極端子との間の抵抗24がはずれ、抵抗24にバイパスされていた電流が二次電池2に供給されるので、太陽電池1から二次電池2へ供給する電流が増加し、太陽電池1から二次電池2への充電が増強する。
【0092】
モータ駆動制御部5bは、第2の実施形態におけるモータ駆動制御部5と同様の機能を持つが以下の点で異なる。モータ駆動制御部5bは、太陽電池1の起電力による二次電池2への充電を、モータを駆動する前にその時点における充電より減弱させ、上記モータを駆動した後にその時点における充電より増強させる。すなわち、モータ駆動制御部5bは、モータを駆動している間はモータを駆動していないときと比較して充電を減弱させる。ここで、モータを駆動していないときの充電とは、モータ駆動前とモータ駆動後の平均的な充電を意味する。
【0093】
具体的には、例えば、モータ駆動制御部5bが、モータ6の駆動前に太陽電池1から二次電池2への充電を減弱させる際に、充電停止部30bのスイッチ23を導通状態にして太陽電池1の陽極端子と陰極端子との間に抵抗24を挿入する。これにより、太陽電池1から出力される電流が抵抗24にバイパスされるので、太陽電池1から二次電池2へ供給する電流が減少し、太陽電池1から二次電池2への充電が減弱する。
【0094】
また、モータ駆動制御部5bは、回転検出部51と磁界検出部52とを備える。回転検出部51は、サンプリングパルスSPKでチョッピングすることにより発生する電圧VRS(以下、検出電圧VRSと称する)を検出する。回転検出部51は、検出した検出電圧VRSの絶対値が予め決められた閾値VCOMP以上である場合、モータは回転と判定する。一方、回転検出部51は、予め決められた回転検出期間内に検出した1以上の検出電圧VRSの絶対値が、1つも予め決められた閾値VCOMP以上にならない場合、モータは非回転と判定する。
【0095】
モータ駆動制御部5bにより回転検出部51によりモータが回転と判定された場合、既にモータ6が回転しているので、二次電池2の電圧が変動しても問題がない。そのため、モータ駆動制御部5bは、短期間でも二次電池2を充電するため二次電池2への充電を増強するよう制御する。
【0096】
具体的には、例えば、モータ駆動制御部5bは、二次電池2への充電を増強するように充電OFF信号をL状態とし、充電OFF信号をスイッチ23に出力する。これにより、モータ駆動制御部5bはスイッチ23を開放状態にさせ、太陽電池1から出力される電流を直接二次電池2へ供給させるので、太陽電池1から二次電池2への充電を増強させることができる。
【0097】
上記、モータ駆動制御部5bの処理について図7を用いて説明する。図7は、モータ駆動制御部5bがモータを回転と判定した場合に、充電を増強させる処理の一例について説明するための図である。同図において、横軸は時間であり、横軸の正方向が時間経過方向である。また、時間の経過順に、モータ駆動制御部5bの各処理の期間が示されている。具体的には、時間の経過順に、磁界の検出を示す磁界検出P71、制動状態を示す制動状態P72、主駆動パルスをモータ6に供給する主駆動パルスP73、制動状態P74、モータの回転を検出する回転検出P75、制動状態P76および回転検出P77のそれぞれの期間が示されている。
【0098】
同図の例では、モータ駆動制御部5bは、制動状態P72の期間で充電を減弱させるように制御する。モータ駆動制御部5bは、回転検出P77の期間で検出電圧VRSがVCOMP以下の場合、モータが回転と判定し、充電を増強するよう制御する。この場合、充電が減弱されている充電減弱期間は、図7に示す充電の減弱時t71から充電の増強時t72までの間である。すなわち、充電減弱期間は、モータの主駆動パルス発生期間と回転検出部が前記モータの回転を検出し始めてから検出するまでの期間とである。
【0099】
なお、本実施形態では、充電減弱期間は、モータの主駆動パルス発生期間と回転検出部が前記モータの回転を検出し始めてから検出するまでの期間としたが、これに限らず、少なくとも充電減弱期間はモータの主駆動パルス発生期間であればよい。
【0100】
図6に戻って、モータ駆動制御部5bは、回転検出部51によりモータが非回転と判定した場合、主駆動パルスよりもエネルギーが大きい補正駆動パルスをモータ6に供給するので、二次電池2の電圧が変動をしてもモータ6は確実に運針することができる。ここで、補正駆動パルスは、例えば、確実に回転させるために、十分なエネルギーを持つエネルギーを持つパルスであって予め定められたパルスである。そこで、モータ駆動制御部5bは、短期間でも二次電池2を充電するために、二次電池2への充電を増強するよう制御する。
【0101】
具体的には、例えば、モータ駆動制御部5bは、二次電池2への充電を増強するように充電OFF信号をLとし、充電OFF信号をスイッチ23に出力する。これにより、モータ駆動制御部5bはスイッチ23が開放状態にさせ、太陽電池1の陽極端子と陰極端子との間の抵抗24を外させ、太陽電池1から二次電池2へ電流を増加させることにより、太陽電池1から二次電池2への充電を増強させる。
【0102】
上記、モータ駆動制御部5bの処理について図8を用いて説明する。図8は、モータ駆動制御部5bがモータを非回転と判定した場合に、充電を増強させる処理の一例について説明するための図である。同図において、横軸は時間であり、横軸の正方向が時間経過方向である。また、時間の経過順に、モータ駆動制御部5bの各処理の期間が示されている。具体的には、時間の経過順に、磁界検出P81、制動状態P82、主駆動パルスP83、制動状態P84、回転検出P85、制動状態P86、回転検出P87、制動状態P88、補正駆動パルスをモータ6に供給する補正駆動パルスP89のそれぞれの期間が示されている。
【0103】
同図の例では、モータ駆動制御部5bは、制動状態P82の期間で充電を減弱させるように制御する。モータ駆動制御部5bは、制動状態P84から回転検出P87までの回転検出期間において、検出電圧VRSの絶対値が1つも予め決められた閾値VCOMP以上にならなかった場合、回転検出P87の期間における検出電圧VRSの絶対値が予め決められた閾値VCOMP未満と判定した時に、モータが非回転と判定する。そして、モータ駆動制御部5bは、充電を増強するよう制御する。この場合、充電が減弱されている充電減弱期間は、図8に示す充電の減弱時t81から充電の増強時t82までの間である。
【0104】
図6に戻って、磁界検出部52は、サンプリングパルスSPJでチョッピングすることにより発生した電圧VRSJ(以下、検出電圧VRSJと称する)を検出する。磁界検出部52は、検出した検出電圧VRSJの絶対値が予め決められた閾値VINV以上の場合、磁界を検出したと判定する。そして、磁界検出部52により磁界を検出したと判定された場合、モータ駆動制御部5bは、固定パルスモードに移行する。
【0105】
固定パルスモードに移行した場合、例えば、モータ駆動制御部5bは、主駆動パルスをモータ6に供給せずに、主駆動パルスが出力されるタイミングで磁界検出用固定パルスをモータ6に供給する。すなわち、モータ駆動制御部5bによる充電の増強は、検出された磁界が予め決められた磁界より大きい場合に行われる。
【0106】
上記、モータ駆動制御部5bの処理について図9を用いて説明する。図9は、モータ駆動制御部5bが磁界を検出したと判定した場合に、充電を増強させる処理の一例について説明するための図である。同図において、横軸は時間であり、横軸の正方向が時間経過方向である。また、時間の経過順に、モータ駆動制御部5bの各処理の期間が示されている。具体的には、時間の経過順に、磁界検出P91、磁界検出用固定パルスを出力する磁界検出用固定パルスP92、磁界検出用固定パルスP93のそれぞれの期間が示されている。
【0107】
同図の例では、モータ駆動制御部5bは、磁界検出P91の期間で、検出電圧VRSJの絶対値が予め決められた閾値VINV以上であるので、モータ駆動制御部5bは、磁界を検出したと判定する。この場合、モータ駆動制御部5bは、充電の減弱をせずに、主駆動パルスが出力されるタイミングで主駆動パルスの代わりに磁界検出用の固定パルスP92と磁界検出用の固定パルスP93とをモータ6に供給する。
【0108】
図6に戻って、モータ駆動制御部5bは、電池電圧検出部8から入力された低消費モード検出信号に基づいて、二次電池2への充電を増強させるように制御する。具体的には、例えば、モータ駆動制御部5bは、充電減弱期間に、H状態の低消費モード検出信号が入力された場合、すなわち、二次電池2の電圧が予め定められた閾値未満である場合、固定パルス駆動に移行し、充電OFF信号をL状態とする。
【0109】
モータ駆動制御部5bは、固定パルス駆動に移行した場合、固定パルスをモータ6に供給する。モータ駆動制御部5bは、充電OFF信号をスイッチ23へ出力する。これにより、モータ駆動制御部5bは、スイッチ23を開放させて、太陽電池1の陽極端子と陰極端子との間の抵抗24をはずすことにより、太陽電池1から二次電池2への電流を増加させ、太陽電池1から二次電池2への充電を増強させる。以上まとめると、モータ駆動制御部5bによる充電の増強は、検出された電圧が予め決められた電圧以下の場合に行われる。
【0110】
上記、モータ駆動制御部5bの処理について図10を用いて説明する。図10は、モータ駆動制御部5bが二次電池2の電圧が低下した場合に、充電を増強させる処理の一例について説明するための図である。同図において、横軸は時間であり、横軸の正方向が時間経過方向である。また、時間の経過順に、モータ駆動制御部5bの各処理の期間が示されている。具体的には、時間の経過順に、磁界検出P101、制動状態P102、主駆動パルスP103、制動状態P104、回転検出P105、制動状態P106、固定パルスをモータ6に供給する固定パルスP107のそれぞれの期間が示されている。
【0111】
同図の例では、モータ駆動制御部5bは、制動状態P102の期間で充電を減弱させるように制御する。モータ駆動制御部5bは、制動状態P104の期間で電池電圧検出部8からH状態である低消費モード検出信号が入力された場合、すなわち二次電池2の電圧が予め定められた閾値未満である場合、固定パルスモードに移行し、二次電池2の充電を増強するよう制御する。この場合、充電が減弱されている充電減弱期間は、図10に示す充電の減弱時t101から充電の増強時t102までの間である。
【0112】
図6に戻って、モータ駆動制御部5bは、固定パルス駆動の時刻修正告知運針やデモ運針(例えば、2秒に一回長針を動かす運針)に移行後、充電を増強するよう制御するようにしてもよい。
【0113】
図11は、第3の実施形態におけるモータ駆動制御部5bの動作の一例を示すフローチャートである。まず、モータ駆動制御部5bは、磁界検出部52による検出電圧VRSJの絶対値が予め決められた閾値以上か否か判定する(ステップS301)。検出電圧VRSJの絶対値が予め決められた閾値以上の場合(ステップS301 YES)、モータ駆動制御部5bは、磁界検出用固定パルス駆動に移行し(ステップS302)、現在の二次電池2への充電を維持する。
【0114】
一方、検出電圧VRSJの絶対値が予め決められた閾値より小さい場合(ステップS301 NO)、モータ駆動制御部5bは、充電を減弱させる(ステップS304)。次に、モータ駆動制御部5bは、低消費モード検出信号がH状態か否か判定する(ステップS305)。低消費モード検出信号がH状態の場合(ステップS305 YES)、モータ駆動制御部5bは、固定パルス駆動に移行し(ステップS306)、二次電池2への充電を増強するよう制御する(ステップS307)。
【0115】
一方、低消費モード検出信号がL状態の場合(ステップS305 NO)、モータ駆動制御部5bは、回転検出部51による検出電圧VRSの絶対値が予め決められた閾値以上か否か判定する(ステップS308)。検出電圧VRSの絶対値が予め決められた閾値以上の場合(ステップS308 YES)、モータ駆動制御部5bは、モータを回転と判定し(ステップS309)、二次電池2への充電を増強するよう制御する(ステップS310)。
【0116】
一方、検出電圧VRSの絶対値が予め決められた閾値より小さい場合(ステップS308 NO)、モータ駆動制御部5bは、非回転と判定し(ステップS311)、補正駆動パルスをモータに供給し(ステップS312)、二次電池2への充電を増強するよう制御する(ステップS313)。以上で、本フローチャートの処理を終了する。
【0117】
以上により、駆動制御装置100b及び時計200bでは、モータ駆動制御部5bが、太陽電池1(一次電源部)の起電力による二次電池2(二次電源部)への充電を、モータ6を駆動する前に充電停止部30bを減弱させる。つまり、モータ駆動制御部5bは、モータ6の駆動を開始する前に、充電停止部30bのスイッチ24を導通状態にすることにより太陽電池1の陽極端子と陰極端子との間に抵抗24を挿入し、太陽電池1から二次電池2へ充電が減弱するようにする。これにより、モータ駆動制御部5bは、モータ6の駆動中に、太陽電池1の出力電圧が変動しても、モータ6に電力を供給する二次電池の電圧の変動を抑制することができる。
【0118】
その結果、モータ駆動制御部5bは、モータ6を正常に回転することができる。また、モータ駆動制御部5bは、モータ6が正常に回転したことを検出する際に誤検出が生じることを回避でき、正確な時刻を計時できなくなる運針ミスを防止することができる。したがって、駆動制御装置100b及び時計200bは、第1および第2の実施形態と同様に、太陽電池1の出力電圧が変動しても、モータ6を正常に駆動することができる。
【0119】
また、モータ駆動制御部5bは、スイッチ23を導通状態にさせた後に、回転検出部51によりモータ6の回転が検出された場合に、太陽電池1の起電力による二次電池2への充電を充電停止部30bに増強させる。
これにより、モータ駆動制御部5bは、短期間であっても、二次電池2への充電を増強することができるので、二次電池2の電池電圧を長く保つことができ、運針できる時間を延すことができる。
【0120】
また、モータ駆動制御部5bは、スイッチ23を導通状態にさせた後に、回転検出部51により、回転検出期間内にモータの回転が検出されなかった場合に、二次電池2への充電を増強する。すなわち、モータ駆動制御部5bは、二次電池2の電圧変動の影響をうけない補正駆動パルスを生成する期間において、二次電池2への充電を増強することができる。これにより、モータ駆動制御部5bは、短期間であっても、二次電池2への充電を増強することができるので、二次電池2の電池電圧を長く保つことができ、運針できる時間を延すことができる。
【0121】
また、モータ駆動制御部5bは、は、スイッチ23を導通状態にさせた後に、二次電圧2の電圧が予め定められた閾値未満である場合に、二次電池2への充電を増強する。これにより、モータ駆動制御部5bは、短期間であっても、二次電池2への充電を増強することができるので、二次電池2の電池電圧を長く保つことができ、運針できる時間を延すことができる。
【0122】
第1および第2の実施形態では、モータ駆動制御部5は充電を開始するように制御したがこれに限らず、第3の実施形態に示すように充電を増強するよう制御してもよい。
また、第1、第2の実施形態では、モータ駆動制御部5は充電を停止するよう制御したがこれに限らず、第3の実施形態に示すように充電を減弱するよう制御にしてもよい。
【0123】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。上記の実施形態において、一次電源部に太陽電池1を用いる形態を説明したが、他の一次電源部を用いる形態でもよい。例えば、運動エネルギーを電磁誘導によって電気エネルギーに変換する発電装置を一次電源部に用いる形態でもよい。
【0124】
また、上記の各実施形態において、二次電源部に二次電池2を用いる形態を説明したが、コンデンサを用いる形態でもよい。また、上記の実施形態において、電源線VDDが時計200、200a及び200b全体の基準電位を示すVDDアースである形態について説明したが、電源線VSSが時計200、200a及び200b全体の基準電位を示すVSSアースである形態でもよい。
【0125】
また、上記の各実施形態において、充電停止部30(又は30a)は、充電検出逆流防止部9(又は過充電保護部20a)と機能を兼用する形態を説明したが、充電OFF信号により充電を停止させる構成を単独に備える形態でもよい。また、充電停止部30(又は30a)は、充電検出逆流防止部9(又は9a)と過充電保護部20(又は20a)とを含む形態でもよい。
【0126】
また、上記の各実施形態において、充電検出逆流防止部9(又は9a)は、二次電池2の陰極端子と太陽電池1の陰極端子との間に配置される形態を説明したが、二次電池2の陽極端子と太陽電池1の陽極端子との間に配置される形態でもよい。つまり、充電検出逆流防止部9(又は9a)は、二次電池2の充電を停止する場合に、二次電池2の陽極端子と太陽電池1の陽極端子との間を非導通状態にしてもよい。
【0127】
なお、上記の実施形態において、時計200、200a及び200bにおける発振制御部3、水晶発振子4、モータ駆動制御部5と5b、電池電圧検出部8、充電検出逆流防止部9と9a、低消費モード制御部10、及び過充電保護部20と20aと20bの各部は、専用のハードウェアによって実現されてもよく、また、メモリ及びCPU(Central Processing Unit)により構成され、上述の各機能は、プログラムによって実現されてもよい。また、上述の各部は、IC(Integrated Circuit)などの集積回路によって実現してもよい。
【0128】
なお、上述した時計200、200a及び200bは内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した各部の処理過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしてもよい。
【0129】
以上、本発明の実施形態について、時計装置を例にして説明したが、本発明は時計装置に限定されるものではなく、太陽電池(一次電源部)と、二次電池(二次電源部)と、モータとを備える電子機器において、効果的に使用することができる。
【符号の説明】
【0130】
1 太陽電池
2 二次電池
3 発振制御部
4 水晶発振子
5、5b モータ駆動制御部
6 モータ
7 スイッチ
8 電池電圧検出部
9、9a 充電検出逆流防止部
10 低消費モード制御部
20、20a、20b 過充電保護部
21 発電検出部
22、92 スイッチ
23、93 OR回路
30、30a、30b 充電停止部
91 コンパレータ
94 ダイオード
100、100a、100b 駆動制御装置
200、200a、200b 時計
211 基準電圧源
212 NMOSトランジスタ
213、214 抵抗
215、222 インバータ
221 PMOSトランジスタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一次電源部の起電力による二次電源部への充電を、モータを駆動している間はモータを駆動していないときと比較して充電を減弱させるモータ駆動制御部を備える
ことを特徴とする駆動制御装置。
【請求項2】
前記モータ駆動制御部によって前記充電が減弱させられている期間は、モータの主駆動パルス発生期間であることを特徴とする請求項1に記載の駆動制御装置。
【請求項3】
前記モータの回転を検出する回転検出部を備え、
前記モータ駆動制御部によって前記充電が減弱させられている期間は、前記モータの主駆動パルス発生期間と前記回転検出部が前記モータの回転を検出し始めてから検出するまでの期間とであることを特徴とする請求項2に記載の駆動制御装置。
【請求項4】
前記モータ駆動制御部による充電の増強は、前記回転検出部により回転が検出された場合に行われることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の駆動制御装置。
【請求項5】
前記モータ駆動制御部による充電の増強は、前記回転検出部により所定の時間内にモータの回転が検出されなかった場合に行われることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の駆動制御装置。
【請求項6】
自装置が受ける磁界を検出する磁界検出部を備え、
前記モータ駆動制御部による充電の増強は、前記検出された磁界が予め決められた磁界より大きい場合に行われることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の駆動制御装置。
【請求項7】
前記二次電源部の電圧を検出する電池電圧検出部と、
前記モータ駆動制御部による充電の増強は、前記検出された電圧が予め決められた電圧以下の場合に行われることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の駆動制御装置。
【請求項8】
前記モータ駆動制御部による充電の増強は、固定パルス駆動に移行した場合に行われることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の駆動制御装置。
【請求項9】
前記駆動制御装置は、
前記二次電源部の充電を停止する充電停止部を備え、
前記モータ駆動制御部は、
前記充電停止部に対して前記二次電源部の充電を、前記モータを駆動する前に停止させ、前記モータを駆動した後に許可させる
ことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の駆動制御装置。
【請求項10】
前記充電停止部は、
前記一次電源部の出力電位差が予め定められた閾値以上である場合に、前記二次電源部の充電を停止する過充電保護部を含む
ことを特徴とする請求項9に記載の駆動制御装置。
【請求項11】
前記充電停止部は、
前記一次電源部の出力電位差が前記二次電源部の出力電位差以下である場合に、前記二次電源部の充電を停止する逆流防止部を含む
ことを特徴とする請求項9に記載の駆動制御装置。
【請求項12】
前記充電停止部は、
前記二次電源部の充電を停止する場合に、前記二次電源部の陽極端子と前記一次電源部の陽極端子との間、又は前記二次電源部の陰極端子と前記一次電源部の陰極端子との間を非導通状態にする
ことを特徴とする請求項9から請求項11のいずれか1項に記載の駆動制御装置。
【請求項13】
前記駆動制御装置は、
前記一次電源部の出力電位差が前記二次電源部の出力電位差以下である場合に、前記二次電源部の陽極端子と前記一次電源部の陽極端子との間、又は前記二次電源部の陰極端子と前記一次電源部の陰極端子との間を非導通状態にする逆流防止部を備え、
前記充電停止部は、
前記二次電源部の充電を停止する場合に、前記一次電源部の陽極端子と前記一次電源部の陰極端子との間を導通状態にする
ことを特徴とする請求項9又は請求項10に記載の駆動制御装置。
【請求項14】
前記一次電源部は、太陽電池であることを特徴とする請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の駆動制御装置。
【請求項15】
前記モータは、
時刻を計時する時刻モータであることを特徴とする請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の駆動制御装置。
【請求項16】
請求項1から請求項15のいずれか1項に記載の駆動制御装置を備えることを特徴とする時計装置。
【請求項17】
請求項1から請求項15のいずれか1項に記載の駆動制御装置を備えることを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−78343(P2012−78343A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−137041(P2011−137041)
【出願日】平成23年6月21日(2011.6.21)
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Fターム(参考)】