骨盤の前傾を矯正する効果が期待できる骨盤矯正被服
【課題】使い勝手のよい骨盤の前傾を矯正する効果が期待できる骨盤矯正被服を提供する。
【解決手段】ガードル1は、前身頃および後身頃を含み、骨盤を矯正するための部位として、人体の前側から後側に向かう力を骨盤に付与するための骨盤矯正部10を含む。そして、この骨盤矯正部10の上端がウエストよりも上方に設けられる。また、前身頃に対応する前端部11および後身頃に対応する後端部12が骨盤矯正部10に設けられる。また、後端部12が後身頃に対して取り付けおよび取り外しできる。また、後身頃に対する後端部12の取付位置をユーザが選択できる。
【解決手段】ガードル1は、前身頃および後身頃を含み、骨盤を矯正するための部位として、人体の前側から後側に向かう力を骨盤に付与するための骨盤矯正部10を含む。そして、この骨盤矯正部10の上端がウエストよりも上方に設けられる。また、前身頃に対応する前端部11および後身頃に対応する後端部12が骨盤矯正部10に設けられる。また、後端部12が後身頃に対して取り付けおよび取り外しできる。また、後身頃に対する後端部12の取付位置をユーザが選択できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、前身頃および後身頃を含む骨盤の前傾を矯正する効果が期待できる骨盤矯正被服に関する。
【背景技術】
【0002】
姿勢が悪くなることにより腰椎が過度に前湾すると、骨盤が前傾して閉じた状態となることにより、腰痛を引き起こしやすくなる。
特許文献1に記載の下半身に着用する骨盤矯正被服では、骨盤を矯正する部位として、前身頃から後身頃までにわたり設けられた緊締力の強い生地を有する。これにより、当該骨盤矯正被服を着衣したとき、骨盤の両側部には前側から後側に向かう力が加えられる。この力は、骨盤の前傾を矯正する力として作用するため、腰椎の過度な前湾を矯正する効果が期待できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−206795号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、この骨盤矯正被服は、骨盤を矯正する部位の前側の端部および後側の端部がそれぞれ前身頃および後身頃に縫い付けられているため、骨盤に加えられる力を例えば体型に応じて変更することができない。このため、使い勝手の点において改善の余地が残されている。
【0005】
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、使い勝手のよい骨盤の前傾を矯正する効果が期待できる骨盤矯正被服を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、上記目的を達成するための手段およびその作用効果について記載する。
(1)請求項1に記載の発明は、前身頃および後身頃を含むものである骨盤の前傾を矯正する効果が期待できる骨盤矯正被服において、骨盤を矯正するための部位として、人体の前側から後側に向かう力を骨盤に付与するための骨盤矯正部を含むこと、この骨盤矯正部の上端がウエストよりも上方に設けられること、前記前身頃に対応する前端部および前記後身頃に対応する後端部が前記骨盤矯正部に設けられること、前記後端部が前記後身頃に対して取り付けおよび取り外しできること、前記後身頃に対する前記後端部の取付位置をユーザが選択できることを要旨としている。
【0007】
この発明の骨盤矯正被服がユーザに着衣されたとき、骨盤には人体の前側から後側に向かう力が骨盤矯正部により付与される。この力は、閉じた骨盤を開いて伸ばす力として作用するため、骨盤の前傾を効果的に矯正することができる。また、後身頃に対する後端部の取付位置をユーザが選択することができるため、例えば体型に応じて骨盤矯正部により骨盤に加えられる力の大きさを変更することができる。このように本発明によれば、使い勝手の良い骨盤の前傾を矯正する効果が期待できる骨盤矯正被服を提供することができる。
【0008】
(2)請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の骨盤の前傾を矯正する効果が期待できる骨盤矯正被服において、前記前端部から前記後端部に向かうにつれて前記骨盤矯正部の幅が小さくなることを要旨としている。
【0009】
この発明の骨盤矯正被服によれば、前端部から後端部に向かうにつれて幅が小さくなるため、前端部から後端部までにわたり幅が一定または前端部から後端部に向かうにつれて幅が大きくなる構成と比較して、臀部にかかる骨盤矯正部の面積が小さくなる。これにより、臀部が骨盤矯正部により圧迫されることに起因してユーザが不快感を覚えることを抑制することができる。
【0010】
(3)請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の骨盤の前傾を矯正する効果が期待できる骨盤矯正被服において、前記骨盤矯正部において前記前端部と前記後端部とをつなぐ部分を中間部としたとき、前記前身頃と前記前端部との接続部に対して前記中間部とは反対側、または前記前身頃と前記前端部との接続部にボーンが設けられていること、このボーンが前記前端部に沿うように設けられていること、前記ボーンの下端部が鼠径部に対応する部位またはその付近に対応する部位に設けられていることを要旨としている。
【0011】
この発明の骨盤矯正被服がユーザに着衣されたとき、前端部が取り付けられた前身頃を前側から後側に引っ張る力が生じるものの、この力が上記態様で設けられたボーンにより受けられる。これにより、前身頃を引っ張る力がボーンの上下方向の全体にわたり均等に加えられるため、前身頃の一部分のみが引っ張られることを抑制することができる。
【0012】
また、ボーンが鼠径部に対応する部位またはその付近に対応する部位に設けられているため、同部位の生地が前側から後側に引っ張られることが抑制される。このため、生地が引っ張られることに起因して、膀胱や性器が圧迫された感じをユーザに与えるおそれを少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態の骨盤の前傾を矯正する効果が期待できる骨盤矯正被服について、その正面構造を示す正面図。
【図2】同実施形態の骨盤矯正被服について、その背面構造を示す背面図。
【図3】同実施形態の骨盤矯正被服について、同被服を裏返した状態の正面構造を示す正面図。
【図4】同実施形態の骨盤矯正被服について、同被服を裏返した状態の背面構造を示す背面図。
【図5】同実施形態の骨盤矯正被服について、出入部およびその付近の拡大構造を示す拡大図。
【図6】同実施形態の骨盤矯正被服について、腰部被覆部の拡大構造を示す拡大図。
【図7】本発明のその他の実施形態の骨盤矯正被服について、その正面構造を示す正面図。
【図8】本発明のその他の実施形態の骨盤矯正被服について、その正面構造を示す正面図。
【図9】本発明のその他の実施形態の骨盤矯正被服について、その正面構造を示す正面図。
【図10】本発明のその他の実施形態の骨盤矯正被服について、その正面構造を示す正面図。
【図11】本発明のその他の実施形態の骨盤矯正被服について、その正面構造を示す正面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1〜図6を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
本実施形態では、ズボンの下に着衣される男性用のガードルとして本発明の骨盤矯正被服を具体化した一例を示している。なお、図1〜図6では、ガードル1を構成する各生地同士の縫い目を実線で、また生地の裏側に縫い付けられた、または生地の裏側に重ね合わせられた別の生地の縫い目を破線で示している。
【0015】
以降の説明において、「生地の裏側」は各生地において人体と向き合う側を、「生地の表側」は各生地において裏側とは反対側をそれぞれ示すものとする。人体の前後方向において所定の部位よりも前方および後方をそれぞれ「前側」および「後側」とする。また、人体の左右方向において所定の部位よりも右方および左方をそれぞれ「右側」および「左側」とする。また、人体の上下方向において所定の部位よりも上方および下方をそれぞれ「上側」および「下側」とする。また、人体の左右方向において所定部位に対して体軸側を「内側」とし、所定部位に対して体軸側とは反対側を「外側」とする。
【0016】
ガードル1は、ウエストよりも上方の上腹部の上端から大腿中部の下端までの部位に対応する被服として構成されている。また、下半身の各部位にそれぞれ対応する部位としての以下のものが設けられている。
【0017】
図1に示されるように、人体前面の各部位にそれぞれ対応する部位として、以下のものが設けられている。
・骨盤を矯正するための部位として、骨盤矯正部10が設けられている。この骨盤矯正部10は、人体の左右のそれぞれに設けられて前側から後側に向かう力を骨盤に付与する。
・性器を取り出しやすくするための部位として、出入部20が設けられている。この出入部20は、性器およびその付近に設けられる。
・腹部を押圧するための部位として、腹部押圧部50が設けられている。この腹部押圧部50は、腹部に対応して設けられて腹部を前側から後側に向けて押圧する。
・歩行時に大腿に負荷を与える部位として、大腿負荷部60が設けられている。この大腿負荷部60は、大腿の側面および背面(図2参照)に対応して設けられて歩行時に大腿が引き上げられるときに大腿に負荷を与える。
・腹部の側部に対応する部位として、腹部被覆部80が設けられている。
・大腿の内側に対応する部位として、大腿被覆部90が設けられている。
【0018】
図2に示されるように、人体背面の各部位にそれぞれ対応する部位として、以下のものが設けられている。
・腰部を支持するための部位として、腰部支持部70が設けられている。この腰部支持部70は、腰部の左右方向の中央部に対応して設けられて腰部を後側から前側に向けて押圧する。
・腰部の側部に対応する部位として、腰部被覆部100が設けられている。
・臀部に対応する部位として、臀部被覆部110が設けられている。
【0019】
ガードル1を構成する生地の種類について説明する。
ガードル1は、生地の緊締力が強くかつ通気性に優れた複数のパワーネットと、パワーネットとほぼ同じ緊締力を有する複数の経編生地とが互いに縫い合わせられることにより構成されている。パワーネットおよび経編生地は、一般の下着に用いられる生地よりも緊締力が強く、かつガードル1が着衣されたときに人体を押す力が強い。パワーネットおよび経編生地は、互いにほぼ同じ伸縮性を有する。
【0020】
図1に示されるように、ガードル1の前面の表側は以下の各生地により構成されている。
・人体の上下方向において上腹部から中腹部までにわたり形成され、かつ人体の前面から背面にまでを覆うように形成され、かつパワーネットにより形成される骨盤矯正部表生地211。
・骨盤矯正部表生地211と同じ形状に形成され、かつ骨盤矯正部表生地211を折り返して重ね合わせて形成され、かつパワーネットにより形成される骨盤矯正部裏生地212。
・上腹部から中腹部までにわたり左右方向の中央部を覆うように形成され、かつ経編生地により構成される開閉部表生地213。
・性器を覆うように形成され、かつパワーネットにより形成される開口部表側生地216。
・開閉部表生地213の両隣に設けられ、かつ経編生地により形成される腹部押圧部表生地218。
・大腿の側部から背面までを覆うように形成され、かつ経編生地により形成される大腿負荷部表生地221。
・大腿の内側を覆うように形成され、かつ経編生地により形成される大腿被覆部生地223。
【0021】
図2に示されるように、ガードル1の背面の表側は以下の各生地により構成されている。
・腰部の左右方向の中央部を覆うように形成され、かつ経編生地により形成される腰部支持部表生地224。
・腰部の側部を覆うように腰部支持部表生地224および腰部支持部裏生地225の両隣に設けられ、かつ経編生地により形成される腰部被覆部表生地226。
・臀部の中央部分を覆うように形成され、かつ経編生地により形成される臀部被覆部中央生地228。
・臀部の側部を覆うように形成され、かつ経編生地により形成される臀部被覆部側部生地229。
【0022】
図1および図3に示されるように、ガードル1の前面の裏側は以下の各生地により構成されている。
・開閉部表生地213の上側半分と同じ形状に形成され、かつ開閉部表生地213を折り返して重ね合わせて形成され、かつ経編生地により形成される開閉部上裏生地214。
・開閉部表生地213の裏側の左右方向の中央部に設けられ、かつパワーネットにより形成される開閉部中央裏生地215。
・開口部表側生地216の内側に形成され、かつパワーネットにより形成される開口部裏側生地217。
・腹部押圧部表生地218と同じ形状に形成され、かつ腹部押圧部表生地218の裏側に重ね合わされた状態で腹部押圧部表生地218に縫い付けられ、かつパワーネットにより形成される腹部押圧部裏生地219。
・大腿負荷部表生地221と同じ形状に形成され、かつ大腿負荷部表生地221の裏側に重ね合わされた状態で大腿負荷部表生地221に縫い付けられ、かつパワーネットにより形成される大腿負荷部裏生地222。
【0023】
図2および図4に示されるように、ガードル1の背面の裏側は以下の各生地により構成されている。
・腰部支持部表生地224と同じ形状に形成され、かつ腰部支持部表生地224を折り返して重ね合わせて形成され、かつ経編生地により形成される腰部支持部裏生地225。
・腰部被覆部表生地226と同じ形状に形成され、かつ腰部被覆部表生地226の裏側に重ね合わされた状態で腰部被覆部表生地226に縫い付けられ、かつパワーネットにより形成される腰部被覆部裏生地227。
【0024】
図1〜図4に示されるように、腹部押圧部50および腹部被覆部80および腰部被覆部100のそれぞれの上側の縁は生地が二重に重ね合わせられている。また、開閉部30の下側の縁は生地が二重に重ね合わせられている。また、開口部表側生地216の右側の縁は生地が二重に重ね合わせられている。また、開口部裏側生地217の左側の縁は生地が二重に重ね合わせられている。また、大腿負荷部60の下側の縁は生地が二重に重ね合わせられている。大腿被覆部90の下側の縁は生地が二重に重ね合わせられている。
【0025】
前身頃は、開閉部表生地213および開閉部上裏生地214および開閉部中央裏生地215および開口部表側生地216および開口部裏側生地217および腹部押圧部表生地218および腹部押圧部裏生地219および前側の大腿負荷部表生地221および前側の大腿負荷部裏生地222および前側の大腿被覆部生地223により形成されている。
【0026】
後身頃は、腰部支持部表生地224および腰部支持部裏生地225および腰部被覆部表生地226および腰部被覆部裏生地227および臀部被覆部中央生地228および臀部被覆部側部生地229後側の大腿負荷部表生地221および後側の大腿負荷部裏生地222および後側の大腿被覆部生地223により形成されている。
【0027】
ガードル1の各部位の詳細な構造について説明する。
図1に示されるように、骨盤矯正部10は、骨盤矯正部表生地211と骨盤矯正部裏生地212とにより構成されている。すなわち、骨盤矯正部10は、骨盤矯正部表生地211と骨盤矯正部裏生地212とが重ね合わされた二重構造を有する。
【0028】
骨盤矯正部10は、開閉部表生地213と腹部押圧部表生地218とが縫い合わせられている部分に縫い付けられる前端部11と、腰部被覆部表生地226に取り付けおよび取り外し可能に設けられる後端部12とを有する。骨盤矯正部10の幅は、前端部11から後端部12に向かうにつれて次第に小さくなる。骨盤矯正部表生地211の上端には、前端部11から後端部12までにわたり、左右方向の伸縮性が強いゴム状の生地が縫い付けられている。後端部12には、腰部被覆部表生地226に取り付けるためのフック面ファスナ13が設けられている。
【0029】
前端部11と後端部12との間の中間部とは反対側の部分には、芯地あるいは硬質樹脂からなる薄い細板状のボーン(以下、「前側ボーン51」)が設けられている。前側ボーン51は、表側における開閉部表生地213および腹部押圧部表生地218および骨盤矯正部表生地211および骨盤矯正部裏生地212が縫い合わせられる生地(以下、「前側ボーン表生地」)と、裏側における開閉部上裏生地214および開口部表側生地216および開口部裏側生地217および腹部押圧部裏生地219が縫い合わせられる生地(以下、「前側ボーン裏生地」)との間に挿入されている。なお、この前側ボーン表生地および前側ボーン裏生地の部分が前身頃と前端部11との接続部となる。
【0030】
前側ボーン51は、上下方向において、ガードル1の上端から鼠径部に対応する部位までにわたり設けられている。これにより、骨盤矯正部10に前側から後側に向かう力が加えられたときにも、開閉部表生地213および開閉部上裏生地214および開閉部中央裏生地215の一部が骨盤矯正部10とともに前側から後側に向けて引っ張られることが抑制される。また、鼠径部付近に対応する部位の生地、すなわち性器や膀胱に対応する部位の生地が引っ張られることが抑制される。
【0031】
出入部20は、上腹部の上端から性器の上方に対応する部位までにわたり設けられる開閉部30と、開閉部30よりも下方に設けられて股に対応する部位までにわたり設けられる窓部40とにより構成されている。
【0032】
図5に示されるように、開閉部30は、開閉部表生地213と開閉部上裏生地214と開閉部中央裏生地215とにより構成されている。すなわち、開閉部30の略上側半分の部分は、開閉部表生地213と開閉部上裏生地214とが重ね合わせられた二重構造を有する。開閉部30には、同開閉部30を開放状態とするためのファスナ機構31が設けられている。このファスナ機構31は、開閉部30の上端から下端までにわたり設けられたテープ34と、このテープ34に植え付けられた務歯35と、務歯35を開閉するための上側スライダ32および下側スライダ33とにより構成されている。
【0033】
上側スライダ32は、開閉部30の上端から下端までの間で移動して開閉部30を開放および閉鎖する。上側スライダ32が下端に位置するとき、開閉部30の全体が開放される。以下では、この状態を「開放状態」とする。また、上側スライダ32が上端に位置するとき、開閉部30の全体が閉鎖される。以下では、この状態を「閉鎖状態」とする。また、上側スライダ32が上端と下端との間に位置するとき、開閉部30の一部が開放される。以下では、この状態を「半開状態」とする。
【0034】
下側スライダ33は、開閉部30の下端から上端までの間で移動して開閉部30を開放および閉鎖する。下側スライダ33が上端に位置するとき、開閉部30の全体が開放される。以下では、この状態を「開放状態」とする。また、下側スライダ33が下端に位置するとき、開閉部30の全体が閉鎖される。以下では、この状態を「閉鎖状態」とする。また、下側スライダ33が下端と上端との間に位置するとき、開閉部30の一部が開放される。以下では、この状態を「半開状態」とする。
【0035】
このように、上側スライダ32および下側スライダ33が開閉部30の上端から下端までの間の同一の範囲を移動することにより、開閉部30が開放状態または閉鎖状態または半開状態とされる。
【0036】
テープ34の裏側の左右方向のそれぞれの端部には、開閉部中央裏生地215が縫い付けられている。開閉部中央裏生地215の幅はテープ34の幅よりも大きく設定されている。開閉部30が閉鎖状態のときには、開閉部中央裏生地215がたわんだ状態となる。開閉部30が開放状態のときには、開閉部中央裏生地215のたわみが延ばされた状態にてテープ34が離間される。
【0037】
このように、開閉部30の裏側にはパワーネットである開閉部中央裏生地215が設けられているため、ファスナ機構31が開放状態のときにも、開閉部表生地213と開閉部上裏生地214との間が開閉部中央裏生地215によりつなげられている。
【0038】
図3に示されるように、開閉部30の裏側の上端には、開閉部上裏生地214の左右の生地を接続または離間するホック36が設けられている。このホック36は、上側スライダ32が開閉部30の上端に位置するとき、上側スライダ32と重なることがないように左右方向において上側スライダ32が配置されている位置からずらされたところに設けられる。
【0039】
窓部40は、開口部表側生地216および同開口部表側生地216の裏側に配置される開口部裏側生地217が重ね合わせられて開口部41が形成される。窓部40は、ユーザがガードル1を着衣したとき、性器およびその周辺に余裕ができるように開口部表側生地216および開口部裏側生地217が立体的な形状となるように裁断および縫製される。
【0040】
窓部40と開閉部30とは、窓部40の上部が開閉部30の下部の裏側に位置するように重ね合わせられて配置される。すなわち、開口部41の上方は開閉部30により覆われている。
【0041】
ユーザがガードル1を着衣するときには、上側スライダ32を下方に向けて移動させることにより、開閉部30の上方が開放状態となるため、同ガードル1を容易に着脱することができる。また、下側スライダ33を上方に向けて移動させることにより、開閉部30の下方が開放状態となるため、窓部40の開口部41を開きやすくすることができる。
【0042】
腹部押圧部50は、腹部押圧部表生地218と腹部押圧部裏生地219とにより構成されている。すなわち腹部押圧部50は、腹部押圧部表生地218と腹部押圧部裏生地219とが重ね合わされた二重構造を有する。
【0043】
大腿負荷部60は、大腿負荷部表生地221と大腿負荷部裏生地222とにより構成されている。すなわち大腿負荷部60は、大腿負荷部表生地221と大腿負荷部裏生地222とが重ね合わされた二重構造を有する。
【0044】
腰部支持部70は、腰部支持部表生地224と腰部支持部裏生地225とにより構成されている。すなわち腰部支持部70は、腰部支持部表生地224と腰部支持部裏生地225とが重ね合わされた二重構造を有する。また、腰部支持部70の左右方向の端部には、芯地あるいは硬質樹脂からなる薄い細板状の後側ボーン71が設けられている。
【0045】
後側ボーン71は、表側における腰部支持部表生地224および腰部被覆部表生地226が縫い合わせられる生地(以下、「後側ボーン表生地」)と、裏側における腰部支持部裏生地225および腰部被覆部裏生地227が縫い合わせられる生地(以下、「後側ボーン裏生地」)との間に挿入される。後側ボーン71は、腰部支持部70の上端から下端までにわたり設けられている。この後側ボーン71により、腰椎およびその付近の筋肉群が支持される。
【0046】
腰部被覆部100には、フック面ファスナ13を取り付けおよび取り外しするためのループ面ファスナ101が腰部被覆部表生地226に設けられている。ループ面ファスナ101の左右方向の幅は、フック面ファスナ13の幅よりも大きい。フック面ファスナ13がループ面ファスナ101に取り付けられたとき、腹部押圧部50においては、骨盤矯正部表生地211および骨盤矯正部裏生地212および腹部押圧部表生地218および腹部押圧部裏生地219が重ね合わせられた4重構造となる。同じく、腹部被覆部80においては、骨盤矯正部表生地211および骨盤矯正部裏生地212および臀部被覆部側部生地229の上側部分が重ね合わせられた3重構造となる。
【0047】
すなわち、ユーザが骨盤矯正部10を前側から後側に引きながらフック面ファスナ13をループ面ファスナ101に取り付けることにより、腹部から人体の側部を介して腰部までにわたり複数枚の緊締力の強い経編生地およびパワーネットが重ね合わせられる。これにより、腹部から人体の側部を介して腰部までにわたり前側から後側に向かう力が付与されて、前傾して閉じた骨盤が開かれて正しい位置に導かれる。このように骨盤が正しい位置に導かれると腰椎の前湾が矯正されて姿勢の改善効果が得られる。
【0048】
図6を参照して、骨盤矯正部10を取り付ける位置の調節態様について説明する。
ループ面ファスナ101に対するフック面ファスナ13の取付位置は、ループ面ファスナ101の最も外側の位置(以下、「最外位置A」)から最も内側の位置(以下、「最内位置B」)までの範囲で変更することができる。
【0049】
骨盤矯正部10の長さは次のように設定されている。すなわち、ユーザがガードル1を着衣して、フック面ファスナ13をループ面ファスナ101に取付けるとき、骨盤矯正部10がたわむことなく、かつ引っ張られることがないように設定されている。
【0050】
フック面ファスナ13がループ面ファスナ101の最外位置Aに取り付けられる場合には、骨盤矯正部10が前側から後側に向けて引っ張られる力が小さくなり、前側から後側に向けて骨盤に加えられる力が小さくなる。このようにフック面ファスナ13の取付位置として最外位置Aを選択したときには、骨盤矯正部10により人体の腹部周りに作用する力が小さくなる。これにより、人体の腹部周りを締め付ける力が小さくなるため、腹部の圧迫感が低減される。
【0051】
フック面ファスナ13をループ面ファスナ101の最内位置Bに取り付ける場合には、骨盤矯正部10が前側から後側に向けて引っ張られる力が大きくなり、前側から後側に向けて骨盤に加えられる力が大きくなる。このようにフック面ファスナ13の取付位置として最内位置Bを選択したときには、前傾した骨盤を矯正する効果をより高めることができる。
【0052】
すなわち、ループ面ファスナ101に対するフック面ファスナ13の取付位置が変更されることにより、腹部の圧迫感を低減すること、および骨盤を矯正する効果をより高めることができる。
【0053】
同じく、ループ面ファスナ101に対するフック面ファスナ13の取付位置が変更されることにより、体型に応じて骨盤矯正部10により骨盤に加えられる力の大きさを変更することができる。
【0054】
図2および図6に示されるように、フック面ファスナ13がループ面ファスナ101に取付けられたとき、腰部被覆部100には骨盤矯正部10のパワーネットの伸縮性により後側から前側に向かう力が加えられる。ループ面ファスナ101の裏側には、パワーネットである腰部被覆部裏生地227が設けられているため、腰部被覆部100に加えられる力により同腰部被覆部100が後側から前側に引っ張られることが抑制される。
【0055】
図1および図3に示されるように、ガードル1の前面を構成する各生地は以下のように縫い合わせられている。
・開閉部表生地213および開閉部上裏生地214の外側の縁は、それぞれ表側および裏側の前ボーン生地の内側の縁に縫い合わせられている。
・腹部押圧部表生地218および腹部押圧部裏生地219の外側の縁は、臀部被覆部側部生地229の内側の縁に縫い合わせられている。
・骨盤矯正部表生地211および骨盤矯正部裏生地212の前側の縁は、前ボーン生地の外側の縁に縫い合わせられている。
・大腿被覆部生地223の上側の縁は、窓部40および開閉部30の下側の縁に縫い合わせられている。
・大腿負荷部表生地221および大腿負荷部裏生地222の前面の上側の縁は、腹部押圧部表生地218および腹部押圧部裏生地219の下側の縁および臀部被覆部側部生地229の下側の縁に縫い合わせられている。
・大腿被覆部生地223の外側の縁は大腿負荷部表生地221および大腿負荷部裏生地222の前面の内側の縁に縫い合わせられている。
【0056】
図2および図4に示されるように、ガードル1の背面を構成する各生地は以下のように縫い合わせられている。
・臀部被覆部側部生地229の上側部分の内側の縁は、腰部被覆部表生地226および腰部被覆部裏生地227の外側の縁に縫い合わせられている。
・大腿負荷部表生地221および大腿負荷部裏生地222の背面の上側の縁は、それぞれ臀部被覆部中央生地228および臀部被覆部側部生地229の下側の縁に縫い合わせられている。
・大腿被覆部生地223の内側の縁は大腿負荷部表生地221および大腿負荷部裏生地222の背面の内側の縁に縫い合わせられている。
・腰部支持部表生地224の下側の縁は、臀部被覆部中央生地228の上側の縁に縫い合わせられている。
・腰部支持部表生地224の外側の縁は、腰部被覆部表生地226の内側の縁に縫い合わせられている。
・臀部被覆部中央生地228の外側の縁は、臀部被覆部側部生地229の内側の縁に縫い合わせられている。
【0057】
本実施形態によれば以下の効果を奏することができる。
(1)ガードル1の前身頃から後身頃までにわたりパワーネットにより構成される骨盤矯正部10が設けられている。このため、ガードル1がユーザに着衣されたとき、骨盤には人体の前側から後側に向かう力がガードル1により付与される。この力は、閉じた骨盤を開いて伸ばす力として作用するため、骨盤の前傾を効果的に矯正することができる。
【0058】
(2)ループ面ファスナ101に対するフック面ファスナ13の取付位置をユーザが選択することができる。このため、例えば体型に応じて骨盤矯正部10により骨盤に加えられる力の大きさを変更することができる。すなわち、使い勝手の良いガードル1を提供することができる。
【0059】
(3)骨盤矯正部10は、前端部11から後端部12に向かうにつれて骨盤矯正部10の幅が小さくなる。このため、前端部11から後端部12までにわたり幅が一定または前端部11から後端部12に向かうにつれて幅が大きくなる構成と比較して、臀部にかかる骨盤矯正部10の面積が小さくなる。これにより、臀部が骨盤矯正部10により圧迫されることに起因してユーザが不快感を覚えることを抑制することができる。
【0060】
(4)ガードル1においては、前端部11が前身頃に縫い付けられる部分に前側ボーン51が設けられている。このため、ガードル1がユーザに着衣されたときに生じる力、すなわち前端部11が開閉部表生地213および腹部押圧部表生地218および腹部押圧部裏生地219を前側から後側に引っ張る力が前側ボーン51により受けられる。これにより、開閉部30の生地および腹部押圧部50の生地を引っ張る力が前側ボーン51の上下方向の全体にわたり均等に加えられるため、生地の一部分のみが引っ張られることを抑制することができる。
【0061】
(5)前側ボーン51が鼠径部に対応する部位またはその付近に対応する部位に設けられている。このため、同部位の生地が前側から後側に引っ張られることが抑制される。このため、生地が引っ張られることに起因して、膀胱や性器が圧迫された感じをユーザに与えるおそれを少なくすることができる。
【0062】
(6)開閉部30が閉鎖状態のときに下側スライダ33が開閉部30の下端に位置するため、ユーザは小用をたすためにズボンのファスナを上方から下方に下ろしたとき、ファスナを開いた手の近くにある下側スライダ33を下方から上方へ移動させることにより開閉部30を開放することができる。従って、速やかに小用をたすことができる。
【0063】
(7)開閉部30にファスナ機構31が設けられている。このため、開閉部30が編み上げ紐により構成される場合において編み上げ紐をほどく操作を行い開閉部30を開放状態とするときよりも速やかに小用をたすことができる。
【0064】
(8)出入部20には窓部40が設けられている。このため、性器を窓部40の開口部41から取り出すことができ、性器がファスナ機構31の務歯35に接触することに起因してユーザに不快感を与えるおそれを少なくすることができる。
【0065】
(9)ガードル1には、腹部に対応して経編生地により構成される開閉部30、および性器に対応してパワーネットにより構成される窓部40が設けられる。これにより、開閉部30が閉鎖状態とされるときには、腹部を押すための力が腹部に加えられるため、腹部の補正効果を期待することができる。一方、開閉部30が開放状態とされるときには、開口部41を容易に開くことができるため、簡便に用を足すことができる。すなわち、腹部の補正と開口部41の容易な開閉とを両立することができる。
【0066】
(10)開閉部30および窓部40の上部が互いに重なり合う構造の出入部20とした。このため、開閉部30の下側スライダ33の位置を変更しなくとも、窓部40の開口面積を大きくとることができる。従って、開閉部30の操作性の低下を抑制しつつ窓部40の開口部41からの性器の取り出し性を高めることができる。
【0067】
(11)経編生地の開閉部表生地213および開閉部上裏生地214により腹部を押すための力が腹部に加えられる。このため、腹部の補正効果を期待することができる。
(12)窓部40がパワーネットの開口部表側生地216および開口部裏側生地217が立体的な形状となるように裁断および縫製されているため、窓部40が立体的な形状となるように形成されていない場合と比べて、窓部40の開口部41を容易に開放することができる。
【0068】
(13)下側スライダ33が開閉部30の下端から上端までの間を移動することにより、性器の上部に対応する部位からガードル1の上端までの間を開放することができるため、下側スライダ33が開閉部30の上端までの間を移動しないものと比べて、性器をより容易に取り出すことができる。ひいては、簡便に小用を足すことできる。
【0069】
(14)上側スライダ32が開閉部30の上端から下端までの間を移動することにより、ガードル1の上方を開放することができる。従って、ユーザがガードル1を容易に着脱することができる。
【0070】
(15)上側スライダ32および下側スライダ33が同一の範囲を移動するため、それらが同一の範囲になく、別々の箇所に設けられているときに比べて、より簡単な構成のガードル1とすることもできる。
【0071】
(16)ガードル1に開閉部30を設けているため、開閉部30が設けられていないガードル1に比べて、開閉部30が一般の下着よりも緊締力の強い経編生地により構成されているとしても、性器の取り出しを速やかに行うことができる。
【0072】
(17)パワーネットである開閉部中央裏生地215が開閉部30の裏側に設けられている。このため、ファスナ機構31が開放状態とされるときにも、ファスナ機構31により離間された開閉部表生地213の間からユーザの腹部または下着がはみ出すことがない。これにより、下着がファスナ機構31の各スライダ32,33に挟まれて傷つけられる状況を回避することができる。また、ユーザの腹部の皮膚が同各スライダ32,33に挟まれて傷つけられる状況を回避することができる。
【0073】
(18)開閉部30の裏側の上端においては、ホック36が上側スライダ32と重なることがないように、左右方向における上側スライダ32の位置とずらして配置される。このため、それらが重なることに起因して、ユーザに腹部における不快感を与えることを回避することができる。
【0074】
(19)フック面ファスナ13をループ面ファスナ101に取り付けると、腹部押圧部50においては、骨盤矯正部表生地211および骨盤矯正部裏生地212および腹部押圧部表生地218および腹部押圧部裏生地219が重ね合わせられた4重構造となる。同じく、腹部被覆部80においては、骨盤矯正部表生地211および骨盤矯正部裏生地212および臀部被覆部側部生地229の上側部分が重ね合わせられた3重構造となる。
【0075】
すなわち、ユーザが骨盤矯正部10を前側から後側に引きながらフック面ファスナ13をループ面ファスナ101に取り付けるとき、腹部から人体の側部を介して腰部までにわたり、複数枚の経編生地およびパワーネットが重ね合わせられる。これにより、腹部から人体の側部を介して腰部までにわたり前側から後側に向かう力が付与されて、前傾して閉じた骨盤が開かれて正しい位置に導かれる。このように骨盤が正しい位置に導かれると腰椎の前湾が矯正されて姿勢の改善効果が得られる。
【0076】
(20)ループ面ファスナ101の裏側には、パワーネットである腰部被覆部裏生地227が設けられている。このため、ユーザがガードル1を着衣したとき、フック面ファスナ13をループ面ファスナ101に取り付けると、骨盤矯正部10のパワーネットの伸縮性により腰部被覆部100には、後側から前側に向かう力が加えられるときにも、腰部被覆部裏生地227により腰部被覆部100が後側から前側に向けて引っ張られることを抑制することができる。
【0077】
(21)臀部被覆部110が臀部被覆部中央生地228および臀部被覆部側部生地229により立体的な形状となるよう形成されているため、臀部のかたちを立体的な美しいものに整えることができる。
【0078】
(22)ガードル1の上端がウエストよりも上方の部位に対応するため、すなわち、ハイウエストタイプのガードル1としているため、ガードル1によりウエストよりも上方部分の腹部および腰部が支持されることにより、良い姿勢を保持することができる。
【0079】
(23)腹部押圧部50が経編生地とパワーネットとが重ね合わせられた二重構造を有する。このため、ユーザがガードル1を着衣したとき、腹直筋には同筋肉を腹部側から背中側に向けて押す力が加えられるため、歩行時の姿勢の安定化が図られる。
【0080】
(24)大腿負荷部60が経編生地とパワーネットとが重ね合わせられた二重構造を有する。このため、ユーザがガードル1を着衣して歩行や体操等の運動をするときに下肢を上げる際に大きな力が必要とされる。すなわち大腿に負荷がかかる状況で体操を行うことにより、腹直筋が鍛えられて、姿勢の改善効果が得られる。ひいては、腰痛を軽減することができる。
【0081】
(25)腰部支持部70が経編生地が重ね合わせられた二重構造を有する。このため、ユーザがガードル1を着衣したとき、腰椎およびその付近の筋肉群には同筋肉を背中側から腹部側に向けて押す力が加えられるため、腰椎およびその付近の筋肉群を支えることができる。ひいては、姿勢の改善効果が得られる。
【0082】
(26)前側ボーン51が設けられている。このため、上腹部および中腹部が前側ボーン51により支えられるため、姿勢の改善効果が得られる。
(27)後側ボーン71が設けられている。このため、腰椎およびその付近の筋肉群が後側ボーン71により支えられるため、姿勢の改善効果が得られる。
【0083】
(28)腰部支持部70の左右方向の端部に後側ボーン71が設けられている。すなわち、後側ボーン71が腰椎に重なりにくい位置に設けられるため、後側ボーン71が腰椎に当たることによる不快感を低減することができる。
【0084】
(29)開口部表側生地216および開口部裏側生地217をそれぞれ通気性のよいパワーネットとした。このため、性器およびその周辺部位が蒸れることを抑制することができる。
【0085】
(30)骨盤矯正部表生地211および骨盤矯正部裏生地212として通気性のよいパワーネットが用いられている。このため、フック面ファスナ13がループ面ファスナ101に取付けられることにより、腹部の前面および側面および腰部に対応する部位が3重または4重構造となるときにも同部位が蒸れることを抑制することができる。
【0086】
(31)腰部被覆部裏生地227として通気性のよいパワーネットが用いられている。このため、腰部が蒸れることを抑制することができる。
(32)ガードル1の上端がウエストよりも上方の部位に設けられている。このため、ユーザがガードル1の上にズボンを着用したときには、開閉部30の上端がズボンの上端に設けられているボタンまたはフックよりも上方に位置することがある。この場合に上側スライダ32のみが設けられているとすると、ユーザはズボンのボタンまたはフックを開いた後に開閉部30を開放状態とする必要がある。
【0087】
これに対して本実施形態のガードル1によれば、下側スライダ33が設けられているため、開閉部30の上端がズボンの上方に位置する場合にズボンのボタンやフックを操作しなくても下側スライダ33の操作により開閉部30を開放状態とすることができる。
【0088】
(その他の実施形態)
なお、本発明の実施態様は上記実施形態に限られるものではなく、例えば以下に示すように変更することもできる。また以下の各変形例は、上記実施形態についてのみ適用されるものではなく、異なる変形例同士を互いに組み合わせて実施することもできる。
【0089】
・上記実施形態では、図1および図3に示されるように、開閉部30および窓部40を含めてガードル1を構成したが、これらのうちの少なくとも一方を省略することもできる。例えば、図7に示されるように、開閉部30および窓部40の両方を省略することもできる。
【0090】
・上記実施形態では、図1に示されるように、骨盤矯正部10の前端部11を前側ボーン表生地に縫い合わせたが、図8に示されるように、同前端部11を前側ボーン表生地に着脱可能に取り付けることもできる。具体的には、骨盤矯正部10をガードル1の本体とは各別に構成して、その前端部11の上下方向にほぼ均等間隔にて雄ホック301を設けるとともに、前側ボーン表生地の外側の縁に雄ホック301をとめることができる雌ホック302を縫い付ける。そして、ユーザが自身の骨盤矯正の要求があるときに雄ホック301を雌ホック302にとめた後、同骨盤矯正部10を前側から後側に向けて引っ張った後にフック面ファスナ13をループ面ファスナ101に取り付けることもできる。すなわち、ユーザによる骨盤矯正の要求があるときのみ、骨盤矯正部10を同ガードル1に取り付けることができるため、使い勝手の良いガードル1とすることができる。
【0091】
・上記実施形態では、図2および図6に示されるように、後端部12にフック面ファスナ13を設けて、これを腰部被覆部表生地226に設けられたループ面ファスナ101に取り付けて後端部12を腰部被覆部表生地226に取り付けたが、後端部12を取り付ける構成はこれに限られない。すなわち、後端部12に雄ホック301を設けるとともに、腰部被覆部表生地226に雄ホック301の上下方向の長さと同じ長さの雌ホック302を設けて、これらを係合することにより後端部12を取付けることもできる。この場合には、腰部被覆部表生地226に左右方向において複数の雌ホック302を設けることにより、骨盤矯正部10により骨盤に加えられる力を変更することができる。
【0092】
・上記実施形態では、図1〜図4に示されるように、大腿中部の下端に対応する部位に当該ガードル1の下端を設けたが、ガードル1の下端の位置を変更することもできる。例えば、図9において実線にて示されるように、下腿中部付近にガードル1の下端を設けることもできる。すなわち、ロングタイプのガードルとすることもできる。また、図9において一点鎖線にて示されるように、股部の下方にガードル1の下端を設けることもできる。すなわち、ボクサーブリーフタイプのガードルとすることもできる。
【0093】
・上記実施形態では、図1および図3に示されるように、開閉部30および窓部40を含めて性器を取出すための出入部20を構成したが、図10に示されるように、窓部40を省略することもできる。この場合には、開閉部30の下端を股に対応する部位にまで設けることにより、性器に対応する部位の下端に下側スライダ33が位置するため、同部位を下端から上方に向けて開放状態とすることができるため、速やかに性器を取出すことができる。これにより、速やかに性器を取り出して小用をたすことができる。
【0094】
・上記実施形態では、図1および図3に示されるように、出入部20には、開閉部30と窓部40とが重なる部分が設けられている。これに対して、図11に示されるように、開閉部30の下端を股に対応する部位にまで設けて性器に対応する部位の下端に下側スライダ33が位置し、かつこの開閉部30の下方の内側に窓部40を設けることもできる。すなわち、開閉部30が閉鎖状態とされているときには、図11において一点鎖線にて示されるように、窓部40は同出入部20の内側に配置されて表側には露呈しない。一方、開閉部30が開放状態とされているときには、窓部40から速やかに性器をとりだすことができる。
【0095】
・上記実施形態では、フック面ファスナ13を着脱するためのループ面ファスナ101を腰部被覆部表生地226に設けたが、ループ面ファスナ101を設ける位置はこれに限られない。例えば、腰部支持部表生地224に設けることもできる。この場合には、フック面ファスナ13を取付ける位置が上記実施形態よりも内側となるため、骨盤矯正部10により前側から後側に向けて骨盤に加えられる力が大きいものとなる。
【0096】
・上記実施形態では、ループ面ファスナ101を左右に一対設けたが、これを1つのループ面ファスナ101とすることもできる。この場合には、上記実施形態のループ面ファスナ101の幅よりも大きい幅とするとともに、体軸にまたがり左右対称となるように配置することが好ましい。
【0097】
・上記実施形態では、ファスナ機構31として、開閉部30の上端から下端までの間を移動する上側スライダ32および開閉部30の下端から上端までの間を移動する下側スライダ33を設けたが、ファスナ機構31の構成はこれに限れるものではない。すなわち、上側スライダ32が開閉部30の上端から中央部付近までの間を移動するとともに、下側スライダ33が開閉部30の下端から中央部付近までの間を移動する構成とすることもできる。すなわち、上側スライダ32および下側スライダ33が連続する範囲を移動することのない構成とすることもできる。
【0098】
・上記実施形態では、上側スライダ32を下側スライダ33と連続する態様でファスナ機構31に設けたが、上側スライダ32を設ける箇所はこれに限られない。例えば、人体の側部に対応するガードル1の上端に設けることもできる。
【0099】
・上記実施形態では、骨盤矯正部10の幅を前端部11から後端部12に向かうにつれて次第に小さくしたが、骨盤矯正部10の幅を前端部11から後端部12までにわたり一定の幅とすることもできる。
【0100】
・上記実施形態では、ウエストよりも上方の上腹部の上端から大腿中部の下端までの丈を有するガードル1としたが、ガードル1の上端を上記実施形態よりも上方に設けることもできる。例えば、胸部(人体背面においては背中)下部まで設けることにより、胸椎の下部を支持する構成とすることもできる。
【0101】
・上記実施形態では、パワーネットおよび経編生地の緊締力および伸縮性を互いに同じものとしたが、これら生地の緊締力および伸縮性を互いに異なるものにすることもできる。すなわち、パワーネットの緊締力を経編生地の緊締力よりも強いものとすることもできる。また、経編生地の緊締力をパワーネットの緊締力よりも強いものとすることもできる。
【0102】
・上記実施形態では、前側ボーン51および後側ボーン71をそれぞれ開閉部30の左右方向の端部および腰部支持部70の左右方向の端部近傍に配置するようにしたが、これらのボーンを設ける位置はこれに限られない。例えば、上記実施形態における前側ボーン51および後側ボーン71の位置よりもそれぞれ内側または外側に変更することもできる。
【0103】
・上記実施形態では、前側ボーン51をガードル1の上端から鼠径部に対応する部位までにわたり設けたが、前側ボーン51の長さはこれに限られない。例えば、前側ボーン51の下端を鼠径部よりも上方に対応する部位まで設けることもできる。要するに、少なくとも前端部11の上下方向の長さに対応する長さであればよい。
【0104】
・上記実施形態では、骨盤矯正部10および腹部押圧部50および大腿負荷部60および腰部支持部70および腰部被覆部100の構造として、それぞれ2枚の生地が重ね合わせられた二重構造を採用したが、それらのうちのいずれか一方を省略することもできる。また、二重構造のものにさらに別の生地を縫い合わせて三重以上の構造とすることもできる。
【0105】
・上記実施形態では、ファスナ機構31として、上側スライダ32および下側スライダ33を有する構成としたが、上側スライダ32を省略することもできる。
・上記実施形態では、開閉部30を開放するための手段として、ファスナ機構31を採用するようにしたが、開閉部30をその下端から上方に向けて開放様態とすることができる機構はこれに限られない。例えば、開閉部30を開放するための手段として、編み上げ紐などがあげられる。
【0106】
・上記実施形態では、大人男性用のガードルに本発明を適用したが、大人女性用のガードルとすることもできる。この場合には、出入部20を省略すればよい。また、子供男児用とすることもできる。また、子供女児用とすることもできる。この場合には、出入部20を省略すればよい。
【0107】
・上記実施形態では、男性用のガードルに本発明を適用したが、その他の下着およびズボンについても本発明を適用することができる。本発明を適用することのできる下着の例としては、パンツ、およびすててこ、およびももひきが挙げられる。また本発明を適用することのできるズボンの例としては、トレーニングパンツ、スパッツ、レギンスおよびジャージが挙げられる。要するに、ウエストよりも上方から骨盤までに対応する部位および脚部を含む下着またはズボンであれば、いずれの下着についても上記実施形態に準じた態様で本発明を適用することができる。
【0108】
・上記実施形態では、単一の下肢用被服として本発明の骨盤矯正被服を具体化したが、複数の被服を組み合わせたものとして本発明の骨盤矯正被服を具体化することもできる。すなわち、ガードルとして具体化した骨盤矯正被服をズボンの裏側に縫い付け、これを本発明の骨盤矯正被服を具体化した一態様とすることもできる。なお、このような形態で本発明を実施することのできるズボンの例としては、背広ズボン、スラックス、トレーニングパンツ、Gパン、モンペ、サロペット、スパッツ、レギンスおよびジャージが挙げられる。
【符号の説明】
【0109】
1…ガードル、10…骨盤矯正部、11…前端部、12…後端部、13…フック面ファスナ、20…出入部、30…開閉部(接続離間部)、31…ファスナ機構(ファスナ)、32…上側スライダ(上側把持部)、33…下側スライダ(下側把持部)、34…テープ、35…務歯、36…ホック、40…窓部、41…開口部、50…腹部押圧部、51…前側ボーン、60…大腿負荷部、70…腰部支持部、71…後側ボーン、80…腹部被覆部、90…大腿被覆部、100…腰部被覆部、101…ループ面ファスナ、110…臀部被覆部、211…骨盤矯正部表生地、212…骨盤矯正部裏生地、213…開閉部表生地、214…開閉部上裏生地、215…開閉部中央裏生地、216…開口部表側生地、217…開口部裏側生地、218…腹部押圧部表生地、219…腹部押圧部裏生地、221…大腿負荷部表生地、222…大腿負荷部裏生地、223…大腿被覆部生地、224…腰部支持部表生地、225…腰部支持部裏生地、226…腰部被覆部表生地、227…腰部被覆部裏生地、228…臀部被覆部中央生地、229…臀部被覆部側部生地、301…雄ホック、302…雌ホック。
【技術分野】
【0001】
本発明は、前身頃および後身頃を含む骨盤の前傾を矯正する効果が期待できる骨盤矯正被服に関する。
【背景技術】
【0002】
姿勢が悪くなることにより腰椎が過度に前湾すると、骨盤が前傾して閉じた状態となることにより、腰痛を引き起こしやすくなる。
特許文献1に記載の下半身に着用する骨盤矯正被服では、骨盤を矯正する部位として、前身頃から後身頃までにわたり設けられた緊締力の強い生地を有する。これにより、当該骨盤矯正被服を着衣したとき、骨盤の両側部には前側から後側に向かう力が加えられる。この力は、骨盤の前傾を矯正する力として作用するため、腰椎の過度な前湾を矯正する効果が期待できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−206795号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、この骨盤矯正被服は、骨盤を矯正する部位の前側の端部および後側の端部がそれぞれ前身頃および後身頃に縫い付けられているため、骨盤に加えられる力を例えば体型に応じて変更することができない。このため、使い勝手の点において改善の余地が残されている。
【0005】
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、使い勝手のよい骨盤の前傾を矯正する効果が期待できる骨盤矯正被服を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、上記目的を達成するための手段およびその作用効果について記載する。
(1)請求項1に記載の発明は、前身頃および後身頃を含むものである骨盤の前傾を矯正する効果が期待できる骨盤矯正被服において、骨盤を矯正するための部位として、人体の前側から後側に向かう力を骨盤に付与するための骨盤矯正部を含むこと、この骨盤矯正部の上端がウエストよりも上方に設けられること、前記前身頃に対応する前端部および前記後身頃に対応する後端部が前記骨盤矯正部に設けられること、前記後端部が前記後身頃に対して取り付けおよび取り外しできること、前記後身頃に対する前記後端部の取付位置をユーザが選択できることを要旨としている。
【0007】
この発明の骨盤矯正被服がユーザに着衣されたとき、骨盤には人体の前側から後側に向かう力が骨盤矯正部により付与される。この力は、閉じた骨盤を開いて伸ばす力として作用するため、骨盤の前傾を効果的に矯正することができる。また、後身頃に対する後端部の取付位置をユーザが選択することができるため、例えば体型に応じて骨盤矯正部により骨盤に加えられる力の大きさを変更することができる。このように本発明によれば、使い勝手の良い骨盤の前傾を矯正する効果が期待できる骨盤矯正被服を提供することができる。
【0008】
(2)請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の骨盤の前傾を矯正する効果が期待できる骨盤矯正被服において、前記前端部から前記後端部に向かうにつれて前記骨盤矯正部の幅が小さくなることを要旨としている。
【0009】
この発明の骨盤矯正被服によれば、前端部から後端部に向かうにつれて幅が小さくなるため、前端部から後端部までにわたり幅が一定または前端部から後端部に向かうにつれて幅が大きくなる構成と比較して、臀部にかかる骨盤矯正部の面積が小さくなる。これにより、臀部が骨盤矯正部により圧迫されることに起因してユーザが不快感を覚えることを抑制することができる。
【0010】
(3)請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の骨盤の前傾を矯正する効果が期待できる骨盤矯正被服において、前記骨盤矯正部において前記前端部と前記後端部とをつなぐ部分を中間部としたとき、前記前身頃と前記前端部との接続部に対して前記中間部とは反対側、または前記前身頃と前記前端部との接続部にボーンが設けられていること、このボーンが前記前端部に沿うように設けられていること、前記ボーンの下端部が鼠径部に対応する部位またはその付近に対応する部位に設けられていることを要旨としている。
【0011】
この発明の骨盤矯正被服がユーザに着衣されたとき、前端部が取り付けられた前身頃を前側から後側に引っ張る力が生じるものの、この力が上記態様で設けられたボーンにより受けられる。これにより、前身頃を引っ張る力がボーンの上下方向の全体にわたり均等に加えられるため、前身頃の一部分のみが引っ張られることを抑制することができる。
【0012】
また、ボーンが鼠径部に対応する部位またはその付近に対応する部位に設けられているため、同部位の生地が前側から後側に引っ張られることが抑制される。このため、生地が引っ張られることに起因して、膀胱や性器が圧迫された感じをユーザに与えるおそれを少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態の骨盤の前傾を矯正する効果が期待できる骨盤矯正被服について、その正面構造を示す正面図。
【図2】同実施形態の骨盤矯正被服について、その背面構造を示す背面図。
【図3】同実施形態の骨盤矯正被服について、同被服を裏返した状態の正面構造を示す正面図。
【図4】同実施形態の骨盤矯正被服について、同被服を裏返した状態の背面構造を示す背面図。
【図5】同実施形態の骨盤矯正被服について、出入部およびその付近の拡大構造を示す拡大図。
【図6】同実施形態の骨盤矯正被服について、腰部被覆部の拡大構造を示す拡大図。
【図7】本発明のその他の実施形態の骨盤矯正被服について、その正面構造を示す正面図。
【図8】本発明のその他の実施形態の骨盤矯正被服について、その正面構造を示す正面図。
【図9】本発明のその他の実施形態の骨盤矯正被服について、その正面構造を示す正面図。
【図10】本発明のその他の実施形態の骨盤矯正被服について、その正面構造を示す正面図。
【図11】本発明のその他の実施形態の骨盤矯正被服について、その正面構造を示す正面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1〜図6を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
本実施形態では、ズボンの下に着衣される男性用のガードルとして本発明の骨盤矯正被服を具体化した一例を示している。なお、図1〜図6では、ガードル1を構成する各生地同士の縫い目を実線で、また生地の裏側に縫い付けられた、または生地の裏側に重ね合わせられた別の生地の縫い目を破線で示している。
【0015】
以降の説明において、「生地の裏側」は各生地において人体と向き合う側を、「生地の表側」は各生地において裏側とは反対側をそれぞれ示すものとする。人体の前後方向において所定の部位よりも前方および後方をそれぞれ「前側」および「後側」とする。また、人体の左右方向において所定の部位よりも右方および左方をそれぞれ「右側」および「左側」とする。また、人体の上下方向において所定の部位よりも上方および下方をそれぞれ「上側」および「下側」とする。また、人体の左右方向において所定部位に対して体軸側を「内側」とし、所定部位に対して体軸側とは反対側を「外側」とする。
【0016】
ガードル1は、ウエストよりも上方の上腹部の上端から大腿中部の下端までの部位に対応する被服として構成されている。また、下半身の各部位にそれぞれ対応する部位としての以下のものが設けられている。
【0017】
図1に示されるように、人体前面の各部位にそれぞれ対応する部位として、以下のものが設けられている。
・骨盤を矯正するための部位として、骨盤矯正部10が設けられている。この骨盤矯正部10は、人体の左右のそれぞれに設けられて前側から後側に向かう力を骨盤に付与する。
・性器を取り出しやすくするための部位として、出入部20が設けられている。この出入部20は、性器およびその付近に設けられる。
・腹部を押圧するための部位として、腹部押圧部50が設けられている。この腹部押圧部50は、腹部に対応して設けられて腹部を前側から後側に向けて押圧する。
・歩行時に大腿に負荷を与える部位として、大腿負荷部60が設けられている。この大腿負荷部60は、大腿の側面および背面(図2参照)に対応して設けられて歩行時に大腿が引き上げられるときに大腿に負荷を与える。
・腹部の側部に対応する部位として、腹部被覆部80が設けられている。
・大腿の内側に対応する部位として、大腿被覆部90が設けられている。
【0018】
図2に示されるように、人体背面の各部位にそれぞれ対応する部位として、以下のものが設けられている。
・腰部を支持するための部位として、腰部支持部70が設けられている。この腰部支持部70は、腰部の左右方向の中央部に対応して設けられて腰部を後側から前側に向けて押圧する。
・腰部の側部に対応する部位として、腰部被覆部100が設けられている。
・臀部に対応する部位として、臀部被覆部110が設けられている。
【0019】
ガードル1を構成する生地の種類について説明する。
ガードル1は、生地の緊締力が強くかつ通気性に優れた複数のパワーネットと、パワーネットとほぼ同じ緊締力を有する複数の経編生地とが互いに縫い合わせられることにより構成されている。パワーネットおよび経編生地は、一般の下着に用いられる生地よりも緊締力が強く、かつガードル1が着衣されたときに人体を押す力が強い。パワーネットおよび経編生地は、互いにほぼ同じ伸縮性を有する。
【0020】
図1に示されるように、ガードル1の前面の表側は以下の各生地により構成されている。
・人体の上下方向において上腹部から中腹部までにわたり形成され、かつ人体の前面から背面にまでを覆うように形成され、かつパワーネットにより形成される骨盤矯正部表生地211。
・骨盤矯正部表生地211と同じ形状に形成され、かつ骨盤矯正部表生地211を折り返して重ね合わせて形成され、かつパワーネットにより形成される骨盤矯正部裏生地212。
・上腹部から中腹部までにわたり左右方向の中央部を覆うように形成され、かつ経編生地により構成される開閉部表生地213。
・性器を覆うように形成され、かつパワーネットにより形成される開口部表側生地216。
・開閉部表生地213の両隣に設けられ、かつ経編生地により形成される腹部押圧部表生地218。
・大腿の側部から背面までを覆うように形成され、かつ経編生地により形成される大腿負荷部表生地221。
・大腿の内側を覆うように形成され、かつ経編生地により形成される大腿被覆部生地223。
【0021】
図2に示されるように、ガードル1の背面の表側は以下の各生地により構成されている。
・腰部の左右方向の中央部を覆うように形成され、かつ経編生地により形成される腰部支持部表生地224。
・腰部の側部を覆うように腰部支持部表生地224および腰部支持部裏生地225の両隣に設けられ、かつ経編生地により形成される腰部被覆部表生地226。
・臀部の中央部分を覆うように形成され、かつ経編生地により形成される臀部被覆部中央生地228。
・臀部の側部を覆うように形成され、かつ経編生地により形成される臀部被覆部側部生地229。
【0022】
図1および図3に示されるように、ガードル1の前面の裏側は以下の各生地により構成されている。
・開閉部表生地213の上側半分と同じ形状に形成され、かつ開閉部表生地213を折り返して重ね合わせて形成され、かつ経編生地により形成される開閉部上裏生地214。
・開閉部表生地213の裏側の左右方向の中央部に設けられ、かつパワーネットにより形成される開閉部中央裏生地215。
・開口部表側生地216の内側に形成され、かつパワーネットにより形成される開口部裏側生地217。
・腹部押圧部表生地218と同じ形状に形成され、かつ腹部押圧部表生地218の裏側に重ね合わされた状態で腹部押圧部表生地218に縫い付けられ、かつパワーネットにより形成される腹部押圧部裏生地219。
・大腿負荷部表生地221と同じ形状に形成され、かつ大腿負荷部表生地221の裏側に重ね合わされた状態で大腿負荷部表生地221に縫い付けられ、かつパワーネットにより形成される大腿負荷部裏生地222。
【0023】
図2および図4に示されるように、ガードル1の背面の裏側は以下の各生地により構成されている。
・腰部支持部表生地224と同じ形状に形成され、かつ腰部支持部表生地224を折り返して重ね合わせて形成され、かつ経編生地により形成される腰部支持部裏生地225。
・腰部被覆部表生地226と同じ形状に形成され、かつ腰部被覆部表生地226の裏側に重ね合わされた状態で腰部被覆部表生地226に縫い付けられ、かつパワーネットにより形成される腰部被覆部裏生地227。
【0024】
図1〜図4に示されるように、腹部押圧部50および腹部被覆部80および腰部被覆部100のそれぞれの上側の縁は生地が二重に重ね合わせられている。また、開閉部30の下側の縁は生地が二重に重ね合わせられている。また、開口部表側生地216の右側の縁は生地が二重に重ね合わせられている。また、開口部裏側生地217の左側の縁は生地が二重に重ね合わせられている。また、大腿負荷部60の下側の縁は生地が二重に重ね合わせられている。大腿被覆部90の下側の縁は生地が二重に重ね合わせられている。
【0025】
前身頃は、開閉部表生地213および開閉部上裏生地214および開閉部中央裏生地215および開口部表側生地216および開口部裏側生地217および腹部押圧部表生地218および腹部押圧部裏生地219および前側の大腿負荷部表生地221および前側の大腿負荷部裏生地222および前側の大腿被覆部生地223により形成されている。
【0026】
後身頃は、腰部支持部表生地224および腰部支持部裏生地225および腰部被覆部表生地226および腰部被覆部裏生地227および臀部被覆部中央生地228および臀部被覆部側部生地229後側の大腿負荷部表生地221および後側の大腿負荷部裏生地222および後側の大腿被覆部生地223により形成されている。
【0027】
ガードル1の各部位の詳細な構造について説明する。
図1に示されるように、骨盤矯正部10は、骨盤矯正部表生地211と骨盤矯正部裏生地212とにより構成されている。すなわち、骨盤矯正部10は、骨盤矯正部表生地211と骨盤矯正部裏生地212とが重ね合わされた二重構造を有する。
【0028】
骨盤矯正部10は、開閉部表生地213と腹部押圧部表生地218とが縫い合わせられている部分に縫い付けられる前端部11と、腰部被覆部表生地226に取り付けおよび取り外し可能に設けられる後端部12とを有する。骨盤矯正部10の幅は、前端部11から後端部12に向かうにつれて次第に小さくなる。骨盤矯正部表生地211の上端には、前端部11から後端部12までにわたり、左右方向の伸縮性が強いゴム状の生地が縫い付けられている。後端部12には、腰部被覆部表生地226に取り付けるためのフック面ファスナ13が設けられている。
【0029】
前端部11と後端部12との間の中間部とは反対側の部分には、芯地あるいは硬質樹脂からなる薄い細板状のボーン(以下、「前側ボーン51」)が設けられている。前側ボーン51は、表側における開閉部表生地213および腹部押圧部表生地218および骨盤矯正部表生地211および骨盤矯正部裏生地212が縫い合わせられる生地(以下、「前側ボーン表生地」)と、裏側における開閉部上裏生地214および開口部表側生地216および開口部裏側生地217および腹部押圧部裏生地219が縫い合わせられる生地(以下、「前側ボーン裏生地」)との間に挿入されている。なお、この前側ボーン表生地および前側ボーン裏生地の部分が前身頃と前端部11との接続部となる。
【0030】
前側ボーン51は、上下方向において、ガードル1の上端から鼠径部に対応する部位までにわたり設けられている。これにより、骨盤矯正部10に前側から後側に向かう力が加えられたときにも、開閉部表生地213および開閉部上裏生地214および開閉部中央裏生地215の一部が骨盤矯正部10とともに前側から後側に向けて引っ張られることが抑制される。また、鼠径部付近に対応する部位の生地、すなわち性器や膀胱に対応する部位の生地が引っ張られることが抑制される。
【0031】
出入部20は、上腹部の上端から性器の上方に対応する部位までにわたり設けられる開閉部30と、開閉部30よりも下方に設けられて股に対応する部位までにわたり設けられる窓部40とにより構成されている。
【0032】
図5に示されるように、開閉部30は、開閉部表生地213と開閉部上裏生地214と開閉部中央裏生地215とにより構成されている。すなわち、開閉部30の略上側半分の部分は、開閉部表生地213と開閉部上裏生地214とが重ね合わせられた二重構造を有する。開閉部30には、同開閉部30を開放状態とするためのファスナ機構31が設けられている。このファスナ機構31は、開閉部30の上端から下端までにわたり設けられたテープ34と、このテープ34に植え付けられた務歯35と、務歯35を開閉するための上側スライダ32および下側スライダ33とにより構成されている。
【0033】
上側スライダ32は、開閉部30の上端から下端までの間で移動して開閉部30を開放および閉鎖する。上側スライダ32が下端に位置するとき、開閉部30の全体が開放される。以下では、この状態を「開放状態」とする。また、上側スライダ32が上端に位置するとき、開閉部30の全体が閉鎖される。以下では、この状態を「閉鎖状態」とする。また、上側スライダ32が上端と下端との間に位置するとき、開閉部30の一部が開放される。以下では、この状態を「半開状態」とする。
【0034】
下側スライダ33は、開閉部30の下端から上端までの間で移動して開閉部30を開放および閉鎖する。下側スライダ33が上端に位置するとき、開閉部30の全体が開放される。以下では、この状態を「開放状態」とする。また、下側スライダ33が下端に位置するとき、開閉部30の全体が閉鎖される。以下では、この状態を「閉鎖状態」とする。また、下側スライダ33が下端と上端との間に位置するとき、開閉部30の一部が開放される。以下では、この状態を「半開状態」とする。
【0035】
このように、上側スライダ32および下側スライダ33が開閉部30の上端から下端までの間の同一の範囲を移動することにより、開閉部30が開放状態または閉鎖状態または半開状態とされる。
【0036】
テープ34の裏側の左右方向のそれぞれの端部には、開閉部中央裏生地215が縫い付けられている。開閉部中央裏生地215の幅はテープ34の幅よりも大きく設定されている。開閉部30が閉鎖状態のときには、開閉部中央裏生地215がたわんだ状態となる。開閉部30が開放状態のときには、開閉部中央裏生地215のたわみが延ばされた状態にてテープ34が離間される。
【0037】
このように、開閉部30の裏側にはパワーネットである開閉部中央裏生地215が設けられているため、ファスナ機構31が開放状態のときにも、開閉部表生地213と開閉部上裏生地214との間が開閉部中央裏生地215によりつなげられている。
【0038】
図3に示されるように、開閉部30の裏側の上端には、開閉部上裏生地214の左右の生地を接続または離間するホック36が設けられている。このホック36は、上側スライダ32が開閉部30の上端に位置するとき、上側スライダ32と重なることがないように左右方向において上側スライダ32が配置されている位置からずらされたところに設けられる。
【0039】
窓部40は、開口部表側生地216および同開口部表側生地216の裏側に配置される開口部裏側生地217が重ね合わせられて開口部41が形成される。窓部40は、ユーザがガードル1を着衣したとき、性器およびその周辺に余裕ができるように開口部表側生地216および開口部裏側生地217が立体的な形状となるように裁断および縫製される。
【0040】
窓部40と開閉部30とは、窓部40の上部が開閉部30の下部の裏側に位置するように重ね合わせられて配置される。すなわち、開口部41の上方は開閉部30により覆われている。
【0041】
ユーザがガードル1を着衣するときには、上側スライダ32を下方に向けて移動させることにより、開閉部30の上方が開放状態となるため、同ガードル1を容易に着脱することができる。また、下側スライダ33を上方に向けて移動させることにより、開閉部30の下方が開放状態となるため、窓部40の開口部41を開きやすくすることができる。
【0042】
腹部押圧部50は、腹部押圧部表生地218と腹部押圧部裏生地219とにより構成されている。すなわち腹部押圧部50は、腹部押圧部表生地218と腹部押圧部裏生地219とが重ね合わされた二重構造を有する。
【0043】
大腿負荷部60は、大腿負荷部表生地221と大腿負荷部裏生地222とにより構成されている。すなわち大腿負荷部60は、大腿負荷部表生地221と大腿負荷部裏生地222とが重ね合わされた二重構造を有する。
【0044】
腰部支持部70は、腰部支持部表生地224と腰部支持部裏生地225とにより構成されている。すなわち腰部支持部70は、腰部支持部表生地224と腰部支持部裏生地225とが重ね合わされた二重構造を有する。また、腰部支持部70の左右方向の端部には、芯地あるいは硬質樹脂からなる薄い細板状の後側ボーン71が設けられている。
【0045】
後側ボーン71は、表側における腰部支持部表生地224および腰部被覆部表生地226が縫い合わせられる生地(以下、「後側ボーン表生地」)と、裏側における腰部支持部裏生地225および腰部被覆部裏生地227が縫い合わせられる生地(以下、「後側ボーン裏生地」)との間に挿入される。後側ボーン71は、腰部支持部70の上端から下端までにわたり設けられている。この後側ボーン71により、腰椎およびその付近の筋肉群が支持される。
【0046】
腰部被覆部100には、フック面ファスナ13を取り付けおよび取り外しするためのループ面ファスナ101が腰部被覆部表生地226に設けられている。ループ面ファスナ101の左右方向の幅は、フック面ファスナ13の幅よりも大きい。フック面ファスナ13がループ面ファスナ101に取り付けられたとき、腹部押圧部50においては、骨盤矯正部表生地211および骨盤矯正部裏生地212および腹部押圧部表生地218および腹部押圧部裏生地219が重ね合わせられた4重構造となる。同じく、腹部被覆部80においては、骨盤矯正部表生地211および骨盤矯正部裏生地212および臀部被覆部側部生地229の上側部分が重ね合わせられた3重構造となる。
【0047】
すなわち、ユーザが骨盤矯正部10を前側から後側に引きながらフック面ファスナ13をループ面ファスナ101に取り付けることにより、腹部から人体の側部を介して腰部までにわたり複数枚の緊締力の強い経編生地およびパワーネットが重ね合わせられる。これにより、腹部から人体の側部を介して腰部までにわたり前側から後側に向かう力が付与されて、前傾して閉じた骨盤が開かれて正しい位置に導かれる。このように骨盤が正しい位置に導かれると腰椎の前湾が矯正されて姿勢の改善効果が得られる。
【0048】
図6を参照して、骨盤矯正部10を取り付ける位置の調節態様について説明する。
ループ面ファスナ101に対するフック面ファスナ13の取付位置は、ループ面ファスナ101の最も外側の位置(以下、「最外位置A」)から最も内側の位置(以下、「最内位置B」)までの範囲で変更することができる。
【0049】
骨盤矯正部10の長さは次のように設定されている。すなわち、ユーザがガードル1を着衣して、フック面ファスナ13をループ面ファスナ101に取付けるとき、骨盤矯正部10がたわむことなく、かつ引っ張られることがないように設定されている。
【0050】
フック面ファスナ13がループ面ファスナ101の最外位置Aに取り付けられる場合には、骨盤矯正部10が前側から後側に向けて引っ張られる力が小さくなり、前側から後側に向けて骨盤に加えられる力が小さくなる。このようにフック面ファスナ13の取付位置として最外位置Aを選択したときには、骨盤矯正部10により人体の腹部周りに作用する力が小さくなる。これにより、人体の腹部周りを締め付ける力が小さくなるため、腹部の圧迫感が低減される。
【0051】
フック面ファスナ13をループ面ファスナ101の最内位置Bに取り付ける場合には、骨盤矯正部10が前側から後側に向けて引っ張られる力が大きくなり、前側から後側に向けて骨盤に加えられる力が大きくなる。このようにフック面ファスナ13の取付位置として最内位置Bを選択したときには、前傾した骨盤を矯正する効果をより高めることができる。
【0052】
すなわち、ループ面ファスナ101に対するフック面ファスナ13の取付位置が変更されることにより、腹部の圧迫感を低減すること、および骨盤を矯正する効果をより高めることができる。
【0053】
同じく、ループ面ファスナ101に対するフック面ファスナ13の取付位置が変更されることにより、体型に応じて骨盤矯正部10により骨盤に加えられる力の大きさを変更することができる。
【0054】
図2および図6に示されるように、フック面ファスナ13がループ面ファスナ101に取付けられたとき、腰部被覆部100には骨盤矯正部10のパワーネットの伸縮性により後側から前側に向かう力が加えられる。ループ面ファスナ101の裏側には、パワーネットである腰部被覆部裏生地227が設けられているため、腰部被覆部100に加えられる力により同腰部被覆部100が後側から前側に引っ張られることが抑制される。
【0055】
図1および図3に示されるように、ガードル1の前面を構成する各生地は以下のように縫い合わせられている。
・開閉部表生地213および開閉部上裏生地214の外側の縁は、それぞれ表側および裏側の前ボーン生地の内側の縁に縫い合わせられている。
・腹部押圧部表生地218および腹部押圧部裏生地219の外側の縁は、臀部被覆部側部生地229の内側の縁に縫い合わせられている。
・骨盤矯正部表生地211および骨盤矯正部裏生地212の前側の縁は、前ボーン生地の外側の縁に縫い合わせられている。
・大腿被覆部生地223の上側の縁は、窓部40および開閉部30の下側の縁に縫い合わせられている。
・大腿負荷部表生地221および大腿負荷部裏生地222の前面の上側の縁は、腹部押圧部表生地218および腹部押圧部裏生地219の下側の縁および臀部被覆部側部生地229の下側の縁に縫い合わせられている。
・大腿被覆部生地223の外側の縁は大腿負荷部表生地221および大腿負荷部裏生地222の前面の内側の縁に縫い合わせられている。
【0056】
図2および図4に示されるように、ガードル1の背面を構成する各生地は以下のように縫い合わせられている。
・臀部被覆部側部生地229の上側部分の内側の縁は、腰部被覆部表生地226および腰部被覆部裏生地227の外側の縁に縫い合わせられている。
・大腿負荷部表生地221および大腿負荷部裏生地222の背面の上側の縁は、それぞれ臀部被覆部中央生地228および臀部被覆部側部生地229の下側の縁に縫い合わせられている。
・大腿被覆部生地223の内側の縁は大腿負荷部表生地221および大腿負荷部裏生地222の背面の内側の縁に縫い合わせられている。
・腰部支持部表生地224の下側の縁は、臀部被覆部中央生地228の上側の縁に縫い合わせられている。
・腰部支持部表生地224の外側の縁は、腰部被覆部表生地226の内側の縁に縫い合わせられている。
・臀部被覆部中央生地228の外側の縁は、臀部被覆部側部生地229の内側の縁に縫い合わせられている。
【0057】
本実施形態によれば以下の効果を奏することができる。
(1)ガードル1の前身頃から後身頃までにわたりパワーネットにより構成される骨盤矯正部10が設けられている。このため、ガードル1がユーザに着衣されたとき、骨盤には人体の前側から後側に向かう力がガードル1により付与される。この力は、閉じた骨盤を開いて伸ばす力として作用するため、骨盤の前傾を効果的に矯正することができる。
【0058】
(2)ループ面ファスナ101に対するフック面ファスナ13の取付位置をユーザが選択することができる。このため、例えば体型に応じて骨盤矯正部10により骨盤に加えられる力の大きさを変更することができる。すなわち、使い勝手の良いガードル1を提供することができる。
【0059】
(3)骨盤矯正部10は、前端部11から後端部12に向かうにつれて骨盤矯正部10の幅が小さくなる。このため、前端部11から後端部12までにわたり幅が一定または前端部11から後端部12に向かうにつれて幅が大きくなる構成と比較して、臀部にかかる骨盤矯正部10の面積が小さくなる。これにより、臀部が骨盤矯正部10により圧迫されることに起因してユーザが不快感を覚えることを抑制することができる。
【0060】
(4)ガードル1においては、前端部11が前身頃に縫い付けられる部分に前側ボーン51が設けられている。このため、ガードル1がユーザに着衣されたときに生じる力、すなわち前端部11が開閉部表生地213および腹部押圧部表生地218および腹部押圧部裏生地219を前側から後側に引っ張る力が前側ボーン51により受けられる。これにより、開閉部30の生地および腹部押圧部50の生地を引っ張る力が前側ボーン51の上下方向の全体にわたり均等に加えられるため、生地の一部分のみが引っ張られることを抑制することができる。
【0061】
(5)前側ボーン51が鼠径部に対応する部位またはその付近に対応する部位に設けられている。このため、同部位の生地が前側から後側に引っ張られることが抑制される。このため、生地が引っ張られることに起因して、膀胱や性器が圧迫された感じをユーザに与えるおそれを少なくすることができる。
【0062】
(6)開閉部30が閉鎖状態のときに下側スライダ33が開閉部30の下端に位置するため、ユーザは小用をたすためにズボンのファスナを上方から下方に下ろしたとき、ファスナを開いた手の近くにある下側スライダ33を下方から上方へ移動させることにより開閉部30を開放することができる。従って、速やかに小用をたすことができる。
【0063】
(7)開閉部30にファスナ機構31が設けられている。このため、開閉部30が編み上げ紐により構成される場合において編み上げ紐をほどく操作を行い開閉部30を開放状態とするときよりも速やかに小用をたすことができる。
【0064】
(8)出入部20には窓部40が設けられている。このため、性器を窓部40の開口部41から取り出すことができ、性器がファスナ機構31の務歯35に接触することに起因してユーザに不快感を与えるおそれを少なくすることができる。
【0065】
(9)ガードル1には、腹部に対応して経編生地により構成される開閉部30、および性器に対応してパワーネットにより構成される窓部40が設けられる。これにより、開閉部30が閉鎖状態とされるときには、腹部を押すための力が腹部に加えられるため、腹部の補正効果を期待することができる。一方、開閉部30が開放状態とされるときには、開口部41を容易に開くことができるため、簡便に用を足すことができる。すなわち、腹部の補正と開口部41の容易な開閉とを両立することができる。
【0066】
(10)開閉部30および窓部40の上部が互いに重なり合う構造の出入部20とした。このため、開閉部30の下側スライダ33の位置を変更しなくとも、窓部40の開口面積を大きくとることができる。従って、開閉部30の操作性の低下を抑制しつつ窓部40の開口部41からの性器の取り出し性を高めることができる。
【0067】
(11)経編生地の開閉部表生地213および開閉部上裏生地214により腹部を押すための力が腹部に加えられる。このため、腹部の補正効果を期待することができる。
(12)窓部40がパワーネットの開口部表側生地216および開口部裏側生地217が立体的な形状となるように裁断および縫製されているため、窓部40が立体的な形状となるように形成されていない場合と比べて、窓部40の開口部41を容易に開放することができる。
【0068】
(13)下側スライダ33が開閉部30の下端から上端までの間を移動することにより、性器の上部に対応する部位からガードル1の上端までの間を開放することができるため、下側スライダ33が開閉部30の上端までの間を移動しないものと比べて、性器をより容易に取り出すことができる。ひいては、簡便に小用を足すことできる。
【0069】
(14)上側スライダ32が開閉部30の上端から下端までの間を移動することにより、ガードル1の上方を開放することができる。従って、ユーザがガードル1を容易に着脱することができる。
【0070】
(15)上側スライダ32および下側スライダ33が同一の範囲を移動するため、それらが同一の範囲になく、別々の箇所に設けられているときに比べて、より簡単な構成のガードル1とすることもできる。
【0071】
(16)ガードル1に開閉部30を設けているため、開閉部30が設けられていないガードル1に比べて、開閉部30が一般の下着よりも緊締力の強い経編生地により構成されているとしても、性器の取り出しを速やかに行うことができる。
【0072】
(17)パワーネットである開閉部中央裏生地215が開閉部30の裏側に設けられている。このため、ファスナ機構31が開放状態とされるときにも、ファスナ機構31により離間された開閉部表生地213の間からユーザの腹部または下着がはみ出すことがない。これにより、下着がファスナ機構31の各スライダ32,33に挟まれて傷つけられる状況を回避することができる。また、ユーザの腹部の皮膚が同各スライダ32,33に挟まれて傷つけられる状況を回避することができる。
【0073】
(18)開閉部30の裏側の上端においては、ホック36が上側スライダ32と重なることがないように、左右方向における上側スライダ32の位置とずらして配置される。このため、それらが重なることに起因して、ユーザに腹部における不快感を与えることを回避することができる。
【0074】
(19)フック面ファスナ13をループ面ファスナ101に取り付けると、腹部押圧部50においては、骨盤矯正部表生地211および骨盤矯正部裏生地212および腹部押圧部表生地218および腹部押圧部裏生地219が重ね合わせられた4重構造となる。同じく、腹部被覆部80においては、骨盤矯正部表生地211および骨盤矯正部裏生地212および臀部被覆部側部生地229の上側部分が重ね合わせられた3重構造となる。
【0075】
すなわち、ユーザが骨盤矯正部10を前側から後側に引きながらフック面ファスナ13をループ面ファスナ101に取り付けるとき、腹部から人体の側部を介して腰部までにわたり、複数枚の経編生地およびパワーネットが重ね合わせられる。これにより、腹部から人体の側部を介して腰部までにわたり前側から後側に向かう力が付与されて、前傾して閉じた骨盤が開かれて正しい位置に導かれる。このように骨盤が正しい位置に導かれると腰椎の前湾が矯正されて姿勢の改善効果が得られる。
【0076】
(20)ループ面ファスナ101の裏側には、パワーネットである腰部被覆部裏生地227が設けられている。このため、ユーザがガードル1を着衣したとき、フック面ファスナ13をループ面ファスナ101に取り付けると、骨盤矯正部10のパワーネットの伸縮性により腰部被覆部100には、後側から前側に向かう力が加えられるときにも、腰部被覆部裏生地227により腰部被覆部100が後側から前側に向けて引っ張られることを抑制することができる。
【0077】
(21)臀部被覆部110が臀部被覆部中央生地228および臀部被覆部側部生地229により立体的な形状となるよう形成されているため、臀部のかたちを立体的な美しいものに整えることができる。
【0078】
(22)ガードル1の上端がウエストよりも上方の部位に対応するため、すなわち、ハイウエストタイプのガードル1としているため、ガードル1によりウエストよりも上方部分の腹部および腰部が支持されることにより、良い姿勢を保持することができる。
【0079】
(23)腹部押圧部50が経編生地とパワーネットとが重ね合わせられた二重構造を有する。このため、ユーザがガードル1を着衣したとき、腹直筋には同筋肉を腹部側から背中側に向けて押す力が加えられるため、歩行時の姿勢の安定化が図られる。
【0080】
(24)大腿負荷部60が経編生地とパワーネットとが重ね合わせられた二重構造を有する。このため、ユーザがガードル1を着衣して歩行や体操等の運動をするときに下肢を上げる際に大きな力が必要とされる。すなわち大腿に負荷がかかる状況で体操を行うことにより、腹直筋が鍛えられて、姿勢の改善効果が得られる。ひいては、腰痛を軽減することができる。
【0081】
(25)腰部支持部70が経編生地が重ね合わせられた二重構造を有する。このため、ユーザがガードル1を着衣したとき、腰椎およびその付近の筋肉群には同筋肉を背中側から腹部側に向けて押す力が加えられるため、腰椎およびその付近の筋肉群を支えることができる。ひいては、姿勢の改善効果が得られる。
【0082】
(26)前側ボーン51が設けられている。このため、上腹部および中腹部が前側ボーン51により支えられるため、姿勢の改善効果が得られる。
(27)後側ボーン71が設けられている。このため、腰椎およびその付近の筋肉群が後側ボーン71により支えられるため、姿勢の改善効果が得られる。
【0083】
(28)腰部支持部70の左右方向の端部に後側ボーン71が設けられている。すなわち、後側ボーン71が腰椎に重なりにくい位置に設けられるため、後側ボーン71が腰椎に当たることによる不快感を低減することができる。
【0084】
(29)開口部表側生地216および開口部裏側生地217をそれぞれ通気性のよいパワーネットとした。このため、性器およびその周辺部位が蒸れることを抑制することができる。
【0085】
(30)骨盤矯正部表生地211および骨盤矯正部裏生地212として通気性のよいパワーネットが用いられている。このため、フック面ファスナ13がループ面ファスナ101に取付けられることにより、腹部の前面および側面および腰部に対応する部位が3重または4重構造となるときにも同部位が蒸れることを抑制することができる。
【0086】
(31)腰部被覆部裏生地227として通気性のよいパワーネットが用いられている。このため、腰部が蒸れることを抑制することができる。
(32)ガードル1の上端がウエストよりも上方の部位に設けられている。このため、ユーザがガードル1の上にズボンを着用したときには、開閉部30の上端がズボンの上端に設けられているボタンまたはフックよりも上方に位置することがある。この場合に上側スライダ32のみが設けられているとすると、ユーザはズボンのボタンまたはフックを開いた後に開閉部30を開放状態とする必要がある。
【0087】
これに対して本実施形態のガードル1によれば、下側スライダ33が設けられているため、開閉部30の上端がズボンの上方に位置する場合にズボンのボタンやフックを操作しなくても下側スライダ33の操作により開閉部30を開放状態とすることができる。
【0088】
(その他の実施形態)
なお、本発明の実施態様は上記実施形態に限られるものではなく、例えば以下に示すように変更することもできる。また以下の各変形例は、上記実施形態についてのみ適用されるものではなく、異なる変形例同士を互いに組み合わせて実施することもできる。
【0089】
・上記実施形態では、図1および図3に示されるように、開閉部30および窓部40を含めてガードル1を構成したが、これらのうちの少なくとも一方を省略することもできる。例えば、図7に示されるように、開閉部30および窓部40の両方を省略することもできる。
【0090】
・上記実施形態では、図1に示されるように、骨盤矯正部10の前端部11を前側ボーン表生地に縫い合わせたが、図8に示されるように、同前端部11を前側ボーン表生地に着脱可能に取り付けることもできる。具体的には、骨盤矯正部10をガードル1の本体とは各別に構成して、その前端部11の上下方向にほぼ均等間隔にて雄ホック301を設けるとともに、前側ボーン表生地の外側の縁に雄ホック301をとめることができる雌ホック302を縫い付ける。そして、ユーザが自身の骨盤矯正の要求があるときに雄ホック301を雌ホック302にとめた後、同骨盤矯正部10を前側から後側に向けて引っ張った後にフック面ファスナ13をループ面ファスナ101に取り付けることもできる。すなわち、ユーザによる骨盤矯正の要求があるときのみ、骨盤矯正部10を同ガードル1に取り付けることができるため、使い勝手の良いガードル1とすることができる。
【0091】
・上記実施形態では、図2および図6に示されるように、後端部12にフック面ファスナ13を設けて、これを腰部被覆部表生地226に設けられたループ面ファスナ101に取り付けて後端部12を腰部被覆部表生地226に取り付けたが、後端部12を取り付ける構成はこれに限られない。すなわち、後端部12に雄ホック301を設けるとともに、腰部被覆部表生地226に雄ホック301の上下方向の長さと同じ長さの雌ホック302を設けて、これらを係合することにより後端部12を取付けることもできる。この場合には、腰部被覆部表生地226に左右方向において複数の雌ホック302を設けることにより、骨盤矯正部10により骨盤に加えられる力を変更することができる。
【0092】
・上記実施形態では、図1〜図4に示されるように、大腿中部の下端に対応する部位に当該ガードル1の下端を設けたが、ガードル1の下端の位置を変更することもできる。例えば、図9において実線にて示されるように、下腿中部付近にガードル1の下端を設けることもできる。すなわち、ロングタイプのガードルとすることもできる。また、図9において一点鎖線にて示されるように、股部の下方にガードル1の下端を設けることもできる。すなわち、ボクサーブリーフタイプのガードルとすることもできる。
【0093】
・上記実施形態では、図1および図3に示されるように、開閉部30および窓部40を含めて性器を取出すための出入部20を構成したが、図10に示されるように、窓部40を省略することもできる。この場合には、開閉部30の下端を股に対応する部位にまで設けることにより、性器に対応する部位の下端に下側スライダ33が位置するため、同部位を下端から上方に向けて開放状態とすることができるため、速やかに性器を取出すことができる。これにより、速やかに性器を取り出して小用をたすことができる。
【0094】
・上記実施形態では、図1および図3に示されるように、出入部20には、開閉部30と窓部40とが重なる部分が設けられている。これに対して、図11に示されるように、開閉部30の下端を股に対応する部位にまで設けて性器に対応する部位の下端に下側スライダ33が位置し、かつこの開閉部30の下方の内側に窓部40を設けることもできる。すなわち、開閉部30が閉鎖状態とされているときには、図11において一点鎖線にて示されるように、窓部40は同出入部20の内側に配置されて表側には露呈しない。一方、開閉部30が開放状態とされているときには、窓部40から速やかに性器をとりだすことができる。
【0095】
・上記実施形態では、フック面ファスナ13を着脱するためのループ面ファスナ101を腰部被覆部表生地226に設けたが、ループ面ファスナ101を設ける位置はこれに限られない。例えば、腰部支持部表生地224に設けることもできる。この場合には、フック面ファスナ13を取付ける位置が上記実施形態よりも内側となるため、骨盤矯正部10により前側から後側に向けて骨盤に加えられる力が大きいものとなる。
【0096】
・上記実施形態では、ループ面ファスナ101を左右に一対設けたが、これを1つのループ面ファスナ101とすることもできる。この場合には、上記実施形態のループ面ファスナ101の幅よりも大きい幅とするとともに、体軸にまたがり左右対称となるように配置することが好ましい。
【0097】
・上記実施形態では、ファスナ機構31として、開閉部30の上端から下端までの間を移動する上側スライダ32および開閉部30の下端から上端までの間を移動する下側スライダ33を設けたが、ファスナ機構31の構成はこれに限れるものではない。すなわち、上側スライダ32が開閉部30の上端から中央部付近までの間を移動するとともに、下側スライダ33が開閉部30の下端から中央部付近までの間を移動する構成とすることもできる。すなわち、上側スライダ32および下側スライダ33が連続する範囲を移動することのない構成とすることもできる。
【0098】
・上記実施形態では、上側スライダ32を下側スライダ33と連続する態様でファスナ機構31に設けたが、上側スライダ32を設ける箇所はこれに限られない。例えば、人体の側部に対応するガードル1の上端に設けることもできる。
【0099】
・上記実施形態では、骨盤矯正部10の幅を前端部11から後端部12に向かうにつれて次第に小さくしたが、骨盤矯正部10の幅を前端部11から後端部12までにわたり一定の幅とすることもできる。
【0100】
・上記実施形態では、ウエストよりも上方の上腹部の上端から大腿中部の下端までの丈を有するガードル1としたが、ガードル1の上端を上記実施形態よりも上方に設けることもできる。例えば、胸部(人体背面においては背中)下部まで設けることにより、胸椎の下部を支持する構成とすることもできる。
【0101】
・上記実施形態では、パワーネットおよび経編生地の緊締力および伸縮性を互いに同じものとしたが、これら生地の緊締力および伸縮性を互いに異なるものにすることもできる。すなわち、パワーネットの緊締力を経編生地の緊締力よりも強いものとすることもできる。また、経編生地の緊締力をパワーネットの緊締力よりも強いものとすることもできる。
【0102】
・上記実施形態では、前側ボーン51および後側ボーン71をそれぞれ開閉部30の左右方向の端部および腰部支持部70の左右方向の端部近傍に配置するようにしたが、これらのボーンを設ける位置はこれに限られない。例えば、上記実施形態における前側ボーン51および後側ボーン71の位置よりもそれぞれ内側または外側に変更することもできる。
【0103】
・上記実施形態では、前側ボーン51をガードル1の上端から鼠径部に対応する部位までにわたり設けたが、前側ボーン51の長さはこれに限られない。例えば、前側ボーン51の下端を鼠径部よりも上方に対応する部位まで設けることもできる。要するに、少なくとも前端部11の上下方向の長さに対応する長さであればよい。
【0104】
・上記実施形態では、骨盤矯正部10および腹部押圧部50および大腿負荷部60および腰部支持部70および腰部被覆部100の構造として、それぞれ2枚の生地が重ね合わせられた二重構造を採用したが、それらのうちのいずれか一方を省略することもできる。また、二重構造のものにさらに別の生地を縫い合わせて三重以上の構造とすることもできる。
【0105】
・上記実施形態では、ファスナ機構31として、上側スライダ32および下側スライダ33を有する構成としたが、上側スライダ32を省略することもできる。
・上記実施形態では、開閉部30を開放するための手段として、ファスナ機構31を採用するようにしたが、開閉部30をその下端から上方に向けて開放様態とすることができる機構はこれに限られない。例えば、開閉部30を開放するための手段として、編み上げ紐などがあげられる。
【0106】
・上記実施形態では、大人男性用のガードルに本発明を適用したが、大人女性用のガードルとすることもできる。この場合には、出入部20を省略すればよい。また、子供男児用とすることもできる。また、子供女児用とすることもできる。この場合には、出入部20を省略すればよい。
【0107】
・上記実施形態では、男性用のガードルに本発明を適用したが、その他の下着およびズボンについても本発明を適用することができる。本発明を適用することのできる下着の例としては、パンツ、およびすててこ、およびももひきが挙げられる。また本発明を適用することのできるズボンの例としては、トレーニングパンツ、スパッツ、レギンスおよびジャージが挙げられる。要するに、ウエストよりも上方から骨盤までに対応する部位および脚部を含む下着またはズボンであれば、いずれの下着についても上記実施形態に準じた態様で本発明を適用することができる。
【0108】
・上記実施形態では、単一の下肢用被服として本発明の骨盤矯正被服を具体化したが、複数の被服を組み合わせたものとして本発明の骨盤矯正被服を具体化することもできる。すなわち、ガードルとして具体化した骨盤矯正被服をズボンの裏側に縫い付け、これを本発明の骨盤矯正被服を具体化した一態様とすることもできる。なお、このような形態で本発明を実施することのできるズボンの例としては、背広ズボン、スラックス、トレーニングパンツ、Gパン、モンペ、サロペット、スパッツ、レギンスおよびジャージが挙げられる。
【符号の説明】
【0109】
1…ガードル、10…骨盤矯正部、11…前端部、12…後端部、13…フック面ファスナ、20…出入部、30…開閉部(接続離間部)、31…ファスナ機構(ファスナ)、32…上側スライダ(上側把持部)、33…下側スライダ(下側把持部)、34…テープ、35…務歯、36…ホック、40…窓部、41…開口部、50…腹部押圧部、51…前側ボーン、60…大腿負荷部、70…腰部支持部、71…後側ボーン、80…腹部被覆部、90…大腿被覆部、100…腰部被覆部、101…ループ面ファスナ、110…臀部被覆部、211…骨盤矯正部表生地、212…骨盤矯正部裏生地、213…開閉部表生地、214…開閉部上裏生地、215…開閉部中央裏生地、216…開口部表側生地、217…開口部裏側生地、218…腹部押圧部表生地、219…腹部押圧部裏生地、221…大腿負荷部表生地、222…大腿負荷部裏生地、223…大腿被覆部生地、224…腰部支持部表生地、225…腰部支持部裏生地、226…腰部被覆部表生地、227…腰部被覆部裏生地、228…臀部被覆部中央生地、229…臀部被覆部側部生地、301…雄ホック、302…雌ホック。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前身頃および後身頃を含むものである骨盤の前傾を矯正する効果が期待できる骨盤矯正被服において、
骨盤を矯正するための部位として、人体の前側から後側に向かう力を骨盤に付与するための骨盤矯正部を含むこと、
この骨盤矯正部の上端がウエストよりも上方に設けられること、
前記前身頃に対応する前端部および前記後身頃に対応する後端部が前記骨盤矯正部に設けられること、
前記後端部が前記後身頃に対して取り付けおよび取り外しできること、
前記後身頃に対する前記後端部の取付位置をユーザが選択できること
を特徴とする骨盤の前傾を矯正する効果が期待できる骨盤矯正被服。
【請求項2】
請求項1に記載の骨盤の前傾を矯正する効果が期待できる骨盤矯正被服において、
前記前端部から前記後端部に向かうにつれて前記骨盤矯正部の幅が小さくなる
ことを特徴とする骨盤の前傾を矯正する効果が期待できる骨盤矯正被服。
【請求項3】
請求項1または2に記載の骨盤の前傾を矯正する効果が期待できる骨盤矯正被服において、
前記骨盤矯正部において前記前端部と前記後端部とをつなぐ部分を中間部としたとき、前記前身頃と前記前端部との接続部に対して前記中間部とは反対側、または前記前身頃と前記前端部との接続部にボーンが設けられていること、
このボーンが前記前端部に沿うように設けられていること、
前記ボーンの下端部が鼠径部に対応する部位またはその付近に対応する部位に設けられていること
を特徴とする骨盤の前傾を矯正する効果が期待できる骨盤矯正被服。
【請求項1】
前身頃および後身頃を含むものである骨盤の前傾を矯正する効果が期待できる骨盤矯正被服において、
骨盤を矯正するための部位として、人体の前側から後側に向かう力を骨盤に付与するための骨盤矯正部を含むこと、
この骨盤矯正部の上端がウエストよりも上方に設けられること、
前記前身頃に対応する前端部および前記後身頃に対応する後端部が前記骨盤矯正部に設けられること、
前記後端部が前記後身頃に対して取り付けおよび取り外しできること、
前記後身頃に対する前記後端部の取付位置をユーザが選択できること
を特徴とする骨盤の前傾を矯正する効果が期待できる骨盤矯正被服。
【請求項2】
請求項1に記載の骨盤の前傾を矯正する効果が期待できる骨盤矯正被服において、
前記前端部から前記後端部に向かうにつれて前記骨盤矯正部の幅が小さくなる
ことを特徴とする骨盤の前傾を矯正する効果が期待できる骨盤矯正被服。
【請求項3】
請求項1または2に記載の骨盤の前傾を矯正する効果が期待できる骨盤矯正被服において、
前記骨盤矯正部において前記前端部と前記後端部とをつなぐ部分を中間部としたとき、前記前身頃と前記前端部との接続部に対して前記中間部とは反対側、または前記前身頃と前記前端部との接続部にボーンが設けられていること、
このボーンが前記前端部に沿うように設けられていること、
前記ボーンの下端部が鼠径部に対応する部位またはその付近に対応する部位に設けられていること
を特徴とする骨盤の前傾を矯正する効果が期待できる骨盤矯正被服。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−11086(P2012−11086A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−152250(P2010−152250)
【出願日】平成22年7月2日(2010.7.2)
【出願人】(000131555)株式会社シャルレ (16)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月2日(2010.7.2)
【出願人】(000131555)株式会社シャルレ (16)
【Fターム(参考)】
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