説明

高所撮影具

【課題】高所からの撮影を容易にする用具を提供する。
【解決手段】棒体上端に台板を設け、該台板に対し角度変更可能なる回動板を設け、回動板の初期位置への復帰力付勢手段を設けるとともに、回動板端への下方への引張手段を設けたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、デジタルカメラを高所に位置させるとともに、任意の撮影角度を得ることのできる高所撮影具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、カメラでの撮影が多用されているが、手に持った状態での撮影が主流であり、本発明にて示すように、人体より離れた高所位置にカメラを位置させて撮影できるものは現在のところ見あたらない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
カメラはスナップ写真や記念写真あるいは工事現場や災害現場など広範囲に利用されている。撮影時は手にカメラを持ちあるいは三脚に取り付け、シャッターを押して撮影する。
従って、撮影角度及び範囲は自ずから限られ、希望する位置や角度での撮影は得られないことがある。また、これらの不満を解消するため、カメラを保持した人体を高所に位置させるために、はしごや脚立を用いる方法があるが、場所によっては危険を伴い、またその作業性にも乏しいものである。
本発明は、以上のような従来からの撮影手段に関わる課題を解決するために発明されたもので、人体が平地上のままでも高所からの撮影を可能とする、新規かつ有用なる用具を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
課題を解決する手段として本発明は以下の構成とした。
すなわち、棒体上端に台板を設け、該台板に対し角度変更可能なる回動板を設け、回動板の初期位置への復帰力付勢手段を設けるとともに、回動板端への下方への引張手段を設ける。本発明は、以上の構成より成る高所撮影具である。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、長尺棒体上部にデジタルカメラが、コード引張にてその角度を可変に位置し、該棒体下方にモニターとレリーズシャッターを位置させることにより、コードを引張してカメラ角度を希望位置に合わせてその映像を視認してレリーズシャッターにて撮影することができるので、従来法ではなし得なかった位置・角度での撮影を容易かつ安全に行うことのできる、有用なる用具を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図において、1は台板で、金属板をコ字形に折曲形成したものである。2は回動板で、金属平板の一部を突出させた舌片3が一体に形成される。また、舌片端近傍および回動板両端には適宜径の孔が穿設される。この回動板の略中央下面には適宜支持部材を介して蝶番4が取り付けられ、この蝶番の他片は前記台板に取り付けられる。5は引張コイルスプリングで、その一端は回動板両端に穿設される孔に他端は台板上部の孔に各々係止される。
従って、回動板は蝶番中央を回動中心として回動可能であるとともに、スプリングにて所定傾斜角の初期位置への復帰力が付勢されている。6は台板中央下面に設けられるコ字形の取り付け板で、貫通孔7が穿設される。8は回動板中央近傍に穿設されるカメラ取り付け孔である。以上の構成にて、撮影機材部9が構成される。
10は長尺角柱形の支持棒体で、その上端には孔が穿設され、この孔と前記貫通孔を一致させて、ボルト及びナットにて撮影機材部は支持棒体上部に取り付けられる。
11は環状部を有するコードガイドで、支持棒体適所に適宜部材にて取り付けられる。
12はモニター機器で、映像表示部を有する電子機器であり、面ファスナー方式にて着脱可能に該棒体に係止される。13はコンベックスタイプのコードリールで、モニター下方の棒体位置に取り付けられる。14はレリーズシャッターである。
15はコードで、カメラのビデオ出力用コードとレリーズシャッター用コードを束ね合わせたもので、その上部は各コードに分離され、コード先にはプラグが位置する。
コード上部適所には小環状の係止環16が固定されている。このコードは棒体に沿って下方に延び、コードガイド内を通り、コードリール内に保持される。このコードの下方はまた2つのコードに分かれてその一方の先にはレリーズシャッターが位置し、他方の先にはモニターが位置している。
【0007】
なお、回動板のカメラ取り付け孔を介してデジタルカメラが装着され、カメラの差し込み口に前記プラグが各々挿入される。コードに固定された係止環は舌片の孔上面に接触して位置している。
以上の構成から、コードを下方に引張することにより、係止環が回動板端を押圧し、この押圧にて回動板は引張コイルスプリングの復帰力に逆らって蝶番を中心に回動してその台板に対する角度は変化し、回動板に装着されているカメラの角度が変化する。
本発明の使用に際しては、既述のごとくデジタルカメラ、コード、コードガイド、モニター機器、レリーズシャッターを装備する。
撮影場所において、支持棒体を手で支え、コードをつかんで引くことにてカメラ角度が変化し、カメラに取り込まれた映像がモニターに映し出される。この映像を見ながら棒体位置やカメラ角度を調整し、希望の映像を視認した後、レリーズシャッターを押して撮影する。カメラは支持棒体上端に位置するので、従来法では困難であった高所からの俯瞰撮影を容易に行うことができる。
【0008】
以上、本発明について記したが、本発明は棒体上部にカメラを角度変更可能に位置させ、カメラからの映像を視認して手元のレリーズシャッターにて撮影できるところにその特徴を有し、従来法に比べてより容易な俯瞰撮影を可能とするものである。
本例にて用いた台板はコ字形のものであるが、側板部はカメラ保護のためのものであり、必要に応じて側板部形状を変化させ、あるいは側板部を除去して用いることもできる。
また、舌片を回動板と一体に形成したが、別板を取り付ける構成としてもよい。
回動板の孔に接して、コードに係止環を止め、コードを引くことにてこの係止環が回動板を押圧して回動させる方式としたが別法として、コードに紐体を結びつけ、この紐体を回動板の孔に結びつけても同様の機能が発揮できる。引張コイルスプリングはその両端を孔に係止させる方式としたので、必要に応じて他のコイルスプリングと交換でき、カメラ角度の初期位置設定の変更ができる。また、本例のように引張コイルスプリングを用いる以外に、バネ付き蝶番を用いる方式としてもよい。なお、この場合は回動板の初期位置設定のためのストッパーが必要と思われる。支持棒体は本例では角柱形の単一棒体としたが、スライド可能な多段式の棒体とすればさらに高所からの撮影が可能である。
以上のごとく、本発明によって安全かつ容易に高所位置からの俯瞰撮影が可能となり、各場面での写真撮影に便利なる用具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】 本発明の撮影機材部の平面図
【図2】 本発明の撮影機材部の正面図
【図3】 本発明の撮影機材部の構造説明図(右側面視)
【図4】 本発明の撮影機材部の斜視図
【図5】 本発明の装備状態説明図
【符号の説明】
【0010】
1 台板
2 回動板
3 舌片
4 蝶番
5 引張コイルスプリング
6 取り付け板
7 貫通孔
8 カメラ取り付け孔
9 撮影機材部
10 支持棒体
11 コードガイド
12 モニター機器
13 コードリール
14 レリーズシャッター
15 係止環

【特許請求の範囲】
【請求項1】
棒体上端に台板を設け、該台板に対し角度変更可能なる回動板を設け、回動板の初期位置への復帰力付勢手段を設けるとともに、回動板端への下方への引張手段を設けたことを特徴とする高所撮影具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−93129(P2009−93129A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−287816(P2007−287816)
【出願日】平成19年10月9日(2007.10.9)
【出願人】(305015006)有限会社エンテック (2)
【Fターム(参考)】