説明

魚釣用リール

【課題】漏洩磁束を低減してシール対象部材の性能低下を防止するとともに、良好なシール効果が維持される磁気シール機構を備えた魚釣用リールを提供する。
【解決手段】本発明の魚釣用リールは、一方向クラッチ20が配設されたピニオンギヤ7と、一方向クラッチ20をシールするように隣接して配設される磁気シール機構50とを備えている。磁気シール機構50は、リング状の磁石51と、リング状の磁石51を挟持して保持する一対の保持部材52a,52bと、ピニオンギヤ7に設けられる磁性部53と、リング状の磁石51、一対の保持部材52a,52b、及び磁性部53によって形成される磁気回路に保持される磁性流体55と、を備えており、一方向クラッチ側の保持部材52aの肉厚を、反対側の保持部材52bの肉厚よりも厚く形成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リール本体に設けた巻き取り駆動機構に連結されるハンドルの回転操作で駆動する駆動部の支持構造に特徴を有する魚釣用リールに関する。
【背景技術】
【0002】
通常、魚釣用リールは、ハンドルを回転操作することで、動力伝達機構を介して釣糸をスプールに巻回するよう構成されている。動力伝達機構には、ハンドルの回転操作に伴って回転駆動される駆動軸が設けられており、一般的に駆動軸は、リール本体に設けたボールベアリング(軸受)を介して回転自在に支持されている。
【0003】
ところで、魚釣用リールを実際の釣場で使用する際には、リール本体に海水、砂、異物等が付着し易いという特有の問題があり、これらは、リール本体外部の隙間を介して内部に侵入し、前記駆動軸を支持するボールベアリングに付着・侵入してしまう。そして、ボールベアリングに海水、砂、異物等が付着したり侵入すると、ボールベアリングが腐食したり、回転性能が低下してしまう。
【0004】
このような問題の対策として、ボールベアリングに近接する駆動軸の外周に、弾性材からなるシール部材を接触させてボールベアリングの防水、防塵を図ることが一般的に行われているが、弾性材からなるシール部材の接触圧の影響で駆動軸の回転性能を低下させてしまう問題が指摘されている。
【0005】
そこで、駆動軸の回転性能を低下させることなく、ボールベアリングの防水・防塵を図る構成として、例えば、特許文献1には、磁気回路を構成する磁気保持リングとスプール軸(駆動軸)との間に磁性流体を保持してシールしたもの(磁気シール機構)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−319742号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記した公知文献に開示されている磁気シール機構は、漏洩磁束についての対策がなされておらず、実際には、磁気シール機構に隣接している軸受やワンウェイクラッチ(磁性体で構成された磁性部品を含んでおり、以下では、シール対象部材とも称する)などに磁束が漏洩することで磁性部品を吸い寄せてしまい、回転性能が低下する可能性がある。また、磁気回路が不要な部分に形成されることで、シール部分の磁力が相対的に弱まり、磁性流体の保持力が弱まって、シール対象部材に対するシール効果が低下してしまう可能性がある。
【0008】
本発明は、上記した問題に着目してなされたものであり、漏洩磁束を低減してシール対象部材の性能低下を防止するとともに、良好なシール効果が維持される磁気シール機構を備えた魚釣用リールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した目的を達成するために、本発明に係る魚釣用リールは、リール本体に回転可能に支持されたハンドルの回転操作でスプールに釣糸を巻回可能とする構成において、前記リール本体は、シール対象部材が配設された駆動部と、前記シール対象部材をシールするように隣接して配設される磁気シール機構と、を備えており、前記磁気シール機構は、前記駆動部に対して所定間隔をおいて配置されるリング状の磁石と、前記リング状の磁石を挟持して保持する一対の保持部材と、前記駆動部に設けられる磁性部と、前記リング状の磁石、前記一対の保持部材、及び前記磁性部によって形成される磁気回路に保持される磁性流体と、を備えており、前記リング状の磁石を挟持する一対の保持部材の内、前記シール対象部材側の保持部材の肉厚をT1,反対側の保持部材の肉厚をT2とした場合、T1>T2としたことを特徴とする。
【0010】
上記した魚釣用リールの構成によれば、磁気シール機構を構成している一対の保持部材に関し、シール対象部材側の保持部材の肉厚を反対側の保持部材の肉厚よりも厚くしたことで、リング状の磁石、一対の保持部材、及び磁性部によって形成される磁気回路は、シール対象部材側の保持部材の磁束密度が低くなり、これにより、シール対象部材側に漏洩する磁束を減少させることが可能となる。すなわち、シール対象部材に対して磁束が漏洩することが抑制されるため、構成部品が吸引されることがなくなり、シール対象部材の性能が低下することが抑制される。また、漏洩する磁束が少なくなることで、磁気回路内の磁束が低下することがなくなり、磁性流体を安定して保持することが可能となる。
【0011】
なお、上記した構成において、駆動部は、回転する駆動軸、軸方向に摺動する駆動軸、或いは、そのような駆動軸と共に一体回転したり一体摺動する部材等が含まれる。また、駆動部に設けられる磁性部については、駆動部そのものが磁性体として構成されていても良いし、非磁性の駆動部に、磁性を有するカラーを嵌合した構成であっても良い。
【0012】
また、本発明は、上記した目的を達成するために、リール本体に回転可能に支持されたハンドルの回転操作でスプールに釣糸を巻回可能とする構成において、前記リール本体は、シール対象部材が配設された駆動部と、前記シール対象部材をシールするように隣接して配設される磁気シール機構と、を備えており、前記磁気シール機構は、前記駆動部に対して所定間隔をおいて配置されるリング状の磁石と、前記リング状の磁石を挟持して保持する一対の保持部材と、前記リング状の磁石、前記一対の保持部材、及び前記駆動部によって形成される磁気回路に保持される磁性流体と、を備えており、前記一対の保持部材には、前記リング状の磁石の径方向外方に、リング状の磁石と離間してリング状の磁性体が挟持されていることを特徴とする。
【0013】
このように、リング状の磁石を挟持する一対の保持部材の径方向外方に、リング状の磁性体を挟持させておくことで、保持部材の外方においても磁気回路が形成され、外部へ磁束が漏洩することが低減される。これにより、シール対象部材に対して磁気が流れることが抑制され、シール対象部材の性能が低下することが抑制される。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、漏洩磁束を低減してシール対象部材の性能低下を防止するとともに、良好なシール効果が維持される磁気シール機構を備えた魚釣用リールが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る魚釣用リールの第1の実施形態(スピニングリール)を示す図であり、内部構成を示した図。
【図2】図1の主要部の拡大図。
【図3】図2に示す構成において、一方向クラッチ部分に設置される磁気シール機構の拡大図。
【図4】本発明の第2の実施形態を示す図であり、磁気シール機構の部分を示す図。
【図5】図4に示す磁気シール機構の拡大図。
【図6】本発明の第3の実施形態を示す図であり、磁気シール機構の部分を示す図。
【図7】図6に示す磁気シール機構の拡大図。
【図8】本発明の第4の実施形態を示す図であり、磁気シール機構の部分を示す図。
【図9】図8に示す磁気シール機構の拡大図。
【図10】本発明の第5の実施形態を示す図であり、一方向クラッチの配置態様を変更して磁気シール機構を設置した構成を示す図。
【図11】図10に示す磁気シール機構の拡大図。
【図12】本発明の第6の実施形態を示す図であり、磁気シール機構の部分を示す図。
【図13】図12に示す磁気シール機構の拡大図。
【図14】本発明に係る魚釣用リールの第7の実施形態(両軸受型リール)を示す図であり、内部構成を示した図。
【図15】図14の主要部の拡大図。
【図16】図15に示す構成において、ハンドル軸に設置される磁気シール機構の拡大図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しながら本発明に係る魚釣用リールの実施形態について説明する。
図1から図3は、本発明に係る魚釣用リール(スピニングリール)の第1の実施形態を示す図であり、図1は、内部構成を示した図、図2は、図1の主要部の拡大図、そして、図3は、図2に示す構成において、一方向クラッチ部分に設置される磁気シール機構の拡大図である。
【0017】
スピニングリールのリール本体1には、ハンドル軸2が軸受を介して回転可能に支持されており、ハンドル軸2の端部には、巻き取り操作されるハンドル3が装着されている。前記ハンドル軸2には、駆動歯車(ドライブギヤ)4が一体回転可能となるように取り付けられており、前記駆動歯車4には、ハンドル軸2に対して直交する方向に延出し、軸受5a,5bを介して回転可能に支持されたピニオンギヤ(駆動部を構成する)7の歯部7aが噛合している。ピニオンギヤ7の先端部には、ロータナット8を螺合することで、ベール9aおよび釣糸案内装置9bを備えたロータ9が一体回転するように取り付けられている。
【0018】
前記ピニオンギヤ7は、軸方向に沿って貫通しており、その内部には、先端に釣糸が巻回されるスプール10を保持したスプール軸11が挿通されている。このスプール軸11の基端側には、公知のオシレーティング機構(図示せず)が連結されており、前記ハンドル軸2がハンドル3の回転操作によって回転されたとき、スプール軸11は軸方向に沿って往復駆動される。この場合、スプール軸11には、前記ロータ9をピニオンギヤ7に固定するロータナット8を回転可能に支持するように、ロータナット8との間に軸受13が介在されている。詳細には、スプール軸11は、ピニオンギヤ7の先端縁に設置されるカラー部材15に挿通されており、軸受13は、カラー部材15とロータナット8との間に介在されている。
【0019】
また、前記ピニオンギヤ7の中間部には、一方向クラッチ20が設置されており、リール本体1の外部に設けられた切換操作レバー28を回動操作することで、一方向クラッチを作動させ、ハンドル3(ロータ9)の釣糸繰り出し方向の逆回転を防止する公知の逆転防止機構(ストッパ)を構成している。
【0020】
この場合、前記一方向クラッチ20は、ピニオンギヤ7に対して回り止め嵌合される内輪21と、内輪21の外側に配された保持器22と、保持器22の外側に配された外輪23と、外輪23の内側で前記保持器22によって転動可能に保持された複数の転がり部材(コロ)25とを備えている。前記外輪23の内周面には、各転がり部材25をフリー回転可能にするフリー回転領域と、その回転を阻止する楔領域が形成されており、各転がり部材25は、保持器22に設けられたバネ部材によって楔領域に付勢されている。
【0021】
前記外輪23は、保持器22の径方向外側に同心的に配置される回り止めプレート26によってリール本体1に対する回転が阻止されている。この回り止めプレート26の周方向の一部には、径方向に突出する係止凸部(図示せず)が形成されており、この係止凸部が外輪23に形成されている切欠き(図示せず)を介してリール本体1に形成された係止溝(図示せず)に係止されることで、外輪23はリール本体1に対して回り止めされている。
【0022】
上記した構成の一方向クラッチ20において、ピニオンギヤ7と共に内輪21が正回転(ロータ9が釣糸巻き取り方向に回転)すると、保持器22の転がり部材25が外輪23のフリー回転領域に位置され、そのため、内輪21の回転力が外輪23に伝達されず(外輪23によって阻止されず)、したがって、ピニオンギヤ7と共にロータ9が支障なく回転する。これに対して、ピニオンギヤ7と共に内輪21が逆回転(ロータ9が釣糸繰り出し方向に回転)しようとすると、保持器22の転がり部材25が外輪23の楔領域に位置するため、これがストッパとなってピニオンギヤ7及びロータ9の回転(逆回転)が阻止される。
【0023】
また、上記した一方向クラッチ20による逆転防止機構の作動は、前記リール本体1の外部に設けられた切換操作レバー28を回動操作することで、切換え制御できるようになっている。具体的には、切換操作レバー28は、リール本体内でスプール軸11と略平行に延びる切換えカム28aを有しており、この切換えカム28aの先端突部28bは、作動アーム29の係合孔29aに係合している。この場合、作動アーム29は、外輪23に形成される切欠きを通じて保持器22に連結されている。したがって、この構成では、切換操作レバー28を回動操作することにより、切換えカム28aおよび作動アーム29を介して保持器22を回動することができ、保持器22に保持される転がり部材25をバネ部材の付勢力に抗して外輪23のフリー回転領域に強制的に保持させる逆転可能位置(ロータ9を逆回転させることができる位置)と、転がり部材25をバネ部材の付勢力によって外輪23の楔領域に位置させるようにする逆転防止位置(ロータ9の逆回転を防止する位置)との間で選択的に切換えることが可能となる。
【0024】
次に、上記したように構成されるスピニングリール内に配設される磁気シール機構について説明する。なお、本実施形態の磁気シール機構は、上記した一方向クラッチ20等をシール対象部材としてシールするよう構成されている。
【0025】
図2に示されるように、リール本体1には、ハンドル3の操作で連動回転する駆動部としてのピニオンギヤ7(及び/又は、これと一体に回転する内輪21)を部分的に収容して軸受5aにより支持する収容凹部1Aが凹状に形成されている。また、収容凹部1Aは、前述した逆転防止機構の一方向クラッチ20を内部に位置決め状態で収容保持する(収容凹部1A内に逆転防止機構が設けられる)とともに、スプール10側に面する前方側に開口1Bを有している。この開口1Bには、図中に矢印で示されるルートを経て水分や異物等が侵入する虞があるため、開口1Bがカバー部材30によって部分的に閉じられるとともに、カバー部材30によって部分的に残された開口部30aには、磁気シール機構50が設けられている。磁気シール機構50は、開口部30aと非磁性材料(例えば、銅合金、アルミ合金等)から成るピニオンギヤ7の外周面に設けられる筒状の磁性体との間に磁気回路を形成し、且つこの間に磁性流体を保持することにより、開口部30aをシールする機能を有する。なお、前記カバー部材30は、その外周端部が止めネジ32によってリール本体1に取り付けられるとともに、カバー部材30の外周端部の内面とリール本体1の取り付け端面との間にはシール部材33が介挿されている。
【0026】
一方向クラッチ20やピニオンギヤ7等の駆動要素を収容する収容凹部1A内をシールする磁気シール機構50は、ピニオンギヤ7を所定の隙間を存して囲繞するように配されるリング状の磁石51と、リング状の磁石51を挟持して保持する一対の保持部材(磁性体で構成される極板)52a,52bと、ピニオンギヤ7に嵌合(外嵌)されてリング状の磁石51との間で磁気回路を形成する筒状の磁性体(磁性部)53と、リング状の磁石51と筒状の磁性体53との間に保持される磁性流体55とによって、1つのユニットとして構成される。このため、リール本体1からカバー部材30を外せば、カバー部材30と共に磁気シール機構50(リング状の磁石51,保持部材52a,52b、磁性体53、磁性流体55)を一体的に外すことが可能となる。
【0027】
なお、本実施形態の保持部材52a,52bは、リング状の磁石51を挟持して保持し且つ、リング状の磁石51の内側に、周方向に沿って磁性体53との間で隙間L1が生じるように形成されており、基端側でリング状の磁石51と面一になって、カバー部材30の内周当接面に当て付いて支持される。そして、保持部材52a,52bは、保持部材52a側(シール対象部材側)で対面接触し且つカバー部材30の内面に取着される支持板35と、保持部材52b側(シール対象部材と反対側)で対面接触するカバー部材30との間で挟圧保持されており、カバー部材30と保持部材52bとの間にはシール部材36が介挿されている。また、保持部材52a,52bは、筒状の磁性体53の外表面との間に僅かな隙間Gが生じるように構成されている。
【0028】
前記筒状の磁性体53は、鉄系の材料、例えば、鋼材、SUS430、SUS440C、SUS630等によって形成されており、これにより、リング状の磁石51によって、これを保持する保持部材52a,52bおよび筒状の磁性体53との間に磁気回路が形成されるようになっている。なお、筒状の磁性体53の長さについては、前記磁気回路が生じる程度の長さ(磁性流体55を安定して保持できる程度の長さ;したがって、少なくとも一対の保持部材52a,52bと対向する軸方向長さ)を有していれば良く、本実施形態の磁性体53は、一端が一方向クラッチ20の内輪21の端面に当て付けられ且つ他端がロータ9の端面に当て付けられることによって位置決めされている。
【0029】
また、磁性体53は、非磁性のピニオンギヤ7に対して回り止め嵌合されることが好ましい。すなわち、筒状の磁性体53がピニオンギヤ7と一体回転するように回り止め嵌合(円形嵌合支持)されることにより、磁性体53の内周とピニオンギヤ7の外周との間に水分等が侵入することを効果的に抑制できる。
【0030】
前記磁性流体55は、例えばFeのような磁性微粒子を、界面活性剤およびベースオイルに分散させて構成されたものであり、粘性があって磁石を近づけると反応する特性を備えている。このため、磁性流体55は、図3に示されるように、リング状の磁石51、これを保持する保持部材52a,52b、および、筒状の磁性体53によって形成される磁気回路によって、各保持部材52a,52bと磁性体53との間の隙間Gに安定して保持され、開口部30aをシールする。
【0031】
また、本実施形態では、リング状の磁石51を挟持する一対の保持部材52a,52bの肉厚をそれぞれT1,T2とした場合、シール対象部材側の保持部材52aの肉厚が、その反対側の保持部材52bに対して厚くなるように形成されている(T1>T2)。さらに、本実施形態では、磁気シール機構50とシール対象部材との離間距離(保持部材52aと一方向クラッチ20の外輪23の先端面23aとの間の距離)Lは、5mm以内としており、軸方向のコンパクト化を図っている。
【0032】
本実施形態の構成によれば、上記した磁気回路によって磁性流体55を保持する磁気シール機構50により、収容凹部1Aの開口部1Bが効果的且つ確実にシールされるため、収容凹部1A内への浸水を確実に防止でき、収容凹部1A内に収容される一方向クラッチ20やピニオンギヤ7を含む様々な駆動要素を海水、砂、異物等から保護することができる。そのため、水等が浸入し易い過酷な環境下においても常に安定した駆動性能(例えば、逆転防止機能、巻き取り駆動性能など)を得ることが可能となる。
【0033】
また、上記した構成において、磁気シール機構50は、リング状の磁石51と、ピニオンギヤ7に嵌合されて、リング状の磁石51との間で磁気回路を形成する筒状の磁性体53と、リング状の磁石51と磁性体53との間に保持される磁性流体55とによって構成されている。このように、ピニオンギヤ7に対して筒状の磁性体53を嵌合することにより磁気シールが構成されれば、例えばピニオンギヤ7を腐食し易い磁性材料で形成する必要も無く、それにより、ピニオンギヤ7の腐食等を防止でき(したがって、ピニオンギヤ7に腐食処理等を施す必要がなく)、また、ピニオンギヤ7を形成する材料が制約されることもないため、最適な材料を選択することが可能になる。また、嵌合される筒状の磁性体53により、シール領域における同芯度(ピニオンギヤ7と磁気シールとの同芯度)を高精度で得ることができ、したがって、常に確実なシール状態を実現でき、防水性能の安定性が図れる。
【0034】
さらに、上記した魚釣用リールの構成によれば、磁気シール機構50を構成している一対の保持部材に関し、一方向クラッチ20など、シール対象部材側の保持部材52aの肉厚を反対側の保持部材52bの肉厚よりも厚くしたことで(T1>T2)、保持部材52a内で磁気が流れる部分が広くなり、これにより形成される磁気回路は、シール対象部材側の磁束密度が低くなって、シール対象部材側に漏洩する磁束を減少することが可能となる。すなわち、上記したように、リール本体のコンパクト化を図るために磁気シール機構と一方向クラッチとの間の離間距離を短く(5mm以下)としても、一方向クラッチ20に対して磁束が漏洩することが抑制されるため、磁性材で構成される部品を含む一方向クラッチ20の性能(回転性能等)が低下することが抑制される。また、漏洩する磁束が少なくなることで、磁気回路内の磁束が低下することもなくなり、磁性流体55を安定して保持することが可能となって、長期に亘って安定したシール特性を得ることが可能となる。
【0035】
図4及び図5は、磁気シール機構を変更した第2の実施形態を示す図である。なお、以下に説明する実施形態では、上記した磁気シール機構と同一の構成要素については、同一の参照符号を付し、その説明を簡略、もしくは省略する。
【0036】
図4及び図5に示す磁気シール機構50Aは、一対の保持部材52a,52bの、リング状の磁石51の径方向外方に、リング状の磁石51と離間してリング状の磁性体(磁気誘導板)57を挟持させている。このようなリング状の磁性体57は、リング状の磁石51と、一対の保持部材52a,52bと、筒状の磁性体53とで形成される磁気回路(径方向の内側に形成される)に加え、リング状の磁石51と、一対の保持部材52a,52bと、リング状の磁性体57とで磁気回路(径方向の外側に形成される第2の磁気回路と称する)を形成するため、リング状の磁石51からの磁束が漏洩することが抑制されるようになる。
【0037】
すなわち、第2の磁気回路を形成することにより、シール対象部材側へ漏洩してしまう磁束を、その第2の磁気回路内に流すことができるため、一方向クラッチ20に対して磁束が漏洩することが抑制されて、磁性材で構成される部品を含む一方向クラッチ20の性能が低下することを抑制することができる。なお、このような構成では、一対の保持部材52a,52bの肉厚T1,T2を同一にしても、一方向クラッチ側への磁束漏洩を低減することは可能であるが、図6及び図7に示す磁気シール機構50B(第3の実施形態)のように、さらに、一方向クラッチ側の保持部材52aの肉厚を厚くすること(T1>T2)で、上記した第1の実施例のように、保持部材52a内での磁束密度の低減が図れ、一方向クラッチ側への漏洩磁束を、より低減することが可能となる。
【0038】
図8及び図9は、本発明の第4の実施形態を示す図である。
この磁気シール機構50Cは、図6及び図7に示した磁気シール機構50Bにおけるリング状の磁性体57を、保持部材52a,52bと共に一体形成したものである。
このように構成することで、部品点数の削減が図れると共に、組み込み時等の作業性の向上が図れるようになる。
【0039】
図10及び図11は、本発明の第5の実施形態を示す図である。
この実施形態では、上記した構成の一方向クラッチ20を、その大開口側が磁気シール機構50Dと反対側を向くように設置しており、詳細には、一方向クラッチ20は、前記リール本体1の外部に設けられた切換操作レバー28を回動操作した際、その切換えカム28aの係合部分がリール本体側となるように設置されている。具体的には、リール本体1の前端に、リール本体を構成するキャップ状のカバー体1Dを止着し、その内部に一方向クラッチ20及び磁気シール機構50Dを収容している。このため、磁気シール機構50Dは、カバー体1Dの後端面1D´と面一状に設置されると共に、シール対象部材側となる保持部材52aは、一方向クラッチ20の外輪23の後端屈曲部23cの後端面と接触するように配設されている。すなわち、このような配置態様では、キャップ状のカバー体1D内に、磁気シール機構50Dと、シール対象部材である一方向クラッチ20をコンパクトに収容することが可能となる。
【0040】
また、この実施形態では、ピニオンギヤ7に嵌合する一方向クラッチの内輪21を、そのままスプール側に延出させることで、磁気シール機構50Dの磁気回路を形成する磁性部53dとしての機能を持たせている。
【0041】
さらに、本実施形態の磁気シール機構50Dは、リング状の磁石51と磁性部53dとの間隙をL1、リング状の磁石51とリング状の磁性体57との間隙をL2とした場合、L1<L2となるように設定しているとともに、一方向クラッチ側の保持部材52aの肉厚を、その反対側の保持部材52bの肉厚よりも厚く形成している。
【0042】
一般的に、一方向クラッチ20の設置方向は、切換えカム28aの軸方向長さ等、クラッチON/OFFの機構部の設計への影響(軽量化、動作の安定化等)が大きく重要となる。この場合、一方向クラッチ20の設置方向を図10及び図11に示すようにして、一般的な磁気シール機構を配設すると、一方向クラッチ20の外輪23(後端屈曲部23c)との接触面が大きくなって、一方向クラッチ側へ磁束が漏洩する可能性があったが、上記のように構成した磁気シール機構50Dを配設することで、そのような磁束漏洩を極力低下することが可能となり、一方向クラッチ20の設置態様に関する設計の自由度の向上が図れるようになる。
【0043】
すなわち、保持部材52a,52bについて、一方向クラッチ側の保持部材52aの肉厚を厚くすることで、上述した実施形態のように、一方向クラッチ側への磁束漏洩を低減することが可能となる。また、一対の保持部材52a,52bの、リング状の磁石51の径方向外方に、リング状の磁石51と離間してリング状の磁性体(磁気誘導板)57を挟持させているので、径方向の外側に第2の磁気回路が形成され、リング状の磁石51からの磁束の漏洩を抑制することが可能となる。
【0044】
また、リング状の磁石51と磁性部53dとの間隙L1を、リング状の磁石51とリング状の磁性体57との間隙L2より小さくしたこと(L1<L2)で、リング状の磁石51の磁束は、離間距離の相対的に小さいシール部分側(磁性流体55側)に集中するようになり、その分、漏洩磁束を減少することが可能となる。さらに、磁性流体55側に磁束を集中させることができるため、その分、リング状の磁石51の大きさを小さくすることが可能となり、コンパクト化を図ることが可能となる。
【0045】
また、上記したように、一方向クラッチ20への磁束漏洩の低減が図れることから、この実施形態における一方向クラッチ20は、ピニオンギヤ7に嵌合する内輪21を、そのままスプール側に延出させて、内輪21に、磁気シール機構50Dの磁気回路を形成する磁性部53dとしての機能を持たせている。すなわち、一方向クラッチへの漏洩磁束の低減が図れることから、内輪21に、そのような機能を兼ね備えることが可能となり、これにより部品点数の削減を図ることが可能となる。
【0046】
さらに、上記した構成において、リング状の磁性体57の径方向の肉厚T3を、前記一対の保持部材52a,52bの内、シール対象部材側の保持部材52a肉厚T1以上に設定しておくことが好ましい(T3≧T1)。
これは、保持部材52aの肉厚を保持部材52bの肉厚よりも大きくしたことで、一方向クラッチ側への漏洩磁束を低減することが可能であるものの、リング状の磁性体57の径方向の肉厚を薄くし過ぎると、その部分からの漏洩磁束が生じる可能性がある。このため、リング状の磁性体57の肉厚を厚く設定しておくことで、その部分に磁気が流れやすくなり、径方向外方からの磁束漏洩を減少することが可能となる。
なお、上記したような構成については、上述した各実施形態に適用することが可能である。
【0047】
図12及び図13は、本発明の第6の実施形態を示す図である。
この実施形態の磁気シール機構50Eでは、上記した第5の実施形態で示したリング状の磁石51と、これを挟持して保持する一対の保持部材52a,52bとを、磁性部53dに対して略同一の隙間となるように設定している。
このような構成によれば、リング状の磁石51の位置を磁性流体55の位置に接近させることができるため、シール領域における磁束密度の向上が図れ、リング状の磁石51の大きさをコンパクト化することが可能となる。さらに、リング状の磁石51をコンパクト化することで、径方向外方領域における漏洩磁束を低減することが可能となる。
なお、このような構成については、上述した各実施形態に適用することが可能である。
【0048】
図14から図16は、本発明の第7の実施形態を示している。上述した実施形態では、魚釣用リールとして、スピニングリールを例示したが、この第7の実施形態では、本発明を両軸受型リールに適用した例を示している。
【0049】
図示のように、両軸受型リールのリール本体101は、左右フレーム102a,102bと、これら左右フレーム102a,102bに所定の空間をもって装着される左右側板103a,103bとを備えている。左右フレーム102a,102b(左右側板103a,103b)間には、スプール軸105が回転可能に支持されており、このスプール軸105には、釣糸が巻回されるスプール106が取り付けられている。
【0050】
右側板103b側には、ハンドル108を装着したハンドル軸109が回転可能に支持されている。このハンドル軸109には、巻き取り駆動機構が連結されており、ハンドル108を回転操作することで、巻き取り駆動機構を介してスプール106が回転駆動されるようになっている。なお、ハンドル軸109は、右側板との間に介在された一方向クラッチ110によって、釣糸巻取方向にのみ回転可能となっている。
【0051】
前記巻取り駆動機構は、ハンドル軸109にドラグ機構を介して回転可能に支持された駆動歯車112とこの駆動歯車112に噛合するピニオンギヤ113とを備えている。ピニオンギヤ113は、公知のクラッチ機構を介してスプール軸105と継脱されるように構成されており、クラッチON状態では、ハンドル108の回転駆動力を駆動歯車112およびピニオンギヤ113を介してスプール106に伝達し、クラッチOFF状態では、駆動力伝達状態を解除してスプール106をフリー回転状態にするようになっている。なお、上記したクラッチ動作は、リール本体101から突出した操作レバー(図示せず)を操作することで行なわれる。
【0052】
また、左右側板103a,103b間には、スプール106の前方に、公知のレベルワインド機構120が設けられており、スプール106に対して、釣糸を均等に巻回するように構成されている。
【0053】
また、本実施形態において、リール本体101の右側板103bには、ハンドル108の操作で連動回転する駆動部としてのハンドル軸109を部分的に収容する収容凹部135が形成されている。この収容凹部135内には、前記一方向クラッチ110が位置決め状態で収容保持されると共に、ハンドル軸109を回転可能に支持する軸受130が配設されている。前記収容凹部135は、ハンドル108側に開口部135aを有しており、この開口部135aには、上述した実施形態と同様に構成される磁気シール機構50が設けられている。
【0054】
本構成において、ハンドル軸109の右端部には、公知のドラグ機構170を構成する操作体171が螺合されている。この操作体171を回動操作すると、ハンドル軸109に軸方向移動可能に且つ一体回転可能に嵌合されたカラー部材である第1の押圧体173が軸方向に移動し、皿バネ175を介して一方向クラッチ110の内輪を兼ねる第2の押圧体177を押圧し、摩擦部材178を所望の押圧力で押圧し、ハンドル軸109と駆動歯車112との間で制動力を生じさせる。
【0055】
ハンドル軸109の右端部は、リール本体101(リール本体101を構成する右側板103bに形成された収容凹部135を形成した円筒状支持部135A)に対して、軸受130によって回転可能に支持されている。この場合、軸受130は、カラー部材である第1の押圧体173上に設置されている。
【0056】
磁気シール機構50は、シール対象部材である軸受130、及び一方向クラッチ110をシールするように構成されており、軸受130に対してハンドル108側に設置されている。この場合、磁気シール機構50は、上述した実施形態と同様、ハンドル軸109を囲繞するように配されるリング状の磁石51と、これを保持(挟持)する一対の保持部材52a,52bと、ハンドル軸109に嵌合された第1の押圧体173に一体回転可能に嵌合(外嵌)され且つ少なくとも保持部材52a,52bと対向する長さを有する筒状の磁性体53と、保持部材52a,52bと筒状の磁性体53との間に保持される磁性流体55とを備えて構成されている。なお、一対の保持部材の内、シール対象部材側となる保持部材52aは、上述した実施形態と同様、反対側の保持部材52bに対して、肉厚が厚く形成されている。
【0057】
また、上記した構成の磁気シール機構50のリング状の磁石51、これを保持する保持部材52a,52bはいずれも、前記円筒状支持部135Aの内面に、軸受130に隣接して嵌合(内嵌)されており、保持部材52bが円筒状支持部135Aの内面に止め輪180を介して抜け止め保持される非磁性のワッシャ181によって抜け止めされ、保持部材52aが、非磁性のワッシャ182を介在させて軸受130に対して当て付けられている。
【0058】
このような磁気シール機構50によっても、上記した磁気シール機構と同様、収容凹部135内を確実にシールできるとともに、軸受130側への漏洩磁束を軽減することができ、上述した実施形態と同様な作用効果を得ることが可能となる。
【0059】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されることはなく、種々変形して実施することが可能である。
【0060】
上述した構成の磁気シール機構は、各種の魚釣用リールの軸受部分など、シールを必要とする部材(シール対象部材)に隣接して設置することが可能であり、リールの種別や、シール対象部材が設置される部分については、特に限定されるものではない。
また、磁気シール機構が配設される駆動部については、上述したような回転する部材(ピニオンギヤ7)に限らず、スプール軸のように軸方向に摺動する駆動軸、或いは、そのような駆動軸と共に一体回転したり一体摺動する部材等であっても良い。また、駆動部に設けられる磁性部については、上述した実施形態では、駆動部を非磁性材で構成し、その外周に磁性体で構成される筒状部材(カラー)を配設したが、磁気シール機構を構成するに際して、駆動部そのものが磁性体として構成されていても良い。
【0061】
また、非磁性材で構成される駆動部に対して嵌合される筒状の磁性体については、外嵌されるものであっても良いし、シール部分の構成によっては、内嵌されるものであっても良い。さらに、磁気シール機構を構成するに際して、リング状の磁石を保持する保持部材の形状、リール本体に対する設置態様等についても適宜変形することが可能である。
さらに、上述した各図面に示した各構成部材については、適宜、組み合わせて実施することが可能である。
【符号の説明】
【0062】
1,101 リール本体
3,108 ハンドル
10,106 スプール
20,110 一方向クラッチ(シール対象部材)
50,50A〜50E 磁気シール機構筒軸部
51 リング状の磁石
52a,52b 保持部材
53,53d 磁性部
55 磁性流体
57 リング状の磁性体
135 軸受(シール対象部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リール本体に回転可能に支持されたハンドルの回転操作でスプールに釣糸を巻回可能とする魚釣用リールにおいて、
前記リール本体は、シール対象部材が配設された駆動部と、前記シール対象部材をシールするように隣接して配設される磁気シール機構と、を備えており、
前記磁気シール機構は、前記駆動部に対して所定間隔をおいて配置されるリング状の磁石と、前記リング状の磁石を挟持して保持する一対の保持部材と、前記駆動部に設けられる磁性部と、前記リング状の磁石、前記一対の保持部材、及び前記磁性部によって形成される磁気回路に保持される磁性流体と、を備えており、
前記リング状の磁石を挟持する一対の保持部材の内、前記シール対象部材側の保持部材の肉厚をT1,反対側の保持部材の肉厚をT2とした場合、T1>T2としたことを特徴とする魚釣用リール。
【請求項2】
前記一対の保持部材には、前記リング状の磁石の径方向外方に、リング状の磁石と離間してリング状の磁性体が挟持されていることを特徴とする請求項1に記載の魚釣用リール。
【請求項3】
リール本体に回転可能に支持されたハンドルの回転操作でスプールに釣糸を巻回可能とする魚釣用リールにおいて、
前記リール本体は、シール対象部材が配設された駆動部と、前記シール対象部材をシールするように隣接して配設される磁気シール機構と、を備えており、
前記磁気シール機構は、前記駆動部に対して所定間隔をおいて配置されるリング状の磁石と、前記リング状の磁石を挟持して保持する一対の保持部材と、前記リング状の磁石、前記一対の保持部材、及び前記駆動部によって形成される磁気回路に保持される磁性流体と、を備えており、
前記一対の保持部材には、前記リング状の磁石の径方向外方に、リング状の磁石と離間してリング状の磁性体が挟持されていることを特徴とする魚釣用リール。
【請求項4】
前記リング状の磁石と前記磁性部との間隙をL1、前記リング状の磁石とリング状の磁性体との間隙をL2とした場合、L1<L2としたことを特徴とする請求項2又は3に記載の魚釣用リール。
【請求項5】
前記リング状の磁性体の径方向の肉厚は、前記一対の保持部材の内、前記シール対象部材側の保持部材の肉厚以上であることを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載の魚釣用リール。
【請求項6】
前記リング状の磁性体は、前記一対の保持部材と一体形成されていることを特徴とする請求項2から5のいずれか1項に記載の魚釣用リール。
【請求項7】
前記リング状の磁石と前記一対の保持部材は、前記磁性部に対して略同一の隙間となるように配設されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の魚釣用リール。
【請求項8】
前記シール対象部材は一方向クラッチであり、一方向クラッチの大開口側が、前記磁気シール機構と反対側に設置されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の魚釣用リール。
【請求項9】
前記シール対象部材は一方向クラッチであり、前記駆動部に嵌合する一方向クラッチの内輪は、前記磁気シール機構の磁性部を構成していることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の魚釣用リール。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate


【公開番号】特開2011−155944(P2011−155944A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−22115(P2010−22115)
【出願日】平成22年2月3日(2010.2.3)
【出願人】(000002495)グローブライド株式会社 (1,394)
【Fターム(参考)】