説明

7条刈りコンバイン

【課題】前処理部における穀稈の搬送性能が良好な7条刈りコンバインを提供する。
【解決手段】左右の左及び右株元搬送体41,42と、中央の中左及び中右株元搬送体43,44を設け、中右株元搬送体44で2個の掻込スターホイール20aで掻き込まれた穀稈を搬送し、中左株元搬送体43で残り1個の掻込スターホイール20aで掻き込まれた穀稈を搬送し、中左株元搬送体43への掻込スターホイール20aと、隣接する左から2番目の掻込スターホイール20aを、平面視で左右に離間させて非噛み合いとし、中右株元搬送体44への掻込スターホイール20aと、隣接する右から2番目のスターホイール20aを、平面視では重合するが上下に離間させて非噛み合いとし、各株元搬送体41,42,43,44を、並列伝動系の駆動輪41a,42a,43a,44aにより各々独立駆動する7条刈りコンバイン。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、7条刈りコンバインの特に前処理部に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、7条刈りコンバインの前処理部において、前側下方に刈り取り条数分の7個のスターホイールを左右方向に併設し、該掻込スターホイールで掻き込みながら刈刃で株元部を切断された7条分の穀稈を、左側の株元搬送体と、右側の株元搬送体と、中央に設けた2つの株元搬送体の合計4つの株元搬送体により後方に搬送する技術が知られている。(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−136190号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のものは、右側の株元搬送体38Aにより、右側5個のスターホイール31D,31S・・を噛み合わせ駆動すると共に中央左側の株元搬送体38Cを伝動下手側から従属駆動するもの(第1実施例)、若しくは、中央左側の株元搬送体38Cにより、中央3個のスターホイール31D,31S,31Sを駆動すると共に中央右側の株元搬送体38Bを従属駆動するもの(第2実施例)であって、何れも単一の入力用の駆動スプロケット49又は駆動スプロケット47Bから複数の株元搬送体と複数のスターホイール31D,31S・・に伝動するものであるから、入力用の駆動スプロケット49又は47Bに加わる掻き込み搬送負荷(駆動トルク)が大きくなり、駆動力不足による搬送詰まりや搬送トルクリッターの頻繁な作動による搬送不良等を誘発する問題がある。
【0005】
また、第1実施例のものは右端のスターホイール31Dから4個のスターホイール31S・・を順次噛み合わせ駆動するものであるから、伝動元に近い右側寄りのスターホイール31D,31Sほど駆動負荷が大きくなり、右側寄りのスターホイール31D,31Sの歯部等の早期摩耗により伝動不良及び掻き込み不良が発生する問題がある。
本発明は、上記従来の問題を改善するもので、前処理部における穀稈の搬送性能が良好な7条刈りコンバインを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本請求項1にかかる発明は、機体1の前方に刈り取り条数が7条の前処理部3を備え、前処理部3は、その前方下方で左右方向に併設した7個の掻込スターホイール20a・・と、該掻込スターホイール20a・・で掻き込まれた穀稈を後方に向けて搬送する株元搬送体40を有し、該株元搬送体40は、平面視で前処理部3の前方左端側から後方右側に向けて傾斜状に配設する左株元搬送体41と、前処理部3の前方右端側から後方左側に向けて傾斜状に配設する右株元搬送体42と、前処理部3の前方中央部左側に位置する中左株元搬送体43と、前処理部3の前方中央部右側に位置する中右株元搬送体44とを有してなる7条刈りコンバインにおいて、上記左株元搬送体41により、最左端と左から2番目の掻込スターホイール20a,20aを駆動して両掻込スターホイール20a,20aにより掻き込まれた2条分の穀稈を搬送し、右株元搬送体42により、最右端と右から2番目の掻込スターホイール20a,20aを駆動して両掻込スターホイール20a,20aにより掻き込まれた2条分の穀稈を搬送し、中左株元搬送体43又は中右株元搬送体44により中央部の3個の掻込スターホイール20a・・を駆動し、該3個の掻込スターホイール20a・・の内の隣接する2個の掻込スターホイール20a,20aにより掻き込まれた2条分の穀稈を中左株元搬送体43又は中右株元搬送体44の何れか一方で搬送し、残り1個の掻込スターホイール20aにより掻き込まれた1条分の穀稈を中左株元搬送体43又は中右株元搬送体44の何れか他方で搬送し、上記1条分の穀稈を搬送する中左株元搬送体43又は中右株元搬送体44に穀稈を掻き込み供給する掻込スターホイール20aと、これに隣接する左から2番目又は右から2番目の掻込スターホイール20aを、平面視で左右に離間させて非噛み合い状態とし、上記2条分の穀稈を搬送する中左株元搬送体43又は中右株元搬送体44に穀稈を掻き込み供給する2個の掻込スターホイール20a,20aの内の外側寄りの掻込スターホイール20aと、これに隣接する左から2番目又は右から2番目のスターホイール20aを、平面視では重合するが上下方向に離間させて非噛み合い状態とすると共に、上記左株元搬送体41、右株元搬送体42、中左株元搬送体43及び中右株元搬送体44を、各々が並列的に単独伝動される駆動輪41a,42a,43a,44aにより各々独立駆動するように構成したことを特徴とする。
【0007】
また、請求項2にかかる発明は、中央部の3個の掻込スターホイール20a・・を噛み合わせて伝動し、上記1条分の穀稈を搬送する中左株元搬送体43又は中右株元搬送体44の従動輪43b,44bを、かかる株元搬送体に穀稈を掻き込み供給する掻込スターホイール20aの支軸20cに支持し、2条分の穀稈を搬送する中左株元搬送体43又は中右株元搬送体44の従動輪43b,44bを、かかる株元搬送体に穀稈を掻き込み供給する2個の掻込スターホイール20a,20aの何れか一方の支軸20cに支持すると共に、中左株元搬送体43の従動輪43bと、中右株元搬送体44の従動輪44bと、両従動輪43b,44bを支持する支軸20c,20cに支持される2個の掻込スターホイール20a,20aとの内、何れか1個を支軸20cに自由回動自在に外嵌支持し、残り3個を支軸20c,20cに自由回動不能に支持固定したことを特徴とする。
【0008】
また、請求項3にかかる発明は、上記1条分の穀稈を搬送する中左株元搬送体43又は中右株元搬送体44の従動輪43b,44bを、かかる株元搬送体に穀稈を掻き込み供給する掻込スターホイール20aの支軸220cに自由回動不能に支持固定し、上記2条分の穀稈を搬送する中左株元搬送体43又は中右株元搬送体44の従動輪43b,44bを、かかる株元搬送体に穀稈を掻き込み供給する2個の掻込スターホイール20a,20aの何れか一方の支軸20cに自由回動不能に支持固定し、この2個の掻込スターホイール20a,20aを噛み合い伝動すると共に、上記1条分の穀稈を搬送する中左株元搬送体43又は中右株元搬送体44に穀稈を掻き込み供給する掻込スターホイール20aと、該掻込スターホイール20aに隣接し、2条分の穀稈を搬送する中左株元搬送体43又は中右株元搬送体44に穀稈を掻き込み供給する掻込スターホイール20a,20aの内の一方の掻込スターホイール20aを、平面視では重合するが上下方向に離間させて非噛み合い状態としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1にかかる発明では、7条刈りコンバインでありながら、従来のように、単一の入力用の駆動輪により、複数の株元搬送体や5個もの掻込スターホイールを駆動することなく、左株元搬送体41、右株元搬送体42、中左株元搬送体43及び中右株元搬送体44を、各々が並列的に伝動される入力用の駆動輪41a,42a,43a,44aにより各々独立駆動し、また単一の駆動輪から伝動される掻込スターホイール20aも少なくする(3個以下)ことで、穀稈の掻き込み搬送負荷が一部の入力用の駆動輪に偏って増大することなく、各入力用の駆動輪41a,42a,43a,44aに加わる負荷が適正に分配されるから、駆動力不足による掻き込み搬送詰まり等を防止でき、また、単一の駆動元となる掻込スターホイール20aから噛み合い伝動される従動掻込スターホイール20aの数も少ないから、特に駆動元となる掻込スターホイール20aの早期摩耗も防止でき、掻き込み搬送性能が良好な7条刈りコンバインを提供することができる。
【0010】
また、中央部の1条分の穀稈を搬送する中左株元搬送体43又は中右株元搬送体44に穀稈を掻き込み供給する掻込スターホイール20aと、これに隣接する左から2番目又は右から2番目のスターホイール20a(上記掻込スターホイール20aと同方向に回転する)を、平面視で左右に離間させて非噛み合い状態としたから、該隣接する掻込スターホイール20aが上記中左株元搬送体43又は中右株元搬送体44に穀稈を供給する掻込スターホイール20aで掻き込む穀稈に作用して掻き込みを阻害することがないと共に、中央部の2条分の穀稈を搬送する中左株元搬送体43又は中右株元搬送体44に穀稈を掻き込み供給する2個の掻込スターホイール20aの内の外側寄りの掻込スターホイール20aと、これに隣接する左から2番目又は右から2番目の掻込スターホイール20aを、平面視では重合するが上下方向に離間させて非噛み合い状態としたから、並列する7個の掻込スターホイール20a・・の全体幅、即ち前処理部3の幅を小さくできる。
【0011】
また、請求項2にかかる発明では、上記請求項1にかかる発明の効果に加え、中央部の3個の掻込スターホイール20a・・を噛み合わせて伝動して、その駆動を簡単に行うことができると共に、中央部の3個の掻込スターホイール20a・・を同一高さに構成することができて、掻き込み性能を良好にすることができるものでありながら、3個の掻込スターホイール20a・・は中左株元搬送体43又は中右株元搬送体44の何れか一方からのみ駆動されるから、3個の掻込スターホイール20a・・へ複数系統からの強制駆動力が同時に伝動されることによる掻込スターホイール20a同士の噛み合い部でのロックや不正常噛み合い等の発生、それによる掻込スターホイール20aや伝動系の変形破損を防止することができる。
【0012】
また、請求項3にかかる発明では、上記請求項1にかかる発明の効果に加え、中央部の3個の掻込スターホイール20a・・を、噛み合い伝動される一対の掻込スターホイール20a,20aと、これと非噛み合いの1個の掻込スターホイール20aに区分し、かかる一対の掻込スターホイール20a,20aと1個の掻込スターホイール20aを中左株元搬送体43又は中右株元搬送体44からそれぞれ独立して駆動するから、掻込スターホイール20a同士の噛み合いを更に少なくする(2個以下)ことができ、伝動負荷の増大や掻込スターホイール20aの摩耗を一層防止して、より良好な掻き込み搬送性能を維持できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】コンバインの正面図である。
【図2】コンバインの左側面図である。
【図3】コンバインの前処理部の左側面図である。
【図4】第1実施例である穀稈掻込体を採用した前処理部の、穀稈搬送装置及び穀稈掻込体を示す平面図である。
【図5】同上前処理部の伝動筒及び駆動輪等の伝動構造を示す正面図(一部展開図)であり、(A)は特に穀稈搬送装置への伝動構造を示し、(B)は特に穀稈掻込体と引起装置への伝動構造を示す。
【図6】同上前処理部の伝動系統図である。
【図7】同上前処理部の掻込スターホイール部分の断面図である。
【図8】第2実施例である穀稈掻込体を採用した前処理部の伝動系統図である。
【図9】第3実施例である穀稈掻込体を採用した前処理部の、特に穀稈掻込体と引起装置への伝動筒及び駆動輪等の伝動構造を示す正面図(一部展開図)である。
【図10】同上前処理部の伝動系統図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1〜3に基づいて本発明を採用した7条刈りコンバインの基本構造を説明すると、コンバインはその機体1の下部にクローラ式の走行装置2を備え、機体1の前方に刈り取り条数が7条の前処理部3を昇降自在に装着し、前処理部3の後方で機体前進方向に対して左側(一側)に、前処理部3で刈り取り搬送された穀稈を受け継ぎ脱穀選別処理する脱穀部4を搭載し、脱穀部4の後方に脱粒済みの排藁を切断処理する藁処理部5を備えている。
【0015】
また、前処理部3の後述する引起装置10の後方で機体の右側(他側)にキャビン付きの運転操作部6を備え、その後方に脱穀部4で選別した穀粒を貯留する穀粒タンク7を設けている。符号8は穀粒タンク7に貯留された穀粒を機外の運搬車等に排出する穀粒排出オーガであり、穀粒排出オーガ8の下端は穀粒タンク7に連通し、穀粒排出オーガ8は水平回動自在でかつ起伏自在に構成されている。
【0016】
次に、図1〜7に基づいて、第1実施例の穀稈掻込体を採用した前処理部3の構造を説明する。
前処理部3は、圃場に立植した穀稈を分草する8個の分草体9・・、分草された穀稈を引き起こす7個の引起装置10・・、引き起こされた穀稈を掻き込む7個の穀稈掻込体20・・、刈刃11、刈刃11で刈り取られた穀稈を穀稈掻込体20・・から受け継いで後方の脱穀部4まで搬送する穀稈搬送装置30、入力用の縦伝動軸12aを内装した縦伝動筒12、縦伝動筒12の下端に固着され横伝動軸13aを内装した横伝動筒13、横伝動筒13の左端側から立設され引起装置10・・への引起縦伝動軸14aを内装した引起縦伝動筒14、引起縦伝動筒14の上部に固定され各引起装置10・・へ伝動する引起横伝動軸15aを内装した引起横伝動筒15、上記横伝動筒13の左右端部に基部が固定され先端に分草体9を固定する左右の分草フレーム16,16、左右の分草フレーム16,16を連結すると共に刈刃11等を支持する横フレーム17、横フレーム17に基部が固定され先端に分草体9を固定する中6個の分草フレーム16・・等より構成されている。
【0017】
尚、引起横伝動筒15には各引起装置10・・に分配伝動する引起分配軸18aを内装した5個の引起分配筒18が垂設されており、該引起分配筒18・・の下部に各引起装置10・・の上部が支持されている。
そして、上記縦伝動筒12は横軸心Yを中心に上下回動自在に機体1に装着され、縦伝動筒12と機体1の間に設けた油圧シリンダ(図示せず)の伸縮作動により縦伝動筒12が横軸芯Y中心に上下回動し、前処理部3全体が昇降するように構成されている。
【0018】
前記各穀稈掻込体20・・は、各々穀稈の株元部を掻き込む掻込スターホイール20a・・と、その上方で穀稈の茎部を掻き込む係止掻込体20b・・で構成され、各掻込スターホイール20a・・は支軸20c・・に軸支されている。また、各係止掻込体20b・・は突起付き掻込ベルトにより構成されている。
そして、図4〜6等に示すように7個の掻込スターホイール20a・・は、前処理部3の前方下方位置で左右方向に併設され、かつ全ての掻込スターホイール20a・・は同形でかつ同一回転数で駆動されるように構成されている。
尚、図中、掻込スターホイール20a・・付近の矢印イは各掻込スターホイール21a・・の回転方向を示す。
【0019】
前記穀稈搬送装置30は、上記掻込スターホイール20a・・の後方に位置する株元搬送体40と穂先搬送体50を備え、株元搬送体40は、平面視で前処理部3の前方左端側から後方内側(右側)に向けて傾斜状に配設する左株元搬送体41と、前処理部3の前方右端側から後方内側(左側)に向けて傾斜状に配設する右株元搬送体42と、前処理部3の前方中央部左側に位置する中左株元搬送体43と、前処理部3の前方中央部右側に位置する中右株元搬送体44と、後方の扱深搬送体45と、穀稈を扱深搬送体45から脱穀フィードチェン4aに引き継ぐ中継搬送体46とで構成されている。
【0020】
上記穂先搬送体50は、上記左株元搬送体41の上方に位置する上下2段の左穂先搬送体51,51と、上記右株元搬送体42の上方に位置する上下2段の右穂先搬送体52,52と、上記中左株元搬送体43の上方に位置する上下2段の中左穂先搬送体53,53と、上記中右株元搬送体44の上方に位置する上下2段の中右穂先搬送体54,54とで構成されている。
【0021】
次に、株元搬送体40及び各掻込スターホイール20a・・の伝動構成を説明する。
左株元搬送体41は、前記引起縦伝動軸14aから伝動される伝動軸41cに固定した駆動スプロケット(駆動輪)41aと、最左端の掻込スターホイール20aの支軸20cに一体的に支持固定した従動スプロケット(従動輪)41b等にフィードチェンを掛け回して構成され、最左端の掻込スターホイール20aに左から2番目の掻込スターホイール20aが噛み合い伝動され、これにより左株元搬送体41を介して最左端の掻込スターホイール20aと左から2番目の掻込スターホイール20aが駆動される。
【0022】
右株元搬送体42は、前記縦伝動軸12aから伝動される伝動軸42cに固定した駆動スプロケット(駆動輪)42aと最右端の掻込スターホイール20aの支軸20cに一体的に支持固定した従動スプロケット(従動輪)42b等にフィードチェンを掛け回して構成され、最右端の掻込スターホイール20aに右から2番目の掻込スターホイール20aが噛み合い伝動され、これにより右株元搬送体42を介して最右端の掻込スターホイール20aと右から2番目の掻込スターホイール20aが駆動される。
【0023】
中左株元搬送体43は、上記縦伝動軸12aから伝動される伝動軸43cに固定した駆動スプロケット(駆動輪)43aと左から3番目の掻込スターホイール20aの支軸20cに一体的に支持固定した従動スプロケット(従動輪)43b等にフィードチェンを掛け回して構成され、左から3番目の掻込スターホイール20aから左から4番目と5番目の掻込スターホイール20a,20aに順次噛み合い伝動され、これにより中左株元搬送体43を介して中央部の3個の掻込スターホイール20a・・が駆動される。
【0024】
中右株元搬送体44は、上記縦伝動軸12aから伝動される伝動軸44cに固定した駆動スプロケット(駆動輪)44aと左から4番目の掻込スターホイール20aの支軸20cに自由回動自在に外嵌支持した従動スプロケット(従動輪)44b等にフィードチェンを掛け回して構成されている。尚、上記のように支軸20cと駆動スプロケット44aは非伝動構造となっている。
【0025】
図7は、上記従動スプロケット43b,44bと掻込スターホイール20a,20aの、支軸20c,20cに対する支持構成を示しており、従動スプロケット43bと両掻込スターホイール20a,20aは、各支軸20c,20cに対してそれぞれキー20d・・により回動不能に固定され、従動スプロケット44bは支軸20cに軸受け20eにより回動自由に支持されている。
これにより、中左株元搬送体43の従動スプロケット43bと、中右株元搬送体44の従動スプロケット44bと、両従動スプロケット43b,44bを支持する各支軸20c,20cに支持される2個の掻込スターホイール20a,20aの内、何れか1個即ち従動スプロケット44bを支軸20cに自由回動自在に外嵌支持し、残り3個即ち従動スプロケット43bと2個の掻込スターホイール20a,20aを支軸20c,20cに自由回動不能に一体的に支持固定している。
尚、符号20fは前記係止掻込体20bの駆動輪であり、該駆動輪20fもキー20dにより支軸20cに自由回動不能に支持固定されている。
【0026】
また、図4〜6に示すように、左から2番目の掻込スターホイール20aの歯部とこれに隣設する左から3番目の掻込スターホイール20aの歯部は、左右に離間されて非噛み合い状態に構成され、左から5番目の掻込スターホイール20aの歯部とこれに隣設する右から2番目の掻込スターホイール20aの歯部は、平面視では重合するが、正面視で上下方向に離間して非噛み合い状態に構成されている。
尚、最左端と、左から2番目と、最右端と、右から2番目の4個の掻込スターホイール20a・・は同高さに位置し、これらの掻込スターホイール20a・・に対して、中央部の3個の掻込スターホイール20a・・は低位に位置している。
【0027】
そして、上述したように、左株元搬送体41の駆動スプロケット41aは、前記横伝動軸13aから引起縦伝動軸14aと伝動軸41cを介して駆動され、右株元搬送体42、中左株元搬送体43及び中右株元搬送体44の各駆動スプロケット42a,43a,44aは、縦伝動軸12aの途中からそれぞれ別々に伝動軸42c,43c,44cを介して駆動されており、これにより、左株元搬送体41、右株元搬送体42、中左株元搬送体43及び中右株元搬送体44は、伝動系が直列的(従属的)な関係即ち伝動上手側又は下手側となることなく、各々が並列的に単独で伝動される駆動スプロケット41a,42a,43a,44aにより各々独立駆動するように構成されている。
また、図示は省略するが、各駆動スプロケット41a,42a,43a,44a部分にはそれぞれ搬送トルクリミッターが設けられている。
【0028】
尚、前記扱深搬送体45は、上記右株元搬送体42の伝動軸42cから伝動される伝動軸45cに固定した駆動スプロケット45aと従動スプロケットにフィードチェンを掛け回して構成され、上記中継搬送体46は、上記縦伝動軸12aから伝動される伝動軸46cに固定した駆動スプロケット46aと従動スプロケットにフィードチェンを掛け回して構成されている。
また、前記各係止掻込体20b・・は掻込スターホイール20a・・の支軸20c・・の上部に固定された駆動プーリ20f・・により駆動される。
【0029】
次に、穂先搬送体50の伝動構成を説明する。
上記左株元搬送体41、中左株元搬送体43及び中右株元搬送体44の各伝動軸41c,43c,44cの上部に、前記上下2段の左穂先搬送体51,51と中左穂先搬送体53,53と中右穂先搬送体54,54の各駆動輪51a,53a,54aが固定され、上記中継搬送体46の伝動軸46cの上部に下段の右穂先搬送体52の駆動輪52aが固定されている。尚、上段の右穂先搬送体52は下段の右穂先搬送体52の先端の従動輪から駆動される。
【0030】
そして、図6に示すように、機体1に搭載されたエンジン(図示ぜず)からの動力が搬送HST60に入力され、搬送HST60により変速された動力が前処理部3の入力プーリ3aに伝動されて前記縦伝動軸12aが駆動され、この縦伝動軸12a及び縦伝動軸12aの下端から伝動される横伝動軸13aから前処理部3の各部に動力が伝動される。
【0031】
次に、本発明の第1実施例における穀稈の掻き込み搬送作用について説明する。
本発明の実施の形態の一つ(第1実施例)は上述の通りであり、コンバインによる刈取作業において、引起装置10・・で引き起こされた7条分の穀稈は、穀稈掻込体20で掻き込まれると同時に刈刃11で刈り取られ、穀稈掻込体20から穀稈搬送装置30に継送される。
【0032】
そして、最左端と左から2番目の穀稈掻込体20,20、即ち最左端と左から2番目の掻込スターホイール20a,20aと係止掻込体20b,20bで掻き込まれた2条分の穀稈は、左株元搬送体41と左穂先搬送体51,51により後方右方に向け搬送され、左から3番目の掻込スターホイール20aと係止掻込体20bで掻き込まれた1条分の穀稈は、中左株元搬送体43と中左穂先搬送体53,53により後方に向け搬送されて、左株元搬送体41と左穂先搬送体51,51に引き継がれて合流し、左から4番目と5番目の掻込スターホイール20a,20aと係止掻込体20b,20bで掻き込まれた2条分の穀稈は、中右株元搬送体44と中右穂先搬送体54,54により後方に向け搬送されて、右株元搬送体42と右穂先搬送体52に引き継がれて合流し、左から6番目と最右端の掻込スターホイール20a,20aと係止掻込体20b,20bで掻き込まれた2条分の穀稈は、右株元搬送体42と右穂先搬送体52,52により後方左方に向け搬送される。
【0033】
そして、左株元搬送体41と右株元搬送体42で搬送された7条分の穀稈は合流して扱深搬送体45により扱深調節され、中継搬送体46を介して脱穀フィードチェン4aに引き継がれ、脱穀部4で脱穀処理される。
【0034】
次に、本発明の第1実施例における作用効果を説明する。
上記のように第1実施例においては、左株元搬送体41により、最左端と左から2番目の掻込スターホイール20a,20aを駆動して両掻込スターホイール20a,20aにより掻き込まれた2条分の穀稈を搬送し、右株元搬送体42により、最右端と右から2番目の掻込スターホイール20aを駆動して両掻込スターホイール20a,20aにより掻き込まれた2条分の穀稈を搬送し、中左株元搬送体43又は中右株元搬送体44(第1実施例では中左株元搬送体43)により中央部の3個の掻込スターホイール20a・・を駆動し、該3個の掻込スターホイール20a・・の内の隣接する2個の掻込スターホイール20a,20aにより掻き込まれた2条分の穀稈を中左株元搬送体43又は中右株元搬送体44の何れか一方(第1実施例では中右株元搬送体44)で搬送し、残り1個の掻込スターホイール20aにより掻き込まれた1条分の穀稈を中左株元搬送体43又は中右株元搬送体44の何れか他方(第1実施例では中左株元搬送体43)で搬送し、上記1条分の穀稈を搬送する中左株元搬送体43又は中右株元搬送体44に穀稈を掻き込み供給する掻込スターホイール20aと、これに隣接する左又は右から2番目の掻込スターホイール20a(第1実施例では左から2番目の掻込スターホイール20a)を、平面視で左右に離間させて非噛み合い状態とし、上記2条分の穀稈を搬送する中左株元搬送体43又は中右株元搬送体44に穀稈を掻き込み供給する2個の掻込スターホイール20aの内の外側寄りの掻込スターホイール20a(第1実施例では右側の掻込スターホイール20a)と、これに隣接する左又は右から2番目のスターホイール20a(第1実施例では右から2番目の掻込スターホイール20a)を、平面視では重合するが正面視で上下に離間させて非噛み合い状態とすると共に、上記各株元搬送体41,42,43,44を、各々が並列的に単独伝動される入力用の駆動輪41a,42a,43a,44aにより各々独立駆動するように構成したものである。
【0035】
そして、かかる構成により、7条刈りコンバインでありながら、従来のように、単一の入力用の駆動輪により、複数の株元搬送体や5個もの掻込スターホイールを駆動することなく、左株元搬送体41、右株元搬送体42、中左株元搬送体43及び中右株元搬送体44を、各々が並列的に単独伝動される入力用の駆動輪41a,42a,43a,44aにより各々独立駆動し、単一の駆動輪から駆動される掻込スターホイール20aも少なく(3個以下)できるから、穀稈の掻き込み搬送負荷が一部の入力用の駆動輪に偏って増大することなく、各入力用の駆動輪41a,42a,43a,44aに加わる負荷が適正に分配され、各株元搬送体41,42,43,44や掻込スターホイール20a・・において、駆動力不足による掻き込み搬送詰まりや搬送トルクリミッターの不適正で頻繁な作動等を防止できる。
【0036】
また、駆動元となる単一の掻込スターホイール20aから順次噛み合い伝動される従動掻込スターホイール20aの数も少なく2個以下とすることで、特に駆動元となる掻込スターホイール20aに加わる噛み合い駆動負荷(穀稈掻き込み負荷)を軽減でき、掻込スターホイール20aの早期摩耗を防止できる。
従って、掻き込み搬送性能が良好な7条刈りコンバインを提供することができる。
【0037】
更に、中央部の1条分の穀稈を搬送する中左株元搬送体43に穀稈を掻き込み供給する掻込スターホイール20aと、これに隣接する左から2番目のスターホイール20aを、平面視で左右に離間させて非噛み合い状態としたから、該隣接する左から2番目の掻込スターホイール20aが、上記中左株元搬送体43に穀稈を供給する掻込スターホイール20aで掻き込む穀稈に作用して掻き込みを阻害することがない(両掻込スターホイール20a,20aは同方向に回転し、対向面では掻き込み方向が逆になる)。
【0038】
また、中央部の2条分の穀稈を搬送する中右株元搬送体44に穀稈を掻き込み供給する2個の掻込スターホイール20a,20aの内の外側寄り(右側)の掻込スターホイール20aと、これに隣接する右から2番目の掻込スターホイール20aを、平面視では重合するが正面視で上下方向に離間させて非噛み合い状態としたから、掻込スターホイール20a,20aが重合する分、並列する7個の掻込スターホイール20a・・の全体幅、即ち前処理部3の幅を小さくできる。
【0039】
また、第1実施例においては、中央部の3個の掻込スターホイール20a・・を噛み合わせて伝動し、上記1条分の穀稈を搬送する中左株元搬送体43の従動輪43bを、かかる中左株元搬送体43に穀稈を掻き込み供給する掻込スターホイール20aの支軸20cに支持し、2条分の穀稈を搬送する中右株元搬送体44の従動輪44bを、かかる中右株元搬送体44に穀稈を掻き込み供給する2個の掻込スターホイール20a,20aの何れか一方(左側の掻込スターホイール20a)の支軸20cに支持すると共に、中左株元搬送体43の従動輪43bと、中右株元搬送体44の従動輪44bと、両従動輪43b,44bを支持する支軸20c,20cに支持される2個の掻込スターホイール20a,20aの内、何れか1個(従動輪44b)を支軸20cに自由回動自在に外嵌支持し、残り3個(従動輪43bと2個の掻込スターホイール20a,20a)を支軸20c,20cに自由回動不能に一体的に支持固定したものである。
【0040】
そして、かかる構成により、中央部の3個の掻込スターホイール20a・・を各々噛み合わせて伝動して、その駆動を簡単に行うことができると共に、中央部の3個の掻込スターホイール20a・・を同一高さに構成することができて、掻き込み性能を良好にすることができるものでありながら、中央部の3個の掻込スターホイール20a・・は中左株元搬送体43又は中右株元搬送体44の何れか一方からのみ駆動される(第1実施例では中左株元搬送体43から駆動される)から、3個の掻込スターホイール20a・・へ複数系統からの強制駆動力が同時に伝動されることによる掻込スターホイール20a同士の噛み合い部でのロックや不正常噛み合い等の発生、それによる掻込スターホイール20aや伝動系の変形破損を防止することができる。
また、従動輪44bを支軸20cに自由回動自在に外嵌支持し、残りの従動輪43bと2個の掻込スターホイール20a,20aを支軸20c,20cに自由回動不能に一体的に支持固定することにより、従動輪43bと2個の掻込スターホイール20a,20aの支持構成はもとより、従動輪44bの支持構成も支軸20cを利用して容易にできる。
【0041】
次に、本発明の第2実施例について説明する。
図8は、第2の実施例である穀稈掻込体を採用した前処理部3の伝動系統図を示す。
この第2実施例のものは、第1実施例に対して、中央部の3個の掻込スターホイール20a・・の内の隣接する2個の掻込スターホイール20a,20aにより掻き込まれた2条分の穀稈を中左株元搬送体43で搬送し、残り1個の掻込スターホイール20aにより掻き込まれた1条分の穀稈を中右株元搬送体44で搬送し、上記1条分の穀稈を搬送する中右株元搬送体44に穀稈を掻き込み供給する掻込スターホイール20aと、これに隣接する右から2番目の掻込スターホイール20aを、平面視で左右に離間させて非噛み合い状態とし、上記2条分の穀稈を搬送する中左株元搬送体43に穀稈を掻き込み供給する2個の掻込スターホイール20aの内の外側寄り(左側)の掻込スターホイール20aと、これに隣接する左から2番目のスターホイール20aを、平面視では重合するが正面視で上下方向に離間させて非噛み合い状態とした点、及び、中左株元搬送体43の従動輪43bと、中右株元搬送体44の従動輪44bと、両従動輪43b,44bを支持する支軸20c,20cに支持される2個の掻込スターホイール20a,20aの内、何れか1個(従動輪44bを支持する支軸20cに支持される掻込スターホイール20a)を支軸20cに自由回動自在に外嵌支持し、残り3個(従動輪43b、従動輪44b及び従動輪43bを支持する支軸20cに支持される掻込スターホイール20a)を支軸20c,20cに自由回動不能に一体的に支持固定した点で具体的な構造が相違し、その他の構造は第1実施例と同様である。
【0042】
そして、第2実施例のものも、第1実施例のものと同様の前記作用効果を奏すると共に、更に、第2実施例のものは中央部の3個の掻込スターホイール20a・・の内の真ん中の掻込スターホイール20aを駆動元として左右の掻込スターホイール20a,20aを噛み合い伝動するものであるから、第1実施例のように端の掻込スターホイール20aの一側面から2個の掻込スターホイール20a,20aを順次噛み合い伝動するものよりも、駆動元の掻込スターホイール20aの1つの歯部に加わる負荷が小さく、掻込スターホイール20aの摩耗を一層防止できる。
【0043】
次に、本発明の第3実施例について説明する。
図9,10は、第3実施例である穀稈掻込体20を採用した前処理部3を示す。
この第3実施例のものは、第1実施例に対して、1条分の穀稈を搬送する中左株元搬送体43の従動輪43bを、かかる中左株元搬送体43に穀稈を掻き込み供給する掻込スターホイール20aの支軸20cに自由回動不能に一体的に支持固定し、2条分の穀稈を搬送する中右株元搬送体44の従動輪44bを、中右株元搬送体44に穀稈を掻き込み供給する左右2個の掻込スターホイール20a,20aの何れか一方(左側)の支軸20cに自由回動不能に一体的に支持固定し、この左右2個の掻込スターホイール20a,20aを噛み合い伝動すると共に、上記1条分の穀稈を搬送する中左株元搬送体43に穀稈を掻き込み供給する掻込スターホイール20aと、2条分の穀稈を搬送する中右株元搬送体44に穀稈を掻き込み供給する左側の掻込スターホイール20aを、平面視では重合するが正面視で上下方向に離間させて非噛み合い状態とした点が相違し、他の構造は第1実施例と同様である。
【0044】
尚、中左株元搬送体43に穀稈を掻き込み供給する掻込スターホイール20aは、中右株元搬送体44に穀稈を掻き込み供給する左右2個の掻込スターホイール20a,20aより上方に位置し、左から1,2番目の掻込スターホイール20a,20a及び右から1,2番目の掻込スターホイール20a,20aと同高さに位置している。
【0045】
そして、第3実施例のものは、請求項1にかかる発明の効果を奏すると共に、更に、中央部の3個の掻込スターホイール20a・・を、噛み合い伝動される一対の掻込スターホイール20a,20aと、これと非噛み合いの1個の掻込スターホイール20aに区分し、かかる一対の掻込スターホイール20a,20aと1個の掻込スターホイール20aを中左株元搬送体43と中右株元搬送体44からそれぞれ独立して駆動するから、掻込スターホイール20a同士の噛み合わせ伝動も更に少なく2個以下となり、掻込スターホイール20aへの伝動負荷の増大や掻込スターホイール20aの摩耗を一層防止して、より良好な掻き込み搬送性能を維持できる。
【0046】
尚、第1及び第2実施例は、本請求項1及び2にかかる発明に対応した実施例を示し、第3実施例は、本請求項1及び3にかかる発明に対応した実施例を示すものである。
【0047】
尚、図6,8に示す実施例において、中央部の3個の掻込スターホイール20a・・の内の左側の掻込スターホイール20aと7個の掻込スターホイール20a・・の左から2番目の掻込スターホイール20aとを、及び、中央部の3個の掻込スターホイール20a・・の内の右側の掻込スターホイール20aと7個の掻込スターホイール20a・・の右から2番目の掻込スターホイール20aとを何れも平面視で左右に離間させて非噛み合い状態とし、7個の掻込スターホイール20a・・を全て同高さに配置するように構造変更することもできる。
【0048】
この場合は、本請求項1にかかる発明に対応した実施例とはならないが、本請求項1にかかる発明と同様に、掻き込み搬送性能が良好となり、また、中左株元搬送体43の従動輪43bと、中右株元搬送体44の従動輪44bと、両従動輪43b,44bを支持する支軸20c,20cに支持される2個の掻込スターホイール20a,20aとの内、何れか1個を支軸20cに自由回動自在に外嵌支持し、残り3個を支軸20c,20cに自由回動不能に支持固定したことによる前述の作用効果を奏する。加えて、7個の掻込スターホイール20aを同高さに配置することで、穀稈掻き込み性能と切断され搬送される穀稈の根揃い性能を更に向上できる。
【0049】
また、同様に図10に示す実施例において、平面視では重合するが正面視で上下方向に離間させて非噛み合い状態とした左右の掻込スターホイール20a,20aを、何れも平面視で左右に離間させて非噛み合い状態とし、7個の掻込スターホイール20a・・を全て同高さに配置するように構造変更することもできる。この場合も良好な掻き込み搬送性能を維持できる。
【0050】
1 機体
3 前処理部
4 脱穀部
6 運転操作部
20a 掻込スターホイール
20c 支軸
40 株元搬送体
41 左株元搬送体
42 右株元搬送体
43 中左株元搬送体
44 中右株元搬送体
41a、42a、43a、44a 駆動スプロケット(駆動輪)
41b、42b、43b、44b 従動スプロケット(従動輪)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体(1)の前方に刈り取り条数が7条の前処理部(3)を備え、前処理部(3)は、その前方下方に左右方向に併設した7個の掻込スターホイール(20a・・)と、該掻込スターホイール(20a・・)で掻き込まれた穀稈を後方に向けて搬送する株元搬送体(40)を有し、該株元搬送体(40)は、平面視で前処理部(3)の前方左端側から後方右側に向けて傾斜状に配設する左株元搬送体(41)と、前処理部(3)の前方右端側から後方左側に向けて傾斜状に配設する右株元搬送体(42)と、前処理部(3)の前方中央部左側に位置する中左株元搬送体(43)と、前処理部(3)の前方中央部右側に位置する中右株元搬送体(44)とを有してなる7条刈りコンバインにおいて、上記左株元搬送体(41)により、最左端と左から2番目の掻込スターホイール(20a,20a)を駆動して両掻込スターホイール(20a,20a)により掻き込まれた2条分の穀稈を搬送し、右株元搬送体(42)により、最右端と右から2番目の掻込スターホイール(20a,20a)を駆動して両掻込スターホイール(20a,20a)により掻き込まれた2条分の穀稈を搬送し、中左株元搬送体(43)又は中右株元搬送体(44)により中央部の3個の掻込スターホイール(20a・・)を駆動し、該3個の掻込スターホイール(20a・・)の内の隣接する2個の掻込スターホイール(20a,20a)により掻き込まれた2条分の穀稈を中左株元搬送体(43)又は中右株元搬送体(44)の何れか一方で搬送し、残り1個の掻込スターホイール(20a)により掻き込まれた1条分の穀稈を中左株元搬送体(43)又は中右株元搬送体(44)の何れか他方で搬送し、上記1条分の穀稈を搬送する中左株元搬送体(43)又は中右株元搬送体(44)に穀稈を掻き込み供給する掻込スターホイール(20a)と、これに隣接する左から2番目又は右から2番目の掻込スターホイール(20a)を、平面視で左右に離間させて非噛み合い状態とし、上記2条分の穀稈を搬送する中左株元搬送体(43)又は中右株元搬送体(44)に穀稈を掻き込み供給する2個の掻込スターホイール(20a,20a)の内の外側寄りの掻込スターホイール(20a)と、これに隣接する左から2番目又は右から2番目のスターホイール(20a)を、平面視では重合するが上下方向に離間させて非噛み合い状態とすると共に、上記左株元搬送体(41)、右株元搬送体(42)、中左株元搬送体(43)及び中右株元搬送体(44)を、各々が並列的に単独伝動される駆動輪(41a,42a,43a,44a)により各々独立駆動するように構成したことを特徴とする7条刈りコンバイン。
【請求項2】
中央部の3個の掻込スターホイール(20a・・)を噛み合わせて伝動し、上記1条分の穀稈を搬送する中左株元搬送体(43)又は中右株元搬送体(44)の従動輪(43b,44b)を、かかる株元搬送体に穀稈を掻き込み供給する掻込スターホイール(20a)の支軸(20c)に支持し、2条分の穀稈を搬送する中左株元搬送体(43)又は中右株元搬送体(44)の従動輪(43b,44b)を、かかる株元搬送体に穀稈を掻き込み供給する2個の掻込スターホイール(20a,20a)の何れか一方の支軸(20c)に支持すると共に、中左株元搬送体(43)の従動輪(43b)と、中右株元搬送体(44)の従動輪(44b)と、両従動輪(43b,44b)を支持する支軸(20c,20c)に支持される2つの掻込スターホイール(20a,20a)との内、何れか1個を支軸(20c)に自由回動自在に外嵌支持し、残り3個を支軸(20c,20c)に自由回動不能に支持固定したことを特徴とする請求項1記載の7条刈りコンバイン。
【請求項3】
上記1条分の穀稈を搬送する中左株元搬送体(43)又は中右株元搬送体(44)の従動輪(43b,44b)を、かかる株元搬送体に穀稈を掻き込み供給する掻込スターホイール(20a)の支軸(20c)に自由回動不能に支持固定し、上記2条分の穀稈を搬送する中左株元搬送体(43)又は中右株元搬送体(44)の従動輪(43b,44b)を、かかる株元搬送体に穀稈を掻き込み供給する2個の掻込スターホイール(20a,20a)の何れか一方の支軸(20c)に自由回動不能に支持固定し、この2個の掻込スターホイール(20a,20a)を噛み合い伝動すると共に、上記1条分の穀稈を搬送する中左株元搬送体(43)又は中右株元搬送体(44)に穀稈を掻き込み供給する掻込スターホイール(20a)と、該掻込スターホイール(20a)に隣接し、2条分の穀稈を搬送する中左株元搬送体(43)又は中右株元搬送体(44)に穀稈を掻き込み供給する掻込スターホイール(20a,20a)の内の一方の掻込スターホイール(20a)を、平面視では重合するが上下方向に離間させて非噛み合い状態としたことを特徴とする請求項1記載の7条刈りコンバイン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−105613(P2012−105613A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−258413(P2010−258413)
【出願日】平成22年11月19日(2010.11.19)
【出願人】(000001878)三菱農機株式会社 (1,502)
【Fターム(参考)】