説明

D級増幅回路

【課題】簡易な構成で、D級増幅回路の出力電流を反転可能にする。
【解決手段】本発明に係るD級増幅回路100は、入力信号AINに応じて第1状態と第2状態とが切り替えられる。第1状態では、コイルLと負荷30とが電気的に切り離された状態で、第1ノードND1から第2ノードND2へ向かう電流がコイルLに流れた後、コイルLと負荷30とが電気的に接続されて、第1ノードND1から第2ノードND2へ向かう電流が負荷30を流れるとともに容量素子Cに充電される。第2状態では、コイルLと負荷30とが電気的に切り離された状態で、第2ノードND2から第1ノードND1へ向かう電流がコイルLに流れた後、コイルLと負荷30とが電気的に接続されて、第2ノードND2から第1ノードND1へ向かう電流が負荷30を流れるとともに容量素子Cに充電される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、D級増幅回路に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、音声信号などの入力信号を振幅が一定なパルス幅変調信号に変換し、そのパルス幅変調信号を電力増幅するD級増幅回路が広く知られている。例えば特許文献1には、単電源で電源を供給するハーフブリッジ型のD級増幅回路が開示されている(図8参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−33336号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された技術では、出力点Sから出力される出力電流を反転させる(出力電流の流れる方向を逆にする)ことはできず、直流成分を除去するためのカップリングコンデンサC2が必須であるから(図8参照)、回路規模が肥大化するという問題がある。
ここで、DC/DCコンバータを用いて基準電位を下回るマイナスの電位を生成して図8に示す給電線220に供給することで、出力電流を反転可能にするという態様も考えられる。この態様によれば、カップリングコンデンサC2は不要となるものの、DC/DCコンバータが必要になるため、その分、構成が複雑になるとともにコストも増大するという問題が起こる。
以上の事情を考慮して、本発明は、簡易な構成で、D級増幅回路の出力電流を反転可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するために、本発明に係るD級増幅回路は、高位側電源線(例えば図1に示す電源線41)と、第1ノードとの間に配置される第1トランジスタと、高位側電源線と、第2ノードとの間に配置される第2トランジスタと、第1ノードと、低位側電源線(例えば図1に示す接地線43)との間に配置される第3トランジスタと、第2ノードと、低位側電源線との間に配置される第4トランジスタと、第1ノードと第2ノードとの間に設けられるコイルと、第2ノードと負荷との間に設けられる第5トランジスタと、一方の電極が第5トランジスタと負荷との接続点(例えば図1に示す第3ノードND3)に接続され、他方の電極に固定電位が供給される容量素子と、第1トランジスタ、第2トランジスタ、第3トランジスタ、第4トランジスタおよび第5トランジスタの各々のオンオフを制御する制御部(例えば図1に示す変調部10)と、を具備し、制御部は、入力信号に応じて第1状態と第2状態とを切り替え、第1状態では、コイルと負荷とを電気的に切り離した状態で、第1ノードから第2ノードへ向かう電流をコイルに流した後、コイルと負荷とを電気的に接続して、第1ノードから第2ノードへ向かう電流を負荷に流すとともに容量素子を充電するように、第1乃至第5トランジスタのオンオフを制御し、第2状態では、コイルと負荷とを電気的に切り離した状態で、第2ノードから第1ノードへ向かう電流をコイルに流した後、コイルと負荷とを電気的に接続して、第2ノードから第1ノードへ向かう電流を負荷に流すとともに容量素子を充電するように、第1乃至第5トランジスタのオンオフを制御する。
【0006】
より具体的には、制御部は、第1状態において、第1トランジスタおよび第4トランジスタをオン状態、且つ、第2トランジスタと第3トランジスタと第5トランジスタとをオフ状態として、第1ノードから第2ノードへ向かう電流をコイルに流した後、第1トランジスタおよび第3トランジスタのうちの一方と第5トランジスタとをオン状態、且つ、第1トランジスタおよび第3トランジスタのうちの他方と第2トランジスタと第4トランジスタとをオフ状態として、第1ノードから第2ノードへ向かう電流を負荷に流すとともに容量素子を充電し、第2状態において、第2トランジスタおよび第3トランジスタをオン状態、且つ、第1トランジスタと第4トランジスタと第5トランジスタとをオフ状態として、第2ノードから第1ノードへ向かう電流をコイルに流した後、第1トランジスタおよび第3トランジスタのうちの一方と第5トランジスタとをオン状態、且つ、第1トランジスタおよび第3トランジスタのうちの他方と第2トランジスタと第4トランジスタとをオフ状態として、第2ノードから第1ノードへ向かう電流を負荷に流すとともに容量素子を充電する。
【0007】
第1状態において、制御部は、第1ノードから第2ノードへ向かう電流をコイルに流した後、第1トランジスタをオフ状態、第3トランジスタをオン状態にすることができる。また、制御部は、第1ノードから第2ノードへ向かう電流をコイルに流した後、第1トランジスタをオン状態、第3トランジスタをオフ状態に維持することもできる。
第2状態において、制御部は、第2ノードから第1ノードへ向かう電流をコイルに流した後、第1トランジスタをオン状態、第3トランジスタをオフ状態にすることができる。また、制御部は、第2ノードから第1ノードへ向かう電流をコイルに流した後、第3トランジスタをオン状態、第1トランジスタをオフ状態に維持することもできる。第1状態における第1トランジスタおよび第3トランジスタのオンオフ動作と、第2状態における第1トランジスタおよび第3トランジスタのオンオフ動作との組み合わせは任意である。
【0008】
本発明においては、入力信号に応じて第1状態と第2状態とを切り替えることで、D級増幅回路の出力電流を反転させることができる。そして、本発明によれば、カップリングコンデンサやDC/DCコンバータは不要であるから、簡易な構成で、D級増幅回路の出力電流が反転可能になるという利点がある。
【0009】
本発明に係るD級増幅回路の具体的な態様として、制御部は、入力信号をパルス幅変調してパルス幅変調信号を生成し、当該パルス幅変調信号を、第1トランジスタ、第2トランジスタ、第3トランジスタ、第4トランジスタおよび第5トランジスタの各々のゲートへ出力する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態に係るD級増幅回路の概略構成を示す図である。
【図2】第1状態の動作を示すタイミングチャートである。
【図3】第1状態における駆動部の状態を示す図である。
【図4】第1状態における駆動部の状態を示す図である。
【図5】第2状態の動作を示すタイミングチャートである。
【図6】第2状態における駆動部の状態を示す図である。
【図7】第2状態における駆動部の状態を示す図である。
【図8】従来のD級増幅回路の概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、本発明の実施形態に係るD級増幅回路100の概略構成を示す図である。図1に示すように、D級増幅回路100は、変調部10と駆動部20とを備える。変調部10は、入力信号AINを振幅が一定なパルス幅変調信号(OUTPP,OUTMP,OUTG,OUTPN,OUTMN)に変調する。本実施形態では、入力信号AINはアナログの音声信号である。駆動部20は、パルス幅変調信号(OUTPP,OUTMP,OUTG,OUTPN,OUTMN)に基づいて負荷(例えばスピーカ)30を駆動する。
【0012】
図1に示すように、駆動部20は、第1トランジスタTr1〜第5トランジスタTr5と、コイルLと、容量素子Cとを備える。第1トラジスタTr1〜第4トランジスタTr4は、電源電位VDDが供給される電源線41と、接地電位GND(<VDD)が供給される接地線43との間に配置される。Nチャネル型の第1トランジスタTr1は、電源線41と第1ノードND1との間に配置される。第1トランジスタTr1のゲートには、パルス幅変調信号OUTPPが供給される。Nチャネル型の第2トランジスタTr2は、電源線41と第2ノードND2との間に配置される。第2トランジスタTr2のゲートには、パルス幅変調信号OUTMPが供給される。Nチャネル型の第3トランジスタTr3は、第1ノードND1と接地線43との間に配置される。第3トランジスタTr3のゲートには、パルス幅変調信号OUTMNが供給される。Nチャネル型の第4トランジスタTr4は、第2ノードND2と接地線43との間に配置される。第4トランジスタTr4のゲートには、パルス幅変調信号OUTPNが供給される。
【0013】
第1ノードND1と第2ノードND2との間にはコイルLが設けられる。第2ノードND2と負荷30との間には、Nチャネル型の第5トランジスタTr5が設けられる。第5トランジスタTr5のゲートには、パルス幅変調信号OUTGが供給される。また、容量素子Cは、第1電極D1と第2電極D2とを有する。第1電極D1は、第5トランジスタTr5から負荷30へ至る電流経路上に介在する第3ノードND3に接続される。第2電極D2は接地線43に接続される。
【0014】
本実施形態において、変調部10は、入力信号AINに応じて第1状態と第2状態とを切り替えるように、パルス幅変調信号(OUTPP,OUTMP,OUTG,OUTPN,OUTMN)を生成する。「第1状態」では、コイルLと負荷30とが電気的に切り離された状態で、第1ノードND1から第2ノードND2へ向かう電流がコイルLを流れ、その後、コイルLと負荷30とが電気的に接続されて、第1ノードND1から第2ノードND2へ向かう電流が負荷30に流れるとともに容量素子Cに充電される。他方、「第2状態」では、コイルLと負荷30とが電気的に切り離された状態で、第2ノードND2から第1ノードND1へ向かう電流がコイルLを流れ、その後、コイルLと負荷30とが電気的に接続されて、第2ノードND2から第1ノードND1へ向かう電流が負荷30に流れるとともに容量素子Cに充電される。
【0015】
以下、第1状態および第2状態の各々における具体的な動作を説明する。図2および図5に示すように、本実施形態に係るD級増幅回路100は、第1状態および第2状態の何れにおいても、コイルLと負荷30とが電気的に切り離された状態で、電源線41からの電流がコイルLに流れる第1期間T1と、コイルLと負荷30とが電気的に接続されて、コイルLを流れる電流が負荷30へ供給される第2期間T2とを1サイクルとして動作する。第1期間T1および第2期間T2の時間長やサイクル数は、パルス幅変調信号に応じて可変に設定される。
【0016】
先ず、図2〜図4を参照しながら、第1状態における動作を説明する。第1期間T1が開始すると、図2に示すように、パルス幅変調信号OUTPPとパルス幅変調信号OUTPNとがハイレベルに設定される一方、パルス幅変調信号OUTGとパルス幅変調信号OUTMPとパルス幅変調信号OUTMNとがローレベルに設定される。したがって、図3に示すように、第1トランジスタTr1と第4トランジスタTr4とがオン状態に制御される一方、第2トランジスタTr2と第3トランジスタTr3と第5トランジスタTr5とがオフ状態に制御される。これにより、電源線41からの電流が、第1トランジスタTr1、コイルLおよび第4トランジスタTr4を介して接地線43へ流れる。本実施形態において、コイルLを流れる電流は、第1ノードND1から第2ノードND2へ向かう方向を正とするから、図2に示すように、第1期間T1においてコイルLを流れる電流の電流値は経時的に上昇する。
【0017】
続いて、第2期間T2が開始すると、パルス幅変調信号OUTPPとパルス幅変調信号OUTPNとがローレベルに変化し、パルス幅変調信号OUTGとパルス幅変調信号OUTMNとがハイレベルに変化する。したがって、図4に示すように、第1トランジスタTr1と第4トランジスタTr4とがオフ状態に遷移し、第3トランジスタTr3と第5トランジスタTr5とがオン状態に遷移する。第1トランジスタTr1がオフ状態に遷移することで、電源線41からコイルLへ流れる電流は遮断されるが、コイルLに発生する誘導起電力によって、第1ノードND1から第2ノードND2へ向かう電流がコイルLを流れ続ける。ただし、図2に示すように、第2期間T2においてコイルLを流れる電流の電流値は経時的に減少する。そして、当該電流は、第5トランジスタTr5を介して負荷30へ供給される。これにより、第3ノードND3の電位(D級増幅回路100の出力電位)は、経時的に上昇する(図2参照)。
【0018】
パルス幅変調信号OUTGおよびOUTMNがローレベルに変化して第3トランジスタTr3および第5トランジスタTr5がオフ状態に遷移することで第2期間T2が終了する。第2期間T2の終点における第3ノードND3の電位は、次のサイクルにおける第2期間T2が開始されるまでの期間、容量素子Cによって保持される。これにより、第2期間T2が終了した後、第3ノードND3の電位が変化することを抑制できるから、不要電磁輻射(EMI:Electro Magnetic Interference)の量を低減できるという利点がある。
【0019】
次に、図5〜図7を参照しながら第2状態における動作を説明する。図5に示すように、第1期間T1が開始すると、パルス幅変調信号OUTMPとパルス幅変調信号OUTMNとがハイレベルに設定される一方、パルス幅変調信号OUTPPとパルス幅変調信号OUTPNとパルス幅変調信号OUTGとがローレベルに設定される。したがって、図6に示すように、第2トランジスタTr2と第3トランジスタTr3とがオン状態に制御される一方、第1トランジスタTr1と第4トランジスタTr4と第5トランジスタTr5とがオフ状態に制御される。これにより、電源線41からの電流が、第2トランジスタTr2、コイルLおよび第3トランジスタTr3を介して接地線43へ流れる。第2ノードND2から第1ノードND1へ向かう方向に流れる電流は負の値となるから、図5に示すように、第1期間T1においてコイルLを流れる電流の電流値は経時的に減少する(電流値の絶対値は経時的に上昇する)。
【0020】
続いて、第2期間T2が開始すると、パルス幅変調信号OUTMPがローレベルに変化する一方、パルス幅変調信号OUTGがハイレベルに変化する。したがって、図7に示すように、第2トランジスタTr2がオフ状態に遷移する一方、第5トランジスタTr5がオン状態に遷移する。第2トランジスタTr2がオフ状態に遷移することで、電源線41からコイルLへ流れる電流は遮断されるが、コイルLに発生する誘導起電力によって、第2ノードND2から第1ノードND1へ向かう電流がコイルLを流れ続ける。図5に示すように、第2期間T2においてコイルLを流れる電流の電流値は経時的に上昇する(電流値の絶対値は経時的に減少する)。そして、当該電流は、第5トランジスタTr5を介して負荷へ供給される。すなわち、前述の第1状態とは逆方向の電流が負荷30を流れる。このとき、第3ノードND3に存在する電荷は、第5トランジスタ、コイルLおよび第3トランジスタTr3を介して接地線43へ移動する(吸い込まれる)から、第3ノードND3の電位は経時的に減少する(図5参照)。
【0021】
パルス幅変調信号OUTGおよびOUTMNがローレベルに変化して第3トランジスタTr3および第5トランジスタTr5がオフ状態に遷移することで第2期間T2が終了する。前述の第1状態と同様に、第2期間T2の終点における第3ノードND3の電位は、次のサイクルにおける第2期間T2が開始されるまでの期間、容量素子Cによって保持される。
【0022】
以上に説明したように、本実施形態においては、入力信号AINに応じて第1状態と第2状態とを切り替えることで、負荷30を流れる電流(D級増幅回路100の出力電流)を反転させることができる。そして、本発明によれば、カップリングコンデンサやDC/DCコンバータは不要であるから、簡易な構成で、D級増幅回路の出力電流が反転可能になるという利点がある。
【0023】
また、本実施形態に係るD級増幅回路100は、入力信号AINの単位時間当たりの変化率が正の場合は第1状態に切り替えられ、入力信号AINの単位時間当たりの変化率が負の場合は第2状態に切り替えられる。前述したように、第3ノードND3の電位(D級増幅回路100の出力電位)は、第1状態においては経時的に上昇する(つまり単位時間当たりの変化率は正となる)一方、第2状態においては経時的に減少する(つまり単位時間当たりの変化率は負となる)から、D級増幅回路100の出力電位の波形と、入力信号AINの波形とが互いに相似となる。
【0024】
<変形例>
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下の変形が可能である。また、以下に示す変形例のうちの2以上の変形例を組み合わせることもできる。
【0025】
(1)変形例1
入力信号AINはアナログの音声信号であるが、これに限らず、入力信号AINの形式は任意である。例えば入力信号AINをデジタルの音声信号とすることも可能である。入力信号AINをデジタルの音声信号とする場合、変調部10はデジタル回路となり、この前段にノイズシェーピングフィルタを設けて、量子化雑音を低減することが好適である。
【0026】
(2)変形例2
上述の実施形態では、第1状態において、第1ノードND1から第2ノードND2へ向かう電流がコイルLに流れた後、第1トランジスタTr1がオフ状態、第3トランジスタTr3がオン状態に遷移しているが、例えば、第1ノードND1から第2ノードND2へ向かう電流がコイルLに流れた後、第1トランジスタTr1がオン状態、第3トランジスタTr3がオフ状態を維持する態様とすることもできる。要するに、第2期間T2において第1ノードND1の電位が所定の値に固定されていればよい。第2状態についても同様である。上述の実施形態では、第2ノードND2から第1ノードND1へ向かう電流がコイルLに流れた後、第1トランジスタTr1がオフ状態、第3トランジスタTr3がオン状態を維持しているが、例えば、第2ノードND2から第1ノードND1へ向かう電流がコイルLに流れた後、第1トランジスタTr1がオン状態、第3トランジスタTr3がオフ状態に遷移する態様とすることもできる。
【0027】
(3)変形例3
上述の実施形態においては、容量素子Cの第2電極D2は接地線43に接続されているが、これに限らず、第2電極D2に供給される固定電位は任意である。
【0028】
(4)変形例4
上述の実施形態においては、駆動部20に含まれるトランジスタ(Tr1〜Tr5)は全てNチャネル型のトランジスタであるが、これに限らず、駆動部20に含まれる各トランジスタの導電型は任意である。例えば、駆動部20に含まれる各トランジスタ(Tr1〜Tr5)の全てをPチャネル型のトランジスタとすることもできるし、一部をPチャネル型、残りをNチャネル型のトランジスタとすることもできる。
【符号の説明】
【0029】
10……変調部、20……駆動部、30……負荷、41……電源線、43……接地線、負荷100……D級増幅回路、AIN……入力信号、C……容量素子、D1……第1電極、D2……第2電極、L……コイル、ND1……第1ノード、ND2……第2ノード、ND3……第3ノード、Tr1……第1トランジスタ、Tr2……第2トランジスタ、Tr3……第3トランジスタ、Tr4……第4トランジスタ、Tr5……第5トランジスタ、GND……接地電位、VDD……電源電位。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
高位側電源線と、第1ノードとの間に配置される第1トランジスタと、
前記高位側電源線と、第2ノードとの間に配置される第2トランジスタと、
前記第1ノードと、低位側電源線との間に配置される第3トランジスタと、
前記第2ノードと、前記低位側電源線との間に配置される第4トランジスタと、
前記第1ノードと前記第2ノードとの間に設けられるコイルと、
前記第2ノードと負荷との間に設けられる第5トランジスタと、
一方の電極が前記第5トランジスタと前記負荷との接続点に接続され、他方の電極に固定電位が供給される容量素子と、
前記第1トランジスタ、前記第2トランジスタ、前記第3トランジスタ、前記第4トランジスタおよび前記第5トランジスタの各々のオンオフを制御する制御部と、を具備し、
前記制御部は、
入力信号に応じて第1状態と第2状態とを切り替え、
前記第1状態では、前記コイルと前記負荷とを電気的に切り離した状態で、前記第1ノードから前記第2ノードへ向かう電流を前記コイルに流した後、前記コイルと前記負荷とを電気的に接続して、前記第1ノードから前記第2ノードへ向かう電流を前記負荷に流すとともに前記容量素子を充電するように、前記第1乃至第5トランジスタのオンオフを制御し、
前記第2状態では、前記コイルと前記負荷とを電気的に切り離した状態で、前記第2ノードから前記第1ノードへ向かう電流を前記コイルに流した後、前記コイルと前記負荷とを電気的に接続して、前記第2ノードから前記第1ノードへ向かう電流を前記負荷に流すとともに前記容量素子を充電するように、前記第1乃至第5トランジスタのオンオフを制御する、
D級増幅回路。
【請求項2】
前記制御部は、
前記第1状態において、
前記第1トランジスタおよび前記第4トランジスタをオン状態、且つ、前記第2トランジスタと前記第3トランジスタと前記第5トランジスタとをオフ状態として、前記第1ノードから前記第2ノードへ向かう電流を前記コイルに流した後、
前記第1トランジスタおよび前記第3トランジスタのうちの一方と前記第5トランジスタとをオン状態、且つ、前記第1トランジスタおよび前記第3トランジスタのうちの他方と前記第2トランジスタと前記第4トランジスタとをオフ状態として、前記第1ノードから前記第2ノードへ向かう電流を前記負荷に流すとともに前記容量素子を充電し、
前記第2状態において、
前記第2トランジスタおよび前記第3トランジスタをオン状態、且つ、前記第1トランジスタと前記第4トランジスタと前記第5トランジスタとをオフ状態として、前記第2ノードから前記第1ノードへ向かう電流を前記コイルに流した後、
前記第1トランジスタおよび前記第3トランジスタのうちの一方と前記第5トランジスタとをオン状態、且つ、前記第1トランジスタおよび前記第3トランジスタのうちの他方と前記第2トランジスタと前記第4トランジスタとをオフ状態として、前記第2ノードから前記第1ノードへ向かう電流を前記負荷に流すとともに前記容量素子を充電する、
請求項1のD級増幅回路。
【請求項3】
前記制御部は、前記入力信号をパルス幅変調してパルス幅変調信号を生成し、当該パルス幅変調信号を、前記第1トランジスタ、前記第2トランジスタ、前記第3トランジスタ、前記第4トランジスタおよび前記第5トランジスタの各々のゲートへ出力する、
請求項1または請求項2のD級増幅回路。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−77737(P2011−77737A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−225752(P2009−225752)
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【出願人】(000004075)ヤマハ株式会社 (5,930)
【Fターム(参考)】