説明

LED光源装置

【課題】 白色光のホワイトバランスを保持することができる小型かつ低コストのLED光源装置を提供する。
【解決手段】 LED光源装置1は、発光色の異なる複数のLED21〜23と、これらのLEDから出射される異なる発光色の光を混色するための混色手段12と、LED21〜23にそれぞれ駆動電流を供給するための駆動回路40〜42と、これらの駆動回路を制御するための制御装置33とを備える。制御装置33は、LED温度センサー30の検出温度に基づいて駆動回路40〜42からLED21〜23にそれぞれ供給される駆動電流を調整するための制御信号を駆動回路40〜42に出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は白色光を出射するLED光源装置に係り、特に出射する白色光のホワイトバランスを保持することができるLED光源装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、白色光を出射するLED光源装置が、例えば液晶表示装置のバックライトなどの光源として提案されている。このLED光源装置に用いられる、例えば赤色(R)、緑色(G)および青色(B)の各発光ダイオード(LED)は、温度変化に対する輝度変化の仕方が各色LED毎に異なる。そのため、LED光源装置の出荷時に設定した白色光のホワイトバランスあるいはユーザーが任意に設定したホワイトバランスが、使用する環境の温度変化、装置自体の自己温度上昇に伴って、設定したときの状態から変化してしまい、LED光源装置より出射される白色光のホワイトバランスが崩れる現象が発生する。
【0003】
例えば、特開2004−29141号公報には、この種の白色光の明るさ調整を行うLCD用背面光源が記載されている。この光源は、3原色のLEDより成り、各フォトダイオード(光センサー)が対応するLEDの光量を検出する。一方、マイコンチップが設けられており、これは、色温度の規格値、及び白色光の輝度の設定値を、テーブル値として保有する。このマイコンチップは、光量信号から3個のLEDにより生成される白色光の色温度を算出し、算出値がテーブル値に等しくなる様に、制御信号の値を決定する。即ち、このマイコンチップは、各LEDに流れる電流を個別に調整し、光量信号から白色光の輝度を算出し、算出値がテーブル値に等しくなる様に、共通の電流増減率を与える制御信号の値を決定する。即ち、マイコンチップが、色温度を維持しつつ、共通の割合で各電流の増減を行って白色光の明るさ調整を行うというものである。
【特許文献1】特開2004−29141号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1では、白色光の明るさ調整を行うために、輝度変化を監視する必要があり、フォトダイオード(光センサー)を用いている。しかしながら、この種の装置では、光センサーを使用するに当たっては、取付位置が制限され、取付空間を確保する必要がある。このため、光センサーの使用は液晶表示装置の小型化を阻害する要因となる。さらに、光センサーの価格は電子部品としては非常に高価であり、発光ダイオードを光源とするLED光源装置のコスト低減のための大きな阻害要因となっている。
【0005】
従って本発明の目的は、上述した課題を解決し、白色光のホワイトバランスを保持することができる小型かつ低コストのLED光源装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的は、発光色の異なる複数の発光ダイオードと、前記複数の発光ダイオードから出射される異なる発光色の光を混色するための混色手段と、前記複数の発光ダイオードにそれぞれ駆動電流を供給するための駆動回路と、前記駆動回路を制御するための制御装置とを備えたLED光源装置であって、さらに前記発光ダイオードの温度を検出するLED温度検出手段を備え、前記制御装置が前記LED温度検出手段の検出温度に基づいて前記駆動回路から前記複数の発光ダイオードにそれぞれ供給される駆動電流を調整するための制御信号を前記駆動回路に出力するLED光源装置により、達成される。
【0007】
ここで、前記複数の発光ダイオードはそれぞれ共通基板に実装され、かつ前記LED温度検出手段が前記共通基板に搭載されることが好ましい。さらにLED光源装置の周囲温度を検出する周囲温度検出手段を備え、前記制御装置が前記周囲温度検出手段の検出温度に基づいて前記発光ダイオードの最終到達温度を予測し、前記予測した最終到達温度に応じて前記駆動回路から前記複数の発光ダイオードにそれぞれ供給される駆動電流を調整するための制御信号を前記駆動回路に出力することができる。これらのLED光源装置は、例えば液晶表示装置の光源に用いることができる。
【0008】
また、本発明は、発光色の異なる複数の発光ダイオードと、前記複数の発光ダイオードから出射される異なる発光色の光を混色するための混色手段と、前記複数の発光ダイオードにそれぞれ駆動電流を供給するための駆動回路と、前記駆動回路を制御するための制御装置とを備えたLED光源装置の制御方法であって、前記発光ダイオードの温度を検出し、前記制御装置により前記検出した発光ダイオードの温度に基づいて前記複数の発光ダイオードにそれぞれ供給すべき駆動電流を求め、前記求めた駆動電流を前記複数の発光ダイオードにそれぞれ供給するための制御信号を前記駆動回路に出力するものである。さらにLED光源装置の周囲温度を検出し、前記制御装置により前記検出した周囲温度に基づいて前記発光ダイオードの最終到達温度を予測し、前記予測した最終到達温度に応じて前記駆動回路から前記複数の発光ダイオードにそれぞれ供給される駆動電流を調整するための制御信号を前記駆動回路に出力することができる。
【0009】
このように、本発明では、光センサーに代えて安価な温度センサー(LED温度検出手段)を用いることにより、安価な部品でホワイトバランス制御をすることができる。すなわち、ホワイトバランスが崩れる最も大きな要因は発光色の異なるLED毎に温度特性が異なることにある。このため、電源投入直後のLEDの温度が低い時点と、電源投入後十分時間が経過しLEDの温度が自己発熱等で上昇した時点とで、発光色の異なるLEDから発生する光の量が変化し、これらを混合した白色光の色度が変化してしまう。そこで予め発光色の異なるLEDの温度特性を測定し、ホワイトバランスを保つための温度と各LEDに流すべき電流値の関係を求めておき、その関係と温度センサーで検出した温度の値によって、各色LEDに流す電流を変化させて、色度が一定になるように制御する。これにより白色光のホワイトバランス制御を行うことができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、白色光のホワイトバランスを保持することができる小型かつ低コストのLED光源装置を得ることができる。即ち、発光色の異なる複数のLEDからの発生光を混合して白色光として使用するLED光源装置において、周囲温度変化や自己発熱によって発光ダイオードの温度が変化しても、白色光のホワイトバランスを一定に保つことができる装置を低コストかつ小型で実現することができる。また、温度センサーの取付位置を、発光ダイオード近傍となる基板上に表面実装することで、液晶表示装置内の省スペース化が可能となる。表面実装化するため、製造工程上の製造時間短縮の効果も得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明に係るLED光源装置の一実施例を図に従って説明する。本実施例は液晶表示装置の光源として用いる例を説明するが、本発明はこれに限定されない。また、本実施例では、赤色、緑色および青色の3色のLEDの組合わせを例にとって説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、発光色の異なる複数のLEDの組合わせ(例えば、青色と黄色のLEDなど)によりLED光源装置を構成してもよい。
【0012】
図1は、本発明に係るLED光源装置の一実施例を示す図である。図1に示すように、LED光源装置1は、液晶パネル10に対して導光板11を介して白色光を出射する。液晶パネル10は、前面に配置された図示しないカラーフィルターにより、背面に設置されたLED光源装置1からの光を透過することで、カラー画像を表示する。液晶パネル10の画像部分において、明暗の差が生じるような場合は、明るい部分のシャッター開閉度を調整して画面全体の明るさを均一に保つ。
【0013】
LED光源装置1は、図示のように、LED光源モジュール20、LED光源モジュール20に備えられた各発光ダイオード(LED)を駆動する駆動回路40〜42、各種情報を格納しそれに基づいて駆動回路(赤)40、駆動回路(緑)41および駆動回路(青)42を制御する例えばマイクロコンピュータ等で構成される制御装置33、並びに、制御装置33からの調光信号に基づいて駆動回路40〜42にLEDの明るさを制御するための信号を出力する調光回路43を備える。LED光源モジュール20は、共通基板(LED搭載基板)24に実装された赤色(R)LED21、緑色(G)LED22および青色(B)LED23を備え、この3種類(RGB)のLEDの発光色を混色手段12により混色することで白色光を得る。LED光源モジュール20は、赤色LED21、緑色LED22および青色LED23をそれぞれ複数個備えることができる。LED光源モジュール20から出射する白色光は、導光板11を通じて液晶パネル10に出射される。
【0014】
LED搭載基板24には、赤色LED21、緑色LED22および青色LED23のほか、LED温度検出手段(LED温度センサー)30が実装されている。LED温度センサー30は、赤色LED21、緑色LED22および青色LED23のLEDジャンクション温度に対応する温度(発光ダイオードの温度)を随時監視する。LED搭載基板24に搭載されるLED温度センサー30は、複数個使用しても良い。一方、周囲温度検出手段(周囲温度センサー)31が、例えばLED光源モジュール20の周囲に設置され、LED光源装置1(LED光源モジュール20)の周囲温度を随時監視する。
【0015】
駆動回路(赤)40は、赤色LED21を定電流駆動させる。同様に、駆動回路(緑)41および駆動回路(青)42は、緑色LED22および青色LED23をそれぞれ定電流駆動する。これらの駆動回路は、制御装置33から出力されるPWM制御信号45及び調光回路43から出力されるPWM制御信号46に応じて動作するPWM駆動機能を有する。
【0016】
制御装置33から出力されるPWM制御信号45は、赤色LED21、緑色LED22および青色LED23のそれぞれを別々にデューティ(DUTY)制御し、各色LEDから発生する光量の割合を調整し、ホワイトバランスを決めるものである。ここで、DUTY制御とは、各LEDを駆動するPWM(パルス幅変調)信号のパルス幅を制御することをいう。このパルス幅を変えることにより、各LEDから発生する光量の割合を調整することができる。
【0017】
一方、調光回路43は、制御装置33から出力される調光信号48に基づいてPWM制御信号46を駆動回路(赤)40、駆動回路(緑)41および駆動回路(青)42に対して同一の信号で出力し、赤色LED21、緑色LED22および青色LED23からの出射光を混合した全体の白色光量を調整するものである。すなわち、本発明では、PWM制御信号45によって白色光のホワイトバランスをとることができ、さらにPWM制御信号46によって白色光の全体の明るさの制御を行うことができる。調光回路43は機能的に同等であるならば制御装置33に取り込んでも良いが、ここでは別々の回路として説明を行う。
【0018】
図2(a)〜(c)は、本実施例において、LED温度センサー30の検出温度と目標となるデューティ(DUTY)比の関係を示すグラフである。ここで、DUTY比とは、各LEDを駆動するPWM(パルス幅変調)信号のパルス繰返し周期とパルス幅の比である。横軸はLED検出温度、縦軸は目標となるDUTY比である。例えば、図2(a)において、50の特性線は、赤色LED21の明るさ最大時のものであり、51は明るさ半分の時の特性線、52は明るさが最小であるときの特性線である。同様に、図2(b)は、緑色LED22の明るさ最大時の特性線53、明るさ半分の時の特性線54、明るさ最時の特性曲線55を示すものであり、図2(c)は、青色LED23の明るさ最大時の特性線56、明るさ半分の時の特性線57、明るさ最小時の特性線58を示すものである。
【0019】
図2(a)〜(c)における各LEDの明るさ最大設定時、明るさ半分設定時および明るさ最小設定時の各場合は、図1に示す調光回路43による設定に依存する。すなわち、各LEDからの出射光で形成される白色光は、赤色LED21を駆動する駆動回路(赤)40、緑色LED22を駆動する駆動回路(緑)41、青色LED23を駆動する駆動回路(青)42によりホワイトバランスを保持した状態で、調光回路43による設定の明るさとなる。調光回路43の明るさ設定値は、ユーザー調光設定47でユーザーが任意に変えることができる。この設定値は、本実施例で示す最大、半分、最少の3段階に限定されるものではなく、任意の複数段階で行うことができ、また段階をふむことなく連続的に行うこともできる。
【0020】
図2(a)〜(c)の各特性線は、図3(a)〜(c)に示すLED温度センサーの検出温度と輝度との関係のグラフと相関性を持っている。図3の横軸は検出温度、縦軸は輝度である。図3(a)において、60は赤色LED21の明るさ最大時の特性を示し、図2(a)の50の特性線と相関性がある。図3(a)の61、62はそれぞれLED光源モジュール20の明るさ半分の時、最小時の特性を示し、図2(a)の51、52の特性線と相関性がある。同様に、図3(b)において、緑色LED22の明るさ最大時、半分の時、最小時の特性は63、64、65であり、図2(b)の53、54、55の特性線と相関性がある。同じく、図3(c)において、青色LED23の明るさ最大時、半分の時、最小時の特性は66、67、68であり、図2(c)の56、57、58の特性線と相関性がある。すなわち、温度に対応して各LEDの所望の輝度を得るためのDUTY比を図2および図3から求めることができるのである。
【0021】
制御装置33には、上述した図2および図3に示すような特性線と等価なデータおよび各LEDの輝度に関連する白色光のホワイトバランスの条件が、輝度制御テーブルとして記憶装置34に格納されている。これにより、制御装置33は、赤色LED21、緑色LED22および青色LED23のジャンクション温度に対応するDUTY比をそれぞれ設定することができる。制御装置33は、ユーザーの行った調光設定47に応じて調光回路43へ調光度の情報(調光信号)48を送信し、同時にその調光度に応じて図2および図3に示す特性線と等価なデータが記憶された輝度制御テーブルから所定のデータを選定し、赤色LED21、緑色LED22および青色LED23の温度変化に対応するDUTY比を設定することにより、白色光のホワイトバランスをとることができる。
【0022】
駆動回路(赤)40は、赤色LED21を駆動するためのものである。前記赤色LEDの明るさは、制御装置33でLED温度センサー30の検出温度に応じて決定された目標DUTY値の出力に従属する。駆動回路(緑)41および駆動回路(青)42も同様に、それぞれ緑色LED22および青色LED23を駆動させるためのものであり、制御装置33でLED温度センサー30の検出温度に応じて決定された目標DUTY値の出力にそれぞれ従属する。
【0023】
上述の駆動回路は、消費電力を小さくできることから、LEDに与える駆動波形をON/OFFさせるPWM(パルス幅変調)を適用する。よって構成としては、制御装置33よりD/Aコンバータを通じて、赤色LED21、緑色LED22および青色LED23に各々対応して出力される直流電圧を、電圧に比例したパルス幅を持つパルスへと変換する回路を構成する。
【0024】
図1を用いて本発明の動作を説明する。制御装置33にはLED温度センサー30の検出温度情報(LED温度値)49が随時与えられ、記憶装置34の輝度制御テーブルに記憶された温度とDUTY比の関係から所定のデータを読み取り、目標DUTY比を出力する。また、記憶装置34に記憶された輝度制御テーブルのデータの読み取りは、ユーザーが所望した明るさを設定(調光回路43が明るさ制御する)した時は、その時点での明るさに対応したデータを読み取る。
【0025】
各色LEDは、図3に示すように、動作開始後徐々に自己発熱によって温度が上昇していくが、そのため徐々にその輝度が低下していく。その低下割合は図3(a)〜(c)に示すように各色LEDによって異なるため、LED電源装置1から出射する白色光は動作開始直後のホワイトバランスが温度上昇とともに徐々に変化していくことになる。そこで、図2(a)〜(c)に示す輝度制御テーブルからLED温度センサー30の検出温度情報に対応する各LEDのDUTY比を読みとり、各LED温度に従って、各LEDを駆動するDUTYを逐次変化させることにより、ホワイトバランスを一定に保つことができる。
【0026】
上述の動作は、白色光のホワイトバランスを一定に保つ動作であり、白色光全体の明るさを一定に保つ機能は有さない。ところが、各LEDは図3(a)〜(c)に示すように温度が上昇するともに明るさが低下するという特性を有するため、例えば動作開始直後の温度が低い状態の時は全体の明るさが明るく、各LEDの温度が上昇していくとともにだんだん暗くなってくる、という現象が発生する。そこで、更に周囲温度センサー31の検出温度情報(周囲温度値)44を基に各LEDの最終到達温度(平衡状態温度)を予測し、それに応じて各LEDを駆動する信号のDUTY比を制御する。これにより白色光全体の明るさを一定に保つことができ、したがって画面の明るさも一定に保つことができる。
【0027】
すなわち、LED電源装置1の動作開始直後のまだLED温度センサー30取り付け部温度が上昇過程にある時点で、周囲温度センサー31の検出温度とユーザーが所望した明るさの設定値から、各LEDの最終到達温度を予測し、その最終到達温度に応じた白色光の明るさを予測する。そして、動作開始直後からその予測された白色光の明るさとなるように、LED温度センサー30の測定した温度を基に逐次DUTY比を設定する。動作開始後LED温度センサー30の検出温度は徐々に上昇していくが、その検出温度に応じて制御装置33内に記憶された輝度制御テーブルに従って決定されるDUTY比で各LEDを駆動する。以上により、前記予測された最終到達温度の時の白色光の明るさに、動作開始直後から温度安定後まで、保つことができるようになる。
【0028】
このように本発明によれば、LED温度センサー30の検出温度から、目標DUTY比を出力して動作させることで、温度変化による各LEDの輝度変化による白色光のホワイトバランスの変化を無効化し、安定した色度の白色光を保持することができる。また更に周囲温度センサー31の検出温度から最終的に安定する温度を予測することで、動作開始直後からLED温度が上昇していく過程で生じる白色光の明るさ(画面の明るさ)の変化を抑制できることとなる。
【0029】
図4は、本発明に係るLED光源装置に用いられるLED搭載基板の一例を示す構造概略図である。本例のLED搭載基板24は、図示のように、基板上に1つの赤色LED21と2つの緑色LED22と1つの青色LED23を四角形状に配置したLEDユニット70を複数個一次元に配置したものであるが、これを二次元に配置してもよい。また、本例では、基板上の中程に、1つのLED温度センサー30を配置しているが、これを複数配置してもよい。各LEDユニット70のLEDは、アノードがコネクタ71に配線73を介して接続され、カソードがコネクタ72に配線74を介して接続される。そして、コネクタ71は駆動回路40〜42のアノード側に、コネクタ72は駆動回路40〜42のカソード側に接続される。LED温度センサー30の検出信号(LED温度値)は、本例では配線75およびコネクタ71を介して制御装置33に伝達される。
【0030】
LED温度センサー30を、赤色LED21、緑色LED22および青色LED23と同基板であるLED搭載基板24に搭載することで、ここに搭載されたLEDの自己発熱による温度変化を検出することが可能となる。LED温度センサー30は、LEDジャンクション部に極力近い位置に搭載するので、温度を敏感かつ高精度で検出できる。より高精度で温度を検出するため、LED温度センサー30を各LEDユニット70に近接して複数搭載し、それらの検出値の平均値をLED温度値とすることもできる。また、LED温度センサー30は、LED搭載基板24に表面実装するので、取付が容易であり且つ取付位置を一様にすることができる。
【0031】
本発明に係るLED光源装置によれば、LEDの温度を検出するための温度センサーおよびLED光源装置の周囲温度を検出する温度センサーを用いることにより、高価な光センサーを使用することなく、白色光のホワイトバランスを一定に保つことができる。このため、本LED光源装置を例えば液晶表示装置に用いた場合、製品として廉価な液晶表示装置を提供することができる。
【0032】
LED温度センサーは、取付位置が肝要であり、製造上一様に取り付けなければ、検出する温度値が適切でなくなる問題が発生するが、本発明のようにLED温度センサーを各LEDを搭載するLED搭載基板に搭載することで、当該問題を回避することができる。
このように、本発明では、発光色の異なる複数のLEDを備えたLED光源装置において、予め各色LEDの温度と輝度の関係を測定しておき、それを基にLED光源装置から出射される白色光のホワイトバランスを保つための各色LEDの温度と各色LEDに流す電流値の関係を求めておく。そしてLEDの温度を検知する温度センサーを設け、その検出温度と上記ホワイトバランスを保つための各色LEDの温度と各色LEDに流す電流値の関係とから、各色LEDに流す電流を設定する。これにより、使用する環境の温度やLED自体の自己温度上昇により装置の温度が変化しても、常に白色光のホワイトバランスを保つことができる。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明は白色光を出射するLED光源装置に係り、特に出射する白色光のホワイトバランスを保持することができるLED光源装置に関するものであり、産業上の利用可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明に係るLED光源装置の一実施例を示す図である。
【図2】(a)〜(c)は、本実施例において、LED温度センサー30の検出温度と目標となるデューティ(DUTY)比の関係を示すグラフである。
【図3】(a)〜(c)はLED温度センサーの検出温度と輝度との関係を示すグラフである。
【図4】本発明に係るLED光源装置に用いられるLED搭載基板の一例を示す構造概略図である。
【符号の説明】
【0035】
10 液晶パネル
11 導光板
12 混色手段
20 LED光源モジュール
21 赤色LED
22 緑色LED
23 青色LED
24 LED搭載基板
30 LED温度センサー
31 周囲温度センサー
33 制御装置
40、41、42 駆動回路
43 調光回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光色の異なる複数の発光ダイオードと、前記複数の発光ダイオードから出射される異なる発光色の光を混色するための混色手段と、前記複数の発光ダイオードにそれぞれ駆動電流を供給するための駆動回路と、前記駆動回路を制御するための制御装置とを備えたLED光源装置であって、さらに前記発光ダイオードの温度を検出するLED温度検出手段を備え、前記制御装置が前記LED温度検出手段の検出温度に基づいて前記駆動回路から前記複数の発光ダイオードにそれぞれ供給される駆動電流を調整するための制御信号を前記駆動回路に出力することを特徴とするLED光源装置。
【請求項2】
前記複数の発光ダイオードがそれぞれ共通基板に実装され、かつ前記LED温度検出手段が前記共通基板に搭載されたことを特徴とする請求項1記載のLED光源装置。
【請求項3】
さらにLED光源装置の周囲温度を検出する周囲温度検出手段を備え、前記制御装置が前記周囲温度検出手段の検出温度に基づいて前記発光ダイオードの最終到達温度を予測し、前記予測した最終到達温度に応じて前記駆動回路から前記複数の発光ダイオードにそれぞれ供給される駆動電流を調整するための制御信号を前記駆動回路に出力することを特徴とする請求項1または2記載のLED光源装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載のLED光源装置を光源に用いたことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項5】
発光色の異なる複数の発光ダイオードと、前記複数の発光ダイオードから出射される異なる発光色の光を混色するための混色手段と、前記複数の発光ダイオードにそれぞれ駆動電流を供給するための駆動回路と、前記駆動回路を制御するための制御装置とを備えたLED光源装置の制御方法であって、前記発光ダイオードの温度を検出し、前記制御装置により前記検出した発光ダイオードの温度に基づいて前記複数の発光ダイオードにそれぞれ供給すべき駆動電流を求め、前記求めた駆動電流を前記複数の発光ダイオードにそれぞれ供給するための制御信号を前記駆動回路に出力することを特徴とするLED光源装置の制御方法。
【請求項6】
さらにLED光源装置の周囲温度を検出し、前記制御装置により前記検出した周囲温度に基づいて前記発光ダイオードの最終到達温度を予測し、前記予測した最終到達温度に応じて前記駆動回路から前記複数の発光ダイオードにそれぞれ供給される駆動電流を調整するための制御信号を前記駆動回路に出力することを特徴とする請求項5記載のLED光源装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−95391(P2007−95391A)
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−280931(P2005−280931)
【出願日】平成17年9月27日(2005.9.27)
【出願人】(000005474)日立ライティング株式会社 (130)
【Fターム(参考)】