RFタグ読み書き装置
【課題】アンテナのサイズに制約があっても、所望の通信距離を適切に確保する。
【解決手段】RFタグ読み書き装置1において、多層基板5の第1のグランド層8aと第2のグランド層8bとをインダクタ13を介して接続し、第1のグランド層8aの長手方向の寸法を誘電体アンテナ6により放射・捕捉される電波の波長の2分の1倍に相当する寸法とし、誘電体アンテナ6を第1のグランド層8aの中央部に配置した。第1のグランド層8aを誘電体アンテナ6から放射された電波を反射する反射板として機能させることができる。
【解決手段】RFタグ読み書き装置1において、多層基板5の第1のグランド層8aと第2のグランド層8bとをインダクタ13を介して接続し、第1のグランド層8aの長手方向の寸法を誘電体アンテナ6により放射・捕捉される電波の波長の2分の1倍に相当する寸法とし、誘電体アンテナ6を第1のグランド層8aの中央部に配置した。第1のグランド層8aを誘電体アンテナ6から放射された電波を反射する反射板として機能させることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、誘電体アンテナにより放射・捕捉される電波を介してRFタグに対してデータを読み書きするRFタグ読み書き装置に関する。
【背景技術】
【0002】
誘電体アンテナが基板上に実装されている構成として例えば特許文献1、2に示すものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−60823号公報
【特許文献2】特開2005−184615号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、RFタグを利用したデータ通信は長い通信距離を確保することができる点に特徴を有するが、小型のRFタグ読み書き装置やハンディ型のRFタグ読み書き装置では、構造上の制約により、アンテナのサイズを適切に確保することが困難であり、利得を高めることができず、所望の通信距離を確保することができないのが現状である。
【0005】
又、アンテナの方式としては直線偏波と回転偏波とがあるが、直線偏波はアンテナとRFタグとの位置関係によりデータ通信が成立する場合と成立しない場合とがあり、ハンディ型のRFタグ読み書き装置のようなRFタグとの相対位置が変動する態様には不適であり、回転偏波が望まれている。しかしながら、回転偏波はアンテナの面上に電流を流す必要があり、アンテナのサイズを大きくする必要がある。このような事情からも、アンテナのサイズが小さい場合には、利得を高めることができず、所望の通信距離を確保することができない。
【0006】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、アンテナのサイズに制約がある場合であっても、所望の通信距離を適切に確保することを可能とするRFタグ読み書き装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載した発明によれば、誘電体の上部に導体部が搭載されてなる誘電体アンテナ背面側に、誘電体アンテナの導体部が電波を放射する放射方向とは反対側に位置するように導体部材を設け、導体部材を長手方向の寸法が誘電体アンテナの導体部により放射・捕捉される電波の波長の2分の1倍に相当する寸法に構成されている一の導体部材と一の導体部材に対して長手方向に設けられている他の導体部材とを有し、一の導体部材と他の導体部材とが両者を直流的に接続し且つ高周波的に分離する性質を有する接続手段を介して接続されるように構成したので、一の導体部材を誘電体アンテナから放射された電波を反射する反射板として機能させることができ、誘電体アンテナから直接放射された電波と誘電体アンテナから放射されて一の導体部材で反射された電波とを合成させることで利得を高めることができる。これにより、誘電体アンテナのサイズに制約がある場合であっても、所望の通信距離を適切に確保することができる。
【0008】
すなわち、RFタグ読み書き装置のサイズによっては導体部材の長手方向の寸法を誘電体アンテナにより放射・捕捉される電波の波長の2分の1倍に相当する寸法よりも長く構成する必要があり、導体部材を誘電体アンテナから放射された電波を反射する反射板として機能させるには導体部材を分割せざるを得ないものであるが、単純に導体部材を分割すると、グランドとして機能させることができないという新たな問題が発生する。このような問題に対して、長手方向の寸法が誘電体アンテナにより放射・捕捉される電波の波長の2分の1倍に相当する寸法に構成されている一の導体部材と、一の導体部材に対して長手方向に設けられている他の導体部材とで構成し、それら一の導体部材と他の導体部材とを両者を直流的に接続し且つ高周波的に分離する性質を有する接続手段を介して接続して構成することにより、一の導体部材における他の導体部材側の端部において当該他の導体部材による影響を排除することができ、一の導体部材を誘電体アンテナから放射された電波を反射する反射板としても適切に機能させることができ、且つ、一の導体部材と他の導体部材とをグランドとして機能させることができる。
【0009】
請求項2に記載した発明によれば、誘電体アンテナを平板形状をなす多層基板上に実装し、一の導体部材を多層基板における多数の層のうち一の層をなす導体層から構成したので、誘電体アンテナから放射された電波を反射する反射板として機能させる一の導体部材を多層基板における多数の層のうち一の層をなす導体層を用いて実現することができる。
【0010】
請求項3に記載した発明によれば、導体層をグランド層又は電源層から構成したので、誘電体アンテナから放射された電波を反射する反射板として機能させる一の導体部材を多層基板における多数の層のうち一の層をなすグランド層又は電源層を用いて実現することができる。
【0011】
請求項4に記載した発明によれば、接続手段をインダクタにより構成したので、インダクタを適用することで一の導体部材を誘電体アンテナから放射された電波を反射する反射板として適切に機能させることができる。
【0012】
請求項5に記載した発明によれば、接続手段をインダクタとコンデンサとを備える並列共振回路により構成したので、インダクタとコンデンサとを備える並列共振回路を適用することで一の導体部材を誘電体アンテナから放射された電波を反射する反射板として適切に機能させることができる。
【0013】
請求項6に記載した発明によれば、並列共振回路の共振周波数が誘電体アンテナの導体部により放射・捕捉される電波の周波数と略一致するように構成したので、特性を最適化することができる。
【0014】
請求項7に記載した発明によれば、誘電体アンテナの導体部により放射・捕捉される電波の波長の2分の1倍に相当する寸法に構成されている羽導体部材を備え、一の導体部材の長手方向と羽導体部材の長手方向とが直交するように一の導体部材と羽導体部材とを配置したので、一の導体部材を誘電体アンテナから放射された電波を反射する反射板として機能させることができることに加えて、羽導体部材をも誘電体アンテナから放射された電波を反射する反射板として機能させることができ、所望の通信距離をより適切に確保することができる。又、羽導体部材を誘電体アンテナにより放射・捕捉される電波の波長の2分の1倍に相当する寸法に構成したので、軸比を「1(0dB)」に近づけることにより、RFタグ読み書き装置の向きに拘らずRFタグに対してデータを適切に読み書きすることができる。
【0015】
請求項8に記載した発明によれば、羽導体部材を格納状態と展開状態との間で回動可能とし、格納状態で導体部材の長手方向に沿うように構成し、展開状態で一の導体部材の長手方向に対して直交する方向に誘電体アンテナの導体部により放射・捕捉される電波の波長の2分の1倍に相当する寸法を有するように構成したので、RFタグに対してデータを読み書きしないときには羽導体部材を格納状態に回動させ、RFタグに対してデータを読み書きするときにのみ羽導体部材を展開状態に回動させれば良く、使い勝手を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1の実施形態を示すもので、RFタグ読み書き装置の平面図及び縦断側面図
【図2】誘電体アンテナが実装されている多層基板の平面図及び縦断側面図
【図3】機能ブロック図
【図4】測定結果を示す図
【図5】図4相当図
【図6】図4相当図
【図7】本発明の第2の実施形態を示すもので、誘電体アンテナが実装されている多層基板の平面図及び縦断側面図
【図8】図4相当図
【図9】図4相当図
【図10】図4相当図
【図11】図4相当図
【図12】本発明の第3の実施形態を示すもので、RFタグ読み書き装置の平面図及び縦断側面図
【図13】図4相当図
【発明を実施するための形態】
【0017】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について、図1乃至図6を参照して説明する。図1(a)はRFタグ読み書き装置の平面図を示しており、図1(b)はRFタグ読み書き装置の縦断側面図を示している。RFタグ読み書き装置(リーダライタ)1は、ユーザが把持可能なハンディ型のものであり、その筐体2は幅広な頭部2aとユーザが把持する把持部2bとが組み合わされて構成されている。頭部2aには例えば液晶ディスプレイからなる表示部3が設けられており、把持部2bには複数のキーが配列されてなるキー操作部4が設けられている。筐体2の内部にはメイン基板としての多層基板5が実装されており、その多層基板5の一方の表面部には誘電体アンテナ6とRFタグ制御部7(本発明でいうRFタグ制御手段)とが実装されている。
【0018】
図2(a)は誘電体アンテナ6が実装されている多層基板5の平面図を示しており、図2(b)は誘電体アンテナ6が実装されている多層基板5の縦断側面図を示している。多層基板5は、その両表面部に電子部品を実装可能に構成されていると共に、その内部にはグランド層8(本発明でいう導体部材)及び電源層9が積層されている。上記した誘電体アンテナ6は、矩形状の誘電体10の上部に金属板からなる導体部11が搭載されて構成されている。多層基板5は、その長手方向の寸法(図2中「L1」にて示す)が誘電体アンテナ6により放射・捕捉される電波の波長の2分の1倍に相当する寸法よりも長く構成されている。グランド層8は、第1のグランド層8a(本発明でいう一の導体部材)と第2のグランド層8b(本発明でいう他の導体部材)とが接続手段12を介して接続されて構成されている。
【0019】
第1のグランド層8aは、その長手方向の寸法(図2中「L2」にて示す)が誘電体アンテナ6により放射・捕捉される電波の波長の2分の1倍に相当する寸法と同等に構成されている。誘電体アンテナ6は、第1のグランド層8aの長手方向の端部から誘電体アンテナ6により放射・捕捉される電波の波長の4分の1倍に相当する寸法だけ離れた位置、つまり、第1のグランド層8aの長手方向の中央部に搭載されている。接続手段12は、第1のグランド層8aと第2のグランド層8bとを直流的に接続し且つ高周波的に分離する性質を有する手段であり、具体的にはインダクタ13の単体である。又、筐体2の内部にはRFタグ読み書き装置1の動作電力を各部に供給するバッテリ14が搭載されている。
【0020】
図3は、上記したRFタグ読み書き装置1の電気的な構成を機能ブロック図により示している。処理部15は、CPU16、メモリ17及び入出力部18を有し、上記した表示部3、キー操作部4及びRFタグ制御部7を接続して構成されている。CPU16は、データ通信指令をRFタグ制御部7に出力することにより、送信データを変調して所定周波数の電波を誘電体アンテナ6から放射する送信処理及び誘電体アンテナ6により捕捉された所定周波数の電波を復調して受信データを抽出する受信処理をRFタグ制御部7により行わせる。又、CPU16は、表示指令を表示部3に出力することにより、各種の表示情報を表示部3に表示させ、ユーザがキー操作部4を操作したことに応じてキー操作部4から入力した操作信号を受付けて処理する。尚、処理部15を構成する各種の電子部品は多層基板5の表面上に実装されている。尚、誘電体アンテナ6が放射・捕捉する電波の所定周波数は例えば952〜954[MHz]である。
【0021】
上記した構成では、第1のグランド層8aの長手方向の寸法が誘電体アンテナ6により放射・捕捉される電波の波長の2分の1倍に相当する寸法とされ、且つ、誘電体アンテナ6が第1のグランド層8aの長手方向の中央部に搭載されている構成を採用しているが、これは、以下の理由を根拠とするものである。すなわち、発明者は、上記した第1のグランド層8aを金属板と見做し、誘電体アンテナと金属板との関係について以下の(1)、(2)を測定した。尚、ここでいう第1のグランド層8aの長手方向の中央部とはある程度の幅を有する範囲を示す。
(1)金属板の長さ(長手方向の寸法)を変化させたときのV偏波の最大利得の変化
(2)金属板の中央部から誘電体アンテナまでの距離を変化させたときのV偏波の最大利得の変化
【0022】
図4は、上記した(1)における測定条件(a)及び測定結果(b)を示しており、金属板の幅が「40mm」、誘電体アンテナの背面から金属板までの距離が「5mm」、誘電体アンテナの位置が金属板の端部から「25mm」のときに、金属板の長さaを「40〜200mm」で変化させたときの、V偏波の最大利得の変化を示している。この測定結果から明らかなように、金属板の長さが「約145mm」であるときにV偏波の最大利得が最良であることが判る。この金属板の長さである「約145mm」は誘電体アンテナ6が放射・捕捉する所定周波数である例えば952〜954[MHz]の電波の波長の2分の1倍に近い値である。
【0023】
図5は、上記した(2)における測定条件(a)及び測定結果(b)を示しており、金属板の幅が「40mm」、金属板の長さが「140mm」、誘電体アンテナの背面から金属板までの距離が「5mm」のときに、金属板の中央部から誘電体アンテナまでの距離bを「−50〜0mm」で変化させたときの、V偏波の最大利得の変化を示している。この測定結果から明らかなように、金属板の中央部から誘電体アンテナまでの距離が「0mm」であるときに(誘電体アンテナが金属板の中央部に近いほど)V偏波の最大利得が最良であることが判る。これは、誘電体アンテナが金属板の中央部に搭載されていることにより、金属板が誘電体アンテナから放射された電波を反射する反射板として機能し、誘電体アンテナから直接放射された電波と誘電体アンテナから放射されて金属板で反射された電波とが合成されることで利得が高められるためである。
【0024】
以上に示した測定結果を根拠として、本実施形態では、ハンディ型のRFタグ読み書き装置1における誘電体アンテナ6のサイズの制約を解消するために、第1のグランド層8aの長手方向の寸法を誘電体アンテナ6により放射・捕捉される電波の波長の2分の1倍に相当する寸法とし、且つ、誘電体アンテナ6を第1のグランド層8aの長手方向の中央部に搭載しているものである。
【0025】
又、発明者は、第1のグランド層8aと第2のグランド層8bとを接続する接続手段12としてインダクタ13の単体を適用したことによる影響について測定した。図6は、その測定結果を示すもので、第1のグランド層8aに相当する第1の金属板の幅が「40mm」、第1の金属板の長さが「145mm」、誘電体アンテナの背面から第1の金属板までの距離が「5mm」、第2のグランド層8bに相当する第2の金属板の幅が「40mm」、第2の金属板の長さが「52mm」、第1の金属板と第2の金属板との間隔が「3mm」のときに、インダクタ13のインダクタンスを変化させたときの利得の変化を示している。図6で「基板長145mm」に対応する「○」は、上記した第2の金属板が省略されている状態での利得を示しており、目標値である。この測定結果から明らかなように、インダクタ13の単体を挿入するときには、40[nH]以上のインダクタを挿入することで目標値と同等の利得が得られていることが判る。つまり、第1の金属板における第2の金属板側の端部において当該第2の金属板による影響を排除することができ、第1の金属板を誘電体アンテナから放射された電波を反射する反射板として適切に機能させていることが判る。
【0026】
以上に説明したように第1の実施形態によれば、RFタグ読み書き装置1において、多層基板5の第1のグランド層8aの長手方向の寸法を誘電体アンテナ6により放射・捕捉される電波の波長の2分の1倍に相当する寸法としたので、第1のグランド層8aを誘電体アンテナ6から放射された電波を反射する反射板として機能させることができ、誘電体アンテナ6から直接放射された電波と誘電体アンテナ6から放射されて第1のグランド層8aで反射された電波とを合成させることで利得を高めることができ、誘電体アンテナ6のサイズに制約がある場合であっても、所望の通信距離を適切に確保することができる。
【0027】
又、誘電体アンテナ6を第1のグランド層8aの長手方向の中央部に配置したので、利得をより確実に高めることができる。又、第1のグランド層8aを誘電体アンテナ6から放射された電波を反射する反射板として機能させるように構成したので、反射板として機能させる層を別途設ける必要がなく、第1のグランド層8aを用いて実現することができる。
【0028】
又、第1のグランド層8aと第2のグランド層8bとを両者を直流的に接続し且つ高周波的に分離する性質を有する接続手段12を介して接続して構成したので、多層基板5の長手方向の寸法を誘電体アンテナ6により放射・捕捉される電波の波長の2分の1倍に相当する寸法よりも長く構成する必要がある場合であっても、第1のグランド層8aにおける第2のグランド層8b側の端部において当該第2のグランド層8bによる影響を排除することができ、第1のグランド層8aを誘電体アンテナ6から放射された電波を反射する反射板として適切に機能させることができ、且つ、第1のグランド層8aと第2のグランド層8bとをグランドとして機能させることができる。
【0029】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について、図7乃至図11を参照して説明する。尚、上記した第1の実施形態と同一部分については説明を省略し、異なる部分について説明する。この第2の実施形態は、第1のグランド層8aと第2のグランド層8bとを接続する接続手段21としてインダクタ22とコンデンサ23とからなる並列共振回路を適用し、並列共振回路の共振周波数を誘電体アンテナ6により放射・捕捉される電波の周波数と略一致するように構成したものである。
【0030】
図7(a)は誘電体アンテナ6が実装されている多層基板5の平面図を示しており、図7(b)は誘電体アンテナ6が実装されている多層基板5の縦断側面図を示している。この場合も、発明者は、第1のグランド層8aと第2のグランド層8bとを接続する接続手段21としてインダクタ22とコンデンサ23とからなる並列共振回路を適用したことによる影響について測定した。図8乃至図10は、それらの測定条件(a)及び測定結果(b)を示しており、第1のグランド層8aに相当する第1の金属板の幅が「40mm」、第1の金属板の長さが「145mm」、誘電体アンテナの背面から第1の金属板までの距離が「5mm」、第2のグランド層8bに相当する第2の金属板の幅が「40mm」、第2の金属板の長さが「52mm」、第1の金属板と第2の金属板との間隔が「3mm」のときに、インダクタ22のインダクタンスやコンデンサ23の容量を変化させたときの利得の変化を示している。図8乃至図10で「基板長145mm」に対応する「○」は、上記した第2の金属板が省略されている状態での利得を示しており、「L,Cなし」に対応する「△」は、上記した第2の金属板が存在するがインダクタ22とコンデンサ23が省略されている状態での利得を示しており、目標値である。
【0031】
これらの測定結果から明らかなように、並列共振回路を挿入するときには、インダクタ22のインダクタンスが68[nH]であるときにはコンデンサ23の容量が0.6〜0.8[pF]の範囲で目標値と同等の利得が得られていることが判る。又、コンデンサ23の容量が0.7[pF]であるときにはインダクタ22のインダクタンスが60〜80[nH]の範囲で目標値と同等の利得が得られていることが判る。又、インダクタ22のインダクタンスが15[nH]であるときにはコンデンサの容量が約2[pF]で目標値と同等の利得が得られていることが判る。つまり、第1の実施形態と同様にして、第1の金属板における第2の金属板側の端部において当該第2の金属板による影響を排除することができ、第1の金属板を誘電体アンテナから放射された電波を反射する反射板として適切に機能させていることが判る。
【0032】
又、発明者は、第2のグランド層8bに相当する第2の金属板の長手方向の寸法を変化させたことによる影響について測定した。図11は、その測定条件(a)及び測定結果(b)を示しており、第1のグランド層8aに相当する第1の金属板の幅が「40mm」、第1の金属板の長さが「145mm」、誘電体アンテナの背面から第1の金属板までの距離が「5mm」、第2のグランド層8bに相当する第2の金属板の幅が「40mm」、第1の金属板と第2の金属板との間隔が「3mm」、インダクタ22のインダクタンスが68[nH]であるときに、第2の金属板の長さcを変化させたときの利得の変化を示している。この測定結果から明らかなように、第2の金属板の長さに拘らず目標値と同等の利得が得られていることが判る。つまり、第2の金属板の長さに拘らず第1の金属板における第2の金属板側の端部において当該第2の金属板による影響を排除することができ、第1の金属板を誘電体アンテナから放射された電波を反射する反射板として適切に機能させていることが判る。
【0033】
以上に説明したように第2の実施形態によれば、第1のグランド層8aと第2のグランド層8bとを両者を直流的に接続し且つ高周波的に分離する性質を有する接続手段21としてインダクタ22とコンデンサ23とからなる並列共振回路が適用した場合でも、上記した第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができ、第1のグランド層8aを誘電体アンテナ6から放射された電波を反射する反射板として適切に機能させることができ、且つ、第1のグランド層8aと第2のグランド層8bとをグランドとして機能させることができる。
【0034】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について、図12及び図13を参照して説明する。尚、上記した第1の実施形態と同一部分については説明を省略し、異なる部分について説明する。この第3の実施形態は、上記した第1の実施形態に対して羽アンテナ部を追加したものである。
【0035】
図12(a)、(b)はRFタグ読み書き装置の平面図を示しており、図12(c)はRFタグ読み書き装置の縦断側面図を示している。すなわち、RFタグ読み書き装置31の筐体32は頭部32aと把持部32bとが同一幅で構成されており、頭部32aには表示部33が設けられており、把持部32bには上記した第1の実施形態で説明したキー操作部4が設けられている。筐体32の内部にはメイン基板としての多層基板34が設けられており、その多層基板34の一方の表面部には上記した第1の実施形態で説明した誘電体アンテナ6とRFタグ制御部7とが実装されている。
【0036】
多層基板34は、その両表面部に電子部品を実装可能に構成されていると共に、その内部にはグランド層35及び電源層が積層されている。グランド層35は、上記した第1の実施形態で説明したグランド層8と同様にして、第1のグランド層35a(本発明でいう一の導体部材)と第2のグランド層35b(本発明でいう他の導体部材)とが接続手段36を介して接続されて構成されている。第1のグランド層35aは、その長手方向の寸法(図12中「L3」にて示す)が誘電体アンテナ6により放射・捕捉される電波の波長の2分の1倍に相当する寸法と同等に構成されている。誘電体アンテナ6は、第1のグランド層35aの長手方向の端部から誘電体アンテナ6により放射・捕捉される電波の波長の4分の1倍に相当する寸法だけ離れた位置、つまり、第1のグランド層35aの長手方向の中央部に搭載されている。
【0037】
そして、この第3の実施形態では、第1のグランド層35aに左右対称に羽アンテナ部37(本発明でいう羽導体部材)が回動可能に設けられている。羽アンテナ部37は、筐体32の長手方向に沿って格納される格納状態と、それらの先端側が筐体32から突出される展開状態との間で回動可能になっており、展開状態での寸法(図12中「L4」にて示す)は誘電体アンテナ6により放射・捕捉される電波の波長の2分の1倍に相当する寸法とされている。これは、以下の理由を根拠とするものである。すなわち、発明者は、羽アンテナ部の形状について軸比を測定した。
【0038】
図13は、測定条件(a)及び測定結果(b)を示しており、金属板の幅が「40mm」、金属板の長さが「140mm」、誘電体アンテナの背面から金属板までの距離が「5mm」のときに、羽アンテナ部の形状(横方向の寸法d及び縦方向の寸法e)を変化させたときの軸比の変化を示している。この測定結果から明らかなように、羽アンテナ部の横方向の寸法が「約120mm」であるときに軸比が最良(軸比が「1(0dB)」に近い)であることが判り、この羽アンテナ部の横方向の寸法である「約120mm」は誘電体アンテナが放射・捕捉する所定周波数である例えば952〜954[MHz]の電波の波長の2分の1倍に近い値である。
【0039】
この場合、軸比が「1」から大きく外れてしまうと、RFタグ読み書き装置31においてデータを読み書き可能な向きと読み書き不可能な向きとが発生することになるので、軸比は「1」に近い方が望ましい。本実施形態では、羽アンテナ部36の横方向の寸法を誘電体アンテナ6が放射・捕捉する所定周波数である例えば952〜954[MHz]の電波の波長の2分の1倍に近い値にすることにより、軸比を「1」に近い値としており、その結果、ユーザは、RFタグ読み書き装置31の向きを意識することなく、データを読み書きすることができ、使い勝手を高めることができる。
【0040】
以上に説明したように第3の実施形態によれば、RFタグ読み書き装置31において、羽アンテナ部37を設けたので、第1のグランド層35aを誘電体アンテナ6から放射された電波を反射する反射板として機能させることに加えて、羽アンテナ部37をも誘電体アンテナ6から放射された電波を反射する反射板として機能させることができ、所望の通信距離をより適切に確保することができる。又、羽アンテナ部37の寸法を誘電体アンテナ6により放射・捕捉される電波の波長の2分の1倍に相当する寸法に構成したので、軸比を略「1」にすることができ、RFタグ読み書き装置1の向きに拘らずRFタグに対してデータを適切に読み書きすることができ、使い勝手を高めることができる。
【0041】
さらに、羽アンテナ部37を格納状態と展開状態との間で回動可能に構成したので、RFタグに対してデータを読み書きしないときには羽アンテナ部37を格納状態に回動させ、RFタグに対してデータを読み書きするときにのみ羽アンテナ部37を展開状態に回動させれば良く、使い勝手を高めることができる。
【0042】
(その他の実施形態)
本発明は、上記した実施形態にのみ限定されるものではなく、以下のように変形又は拡張することができる。
RFタグ読み書き装置は、RFタグに対してデータを読み書きする専用の装置に限らず、RFタグに対してデータを読み書きするモジュールが組み込まれた携帯電話機や携帯情報端末などの携帯端末であっても良い。又、RFタグ読み書き装置は、固定されて用いられる態様のものであっても良い。
【符号の説明】
【0043】
図面中、1はRFタグ読み書き装置、6は誘電体アンテナ、7はRFタグ制御部(RFタグ制御手段)、8はグランド層(導体部材、導体層)、8aは第1のグランド層(一の導体部材)、8bは第2のグランド層(他の導体部材)、9は電源層、10は誘電体、11は導体部、12は接続手段、13はインダクタ、21は接続手段、22はインダクタ、23はコンデンサ、31はRFタグ読み書き装置、35はグランド層(導体部材、導体層)、35aは第1のグランド層(一の導体部材)、35bは第2のグランド層(他の導体部材)、36は接続手段、37は羽アンテナ部(羽導体部材)である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、誘電体アンテナにより放射・捕捉される電波を介してRFタグに対してデータを読み書きするRFタグ読み書き装置に関する。
【背景技術】
【0002】
誘電体アンテナが基板上に実装されている構成として例えば特許文献1、2に示すものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−60823号公報
【特許文献2】特開2005−184615号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、RFタグを利用したデータ通信は長い通信距離を確保することができる点に特徴を有するが、小型のRFタグ読み書き装置やハンディ型のRFタグ読み書き装置では、構造上の制約により、アンテナのサイズを適切に確保することが困難であり、利得を高めることができず、所望の通信距離を確保することができないのが現状である。
【0005】
又、アンテナの方式としては直線偏波と回転偏波とがあるが、直線偏波はアンテナとRFタグとの位置関係によりデータ通信が成立する場合と成立しない場合とがあり、ハンディ型のRFタグ読み書き装置のようなRFタグとの相対位置が変動する態様には不適であり、回転偏波が望まれている。しかしながら、回転偏波はアンテナの面上に電流を流す必要があり、アンテナのサイズを大きくする必要がある。このような事情からも、アンテナのサイズが小さい場合には、利得を高めることができず、所望の通信距離を確保することができない。
【0006】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、アンテナのサイズに制約がある場合であっても、所望の通信距離を適切に確保することを可能とするRFタグ読み書き装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載した発明によれば、誘電体の上部に導体部が搭載されてなる誘電体アンテナ背面側に、誘電体アンテナの導体部が電波を放射する放射方向とは反対側に位置するように導体部材を設け、導体部材を長手方向の寸法が誘電体アンテナの導体部により放射・捕捉される電波の波長の2分の1倍に相当する寸法に構成されている一の導体部材と一の導体部材に対して長手方向に設けられている他の導体部材とを有し、一の導体部材と他の導体部材とが両者を直流的に接続し且つ高周波的に分離する性質を有する接続手段を介して接続されるように構成したので、一の導体部材を誘電体アンテナから放射された電波を反射する反射板として機能させることができ、誘電体アンテナから直接放射された電波と誘電体アンテナから放射されて一の導体部材で反射された電波とを合成させることで利得を高めることができる。これにより、誘電体アンテナのサイズに制約がある場合であっても、所望の通信距離を適切に確保することができる。
【0008】
すなわち、RFタグ読み書き装置のサイズによっては導体部材の長手方向の寸法を誘電体アンテナにより放射・捕捉される電波の波長の2分の1倍に相当する寸法よりも長く構成する必要があり、導体部材を誘電体アンテナから放射された電波を反射する反射板として機能させるには導体部材を分割せざるを得ないものであるが、単純に導体部材を分割すると、グランドとして機能させることができないという新たな問題が発生する。このような問題に対して、長手方向の寸法が誘電体アンテナにより放射・捕捉される電波の波長の2分の1倍に相当する寸法に構成されている一の導体部材と、一の導体部材に対して長手方向に設けられている他の導体部材とで構成し、それら一の導体部材と他の導体部材とを両者を直流的に接続し且つ高周波的に分離する性質を有する接続手段を介して接続して構成することにより、一の導体部材における他の導体部材側の端部において当該他の導体部材による影響を排除することができ、一の導体部材を誘電体アンテナから放射された電波を反射する反射板としても適切に機能させることができ、且つ、一の導体部材と他の導体部材とをグランドとして機能させることができる。
【0009】
請求項2に記載した発明によれば、誘電体アンテナを平板形状をなす多層基板上に実装し、一の導体部材を多層基板における多数の層のうち一の層をなす導体層から構成したので、誘電体アンテナから放射された電波を反射する反射板として機能させる一の導体部材を多層基板における多数の層のうち一の層をなす導体層を用いて実現することができる。
【0010】
請求項3に記載した発明によれば、導体層をグランド層又は電源層から構成したので、誘電体アンテナから放射された電波を反射する反射板として機能させる一の導体部材を多層基板における多数の層のうち一の層をなすグランド層又は電源層を用いて実現することができる。
【0011】
請求項4に記載した発明によれば、接続手段をインダクタにより構成したので、インダクタを適用することで一の導体部材を誘電体アンテナから放射された電波を反射する反射板として適切に機能させることができる。
【0012】
請求項5に記載した発明によれば、接続手段をインダクタとコンデンサとを備える並列共振回路により構成したので、インダクタとコンデンサとを備える並列共振回路を適用することで一の導体部材を誘電体アンテナから放射された電波を反射する反射板として適切に機能させることができる。
【0013】
請求項6に記載した発明によれば、並列共振回路の共振周波数が誘電体アンテナの導体部により放射・捕捉される電波の周波数と略一致するように構成したので、特性を最適化することができる。
【0014】
請求項7に記載した発明によれば、誘電体アンテナの導体部により放射・捕捉される電波の波長の2分の1倍に相当する寸法に構成されている羽導体部材を備え、一の導体部材の長手方向と羽導体部材の長手方向とが直交するように一の導体部材と羽導体部材とを配置したので、一の導体部材を誘電体アンテナから放射された電波を反射する反射板として機能させることができることに加えて、羽導体部材をも誘電体アンテナから放射された電波を反射する反射板として機能させることができ、所望の通信距離をより適切に確保することができる。又、羽導体部材を誘電体アンテナにより放射・捕捉される電波の波長の2分の1倍に相当する寸法に構成したので、軸比を「1(0dB)」に近づけることにより、RFタグ読み書き装置の向きに拘らずRFタグに対してデータを適切に読み書きすることができる。
【0015】
請求項8に記載した発明によれば、羽導体部材を格納状態と展開状態との間で回動可能とし、格納状態で導体部材の長手方向に沿うように構成し、展開状態で一の導体部材の長手方向に対して直交する方向に誘電体アンテナの導体部により放射・捕捉される電波の波長の2分の1倍に相当する寸法を有するように構成したので、RFタグに対してデータを読み書きしないときには羽導体部材を格納状態に回動させ、RFタグに対してデータを読み書きするときにのみ羽導体部材を展開状態に回動させれば良く、使い勝手を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1の実施形態を示すもので、RFタグ読み書き装置の平面図及び縦断側面図
【図2】誘電体アンテナが実装されている多層基板の平面図及び縦断側面図
【図3】機能ブロック図
【図4】測定結果を示す図
【図5】図4相当図
【図6】図4相当図
【図7】本発明の第2の実施形態を示すもので、誘電体アンテナが実装されている多層基板の平面図及び縦断側面図
【図8】図4相当図
【図9】図4相当図
【図10】図4相当図
【図11】図4相当図
【図12】本発明の第3の実施形態を示すもので、RFタグ読み書き装置の平面図及び縦断側面図
【図13】図4相当図
【発明を実施するための形態】
【0017】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について、図1乃至図6を参照して説明する。図1(a)はRFタグ読み書き装置の平面図を示しており、図1(b)はRFタグ読み書き装置の縦断側面図を示している。RFタグ読み書き装置(リーダライタ)1は、ユーザが把持可能なハンディ型のものであり、その筐体2は幅広な頭部2aとユーザが把持する把持部2bとが組み合わされて構成されている。頭部2aには例えば液晶ディスプレイからなる表示部3が設けられており、把持部2bには複数のキーが配列されてなるキー操作部4が設けられている。筐体2の内部にはメイン基板としての多層基板5が実装されており、その多層基板5の一方の表面部には誘電体アンテナ6とRFタグ制御部7(本発明でいうRFタグ制御手段)とが実装されている。
【0018】
図2(a)は誘電体アンテナ6が実装されている多層基板5の平面図を示しており、図2(b)は誘電体アンテナ6が実装されている多層基板5の縦断側面図を示している。多層基板5は、その両表面部に電子部品を実装可能に構成されていると共に、その内部にはグランド層8(本発明でいう導体部材)及び電源層9が積層されている。上記した誘電体アンテナ6は、矩形状の誘電体10の上部に金属板からなる導体部11が搭載されて構成されている。多層基板5は、その長手方向の寸法(図2中「L1」にて示す)が誘電体アンテナ6により放射・捕捉される電波の波長の2分の1倍に相当する寸法よりも長く構成されている。グランド層8は、第1のグランド層8a(本発明でいう一の導体部材)と第2のグランド層8b(本発明でいう他の導体部材)とが接続手段12を介して接続されて構成されている。
【0019】
第1のグランド層8aは、その長手方向の寸法(図2中「L2」にて示す)が誘電体アンテナ6により放射・捕捉される電波の波長の2分の1倍に相当する寸法と同等に構成されている。誘電体アンテナ6は、第1のグランド層8aの長手方向の端部から誘電体アンテナ6により放射・捕捉される電波の波長の4分の1倍に相当する寸法だけ離れた位置、つまり、第1のグランド層8aの長手方向の中央部に搭載されている。接続手段12は、第1のグランド層8aと第2のグランド層8bとを直流的に接続し且つ高周波的に分離する性質を有する手段であり、具体的にはインダクタ13の単体である。又、筐体2の内部にはRFタグ読み書き装置1の動作電力を各部に供給するバッテリ14が搭載されている。
【0020】
図3は、上記したRFタグ読み書き装置1の電気的な構成を機能ブロック図により示している。処理部15は、CPU16、メモリ17及び入出力部18を有し、上記した表示部3、キー操作部4及びRFタグ制御部7を接続して構成されている。CPU16は、データ通信指令をRFタグ制御部7に出力することにより、送信データを変調して所定周波数の電波を誘電体アンテナ6から放射する送信処理及び誘電体アンテナ6により捕捉された所定周波数の電波を復調して受信データを抽出する受信処理をRFタグ制御部7により行わせる。又、CPU16は、表示指令を表示部3に出力することにより、各種の表示情報を表示部3に表示させ、ユーザがキー操作部4を操作したことに応じてキー操作部4から入力した操作信号を受付けて処理する。尚、処理部15を構成する各種の電子部品は多層基板5の表面上に実装されている。尚、誘電体アンテナ6が放射・捕捉する電波の所定周波数は例えば952〜954[MHz]である。
【0021】
上記した構成では、第1のグランド層8aの長手方向の寸法が誘電体アンテナ6により放射・捕捉される電波の波長の2分の1倍に相当する寸法とされ、且つ、誘電体アンテナ6が第1のグランド層8aの長手方向の中央部に搭載されている構成を採用しているが、これは、以下の理由を根拠とするものである。すなわち、発明者は、上記した第1のグランド層8aを金属板と見做し、誘電体アンテナと金属板との関係について以下の(1)、(2)を測定した。尚、ここでいう第1のグランド層8aの長手方向の中央部とはある程度の幅を有する範囲を示す。
(1)金属板の長さ(長手方向の寸法)を変化させたときのV偏波の最大利得の変化
(2)金属板の中央部から誘電体アンテナまでの距離を変化させたときのV偏波の最大利得の変化
【0022】
図4は、上記した(1)における測定条件(a)及び測定結果(b)を示しており、金属板の幅が「40mm」、誘電体アンテナの背面から金属板までの距離が「5mm」、誘電体アンテナの位置が金属板の端部から「25mm」のときに、金属板の長さaを「40〜200mm」で変化させたときの、V偏波の最大利得の変化を示している。この測定結果から明らかなように、金属板の長さが「約145mm」であるときにV偏波の最大利得が最良であることが判る。この金属板の長さである「約145mm」は誘電体アンテナ6が放射・捕捉する所定周波数である例えば952〜954[MHz]の電波の波長の2分の1倍に近い値である。
【0023】
図5は、上記した(2)における測定条件(a)及び測定結果(b)を示しており、金属板の幅が「40mm」、金属板の長さが「140mm」、誘電体アンテナの背面から金属板までの距離が「5mm」のときに、金属板の中央部から誘電体アンテナまでの距離bを「−50〜0mm」で変化させたときの、V偏波の最大利得の変化を示している。この測定結果から明らかなように、金属板の中央部から誘電体アンテナまでの距離が「0mm」であるときに(誘電体アンテナが金属板の中央部に近いほど)V偏波の最大利得が最良であることが判る。これは、誘電体アンテナが金属板の中央部に搭載されていることにより、金属板が誘電体アンテナから放射された電波を反射する反射板として機能し、誘電体アンテナから直接放射された電波と誘電体アンテナから放射されて金属板で反射された電波とが合成されることで利得が高められるためである。
【0024】
以上に示した測定結果を根拠として、本実施形態では、ハンディ型のRFタグ読み書き装置1における誘電体アンテナ6のサイズの制約を解消するために、第1のグランド層8aの長手方向の寸法を誘電体アンテナ6により放射・捕捉される電波の波長の2分の1倍に相当する寸法とし、且つ、誘電体アンテナ6を第1のグランド層8aの長手方向の中央部に搭載しているものである。
【0025】
又、発明者は、第1のグランド層8aと第2のグランド層8bとを接続する接続手段12としてインダクタ13の単体を適用したことによる影響について測定した。図6は、その測定結果を示すもので、第1のグランド層8aに相当する第1の金属板の幅が「40mm」、第1の金属板の長さが「145mm」、誘電体アンテナの背面から第1の金属板までの距離が「5mm」、第2のグランド層8bに相当する第2の金属板の幅が「40mm」、第2の金属板の長さが「52mm」、第1の金属板と第2の金属板との間隔が「3mm」のときに、インダクタ13のインダクタンスを変化させたときの利得の変化を示している。図6で「基板長145mm」に対応する「○」は、上記した第2の金属板が省略されている状態での利得を示しており、目標値である。この測定結果から明らかなように、インダクタ13の単体を挿入するときには、40[nH]以上のインダクタを挿入することで目標値と同等の利得が得られていることが判る。つまり、第1の金属板における第2の金属板側の端部において当該第2の金属板による影響を排除することができ、第1の金属板を誘電体アンテナから放射された電波を反射する反射板として適切に機能させていることが判る。
【0026】
以上に説明したように第1の実施形態によれば、RFタグ読み書き装置1において、多層基板5の第1のグランド層8aの長手方向の寸法を誘電体アンテナ6により放射・捕捉される電波の波長の2分の1倍に相当する寸法としたので、第1のグランド層8aを誘電体アンテナ6から放射された電波を反射する反射板として機能させることができ、誘電体アンテナ6から直接放射された電波と誘電体アンテナ6から放射されて第1のグランド層8aで反射された電波とを合成させることで利得を高めることができ、誘電体アンテナ6のサイズに制約がある場合であっても、所望の通信距離を適切に確保することができる。
【0027】
又、誘電体アンテナ6を第1のグランド層8aの長手方向の中央部に配置したので、利得をより確実に高めることができる。又、第1のグランド層8aを誘電体アンテナ6から放射された電波を反射する反射板として機能させるように構成したので、反射板として機能させる層を別途設ける必要がなく、第1のグランド層8aを用いて実現することができる。
【0028】
又、第1のグランド層8aと第2のグランド層8bとを両者を直流的に接続し且つ高周波的に分離する性質を有する接続手段12を介して接続して構成したので、多層基板5の長手方向の寸法を誘電体アンテナ6により放射・捕捉される電波の波長の2分の1倍に相当する寸法よりも長く構成する必要がある場合であっても、第1のグランド層8aにおける第2のグランド層8b側の端部において当該第2のグランド層8bによる影響を排除することができ、第1のグランド層8aを誘電体アンテナ6から放射された電波を反射する反射板として適切に機能させることができ、且つ、第1のグランド層8aと第2のグランド層8bとをグランドとして機能させることができる。
【0029】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について、図7乃至図11を参照して説明する。尚、上記した第1の実施形態と同一部分については説明を省略し、異なる部分について説明する。この第2の実施形態は、第1のグランド層8aと第2のグランド層8bとを接続する接続手段21としてインダクタ22とコンデンサ23とからなる並列共振回路を適用し、並列共振回路の共振周波数を誘電体アンテナ6により放射・捕捉される電波の周波数と略一致するように構成したものである。
【0030】
図7(a)は誘電体アンテナ6が実装されている多層基板5の平面図を示しており、図7(b)は誘電体アンテナ6が実装されている多層基板5の縦断側面図を示している。この場合も、発明者は、第1のグランド層8aと第2のグランド層8bとを接続する接続手段21としてインダクタ22とコンデンサ23とからなる並列共振回路を適用したことによる影響について測定した。図8乃至図10は、それらの測定条件(a)及び測定結果(b)を示しており、第1のグランド層8aに相当する第1の金属板の幅が「40mm」、第1の金属板の長さが「145mm」、誘電体アンテナの背面から第1の金属板までの距離が「5mm」、第2のグランド層8bに相当する第2の金属板の幅が「40mm」、第2の金属板の長さが「52mm」、第1の金属板と第2の金属板との間隔が「3mm」のときに、インダクタ22のインダクタンスやコンデンサ23の容量を変化させたときの利得の変化を示している。図8乃至図10で「基板長145mm」に対応する「○」は、上記した第2の金属板が省略されている状態での利得を示しており、「L,Cなし」に対応する「△」は、上記した第2の金属板が存在するがインダクタ22とコンデンサ23が省略されている状態での利得を示しており、目標値である。
【0031】
これらの測定結果から明らかなように、並列共振回路を挿入するときには、インダクタ22のインダクタンスが68[nH]であるときにはコンデンサ23の容量が0.6〜0.8[pF]の範囲で目標値と同等の利得が得られていることが判る。又、コンデンサ23の容量が0.7[pF]であるときにはインダクタ22のインダクタンスが60〜80[nH]の範囲で目標値と同等の利得が得られていることが判る。又、インダクタ22のインダクタンスが15[nH]であるときにはコンデンサの容量が約2[pF]で目標値と同等の利得が得られていることが判る。つまり、第1の実施形態と同様にして、第1の金属板における第2の金属板側の端部において当該第2の金属板による影響を排除することができ、第1の金属板を誘電体アンテナから放射された電波を反射する反射板として適切に機能させていることが判る。
【0032】
又、発明者は、第2のグランド層8bに相当する第2の金属板の長手方向の寸法を変化させたことによる影響について測定した。図11は、その測定条件(a)及び測定結果(b)を示しており、第1のグランド層8aに相当する第1の金属板の幅が「40mm」、第1の金属板の長さが「145mm」、誘電体アンテナの背面から第1の金属板までの距離が「5mm」、第2のグランド層8bに相当する第2の金属板の幅が「40mm」、第1の金属板と第2の金属板との間隔が「3mm」、インダクタ22のインダクタンスが68[nH]であるときに、第2の金属板の長さcを変化させたときの利得の変化を示している。この測定結果から明らかなように、第2の金属板の長さに拘らず目標値と同等の利得が得られていることが判る。つまり、第2の金属板の長さに拘らず第1の金属板における第2の金属板側の端部において当該第2の金属板による影響を排除することができ、第1の金属板を誘電体アンテナから放射された電波を反射する反射板として適切に機能させていることが判る。
【0033】
以上に説明したように第2の実施形態によれば、第1のグランド層8aと第2のグランド層8bとを両者を直流的に接続し且つ高周波的に分離する性質を有する接続手段21としてインダクタ22とコンデンサ23とからなる並列共振回路が適用した場合でも、上記した第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができ、第1のグランド層8aを誘電体アンテナ6から放射された電波を反射する反射板として適切に機能させることができ、且つ、第1のグランド層8aと第2のグランド層8bとをグランドとして機能させることができる。
【0034】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について、図12及び図13を参照して説明する。尚、上記した第1の実施形態と同一部分については説明を省略し、異なる部分について説明する。この第3の実施形態は、上記した第1の実施形態に対して羽アンテナ部を追加したものである。
【0035】
図12(a)、(b)はRFタグ読み書き装置の平面図を示しており、図12(c)はRFタグ読み書き装置の縦断側面図を示している。すなわち、RFタグ読み書き装置31の筐体32は頭部32aと把持部32bとが同一幅で構成されており、頭部32aには表示部33が設けられており、把持部32bには上記した第1の実施形態で説明したキー操作部4が設けられている。筐体32の内部にはメイン基板としての多層基板34が設けられており、その多層基板34の一方の表面部には上記した第1の実施形態で説明した誘電体アンテナ6とRFタグ制御部7とが実装されている。
【0036】
多層基板34は、その両表面部に電子部品を実装可能に構成されていると共に、その内部にはグランド層35及び電源層が積層されている。グランド層35は、上記した第1の実施形態で説明したグランド層8と同様にして、第1のグランド層35a(本発明でいう一の導体部材)と第2のグランド層35b(本発明でいう他の導体部材)とが接続手段36を介して接続されて構成されている。第1のグランド層35aは、その長手方向の寸法(図12中「L3」にて示す)が誘電体アンテナ6により放射・捕捉される電波の波長の2分の1倍に相当する寸法と同等に構成されている。誘電体アンテナ6は、第1のグランド層35aの長手方向の端部から誘電体アンテナ6により放射・捕捉される電波の波長の4分の1倍に相当する寸法だけ離れた位置、つまり、第1のグランド層35aの長手方向の中央部に搭載されている。
【0037】
そして、この第3の実施形態では、第1のグランド層35aに左右対称に羽アンテナ部37(本発明でいう羽導体部材)が回動可能に設けられている。羽アンテナ部37は、筐体32の長手方向に沿って格納される格納状態と、それらの先端側が筐体32から突出される展開状態との間で回動可能になっており、展開状態での寸法(図12中「L4」にて示す)は誘電体アンテナ6により放射・捕捉される電波の波長の2分の1倍に相当する寸法とされている。これは、以下の理由を根拠とするものである。すなわち、発明者は、羽アンテナ部の形状について軸比を測定した。
【0038】
図13は、測定条件(a)及び測定結果(b)を示しており、金属板の幅が「40mm」、金属板の長さが「140mm」、誘電体アンテナの背面から金属板までの距離が「5mm」のときに、羽アンテナ部の形状(横方向の寸法d及び縦方向の寸法e)を変化させたときの軸比の変化を示している。この測定結果から明らかなように、羽アンテナ部の横方向の寸法が「約120mm」であるときに軸比が最良(軸比が「1(0dB)」に近い)であることが判り、この羽アンテナ部の横方向の寸法である「約120mm」は誘電体アンテナが放射・捕捉する所定周波数である例えば952〜954[MHz]の電波の波長の2分の1倍に近い値である。
【0039】
この場合、軸比が「1」から大きく外れてしまうと、RFタグ読み書き装置31においてデータを読み書き可能な向きと読み書き不可能な向きとが発生することになるので、軸比は「1」に近い方が望ましい。本実施形態では、羽アンテナ部36の横方向の寸法を誘電体アンテナ6が放射・捕捉する所定周波数である例えば952〜954[MHz]の電波の波長の2分の1倍に近い値にすることにより、軸比を「1」に近い値としており、その結果、ユーザは、RFタグ読み書き装置31の向きを意識することなく、データを読み書きすることができ、使い勝手を高めることができる。
【0040】
以上に説明したように第3の実施形態によれば、RFタグ読み書き装置31において、羽アンテナ部37を設けたので、第1のグランド層35aを誘電体アンテナ6から放射された電波を反射する反射板として機能させることに加えて、羽アンテナ部37をも誘電体アンテナ6から放射された電波を反射する反射板として機能させることができ、所望の通信距離をより適切に確保することができる。又、羽アンテナ部37の寸法を誘電体アンテナ6により放射・捕捉される電波の波長の2分の1倍に相当する寸法に構成したので、軸比を略「1」にすることができ、RFタグ読み書き装置1の向きに拘らずRFタグに対してデータを適切に読み書きすることができ、使い勝手を高めることができる。
【0041】
さらに、羽アンテナ部37を格納状態と展開状態との間で回動可能に構成したので、RFタグに対してデータを読み書きしないときには羽アンテナ部37を格納状態に回動させ、RFタグに対してデータを読み書きするときにのみ羽アンテナ部37を展開状態に回動させれば良く、使い勝手を高めることができる。
【0042】
(その他の実施形態)
本発明は、上記した実施形態にのみ限定されるものではなく、以下のように変形又は拡張することができる。
RFタグ読み書き装置は、RFタグに対してデータを読み書きする専用の装置に限らず、RFタグに対してデータを読み書きするモジュールが組み込まれた携帯電話機や携帯情報端末などの携帯端末であっても良い。又、RFタグ読み書き装置は、固定されて用いられる態様のものであっても良い。
【符号の説明】
【0043】
図面中、1はRFタグ読み書き装置、6は誘電体アンテナ、7はRFタグ制御部(RFタグ制御手段)、8はグランド層(導体部材、導体層)、8aは第1のグランド層(一の導体部材)、8bは第2のグランド層(他の導体部材)、9は電源層、10は誘電体、11は導体部、12は接続手段、13はインダクタ、21は接続手段、22はインダクタ、23はコンデンサ、31はRFタグ読み書き装置、35はグランド層(導体部材、導体層)、35aは第1のグランド層(一の導体部材)、35bは第2のグランド層(他の導体部材)、36は接続手段、37は羽アンテナ部(羽導体部材)である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電体の上部に導体部が搭載されてなる誘電体アンテナと、
前記誘電体アンテナの前記導体部により放射・捕捉される電波を介してRFタグに対してデータを読み書きするRFタグ制御手段と、
前記誘電体アンテナの前記導体部が電波を放射する放射方向とは反対側に位置するように当該誘電体アンテナの背面側に設けられている導体部材とを備え、
前記導体部材は、長手方向の寸法が前記誘電体アンテナの前記導体部により放射・捕捉される電波の波長の2分の1倍に相当する寸法に構成されている一の導体部材と、前記一の導体部材に対して長手方向に設けられている他の導体部材とを有し、前記一の導体部材と前記他の導体部材とが両者を直流的に接続し且つ高周波的に分離する性質を有する接続手段を介して接続されて構成されていることを特徴とするRFタグ読み書き装置。
【請求項2】
請求項1に記載したRFタグ読み書き装置において、
前記誘電体アンテナは、平板形状をなす多層基板上に実装され、
前記一の導体部材は、前記多層基板における多数の層のうち一の層をなす導体層から構成されていることを特徴とするRFタグ読み書き装置。
【請求項3】
請求項2に記載したRFタグ読み書き装置において、
前記導体層は、グランド層又は電源層から構成されていることを特徴とするRFタグ読み書き装置。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れかに記載したRFタグ読み書き装置において、
前記接続手段は、インダクタにより構成されていることを特徴とするRFタグ読み書き装置。
【請求項5】
請求項1乃至3の何れかに記載したRFタグ読み書き装置において、
前記接続手段は、インダクタとコンデンサとを備える並列共振回路により構成されていることを特徴とするRFタグ読み書き装置。
【請求項6】
請求項5に記載したRFタグ読み書き装置において、
前記並列共振回路は、その共振周波数が前記誘電体アンテナの前記導体部により放射・捕捉される電波の周波数と略一致するように構成されていることを特徴とするRFタグ読み書き装置。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れかに記載したRFタグ読み書き装置において、
前記誘電体アンテナの前記導体部により放射・捕捉される電波の波長の2分の1倍に相当する寸法に構成されている羽導体部材を備え、
前記一の導体部材の長手方向と前記羽導体部材の長手方向とが直交するように前記一の導体部材と前記羽導体部材とが配置されていることを特徴とするRFタグ読み書き装置。
【請求項8】
請求項7に記載したRFタグ読み書き装置において、
前記羽導体部材は、格納状態と展開状態との間で回動可能であり、前記格納状態で前記一の導体部材の長手方向に沿うように構成され、前記展開状態で前記一の導体部材の長手方向に対して直交する方向に前記誘電体アンテナの前記導体部により放射・捕捉される電波の波長の2分の1倍に相当する寸法を有するように構成されていることを特徴とするRFタグ読み書き装置。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れかに記載したRFタグ読み書き装置において、
前記誘電体アンテナの前記導体部は、953MHz帯域の電波を放射・捕捉する特性を有することを特徴とするRFタグ読み書き装置。
【請求項1】
誘電体の上部に導体部が搭載されてなる誘電体アンテナと、
前記誘電体アンテナの前記導体部により放射・捕捉される電波を介してRFタグに対してデータを読み書きするRFタグ制御手段と、
前記誘電体アンテナの前記導体部が電波を放射する放射方向とは反対側に位置するように当該誘電体アンテナの背面側に設けられている導体部材とを備え、
前記導体部材は、長手方向の寸法が前記誘電体アンテナの前記導体部により放射・捕捉される電波の波長の2分の1倍に相当する寸法に構成されている一の導体部材と、前記一の導体部材に対して長手方向に設けられている他の導体部材とを有し、前記一の導体部材と前記他の導体部材とが両者を直流的に接続し且つ高周波的に分離する性質を有する接続手段を介して接続されて構成されていることを特徴とするRFタグ読み書き装置。
【請求項2】
請求項1に記載したRFタグ読み書き装置において、
前記誘電体アンテナは、平板形状をなす多層基板上に実装され、
前記一の導体部材は、前記多層基板における多数の層のうち一の層をなす導体層から構成されていることを特徴とするRFタグ読み書き装置。
【請求項3】
請求項2に記載したRFタグ読み書き装置において、
前記導体層は、グランド層又は電源層から構成されていることを特徴とするRFタグ読み書き装置。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れかに記載したRFタグ読み書き装置において、
前記接続手段は、インダクタにより構成されていることを特徴とするRFタグ読み書き装置。
【請求項5】
請求項1乃至3の何れかに記載したRFタグ読み書き装置において、
前記接続手段は、インダクタとコンデンサとを備える並列共振回路により構成されていることを特徴とするRFタグ読み書き装置。
【請求項6】
請求項5に記載したRFタグ読み書き装置において、
前記並列共振回路は、その共振周波数が前記誘電体アンテナの前記導体部により放射・捕捉される電波の周波数と略一致するように構成されていることを特徴とするRFタグ読み書き装置。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れかに記載したRFタグ読み書き装置において、
前記誘電体アンテナの前記導体部により放射・捕捉される電波の波長の2分の1倍に相当する寸法に構成されている羽導体部材を備え、
前記一の導体部材の長手方向と前記羽導体部材の長手方向とが直交するように前記一の導体部材と前記羽導体部材とが配置されていることを特徴とするRFタグ読み書き装置。
【請求項8】
請求項7に記載したRFタグ読み書き装置において、
前記羽導体部材は、格納状態と展開状態との間で回動可能であり、前記格納状態で前記一の導体部材の長手方向に沿うように構成され、前記展開状態で前記一の導体部材の長手方向に対して直交する方向に前記誘電体アンテナの前記導体部により放射・捕捉される電波の波長の2分の1倍に相当する寸法を有するように構成されていることを特徴とするRFタグ読み書き装置。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れかに記載したRFタグ読み書き装置において、
前記誘電体アンテナの前記導体部は、953MHz帯域の電波を放射・捕捉する特性を有することを特徴とするRFタグ読み書き装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−166480(P2010−166480A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−8768(P2009−8768)
【出願日】平成21年1月19日(2009.1.19)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【出願人】(000003089)東光株式会社 (243)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年1月19日(2009.1.19)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【出願人】(000003089)東光株式会社 (243)
【Fターム(参考)】
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