説明

X線による打栓キャップの嵌合時の不良検査方法及び装置

【課題】容器口部に嵌着済みの打栓キャップの異常を確実に判定できるようにする。
【解決手段】容器口部1に嵌着した打栓キャップ2、並びにそれに被さる外装キャップ3に対してX線発生装置21から容器口部1の径方向へX線20を透過させ、キャップ2,3を透過したX線20を、X線撮像器22によってX線透視輝度分布の光学像に変換し、この光学像に、打栓キャップ2のプルタブ及び容器口部1の端面を囲むウィンドウを設定し、当該ウィンドウ内の輝度分布に基づき、打栓キャップ2による容器口部1の閉塞状態の可否判定を行なう。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はX線による打栓キャップの嵌合時の不良検査方法及び装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
飲料、液状調味料などの液体の販売に用いる容器としては、一般にガラスビンやペットボルトが使われ、これらの容器密封手段には、スクリュー方式のものと打栓方式のものがある。
【0003】
図5は打栓方式の容器密閉手段の一例であり、容器口部1に嵌着される打栓キャップ2と、該打栓キャップ2に被さって螺着可能な外装キャップ3を備えている。
【0004】
打栓キャップ2は、容器口部1の端面に被さってその先端内側面の全周に接する円筒状のインナグリップ部分4と、該インナグリップ部分4に連なって容器口部1の先端外側面の全周に接するサイドグリップ部分5と、該サイドグリップ部分5の外周面に形作られたおねじ部分6と、サイドグリップ部分5から容器首部へ向けて延び且つ容器口部1の先端近傍個所の外側面の全周に接するスカート部分7と、容器口部1を塞ぐようにノッチ部分8を介してインナグリップ部分4の内縁に連なるプルタブ9と、該プルタブ9を取り囲むようにインナグリップ部分4に連なる短円筒状の注ぎ口10とを有している。
【0005】
打栓キャップ2は、容器の素材であるガラスやポリエチレンテレフタレート(PET)に比べて弾力性に富み且つ所要の機械的強度を具備するポリエチレン(PE)などを素材としており、前記プルタブ9を容器口部1より離隔する向きに引っ張ると、ノッチ部分8が裂けてプルタブ9がインナグリップ部分4から外れ、容器が開封されることになる。
【0006】
外装キャップ3は、打栓キャップ2のインナグリップ部分4、サイドグリップ部分5、並びに注ぎ口10に覆い被さる本体部分11と、該本体部分11の内側面に形作られ且つ打栓キャップ2のおねじ部分6に螺合可能なめねじ部分12と、本体部分11に形作られ且つ両ねじ部分6,12の相互螺合時に注ぎ口10に嵌まり込む環状の漏れ止め13とを有している。
【0007】
図6は打栓方式の容器密閉手段の他の例であり、容器口部1に嵌着される打栓キャップ14と、該打栓キャップ14に被さって嵌まり合う外装キャップ15と、これらキャップ14,15を一体的につなぐヒンジ16を備えている。
【0008】
打栓キャップ14は、前述の打栓キャップ2からおねじ部分6(図5参照)を無くし、その代わりにサイドグリップ部分5の外周面に溝17を形作った構造としてあって、打栓キャップ2と同様にプルタブ9を向きに引っ張ると、ノッチ部分8が裂けてプルタブ9がインナグリップ部分4から外れ、容器が開封されることになる。
【0009】
外装キャップ15は、前述の外装キャップ3からめねじ部分12(図5参照)を無くし、その代わりに本体部分11に、打栓キャップ14の溝17に係合可能な突起18、並びに注ぎ口10の先端に外嵌可能な環状の漏れ止め19を形作った構造としてある。
【0010】
図5及び図6における打栓キャップ2,14はいずれも、出荷にあたって内容液を容器に密封する役割を果たし、更に、図5に示す打栓キャップ2とは別体の外装キャップ3、あるいは図6に示す打栓キャップ14にヒンジ16を介してつながっている外装キャップ15のいずれも、開封前においてはプルタブ9を保護し、開封後にあっては容器転倒時の内容液の流出防止や内容液を外気から遮断する役割を担う。
【0011】
内容液の密封性を確認するために、容器を密封しているキャップをカメラにより撮影し、その画像情報に基づいてキャップの嵌着状態の判定を行なうように構成した検査装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2000−229695号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
打栓キャップ2,14は、容器口部1に嵌着してしまうと簡単には外れないので、プルタブ9を取り外す前においては内容液の密封性という点で信頼度が高いが、ごく希に容器口部1に対する打栓キャップ2,14の嵌め合い不良が生じることがある。
【0013】
ところが、容器口部1に嵌着済みで、外装キャップ3,15を被せてある打栓キャップ2,14の検査に特許文献1の検査装置を用いても、当該検査装置はあくまでも外観からキャップの嵌着状態を判定するものであるため、当然のことながら、容器口部1の内側面とインナグリップ部分4の嵌め合い不良、容器口部1の外側面とサイドグリップ部分5の嵌め合い不良、外装キャップ3,15内方の様子、並びにピンホールなどの打栓キャップ2,14自体の欠陥は判定できない。
【0014】
本発明は上述した実情に鑑みてなしたもので、容器に嵌着済みの打栓キャップの異常を確実に判定できるようにすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するため本発明では、容器口部の端面に被さってその先端内側面の全周に接する打栓キャップのインナグリップ部分と当該インナグリップ部分の内方にあって容器口部を塞いでいるプルタブとの双方に容器口部の径方向へX線を透過させ、X線撮像器により変換したX線透視輝度分布の光学像に、プルタブ及び容器口部の端面を囲むウィンドウを設定し、当該ウィンドウ内の輝度分布に基づき、容器口部の閉塞状態の可否判定を行なう。
【0016】
つまり、プルタブ及び容器口部の端面を囲むウィンドウ内の輝度分布から、プルタブ付近の盛り上がりや、プルタブの状態などを検知する。
【0017】
更に、インナグリップ部分に連なって容器口部の先端外側面の全周に接する打栓キャップのサイドグリップ部分に容器口部の接線方向へX線を透過させ、X線撮像器により変換したX線透視輝度分布の光学像に、サイドグリップ及び容器口部の先端外側面を囲むウィンドウを設定し、当該ウィンドウ内の輝度分布に基づき、容器口部の閉塞状態の可否判定を行なう。
【0018】
つまり、サイドグリップ部分及び容器口部の先端外側面を囲むウィンドウ内の輝度分布から、サイドグリップ部分と容器口部の間の空隙を検知する。
【0019】
また、インナグリップ部分に容器口部の接線方向へX線を透過させ、X線撮像器により変換したX線透視輝度分布の光学像に、インナグリップ部分及び容器口部の端面を囲むウィンドウを設定し、当該ウィンドウ内の輝度分布に基づき、容器口部の閉塞状態の可否判定を行なう。
【0020】
つまり、インナグリップ部分及び容器口部の端面を囲むウィンドウ内の輝度分布から、インナグリップ部分と容器口部の間の空隙を検知する。
【0021】
この他に、打栓キャップに被さる外装キャップ内方の空間に容器口部の接線方向へX線を透過させ、X線撮像器により変換したX線透視輝度分布の光学像に、前記空間を囲むウィンドウを設定し、当該ウィンドウ内の輝度分布に基づき、容器口部の閉塞状態の可否判定を行なう。
【0022】
つまり、外装キャップ内方の空間を囲むウィンドウ内の輝度分布から、既に外装キャップの内部へ漏出している内容液を検知する。
【0023】
これに加えて、容器口部を横向きにしたうえ、外装キャップ内方の空間を囲むウィンドウ内の輝度分布に基づいて、容器口部の閉塞状態の可否判定を行なう。
【0024】
つまり、打栓キャップに欠陥があった場合には、内容液が容器外へ出やすくする。
【0025】
より具体的には、打栓キャップへX線を照射し得るX線発生装置と、打栓キャップを透過したX線の輝度分布を光学像に変換するX線撮像器と、該X線撮像器の光学像を撮影するカメラと、該カメラの画像信号に基づいて容器口部に対する打栓キャップ各部分の嵌め合い状態、あるいは内容液の漏出を検出する判定手段とを備えた構成を採る。
【発明の効果】
【0026】
本発明のX線による打栓キャップ嵌合時の不良検査方法及び装置によれば、下記のような種々の優れた効果を奏し得る。
【0027】
(1)プルタブ及び容器口部の端面を囲むウィンドウ内の輝度分布から、外部から見えない容器口部の内側面に対するインナグリップ部分の嵌め合い不良をプルタブ付近の盛り上がりとして検知し、更に、プルタブの状態も検知するので、容器に嵌着済みの打栓キャップの異常を確実に判定できる。
【0028】
(2)更に、サイドグリップ及び容器口部の先端外側面を囲むウィンドウ内の輝度分布から、外部から見えない容器口部の外側面とサイドグリップ部分の空隙を検知すれば、容器に嵌着済みの打栓キャップの異常を確実に判定できる。
【0029】
(3)また、インナグリップ部分及び容器口部の端面を囲むウィンドウ内の輝度分布から、外部から見えない容器口部の端面とインナグリップ部分の空隙を検知すれば、容器に嵌着済みの打栓キャップの異常を確実に判定できる。
【0030】
(4)この他に、打栓キャップに被さる外装キャップ内方の空間を囲むウィンドウ内の輝度分布から、既に外装キャップの内部へ漏出している内容液を検出すれば、打栓キャップの欠陥で内容液の漏れを生じた製品容器を特定検出できる。
【0031】
(5)これに加えて、容器口部を横向きにすれば、打栓キャップに欠陥があった場合に内容液が容器外へ出やすくなり、不良な製品容器の特定を速やかに行なえる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
【0033】
図1乃至図4は本発明のX線による打栓キャップ嵌合時の不良検査装置の実施の形態の一例であり、図中、図5及び図6と同一の符号を付した部分は同一物を表している。
【0034】
不良検査装置は、内容液が充填され且つ容器口部1に打栓キャップ2が嵌着済みの製品容器の搬送経路の一側方に、打栓キャップ2,14と外装キャップ3,15に対してX線20を製品容器の軸線に直交する向きに照射し得るX線発生装置21を配置し、当該搬送経路の他側方に、打栓キャップ2,14や外装キャップ3,15などを透過したX線20の輝度分布を光学像に変換する蛍光倍増管などのX線撮像器を配置した構成を採っている。
【0035】
つまり、容器口部1を軸線方向から見ると、打栓キャップ2,14と外装キャップ3,15の中心に対しては容器口部1の径方向にX線20が透過し、これらキャップ2,3,14,15の中心を通るX線20の透過経路の両側においては、打栓キャップ2,14と外装キャップ3,15の周縁に対しては容器口部1の接線方向にX線20が透過することになる。
【0036】
更に、X線撮像器22の光学像を撮影するCCDカメラ23と、当該CCDカメラ23の画像信号24に基づき、容器口部1の閉塞状態の可否、あるいは容器からの内容液の漏れなどを検出する判定手段25を備えている。
【0037】
X線撮像器22による光学像の輝度の高低は、容器口部1を形作っているガラス、打栓キャップ2,14や外装キャップ3,15を形作っている高分子材料、並びに内容液のX線透過率に応じて、
容器口部1<内容液<打栓キャップ2,14・外装キャップ3,15<空間
という関係になる。
【0038】
つまり、キャップ相当部位の上限輝度しきい値T1と空間相当部位の下限輝度しきい値T2を、キャップ2,3,14,15によるX線減衰率を見込んで決めておき、これらのしきい値T1,T2とCCDカメラ23が発信するの画像信号24から得られるイメージX線撮像器22の光学像の輝度を対比すれば、外装キャップ3,15の内部への内容液の漏出、容器口部1に対する打栓キャップ2,14の嵌め合い不良や、ノッチ部分8の局所的な破断によってプルタブ9が外れかけているなどの異常を外部から判定できることになる。
【0039】
このような原理に従って判定手段25は、
a)注ぎ口10内方の空間を囲むウィンドウFにおいて、空間である部位の輝度がしきい値T2を下回ったときに、内容液が外装キャップ3,15の内部へ漏出しているとの判定を下す機能、
b)容器口部1端面とインナグリップ部分4の境界域や、インナグリップ部分4と注ぎ口10内方の空間の境界域を囲むウィンドウCにおいて、ガラスで形作ってある容器口部1を基準として高分子材料で形作ってあるプルタブ9上面までの距離を輝度分布から求め、その算出値が予め設定しておいた許容値を外れた際に、容器口部1内側面に対するインナグリップ部分4の嵌め合いの不良(まくれ)のためにその周縁やプルタブ9が、図2及び図3に二点鎖線で描いたように盛り上がり、打栓キャップ2,14が液密を保持し得ない状態となっているか、またはインナグリップ部分4からプルタブ9が外れかけているとの判定を下す機能、
c)容器口部1外周面とサイドグリップ部分5の境界域を囲むウィンドウD,Eにおいて、本来、ガラスと高分子材料の境界域である部位の輝度がしきい値T1を上回った場合に、容器口部1外側面に対するサイドグリップ部分5の嵌め合いの不良で両者の間に空隙が形成されているとの判定を下す機能、
d)同様にウィンドウCの両側に位置して容器口部1端面とインナグリップ部分4の境界域を囲むウィンドウA,Bにおいて、本来、ガラスと高分子材料の境界域である部位の輝度がしきい値T1を上回った場合に、容器口部1内側面に対するインナグリップ部分4の嵌め合いの不良で両者の間に空隙が形成されているとの判定を下す機能、
e)更に、外装キャップ3,15頂部とその上方の外部空間の境界域を囲むウィンドウNにおいて、高分子材料である外装キャップ3,15の天面部位が位置すべき範囲の輝度がしきい値T1を上回った際に、外装キャップ3,15が打栓キャップ2,14から外れているか、あるいは打栓キャップ2,14自体が容器口部1に嵌着されていないとの判定を下す機能、
を具備している(しきい値T1は、外装キャップ3,15の各測定場所により異なる)。
【0040】
すなわち、a項の機能により容器口部1の対する打栓キャップ2,14の嵌め合い不良の検知に先立って、内容液の漏れを生じている製品容器を間違いなく排除することが可能になる。
【0041】
このとき、容器口部1を横向きにすれば、欠陥がある打栓キャップ2,14から内容液が出やすくなり、不良な製品容器の特定を速やかに行なえる。
【0042】
b項の機能は、容器口部1に対する打栓キャップ2,14の嵌め合い不良の検知に最も重要な役割を担う。
【0043】
打栓キャップ2,14はスクリュー方式の容器密封手段とは違って、打栓キャップ2,14全体が容器口部1に充分に入り込んでいないというような嵌め合い不良はあまり発現せず、前述した容器口部1内側面に対するインナグリップ部分4の「まくれ」のために容器口部1の軸線に対して打栓キャップ2,14の軸線が斜めになる傾向を呈し、その結果、インナグリップ部分4の周縁やプルタブ9が容器口部1の周方向に不均一に盛り上がることが多い。
【0044】
容器口部1に対する打栓キャップ2,14の嵌め合い不良の要因は、打栓キャップ2、14や容器自体の成形誤差、容器口部1へ打栓キャップ2,14を圧入するキャップ嵌着装置の芯出しがずれていることなどにある。
【0045】
ここで、打栓キャップ2,14の中心を容器口部1の径方向に通るX線20の透過経路をも含み、プルタブ9及び容器口部1の端面を囲む前記ウィンドウCに注目してみると、容器口部1の軸線に対して打栓キャップ2,14の軸線が、X線20の照射方向上流側へ前傾した場合、X線20の照射方向下流側へ後傾した場合、あるいはX線20の照射方向の左側または右側に傾いた場合のいずれの状況であっても、インナグリップ部分4の周縁やプルタブ9が盛り上がった部位が像としてウィンドウCに現われるし、当然、プルタブ9が外れかかっている場合もその像がウィンドウCに現われるので、この打栓キャップ2,14が嵌着されている製品容器を間違いなく排除することが可能になる。
【0046】
容器に内容液を常温充填する際に特に問題はないが、内容液の加温充填を行なう際には容器の内容液が満たされていない空間の圧力上昇を考慮して、プルタブ9の一時的な盛り上がりを見込んで打栓キャップ2,14の嵌着状態を判定するのも言うまでもない。
【0047】
c項の機能とd項の機能は、インナグリップ部分4やサイドグリップ部分5と容器口部1の間における空隙の有無の検知であるが、前述したb項の機能との組み合わせによって、容器口部1に嵌着済みの打栓キャップ2,14の異常を確実に判定することができる。
【0048】
なお、本発明のX線による打栓キャップ嵌合時の不良検査方法及び装置は、上述の実施の形態のみに限定されるものではなく、打栓キャップ及び外装キャップに対して複数方向からX線を透過させる構成を採ること、X線撮像器としてX線ラインセンサを用いること、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲において変更を加え得ることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明のX線による打栓キャップ嵌合時の不良検査方法及び装置は、様々な容器に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明のX線による打栓キャップ嵌合時の不良検査装置の一例を示す概念図である。
【図2】打栓方式の容器密閉手段の一例である打栓キャップと外装キャップの光学像に設定したウィンドウの位置を示す概念図である。
【図3】打栓方式の容器密閉手段の他の例である打栓キャップと外装キャップの光学像に設定したウィンドウの位置を示す概念図である。
【図4】容器口部を軸線方向から見たときの打栓キャップに対するX線の透過経路と各ウィンドウの関係を示す概念図である。
【図5】打栓方式の容器密閉手段の一例である打栓キャップと外装キャップの縦断面図である。
【図6】打栓方式の容器密閉手段の他の例である打栓キャップと外装キャップの縦断面図である。
【符号の説明】
【0051】
1 容器口部
2 打栓キャップ
3 外装キャップ
4 インナグリップ部分
5 サイドグリップ部分
9 プルタブ
14 打栓キャップ
15 外装キャップ
20 X線
21 X線発生装置
22 X線撮像器
23 CCDカメラ
24 画像信号
25 判定手段
A ウィンドウ
B ウィンドウ
C ウィンドウ
D ウィンドウ
E ウィンドウ
F ウィンドウ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器口部の端面に被さってその先端内側面の全周に接する打栓キャップのインナグリップ部分と当該インナグリップ部分の内方にあって容器口部を塞いでいるプルタブとの双方に容器口部の径方向へX線を透過させ、X線撮像器により変換したX線透視輝度分布の光学像に、プルタブ及び容器口部の端面を囲むウィンドウを設定し、当該ウィンドウ内の輝度分布に基づき、容器口部の閉塞状態の可否判定を行なうことを特徴とするX線による打栓キャップ嵌合時の不良検査方法。
【請求項2】
インナグリップ部分に連なって容器口部の先端外側面の全周に接する打栓キャップのサイドグリップ部分に容器口部の接線方向へX線を透過させ、X線撮像器により変換したX線透視輝度分布の光学像に、サイドグリップ及び容器口部の先端外側面を囲むウィンドウを設定し、当該ウィンドウ内の輝度分布に基づき、容器口部の閉塞状態の可否判定を行なう請求項1に記載のX線による打栓キャップ嵌合時の不良検査方法。
【請求項3】
インナグリップ部分に容器口部の接線方向へX線を透過させ、X線撮像器により変換したX線透視輝度分布の光学像に、インナグリップ部分及び容器口部の端面を囲むウィンドウを設定し、当該ウィンドウ内の輝度分布に基づき、容器口部の閉塞状態の可否判定を行なう請求項2に記載のX線による打栓キャップ嵌合時の不良検査方法。
【請求項4】
打栓キャップに被さる外装キャップ内方の空間に容器口部の接線方向へX線を透過させ、X線撮像器により変換したX線透視輝度分布の光学像に、前記空間を囲むウィンドウを設定し、当該ウィンドウ内の輝度分布に基づき、容器口部の閉塞状態の可否判定を行なう請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のX線による打栓キャップ嵌合時の不良検査方法。
【請求項5】
容器口部を横向きにしたうえ、外装キャップ内方の空間を囲むウィンドウ内の輝度分布に基づいて、容器口部の閉塞状態の可否判定を行なう請求項4に記載のX線による打栓キャップ嵌合時の不良検査方法。
【請求項6】
容器口部の端面に被さってその先端内側面の全周に接する打栓キャップのインナグリップ部分と当該インナグリップ部分の内方にあって容器口部を塞いでいるプルタブとの双方に容器口部の径方向へX線を照射し得るX線発生装置と、打栓キャップを透過したX線の輝度分布を光学像に変換するX線撮像器と、該X線撮像器の光学像を撮影するカメラと、該カメラの画像信号に基づいて容器口部の先端内側面に対するインナグリップ部分の嵌め合い状態を検出する判定手段とを備えてなることを特徴とするX線による打栓キャップ嵌合時の不良検査装置。
【請求項7】
インナグリップ部分に連なって容器口部の先端外側面の全周に接する打栓キャップのサイドグリップ部分に容器口部の接線方向へX線を照射し得るX線発生装置と、カメラの画像信号に基づいて容器口部の先端外側面に対するサイドグリップ部分の嵌め合い状態を検出する判定手段とを備えた請求項6に記載のX線による打栓キャップ嵌合時の不良検査装置。
【請求項8】
カメラの画像信号に基づいて容器口部の端面に対するインナグリップ部分の嵌め合い状態を検出する判定手段を備えた請求項7に記載のX線による打栓キャップ嵌合時の不良検査装置。
【請求項9】
プルタブの容器口部とは反対側の空間に容器口部の接線方向へX線を照射し得るX線発生装置と、カメラの画像信号に基づいて前記空間への内容液の漏れを検出する判定手段とを備えた請求項6乃至請求項8のいずれかに記載のX線による打栓キャップ嵌合時の不良検査装置。
【請求項10】
打栓キャップを容器口部に嵌着してある容器の搬送経路の一側方にX線発生装置を配置し、当該搬送経路の他側方にX線撮像器を配置した請求項6乃至請求項9のいずれかに記載のX線による打栓キャップ嵌合時の不良検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−24754(P2007−24754A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−209760(P2005−209760)
【出願日】平成17年7月20日(2005.7.20)
【出願人】(391051485)高嶋技研株式会社 (10)
【出願人】(301058333)株式会社ミツカンサンミ (13)
【出願人】(398065531)株式会社ミツカングループ本社 (157)
【Fターム(参考)】