つる植物栽培用用土容器及び育成仕立て運搬用資材

【課題】従来の方法では、つる植物を健全に育成させ、仕立ててその形態特性を維持したまま移送、運搬させ市場に提供する方法が提供されておらず、これらの課題解決が困難であった。
【解決手段】一般的な植物の根が下方向に伸びて成長するという性質の植物培養用土形体の鉢という概念を一新して、つる植物の根が主に一定の深さで横方向に長く伸びるという特性に着目し、培養土容器を横方向へ伸ばした横長直方体、横長円柱体という横長多面体を栽培用用土容器形体の特徴とした。その横長方向の長さを利用して、垂直上方向に更につる植物を育成させる面積の確保を可能とし、より健全につる植物を育成させ、かつその形態のまま、つる植物の特性を維持しながら移送、運搬させようとすることに関するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、長く成長した形態につる植物を栽培育成、仕立てる為の資材を用い、そのつる植物の形態特性を維持したまま育成し、仕立たつる植物と共に、その資材を巻く、たたむ等の作業のみでつる植物の生産から移送、運搬を可能とさせることに関するものである。
【０００２】
本発明は簡易な方法で、成長したつる植物を栽培育成仕立てた形態を維持した資材により、その資材本体を広げる、囲う、覆うという作業のみで、ベランダ等の緑化から、建物の壁面緑化、インテリア、雑貨等多様性に適応することを可能としたことに関するものである。
【０００３】
本発明は、一般家庭に留まらず、社会的ニーズであるヒートアイランド現象の緩和目的の緑化への応用と、建築物における壁面緑化に関する従来の緑化システムにも適応することを可能としたことに関するものである。
【０００４】
本発明は、つる植物の生産者にとって、簡易で省スペースな栽培育成仕立てを可能とし、収納、移送、運搬に当たっても、簡易で省スペースな運搬方法を可能としたことに関する。またその形体において、園芸店等の店頭でも省スペースでの販売を可能とし、つる植物の形態特性を維持しながら、生産者から消費者までつる植物の流通を可能とした、つる植物栽培用用土容器及び育成仕立て運搬用資材を提供することに関するものである。
【背景技術】
【０００５】
園芸店で販売されている従来のつる植物は、一般的な植物用の鉢に支柱を巡らせ、小さく限られたスペースにつるを巻きつけていくといった方法や、短いトレリスが差し込まれているものに、つるがからみついているといった形態での提供方法である。これは、生産者側の育成スペース等の問題や、運搬上の問題に大きく左右された結果であり、つる植物本来の特性である長く成長した形態に仕立て、その形体を維持したまま市場に提供するという解決策が見出せないための現状である。
【０００６】
つる植物用の育成、仕立て用資材として、支柱やネット、トレリス、ラティス等がある。これらはつる植物の誘引の為の資材であるが、本来の消費者の期待する成長した形態のつる植物に覆われたフェンスやアーチに至るまでには数年という時間を要している。またこれら構造物はそのもの自体に大きさや重量があるため、移送や運搬が困難で、設置に当たっても簡易に設置することが困難で、場合によっては専門業者の運搬や施工を必要としているといった現状がある。
【０００７】
【特許文献１】特許公開２００４−２８３０７５号
【特許文献２】特許第３４１５３９９号
【特許文献３】特許公開２００５−１４３４０６号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００８】
文献１においては、植物を壁面全体に誘引するための植生ネットで、ネットそのものに植物の生育上必要である栄養素、水、の供給方法を基本としたものであり、あくまでネットにつる植物を覆うことが可能であるものの、植物を植生ネット設置後に植栽し、時間をかけて植物を育てていく為の植生ネットに関する。
【０００９】
文献２，３においては、それぞれ建物への壁面緑化に関し、植物や植物を入れるための容器資材を建物の壁面に固定させる方法の範囲に留まっている。
【００１０】
本発明はこのような従来の壁面緑化の技術や方法、工法、構成が提供、解決できなかった、簡易な方法で始めから成長した形態の植物に覆われた緑化が得られるという可能性を実現させことを目的とするもので、つる植物をその形態特性を維持したまま、簡易でかつ短時間で緑化する方法、資材を提供し、一般家庭から建物への緑化までの広い用途に適応し、実現させることを目的とするものである。
【００１１】
本発明は、成長した形態のつる植物を多用途に適応できるように、栽培育成の段階でつる植物の生理的特性を十分に考慮し、従来の一般的な植物用の栽培用土容器形体の鉢という概念を一新し、つる植物の育成に適した環境を得るための栽培育成用土容器形体としたことを特徴とする。この特徴により、より簡易につる植物の栽培育成仕立てを可能とした。この資材により、つる植物の形態特性を維持したまま移送、運搬を可能とすることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【００１２】
本発明は、戸建の壁面、ベランダの緑化や日よけ、ブラインド代わりに。またフェンス、すだれ等に。集合住宅やマンション等の壁面、フェンス、ベランダ等の緑化としての用途へ。ひいては建物の壁面緑化へと広い範囲への適応が簡易に行われることを可能とすることを特徴とする。
【００１３】
つる植物は園芸農家や生産者の育成段階で、その植物の生理特性を十分に考慮される事無く、従来の一般的な植物用栽培容器で栽培育成されている。これらは生産者側の育成スペースや仕立て方の困難さ等の問題が解決できないために、つる植物専用の資材や方法が提供されていなかったことの結果である。従来の方法では本来のつる植物の形態特性を維持しながら、栽培育成、移送、運搬、市場導入させることが困難であり、一般的な植物用の鉢に支柱やネットが付属してあるものの、つるや茎等は折り重なったり、ぐるぐると巻かれた状態であったり、まだ成長途中であったり、苗の状態のままでの提供のされ方がほとんどであり、従来の技術や方法を用いて成長したつる植物を提供するためには多くの解決すべき課題が残されている。また従来の育成、運搬の方法により、茎やつる部分が折れたり傷ついてしまうなど、植物に与えるダメージも多く、移送運搬の過程で商品としての価値も損なわれる等の問題点を多く抱えているのが現状である。そこで、つる植物の生理特性である、根が主に下方向ではなく横に長く伸びるという生理特性に着目し、従来の一般的な植物の根が下方向に張り成長するという発想から生まれた一般的な植物栽培用用土容器としての鉢の概念を一新し、つる植物の特性を追求した栽培用用土容器形体であることを特徴とする。従来の円錐台形、円柱形、立方体形、直方体形等を基準とした深さと大きさの比率を主に追求した鉢ではなく、横長直方体、横長円柱体等横長多面体形体とし、横方向の延長形が深さとの比率に影響されないことを特徴とする。この形体はつる植物の生理的特性を十分に考慮した形体であり、つる植物が健全に成長するための育成環境が十分に得られることを可能とした手段が得られることを特徴とする。
【００１４】
本発明が提供するこのつる植物用栽培用土容器形体の横方向の垂線から、垂直上方向にさらにつるが伸び成長育成していくための面積と環境条件を十分に確保することが可能であり、つる植物が健全に育成していくための環境と条件がより得られることを特徴とする。本形体は植物用栽培用土容器と垂直上方向との資材とは一体形体を成す。つる植物の生理環境条件に適合した、つる植物栽培用用土容器及び育成仕立て運搬用資材を提供するものである。
【００１５】
これにより、従来の鉢を用いることよりもより健全なつる植物の育成条件が得られる。生産の現場にあっては、本発明の資材を垂直あるいはコの字、Ｖ字等に資材面を立て、或いは吊るし、或いは斜面を利用する等、つる植物をその面に仕立て育成させ、その形態を本発明が提供する栽培育成用度容器と資材と共に、巻く、囲う等の形体にして、つる植物の形態特性を維持したまま移送、運搬させることを可能とし、従来の育成、運搬の困難さと現状の課題を解決する方法手段を提供することを特徴とする。
【００１６】
従来のつる植物用のネットやトレリス、ラティス等は、その構造物自体に大きさがあるものが多いため、かなり大掛かりな施工となることもあり、プランター等につる植物を植栽しても、全体を覆うまでには、数年という時間を要するのが現状である。しかし、従来の課題解決のための本発明を用いれば、同じ面積を短時間で簡易に緑化することが可能であり、同時に単品種、複数品種、つる植物以外の植物を楽しむことを可能とする手段である。
【発明の効果】
【００１７】
つる植物の生理特徴である根が主に横に長く伸びるという生理特性に着目し、栽培育成用土容器を横方向の延長形体としたことで、よりつる植物の成長育成に適応する効果を得ることを特徴とする。従来の鉢の概念である一般的な植物が主に下方向に根を張っていくという整理特性を満たすために、植栽する植物が大型になれば鉢を大きく深くするという鉢の径の大きさと深さの比率関係を主にした概念の形体ではなく、横方向の延長形体とし、その延長形と深さとは比率関係を持たず、つる植物がより健全に成長育成する環境を得る効果を追及したものである。また栽培育成用土容器に十分な横方向の長さが得られる事で、更に垂直上方向につるが成長育成していくための面積と環境が十分に得られ、つる植物が健全に育成するための環境が十分に簡易に得られる。本発明により、よりつる植物の特性を維持することが可能となり、この形態を維持しながら、本発明が提供する資材とともに巻く、たたむ等の簡易な方法でつる植物の特性を維持しながら移送、運搬をも可能とした。これにより従来の問題や困難な課題を解決する効果が得られる。
【００１８】
本発明のつる植物の栽培用用土容器及び育成仕立て運搬用資材を用いることで、生産者は、長く成長した形態でつる植物を提供することが可能であり、つる植物をその仕立てた資材と共に、巻く、囲う等の形体に変化させることのみで、つる植物の形態特性を維持したまま簡易に移送、運搬することを可能とした。また、園芸店などの店頭に於いても省スペース化を計ることを可能とした。
【００１９】
ベランダやバルコニー、壁面及び建物壁面に本発明が提供する長く成長したつる植物をその栽培育成仕立て用資材のまま広げる、囲う、覆うといった簡易な方法で、資材面の緑化が短時間で容易に得られ、従来の構造物への緑化も簡易にすることが可能となる。
【００２０】
本発明の、つる植物の栽培用土容器と育成仕立て運搬用資材を用いることで、従来のような植栽のためのプランターやプランターに取り付ける支柱やネット、ラティスやトレリス等の取り付け作業や手間が省け、この資材を取り付ける事のみで、簡易につる植物を育成するための準備と環境を整えることが可能である。
【００２１】
本発明の、つる植物の栽培用用土容器と育成仕立て運搬用資材は、ベランダやバルコニーなどの緑化や日よけ、ブラインド等に、またサイズや連結方法を変えれば、従来の建物への壁面緑化へも応用を可能とし、簡易な方法や手段で形体を変えることのみで、インテリアや雑貨等への多様性にも変化しうる特徴をもつものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【００２２】
以下、本発明の実施形態を図１〜図８に基づいて説明する。この実施例に記載されている寸法や材質、形体や配置などは、本発明の範囲に限定する趣旨ではなく、本実施例説明のための例にすぎない。
【００２３】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図１は本発明の正面外観図である。資材本体１には、本発明が提供するつる植物栽培用用土部２を有し、この２の形体は横方向の延長形であることを特徴とし、本実施形体では、深さは５〜１０センチメートル程で長さを９０〜１２０センチメートルとした。２の横方向の垂線上に垂直上方向につる植物のつるや茎が成長していくための育成面積本体１を有することを特徴とする形体である。本実施形体の２は従来の植物育成用の一般的な鉢やプランター類の概念とは大きく異なり、つる植物の生理特性である根がある程度の深さから横方向に長く伸びるという特徴を十分に適応させる形体である。横方向の延長形は提供しようとする環境や条件により決定されるものとし、栽培用土容器と垂直上方向の資材とは脱着も可能であり、本実施形体の機能を有するものであればこの限りではない。１本体の網目状はつる植物の種類や性質により、本実施形態では５〜１０ｃｍ×５〜１０ｃｍと２０ｃｍ×２０ｃｍ以上としているが、これに限定されるものではない。また、網目状の素材は、竹や木製など天然素材から、樹脂製、プラスティック製等の加工品またはアルミ製、ステンレス製等、用途環境等により適応させるものである。本実施形態では、天然素材を使用した。また、形状は網目でも、線状、その他の形体でも可能である。資材表面が平面、曲面、断面等も可能であり、植物の種類、提供しようとする環境にそれぞれを適応させるものとし、素材、材質、形状等はそれぞれの機能を有するものであればこの限りではないものとする。
【００２４】
図２は、つる植物が長く成長し、移送、運搬する際の巻く、囲む等の形体変形の際に、本体１の面が重なり合い植物そのものを痛めないために、一定の植物空間を確保するための３を有し、植物を痛めず、長く広い面積のものを植物の形態特性を維持しつつ、省スペースでコンパクトに収納し、移送、運搬させることを可能とした説明のための実施例である。３は、植物の保護の範囲のみに留まらず、それ自体が移動可能であり、片面あるいは両面に連結部位を持ち、基板に直接固定することも可能である。本実施形態ではアルミ平板の両端固定部をＴ字状にし、基盤に固定するための固定材用孔部に固定材を通して固定した。この３の素材や形状等は本体１の素材や形状等設置環境や設置しようとする材質にあわせ、選択するものとする。また３は脱着移動可能であり、植物の種類や特性、設置条件、環境により装着、個数等は必須条件ではない。
【００２５】
図２（ａ）は移送、運搬させる準備として、３を前面に押し出し、背面Ｔ字部を固定させ、（ｂ）の形体に巻く作業を説明しようとするための図である。本実施形態は３背面Ｔ字部にある固定孔部に、１の表面より樹脂製ピンを差込み、３を固定させた。この固定方法は本実施形態に留まらず、１の素材、植物の種類によりそれぞれに適した方法や材質を使うものとする。また、移送、運搬に際して本実施形態では２上部を覆うものとする。しかし２上部形体によってはこの限りではない。図（ｂ）は、１の上部３が巻きの中心部でそれぞれ連結、又は空間維持の為に接し、巻いて行くための植物保護、空間維持の役割を果たすことを可能とする例である。植物の種類ボリューム等により連結、接するという条件は必須ではない。また３の長さに関しても１の素材、植物の種類やボリューム等により、それぞれの環境に合わせた長さの設定とし、３の有無に関してもそれぞれの機能と条件にあわせるものとする。
【００２６】
図３は、２の栽培用土部を複数個に区切り、折り曲げを可能とした。これにより例えば３分割で三角形、４分割で四角形等、また１本の軟性の素材を用い円形等に形状を変化させることが可能である。これにより柱を囲んだり、仕切ったり等への利用を可能とし、中にライト等を挿入すればグリーンのインテリア照明など、サイズや形状変形により多用途に適応することを可能とするものである。（ｃ）は図３の２を３分割にし、三角形の形状にした一例を示した図である。例では形状を閉じているが、開放した状態等使用目的に応じて適応させるものとする。
【００２７】
図４は、灌水方法の本実施形態の一例を示したものである。植栽用土部２に直接灌水することも可能である。また、例えば１の本体素材に水苔等を付着させて利用すれば、本体へ直接灌水することも可能である。図４は面の網目状部を軟性、硬性のプラスティック系の管をチューブのように蛇行させ面とし、上端部７の孔部より灌水させることを可能とした。７の管の径は植物の種類や環境により変化させることが可能であり、流量を調節することを可能とする。この管の素材は用途、環境に合わせ、その機能を有するものであればこの限りではない。６部は管の途中からの灌水を可能とした図であり、（ｅ）（ｆ）は差し込む、つなげる等の一例である。（ｄ）は５の拡大図であり、管に点滴灌水用の穴があいており、この部分が２の植栽用土部への灌水を可能とする。また、植物の密生度や生長の度合いや環境により、灌水用管を複数本とし、点滴灌水方向も左右両方向から行うこともできるものとする。灌水方法は図１の網目状素材を図４と同素材にすることも、自動灌水システムを使用することも可能であり、設置環境、材質等により、それぞれに潅水可能な機能を有するものを適応させることとする。
【００２８】
図５は、図１の本体の範囲内に複数の栽培用土部２を有する形状を示している。２を複数有することで、より短期間につる植物のスクリーンを形成することを可能とした。２の栽培用用土部は形成されたプラスティック等の閉ざされた容器に苗が生長する開口部を設けるか、上端が開放された形でも、苗部のみに開放部のあるもの等、使用目的、設置場所により変形させるものとする。また、運搬時に用土が外へこぼれない様に開口部が塞げる等に機能を持たせるものとする。栽培用土入部そのものの素材は従来のテラコッタや不織布や透水性のない不織布、また麻布や樹脂性、プラスティック性の素材、竹や木製などの天然素材から、室内に於いてはインテリアや室内環境等使用用途、目的により素材、形状は選択する。また栽培用土はできれば人工軽量土や改良土壌などのように保水力に富み、かつ軽量のものが望ましい。また、インテリアや室内用での使用には、ハイドロカルチャーや高分子吸水ポリマー等を用土に混ぜ込む等の方法をその使用目的、環境等により選択するものとし、それぞれの機能を有するもの中から適応させるものとする。
【００２９】
図６は図１の基本資材を縦方向につないだ最も簡易な一例を示したものである。図６の９の資材吊り下げ具を２の栽培用土容器に作られた、図（ｇ）の溝８に掛けて吊るす方法である。本体そのものの重量も軽量であり、なおかつ用土も軽量なものを用いることで、簡易により長さと面積のある緑のスクリーンを得ることを可能とした。またこの方法は横方向への連結も可能とし、縦横自在に形作ることを可能とした。建築物等の壁面緑化の場合でこの資材の数量が増える場合には、連結時負担を軽減させるために、３を増やす、２をより強化する、８の溝を増やす等の方法をとり、より条件に適応する工法、設置方法等を選択するものとする。資材を固定させるためには、３孔部を直接基盤に固定するか、８部に重りを吊るす、下部固定基盤に８の溝とをつなぐ等、設置環境により固定方法を選択するものとする。
【００３０】
図７は図１の誘引素材の形状を変形させる、或いは画やマーク、文字等の部分１０を染色や着色等して、緑のスクリーンの応用範囲を広げようとする一例の図である。
【００３１】
図８は、画やマーク、文字等の形を立体資材に誘引させた方法で、つる植物の特性を生かした立体形体等を作らせようとする一例の図である。この例１１のように立体誘引資材のみでの使用も可能であり、この場合、誘引立体資材中に用土部を持ち、必要な部分の区切りに用土部を配し、直接その部位からつる植物等を誘引することができる構造である。この形体から植物利用の応用範囲をさらに広げる可能性も見出せるものである。
【００３２】
基本形図１は、本体そのもののサイズを拡大縮小させることが可能であり、多用途への応用を可能とした。図１の網目はつる植物が成長、生育した後には、縦方向あるいは横方向の支柱を抜き去ることも可能で、より自然な緑のスクリーンの提供が可能である。
【図面の簡単な説明】
【００３３】
【図１】本発明の実施形態を示す、つる植物の栽培育成用容器及び運搬用資材の正面図である。
【図２】図１のＡ−Ａ線の断面図及び移送、運搬時形体の一例の断面図である。
【図３】同資材を多面的に使用するための一例の外観図である。（ｃ）は多面使いの一例の立体図である。
【図４】本体の網目状部が灌水パイプを兼ねた管やチューブで形成された外観図。（ｄ）は５の拡大図、（ｅ）（ｆ）は６の拡大図である。
【図５】図１に複数の栽培用土部２を設けた図である。
【図６】図１を縦方向に連結した図である。（ｇ）は２の連結部位を示す一例の拡大図である。
【図７】図１の本体面に画や文字、マーク等を入れる一例を示す外観図である。
【図８】図１の本体面を画や文字等で立体的形体に誘引する一例を示す外観図である。
【符号の説明】
【００３４】
１、本発明の実施形態を示す基本形体
２、本発明の実施形態を示す、つる植物栽培用用土部
３、運搬時用植物保護材及び、基盤固定部
５、点滴灌水部
７、灌水孔部
８、資材連結用部位
【選択図】
図１

【特許請求の範囲】
【請求項１】
従来の一般的な植物が下方向へ根を張り成長するための栽培用用土容器という鉢の概念を一新し、つる植物の生理的特徴である根がある深さから主に横に長く伸びるという性質に着目し、よりつる植物に適した栽培用土容器形体としたことを特徴とする。この特徴は横長方向の直方体、横長円柱体等横長多面体の形体を成し、この横方向の垂線から垂直上方向に更につる植物が成長していくための十分な育成面積を確保することを可能としたことを特徴とする。この栽培用土容器資材形体により、より健全なつる植物の育成、形態維持のための環境条件を十分に得ることを可能とした。この方法で育成し仕立てたつる植物の形態をその資材形体のまま、巻く、たたむ等の方法でつる植物の形態特性を維持しながら、移送、運搬することを可能とした。この方法により、市場に成長した形態のつる植物の提供を可能とするものである。
【請求項２】
簡易な方法で成長した形態のつる植物をその資材と共に広げる、囲う、覆う等の簡易作業のみで、ベランダやバルコニーなどへの緑化や日よけ、ブラインド等へ、また建築物や建物への緑化や従来の壁面緑化工法への適応を可能とし、室内・室外のインテリア、雑貨等にいたるまで、多岐に渡るニーズや用途に適応させることを可能とした請求項１に記載のつる植物の栽培育成仕立用用土容器と運搬用資材に関するものである。

【図１】