説明

アウトソール及びこれを備えた靴

【課題】 濡れた地面上でも十分な防滑性能を発揮するアウトソール1の提供。
【解決手段】 アウトソール1は、底面に突出部2を備えている。底面のうち突出部2以外の部分は、凹陥部3である。このアウトソール1は、ゴム組成物が架橋されることによって成形されている。このゴム組成物の基材ポリマーは、ガラス転移点が−40℃以上0℃以下のアクリロニトリル−ブタジエンゴムを30質量%以上含んでいる。このアウトソール1の、初期歪みが10%であり、振幅が±2%であり、周波数が10Hzであり、開始温度が−100℃であり、終了温度が100℃であり、昇温速度が3℃/minであり、変形モードが引張である条件で粘弾性スペクトロメーターによって測定された損失係数曲線のピーク温度は、−30℃以上0℃以下である。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ウォーキングシューズ、トレッキングシューズ等の靴と、この靴に用いられるアウトソールとに関するものである。
【0002】
【従来の技術】靴は、その底面を形成するアウトソールを備えている。通常アウトソールは、ゴム等を基材とするポリマー組成物から形成されている。このアウトソールに対する重要な要求性能として、地面とスリップしにくいこと、すなわち防滑性能が良好であることが挙げられる。防滑性能向上の目的で、アウトソールには従来種々の工夫が施されてきている。例えば特許第2957480号公報には、特定の溶液重合スチレン−ブタジエンゴムが用いられることによって防滑性能が高められたアウトソールが開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、十分な防滑性能を備えたアウトソールは、未だに得られていないのが実状である。特に、雨天時の地面や水辺ではアウトソールと地面との間に水膜が介在し、この水膜が地面とアウトソールとのスリップを助長することがある。濡れた地面上での防滑性能に優れたアウトソールが望まれている。
【0004】本発明はこのような実状に鑑みてなされたものであり、濡れた地面上でも十分な防滑性能を発揮するアウトソールの提供と、このアウトソールを備えた靴の提供とをその目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するためになされた発明は、ゴム組成物が架橋されてなる靴のアウトソールであって、初期歪みが10%であり、振幅が±2%であり、周波数が10Hzであり、開始温度が−100℃であり、終了温度が100℃であり、昇温速度が3℃/minであり、変形モードが引張である条件で粘弾性スペクトロメーターによって測定された損失係数曲線のピーク温度が−30℃以上0℃以下であり、このゴム組成物の基材ポリマーが、ガラス転移点が−40℃以上0℃以下のアクリロニトリル−ブタジエンゴムを30質量%以上含んでいることを特徴とするアウトソール、である。
【0006】アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)は耐油性に優れるゴムであり、耐油性が要求される用途(安全靴のソール)に用いられているゴムである。本発明のアウトソールでは、ガラス転移点が所定範囲にあるアクリロニトリル−ブタジエンゴムが選択的に用いられ、また損失係数のピーク温度が所定範囲内に設定されている。従って、このアウトソールは従来のアウトソールに比して飛躍的に優れた防滑性能を発揮する。特にこのアウトソールは、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)やブタジエンゴム(BR)が主成分とされた従来のアウトソールに比べて、濡れた地面上での防滑性能(以下、「ウエットグリップ性能」とも称される)に優れたものである。このアウトソールが用いられた靴は、スリップを起こしにくい。
【0007】好ましくは、上記条件で測定された−10℃におけるアウトソールの複素弾性率(E)は、15.0MPa以上である。これにより、アウトソールがさらに優れたウエットグリップ性能を発揮する。
【0008】好ましくは、上記条件で測定された−10℃におけるアウトソールの損失係数(tanδ)は、0.50以上である。これにより、アウトソールがさらに優れたウエットグリップ性能を発揮する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、適宜図面が参照されつつ、本発明の実施形態が説明される。
【0010】図1は本発明の一実施形態にかかるアウトソール1が示された底面図であり、図2は図1のアウトソール1の一部が示された縦断面図である。このアウトソール1は、底面に突出部2を備えている。底面のうち突出部2以外の部分は、凹陥部3である。図1には右足用のアウトソール1のみが示されているが、左足用のアウトソール1は、図1に示された形状が左右反転された形状である。このアウトソール1に既知のアッパー、インソール等が取り付けられることにより、靴が構成される。
【0011】このアウトソール1は、ゴム組成物が架橋されることによって形成されている。ゴム組成物に用いられる基材ポリマーは、ガラス転移点(Tg)が−40℃以上0℃以下のアクリロニトリル−ブタジエンゴムを含んでいる。アクリロニトリル−ブタジエンゴムのガラス転移点が−40℃未満であると、アウトソール1のウエットグリップ性能が不十分となることがある。この観点から、ガラス転移点が−35℃以上、特には−32℃以上のアクリロニトリル−ブタジエンゴムが用いられるのが好ましい。逆に、アクリロニトリル−ブタジエンゴムのガラス転移点が0℃を超えると、低温でアウトソール1が使用された際にアウトソール1にクラックが発生することがある。この観点から、ガラス転移点が−5℃以下、さらには−8℃以下のアクリロニトリル−ブタジエンゴムが用いられるのが好ましい。
【0012】ガラス転移点が−40℃以上0℃以下のアクリロニトリル−ブタジエンゴムが他の基材ポリマーと併用される場合、ガラス転移点が−40℃以上0℃以下のアクリロニトリル−ブタジエンゴムが全ポリマーに占める比率が30質量%以上とされる。これにより、アウトソール1のウエットグリップ性能が良好となる。この観点から、上記比率は50質量%以上、特には70質量%が好ましい。ウエットグリップ性能の観点からは、上記比率は100質量%が最も好ましい。但し、アクリロニトリル−ブタジエンゴムは概して高価なので、材料コスト低減の観点から他のポリマーが併用されてもよい。また、強度向上、耐摩耗性向上、加工性向上等の目的で、他のポリマーが併用されてもよい。
【0013】併用されるゴムとしては、例えば天然ゴム、他のアクリロニトリル−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、多硫化ゴム、ウレタンゴム等が挙げられる。また、合成樹脂、熱可塑性エラストマー等が併用されてもよい。
【0014】結合アクリロニトリル含有率(AN率)が25%以上、さらには28%以上、特には31%以上のアクリロニトリル−ブタジエンゴムが用いられるのが好ましい。結合アクリロニトリル率が上記範囲未満であると、アウトソール1のウエットグリップ性能が不十分となってしまうことがある。なお、結合アクリロニトリル率が高いアクリロニトリル−ブタジエンゴムは安価で入手することが困難なので、結合アクリロニトリル率は43%以下、さらには38%以下、特には36%以下が好ましい。
【0015】ゴム組成物は、既知の手段によって架橋される。通常は、架橋剤として硫黄が用いられる。一般的な硫黄の配合量は、基材ポリマー100部に対して0.3部以上5.0部以下、特には0.5部以上3.0部以下である。硫黄と共に、加硫促進剤が用いられてもよい。好適な加硫促進剤としては、チアゾール系加硫促進剤、チウラム系加硫促進剤、スルフェンアミド系加硫促進剤、ジオカルバミン酸塩系加硫促進剤等が挙げられる。特に、本発明のアウトソール1にはチアゾール系加硫促進剤及びチウラム系加硫促進剤が好ましい。一般的な加硫促進剤の配合量は、基材ポリマー100部に対して0.5部以上7部以下、特には1.5部以上4部以下である。また、加硫促進助剤として、酸化亜鉛等の金属化合物や、ステアリン酸等の脂肪酸が配合されてもよい。なお、本明細書において「部」で示される数値は、質量が基準とされたときの比を意味する。
【0016】強度向上の目的で、ゴム組成物に充填剤が配合されるのが好ましい。用いられうる充填剤としては、例えばシリカ、カーボンブラック、炭酸カルシウム、クレー等が挙げられる。なかでも、補強効果に優れるシリカ及びカーボンブラックが好ましく、一次粒子径が30nm以下であるシリカが特に好ましい。一般的なシリカの配合量は、基材ポリマー100部に対して3部以上70部以下、特には35部以上65部以下である。シリカと共にシリル化剤又はシランカップリング剤が適量配合されてもよく、これによってアウトソール1の撥水性が向上する。さらに、ゴム組成物に可塑剤、老化防止剤、着色剤等の添加剤が適宜配合されてもよい。
【0017】このアウトソール1の損失係数(tanδ)の曲線がピークを示す温度(ピーク温度)は、−30℃以上0℃以下である。ピーク温度が−30℃未満であると、アウトソール1のウエットグリップ性能が不十分となることがある。この観点から、ピーク温度は−25℃以上、特には−22℃以上が好ましい。逆に、ピーク温度が0℃を超えると、低温でアウトソール1が使用された際にアウトソール1にクラックが発生することがある。この観点から、ピーク温度は−5℃以下、特には−8℃以下が好ましい。なお、損失係数は、下記の表Aに示される条件で、粘弾性スペクトロメーターによって測定される。
【0018】
表A 粘弾性スペクトロメーターの測定条件初期歪み:10%振幅:±2%周波数:10Hz開始温度:−100℃終了温度:100℃昇温速度:3℃/min変形モード:引張
【0019】粘弾性スペクトロメーターによる測定に供される試験片は板状であり、その長さは45mmであり、幅は4mmであり、厚みは2mmである。この試験片の両端部がチャックされて、測定がなされる。試験片の変位部分の長さは、30mmである。この試験片は、アウトソール1から切り出される。切り出しが困難な場合は、アウトソール1と同一のゴム組成物から厚みが2mmのスラブが金型で成形・架橋され、このスラブから試験片が打ち抜かれる。スラブの架橋は、160℃で10分間行われる。
【0020】このアウトソール1の−10℃における複素弾性率(E)は、15.0MPa以上が好ましい。複素弾性率がこれ未満であると、アウトソール1のウエットグリップ性能が不十分となることがある。この観点から、複素弾性率は16.0MPa以上がより好ましく、17.0MPa以上が特に好ましい。複素弾性率が大きいほどアウトソール1のウエットグリップ性能が高くなる傾向があるが、通常得られるアウトソール1の複素弾性率は100MPa以下、特には80MPa以下である。なお、−10℃における複素弾性率は、上記の表Aに示される条件で、粘弾性スペクトロメーターによって測定される。
【0021】このアウトソール1の−10℃における損失係数(tanδ)は、0.50以上が好ましい。損失係数がこれ未満であると、アウトソール1のウエットグリップ性能が不十分となることがある。この観点から、損失係数は0.55以上が好ましく、0.60以上が特に好ましい。損失係数が大きいほどアウトソール1のウエットグリップ性能が高くなる傾向があるが、通常得られるアウトソール1の損失係数は3.0以下、特には2.0以下である。なお、−10℃における損失係数は、上記の表Aに示される条件で、粘弾性スペクトロメーターによって測定される。
【0022】このアウトソール1の製造では、まず基材ポリマー、架橋剤、各種添加剤等が例えば密閉式混練機、オープンロール等で混練され、ゴム組成物が得られる。次に、このゴム組成物が、アウトソール1と同等形状であるキャビティを備えた金型に投入される。次に、ゴム組成物が加熱・加圧され、架橋反応を起こす。こうして、アウトソール1が成形される。もちろん、例えば射出成形法等の他の成形方法が用いられてもよい。
【0023】このアウトソール1は、濡れた地面上で用いられる機会が多い靴に特に好適である。具体的には、トレッキングシューズ、ウオーキングシューズ、ゴルフシューズ、フィッシングブーツ、ダイビング用シューズ、デッキシューズ、バイク用シューズ、風呂用シューズ、レインシューズ、ビーチサンダル等に好適である。
【0024】
【実施例】以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきでないことはもちろんである。
【0025】[実施例1]ガラス転移点が−28.0℃であり結合アクリロニトリル率が33.5%であるアクリロニトリル−ブタジエンゴム(日本ゼオン社の商品名「Nipol DN200」)100部、シリカ(デグサ社の商品名「ウルトラジルVN3」)45部、シランカップリング剤としてのビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフェン(デグサ社の商品名「Si69」)4.0部、可塑剤としてのジオクチルフタレート(三建化工社の商品名「DOP」)3.0部、老化防止剤(大内新興化学工業社の商品名「サンノックN」)0.5部及び他の老化防止剤としての2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(大内新興化学工業社の商品名「ノクラック200」)2.0部を密閉式混練機で混練した。
【0026】次に、得られた混練物をロールに投入し、さらに酸化亜鉛(亜鉛華)3.0部、ステアリン酸1.0部、硫黄0.5部、加硫促進剤としてのジベンゾチアジルジスルフィド(大内新興化学工業社の商品名「ノクセラーDM」)1.3部及び他の加硫促進剤としてのテトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド(大内新興化学工業社の商品名「ノクセラーTOT−N」)2.3部を添加し、混練してゴム組成物を得た。このゴム組成物を金型に投入し、160℃で10分間加熱・加圧して、実施例1のアウトソールを得た。
【0027】[実施例2及び3並びに比較例1]下記の表1に示されるように、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(前述の「Nipol DN200」)の配合量を変量させ、またガラス転移点が−110℃であるブタジエンゴム(日本合成ゴム社の商品名「BR11」)を配合した他は実施例1と同様にして、実施例2及び3並びに比較例1のアウトソールを得た。
【0028】[比較例2]前述の「Nipol DN200」に代えて、ガラス転移点が−51.7℃であり結合アクリロニトリル率が18.0%であるアクリロニトリル−ブタジエンゴム(日本ゼオン社の商品名「Nipol DN401」)を用いた他は実施例1と同様にして、比較例2のアウトソールを得た。
【0029】[実施例4]前述の「Nipol DN200」に代えて、ガラス転移点が−37.0℃であり結合アクリロニトリル率が29.0%であるアクリロニトリル−ブタジエンゴム(日本ゼオン社の商品名「Nipol 1043」)を用いた他は実施例1と同様にして、実施例4のアウトソールを得た。
【0030】[実施例5]前述の「Nipol DN200」に代えて、ガラス転移点が−16.5℃であり結合アクリロニトリル率が40.5%であるアクリロニトリル−ブタジエンゴム(日本ゼオン社の商品名「Nipol 1041」)を用いた他は実施例1と同様にして、実施例5のアウトソールを得た。
【0031】[比較例3]ガラス転移点が−25℃のスチレン−ブタジエンゴム(日本ゼオン社の商品名「Nipol NS116」)70部、ブタジエンゴム(前述の「BR11」)30部、シリカ(前述の「ウルトラジルVN3」)50部、シランカップリング剤(前述の「Si69」)5.0部、可塑剤(出光興産社の商品名「PW380」)5.0部及び老化防止剤(前述の「ノクラック200」)2.0部を密閉式混練機で混練した。
【0032】次に、得られた混練物をロールに投入し、さらに酸化亜鉛(亜鉛華)3.0部、ステアリン酸1.0部、硫黄2.0部及び加硫促進剤としてのN−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(大内新興化学工業社の商品名「ノクセラーNS」)1.0部を添加し、混練してゴム組成物を得た。このゴム組成物を金型に投入し、160℃で10分間加熱・加圧して、比較例3のアウトソールを得た。
【0033】[比較例4]単体で加硫された場合の損失係数のピーク温度が−25℃である溶液重合スチレン−ブタジエンゴム75部、ブタジエンゴム(前述の「BR11」)25部、含水シリカ(日本シリカ社の商品名「ニップシールVN3」)60部、シランカップリング剤(前述の「Si69」)6.0部、可塑剤(前述の「PW380」)5.0部及び老化防止剤(前述の「ノクラック200」)2.0部を密閉式混練機で混練した。
【0034】次に、得られた混練物をロールに投入し、さらに酸化亜鉛(亜鉛華)3.0部、ステアリン酸1.0部、硫黄2.0部及び加硫促進剤(前述の「ノクセラーNS」)1.0部を添加し、混練してゴム組成物を得た。このゴム組成物を金型に投入し、160℃で10分間加熱・加圧して、比較例4のアウトソールを得た。
【0035】[粘弾性の測定]各実施例及び各比較例のアウトソールから、長さが45mmであり、幅が4mmであり、厚みが2mmである試験片を切り出した。この試験片を、粘弾性スペクトロメーター(島津製作所社の商品名「VA−200改良型」)を用いた粘弾性測定に供した。測定条件は、上記表Aに示される通りとした。そして、損失係数のピーク温度、−10℃における複素弾性率及び−10℃における損失係数を測定した。この結果が、下記の表1に示されている。
【0036】[グリップ指数の測定]図3に示されるポータブルスキッドレジスタンステスター4を用意し、水に濡れた下地5に設置した。一方、各アウトソールから長さが76mmであり、幅が25mmであり、厚みが6mmである試験片を切り出して、テスター4のアーム6の先端に取り付けた。次に、アーム6を所定角度まで持ち上げ、さらにここから振り下ろした。そして、試験片が下地5を擦ってから振り上がる最高点の角度を目盛盤7で読みとった。なお、試験片と下地5とが擦れ合う周方向距離が12.7cmとなるように、テスター1の高さを調整した。振り下ろし前の角度と振り上がる角度とから、摩擦抵抗を求めた。この結果が、下記の表1に示されている。表1には、比較例1の摩擦抵抗が100とされたときの指数(グリップ指数)が示されている。
【0037】
【表1】


【0038】表1より、各実施例のアウトソールが、各比較例のアウトソールよりも大幅にウエットグリップ性能に優れていることが解る。この評価結果より、本発明の優位性が明らかにされた。
【0039】
【発明の効果】以上説明されたように、本発明のアウトソールはウエットグリップ性能に優れる。このアウトソールを備えた靴は、スリップが生じにくい。この靴は、着用者にとって安全なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施形態にかかるアウトソールが示された底面図である。
【図2】図2は、図1のアウトソールの一部が示された縦断面図である。
【図3】図3は、グリップ指数測定のためのポータブルスキッドレジスタンステスターが示された斜視図である。
【符号の説明】
1・・・アウトソール
2・・・突出部
3・・・凹陥部
4・・・ポータブルスキッドレジスタンステスター
5・・・下地
6・・・アーム
7・・・目盛盤

【特許請求の範囲】
【請求項1】 ゴム組成物が架橋されてなる靴のアウトソールであって、初期歪みが10%であり、振幅が±2%であり、周波数が10Hzであり、開始温度が−100℃であり、終了温度が100℃であり、昇温速度が3℃/minであり、変形モードが引張である条件で粘弾性スペクトロメーターによって測定された損失係数曲線のピーク温度が−30℃以上0℃以下であり、このゴム組成物の基材ポリマーが、ガラス転移点が−40℃以上0℃以下のアクリロニトリル−ブタジエンゴムを30質量%以上含んでいることを特徴とするアウトソール。
【請求項2】 初期歪みが10%であり、振幅が±2%であり、周波数が10Hzであり、開始温度が−100℃であり、終了温度が100℃であり、昇温速度が3℃/minであり、変形モードが引張である条件で粘弾性スペクトロメーターによって測定された−10℃における複素弾性率が15.0MPa以上である請求項1に記載のアウトソール。
【請求項3】 初期歪みが10%であり、振幅が±2%であり、周波数が10Hzであり、開始温度が−100℃であり、終了温度が100℃であり、昇温速度が3℃/minであり、変形モードが引張である条件で粘弾性スペクトロメーターによって測定された−10℃における損失係数が0.50以上である請求項1又は請求項2に記載のアウトソール。
【請求項4】 上記請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のアウトソールを備えた靴。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2002−78505(P2002−78505A)
【公開日】平成14年3月19日(2002.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2000−272762(P2000−272762)
【出願日】平成12年9月8日(2000.9.8)
【出願人】(000183233)住友ゴム工業株式会社 (3,458)
【Fターム(参考)】