イリジウム錯体、カルバゾール誘導体、およびそれらを有する共重合体
【課題】フッ素基を官能基として有するイリジウム錯体の単量体、ヒドロキシ基を官能基として有するカルバゾール誘導体の単量体、およびそれらが主鎖に結合した共重合体が開示される。
【解決手段】燐光物質であるイリジウム錯体と正孔輸送能力に優れたカルバゾール誘導体の単量体を合成して共重合体を形成する。共重合体の形成時、イリジウム錯体の含量調節は容易になり、主鎖にカルバゾール誘導体およびイリジウム錯体が含まれるので、発光素子の製作時、熱に強い特性を有し、高い化学的安定性を有する。
【解決手段】燐光物質であるイリジウム錯体と正孔輸送能力に優れたカルバゾール誘導体の単量体を合成して共重合体を形成する。共重合体の形成時、イリジウム錯体の含量調節は容易になり、主鎖にカルバゾール誘導体およびイリジウム錯体が含まれるので、発光素子の製作時、熱に強い特性を有し、高い化学的安定性を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機発光材料に関し、より詳しくは、燐光発光物質として用いられるイリジウム錯体と正孔輸送能力に優れたカルバゾール誘導体を単量体として合成し、主鎖に各単量体を有する共重合体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
有機発光素子は、蛍光性または燐光性の有機化合物を電気的に励起させ発光させる自発光型のディスプレイ素子であり、低電圧で駆動可能で、薄型に製造できる長所を有する。また、広視野角と速やかな応答速度など、液晶表示装置における問題として指摘される欠点を解決できる次世代ディスプレイの候補として注目されている。
【0003】
有機発光素子は、透明基板上に形成された陽極上に正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層、陰極を順次形成してなっている構造である。有機発光素子に用いられるすべての材料の望ましい特性としては、高純度、真空蒸着が可能であることが求められる。また、ガラス転移温度と熱分解温度では高い熱安定性を持つべきであり、素子作動時に発生するジュール熱がもたらす結晶化による素子の破壊を防止するためには非定型であるべきであり、隣接する他層との接着力は良い一方で他層に移動してはいけない{Appl.Phys.Lett.73,1998,729,,Mat.science and Eng.R,39,2002,143,,Adva.Eng.Mat.Pro.Rep.2002,4,453,,Macromolecule 2003,36,9721,,Adv.Mater.2005,17,1109}。
【0004】
化合物内における電子の励起状態には一重項状態と三重項状態がある。一重項状態の確率は4分の1であり、三重項状態の確率は4分の3である。一重項状態から基底状態に落ちるのが蛍光であり、三重項状態から基底状態に落ちるのが燐光である。したがって、蛍光を用いた発光材料の内部量子効率の限界値は25%であり、燐光を用いた発光素子の内部量子効率の限界値は75%である。
【0005】
また、励起した三重項状態から励起した一重項状態にエネルギ転移が起こるシステムでは内部量子効率の理論的限界値は100%に達する。このようなことを利用して発光効率を改善した発光材料が燐光発光材料である。
【0006】
燐光発光材料としては、一重項または三重項の励起状態から三重項励起状態への項間交差(intersystem crossing)またはエネルギ転移が起きやすい原子番号の大きい遷移金属が中心原子である有機金属化合物が好ましい。イリジウム化合物をsensitizerとして用いてエネルギ転移を起こす場合、効率が急激に増加することを発見した{Inorg.chem.1991.30.1685,,NATURE 2000,403 750−753,,Appl.Phy.Lett.77,2000,2280,,Adv.Eng.Mat,4,2002,453,,J.Am.Chem.Soc.2003,125,7379}。
【0007】
ITO(Indium−Tin−Oxide)/PVK(Poly−Vinylcarbazole)/Al構造の単層素子の場合、426nmで紫色の最高発光波長を示し、一部はUV領域にかかっている。カルバゾールを基本とする高分子は主に有機発光素子の発光効率を向上させるか色調節のために用いられるが、他の高分子にPVK(Polyvinylcabazole)を混合したシステムを用いる場合、PVKがない場合に比べて発光効率が急激に増大する場合が多い。正孔輸送特徴の他にPVKは低分子物質や高分子物質との相互作用でexiplexのような新しい発光speciesを形成し、その結果として発光波長を移動させる{Syn.Mat.1996.80 271,,Appl.Phys Lett 77,2000,2280,,Adv.Mater.2000,12,1949 Chem.Mater.2004,16,442,,Chem.Mater.2004,16,4736}。
【0008】
発光物質と正孔輸送物質の共重合体形態の発光物質が多く研究されている。共重合体形態の発光物質は、相分離(Phase separation)現象とイオン凝集(Ionic aggregation)現象を防止して発光物質へのエネルギ伝達が効率的で安定した状態の有機発光素子を製造することができ、効率もまた優れていると報告されている{Adv.Mater.1999,11,285 J.Am.Chem.Soc.2003,125,636,,Organic Elctronics.2003,4,105,,Thin Solid Film.2003,353,57,,IEEE.2004,10,115,,Macromolecule 2006,39,349,,J.Am.Chem.Soc.2006,128(20),6647}。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記のような問題点を解決するために本発明は、イリジウム錯体またはカルバゾール誘導体を単量体として合成し、縮重合を用いて前記単量体を主鎖に含ませる共重合体を提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するために、本発明はカルバゾール誘導体およびその製造方法を提供する。また、前記目的を達成するために、本発明はイリジウム錯体の単量体およびその製造方法を提供する。前記本発明によって提供されるカルバゾール誘導体およびイリジウム錯体は縮重合によって共重合体の主鎖に含まれる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、カルバゾール誘導体とイリジウム錯体は共重合体の主鎖を形成する。よって、主鎖によるエネルギ伝達が容易になり、高い光効率を有するようになる。また、主鎖に単量体が含まれている状態であるため、共重合体は高いガラス転移温度を有し、化学的に安定した状態を保持する。また、相分離現象やイオン凝集現象が防止されるので、本発明に係る共重合体を高分子発光物質として用いる場合、効率的で安定した状態の発光物質を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明に係る望ましい実施例について添付した図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
本発明の実施例に係るカルバゾール誘導体の単量体は下記一般式(1)による。
【化1】
【0014】
前記一般式(1)で示されたカルバゾール誘導体は下記反応式(1)によって合成される。
【化2】
【0015】
反応式(1)のにおいて、第1ステップでは、3,6−ジブロモカルバゾールをアルカリ金属塩基触媒と相間移動触媒下で反応させ、ブロモアルキルをカルバゾールの9−H位置に結合させ、目的とする3,6−ジブロモ−9−アルキル−カルバゾールを製造する。この時、アルカリ金属塩基としては炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどを用いることができ、相間移動触媒としては4級アンモニウム塩であるテトラ−ヘキシル−アンモニウム−クロライド、テトラ−オクチル−アンモニウム−ブロミドまたはクラウンエーテルなどを用いることができる。反応溶媒としてはアセトンを用いる。反応温度70℃〜80℃で6時間ほど反応させた後に終結する。
【0016】
上記のように製造した3,6−ジブロモ−9−アルキル−カルバゾールを用いて第2ステップでは、3,6−ジブロモ−9−アルキル−カルバゾールとヒドロキシ−フェニル−ボロン酸をアルカリ金属塩基およびパラジウム触媒下で鈴木カップリング反応させ、目的とするジヒドロキシフェニル−9−アルキル−カルバゾールを製造する。この時、アルカリ金属塩基としては炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどを用いることができ、パラジウム触媒としてはテトラキストリフェニルホスフィン、酢酸パラジウムなどを用いることができる。反応溶媒としてはテトラヒドロフラン(THF)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、トルエン、1,4−ジオキサンなどを用いることができる。前記反応式(1)の鈴木カップリング反応は80℃〜120℃の範囲で行う。
【0017】
本発明に係るイリジウム錯体(Iridium complex)の単量体は下記一般式(2)による。
【化3】
【0018】
前記配位子は、以下に示す、2−フェニルピリジン(2-phenyl-pyridine)、2−p−トリルピリジン(2-p-tolyl-pyridine)、2−(4−フルオロフェニル)ピリジン(2-(4-fluoro-phenyl)-pyridine)、2−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリジン(2-(2,4-difluoro-phenyl)-pyridine)、ベンゾ[h]キニーネ(benzo[h]quinine)、1−フェニルイソキノリン(1-phenyl-isoquinoline)、1−ナフタレン−2−イル−イソキノリン(1-naphthalene-2-yl-isoquinone)、2−チオフェン−2−イル−ピリジン(2-thiophen-2-yl-pyridine)、2−フェニル−ベンゾチアゾール(2-phenyl-benzothiazole)、2−フェニルベンゾオキサゾール(2-phenyl-benzooxazole)、4−(5−(エチルチオ)−1H−テトラゾール−1−イル)−2−フルオロベンゾニトリル(4-(5-(ethylthio)-1H-tetrazol-1-yl)-2-fluorobenzonitrile)、及び2−ビフェニル−4−イル−ピリジン(2-biphenyl-4-yl-pyridine)からなる群より選択される。
【化4】
【化5】
【0019】
前記一般式(2)のイリジウム錯体の単量体は下記反応式(2)に示す通りに合成される。
【化6】
【0020】
反応式(2)の反応によれば、第1ステップでは、アルカリ金属塩基およびパラジウム触媒下でブロモフェニルボロン酸にブロモピリジンをゆっくり滴下する方式で鈴木カップリング反応させ、目的とするブロモ−フェニル−ピリジンを製造する。この時、アルカリ金属塩基としては炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどを用いることができ、パラジウム触媒としてはテトラキストリフェニルホスフィン、酢酸パラジウムなどを用いることができる。反応溶媒としてはテトラヒドロフラン(THF)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、トルエン、1,4−ジオキサンなどを用いることができる。前記反応式(2)の第1ステップの鈴木カップリング反応は80℃〜120℃の範囲で行う。
【0021】
上記のように得られたブロモ−フェニル−ピリジンとテトラキス(2−フェニルピリジン−C,N)(μ−ジクロロ)ジイリジウムをシルバートリフルオロメタンスルホネート触媒下で反応させ、目的とするイリジウム(2−(4’−ブロモフェニル−4−yl)ピリジン)(2−(2−(フェニルピリジン))2を得ることができる。反応溶媒としてはエトキシエタノールなどを用い、反応温度95℃で行う。
【0022】
また、本発明に係るイリジウム錯体の単量体は下記一般式(3)による。
【化7】
【0023】
前記配位子は、以下に示す、2−フェニルピリジン(2-phenyl-pyridine)、2−p−トリルピリジン(2-p-tolyl-pyridine)、2−(4−フルオロフェニル)ピリジン(2-(4-fluoro-phenyl)-pyridine)、2−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリジン(2-(2,4-difluoro-phenyl)-pyridine)、ベンゾ[h]キニーネ(benzo[h]quinine)、1−フェニルイソキノリン(1-phenyl-isoquinoline)、1−ナフタレン−2−イル−イソキノリン(1-naphthalene-2-yl-isoquinone)、2−チオフェン−2−イル−ピリジン(2-thiophen-2-yl-pyridine)、2−フェニル−ベンゾチアゾール(2-phenyl-benzothiazole)、2−フェニルベンゾオキサゾール(2-phenyl-benzooxazole)、4−(5−(エチルチオ)−1H−テトラゾール−1−イル)−2−フルオロベンゾニトリル(4-(5-(ethylthio)-1H-tetrazol-1-yl)-2-fluorobenzonitrile)、及び2−ビフェニル−4−イル−ピリジン(2-biphenyl-4-yl-pyridine)からなる群より選択される。
【化8】
【0024】
前記一般式(3)のイリジウム錯体の単量体は下記反応式(3)による。
【化9】
【0025】
前記反応式(3)において、第1ステップでは、アルカリ金属塩基およびパラジウム触媒下でジフルオロフェニルボロン酸にブロモピリジンをゆっくり滴下する方式で鈴木カップリング反応させ、目的とするジフルオロ−フェニル−ピリジンを製造する。この時、アルカリ金属塩基としては炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどを用いることができ、パラジウム触媒としてはテトラキストリフェニルホスフィン、酢酸パラジウムなどを用いることができる。反応溶媒としてはテトラヒドロフラン(THF)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、トルエン、1,4−ジオキサンなどを用いることができる。前記反応式(3)の第1ステップの鈴木カップリング反応は80℃〜120℃の範囲で行う。
【0026】
第2ステップでは、製造されたジフルオロ−フェニル−ボロン酸にブロモフェニルピリジン−イリジウム錯体をアルカリ金属塩基およびパラジウム触媒下で鈴木カップリング反応させ、目的とするジフルオロ−フェニル−イリジウム錯体を製造する。
【0027】
この時、アルカリ金属塩基としては炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどを用いることができ、パラジウム触媒としてはテトラキストリフェニルホスフィン、酢酸パラジウムなどを用いることができる。反応溶媒としてはテトラヒドロフラン(THF)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、トルエン、1,4−ジオキサンなどを用いることができる。前記反応式(3)の第2ステップの鈴木カップリング反応は80〜120℃の範囲で行う。
【0028】
上述した単量体を用いた分子量とイリジウム含量が制御された共重合体の合成を具体的に例示すれば次の一般式(4)の通りである。
【化10】
【0029】
前記一般式(4)の共重合体は下記反応式(4)によって合成される。
【化11】
【0030】
前記配位子は、以下に示す、2−フェニルピリジン(2-phenyl-pyridine)、2−p−トリルピリジン(2-p-tolyl-pyridine)、2−(4−フルオロフェニル)ピリジン(2-(4-fluoro-phenyl)-pyridine)、2−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリジン(2-(2,4-difluoro-phenyl)-pyridine)、ベンゾ[h]キニーネ(benzo[h]quinine)、1−フェニルイソキノリン(1-phenyl-isoquinoline)、1−ナフタレン−2−イル−イソキノリン(1-naphthalene-2-yl-isoquinone)、2−チオフェン−2−イル−ピリジン(2-thiophen-2-yl-pyridine)、2−フェニル−ベンゾチアゾール(2-phenyl-benzothiazole)、2−フェニルベンゾオキサゾール(2-phenyl-benzooxazole)、4−(5−(エチルチオ)−1H−テトラゾール−1−イル)−2−フルオロベンゾニトリル(4-(5-(ethylthio)-1H-tetrazol-1-yl)-2-fluorobenzonitrile)、及び2−ビフェニル−4−イル−ピリジン(2-biphenyl-4-yl-pyridine)からなる群より選択される。
【化12】
【0031】
反応式(4)によれば、アルカリ金属塩基下でジヒドロキシフェニルカルバゾール誘導体を活性化させる。活性化中に水分を除去するための補助溶媒としてはトルエンやベンゼンを用い、反応溶媒としては1−メチルピロリドン、ジメチル−ホルム−アミド、ジメチル−スルホキシドなどを用い、6時間ほど窒素雰囲気下で攪拌する。
【0032】
その後、ジフルオロ基がついている単量体を添加して約24時間ほど反応させる。反応温度は活性化し始めるステップでは150℃、ジフルオロ基がついている単量体とジフルオロ−フェニル−イリジウム錯体を添加してからは200℃程度で反応させる。アルカリ金属塩基としては炭酸カリウムなどを用いる。
【0033】
以上で説明したような本発明を次の実施例に基づいて説明する。しかし、これらは本発明を詳細に説明するために提示するだけのものであって、本発明の技術的範囲はこれらによって限定されるものではない。
【実施例】
【0034】
製造例1:3,6−ジヒドロキシフェニル−9−デシル−カルバゾールの製造
先ず3,6−ジブロモ−9−デシル−カルバゾールを製造するために、窒素雰囲気下で250mlのニつ口丸底フラスコに3,6−ジブロモ−9H−カルバゾール5.0g(0.015mol)、1−ブロモデカン4.0g(0.0165mol)、水酸化ナトリウム2g(0.0225mol)、アセトン200mlにテトラ−オクチル−アンモニウム−ブロミド(相間移動触媒)0.3g(0.00045mol)を加えた。
【0035】
80℃で6時間還流させた後、反応を終了した。蒸溜水500mlをビーカーに入れて反応混合物を加えた。ジクロロメタン200mlで3回抽出した後、硫酸ナトリウム10gを加えて回転攪拌器で30分間攪拌した後に抽出混合物を濾過した。回転蒸発器を用いて溶媒を先に除去した後、残りはジクロロメタンとヘキサンを(1:1)展開溶媒として用いてカラムクロマトグラフィーを行い、回転蒸発を行って分離した。収率は80%であった。
【0036】
尚、製造した3,6−ジヒドロキシフェニル−9−デシル−カルバゾールに対する1H−NMRは図1に添付した。窒素雰囲気下で250mlのニつ口丸底フラスコに3,6−ジブロモ−9−デシル−9H−カルバゾール5.5g(0.012mol)、4−ヒドロキシフェニルボロン酸5.0g(0.036mol)、テトラヒドロフラン150ml、および2M炭酸カリウム水溶液(20ml)を加えた後、触媒であるパラジウムテトラキストリフェニルホスフィン(Pd(PPh3)4;1.04g、3mol%)を加えた。
【0037】
80℃で24時間還流させた後、反応を終了した。蒸溜水500mlをビーカーに入れて反応混合物を加えた。ジクロロメタン200mlで3回抽出した後、硫酸ナトリウム10gを加えて回転攪拌器で30分間攪拌した後に抽出混合物を濾過した。回転蒸発器を用いて溶媒を先に除去した後、残りはジクロロメタンとエーテルを展開溶媒として用いてカラムクロマトグラフィーを行い、回転蒸発を行って分離して一般式(2)のような3,6−ジヒドロキシフェニル−9−デシル−カルバゾールを製造した。収率は40%であった。尚、製造した3,6−ジヒドロキシフェニル−9−デシル−カルバゾールに対する1H−NMRは図2に添付した。
【0038】
製造例2:イリジウム(2−(4’−ジフルオロフェニル−4−yl)ピリジン)(2−(2−(フェニルピリジン))2
2,4−ジフルオロフェニルピリジンを製造するために窒素雰囲気下で250mlのニつ口丸底フラスコに2,4−ジフルオロフェニルボロン酸5.0g(0.0285mol)、2−ブロモピリジン3.0g(0.019mol)、テトラヒドロフラン150ml、および2M炭酸カリウム水溶液(20ml)を加えた後、触媒であるパラジウムテトラキストリフェニルホスフィン(Pd(PPh3)4;0.7g、3mol%)を加えた。
【0039】
80℃で24時間還流させた後、反応を終了した。蒸溜水500mlをビーカーに入れて反応混合物を加えた。ジクロロメタン150mlで3回抽出した後、硫酸ナトリウム10gを加えて回転攪拌器で30分間攪拌した後に抽出混合物を濾過した。回転蒸発器を用いて溶媒を先に除去した後、残りはジクロロメタンを展開溶媒として用いてカラムクロマトグラフィーを行い、減圧蒸留を行って分離した。収率は83%であった。尚、製造した2,4−ジフルオロフェニルピリジンに対する1H−NMRは図3に添付した。
【0040】
その次、窒素雰囲気下で250mlのニつ口丸底フラスコにブロモイリジウム錯体1g(0.0014mol)、2,4−ジフルオロフェニルボロン酸0.5g(0.0021mol)、テトラヒドロフラン150ml、および2M炭酸カリウム水溶液(20ml)を加えた後、触媒であるパラジウムテトラキストリフェニルホスフィン(Pd(PPh3)4;0.07g、3mol%)を加えた。80℃で24時間還流させた後、反応を終結する。
【0041】
蒸溜水500mlをビーカーに入れて反応混合物を加えた。ジクロロメタン200mlで3回抽出した後、硫酸ナトリウム10gを加えて回転攪拌器で30分間攪拌した後に抽出混合物を濾過した。回転蒸発器を用いて溶媒を先に除去した後、残りはジクロロメタンを展開溶媒として用いてカラムクロマトグラフィーを行い、回転蒸発を行って分離し、一般式(3)のようなイリジウム(2−(4’−ジフルオロフェニル−4−yl)ピリジン)(2−(2−(フェニルピリジン))2を製造した。収率は86%であった。尚、製造したイリジウム(2−(4’−ジフルオロフェニル−4−yl)ピリジン)(2−(2−(フェニルピリジン))2に対する1H−NMRは図4に添付した。
【0042】
製造例3:イリジウム(2−(4‘−ブロモフェニル−4−yl)ピリジン)(2−(2−(フェニルピリジン))2
先ず2−(4’−ブロモフェニル−4−yl)ピリジンを製造するために窒素雰囲気下で250mlのニつ口丸底フラスコに2−ブロモピリジン3.92g(0.025mol)、テトラヒドロフラン150ml、および2M炭酸カリウム水溶液(20ml)を加えた後、触媒であるパラジウムテトラキストリフェニルホスフィン(Pd(PPh3)4;0.37g、3mol%)を加えた。そして、4−ブロモフェニルボロン酸をゆっくり滴下した。
【0043】
80℃で24時間還流させた後、製造例2と同様の方法によって分離した。収率は80%であった。尚、製造した4−ブロモフェニルピリジンに対する1H−NMRは図5に添付した。
【0044】
その後、窒素雰囲気下で250mlのニつ口丸底フラスコに4−ブロモフェニルピリジン3.25g(0.014mol)、イリジウムジフェニルピリジン錯体3g(0.0028mol)、シルバートリフルオロメタンスルホネート1.43g(0.0056mol)、2−エトキシエタノール80mlを入れて24時間130℃で還流させた後、反応を終結する。反応後残留したシルバークロライドを除去するためにグラスフィルタで濾過し、減圧蒸留を通じて2−エトキシエタノールを除去した。ジメチルクロリドで何度も洗い落とし、ジクロロメタンを展開溶媒として用いてカラムクロマトグラフィーを行った。
【0045】
最後にテトラヒドロフラン150mlで沈殿させると、収率70%で反応式(2)のようなイリジウム(2−(4’−ブロモフェニル−4−yl)ピリジン)(2−(2−(フェニルピリジン))2を得ることができる。収率は50%であった。製造したイリジウム(2−(4’−ブロモフェニル−4−yl)ピリジン)(2−(2−(フェニルピリジン))2に対する1H−NMRは図6に添付した。
【0046】
製造例4:縮合重合を用いたポリ(3,6−ジフェニル−9−デシル−カルバゾール)−ランダム−ポリ(イリジウム(2−(4’−ジフェニル−4−yl)ピリジン)(2−(2−(フェニルピリジン))2)の製造(CP0)
窒素雰囲気下で100mlのニつ口丸底フラスコに3,6−ジヒドロキシフェニル−9−デシル−カルバゾール0.4g(0.0008mol)、炭酸カリウム0.138g、トルエン25ml、1−メチル2−ピロリジノン10mlを入れて160℃で10時間還流させた後、2,4−ジフルオロフェニルピリジン1.5g(0.0008mol)を添加した。
【0047】
200℃で20時間還流させた後、反応を終結する。メタノール500mlに反応物をゆっくり沈殿させた後に濾過でメタノールを除去し、真空オーブンで乾燥させた。収率は80%であった。尚、製造したCP0に対する1H−NMRは図7に添付した。
【0048】
製造例5:縮合重合を用いたポリ(3,6−ジフェニル−9−デシル−カルバゾール)−ランダム−ポリ(イリジウム(2−(4’−ジフェニル−4−yl)ピリジン)(2−(2−(フェニルピリジン))2)の製造(CP1)
前記製造例4と同様の実験条件で3,6−ジヒドロキシフェニル−9−デシル−カルバゾール0.4g(0.0008mol)、炭酸カリウム0.138g、トルエン25ml、1−メチル2−ピロリジノン10mlを入れて160℃で10時間還流させた後、2,4−ジフルオロフェニルピリジン0.15g(0.00079mol)、ジフルオロイリジウム錯体0.006g(0.000008mol)を添加した。
【0049】
200℃で20時間還流させた後、反応を終結する。メタノール500mlに反応物をゆっくり沈殿させた後に濾過でメタノールを除去し、真空オーブンで乾燥させた。収率は80%であった。
【0050】
製造例6:縮合重合を用いたポリ(3,6−ジフェニル−9−デシル−カルバゾール)−ランダム−ポリ(イリジウム(2−(4’−ジフェニル−4−yl)ピリジン)(2−(2−(フェニルピリジン))2)の製造(CP3)
前記製造例4と同様の実験条件で3,6−ジヒドロキシフェニル−9−デシル−カルバゾール0.4g(0.0008mol)、炭酸カリウム0.138g、トルエン25ml、1−メチル2−ピロリジノン10mlを入れて160℃で10時間還流させた後、2,4−ジフルオロフェニルピリジン0.148g(0.000776mol)、ジフルオロイリジウム錯体0.018g(0.000024mol)を添加した。
【0051】
200℃で20時間還流させた後、反応を終結する。メタノール500mlに反応物をゆっくり沈殿させた後に濾過でメタノールを除去し、真空オーブンで乾燥させた。収率は80%であった。
【0052】
製造例7:縮合重合を用いたポリ(3,6−ジフェニル−9−デシル−カルバゾール)−ランダム−ポリ(イリジウム(2−(4’−ジフェニル−4−yl)ピリジン)(2−(2−(フェニルピリジン))2)の製造(CP7)
前記製造例4と同様の実験条件で3,6−ジヒドロキシフェニル−9−デシル−カルバゾール0.4g(0.0008mol)、炭酸カリウム0.138g、トルエン25ml、1−メチル2−ピロリジノン10mlを入れて160℃で10時間還流させた後、2,4−ジフルオロフェニルピリジン0.142g(0.00074mol)、ジフルオロイリジウム錯体0.043g(0.000056mol)を添加した。
【0053】
200℃で20時間還流させた後、反応を終結する。メタノール500mlに反応物をゆっくり沈殿させた後に濾過でメタノールを除去し、真空オーブンで乾燥させた。収率は80%であった。
【0054】
製造例8:縮合重合を用いたポリ(3,6−ジフェニル−9−デシル−カルバゾール)−ランダム−ポリ(イリジウム(2−(4’−ジフェニル−4−yl)ピリジン)(2−(2−(フェニルピリジン))2)の製造(CP12)
前記製造例4と同様の実験条件で3,6−ジヒドロキシフェニル−9−デシル−カルバゾール0.4g(0.0008mol)、炭酸カリウム0.138g、トルエン25ml、1−メチル2−ピロリジノン10mlを入れて160℃で10時間還流させた後、2,4−ジフルオロフェニルピリジン0.134g(0.0007mol)、ジフルオロイリジウム錯体0.073g(0.000096mol)を添加した。200℃で20時間還流させた後、反応を終結する。メタノール500mlに反応物をゆっくり沈殿させた後に濾過でメタノールを除去し、真空オーブンで乾燥させた。収率は80%であった。
【0055】
製造例9:縮合重合を用いたポリ(3,6−ジフェニル−9−デシル−カルバゾール)−ランダム−ポリ(イリジウム(2−(4’−ジフェニル−4−yl)ピリジン)(2−(2−(フェニルピリジン))2)の製造(CP40)
前記製造例4と同様の実験条件で3,6−ジヒドロキシフェニル−9−デシル−カルバゾール0.4g(0.0008mol)、炭酸カリウム0.138g、トルエン25ml、1−メチル2−ピロリジノン10mlを入れて160℃で10時間還流させた後、2,4−ジフルオロフェニルピリジン0.091g(0.00048mol)、ジフルオロイリジウム錯体0.245g(0.00032mol)を添加した。
【0056】
200℃で20時間還流させた後、反応を終結する。メタノール500mlに反応物をゆっくり沈殿させた後に濾過でメタノールを除去し、真空オーブンで乾燥させた。収率は80%であった。
【0057】
上述した製造例によって開示されたそれぞれの化合物を製造するために投入される試料量、収率などは下記の表1に整理する。
【表1】
【0058】
上記の表1でDDHPCzは3,6−ジヒドロキシフェニル−9−デシル−カルバゾールを示し、DFPPyは2,4−ジフルオロフェニルピリジンを示し、DFP−Irはジフルオロイリジウム錯体を示す。M.Wは分子量を示し、pd(polydispersion index)は多分散指数を示し、Td(decomposition temperature)は分解開始温度を示し、Tg(glass transition temperature)はガラス転移温度を示す。
【0059】
製造例10:縮合重合を用いたポリ(3,6−ジフェニル−9−デシル−カルバゾール)−ランダム−ポリ(イリジウム(3−(5’−ジフェニル−4−yl)ピリジン)(2−(2−(フェニルピリジン))2)の製造(DP3)
前記製造例4と同様の実験条件で3,6−ジヒドロキシフェニル−9−デシル−カルバゾール0.4g(0.0008mol)、炭酸カリウム0.138g、トルエン25ml、1−メチル2−ピロリジノン10mlを入れて160℃で10時間還流させた後、2,4−ジフルオロフェニルピリジン0.148g(0.000776mol)、ジフルオロイリジウム錯体0.018g(0.000024mol)を添加した。
【0060】
200℃で20時間還流させた後、反応を終結する。メタノール500mlに反応物をゆっくり沈殿させた後に濾過でメタノールを除去し、真空オーブンで乾燥させた。収率は80%であった。尚、製造したDP3に対する1H−NMRは図8に添付した。
【0061】
製造例11:縮合重合を用いたポリ(3,6−ジフェニル−9−デシル−カルバゾール)−ランダム−ポリ(イリジウム(3−(5’−ジフェニル−4−yl)ピリジン)(2−(2−(フェニルピリジン))2)の製造(DP7)
前記製造例4と同様の実験条件で3,6−ジヒドロキシフェニル−9−デシル−カルバゾール0.4g(0.0008mol)、炭酸カリウム0.138g、トルエン25ml、1−メチル2−ピロリジノン10mlを入れて160℃で10時間還流させた後、2,4−ジフルオロフェニルピリジン0.142g(0.000744mol)、ジフルオロイリジウム錯体0.043g(0.000056mol)を添加した。
【0062】
200℃で20時間還流させた後、反応を終結する。メタノール500mlに反応物をゆっくり沈殿させた後に濾過でメタノールを除去し、真空オーブンで乾燥させた。収率は80%であった。
【0063】
製造例12:縮合重合を用いたポリ(3,6−ジフェニル−9−デシル−カルバゾール)−ランダム−ポリ(イリジウム(3−(5’−ジフェニル−4−yl)ピリジン)(2−(2−(フェニルピリジン))2)の製造(DP12)
前記製造例4と同様の実験条件で3,6−ジヒドロキシフェニル−9−デシル−カルバゾール0.4g(0.0008mol)、炭酸カリウム0.138g、トルエン25ml、1−メチル2−ピロリジノン10mlを入れて160℃で10時間還流させた後、2,4−ジフルオロフェニルピリジン0.134g(0.000704mol)、ジフルオロイリジウム錯体0.0736g(0.000096mol)を添加した。200℃で20時間還流させた後、反応を終結する。メタノール500mlに反応物をゆっくり沈殿させた後に濾過でメタノールを除去し、真空オーブンで乾燥させた。収率は80%であった。
【0064】
製造例13:縮合重合を用いたポリ(3,6−ジフェニル−9−デシル−カルバゾール)−ランダム−ポリ(イリジウム(3−(5’−ジフェニル−4−yl)ピリジン)(2−(2−(フェニルピリジン))2)の製造(DP40)
前記製造例4と同様の実験条件で3,6−ジヒドロキシフェニル−9−デシル−カルバゾール0.4g(0.0008mol)、炭酸カリウム0.138g、トルエン25ml、1−メチル2−ピロリジノン10mlを入れて160℃で10時間還流させた後、2,4−ジフルオロフェニルピリジン0.091g(0.00048mol)、ジフルオロイリジウム錯体0.245g(0.00032mol)を添加した。200℃で20時間還流させた後、反応を終結する。
【0065】
メタノール500mlに反応物をゆっくり沈殿させた後に濾過でメタノールを除去し、真空オーブンで乾燥させた。収率は80%であった。
【0066】
上述した製造例によって開示されたそれぞれの化合物を製造するために投入される試料量、収率などは下記の表2に整理する。
【表2】
【0067】
前記表2において、DHP−Czは3,6−ジヒドロキシフェニル−9−デシル−カルバゾールを示し、他の略語は上記の表1で説明したものと同様である。
【0068】
上述したことによれば、本発明では正孔輸送機能に優れたカルバゾール誘導体の単量体を合成し、有機発光素子においてスピン軌道結合によって燐光を効率的に形成する遷移金属中のイリジウム錯体を単量体として合成する。また、単量体の縮合重合によって単量体が主鎖に含まれる共重合体が合成される。形成された共重合体にはカルバゾール誘導体とイリジウム錯体が主鎖に含まれるため、エネルギ伝達が効率的に行われ、安定して効率的な有機発光素子の製作が可能である。
【0069】
上記では本発明の望ましい実施例について参照して説明したが、当該技術分野の当業者であれば、上記の特許請求の範囲に記載された本発明の思想および領域から脱しない範囲内で本発明の様々な修正および変更ができるということを理解するはずである。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明に係る製造例1で製造された3,6−ジブロモデシルカルバゾールの1H−NMRスペクトルを示したものである。
【図2】本発明に係る製造例1で製造された3,6−ジヒドロキシフェニル−9−デシル−カルバゾールの1H−NMRスペクトルを示したものである。
【図3】本発明に係る製造例3で製造された2,4−ジフルオロフェニルピリジンの1H−NMRスペクトルを示したものである。
【図4】本発明に係る製造例2で製造された4−ブロモフェニルピリジンの1H−NMRスペクトルを示したものである。
【図5】本発明に係る製造例2で製造されたイリジウム(2−(4’−ブロモフェニル−4−yl)ピリジン)(2−(2−(フェニルピリジン))2の1H−NMRスペクトルを示したものである。
【図6】本発明に係る製造例3で製造されたイリジウム(2−(4’−ジフルオロフェニル−4−yl)ピリジン)(2−(2−(フェニルピリジン))2の1H−NMRスペクトルを示したものである。
【図7】本発明に係る製造例4で製造された共重合体ポリ(3,6−ジフェニル−9−デシル−カルバゾール)−ランダム−ポリ(イリジウム(2−(4’−ジフェニル−4−yl)ピリジン)(2−(2−(フェニルピリジン))2)の製造の1H−NMRスペクトルを示したものである。
【図8】本発明に係る実施例10で製造された共重合体ポリ(3,6−ジフェニル−9−デシル−カルバゾール)−ランダム−ポリ(イリジウム(3−(5’−ジフェニル−4−yl)ピリジン)(2−(2−(フェニルピリジン))2)の製造の1H−NMRスペクトルを示したものである。
【図9】本発明に係る実施例6で製造された共重合体ポリ(3,6−ジフェニル−9−デシル−カルバゾール)−ランダム−ポリ(イリジウム(2−(4’−ジフェニル−4−yl)ピリジン)(2−(2−(フェニルピリジン))2)の13C−NMRスペクトルを示したものである。
【図10】本発明に係る実施例10で製造された共重合体ポリ(3,6−ジフェニル−9−デシル−カルバゾール)−ランダム−ポリ(イリジウム(3−(5’−ジフェニル−4−yl)ピリジン)(2−(2−(フェニルピリジン))2)の13C−NMRスペクトルを示したものである。
【図11】本発明に係る実施例4〜実施例9で製造された共重合体ポリ(3,6−ジフェニル−9−デシル−カルバゾール)−ランダム−ポリ(イリジウム(2−(4’−ジフェニル−4−yl)ピリジン)(2−(2−(フェニルピリジン))2)のUV−visスペクトルを示したものである。
【図12】本発明に係る実施例10〜実施例13で製造された共重合体ポリ(3,6−ジフェニル−9−デシル−カルバゾール)−ランダム−ポリ(イリジウム(3−(5’−ジフェニル−4−yl)ピリジン)(2−(2−(フェニルピリジン))2)のUV−visスペクトルを示したものである。
【図13】本発明に係る実施例4〜実施例9で製造された共重合体ポリ(3,6−ジフェニル−9−デシル−カルバゾール)−ランダム−ポリ(イリジウム(2−(4’−ジフェニル−4−yl)ピリジン)(2−(2−(フェニルピリジン))2)のフォトルミネッセンスのスペクトルを示したものである。
【図14】本発明に係る実施例10〜実施例13で製造された共重合体ポリ(3,6−ジフェニル−9−デシル−カルバゾール)−ランダム−ポリ(イリジウム(3−(5’−ジフェニル−4−yl)ピリジン)(2−(2−(フェニルピリジン))2)のフォトルミネッセンスのスペクトルを示したものである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機発光材料に関し、より詳しくは、燐光発光物質として用いられるイリジウム錯体と正孔輸送能力に優れたカルバゾール誘導体を単量体として合成し、主鎖に各単量体を有する共重合体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
有機発光素子は、蛍光性または燐光性の有機化合物を電気的に励起させ発光させる自発光型のディスプレイ素子であり、低電圧で駆動可能で、薄型に製造できる長所を有する。また、広視野角と速やかな応答速度など、液晶表示装置における問題として指摘される欠点を解決できる次世代ディスプレイの候補として注目されている。
【0003】
有機発光素子は、透明基板上に形成された陽極上に正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層、陰極を順次形成してなっている構造である。有機発光素子に用いられるすべての材料の望ましい特性としては、高純度、真空蒸着が可能であることが求められる。また、ガラス転移温度と熱分解温度では高い熱安定性を持つべきであり、素子作動時に発生するジュール熱がもたらす結晶化による素子の破壊を防止するためには非定型であるべきであり、隣接する他層との接着力は良い一方で他層に移動してはいけない{Appl.Phys.Lett.73,1998,729,,Mat.science and Eng.R,39,2002,143,,Adva.Eng.Mat.Pro.Rep.2002,4,453,,Macromolecule 2003,36,9721,,Adv.Mater.2005,17,1109}。
【0004】
化合物内における電子の励起状態には一重項状態と三重項状態がある。一重項状態の確率は4分の1であり、三重項状態の確率は4分の3である。一重項状態から基底状態に落ちるのが蛍光であり、三重項状態から基底状態に落ちるのが燐光である。したがって、蛍光を用いた発光材料の内部量子効率の限界値は25%であり、燐光を用いた発光素子の内部量子効率の限界値は75%である。
【0005】
また、励起した三重項状態から励起した一重項状態にエネルギ転移が起こるシステムでは内部量子効率の理論的限界値は100%に達する。このようなことを利用して発光効率を改善した発光材料が燐光発光材料である。
【0006】
燐光発光材料としては、一重項または三重項の励起状態から三重項励起状態への項間交差(intersystem crossing)またはエネルギ転移が起きやすい原子番号の大きい遷移金属が中心原子である有機金属化合物が好ましい。イリジウム化合物をsensitizerとして用いてエネルギ転移を起こす場合、効率が急激に増加することを発見した{Inorg.chem.1991.30.1685,,NATURE 2000,403 750−753,,Appl.Phy.Lett.77,2000,2280,,Adv.Eng.Mat,4,2002,453,,J.Am.Chem.Soc.2003,125,7379}。
【0007】
ITO(Indium−Tin−Oxide)/PVK(Poly−Vinylcarbazole)/Al構造の単層素子の場合、426nmで紫色の最高発光波長を示し、一部はUV領域にかかっている。カルバゾールを基本とする高分子は主に有機発光素子の発光効率を向上させるか色調節のために用いられるが、他の高分子にPVK(Polyvinylcabazole)を混合したシステムを用いる場合、PVKがない場合に比べて発光効率が急激に増大する場合が多い。正孔輸送特徴の他にPVKは低分子物質や高分子物質との相互作用でexiplexのような新しい発光speciesを形成し、その結果として発光波長を移動させる{Syn.Mat.1996.80 271,,Appl.Phys Lett 77,2000,2280,,Adv.Mater.2000,12,1949 Chem.Mater.2004,16,442,,Chem.Mater.2004,16,4736}。
【0008】
発光物質と正孔輸送物質の共重合体形態の発光物質が多く研究されている。共重合体形態の発光物質は、相分離(Phase separation)現象とイオン凝集(Ionic aggregation)現象を防止して発光物質へのエネルギ伝達が効率的で安定した状態の有機発光素子を製造することができ、効率もまた優れていると報告されている{Adv.Mater.1999,11,285 J.Am.Chem.Soc.2003,125,636,,Organic Elctronics.2003,4,105,,Thin Solid Film.2003,353,57,,IEEE.2004,10,115,,Macromolecule 2006,39,349,,J.Am.Chem.Soc.2006,128(20),6647}。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記のような問題点を解決するために本発明は、イリジウム錯体またはカルバゾール誘導体を単量体として合成し、縮重合を用いて前記単量体を主鎖に含ませる共重合体を提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するために、本発明はカルバゾール誘導体およびその製造方法を提供する。また、前記目的を達成するために、本発明はイリジウム錯体の単量体およびその製造方法を提供する。前記本発明によって提供されるカルバゾール誘導体およびイリジウム錯体は縮重合によって共重合体の主鎖に含まれる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、カルバゾール誘導体とイリジウム錯体は共重合体の主鎖を形成する。よって、主鎖によるエネルギ伝達が容易になり、高い光効率を有するようになる。また、主鎖に単量体が含まれている状態であるため、共重合体は高いガラス転移温度を有し、化学的に安定した状態を保持する。また、相分離現象やイオン凝集現象が防止されるので、本発明に係る共重合体を高分子発光物質として用いる場合、効率的で安定した状態の発光物質を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明に係る望ましい実施例について添付した図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
本発明の実施例に係るカルバゾール誘導体の単量体は下記一般式(1)による。
【化1】
【0014】
前記一般式(1)で示されたカルバゾール誘導体は下記反応式(1)によって合成される。
【化2】
【0015】
反応式(1)のにおいて、第1ステップでは、3,6−ジブロモカルバゾールをアルカリ金属塩基触媒と相間移動触媒下で反応させ、ブロモアルキルをカルバゾールの9−H位置に結合させ、目的とする3,6−ジブロモ−9−アルキル−カルバゾールを製造する。この時、アルカリ金属塩基としては炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどを用いることができ、相間移動触媒としては4級アンモニウム塩であるテトラ−ヘキシル−アンモニウム−クロライド、テトラ−オクチル−アンモニウム−ブロミドまたはクラウンエーテルなどを用いることができる。反応溶媒としてはアセトンを用いる。反応温度70℃〜80℃で6時間ほど反応させた後に終結する。
【0016】
上記のように製造した3,6−ジブロモ−9−アルキル−カルバゾールを用いて第2ステップでは、3,6−ジブロモ−9−アルキル−カルバゾールとヒドロキシ−フェニル−ボロン酸をアルカリ金属塩基およびパラジウム触媒下で鈴木カップリング反応させ、目的とするジヒドロキシフェニル−9−アルキル−カルバゾールを製造する。この時、アルカリ金属塩基としては炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどを用いることができ、パラジウム触媒としてはテトラキストリフェニルホスフィン、酢酸パラジウムなどを用いることができる。反応溶媒としてはテトラヒドロフラン(THF)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、トルエン、1,4−ジオキサンなどを用いることができる。前記反応式(1)の鈴木カップリング反応は80℃〜120℃の範囲で行う。
【0017】
本発明に係るイリジウム錯体(Iridium complex)の単量体は下記一般式(2)による。
【化3】
【0018】
前記配位子は、以下に示す、2−フェニルピリジン(2-phenyl-pyridine)、2−p−トリルピリジン(2-p-tolyl-pyridine)、2−(4−フルオロフェニル)ピリジン(2-(4-fluoro-phenyl)-pyridine)、2−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリジン(2-(2,4-difluoro-phenyl)-pyridine)、ベンゾ[h]キニーネ(benzo[h]quinine)、1−フェニルイソキノリン(1-phenyl-isoquinoline)、1−ナフタレン−2−イル−イソキノリン(1-naphthalene-2-yl-isoquinone)、2−チオフェン−2−イル−ピリジン(2-thiophen-2-yl-pyridine)、2−フェニル−ベンゾチアゾール(2-phenyl-benzothiazole)、2−フェニルベンゾオキサゾール(2-phenyl-benzooxazole)、4−(5−(エチルチオ)−1H−テトラゾール−1−イル)−2−フルオロベンゾニトリル(4-(5-(ethylthio)-1H-tetrazol-1-yl)-2-fluorobenzonitrile)、及び2−ビフェニル−4−イル−ピリジン(2-biphenyl-4-yl-pyridine)からなる群より選択される。
【化4】
【化5】
【0019】
前記一般式(2)のイリジウム錯体の単量体は下記反応式(2)に示す通りに合成される。
【化6】
【0020】
反応式(2)の反応によれば、第1ステップでは、アルカリ金属塩基およびパラジウム触媒下でブロモフェニルボロン酸にブロモピリジンをゆっくり滴下する方式で鈴木カップリング反応させ、目的とするブロモ−フェニル−ピリジンを製造する。この時、アルカリ金属塩基としては炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどを用いることができ、パラジウム触媒としてはテトラキストリフェニルホスフィン、酢酸パラジウムなどを用いることができる。反応溶媒としてはテトラヒドロフラン(THF)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、トルエン、1,4−ジオキサンなどを用いることができる。前記反応式(2)の第1ステップの鈴木カップリング反応は80℃〜120℃の範囲で行う。
【0021】
上記のように得られたブロモ−フェニル−ピリジンとテトラキス(2−フェニルピリジン−C,N)(μ−ジクロロ)ジイリジウムをシルバートリフルオロメタンスルホネート触媒下で反応させ、目的とするイリジウム(2−(4’−ブロモフェニル−4−yl)ピリジン)(2−(2−(フェニルピリジン))2を得ることができる。反応溶媒としてはエトキシエタノールなどを用い、反応温度95℃で行う。
【0022】
また、本発明に係るイリジウム錯体の単量体は下記一般式(3)による。
【化7】
【0023】
前記配位子は、以下に示す、2−フェニルピリジン(2-phenyl-pyridine)、2−p−トリルピリジン(2-p-tolyl-pyridine)、2−(4−フルオロフェニル)ピリジン(2-(4-fluoro-phenyl)-pyridine)、2−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリジン(2-(2,4-difluoro-phenyl)-pyridine)、ベンゾ[h]キニーネ(benzo[h]quinine)、1−フェニルイソキノリン(1-phenyl-isoquinoline)、1−ナフタレン−2−イル−イソキノリン(1-naphthalene-2-yl-isoquinone)、2−チオフェン−2−イル−ピリジン(2-thiophen-2-yl-pyridine)、2−フェニル−ベンゾチアゾール(2-phenyl-benzothiazole)、2−フェニルベンゾオキサゾール(2-phenyl-benzooxazole)、4−(5−(エチルチオ)−1H−テトラゾール−1−イル)−2−フルオロベンゾニトリル(4-(5-(ethylthio)-1H-tetrazol-1-yl)-2-fluorobenzonitrile)、及び2−ビフェニル−4−イル−ピリジン(2-biphenyl-4-yl-pyridine)からなる群より選択される。
【化8】
【0024】
前記一般式(3)のイリジウム錯体の単量体は下記反応式(3)による。
【化9】
【0025】
前記反応式(3)において、第1ステップでは、アルカリ金属塩基およびパラジウム触媒下でジフルオロフェニルボロン酸にブロモピリジンをゆっくり滴下する方式で鈴木カップリング反応させ、目的とするジフルオロ−フェニル−ピリジンを製造する。この時、アルカリ金属塩基としては炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどを用いることができ、パラジウム触媒としてはテトラキストリフェニルホスフィン、酢酸パラジウムなどを用いることができる。反応溶媒としてはテトラヒドロフラン(THF)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、トルエン、1,4−ジオキサンなどを用いることができる。前記反応式(3)の第1ステップの鈴木カップリング反応は80℃〜120℃の範囲で行う。
【0026】
第2ステップでは、製造されたジフルオロ−フェニル−ボロン酸にブロモフェニルピリジン−イリジウム錯体をアルカリ金属塩基およびパラジウム触媒下で鈴木カップリング反応させ、目的とするジフルオロ−フェニル−イリジウム錯体を製造する。
【0027】
この時、アルカリ金属塩基としては炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどを用いることができ、パラジウム触媒としてはテトラキストリフェニルホスフィン、酢酸パラジウムなどを用いることができる。反応溶媒としてはテトラヒドロフラン(THF)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、トルエン、1,4−ジオキサンなどを用いることができる。前記反応式(3)の第2ステップの鈴木カップリング反応は80〜120℃の範囲で行う。
【0028】
上述した単量体を用いた分子量とイリジウム含量が制御された共重合体の合成を具体的に例示すれば次の一般式(4)の通りである。
【化10】
【0029】
前記一般式(4)の共重合体は下記反応式(4)によって合成される。
【化11】
【0030】
前記配位子は、以下に示す、2−フェニルピリジン(2-phenyl-pyridine)、2−p−トリルピリジン(2-p-tolyl-pyridine)、2−(4−フルオロフェニル)ピリジン(2-(4-fluoro-phenyl)-pyridine)、2−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリジン(2-(2,4-difluoro-phenyl)-pyridine)、ベンゾ[h]キニーネ(benzo[h]quinine)、1−フェニルイソキノリン(1-phenyl-isoquinoline)、1−ナフタレン−2−イル−イソキノリン(1-naphthalene-2-yl-isoquinone)、2−チオフェン−2−イル−ピリジン(2-thiophen-2-yl-pyridine)、2−フェニル−ベンゾチアゾール(2-phenyl-benzothiazole)、2−フェニルベンゾオキサゾール(2-phenyl-benzooxazole)、4−(5−(エチルチオ)−1H−テトラゾール−1−イル)−2−フルオロベンゾニトリル(4-(5-(ethylthio)-1H-tetrazol-1-yl)-2-fluorobenzonitrile)、及び2−ビフェニル−4−イル−ピリジン(2-biphenyl-4-yl-pyridine)からなる群より選択される。
【化12】
【0031】
反応式(4)によれば、アルカリ金属塩基下でジヒドロキシフェニルカルバゾール誘導体を活性化させる。活性化中に水分を除去するための補助溶媒としてはトルエンやベンゼンを用い、反応溶媒としては1−メチルピロリドン、ジメチル−ホルム−アミド、ジメチル−スルホキシドなどを用い、6時間ほど窒素雰囲気下で攪拌する。
【0032】
その後、ジフルオロ基がついている単量体を添加して約24時間ほど反応させる。反応温度は活性化し始めるステップでは150℃、ジフルオロ基がついている単量体とジフルオロ−フェニル−イリジウム錯体を添加してからは200℃程度で反応させる。アルカリ金属塩基としては炭酸カリウムなどを用いる。
【0033】
以上で説明したような本発明を次の実施例に基づいて説明する。しかし、これらは本発明を詳細に説明するために提示するだけのものであって、本発明の技術的範囲はこれらによって限定されるものではない。
【実施例】
【0034】
製造例1:3,6−ジヒドロキシフェニル−9−デシル−カルバゾールの製造
先ず3,6−ジブロモ−9−デシル−カルバゾールを製造するために、窒素雰囲気下で250mlのニつ口丸底フラスコに3,6−ジブロモ−9H−カルバゾール5.0g(0.015mol)、1−ブロモデカン4.0g(0.0165mol)、水酸化ナトリウム2g(0.0225mol)、アセトン200mlにテトラ−オクチル−アンモニウム−ブロミド(相間移動触媒)0.3g(0.00045mol)を加えた。
【0035】
80℃で6時間還流させた後、反応を終了した。蒸溜水500mlをビーカーに入れて反応混合物を加えた。ジクロロメタン200mlで3回抽出した後、硫酸ナトリウム10gを加えて回転攪拌器で30分間攪拌した後に抽出混合物を濾過した。回転蒸発器を用いて溶媒を先に除去した後、残りはジクロロメタンとヘキサンを(1:1)展開溶媒として用いてカラムクロマトグラフィーを行い、回転蒸発を行って分離した。収率は80%であった。
【0036】
尚、製造した3,6−ジヒドロキシフェニル−9−デシル−カルバゾールに対する1H−NMRは図1に添付した。窒素雰囲気下で250mlのニつ口丸底フラスコに3,6−ジブロモ−9−デシル−9H−カルバゾール5.5g(0.012mol)、4−ヒドロキシフェニルボロン酸5.0g(0.036mol)、テトラヒドロフラン150ml、および2M炭酸カリウム水溶液(20ml)を加えた後、触媒であるパラジウムテトラキストリフェニルホスフィン(Pd(PPh3)4;1.04g、3mol%)を加えた。
【0037】
80℃で24時間還流させた後、反応を終了した。蒸溜水500mlをビーカーに入れて反応混合物を加えた。ジクロロメタン200mlで3回抽出した後、硫酸ナトリウム10gを加えて回転攪拌器で30分間攪拌した後に抽出混合物を濾過した。回転蒸発器を用いて溶媒を先に除去した後、残りはジクロロメタンとエーテルを展開溶媒として用いてカラムクロマトグラフィーを行い、回転蒸発を行って分離して一般式(2)のような3,6−ジヒドロキシフェニル−9−デシル−カルバゾールを製造した。収率は40%であった。尚、製造した3,6−ジヒドロキシフェニル−9−デシル−カルバゾールに対する1H−NMRは図2に添付した。
【0038】
製造例2:イリジウム(2−(4’−ジフルオロフェニル−4−yl)ピリジン)(2−(2−(フェニルピリジン))2
2,4−ジフルオロフェニルピリジンを製造するために窒素雰囲気下で250mlのニつ口丸底フラスコに2,4−ジフルオロフェニルボロン酸5.0g(0.0285mol)、2−ブロモピリジン3.0g(0.019mol)、テトラヒドロフラン150ml、および2M炭酸カリウム水溶液(20ml)を加えた後、触媒であるパラジウムテトラキストリフェニルホスフィン(Pd(PPh3)4;0.7g、3mol%)を加えた。
【0039】
80℃で24時間還流させた後、反応を終了した。蒸溜水500mlをビーカーに入れて反応混合物を加えた。ジクロロメタン150mlで3回抽出した後、硫酸ナトリウム10gを加えて回転攪拌器で30分間攪拌した後に抽出混合物を濾過した。回転蒸発器を用いて溶媒を先に除去した後、残りはジクロロメタンを展開溶媒として用いてカラムクロマトグラフィーを行い、減圧蒸留を行って分離した。収率は83%であった。尚、製造した2,4−ジフルオロフェニルピリジンに対する1H−NMRは図3に添付した。
【0040】
その次、窒素雰囲気下で250mlのニつ口丸底フラスコにブロモイリジウム錯体1g(0.0014mol)、2,4−ジフルオロフェニルボロン酸0.5g(0.0021mol)、テトラヒドロフラン150ml、および2M炭酸カリウム水溶液(20ml)を加えた後、触媒であるパラジウムテトラキストリフェニルホスフィン(Pd(PPh3)4;0.07g、3mol%)を加えた。80℃で24時間還流させた後、反応を終結する。
【0041】
蒸溜水500mlをビーカーに入れて反応混合物を加えた。ジクロロメタン200mlで3回抽出した後、硫酸ナトリウム10gを加えて回転攪拌器で30分間攪拌した後に抽出混合物を濾過した。回転蒸発器を用いて溶媒を先に除去した後、残りはジクロロメタンを展開溶媒として用いてカラムクロマトグラフィーを行い、回転蒸発を行って分離し、一般式(3)のようなイリジウム(2−(4’−ジフルオロフェニル−4−yl)ピリジン)(2−(2−(フェニルピリジン))2を製造した。収率は86%であった。尚、製造したイリジウム(2−(4’−ジフルオロフェニル−4−yl)ピリジン)(2−(2−(フェニルピリジン))2に対する1H−NMRは図4に添付した。
【0042】
製造例3:イリジウム(2−(4‘−ブロモフェニル−4−yl)ピリジン)(2−(2−(フェニルピリジン))2
先ず2−(4’−ブロモフェニル−4−yl)ピリジンを製造するために窒素雰囲気下で250mlのニつ口丸底フラスコに2−ブロモピリジン3.92g(0.025mol)、テトラヒドロフラン150ml、および2M炭酸カリウム水溶液(20ml)を加えた後、触媒であるパラジウムテトラキストリフェニルホスフィン(Pd(PPh3)4;0.37g、3mol%)を加えた。そして、4−ブロモフェニルボロン酸をゆっくり滴下した。
【0043】
80℃で24時間還流させた後、製造例2と同様の方法によって分離した。収率は80%であった。尚、製造した4−ブロモフェニルピリジンに対する1H−NMRは図5に添付した。
【0044】
その後、窒素雰囲気下で250mlのニつ口丸底フラスコに4−ブロモフェニルピリジン3.25g(0.014mol)、イリジウムジフェニルピリジン錯体3g(0.0028mol)、シルバートリフルオロメタンスルホネート1.43g(0.0056mol)、2−エトキシエタノール80mlを入れて24時間130℃で還流させた後、反応を終結する。反応後残留したシルバークロライドを除去するためにグラスフィルタで濾過し、減圧蒸留を通じて2−エトキシエタノールを除去した。ジメチルクロリドで何度も洗い落とし、ジクロロメタンを展開溶媒として用いてカラムクロマトグラフィーを行った。
【0045】
最後にテトラヒドロフラン150mlで沈殿させると、収率70%で反応式(2)のようなイリジウム(2−(4’−ブロモフェニル−4−yl)ピリジン)(2−(2−(フェニルピリジン))2を得ることができる。収率は50%であった。製造したイリジウム(2−(4’−ブロモフェニル−4−yl)ピリジン)(2−(2−(フェニルピリジン))2に対する1H−NMRは図6に添付した。
【0046】
製造例4:縮合重合を用いたポリ(3,6−ジフェニル−9−デシル−カルバゾール)−ランダム−ポリ(イリジウム(2−(4’−ジフェニル−4−yl)ピリジン)(2−(2−(フェニルピリジン))2)の製造(CP0)
窒素雰囲気下で100mlのニつ口丸底フラスコに3,6−ジヒドロキシフェニル−9−デシル−カルバゾール0.4g(0.0008mol)、炭酸カリウム0.138g、トルエン25ml、1−メチル2−ピロリジノン10mlを入れて160℃で10時間還流させた後、2,4−ジフルオロフェニルピリジン1.5g(0.0008mol)を添加した。
【0047】
200℃で20時間還流させた後、反応を終結する。メタノール500mlに反応物をゆっくり沈殿させた後に濾過でメタノールを除去し、真空オーブンで乾燥させた。収率は80%であった。尚、製造したCP0に対する1H−NMRは図7に添付した。
【0048】
製造例5:縮合重合を用いたポリ(3,6−ジフェニル−9−デシル−カルバゾール)−ランダム−ポリ(イリジウム(2−(4’−ジフェニル−4−yl)ピリジン)(2−(2−(フェニルピリジン))2)の製造(CP1)
前記製造例4と同様の実験条件で3,6−ジヒドロキシフェニル−9−デシル−カルバゾール0.4g(0.0008mol)、炭酸カリウム0.138g、トルエン25ml、1−メチル2−ピロリジノン10mlを入れて160℃で10時間還流させた後、2,4−ジフルオロフェニルピリジン0.15g(0.00079mol)、ジフルオロイリジウム錯体0.006g(0.000008mol)を添加した。
【0049】
200℃で20時間還流させた後、反応を終結する。メタノール500mlに反応物をゆっくり沈殿させた後に濾過でメタノールを除去し、真空オーブンで乾燥させた。収率は80%であった。
【0050】
製造例6:縮合重合を用いたポリ(3,6−ジフェニル−9−デシル−カルバゾール)−ランダム−ポリ(イリジウム(2−(4’−ジフェニル−4−yl)ピリジン)(2−(2−(フェニルピリジン))2)の製造(CP3)
前記製造例4と同様の実験条件で3,6−ジヒドロキシフェニル−9−デシル−カルバゾール0.4g(0.0008mol)、炭酸カリウム0.138g、トルエン25ml、1−メチル2−ピロリジノン10mlを入れて160℃で10時間還流させた後、2,4−ジフルオロフェニルピリジン0.148g(0.000776mol)、ジフルオロイリジウム錯体0.018g(0.000024mol)を添加した。
【0051】
200℃で20時間還流させた後、反応を終結する。メタノール500mlに反応物をゆっくり沈殿させた後に濾過でメタノールを除去し、真空オーブンで乾燥させた。収率は80%であった。
【0052】
製造例7:縮合重合を用いたポリ(3,6−ジフェニル−9−デシル−カルバゾール)−ランダム−ポリ(イリジウム(2−(4’−ジフェニル−4−yl)ピリジン)(2−(2−(フェニルピリジン))2)の製造(CP7)
前記製造例4と同様の実験条件で3,6−ジヒドロキシフェニル−9−デシル−カルバゾール0.4g(0.0008mol)、炭酸カリウム0.138g、トルエン25ml、1−メチル2−ピロリジノン10mlを入れて160℃で10時間還流させた後、2,4−ジフルオロフェニルピリジン0.142g(0.00074mol)、ジフルオロイリジウム錯体0.043g(0.000056mol)を添加した。
【0053】
200℃で20時間還流させた後、反応を終結する。メタノール500mlに反応物をゆっくり沈殿させた後に濾過でメタノールを除去し、真空オーブンで乾燥させた。収率は80%であった。
【0054】
製造例8:縮合重合を用いたポリ(3,6−ジフェニル−9−デシル−カルバゾール)−ランダム−ポリ(イリジウム(2−(4’−ジフェニル−4−yl)ピリジン)(2−(2−(フェニルピリジン))2)の製造(CP12)
前記製造例4と同様の実験条件で3,6−ジヒドロキシフェニル−9−デシル−カルバゾール0.4g(0.0008mol)、炭酸カリウム0.138g、トルエン25ml、1−メチル2−ピロリジノン10mlを入れて160℃で10時間還流させた後、2,4−ジフルオロフェニルピリジン0.134g(0.0007mol)、ジフルオロイリジウム錯体0.073g(0.000096mol)を添加した。200℃で20時間還流させた後、反応を終結する。メタノール500mlに反応物をゆっくり沈殿させた後に濾過でメタノールを除去し、真空オーブンで乾燥させた。収率は80%であった。
【0055】
製造例9:縮合重合を用いたポリ(3,6−ジフェニル−9−デシル−カルバゾール)−ランダム−ポリ(イリジウム(2−(4’−ジフェニル−4−yl)ピリジン)(2−(2−(フェニルピリジン))2)の製造(CP40)
前記製造例4と同様の実験条件で3,6−ジヒドロキシフェニル−9−デシル−カルバゾール0.4g(0.0008mol)、炭酸カリウム0.138g、トルエン25ml、1−メチル2−ピロリジノン10mlを入れて160℃で10時間還流させた後、2,4−ジフルオロフェニルピリジン0.091g(0.00048mol)、ジフルオロイリジウム錯体0.245g(0.00032mol)を添加した。
【0056】
200℃で20時間還流させた後、反応を終結する。メタノール500mlに反応物をゆっくり沈殿させた後に濾過でメタノールを除去し、真空オーブンで乾燥させた。収率は80%であった。
【0057】
上述した製造例によって開示されたそれぞれの化合物を製造するために投入される試料量、収率などは下記の表1に整理する。
【表1】
【0058】
上記の表1でDDHPCzは3,6−ジヒドロキシフェニル−9−デシル−カルバゾールを示し、DFPPyは2,4−ジフルオロフェニルピリジンを示し、DFP−Irはジフルオロイリジウム錯体を示す。M.Wは分子量を示し、pd(polydispersion index)は多分散指数を示し、Td(decomposition temperature)は分解開始温度を示し、Tg(glass transition temperature)はガラス転移温度を示す。
【0059】
製造例10:縮合重合を用いたポリ(3,6−ジフェニル−9−デシル−カルバゾール)−ランダム−ポリ(イリジウム(3−(5’−ジフェニル−4−yl)ピリジン)(2−(2−(フェニルピリジン))2)の製造(DP3)
前記製造例4と同様の実験条件で3,6−ジヒドロキシフェニル−9−デシル−カルバゾール0.4g(0.0008mol)、炭酸カリウム0.138g、トルエン25ml、1−メチル2−ピロリジノン10mlを入れて160℃で10時間還流させた後、2,4−ジフルオロフェニルピリジン0.148g(0.000776mol)、ジフルオロイリジウム錯体0.018g(0.000024mol)を添加した。
【0060】
200℃で20時間還流させた後、反応を終結する。メタノール500mlに反応物をゆっくり沈殿させた後に濾過でメタノールを除去し、真空オーブンで乾燥させた。収率は80%であった。尚、製造したDP3に対する1H−NMRは図8に添付した。
【0061】
製造例11:縮合重合を用いたポリ(3,6−ジフェニル−9−デシル−カルバゾール)−ランダム−ポリ(イリジウム(3−(5’−ジフェニル−4−yl)ピリジン)(2−(2−(フェニルピリジン))2)の製造(DP7)
前記製造例4と同様の実験条件で3,6−ジヒドロキシフェニル−9−デシル−カルバゾール0.4g(0.0008mol)、炭酸カリウム0.138g、トルエン25ml、1−メチル2−ピロリジノン10mlを入れて160℃で10時間還流させた後、2,4−ジフルオロフェニルピリジン0.142g(0.000744mol)、ジフルオロイリジウム錯体0.043g(0.000056mol)を添加した。
【0062】
200℃で20時間還流させた後、反応を終結する。メタノール500mlに反応物をゆっくり沈殿させた後に濾過でメタノールを除去し、真空オーブンで乾燥させた。収率は80%であった。
【0063】
製造例12:縮合重合を用いたポリ(3,6−ジフェニル−9−デシル−カルバゾール)−ランダム−ポリ(イリジウム(3−(5’−ジフェニル−4−yl)ピリジン)(2−(2−(フェニルピリジン))2)の製造(DP12)
前記製造例4と同様の実験条件で3,6−ジヒドロキシフェニル−9−デシル−カルバゾール0.4g(0.0008mol)、炭酸カリウム0.138g、トルエン25ml、1−メチル2−ピロリジノン10mlを入れて160℃で10時間還流させた後、2,4−ジフルオロフェニルピリジン0.134g(0.000704mol)、ジフルオロイリジウム錯体0.0736g(0.000096mol)を添加した。200℃で20時間還流させた後、反応を終結する。メタノール500mlに反応物をゆっくり沈殿させた後に濾過でメタノールを除去し、真空オーブンで乾燥させた。収率は80%であった。
【0064】
製造例13:縮合重合を用いたポリ(3,6−ジフェニル−9−デシル−カルバゾール)−ランダム−ポリ(イリジウム(3−(5’−ジフェニル−4−yl)ピリジン)(2−(2−(フェニルピリジン))2)の製造(DP40)
前記製造例4と同様の実験条件で3,6−ジヒドロキシフェニル−9−デシル−カルバゾール0.4g(0.0008mol)、炭酸カリウム0.138g、トルエン25ml、1−メチル2−ピロリジノン10mlを入れて160℃で10時間還流させた後、2,4−ジフルオロフェニルピリジン0.091g(0.00048mol)、ジフルオロイリジウム錯体0.245g(0.00032mol)を添加した。200℃で20時間還流させた後、反応を終結する。
【0065】
メタノール500mlに反応物をゆっくり沈殿させた後に濾過でメタノールを除去し、真空オーブンで乾燥させた。収率は80%であった。
【0066】
上述した製造例によって開示されたそれぞれの化合物を製造するために投入される試料量、収率などは下記の表2に整理する。
【表2】
【0067】
前記表2において、DHP−Czは3,6−ジヒドロキシフェニル−9−デシル−カルバゾールを示し、他の略語は上記の表1で説明したものと同様である。
【0068】
上述したことによれば、本発明では正孔輸送機能に優れたカルバゾール誘導体の単量体を合成し、有機発光素子においてスピン軌道結合によって燐光を効率的に形成する遷移金属中のイリジウム錯体を単量体として合成する。また、単量体の縮合重合によって単量体が主鎖に含まれる共重合体が合成される。形成された共重合体にはカルバゾール誘導体とイリジウム錯体が主鎖に含まれるため、エネルギ伝達が効率的に行われ、安定して効率的な有機発光素子の製作が可能である。
【0069】
上記では本発明の望ましい実施例について参照して説明したが、当該技術分野の当業者であれば、上記の特許請求の範囲に記載された本発明の思想および領域から脱しない範囲内で本発明の様々な修正および変更ができるということを理解するはずである。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明に係る製造例1で製造された3,6−ジブロモデシルカルバゾールの1H−NMRスペクトルを示したものである。
【図2】本発明に係る製造例1で製造された3,6−ジヒドロキシフェニル−9−デシル−カルバゾールの1H−NMRスペクトルを示したものである。
【図3】本発明に係る製造例3で製造された2,4−ジフルオロフェニルピリジンの1H−NMRスペクトルを示したものである。
【図4】本発明に係る製造例2で製造された4−ブロモフェニルピリジンの1H−NMRスペクトルを示したものである。
【図5】本発明に係る製造例2で製造されたイリジウム(2−(4’−ブロモフェニル−4−yl)ピリジン)(2−(2−(フェニルピリジン))2の1H−NMRスペクトルを示したものである。
【図6】本発明に係る製造例3で製造されたイリジウム(2−(4’−ジフルオロフェニル−4−yl)ピリジン)(2−(2−(フェニルピリジン))2の1H−NMRスペクトルを示したものである。
【図7】本発明に係る製造例4で製造された共重合体ポリ(3,6−ジフェニル−9−デシル−カルバゾール)−ランダム−ポリ(イリジウム(2−(4’−ジフェニル−4−yl)ピリジン)(2−(2−(フェニルピリジン))2)の製造の1H−NMRスペクトルを示したものである。
【図8】本発明に係る実施例10で製造された共重合体ポリ(3,6−ジフェニル−9−デシル−カルバゾール)−ランダム−ポリ(イリジウム(3−(5’−ジフェニル−4−yl)ピリジン)(2−(2−(フェニルピリジン))2)の製造の1H−NMRスペクトルを示したものである。
【図9】本発明に係る実施例6で製造された共重合体ポリ(3,6−ジフェニル−9−デシル−カルバゾール)−ランダム−ポリ(イリジウム(2−(4’−ジフェニル−4−yl)ピリジン)(2−(2−(フェニルピリジン))2)の13C−NMRスペクトルを示したものである。
【図10】本発明に係る実施例10で製造された共重合体ポリ(3,6−ジフェニル−9−デシル−カルバゾール)−ランダム−ポリ(イリジウム(3−(5’−ジフェニル−4−yl)ピリジン)(2−(2−(フェニルピリジン))2)の13C−NMRスペクトルを示したものである。
【図11】本発明に係る実施例4〜実施例9で製造された共重合体ポリ(3,6−ジフェニル−9−デシル−カルバゾール)−ランダム−ポリ(イリジウム(2−(4’−ジフェニル−4−yl)ピリジン)(2−(2−(フェニルピリジン))2)のUV−visスペクトルを示したものである。
【図12】本発明に係る実施例10〜実施例13で製造された共重合体ポリ(3,6−ジフェニル−9−デシル−カルバゾール)−ランダム−ポリ(イリジウム(3−(5’−ジフェニル−4−yl)ピリジン)(2−(2−(フェニルピリジン))2)のUV−visスペクトルを示したものである。
【図13】本発明に係る実施例4〜実施例9で製造された共重合体ポリ(3,6−ジフェニル−9−デシル−カルバゾール)−ランダム−ポリ(イリジウム(2−(4’−ジフェニル−4−yl)ピリジン)(2−(2−(フェニルピリジン))2)のフォトルミネッセンスのスペクトルを示したものである。
【図14】本発明に係る実施例10〜実施例13で製造された共重合体ポリ(3,6−ジフェニル−9−デシル−カルバゾール)−ランダム−ポリ(イリジウム(3−(5’−ジフェニル−4−yl)ピリジン)(2−(2−(フェニルピリジン))2)のフォトルミネッセンスのスペクトルを示したものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で示されるカルバゾール誘導体。
【化1】
【請求項2】
前記カルバゾール誘導体は、
ジブロモカルバゾールとブロモアルキルを結合させてジブロモ−アルキル−カルバゾールを形成し、
前記ジブロモ−アルキル−カルバゾールをヒドロキシ−フェニル−ボロン酸と鈴木カップリング反応させて合成することを特徴とする、請求項1に記載のカルバゾール誘導体。
【請求項3】
下記一般式(2)で示されるイリジウム錯体の単量体であって、
【化2】
前記一般式(2)中、前記配位子が、以下に示す、2−フェニルピリジン(2-phenyl-pyridine)、2−p−トリルピリジン(2-p-tolyl-pyridine)、2−(4−フルオロフェニル)ピリジン(2-(4-fluoro-phenyl)-pyridine)、2−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリジン(2-(2,4-difluoro-phenyl)-pyridine)、ベンゾ[h]キニーネ(benzo[h]quinine)、1−フェニルイソキノリン(1-phenyl-isoquinoline)、1−ナフタレン−2−イル−イソキノリン(1-naphthalene-2-yl-isoquinone)、2−チオフェン−2−イル−ピリジン(2-thiophen-2-yl-pyridine)、2−フェニル−ベンゾチアゾール(2-phenyl-benzothiazole)、2−フェニルベンゾオキサゾール(2-phenyl-benzooxazole)、4−(5−(エチルチオ)−1H−テトラゾール−1−イル)−2−フルオロベンゾニトリル(4-(5-(ethylthio)-1H-tetrazol-1-yl)-2-fluorobenzonitrile)、及び2−ビフェニル−4−イル−ピリジン(2-biphenyl-4-yl-pyridine)からなる群より選択されるイリジウム錯体の単量体。
【化3】
【請求項4】
前記イリジウム錯体の単量体は、
ジフルオロ−フェニル−ボロン酸にブロモフェニルピリジン−イリジウム錯体を鈴木カップリング反応によって合成することを特徴とする、請求項3に記載のイリジウム錯体の単量体。
【請求項5】
前記ブロモフェニルピリジン−イリジウム錯体が下記一般式(3)で示されることを特徴とし、
【化4】
前記一般式(3)中、前記配位子が、以下に示す、2−フェニルピリジン(2-phenyl-pyridine)、2−p−トリルピリジン(2-p-tolyl-pyridine)、2−(4−フルオロフェニル)ピリジン(2-(4-fluoro-phenyl)-pyridine)、2−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリジン(2-(2,4-difluoro-phenyl)-pyridine)、ベンゾ[h]キニーネ(benzo[h]quinine)、1−フェニルイソキノリン(1-phenyl-isoquinoline)、1−ナフタレン−2−イル−イソキノリン(1-naphthalene-2-yl-isoquinone)、2−チオフェン−2−イル−ピリジン(2-thiophen-2-yl-pyridine)、2−フェニル−ベンゾチアゾール(2-phenyl-benzothiazole)、2−フェニルベンゾオキサゾール(2-phenyl-benzooxazole)、4−(5−(エチルチオ)−1H−テトラゾール−1−イル)−2−フルオロベンゾニトリル(4-(5-(ethylthio)-1H-tetrazol-1-yl)-2-fluorobenzonitrile)、及び2−ビフェニル−4−イル−ピリジン(2-biphenyl-4-yl-pyridine)からなる群より選択されることを特徴とする請求項4に記載のイリジウム錯体の単量体。
【化5】
【請求項6】
前記ブロモフェニルピリジン−イリジウム錯体は、
ブロモフェニルボロン酸とブロモピリジンを鈴木カップリング反応させてブロモ−フェニル−ピリジンを形成し、
前記ブロモ−フェニル−ピリジンとテトラキス(μ−ジクロロ)ジイリジウムを反応させて形成することを特徴とする、請求項4に記載のイリジウム錯体の単量体。
【請求項7】
下記一般式(4)で示されるイリジウム錯体とカルバゾール誘導体を有する高分子。
【化6】
前記一般式(4)において、前記高分子の分子量は1000〜900000であり、x+yは100であり、nは1〜10である。
【請求項8】
前記高分子は下記反応式(1)によって合成されることを特徴とする、請求項7に記載のイリジウム錯体とカルバゾール誘導体を有する高分子。
【化7】
【請求項9】
前記ジフルオロ基がついている単量体は、ジフルオロフェニルボロン酸にブロモピリジンを鈴木カップリング反応させて合成することを特徴とする、請求項8に記載のイリジウム錯体とカルバゾール誘導体を有する高分子。
【請求項10】
前記反応式(1)は、
前記ジヒドロキシフェニルカルバゾール誘導体を活性化し、
前記ジフルオロ基がついている単量体と前記ジフルオロ−フェニル−イリジウム錯体を添加して前記高分子を合成することを特徴とする、請求項8に記載のイリジウム錯体とカルバゾール誘導体を有する高分子。
【請求項11】
前記ジヒドロキシフェニルカルバゾール誘導体を活性化するために反応溶媒として1−メチルピロリドン、ジメチル−ホルム−アミド、またはジメチル−スルホキシドを用いることを特徴とする、請求項10に記載のイリジウム錯体とカルバゾール誘導体を有する高分子。
【請求項12】
前記ジヒドロキシフェニルカルバゾール誘導体はアルカリ金属塩基下で活性化することを特徴とする、請求項10に記載のイリジウム錯体とカルバゾール誘導体を有する高分子。
【請求項1】
下記一般式(1)で示されるカルバゾール誘導体。
【化1】
【請求項2】
前記カルバゾール誘導体は、
ジブロモカルバゾールとブロモアルキルを結合させてジブロモ−アルキル−カルバゾールを形成し、
前記ジブロモ−アルキル−カルバゾールをヒドロキシ−フェニル−ボロン酸と鈴木カップリング反応させて合成することを特徴とする、請求項1に記載のカルバゾール誘導体。
【請求項3】
下記一般式(2)で示されるイリジウム錯体の単量体であって、
【化2】
前記一般式(2)中、前記配位子が、以下に示す、2−フェニルピリジン(2-phenyl-pyridine)、2−p−トリルピリジン(2-p-tolyl-pyridine)、2−(4−フルオロフェニル)ピリジン(2-(4-fluoro-phenyl)-pyridine)、2−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリジン(2-(2,4-difluoro-phenyl)-pyridine)、ベンゾ[h]キニーネ(benzo[h]quinine)、1−フェニルイソキノリン(1-phenyl-isoquinoline)、1−ナフタレン−2−イル−イソキノリン(1-naphthalene-2-yl-isoquinone)、2−チオフェン−2−イル−ピリジン(2-thiophen-2-yl-pyridine)、2−フェニル−ベンゾチアゾール(2-phenyl-benzothiazole)、2−フェニルベンゾオキサゾール(2-phenyl-benzooxazole)、4−(5−(エチルチオ)−1H−テトラゾール−1−イル)−2−フルオロベンゾニトリル(4-(5-(ethylthio)-1H-tetrazol-1-yl)-2-fluorobenzonitrile)、及び2−ビフェニル−4−イル−ピリジン(2-biphenyl-4-yl-pyridine)からなる群より選択されるイリジウム錯体の単量体。
【化3】
【請求項4】
前記イリジウム錯体の単量体は、
ジフルオロ−フェニル−ボロン酸にブロモフェニルピリジン−イリジウム錯体を鈴木カップリング反応によって合成することを特徴とする、請求項3に記載のイリジウム錯体の単量体。
【請求項5】
前記ブロモフェニルピリジン−イリジウム錯体が下記一般式(3)で示されることを特徴とし、
【化4】
前記一般式(3)中、前記配位子が、以下に示す、2−フェニルピリジン(2-phenyl-pyridine)、2−p−トリルピリジン(2-p-tolyl-pyridine)、2−(4−フルオロフェニル)ピリジン(2-(4-fluoro-phenyl)-pyridine)、2−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリジン(2-(2,4-difluoro-phenyl)-pyridine)、ベンゾ[h]キニーネ(benzo[h]quinine)、1−フェニルイソキノリン(1-phenyl-isoquinoline)、1−ナフタレン−2−イル−イソキノリン(1-naphthalene-2-yl-isoquinone)、2−チオフェン−2−イル−ピリジン(2-thiophen-2-yl-pyridine)、2−フェニル−ベンゾチアゾール(2-phenyl-benzothiazole)、2−フェニルベンゾオキサゾール(2-phenyl-benzooxazole)、4−(5−(エチルチオ)−1H−テトラゾール−1−イル)−2−フルオロベンゾニトリル(4-(5-(ethylthio)-1H-tetrazol-1-yl)-2-fluorobenzonitrile)、及び2−ビフェニル−4−イル−ピリジン(2-biphenyl-4-yl-pyridine)からなる群より選択されることを特徴とする請求項4に記載のイリジウム錯体の単量体。
【化5】
【請求項6】
前記ブロモフェニルピリジン−イリジウム錯体は、
ブロモフェニルボロン酸とブロモピリジンを鈴木カップリング反応させてブロモ−フェニル−ピリジンを形成し、
前記ブロモ−フェニル−ピリジンとテトラキス(μ−ジクロロ)ジイリジウムを反応させて形成することを特徴とする、請求項4に記載のイリジウム錯体の単量体。
【請求項7】
下記一般式(4)で示されるイリジウム錯体とカルバゾール誘導体を有する高分子。
【化6】
前記一般式(4)において、前記高分子の分子量は1000〜900000であり、x+yは100であり、nは1〜10である。
【請求項8】
前記高分子は下記反応式(1)によって合成されることを特徴とする、請求項7に記載のイリジウム錯体とカルバゾール誘導体を有する高分子。
【化7】
【請求項9】
前記ジフルオロ基がついている単量体は、ジフルオロフェニルボロン酸にブロモピリジンを鈴木カップリング反応させて合成することを特徴とする、請求項8に記載のイリジウム錯体とカルバゾール誘導体を有する高分子。
【請求項10】
前記反応式(1)は、
前記ジヒドロキシフェニルカルバゾール誘導体を活性化し、
前記ジフルオロ基がついている単量体と前記ジフルオロ−フェニル−イリジウム錯体を添加して前記高分子を合成することを特徴とする、請求項8に記載のイリジウム錯体とカルバゾール誘導体を有する高分子。
【請求項11】
前記ジヒドロキシフェニルカルバゾール誘導体を活性化するために反応溶媒として1−メチルピロリドン、ジメチル−ホルム−アミド、またはジメチル−スルホキシドを用いることを特徴とする、請求項10に記載のイリジウム錯体とカルバゾール誘導体を有する高分子。
【請求項12】
前記ジヒドロキシフェニルカルバゾール誘導体はアルカリ金属塩基下で活性化することを特徴とする、請求項10に記載のイリジウム錯体とカルバゾール誘導体を有する高分子。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2008−127387(P2008−127387A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−296387(P2007−296387)
【出願日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【出願人】(507373508)クヮンジュ・インスティテュート・オブ・サイエンス・アンド・テクノロジー (28)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【出願人】(507373508)クヮンジュ・インスティテュート・オブ・サイエンス・アンド・テクノロジー (28)
【Fターム(参考)】
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