説明

インソール及びインソールを備えた履物

【課題】靴に対するフィッティング機能及び歩行支援機能を向上させることが可能なインソール及びインソールを備えた靴を提供できるようにする。
【解決手段】履物に装着して使用されるインソールにおいて、少なくとも略半分から先端側を下側中敷20aと上側中敷20bとの2重構造に構成するとともに、使用者の足底先端部に対応する位置において、前記使用者の足底先端部に当接させる足底先端部支持体30を、前記下側中敷20aと上側中敷20bとの間に位置調節自在に設け、前記足底先端部支持体30と靴の踵部101とにより、使用者の足200が靴の内部において前後方向に移動するのを規制することができるようにするとともに、優れた応力が得られること、使用者の足底先端部201に対する柔軟性が得られるようにすることを可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はインソール及びインソールを備えた履物に関し、特に、履物を履いている人(以下、使用者とする)の足のサイズ及び形状にフィットした靴を提供するために用いて好適な技術に関する。
【背景技術】
従来から、種々の目的に合わせて中敷を靴の中に配置することが知られている。このような中敷においては、例えば、足の形状や大きさ等に対して靴の形状や大きさ等を合わせるようにする、所謂、フィッティングを目的として利用されていることが多い。また、通気性や消臭の機能、クッション機能等を付加した中敷も市販されている。
【0002】
しかしながら、多くの中敷は、単に略一定の厚さ寸法のプレートを足型に成形したものに過ぎなかった。これでは、靴に対するフィッティング機能や歩行時の足のサポート機能等に対して、有効な効果が期待できない場合が多い問題点があった。
【0003】
このような問題に鑑み、機能性の高い中敷も幾つか提案されている。例えば、特許文献1等に示された中敷では、所定の箇所にパッドを設けて、外反母趾や内反小趾等によって突出した部位または突出する恐れのある部位にあてがい、該部位の突出変形を拘束することにより、外反母趾の矯正等を実現するようにしている。
【0004】
しかしながら、前記特許文献1や特許文献2等に示された中敷の場合は、外反母趾によって突出した部位だけを局部的に押し付けるに過ぎないことから、これでは、突出部位だけに圧力が集中してしまうことになるので、歩行に苦痛を伴うおそれがある。また、外反母趾によって突出した部位を無理に押さえつけるだけでは、有効な治療や予防にはならなかった。
【0005】
特に、既製品で内部形状が限定された靴を、各個人によって千差万別の形状の足に対して過不足がないように合わせるフィッティングは、殆ど望むことができなかった。すなわち、靴の長さのサイズは5mm刻みが一般的であり、各長さはサイズ毎に、幅寸法の異なる靴は1種類しか店頭にないことが多い。その場合に、靴底部に敷く中敷だけで過不足がないようにフィッティングすることは困難であった。
【0006】
また、足指先に加わる負担を小さくするために大きめの靴を着用すると、歩行や走行等の動的な状態においては靴の内部で足が前後方向に移動することにより、結局は足指先が靴のアッパー部に当接してしまうので、必ずしも目的とする作用効果を発揮することができない問題点があった。さらに、大きめな靴は動的な歩行に際して歩きづらくなってしまう問題点もあった。
【0007】
特に、女性用の靴、中でもハイヒール等においては、靴の内部において足が前方に移動する力が常に作用しているので、足指先に加わる力が非常に大きくなり、外反母趾等の障害が発生しやすい問題点があった。また、足指先が靴によって圧迫されている結果、足指先が自由に運動する機能を妨げていた。
【0008】
このような問題点を解消するために、本願の発明者は特許文献2において、靴に対するフィッティング機能及び足指の運動機能を向上させることが可能なインソール及びインソールを備えた履物を提案した。特許文献2においては、使用者の足底先端部に対応する中敷上に、使用者の足底先端部に当接して前記使用者の足が靴の内部において前方向に移動するのを規制する足底先端部支持体を着脱自在に設けることにより、前記足底先端部支持体と靴の踵部とにより、使用者の足が靴の内部において前後方向に移動するのを規制できるようにしている。
【特許文献1】特開2000−287705号公報
【特許文献2】特開2008−23290号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献2に記載の発明は、使用者の足が靴の内部において前後方向に移動するのを規制できるようにするためには、移動力に対する抵抗力が必要となる。この場合の抵抗力であるが、使用者の足が前方向に移動する場合の抵抗力は、体重が乗っている踵側から中敷が伸びる方向に力が作用するので、中敷が柔軟部材で構成されていても充分な抵抗力が得られる。
【0010】
しかしながら、使用者が足指先を折り曲げる運動を行う場合には足底先端部支持体を踵側に引き寄せる方向、すなわち、中敷が縮む方向に力が作用するので、中敷が柔軟部材で構成されている場合には充分な抵抗力が得られない。中敷が縮む方向に充分な抵抗力が得られようにするために、中敷に剛性を持たせると使用者の足底先端部に対する柔軟性が得られなくなってしまう問題点があった。
本発明は上述の問題点にかんがみ、靴に対するフィッティング機能及び足指の運動機能を向上させることが可能で、かつ使用者の足底先端部に対する柔軟性が得られるインソール及びインソールを備えた履物を提供できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のインソールは、履物に装着して使用されるインソールであって、少なくとも略半分から先端側を下側中敷と上側中敷との2重構造に構成するとともに、使用者の足底先端部に対応する位置において、前記使用者の足底先端部に当接させる足底先端部支持体を、前記下側中敷と上側中敷との間に位置調節自在に設けたことを特徴とする。
【0012】
本発明のインソールを備えた履物は、前記に記載のインソールを装着したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、使用者の足底先端部に対応する位置に、前記使用者の足底先端部に当接して前記使用者の足が前記履物の内部において前方向に移動するのを規制する足底先端部支持体を着脱自在に設けたので、履物に対するフィッティング機能及び運動機能を向上させることが可能なインソール及びインソールを備えた履物を提供することができる。
また、本発明の他の特徴によれば、足底先端部支持体を中敷に対して着脱自在に設けたので、左右の足のサイズが微妙に異なる使用者に対しても良好に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の実施形態を示し、インソール及びインソールを備えた靴の全体構成を示す図である。
【図2】足底先端部支持体の構成例を示し、(a)は長手方向に沿う断面図、(b)はX−Y方向に沿う断面図である。
【図3】中敷の構成例を示し、中敷の底面図である。
【図4】中敷の全体構成を説明する斜視図である。
【図5】本実施形態の中敷が装着された靴を履いている状態の一例を示し、靴の踵部と足底先端部支持体とで使用者の足底を規定する様子を説明する図である。
【図6】本実施形態のインソールを備えた靴を履いて行うことを推奨する足裏及び足先運動の一例を説明する図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
(第1の実施形態)
図1に示すように、本実施形態の中敷20は下側中敷20a及び上側中敷20bとの間に足底先端部支持体30を有し、中敷20を靴内に装着した状態で足底先端部支持体30が下側中敷20aと上側中敷20bとの間に介在する。下側中敷20aは適度な剛性を有し、後述するように使用者の足指運動が行われて足底先端部支持体30を踵側方向に移動させる力に対して大きな抵抗力が得られるようになされている。一方、上側中敷20b及び足底先端部支持体30は柔軟部材で構成され、使用者の足底先端部に柔軟に当接するようになされている。
【0015】
本実施形態においては、足底先端部支持体30の位置を調整可能にしている。そして、足底先端部支持体30の位置調整を容易に行うことができるようにするために、位置調整機構250を設けている。位置調整機構250は、下側中敷20aの長手方向に沿って左右の案内溝251、252を形成し、これらの案内溝251、252にスライダー253を配設し、スライダー253上に足底先端部支持体30を取り付けている。
【0016】
図2(a)、(b)の断面図に示すように、スライダー253は下側中敷20aを抱え込むように枠状に構成されている。また、図2(b)及び図3に示すように、下スライダー253は、下側中敷20aの裏面において、その略中央部に係合部253aが構成されている。この係合部253aは、所定の位置においてスライダー253を下側中敷20aに固定させるために設けられているものであり、下側中敷20aに対向する面上には一方の面ファスナ254が取り付けられている。また、図3に示すように、一方の面ファスナ254と結合する他方の面ファスナ255が下側中敷20aに取り付けられている。このような構成により、一方の面ファスナ254と他方の面ファスナ255とを係合させることにより、スライダー253を下側中敷20aの所定の位置に確りと固定させることができる。
【0017】
足底先端部支持体30は、中央部が厚く形成されており、その両側に行くに従って薄くなるように形成されている。これは、後述するように、使用者の足底先端部を支持した際に、足底先端部の横アーチに沿ってサポートすることができるようにするためである。また、靴のアッパーは両側に行くに従って低くなるように構成されているので、使用者の足が窮屈になるのを防ぐためでもある。足底先端部支持体30は、弾性及び剛性を兼ね備えた合成ゴム等の材料で構成するのが好ましい。このように構成することにより、使用者の足底の先端部を確りと、かつ柔軟に支持することができる。
【0018】
図4の斜視図に示すように、本実施形態の中敷20は、足底先端部支持体30が下側中敷20aと上側中敷20bとの間に取り付けられているので、上側中敷20bの表面には異物が何も存在しない状態である。したがって、使用者の足の先端部を上側中敷20bの表面上を滑らかに進退させることが可能であり、使用者が靴を着脱する際に足底先端部支持体30が使用者の足の先端部に引っ掛かる不都合が生じることはない。
【0019】
本実施形態においては、図3に示すように、上側中敷20bが下側中敷20aの表面及び足底先端部支持体30を被覆し、上側中敷20bの端部が下側中敷20aの裏面側に折り返されて接着されている。これにより、下側中敷20a及び上側中敷20bを一体的に構成することができて見栄えを良くすることができる。なお、上側中敷20bと下側中敷20aとを単純に貼り合わせるようにしても良い。何れにしても、足底先端部支持体30が前後方向に位置調整可能にしておくために、足底先端部支持体30の移動領域においては、上側中敷20bと下側中敷20aとの間に自由空間を形成しておく。
【0020】
図5は、使用者が本実施形態の中敷20を装着している靴100を履いている状態の一例を示す図である。図5に示したように、本実施形態の中敷20を内部に装着した靴100においては、使用者の足底先端部201に足底先端部支持体30が当接するように、足底先端部支持体30を下側中敷20a、上側中敷20bとの間に配設する位置を調節する。前述したように、本実施形態においては足底先端部支持体30をスライダー253上に取り付け、スライダー253を中敷20の前後方向に移動可能にしているので、足底先端部支持体30の取り付け位置の調節を容易に行うことができ、かつ何回でも自由に行うことができる。
【0021】
足底先端部支持体30を下側中敷20aと上側中敷20bとの間の適正位置に取り付けると、使用者が靴100を履いた状態において、足底先端部支持体30が使用者の足底先端部201に当接する。すなわち、足指の付け根202の下側に足底先端部支持体30が位置することになる。これにより、使用者の足200が靴100の内部において前後方向に移動するのを、踵部101と足底先端部支持体30とで支持することができるようになる。
【0022】
すなわち、本実施形態においては、図5において示した「使用者の足底寸法x」を、使用者に固有の「足支持寸法」として捉え、「使用者の足底寸法x」を足底先端部支持体30により確りと支持することができる。
【0023】
従来は、靴の踵部101から足指の先端部203である「使用者の足のサイズy」を、使用者に固有の「足支持寸法」として捉え、この「使用者の足のサイズy」を靴の踵部101と靴の先端部102とで支持するようにしていた。このため、使用者の足200が靴100の内部において後方向に移動するのを靴の踵部101で規制し、前方向に移動するのを使用者の足指の先端部203で規制していた。
【0024】
したがって、靴の踵部101から先端部102までの「靴のサイズz」を大きくしても、歩行に伴って使用者の足200が前方向に移動する限り、使用者の足指に大きな力が作用するのを確実に避けることが非常に困難である。このため、良く知られているように、使用者の足の状態や靴の形状によっては「外反母趾」や「内反母趾」等の障害が発生する危険を確実に回避することができなかった。
【0025】
それに対して、本実施形態においては「使用者の足底寸法x」位置に取り付けた足底先端部支持体30と靴の踵部101とにより、使用者の足200が靴100の内部において前後方向に移動するのを確実に規制することができる。
【0026】
特に、本実施形態においては、足底先端部支持体30を下側中敷20aと上側中敷20bとの間に取り付けるようにしたので、上側中敷20bの表面には異物が存在しない。これにより、前述したように使用者が靴を脱いだり履いたりする際には、使用者の足指204を下側中敷20a、上側中敷20bの表面を滑らかに進退させることができる。
【0027】
本実施形態の中敷20は、前述したように使用者の足底先端部201を支持するので、例えば、ハイヒールに適用して特に有効である。すなわち、ハイヒールのように、使用者の足が前方向に移動し易い場合においても、使用者の足が前方向に移動するのを、足底先端部支持体30で確りと支持することができる。これにより、ファッション性を優先させたハイヒールのような、先細に形成された靴においても足指の先端部に「自由空間」を確保することが可能となり、使用者の足指に靴の側面から大きな力が作用するのを確実に防止することができる。すなわち、本実施形態のインソール及びインソールを備えた靴においては、お洒落と足指の健康の両方を満足させることができる。
【0028】
図6(a)〜(c)に示すように、本実施形態の中敷20は、使用者の足指204の運動を行うのに好適である。すなわち、図6に示す使用例の説明図の(a)に示すように、通常は足底先端部支持体30が使用者の足底先端部201に位置して足指の付け根202の下側を押圧している。この場合、足底先端部支持体30は使用者の足底先端部201が前方に移動するのを規制するものであるから、使用者の足底先端部201を押圧することになる。
【0029】
これにより、使用者に足指運動を行うことに注意を喚起することができるので、図6(b)において白抜きの矢印で示したように、使用者の足指204を足底先端部支持体30に掛けて手前に引き寄せる運動を繰り返し行うような運動を行うことを忘れずに励行させることが可能となり、足底筋210を鍛えるのに有効である。このような、足底先端部支持体30を使用者の足指204で引き寄せる運動は何時でも行うことができるので、脚部の運動不足を解消に大きく役立つことができる。
【0030】
例えば、本実施形態の中敷20を通勤用(通学用)の靴に装着すると、脚に有効な運動を電車の中で行うために寄与することができる。すなわち、本実施形態の中敷20は柔軟性を有する足底先端部支持体30が使用者の足底先端部201に常に当接している。このため、足底先端部201に異物が当接するのを使用者は常に意識することになる。
【0031】
したがって、例えば通勤(通学)電車の中で足の指先運動をすることを決めておけば、足底先端部支持体30の存在を折に触れて感じることにより、足の指先運動を忘れてしまうことは無くなり、足の指先運動を習慣的に継続することができるようになる。
【0032】
また、図6(c)に示すように、使用者の足指204を図6(c)において白抜きの矢印で示したように、上方に反らす運動を行うことにより、図6(b)の運動を行なった際に使用した筋肉をストレッチすることができるとともに、足の脛側の筋肉及びその他、図6(b)の足の指先運動の際にはあまり使用しなかった筋肉を鍛えることができる。
【0033】
図6(b)、(c)に示したような運動を行うことにより、足底筋210を鍛えることができるのは勿論のこと、脚部全体の筋肉、及び腰の筋肉を運動させることができる。これにより、例えば長時間に亘って乗り物に乗っているような場合において、下半身が運動不足になって発生する深部静脈血栓症(DVT、別名:エコノミークラス症候群)を有効に防止することができる。また、このような運動を行うことにより足底の筋肉を鍛えることができ、横及び縦アーチを形成することにも有効である。
【0034】
また、本実施形態のインソール及びインソールを備えた靴は、使用者の足指204を靴100に押し付けることを常に意識させることができるので、種々のスポーツ用靴に適用するのに好都合である。
【0035】
例えば、ゴルフシューズを例に説明する。ゴルフスィングの基本は下半身を確りと踏ん張ることであるとされている。このようにするために、足の裏で地面を掴むようにしてアドレスを行うようにすると良いのであるが、実際にゴルフボールを打つときには上半身ばかり力が入り、下半身で踏ん張ることがおろそかになってしまうのが殆どである。
【0036】
本実施形態のインソール及びインソールを備えた靴は、前述したように使用者の足底先端部201に柔軟性を有する足底先端部支持体30が当接しているので、ゴルフボールを打つ際のアドレス時において、足の状態を確実に意識することができる。これにより、ゴルフボールを打つことに気をとられて、足の裏で確りと踏ん張ってアドレスすることを忘れてしまうのを防止することができ、基本に忠実なスイングを行うようにすることができる。具体的には、図6(b)に示したように、使用者の足指204を立てるようにして靴底を確りとつかんで踏ん張るアドレスを行うことを忘れてしまうのを防止することができる。
【0037】
前述した実施形態においては、スライダー253を介して足底先端部支持体30を下側中敷20aと上側中敷20bとの間に位置調整自在に配設した。しかしながら、足底先端部支持体30を下側中敷20aと上側中敷20bとの間への取り付けは、例えば両面テープを介して取り付けるようにしてもよい。具体的には、下側中敷20aと上側中敷20bとを、少なくとも中敷20の略中央部から先端側において、一方の面ファスナと他方の面ファスナとを介して取り付け、取り外し可能に貼り付けるようにする。このように、下側中敷20aと上側中敷20bとを面ファスナを介して取り付けるようにすることにより、足底先端部支持体30を使用者の足底先端部201に位置決めした状態で下側中敷20aと上側中敷20bとの間に配設することができる。
【0038】
なお、前述した実施形態においては、靴底の全長に亘る中敷の例を説明したが、例えば、足裏の前側半分程度のサイズの中敷としてもよい。このようなハーフサイズの中敷は、靴の内部が露出している女性用のハイヒールシューズ等に用いて好適である。
【0039】
また、前述した実施形態において、靴100の底部分に一方の面ファスナを取り付けるとともに、中敷20の裏面に他方の面ファスナを取り付ける。中敷20の裏面に他方の面ファスナを取り付けるのは、予め工場出荷時に予め取り付けておいてもよい。また、一方の面ファスナを靴100の底部に取り付けるのは、中敷20の配置位置が決まった後で、他方の面ファスナに対応する位置に取り付けるようにすればよい。一方の面ファスナを靴100の底部に取り付けるのは、例えば、両面テープを介して行うことができる。使用者の足底を踵部101と足底先端部支持体30とで支持することができるのは、図5を参照しながら前述した場合と同様である。
【0040】
中敷20と靴100の底部分とを一方の面ファスナと他方の面ファスナとで固定することにより、中敷20のサイズを靴100の内部サイズにピッタリと合わせなくても良好に使用することができる。この利点は、例えば、大サイズ、中サイズ、小サイズ程度の大雑把な大きさに中敷20を形成しておき、詳細な配設位置の調整は一方の面ファスナと他方の面ファスナとを係合させて行うようにすることができる。
【0041】
このように構成すること、鋏を用いて中敷20を切る作業を不要にすることができる他、鋏を使用することが困難な飛行機の内部において都合が良い。すなわち、エコミークラス症候群が一番問題となっている飛行機内で、鋏を使用することなく、中敷20を靴100の内部に配設して使用することが可能となる。また、中敷20bは、柔軟性を有する第1の部材と、耐久性をもたせるために第1の部材を被覆する第2の部材のように、複数の材料を用いて構成してもよい。
【符号の説明】
【0043】
10 靴底、20 中敷、20a 下側中敷、20b 上側中敷、30 足底先端部支持体、100 靴、200 使用者の足、201 使用者の足底先端部、202 足指の付け根、203 使用者の足指の先端部、250 位置調整機構、251、252 案内溝、253 スライダー、254 一方の面ファスナ、255 他方の面ファスナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
履物に装着して使用されるインソールであって、
少なくとも略半分から先端側を下側中敷と上側中敷との2重構造に構成するとともに、使用者の足底先端部に対応する位置において、前記使用者の足底先端部に当接させる足底先端部支持体を、前記下側中敷と上側中敷との間に位置調節自在に設けたことを特徴とするインソール。
【請求項2】
前記下側中敷を応力に優れた部材で構成し、前記上側中敷を柔軟性に優れた部材で構成したことを特徴とする請求項1に記載のインソール。
【請求項3】
前記下側中敷の長手方向に沿って案内溝を形成するとともに、前記案内溝に案内されて長手方向に沿って移動可能にスライダーを配設し、前記スライダー上に前記足底先端部支持体を取り付けたことを特徴とする請求項1または2に記載のインソール。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか1項に記載のインソールを装着したことを特徴とするインソールを備えた履物。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2011−152390(P2011−152390A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−30621(P2010−30621)
【出願日】平成22年1月26日(2010.1.26)
【出願人】(599010716)
【Fターム(参考)】