説明

インターホンシステム

【課題】複数の系統のうち少なくとも2の系統における最後段の分岐器を接続して通信経路を多重化し、分岐器の接続断時又はその接続断の復旧時においてID番号の再付与を行い通信経路を変更することにより、継続した通信を可能とする。
【解決手段】複数の系統毎に異なる幹線L1、L5を経由して制御装置5に接続される複数の分岐器4a、4b、4c、4d、4e、4fのID番号とその系統を認識させ、系統毎のデータ通信部51、55にフレーム送信を指示する系統/ID番号管理部50を制御装置に備える。複数の分岐器には、幹線にそれぞれ接続される前段側データ通信部41及び後段側データ通信部42にて受信したID番号通知フレーム信号をもとに自分岐器に割り当てられるID番号として登録し、通信経路の設定を行うID番号管理部40を備えることにより、分岐器と幹線との接続状態によって通信経路を変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マンション等の集合住宅に設置されるインターホンシステムに係り、特に、制御装置により送受信制御される複数の端末を、集合住宅のフロア毎の複数の分岐器を経由して接続することができるインターホンシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、この種のインターホンシステムとして、同一の幹線(主幹線)に接続されている住戸端末同士の通信が可能な集合住宅用インターホンシステムが開示されている(例えば、特許文献1を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−28771号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、背景技術に記載した集合住宅用インターホンシステムにおいては、分岐器に故障等が発生して幹線(主幹線)を経由した接続が切断されると、接続断の分岐器より後段側に接続されている分岐器全てが使用できなくなり、継続した通信が不可能となる難点があった。
【0005】
本発明は、この難点を解消するためになされたもので、複数の系統のうち少なくとも2の系統における最後段の分岐器を接続して通信経路を多重化し、分岐器の接続断時又はその接続断の復旧時においてID番号の再付与を行い通信経路を変更することにより、継続した通信が可能なインターホンシステムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述の目的を達成するため、本発明の第1の態様であるインターホンシステムは、集合住宅の複数の異なる系統毎に設置される複数の分岐器と、分岐器に接続される複数の端末と、複数の系統のうち少なくとも2の系統にそれぞれ割り当てられる当該分岐器に幹線を経由して接続され、複数の端末の送受信制御を行うための制御装置とを備えており、幹線を経由して制御装置に接続される複数の分岐器のうち最後段の当該分岐器が相互に接続されている。制御装置は、制御装置が管理を行うID番号を分岐器に付与するための番号付与フレーム信号を生成する系統/ID番号管理部と、系統毎に設けられ系統/ID番号管理部にて生成された番号付与フレーム信号を幹線に送出するための系統データ通信部とを備えている。分岐器は、制御装置から幹線を経由して伝送されてくる番号付与フレーム信号に付加されたID番号を自分岐器の当該ID番号として登録し、登録が完了したことの登録完了フレーム信号を生成するためのID番号管理部を備えている。
【0007】
また、本発明の第2の態様であるインターホンシステムは、本発明の第1の態様において、分岐器は、制御装置から幹線を経由して伝送されてくる番号付与フレーム信号を受信するための前段側データ通信部及び後段側データ通信部を備えている。ID番号管理部は、前段側データ通信部及び後段側データ通信部のうち何れか一方の先着受信のデータ通信部において受信された番号付与フレーム信号に付加されているID番号を自分岐器の当該ID番号として登録後、登録が完了したことの登録完了フレーム信号を生成し、先着受信の動作を行った何れか一方のデータ通信部から幹線を経由して制御装置に送出するとともに、後着受信のデータ通信部において受信された番号付与フレーム信号を破棄するものである。
【0008】
また、本発明の第3の態様であるインターホンシステムは、本発明の第1の態様又は第2の態様において、分岐器のID番号管理部は、前段側データ通信部及び後段側データ通信部のうち一方の当該データ通信部による制御装置からの番号付与フレーム信号の受信動作を検出したとき、受信した番号付与フレーム信号を構成するID番号に所定値を追加させた番号付与フレーム信号を生成して他方の当該データ通信部から幹線に送出するものである。
【0009】
また、本発明の第4の態様である集合住宅インターホンシステムは、本発明の第2の態様又は第3の態様において、初期起動後において先着受信のデータ通信部と幹線を経由して制御装置との間で通信を行うものであって、後着受信のデータ通信部は、制御装置から先着受信のデータ通信部への出力信号が不達であるとき、ID番号の再付与を要求するための通知フレーム信号を生成して幹線に送出するものである。
【0010】
また、本発明の第5の態様であるインターホンシステムは、本発明の第4の態様において、先着受信のデータ通信部は、先着受信のデータ通信部への出力信号が不達であるとき、ID番号の再付与を要求するための通知フレーム信号を定期的に生成して幹線に送出するものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明のインターホンシステムによれば、複数の系統のうち少なくとも2の系統における最後段の分岐器を接続して通信経路を多重化し、分岐器の接続断時又はその接続断の復旧時においてID番号の再付与を行い通信経路を変更することができる。これにより、ある分岐器と幹線との間が接続断となった場合であっても、他の分岐器の経由による継続した通信が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明の実施例によるインターホンシステムの全体構成を示すシステム説明図である。
【図2】本発明の実施例によるインターホンシステムにおいて、図2(A)は、制御装置の具体的な構成を示すブロック図であり、図2(B)は、複数の分岐器の具体的な構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明のインターホンシステムを適用した実施の形態例について、図面を参照して説明する。
【0014】
図1は、本発明の実施例によるインターホンシステムの全体構成を示すシステム説明図である。このインターホンシステムは、マンション等の集合住宅に設置されるものであって、集合住宅の複数のフロア毎の例えば、フロア玄関、住戸内、住戸玄関等にそれぞれ設置される複数の端末を構成するカメラ端末1、1、・・・、モニタ端末2、2、・・・、子機端末3、3、・・・と、複数の端末1、1、・・・、2、2、・・・、3、3、・・・のうち複数のフロア毎に設置可能な端末の台数に制限が設けられている場合に当該端末を複数の異なる系統毎に割り当てて分岐するための複数の分岐器4a、4b、4c、4d、4e、4fと、複数の系統のうち少なくとも2の系統にそれぞれ割り当てられる当該分岐器に系統毎の後述する幹線を経由して接続され、複数の端末1、1、・・・、2、2、・・・、3、3、・・・の送受信制御、例えば、呼出時における制御信号の伝送、映像撮像時における映像信号の伝送、通話成立時における音声信号の送受信を行うための制御装置5とが備えられている。
【0015】
なお、本発明の実施例において、複数の系統としては、第1乃至第5の系統が設定されているものとし、この系統毎の幹線として第1乃至第5の系統幹線L1、L2、L3、L4、L5がそれぞれ割り当てられるものとする。
【0016】
また、制御装置5に接続される少なくとも2の系統にそれぞれ割り当てられる複数の分岐器としては、第1の系統幹線L1を経由して当該制御装置寄りの最前段から最後段まで順次接続される(3台の)分岐器4a、4b、4cと、第5の系統幹線L5を経由して当該制御装置寄りの最前段から最後段まで順次接続される(3台の)分岐器4d、4e、4fとが備えられているものとし、第1、第5の系統の最後段の分岐器4c、4fは、終端ラインL0を経由して相互に接続されている。
【0017】
さらに、複数の分岐器4a、4b、4c、4d、4e、4fにそれぞれ接続される複数の端末1、1、・・・、2、2、・・・、3、3、・・・は、カメラ端末1、1、・・・のみの接続、モニタ端末2、2、・・・のみの接続、子機端末3、3、・・・が接続されたモニタ端末2、2、・・・のみの接続等、多種多様な接続の態様を適用することができる。
【0018】
次に、制御装置5の具体的な構成について、図2(A)のブロック図を参照して説明する。同図に示す制御装置5には、自制御装置5が管理を行うID番号を複数の分岐器4a、4b、4c、4d、4e、4fにそれぞれ付与するための番号付与フレーム信号を生成する系統/ID番号管理部50と、複数の系統である第1乃至第5の系統毎に設けられ、系統/ID番号管理部50にて生成された番号付与フレーム信号を系統毎の第1乃至第5の系統幹線L1、L2、L3、L4、L5に送出するための複数のデータ通信部、ここでは、第1乃至第5の系統データ通信部51、52、53、54、55とが備えられている。
【0019】
次に、複数の分岐器4a、4b、4c、4d、4e、4fの具体的な構成について、図2(B)のブロック図を参照して説明する。同図に示す分岐器4a、4b、4c、4d、4e、4fはそれぞれ同様な構成であり、制御装置5から第1乃至第5の系統幹線L1、L2、L3、L4、L5を経由して伝送されてくる番号付与フレーム信号に付加されたID番号を自分岐器4a、4b、4c、4d、4e、4fの当該ID番号として登録し、登録が完了したことの登録完了フレーム信号を生成するためのID番号管理部40と、前述の番号付与フレーム信号を受信するためのデータ通信部であって自分岐器4a、4b、4c、4d、4e、4fにおいて制御装置5寄りの前段側データ通信部41及びその反対側の後段側データ通信部42と、複数の端末1、1、・・・、2、2、・・・、3、3、・・・が接続可能な複数の端末側データ通信部、ここでは、3つの端末側データ通信部43、44、45とが備えられている。また、前段側データ通信部41とID番号管理部40、端末側データ通信部43、44、45間、後段側データ通信部42とID番号管理部40、端末側データ通信部43、44、45間はそれぞれ、相互に接続されている。
【0020】
なお、複数の分岐器4a、4b、4c、4d、4e、4fにおいて、端末側データ通信部の数は前述のような3つ(43、44、45)に限定されるものではなく、任意の数を備えることができる。
【0021】
このように構成された本発明の実施例によるインターホンシステムにおいて、以下、具体的な動作について図1、図2(A)、(B)をそれぞれ参照して説明する。なお、図2(A)、(B)において、後述する各種信号の図示は省略するものとする。
【0022】
本発明の第1の動作として、図1に示すインターホンシステムをマンション等の集合住宅に設置する施工時のような初回起動時において、図2(A)に示す制御装置5の系統/ID番号管理部50は、第1の系統幹線L1を経由して複数の分岐器4a、4b、4cに順次接続された第1の系統データ通信部51に自制御装置5が管理を行うためのID番号を付与する番号付与フレーム信号(以下、第1の系統番号付与フレーム信号という。)S1を送出するとともに、その信号生成・送出タイミングと同時に、第5の系統幹線L5を経由して複数の分岐器4d、4e、4fに順次接続された第5の系統データ通信部55に自制御装置5が管理を行うためのID番号を付与する番号付与フレーム信号(以下、第5の系統番号付与フレーム信号という。)S5を送出する。
【0023】
ここで、制御装置5の系統/ID番号管理部50にて生成された第1の系統番号付与フレーム信号S1には、その信号を構成するID番号として例えば、初期値「1」が付与されており、この第1の系統番号付与フレーム信号S1は、第1の系統データ通信部51、第1の系統幹線L1、図2(B)に示す分岐器4aの前段側データ通信部41を経由してID番号管理部40に伝送される。
【0024】
分岐器4aのID番号管理部40は、前段側データ通信部41にて受信された第1の系統番号付与フレーム信号S1を構成するID番号「1」を自分岐器4aに割り当てられる当該ID番号として登録した後、この登録が完了したことの登録完了フレーム信号S10aを生成し、前段側データ通信部41、第1の系統幹線L1、制御装置5の第1の系統データ通信部51を経由して系統/ID番号管理部50に送出するとともに、同様に受信された第1の系統番号付与フレーム信号S1を構成するID番号「1」に、所定値である例えば、「1」を加えた当該ID番号が「2」の第1の系統番号付与フレーム信号S1aを生成し、後段側データ通信部42を経由して第1の系統幹線L1に送出する。
【0025】
このように、第1の系統幹線L1を経由して制御装置5に順次接続された複数の分岐器4a、4b、4cのID番号管理部40はそれぞれ、前段側データ通信部41にて受信された当該第1の系統番号付与フレーム信号を構成するID番号に、所定値である例えば、「1」を順次加えた当該ID番号が「2」、「3」、「4」の第1の系統番号付与フレーム信号S1a、S1b、S1cを生成し、後段側データ通信部42を経由して第1の系統幹線L1又は終端ラインL0に送出することができる。
【0026】
複数の分岐器4a、4b、4cのID番号管理部40はそれぞれ、前段側データ通信部41にて受信された第1の系統番号付与フレーム信号S1、S1a、S1bを構成するID番号「1」、「2」、「3」をそれぞれ、自分岐器4a、4b、4cに割り当てられる当該ID番号として登録した後、この登録が完了したことの登録完了フレーム信号S10a、S10b、S10cを生成し、前述の第1の系統番号付与フレーム信号S1、S1a、S1bの信号伝送路と逆の伝送路を経由して制御装置5の系統/ID番号管理部50に送出することができる。
【0027】
一方、制御装置5の系統/ID番号管理部50にて生成された第5の系統番号付与フレーム信号S5には、その信号を構成するID番号として例えば、初期値「1」が付与されており、この第5の系統番号付与フレーム信号S5は、第5の系統データ通信部55、第5の系統幹線L5、分岐器4dの前段側データ通信部41を経由してID番号管理部40に伝送される。
【0028】
分岐器4dのID番号管理部40は、前段側データ通信部41にて受信された第5の系統番号付与フレーム信号S5を構成するID番号「1」を自分岐器4dに割り当てられる当該ID番号として登録した後、この登録が完了したことの登録完了フレーム信号S50dを生成し、前段側データ通信部41、第5の系統幹線L5、制御装置5の第5の系統データ通信部55を経由して系統/ID番号管理部50に送出するとともに、同様に受信された第5の系統番号付与フレーム信号S5を構成するID番号「1」に、所定値である例えば、「1」を加えた当該ID番号が「2」の第5の系統番号付与フレーム信号S5dを生成し、後段側データ通信部42を経由して第5の系統幹線L5に送出する。
【0029】
このように、第5の系統幹線L5を経由して制御装置5に順次接続された複数の分岐器4d、4e、4fのID番号管理部40はそれぞれ、前段側データ通信部41にて受信された当該第5の系統番号付与フレーム信号を構成するID番号に、所定値である例えば、「1」を順次加えた当該ID番号が「2」、「3」、「4」の第5の系統番号付与フレーム信号S5d、S5e、S5fを生成し、後段側データ通信部42を経由して第5の系統幹線L5又は終端ラインL0に送出することができる。
【0030】
複数の分岐器4d、4e、4fのID番号管理部40はそれぞれ、前段側データ通信部41にて受信された第5の系統番号付与フレーム信号S5、S5d、S5eを構成するID番号「1」、「2」、「3」をそれぞれ、自分岐器4d、4e、4fに割り当てられる当該ID番号として登録した後、この登録が完了したことの登録完了フレーム信号S50d、S50e、S50fを生成し、前述の第5の系統番号付与フレーム信号S5、S5d、S5eの信号伝送路と逆の伝送路を経由して制御装置5の系統/ID番号管理部50に送出することができる。
【0031】
なお、前述のように、第1の系統幹線L1を経由して制御装置5に順次接続された複数の分岐器4a、4b、4c及び第5の系統幹線L5を経由して制御装置5に順次接続された複数の分岐器4d、4e、4fのうち、第1の系統で最後段の分岐器4cのID番号管理部40は、前段側データ通信部41にて受信された第1の系統番号付与フレーム信号S1bと、終端ラインL0を経由して後段側データ通信部42にて受信された第5の系統で最後段の分岐器4fからの第5の系統番号付与フレーム信号S5fとを検出することができるものの、この後段側データ通信部42における信号受信動作は、前段側データ通信部41における信号受信動作と比較して終端ラインL0の線路長分遅延されるため、前段側データ通信部41における信号受信動作が先着受信、後段側データ通信部42における信号受信動作が後着受信となる。
【0032】
これを確認した分岐器4cのID番号管理部40は、後段側データ通信部42にて受信された第5の系統番号付与フレーム信号S5fを破棄することができ、ゆえに、第5の系統番号付与フレーム信号S5fを自分岐器4cに割り当てられる当該ID番号として登録することはなく、制御装置5の系統/ID番号管理部50に対して、第5の系統番号付与フレーム信号S5fに対応する登録完了フレーム信号を送出することもない。
【0033】
一方、第5の系統で最後段の分岐器4fのID番号管理部40は、前段側データ通信部41にて受信された第5の系統番号付与フレーム信号S5eと、終端ラインL0を経由して後段側データ通信部42にて受信された第1の系統で最後段の分岐器4cからの第1の系統番号付与フレーム信号S1cとを検出することができるものの、この後段側データ通信部42における信号受信動作は、前段側データ通信部41における信号受信動作と比較して終端ラインL0の線路長分遅延されるため、前段側データ通信部41における信号受信動作が先着受信、後段側データ通信部42における信号受信動作が後着受信となる。
【0034】
これを確認した分岐器4fのID番号管理部40は、後段側データ通信部42にて受信された第1の系統番号付与フレーム信号S1cを破棄することができ、ゆえに、第1の系統番号付与フレーム信号S1cを自分岐器4fに割り当てられる当該ID番号として登録することはなく、制御装置5の系統/ID番号管理部50に対して、第1の系統番号付与フレーム信号S1cに対応する登録完了フレーム信号を送出することもない。
【0035】
前述までの説明から明らかなように、本発明の第1の動作によれば、制御装置5の系統/ID番号管理部50は、初回起動時において自制御装置5が管理を行うためのID番号を付与するにあたり、ID番号の登録が完了したことの登録完了フレーム信号S10a、S10b、S10c、S50d、S50e、S50fをそれぞれ検出することにより、第1の系統幹線L1を経由して第1の系統データ通信部51に順次接続された複数の分岐器が分岐器4a、4b、4cの「3台」であり、第5の系統幹線L5を経由して第5の系統データ通信部55に順次接続された複数の分岐器が分岐器4d、4e、4fの「3台」であることを確認することができる。
【0036】
次に、本発明の第2の動作であり、前述のような初回起動時において、制御装置5の第1、第5の系統データ通信部51、55にそれぞれ、第1の系統幹線L1を経由して複数の分岐器4a、4b、4cが、第5の系統幹線L5を経由して複数の分岐器4d、4e、4fが正常に接続された後の動作として、例えば、分岐器4bの前段側データ通信部41に故障等が発生し、この前段側データ通信部41と第1の系統幹線L1との間の接続が切断されていると、例えば、分岐器4bの端末側データ通信部44に接続されたカメラ端末1にて生成された映像信号は、前段側データ通信部41から第1の系統幹線L1を経由して直前段の分岐器4aの後段側データ通信部42に伝送されず、ゆえに、この分岐器4aを経由して制御装置5へ映像信号を伝送することもできないため、制御装置5からの出力信号も不達となる所謂、不達状態となる。
【0037】
そこで、分岐器4aの後段側データ通信部42は、前述の接続断を検出し、ID番号の再付与を要求するための通知フレーム信号(以下、再付与要求通知フレーム信号という。)S100aを生成する。この再付与要求通知フレーム信号S100aは、後段側データ通信部42からID番号管理部40、前段側データ通信部41、第1の系統幹線L1、制御装置5の第1の系統データ通信部51を経由して系統/ID番号管理部50に伝送される。
【0038】
制御装置5の系統/ID番号管理部50は、分岐器4aの後段側データ通信部41から伝送されてきた再付与要求通知フレーム信号S100aを受信すると、第1の系統幹線L1を経由して複数の分岐器4a、4b、4cに順次接続された第1の系統データ通信部51に自制御装置5が管理を行うためのID番号を再付与する番号再付与フレーム信号(以下、第1の系統番号再付与フレーム信号という。)S101を送出するとともに、その信号生成・送出タイミングと同時に、第5の系統幹線L5を経由して複数の分岐器4d、4e、4fに順次接続された第5の系統データ通信部55に自制御装置5が管理を行うためのID番号を再付与する番号再付与フレーム信号(以下、第5の系統番号再付与フレーム信号という。)S105を送出する。
【0039】
ここで、制御装置5の系統/ID番号管理部50にて生成された第1の系統番号再付与フレーム信号S101には、その信号を構成するID番号として例えば、初期値「1」が付与されており、この第1の系統番号再付与フレーム信号S101は、第1の系統データ通信部51、第1の系統幹線L1、分岐器4aの前段側データ通信部41を経由してID番号管理部40に伝送される。
【0040】
分岐器4aのID番号管理部40は、前段側データ通信部41にて受信された第1の系統番号再付与フレーム信号S101を構成するID番号「1」と前述の初回起動時において登録されていたID番号とを照合する。ここでは、ID番号が「1」で一致するため、分岐器4aのID番号管理部40は、何らの登録動作は行わず、ゆえに、制御装置5の系統/ID番号管理部50に対して、第1の系統番号再付与フレーム信号S101に対応する登録完了フレーム信号を送出することもない。
【0041】
また、分岐器4aのID番号管理部40は、同様に受信された第1の系統番号再付与フレーム信号S101を構成するID番号「1」に、所定値である例えば、「1」を加えた当該ID番号が「2」の第1の系統番号再付与フレーム信号S101aを生成し、後段側データ通信部42を経由して第1の系統幹線L1に送出するものの、この第1の系統幹線L1と分岐器4bの前段側データ通信部41との間は接続断であるため、第1の系統番号再付与フレーム信号S101aが分岐器4bのID番号管理部40に伝送されることはない。
【0042】
一方、制御装置5の系統/ID番号管理部50にて生成された第5の系統番号再付与フレーム信号S105には、その信号を構成するID番号として例えば、初期値「1」が付与されており、この第5の系統番号再付与フレーム信号S105は、第5の系統データ通信部55、第5の系統幹線L5、分岐器4dの前段側データ通信部41を経由してID番号管理部40に伝送される。
【0043】
分岐器4dのID番号管理部40は、前段側データ通信部41にて受信された第5の系統番号再付与フレーム信号S105を構成するID番号「1」と前述の初回起動時において登録されていたID番号とを照合する。ここでは、ID番号が「1」で一致するため、分岐器4dのID番号管理部40は、何らの登録動作は行わず、ゆえに、制御装置5の系統/ID番号管理部50に対して、第5の系統番号再付与フレーム信号S105に対応する登録完了フレーム信号を送出することもない。
【0044】
また、分岐器4dのID番号管理部40は、同様に受信された第5の系統番号再付与フレーム信号S105を構成するID番号「1」に、所定値である例えば、「1」を加えた当該ID番号が「2」の第5の系統番号再付与フレーム信号S105dを生成し、後段側データ通信部42を経由して第5の系統幹線L5に送出する。
【0045】
このように、第5の系統幹線L5を経由して制御装置5に順次接続された複数の分岐器4d、4e、4fのID番号管理部40はそれぞれ、前段側データ通信部41にて受信された当該第5の系統番号再付与フレーム信号を構成するID番号に、所定値である例えば、「1」を順次加えた当該ID番号が「2」、「3」、「4」の第5の系統番号再付与フレーム信号S105d、S105e、S105fを生成し、後段側データ通信部42を経由して第5の系統幹線L5又は終端ラインL0に送出することができる。
【0046】
複数の分岐器4d、4e、4fのID番号管理部40はそれぞれ、前段側データ通信部40にて受信された第5の系統番号再付与フレーム信号S105、S105d、S105eを構成するID番号「1」、「2」、「3」と前述の初回起動時において登録されていたID番号とが一致するため、何らの登録動作は行わず、ゆえに、制御装置5の系統/ID番号管理部50に対して、第5の系統番号再付与フレーム信号S105、S105d、S105eに対応する登録完了フレーム信号を送出することもない。
【0047】
前述のように、第1の系統幹線L1を経由して制御装置5に順次接続された複数の分岐器4a、4b、4cのうち最後段の分岐器4cのID番号管理部40は、前段側データ通信部41においては何らの信号受信動作は行われないものの、終端ラインL0を経由して後段側データ通信部42にて受信された第5の系統で最後段の分岐器4fからの第5の系統番号再付与フレーム信号S105fを検出することができ、この第5の系統番号再付与フレーム信号S105fを構成するID番号「4」と前述の初回起動時において登録されていたID番号とを照合する。
【0048】
ここでは、ID番号が「4」、「3」で不一致であるため、分岐器4cのID番号管理部40は、第5の系統番号再付与フレーム信号S105fを構成するID番号「4」を、自分岐器4cに割り当てられる当該ID番号として新たに登録(上書き登録)した後、この登録が完了したことの登録完了フレーム信号S110cを生成し、後段側データ通信部41、終端ラインL0、分岐器4fの後段側データ通信部42、ID番号管理部40、前段側データ通信部41、第5の系統幹線L5、分岐器4eの後段側データ通信部42、ID番号管理部40、前段側データ通信部41、第5の系統幹線L5、分岐器4dの後段側データ通信部42、ID番号管理部40、前段側データ通信部41、第5の系統幹線L5、制御装置5の第5の系統データ通信部55を経由して系統/ID番号管理部50に送出するとともに、同様に受信された第5の系統番号再付与フレーム信号S105fを構成するID番号「4」に、所定値である例えば、「1」を加えた当該ID番号が「5」の第5の系統番号再付与フレーム信号S105cを生成し、前段側データ通信部41を経由して第1の系統幹線L1に送出する。
【0049】
分岐器4bのID番号管理部40は、前述の接続断のために前段側データ通信部41においては何らの信号受信動作は行われないものの、後段側データ通信部42にて受信された分岐器4cからの第5の系統番号再付与フレーム信号S105cを検出することができ、この第5の系統番号付与フレーム信号S105cを構成するID番号「5」と前述の初回起動時において登録されていたID番号とを照合する。
【0050】
ここでは、ID番号が「5」、「2」で不一致であるため、分岐器4bのID番号管理部40は、第5の系統番号再付与フレーム信号S105cを構成するID番号「5」を、自分岐器4bに割り当てられる当該ID番号として新たに登録(上書き登録)した後、この登録が完了したことの登録完了フレーム信号S110bを生成し、後段側データ通信部42、第1の系統幹線L1、分岐器4cの前段側データ通信部41、ID番号管理部40、後段側データ通信部42、終端ラインL0、分岐器4fの後段側データ通信部42、ID番号管理部40、前段側データ通信部41、第5の系統幹線L5、分岐器4eの後段側データ通信部42、ID番号管理部40、前段側データ通信部41、第5の系統幹線L5、分岐器4dの後段側データ通信部42、ID番号管理部40、前段側データ通信部41、第5の系統幹線L5、制御装置5の第5の系統データ通信部55を経由して系統/ID番号管理部50に送出することができる。
【0051】
なお、分岐器4bのID番号管理部40は、同様に受信された第5の系統番号再付与フレーム信号S105cを構成するID番号「5」に、所定値である例えば、「1」を加えた当該ID番号が「6」の第5の系統番号再付与フレーム信号を生成することができるものの、前段側データ通信部41と第1の系統幹線L1との間が接続断であるため、この第5の系統番号再付与フレーム信号が直前段の分岐器4aに伝送されることはない。
【0052】
前述までの説明から明らかなように、本発明の第2の動作によれば、制御装置5の系統/ID番号管理部50は、ID番号の新たな登録(上書き登録)が完了したことの登録完了フレーム信号S110b、S110cをそれぞれ検出することにより、前述の不達状態における分岐器4bの端末側データ通信部44に接続されたカメラ端末1からの映像信号の信号伝送路として、この分岐器4bの後段側データ通信部42、第1の系統幹線L1、分岐器4cの前段側データ通信部41、ID番号管理部40、後段側データ通信部42、終端ラインL0、分岐器4fの後段側データ通信部42、ID番号管理部40、前段側データ通信部41、第5の系統幹線L5、分岐器4eの後段側データ通信部42、ID番号管理部40、前段側データ通信部41、第5の系統幹線L5、分岐器4dの後段側データ通信部42、ID番号管理部40、前段側データ通信部41、第5の系統幹線L5を経由して制御装置5の第5の系統データ通信部55までの信号伝送路を形成することができ、前述の初回起動時とは異なる通信経路が確保されて継続した通信が可能となる。
【0053】
なお、本発明の第2の動作によれば、分岐器4bの前段側データ通信部41に故障等が発生し、この前段側データ通信部41と第1の系統幹線L1との間の接続が切断された場合の動作について説明したが、第1、第5の系統毎の複数の分岐器4a、4b、4c、4d、4e、4fのうち、最前段の分岐器4a、4dの前段側データ通信部41に故障等が発生し、この前段側データ通信部41と第1、第5の系統幹線L1、L5との間の接続が切断された場合、この接続断は、制御装置5の第1、第5の系統データ通信部51、55にて検出され、これを確認した系統/ID番号管理部50が前述のような第1、第5の系統番号再付与フレーム信号S101、S105を生成することができるため、同様な動作が可能となる。
【0054】
次に、本発明の第3の動作として、前述の(接続断時の)ID番号の再付与後において、分岐器4bの前段側データ通信部41は、定期的なタイミングでID番号のさらなる再付与を要求するための再付与要求通知フレーム信号S120bを生成することができる。ここで、この信号生成のタイミングが前述の接続断から復旧したタイミングであると、再付与要求通知フレーム信号S120bが前段側データ通信部41、第1の系統幹線L1、分岐器4aの後段側データ通信部42、ID番号管理部40、前段側データ通信部41、第1の系統幹線L1、制御装置5の第1の系統データ通信部51を経由して系統/ID番号管理部50に伝送される。
【0055】
制御装置5の系統/ID番号管理部50は、分岐器4bの前段側データ通信部41から伝送されてきた再付与要求通知フレーム信号S120bを受信すると、第1の系統幹線L1を経由して複数の分岐器4a、4b、4cに順次接続された第1の系統データ通信部51に自制御装置5が管理を行うためのID番号を再付与する第1の系統番号再付与フレーム信号S201を送出するとともに、その信号生成・送出タイミングと同時に、第5の系統幹線L5を経由して複数の分岐器4d、4e、4fに順次接続された第5の系統データ通信部55に自制御装置5が管理を行うためのID番号を再付与する第5の系統番号再付与フレーム信号S205を送出する。
【0056】
ここで、制御装置5の系統/ID番号管理部50にて生成された第1の系統番号再付与フレーム信号S201には、その信号を構成するID番号として例えば、初期値「1」が付加されており、この第1の系統番号再付与フレーム信号S201は、第1の系統データ通信部51、第1の系統幹線L1、分岐器4aの前段側データ通信部41を経由してID番号管理部40に伝送される。
【0057】
分岐器4aのID番号管理部40は、前段側データ通信部41にて受信された第1の系統番号再付与フレーム信号S201を構成するID番号「1」と前述の初回起動時において登録されていたID番号とを照合する。ここでは、ID番号が「1」で一致するため、何らの登録動作は行わず、ゆえに、制御装置5の系統/ID番号管理部50に対して、第1の系統番号再付与フレーム信号S201に対応する登録完了フレーム信号を送出することもない。
【0058】
また、分岐器4aのID番号管理部40は、同様に受信された第1の系統番号再付与フレーム信号S201を構成するID番号「1」に、所定値である例えば、「1」を加えた当該ID番号が「2」の第1の系統番号再付与フレーム信号S201aを生成し、後段側データ通信部42を経由して第1の系統幹線L1に送出する。
【0059】
分岐器4bのID番号管理部40は、前段側データ通信部41にて受信された第1の系統番号再付与フレーム信号S201aを構成するID番号「2」と前述の接続断時において(新たに)登録されていたID番号とを照合する。
【0060】
ここでは、ID番号が「2」、「5」で不一致であるため、分岐器4bのID番号管理部40は、第1の系統番号再付与フレーム信号S201aを構成するID番号「2」を、自分岐器4bに割り当てられる当該ID番号として新たに登録(上書き登録)した後、登録が完了したことの登録完了フレーム信号S210bを生成し、前段側データ通信部41、第1の系統幹線L1、分岐器4aの後段側データ通信部42、ID番号管理部40、前段側データ通信部41、第1の系統幹線L1、制御装置5の第1の系統データ通信部51を経由して系統/ID番号管理部50に送出するとともに、同様に受信された第1の系統番号再付与フレーム信号S201aを構成するID番号「2」に、所定値である例えば、「1」を加えた当該ID番号が「3」の第1の系統番号再付与フレーム信号S201bを生成し、後段側データ通信部42を経由して第1の系統幹線L1に送出する。
【0061】
分岐器4cのID番号管理部40は、前段側データ通信部41にて受信された第1の系統番号再付与フレーム信号S201bを構成するID番号「3」と前述の接続断時において(新たに)登録されていたID番号とを照合する。
【0062】
ここでは、ID番号が「3」、「4」で不一致であるため、分岐器4cのID番号管理部40は、第1の系統番号再付与フレーム信号S201bを構成するID番号「3」を、自分岐器4cに割り当てられる当該ID番号として新たに登録(上書き登録)した後、この登録が完了したことの登録完了フレーム信号S210cを生成し、前段側データ通信部41、第1の系統幹線L1、分岐器4bの後段側データ通信部42、ID管理部40、前段側データ通信部41、第1の系統幹線L1、分岐器4aの後段側データ通信部42、ID管理部40、前段側データ通信部41、第1の系統幹線L1、制御装置5の第1の系統データ通信部51を経由して系統/ID番号管理部50に送出するとともに、同様に受信された第1の系統番号再付与フレーム信号S201bを構成するID番号「3」に、所定値である例えば、「1」を加えた当該ID番号が「4」の第1の系統番号再付与フレーム信号S201cを生成し、後段側データ通信部42を経由して終端ラインL0に送出する。
【0063】
一方、制御装置5の系統/ID番号管理部50にて生成された第5の系統番号再付与フレーム信号S205は、前述の接続断時における再付与の動作と同様な信号処理で第5の系統幹線L5を経由して複数の分岐器4d、4e、4fのID番号管理部40にそれぞれ伝送される。ここで、ID番号管理部40はそれぞれ、前段側データ通信部40にて受信された第5の系統番号再付与フレーム信号S205、S205d、S205eを構成するID番号「1」、「2」、「3」と前述の初回起動時/接続断時において登録されていたID番号とが一致するため、何らの登録動作は行わず、ゆえに、制御装置5の系統/ID番号管理部50に対して、第5の系統番号再付与フレーム信号S205、S205d、S205eに対応する登録完了フレーム信号を送出することもない。
【0064】
また、第5の系統で最終段の分岐器4fのID番号管理部40は、前段側データ通信部41にて受信された第5の系統番号再付与フレーム信号S205eと、後段側データ通信部42にて受信された第1の系統で最後段の分岐器4cからの第1の系統番号再付与フレーム信号S201cとを検出することができるものの、後段側データ通信部42における信号受信動作は、前段側データ通信部41における信号受信動作と比較して終端ラインL0の線路長分遅延されるため、前段側データ通信部41における信号受信動作が先着受信、後段側データ通信部42における信号受信動作が後着受信となる。
【0065】
これを確認した分岐器4fのID番号管理部40は、後段側データ通信部42にて受信された第1の系統番号再付与フレーム信号S201cを破棄することができ、ゆえに、第1の系統番号再付与フレーム信号S201cを登録することはなく、制御装置5の系統/ID番号管理部50に対して、第1の系統番号再付与フレーム信号S201cに対応する登録完了フレーム信号を送出することもない。
【0066】
さらに、第1の系統で最後段の分岐器4cのID番号管理部40は、前段側データ通信部41にて受信された第1の系統番号再付与フレーム信号S201cと、終端ラインL0を経由して後段側データ通信部42にて受信された第5の系統で最終段の分岐器4fからの第5の系統番号再付与フレーム信号S205fとを検出することができるものの、後段側データ通信部42における信号受信動作は、前段側データ通信部41における信号受信動作と比較して終端ラインL0の線路長分遅延されるため、前段側データ通信部41における信号受信動作が先着受信、後段側データ通信部42における信号受信動作が後着受信となる。
【0067】
これを確認した分岐器4cのID番号管理部40は、後段側データ通信部42にて受信された第5の系統番号再付与フレーム信号S205fを破棄することができ、ゆえに、第5の系統番号再付与フレーム信号S205fを登録することはなく、制御装置5の系統/ID番号管理部50に対して、第5の系統番号再付与フレーム信号S205fに対応する登録完了フレーム信号を送出することもない。
【0068】
前述までの説明から明らかなように、制御装置5の系統/ID番号管理部50は、接続断が復旧してID番号の新たな登録(上書き登録)が完了したことの登録完了フレーム信号S210b、S210cをそれぞれ検出することにより、前述の接続断時とは異なる通信経路を確保することができる。
【0069】
本発明のインターホンシステムにおいては、特定の実施の形態をもって説明してきたが、この形態に限定されるものでなく、本発明の効果を奏する限り、これまで知られた如何なる構成の当該システムであっても採用できるということはいうまでもないことである。
【0070】
具体的に本発明の実施例においては、制御装置5に接続される複数の分岐器として、第1、第5の系統幹線L1、L5を経由して順次接続される分岐器4a、4b、4c、4d、4e、4fを適用したように、第1、第5の2の系統による最後段の分岐器4c、4dを終端ラインL0を経由して相互に接続して通信経路を二重化したが、この系統数に限定されるものではない。例えば、より複数の系統による最後段の分岐器を所定の終端ラインを経由して相互に接続することにより、通信経路の多重化が可能となる。
【0071】
また、本発明の実施例においては、第1乃至第5の系統幹線L1、L2、L3、L4、L5を経由して順次接続される複数の分岐器として、第1、第5の系統幹線L1、L5を経由して順次接続される3台ずつの分岐器4a、4b、4c、分岐器4d、4e、4fを適用したが、この態様に限定されるものではない。例えば、集合住宅の規模に対応させた数の当該分岐器を設けることができる。
【0072】
また、本発明の実施例においては、制御装置5の系統/ID番号管理部50にて生成される第1、第5の系統番号付与フレーム信号S1、S5、第1、第5の系統番号再付与フレーム信号S101、S201、S105、S205を構成するID番号として、初期値「1」の当該ID番号を適用したが、この値に限定されるものではない。例えば、「1」以外の適宜な値(初期値)のID番号を適用することができる。
【0073】
さらに、本発明の実施例においては、分岐器4a、4b、4c、4d、4e、4fのID番号管理部40の動作として、受信した番号付与フレーム信号を構成するID番号に所定値を追加するにあたり、その所定値として「1」を適用したが、この値に限定されるものではない。例えば、「1」以外の適宜な値を追加することができる。
【符号の説明】
【0074】
1、1、・・・、2、2、・・・、3、3、・・・ ……複数の端末
4a、4b、4c、4d、4e、4f・・・ ……複数の分岐器
40……ID番号管理部
41……前段側データ通信部
42……後段側データ通信部
5……制御装置
50……系統/ID番号管理部
51、52、53、54、55……(第1乃至第5の系統)データ通信部
L1、L2、L3、L4、L5……複数の系統毎の幹線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
集合住宅の複数の異なる系統毎に設置される複数の分岐器(4a、4b、4c、4d、4e、4f)と、前記分岐器に接続される複数の端末(1、1、・・・、2、2、・・・、3、3、・・・)と、前記複数の系統のうち少なくとも2の系統にそれぞれ割り当てられる当該分岐器に幹線(L1、L2、L3、L4、L5)を経由して接続され、前記複数の端末の送受信制御を行うための制御装置(5)とを備えるインターホンシステムにおいて、
前記幹線を経由して前記制御装置に接続される前記複数の分岐器のうち最後段の当該分岐器が相互に接続され、
前記制御装置は、前記制御装置が管理を行うID番号を前記分岐器に付与するための番号付与フレーム信号を生成する系統/ID番号管理部(50)と、前記系統毎に設けられ前記系統/ID番号管理部にて生成された前記番号付与フレーム信号を前記幹線に送出するための系統データ通信部(51、52、53、54、55)とを備え、
前記分岐器は、前記制御装置から前記幹線を経由して伝送されてくる番号付与フレーム信号に付加されたID番号を自分岐器の当該ID番号として登録し、前記登録が完了したことの登録完了フレーム信号を生成するためのID番号管理部(40)を備えることを特徴とするインターホンシステム。
【請求項2】
前記分岐器は、前記制御装置から前記幹線を経由して伝送されてくる番号付与フレーム信号を受信するための前段側データ通信部(41)及び後段側データ通信部(42)を備え、
前記ID番号管理部は、前記前段側データ通信部及び前記後段側データ通信部のうち何れか一方の先着受信のデータ通信部において受信された前記番号付与フレーム信号に付加されているID番号を自分岐器の当該ID番号として登録後、前記登録が完了したことの登録完了フレーム信号を生成し、前記先着受信の動作を行った前記何れか一方のデータ通信部から前記幹線を経由して前記制御装置に送出するとともに、後着受信のデータ通信部において受信された前記番号付与フレーム信号を破棄することを特徴とする請求項1記載のインターホシテム。
【請求項3】
前記分岐器のID番号管理部は、前記前段側データ通信部及び前記後段側データ通信部のうち一方の当該データ通信部による前記制御装置からの番号付与フレーム信号の受信動作を検出したとき、前記受信した番号付与フレーム信号を構成するID番号に所定値を追加させた番号付与フレーム信号を生成して他方の当該データ通信部から前記幹線に送出することを特徴とする請求項1又は請求項2記載のインターホンシステム。
【請求項4】
前記初期起動後において前記先着受信のデータ通信部と前記幹線を経由して前記制御装置との間で通信を行うものであって、前記後着受信のデータ通信部は、前記制御装置から前記先着受信のデータ通信部への出力信号が不達であるとき、前記ID番号の再付与を要求するための通知フレーム信号を生成して前記幹線に送出することを特徴とする請求項2又は請求項3項記載のインターホンシステム。
【請求項5】
前記先着受信のデータ通信部は、前記先着受信のデータ通信部への出力信号が不達であるとき、前記ID番号の再付与を要求するための通知フレーム信号を定期的に生成して前記幹線に送出することを特徴とする請求項4記載のインターホンシステム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−178664(P2012−178664A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−39725(P2011−39725)
【出願日】平成23年2月25日(2011.2.25)
【出願人】(000100908)アイホン株式会社 (777)
【Fターム(参考)】