説明

インターホン装置

【課題】 ネットワーク上で映像の伝送数が増加した場合でも、引き続き映像信号を停滞なく伝送でき、且つ伝送中の映像信号は途中でフレームレートが変化することがないインターホン装置を提供する。
【解決手段】 子機1に対して新規の伝送リンク確立時における映像信号伝送のフレームレートを設定するフレームレート設定部30を特定の親機2aに設け、合わせて伝送リンク数とフレームレートとを反比例するよう関連付けたフレームレート設定情報を記憶するフレームレート設定記憶部29を設けた。フレームレート設定部30はネットワーク上で伝送されている映像信号の伝送リンクを検出して、現在のネットワーク上の映像信号の伝送リンク数をカウントし、伝送リンク数に応じたフレームレートをフレームレート記憶部29から読み取って、新規に子機1から伝送される映像信号のフレームレートとするよう子機1に通知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、呼び出し/通話機能及びカメラを備えた複数の子機と、通話機能及びカメラ撮像映像を表示するディスプレイを備えた複数の親機を備え、LAN接続されたインターホン装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、呼び出し/通話機能及びカメラを備えた複数の子機と、通話機能及びカメラ撮像映像を表示するディスプレイを備えた複数の親機を備え、LAN接続されたインターホン装置がある。このようなインターホン装置では、同時に複数の通話路が形成されて複数の映像信号が伝送される場合が発生する。このような場合、ネットワーク内のトラフィックが混雑して映像信号の停滞が発生し、ディスプレイでのなめらかな映像表示ができない状態が発生してしまうため、映像信号の伝送数が増加した場合は、伝送数に応じて個々の映像信号のフレームレートを減少させて対応させていた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−134268号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来のインターホン装置においては、全ての映像信号のフレームレートが変化するため、伝送中の映像信号のフレームレート即ち現在ディスプレイに表示されている映像の状態も変化した。そのため、表示されている映像がネットワークの状態に応じて不鮮明になったりぎこちない動きになる場合が発生し、利用者は不安に感じたり故障したと判断してしまう場合があった。
【0005】
そこで、本発明はこのような問題点に鑑み、ネットワーク上で映像の伝送数が増加した場合でも、引き続き映像信号を停滞なく伝送でき、且つ伝送中の映像信号は途中でフレームレートが変化することがないインターホン装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する為に、請求項1の発明は、呼出ボタン及び操作者を撮像するためのカメラを備えた複数の子機と、応答するための通話ボタン及びカメラの撮像映像を表示するディスプレイを備えた複数の親機とを有し、子機及び親機はLAN接続され、子機から親機を呼び出して通話する機能を備えたインターホン装置であって、子機がカメラの撮像映像信号から所定のフレームレートのデジタル映像信号を生成するデジタル映像信号生成部を有する一方、子機及び親機のうちの少なくとも1台が、全ての子機に対して新規の伝送リンク確立時における映像信号伝送のフレームレートを指示するフレームレート設定部と、伝送リンク数とフレームレートとを反比例するよう関連付けたフレームレート設定情報を記憶するフレームレート設定記憶部とを備え、フレームレート設定部は、ネットワーク上で伝送されている映像信号の伝送リンクを検出して現在のネットワーク上の映像信号の伝送リンク数をカウントし、カウントした伝送リンク数に応じて、対応するフレームレートをフレームレート記憶部から読み取って新規の映像信号のフレームレートとするよう全ての子機に対して指示し、伝送中の映像信号については伝送終了までフレームレートを変更しないことを特徴とする。
この構成によれば、フレームレート設定部がネットワーク上の映像信号を監視し、伝送される映像信号の数に応じて新規の映像信号のフレームレートを順次小さくするため、ネットワーク上で映像の伝送リンク数が多い場合であっても、ネットワークの伝送路容量の範囲内で全ての映像信号の伝送リンクを確保できる。よって、同時に伝送される映像信号数が多数となっても映像が乱れたり映像が伝送できない事態を防ぐことができる。
そして、伝送中の映像信号のフレームレートは途中で変動しないため、親機は安定した状態で映像を表示でき、表示映像の状態が途中から変化して見辛くなったりすることで応答者に不快感を与えるようなことがない。
【0007】
請求項2の発明は、呼出ボタン及び操作者を撮像するためのカメラを備えた複数の子機と、応答するための通話ボタン及びカメラの撮像映像を表示するディスプレイを備えた複数の親機とを有し、子機及び親機はLAN接続され、子機から親機を呼び出して通話する機能を備えたインターホン装置であって、子機がカメラの撮像映像信号から所定のフレームレートのデジタル映像信号を生成するデジタル映像信号生成部を有する一方、子機及び親機のうちいずれか1台は、新規の伝送リンク確立時における映像信号のフレームレートを全ての子機に対して指示するフレームレート設定部と、映像信号の伝送リンクとフレームレートとを反比例するように関連付けたフレームレート設定情報を記憶するフレームレート設定記憶部とを備えると共に、子機は、映像伝送開始時にフレームレート設定部に対してリンク開始信号を送信し、映像伝送終了時にリンク終了信号を送信するリンク状態通知部を有し、フレームレート設定部は、ネットワーク上で伝送されている映像信号の伝送リンク数をリンク接続信号及びリンク終了信号によりカウントし、カウントした伝送リンク数に応じて、対応するフレームレートをフレームレート記憶部から読み取って新規の映像信号のフレームレートとするよう全ての子機に対して指示し、伝送中の映像信号については伝送終了までフレームレートを変更しないことを特徴とする。
この構成によれば、フレームレート設定部が子機からの通知を受けてネットワーク上の映像信号を監視し、伝送される映像信号の数に応じて新規の映像信号のフレームレートを順次小さくするため、ネットワーク上で映像の伝送リンク数が多い場合であっても、ネットワークの伝送路容量の範囲内で全ての映像信号の伝送リンクを確保できる。よって、同時に伝送される映像信号数が多数となっても映像が乱れたり映像が伝送できない事態を防ぐことができる。
そして、伝送中の映像信号はフレームレートが途中で変動されないため、親機は安定した状態で映像を表示でき、表示映像の状態が途中から変化して見辛くなったり不快感を与えるようなことがない。
【0008】
請求項3の発明は、請求項2に記載の構成において、フレームレート設定部を備えた機器が起動操作されたら、フレームレート設定部は、全ての子機に対して映像信号の伝送を停止させる映像停止信号を送信することを特徴とする。
この構成によれば、フレームレート設定部が起動した際、子機の映像伝送を停止するため、フレームレート設定部が管理しているリンク数と実際に確立されているリンク数が異なる事態を防止できる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、フレームレート設定部がネットワーク上の映像信号を監視し、伝送される映像信号の数に応じて新規の映像信号のフレームレートを順次小さくするため、ネットワーク上で映像の伝送リンク数が多い場合であっても、ネットワークの伝送路容量の範囲内で全ての映像信号の伝送リンクを確保できる。よって、同時に伝送される映像信号数が多数となっても映像が乱れたり映像を伝送できない事態を防ぐことができる。
そして、伝送中の映像信号はフレームレートが途中で変動されないため、親機は安定した状態で映像を表示でき、表示映像の状態が途中から変化して見辛くなったり不快感を与えるようなことがない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係るインターホン装置の第1の形態を示す構成図である。
【図2】図1の子機及び親機の一部を示す回路ブロック図である。
【図3】フレームレート設定記憶部が記憶する伝送リンク数とフレームレートの関係を示す表図である。
【図4】映像信号の伝送リンク数の変化を受けてフレームレートの変化の流れを示すフローチャートである。
【図5】本発明の第2の形態を示し、フレームレートの変化の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を具体化した実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明に係るインターホン装置の第1の形態を示す構成図であり、1は呼出ボタン11及び操作者を撮像するためのカメラ12を備えた子機、2は呼び出しに応答するための通話ボタン21及びカメラ12の撮像映像を表示するディスプレイ22を備えた親機、3は機器間を接続する信号ケーブルを集約するためのHUBであり、子機1及び親機2は複数設置されている。
各機器はそれぞれ固有のIPアドレスを有してLAN接続され、機器間の通信はIPプロトコルにより、データ信号、デジタル音声信号、デジタル映像信号の送受を時分割多重通信で行なうよう構成されている。
【0012】
図2は図1の子機1及び親機2の要部をブロックで示している。図2に示すように、子機1は、呼出ボタン11、カメラ12に加えて、親機2との間で通話を実施するためのマイク13及びスピーカ14、カメラ12が撮像した映像信号から所定のフレームレートのデジタル映像信号を生成するデジタル映像信号生成部15、子機1全体を制御する子機CPU16、親機2と通信するためのインターフェース17等を備えている。
【0013】
また親機2は、通話ボタン21、ディスプレイ22に加えて、子機1或いは他の親機2との間で通話を実施するためのマイク23及びスピーカ24、各種設定操作を行う操作部25、子機1から伝送された映像信号を受信してディスプレイ22の表示映像を生成する映像受信部26、親機2全体を制御する親機CPU27、子機1や他の親機2と通信するためのインターフェース28等を備えている。
【0014】
但し、親機2のうち特定の親機2aは、映像信号の伝送リンク数とフレームレートの関係を記憶したフレームレート設定記憶部29を備え、この親機2aの親機CPU27aは、子機1に対して映像信号を送出する際のフレームレートを設定するフレームレート設定機能を備えている。即ちフレームレート設定部30を備えている。
フレームレート設定記憶部29には、図3に示すような伝送リンク数とフレームレートを関連付けた表が記憶され、ネットワーク上で映像信号の伝送がない伝送リンク数が0本の状態で、最初に伝送する映像信号のフレームレートは30フレーム毎秒で実施し、既に1本の伝送リンクが形成されている場合に次に形成される伝送リンクは15フレーム毎秒で実施するよう伝送リンク数とフレームレートの反比例する関係が設定され記憶されている。
【0015】
尚、ここで使用されるLANは、例えばVGA画像で100フレーム毎秒程度の伝送路容量が確保されているネットワークを想定しており、伝送リンク数とフレームレートの関係を図3に示すよう設定することで、例えば7本の映像信号が同時に伝送された場合でも、良好に映像回線を確保できる。
【0016】
以下、上記インターホン装置の動作を説明する。図4は子機1から親機2に伝送される映像信号のフレームレートの設定の流れを示すフローチャートであり、このフローを基に説明する。
まず、何れの子機1からも映像信号が送られていない、即ち呼び出し/通話状態になく伝送リンクが確立されていない待受状態では、フレームレート設定部30は映像信号のトラフィックがないことを信号ケーブル上の伝送データで把握する。この状態では、フレームレート設定記憶部29に記憶された図3に示す設定一覧に従い、全ての子機1,1・・に対して、次に伝送リンクを確立した際に伝送される映像信号のフレームレートを30フレーム毎秒とする指示信号を送信する。この指示信号の送信は、個々の子機1のIPアドレスに対して送信される。
この指示信号を受けた各子機1,1・・の子機CPU16は、デジタル映像信号生成部15において30フレーム毎秒でフレームレートを生成するよう設定する。
【0017】
そして、子機1の呼出ボタン11が操作されると、子機CPU16が予め記憶している親機IPアドレスに対して呼出信号を送信するとともに、スピーカ14から呼出確認音を鳴動させ、マイク13を能動として親機2への音声信号を送信可能とする。さらに、カメラ12を起動して撮像を開始させ、デジタル映像信号生成部15に設定されたフレームレートでデジタル映像信号(ここでは30フレーム毎秒)を作成させる。
その後、マイク13が集音した音声信号とデジタル映像信号生成部15の映像信号とを呼出先の親機2に映像開始信号と共に送信する。尚、この信号の送信も親機2のIPアドレスに対して実施される。以下、信号の送信は同様にIPアドレスに対して実施される。
【0018】
呼出信号はHUB3を介して呼出先の親機2にて受信される。呼出信号を受信した親機2の親機CPU27は、スピーカ24から呼出音を鳴動する。また映像開始信号とともに受信した映像信号は、映像受信部26において受信した映像信号からディスプレイ22に表示するための映像信号を生成してディスプレイ22に表示させる。
【0019】
また、映像開始信号は親機2aのフレームレート設定部30でも受信される。映像開始信号を受信(S1でYES)したフレームレート設定部30は、この映像開始信号が新規であることを認識(S2でYES)すると、映像信号のトラフィック(伝送リンク)が新たに1つ発生したこと認識(S3)し、次回のフレームレート変更制御を開始する(S4)。図3に示す設定一覧に従い、全ての子機1,1・・に対して、次に確立する伝送リンクは2本目となるため、次の伝送レートのフレームレートを15フレーム毎秒とすることを指示する(S5)。
【0020】
この指示を受けた後、映像信号伝送が終了することなく(S6でNO)他の子機1で呼出操作がなされると、その子機1のデジタル映像信号生成部15は指示に基づき15フレーム毎秒のフレームレートとしたデジタル映像信号を生成する。そして、生成された映像信号は、映像開始信号と共に呼出先の親機2に送信される。
【0021】
この映像開始信号は親機2aのフレームレート設定部30でも受信(S1でYES)され、新規信号であると認識し(S2でYES)たフレームレート設定部30は、伝送リンク数の1増を把握する(S3)。その結果、次回のフレームレート変更制御を実施(S4)し、子機1,1・・のデジタル映像信号生成部に対して、図3に示す設定一覧に従い、次に伝送リンクを確立する際のフレームレートを8フレーム毎秒とすることを指示す(S5)る。
【0022】
一方、通話終了等により子機1からの映像送信が終了すると、子機CPU16は映像終了信号を通話先の親機2に送信する。この映像終了信号はフレームレート設定部30でも受信(S6でYES)され、この映像終了信号が新規信号であることを確認すると(S7でYES)、トラフィック数が1減少して現在伝送リンク数が1であることを認識(S8)し、次回のフレームレート変更制御を実行して(S9)、子機1,1・・に対して次に伝送リンクを確立する際のフレームレートを15フレーム毎秒とすることを指示する(S10)。以下、映像開始信号及び映像終了信号を受信することで、フレームレート設定部30である親機CPU27aは伝送フレーム数を把握し、適切はフレームレートを指示する制御を継続する。
【0023】
このように、フレームレート設定部30がネットワーク上の映像信号を監視し、伝送される映像信号の数に応じて新規の映像信号のフレームレートを順次小さくするため、ネットワーク上で映像の伝送リンク数が多い場合であっても、ネットワークの伝送路容量の範囲内で全ての映像信号の伝送リンクを確保できる。よって、同時に伝送される映像信号数が多数となっても映像が乱れたり映像が伝送できなう事態を防ぐことができる。
そして、伝送中の映像信号のフレームレートは途中で変動しないため、親機2は安定した状態で映像を表示でき、表示映像の状態が途中から変化して見辛くなったりすることで応答者に不快感を与えるようなことがない。
特に、使用頻度が低いインターホン装置においては、殆どの場合は30フレーム毎秒の高画質の映像を伝送できる。そして、低頻度ではあるが複数の映像信号が同時に伝送されるような状況が発生しても、確実に映像信号を伝送することができる。
【0024】
尚、この実施形態では、1台の親機2aにフレームレート設定部30としての機能を設けたが、子機1を含めて複数の機器にフレームレート設定部30及びフレームレート設定記憶部29を設けても良い。複数設けても、同一の伝送リンク数とフレームレートの関係を記憶することで、映像開始信号及び映像終了信号を受信したフレームレート設定部30はフレームレート変更制御を実施するが、全てのフレームレート設定部30は同一の制御信号を出力するため、インターホン装置全体の動作に支障を来すことがない。逆に、いずれかの機器が故障しても、正常に動作している機器があればその機器によりフレームレート制御を正常に行うことができ、インターホン装置全体として正常動作を維持できる。
また、親機CPU27aにフレームレート設定部30の機能を具備させているが、フレームレート設定部30は独立して設けても良い。
【0025】
次にインターホン装置の第2の形態を説明する。但し、機器構成については上記形態の図1、図2と同様であるため説明を省略し、信号の構成及び作用を説明する。図5は子機1から親機2に伝送される映像信号のフレームレートを設定する流れを示すフローチャートであり、このフローを基に説明する。尚、フレームレート設定記憶部29及びフレームレート制御部30は特定の1台の親機2aにのみ設けられている。
【0026】
まず、インターホン装置起動時、或いはフレームレート設定記憶部29を備えた親機2aが起動された場合、フレームレート設定部30は全ての子機1,1・・・に対して映像信号の停止を指示する映像停止信号を送信する(S101)。そして、フレームレート設定記憶部29に記憶されている図3に示す設定一覧に従い、子機1,1・・・に対して次に伝送リンクを確立する際のフレームレートを30フレーム毎秒とする指示信号を送信する。この結果、起動時のフレームレート設定部30は映像信号のリンク数を認識することができないが、リンク数を強制的に0とするため、フレームレート設定部30が把握するリンク数と実際に確立されているリンク数が異なるような事態を防止できる。
【0027】
尚、映像停止信号が出力された際に、実際に停止した映像信号の伝送リンクがあった場合は、後述するリンク開始信号を送信して映像信号の送信を再開することができ、リンク開始信号を受けてフレームレート設定部30は、伝送リンク数を把握できる。
【0028】
子機1の呼出ボタン11が操作されると、子機CPU16は記憶されている親機IPアドレスを読み出し、当該アドレスに対して呼出信号を送信するとともに、スピーカ14から呼出確認音を鳴動させ、マイク13を能動として親機2への音声信号を送信可能とする。さらに、カメラ12を起動して撮像を開始させ、デジタル映像信号生成部15にあらかじめ親機2aから受信している信号により設定されたフレームレートでデジタル映像信号(30フレーム毎秒)を作成させる。
【0029】
その後子機CPU16は、マイク13が集音した音声信号と、デジタル映像信号生成部15が生成したフレームレート30フレーム毎秒の映像信号とを、呼出先の親機2のIPアドレスに対して送信する。映像信号は映像開始信号と共に送信する。また、リンク開始信号をフレームレート設定部30に対して送信する。
尚、リンク開始信号は、フレームレート設定記憶部30を備えた親機2aのIPアドレスに対して送信される。
【0030】
呼出信号はHUB3を介して呼出先の親機2にて受信され、呼出信号を受信した親機CPU27は、スピーカ24から呼出音を鳴動させ、受信した映像信号を映像受信部26を介してディスプレイ22に表示させる。
【0031】
また、リンク開始信号を受信(S102でYES)したフレームレート設定部30は、映像信号の伝送リンクが新たに1つ発生したことを認識(S103)し、次回のフレームレート変更制御を開始する(S104)。図3に示す設定一覧に従い、子機1,1・・に対して、次に伝送リンクを確立する際のフレームレートを15フレーム毎秒とすることを指示する(S105)。
【0032】
引き続き、確立した伝送リンクが終了することなく(S106でNO)他の子機1で呼出操作がなされると、子機1のデジタル映像信号生成部15は、フレームレートを15フレーム毎秒とするデジタル映像信号を作成して送信するとともに、リンク開始信号をフレームレート設定部30に対して送信する。そして、リンク開始信号を受信した(S102でYES)フレームレート設定部30は、子機1,1・・に対して、次に伝送リンクを確立する際のフレームレートを8フレーム毎秒とすることを指示する(S103〜S105)。
【0033】
ここで、通話終了等により子機1からの映像送信が終了すると、子機1は映像終了信号を通話先の親機1に送信するとともに、リンク終了信号をフレームレート設定部30に対して送信する。リンク終了信号を受信(S106でYES)したフレームレート設定部30は、子機1,1・・・に対して、次に伝送リンクを確立する際のフレームレートを15フレーム毎秒とすることを指示する(S107〜S109)。
【0034】
このように、フレームレート設定部30が子機1からの通知を受けてネットワーク上の映像信号を監視し、伝送される映像信号の数に応じて新規の映像信号のフレームレートを順次小さくするため、ネットワーク上で映像の伝送リンク数が多い場合であっても、ネットワークの伝送路容量の範囲内で全ての映像信号の伝送リンクを確保できる。よって、同時に伝送される映像信号数が多数となっても映像が乱れたり映像が伝送できない事態を防ぐことができる。
そして、伝送中の映像信号のフレームレートは途中で変動しないため、親機は安定した状態で映像を表示でき、表示映像の状態が途中から変化して見辛くなったりすることで応答者に不快感を与えるようなことがない。
【0035】
尚、第2の実施形態では、1台の親機2aにフレームレート設定機能を設けているが、特定の子機1にフレームレート設定機能を設けても良く、フレームレート設定機能はインターホン装置を構成する子機1及び親機2のうちの何れか1台に設ければよい。
【符号の説明】
【0036】
1・・子機、2,2a・・親機、3・・HUB、11・・呼出ボタン、12・・カメラ、15・・デジタル映像信号生成部、16・・子機CPU(リンク状態通知部)、21・・通話ボタン、22・・ディスプレイ、27,27a・・親機CPU、29・・フレームレート設定記憶部、30・・フレームレート設定部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
呼出ボタン及び操作者を撮像するためのカメラを備えた複数の子機と、応答するための通話ボタン及び前記カメラの撮像映像を表示するディスプレイを備えた複数の親機とを有し、前記子機及び前記親機はLAN接続され、前記子機から前記親機を呼び出して通話する機能を備えたインターホン装置であって、
前記子機が前記カメラの撮像映像信号から所定のフレームレートのデジタル映像信号を生成するデジタル映像信号生成部を有する一方、
前記子機及び前記親機のうちの少なくとも1台が、全ての前記子機に対して新規の伝送リンク確立時における映像信号伝送のフレームレートを指示するフレームレート設定部と、伝送リンク数とフレームレートとを反比例するよう関連付けたフレームレート設定情報を記憶するフレームレート設定記憶部とを備え、
前記フレームレート設定部は、前記ネットワーク上で伝送されている映像信号の伝送リンクを検出して現在の前記ネットワーク上の映像信号の伝送リンク数をカウントし、カウントした伝送リンク数に応じて、対応するフレームレートを前記フレームレート記憶部から読み取って新規の映像信号のフレームレートとするよう前記全ての子機に対して指示し、伝送中の映像信号については伝送終了までフレームレートを変更しないことを特徴とするインターホン装置。
【請求項2】
呼出ボタン及び操作者を撮像するためのカメラを備えた複数の子機と、応答するための通話ボタン及び前記カメラの撮像映像を表示するディスプレイを備えた複数の親機とを有し、前記子機及び前記親機はLAN接続され、前記子機から前記親機を呼び出して通話する機能を備えたインターホン装置であって、
前記子機が前記カメラの撮像映像信号から所定のフレームレートのデジタル映像信号を生成するデジタル映像信号生成部を有する一方、
前記子機及び前記親機のうちいずれか1台は、新規の伝送リンク確立時における映像信号のフレームレートを全ての前記子機に対して指示するフレームレート設定部と、映像信号の伝送リンクとフレームレートとを反比例するように関連付けたフレームレート設定情報を記憶するフレームレート設定記憶部とを備えると共に、
前記子機は、映像伝送開始時に前記フレームレート設定部に対してリンク開始信号を送信し、映像伝送終了時にリンク終了信号を送信するリンク状態通知部を有し、
前記フレームレート設定部は、前記ネットワーク上で伝送されている映像信号の伝送リンク数を前記リンク開始信号及び前記リンク終了信号によりカウントし、
カウントした伝送リンク数に応じて、対応するフレームレートを前記フレームレート記憶部から読み取って新規の映像信号のフレームレートとするよう前記全ての子機に対して指示し、伝送中の映像信号については伝送終了までフレームレートを変更しないことを特徴とするインターホン装置。
【請求項3】
前記フレームレート設定部を備えた機器が起動操作されたら、前記フレームレート設定部は、全ての前記子機に対して映像信号の伝送を停止させる映像停止信号を送信することを特徴とする請求項2記載のインターホン装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−42460(P2013−42460A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−179765(P2011−179765)
【出願日】平成23年8月19日(2011.8.19)
【出願人】(000100908)アイホン株式会社 (777)
【Fターム(参考)】