インピーダンスセンサグリッドアレーを使用した電子的撮像装置及びその製造方法
近接して配置された物体表面に信号を送信するよう構成されたほぼ平行な複数の駆動ラインと、駆動ラインにほぼ垂直に配置され、誘電体によってピックアップラインから分離され、駆動ラインとピックアップラインのクロスオーバー位置のそれぞれにおいてインピーダンスを感知できる固有の電極対を形成する、ほぼ平行な複数のピックアップラインとを有する、新規なインピーダンスセンサが提供される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(本文中に技術分野に該当する記載なし)
【背景技術】
【0002】
本実施形態は、一般的に電子感知装置に関し、より具体的には、センサ近傍またはセンサ周辺の物体を感知するためのセンサに関する。
【0003】
電子センサ市場において、所定の場所にある物体を感知するための様々なセンサが存在する。かかるセンサは、センサ近傍または周辺の物体の存在を感知するために、物体の電子的な特徴、物体の物理的な特徴、ならびに物体の形状、物体表面の質感、材料組成、生物情報、及び感知されている物体のその他の特徴及び特性を感知するように構成されている。
【0004】
センサは、センサの近くにある、またはセンサと接触している物体の温度、重量、または光子、磁気または原子などの種々の放射や、その他の特性を測定することによって、物体の特性を受動的に検出するように構成され得る。その1つの例は、物体から放出される黒体放射線スペクトルであり、このスペクトルから物体の温度を計測することのできるような黒体放射線スペクトルを検出する非接触赤外線温度計である。
【0005】
その他のセンサは、直接的に物体を電圧や電流などの刺激で励起し、結果として得られる信号を用いて物体の物理的または電気的特徴を決定することによって動作する。その1つの例は、媒体を電源で励起する1つの端子と、水などの導電性流体の存在を判定するために電流フローを測定するもう1つの端子との、2つの端子から構成される流体検出計である。
【0006】
物体の一点計測は、物体に関する十分な情報を提供しないことがよくあるため、計測の二次元アレーを収集することが、しばしば有利である。インピーダンスの二次元アレーは、ライン感知アレーを物体表面上で移動させ、その後、ファックス機が行うように二次元画像のラインの復元により線で描くことによって作られ得る。その1つの例は、指をその画面上に滑らせると、指紋の隆起部分とへこみ部分の間の容量の相違を測定するスワイプ容量性指紋センサである。かかるセンサは、個々のライン情報を使用後、二次元の指紋イメージを再構築する。
【0007】
二次元画像を取得するためのより容易な方法は、二次元センサアレーを作ることである。しかしながら、かかるセンサは、アレー中に必要な感知点が膨大であるために、コストが法外となり得る。その1つの例は、二次元容量性指紋センサである。これらのセンサの多くが現在製造されているが、150mm2以上のシリコン面積を使用するために、その多くのアプリケーションがコスト的に法外なものとなっている。
【0008】
これらの異なる種類の電子センサは、指紋など、人々の生物学的特徴及び特性を測定するための生体認証機能を有するセンサや、医療モニタ装置などの医療分野へのアプリケーション、流体測定モニタ、及びその他の多くのセンサへのアプリケーションなど、種々のアプリケーションに使用されてきた。一般的には、種々の装置の感知エレメントは、物体の情報処理を行い、物体の特徴及び特性についての解明ができるようにすべく構成されたプロセッサに接続されている。
【0009】
特定例としての二次元画像センサには多くのアプリケーションがあり、革新者たちは、所望の特徴、及び機能に達しない最新技術で奮闘してきた。例えば、指紋センサは長年にわたって存在し、多くの環境下で識別認証を行い、制限された領域及び情報に対してアクセスを提供し、またその他の使用をするために、利用されてきた。本特許出願において、異なる種類の指紋センサであって、実施形態が応用可能なセンサが、説明を容易にする目的のために、その応用例として強調されるが、その他の種類のアプリケーションも、この背景技術の議論と関連があり、発明の詳細な説明においても論じられる。これらの配置センサは、ユーザの指から指紋のフル画像を取得し、取得した画像と保存した画像とを認証のために比較するように構成された指紋配置センサなどのように、センサの近傍またはその周辺の物体を感知するように構成され得る。あるいは、センサは、指紋の部分的な画像を取得し、指紋の画像を再構築し、認証のために、取得した画像と保存した画像とを比較する指紋スワイプセンサなどのように、センサの周辺の物体の動的な動きを感知するように構成され得る。
【0010】
かかるアプリケーションにおいて、コストは、市販製品にとって常に重要な要因であるものの、決定的に重要な意味を持つというほどではなく、正確性と信頼性が、従前においても現在においても最重要要因である。一般的に、配置センサ、即ち、ユーザの指紋表面から一度に指紋画像を感知するセンサの二次元グリッドが自明の選択であったし、その多くの構成が殆どのアプリケーションにおいて標準となってきた。ひとたび指紋の画像がデジタル形式で感知され、装置内で再生成されると、それは予め記録され保存した画像と比較され、かかる取得した指紋画像と保存した画像とが一致すると認証が終了する。近年では、指紋センサは、ラップトップコンピュータ、携帯機器、携帯電話、その他の装置などの、持ち運び可能な装置にその活路を見出している。正確性と信頼性は、相変わらず重要であるが、システムの構成要素のコストが極めて重要である。従来の配置センサは、それらが全てシリコンセンサ表面を使用しているという1つの主たる理由のために、過去も現在も極めて高価である。これらのシリコンセンサ表面は、シリコン材料が、コンピュータチップを製造する材料と同じ程度に高価であるため、極めて高価である。勿論、コンピュータチップは、そのコストを軽減して性能を向上させるために年々小型化している。指紋シリコンを小型化できない理由は、平均的な指紋の大きさを維持する必要があり、ユーザの指紋をフルスキャンする要請は、単に妥協が不可能だからである。認証における安全性を適切なものとするために、完全な指紋の採取が要請される。
【0011】
指紋スワイプセンサを市場に投入してみる。スワイプセンサは、基本的には、ユーザがセンサラインに対して垂直な方向に指をスワイプすると、指紋特徴を感知するように構成されたラインセンサを備えて設計される。指紋スワイプセンサは、必要なシリコンが遥かに少なくてすみ、ピクセルセンサのアレーを有するラインセンサを構成するだけで十分なので、コストが節約できる。その幅は、平均的な指紋の幅に基づいて相変わらず固定されているが、その深さは配置サンサと比較すると大幅に小さくなっている。スワイプセンサのうち、いくつかは、容量性センサであり、指紋表面の容量が測定され、ラインごとに記録される。その他のものは、指紋表面に直ちに入りこむ小さな信号パルスを送信し、ピックアップラインにおいて応答を測定するが、ここでも、指紋の特徴がラインごとに記録される。いずれの場合においても、配置センサとは異なり、指紋のフル画像は、ユーザがスワイプを終了した後に再構築される必要があり、個々のラインは組み立て直されて指紋のフル画像の作成のために与えられる。この画像はラップトップその他の装置に保存した画像と比較され、その後、適切な照合をみれば、ユーザ認証が行われる。
【0012】
容量性スワイプセンサ用に、直流(DC)切り替えコンデンサ技術による第一世代センサが構築された(例えば米国特許第6,011,859号)。この手法は、その間にコンデンサを形成する、ピクセルごとの2つのプレートを使用することを必要とし、これにより、指の隆起部分の局部的な存在が空気に対するコンデンサの値を変化させることを可能にするものであった。これらのDCコンデンサの構成は、指紋表面から撮像するものであったが、指表面下に浸透するものではなかった。したがって、これらに対して、異なる不正技術によって簡単に指紋のなりすまし、つまり偽造が簡単に行われ、また、ユーザの指が乾燥しているときは性能が悪かった。RF(無線周波数)センサがその後導入されたが、これは、そのいくつかが指紋を感知するためにユーザの指表面を読み、かつ、ユーザの指の内層を読み込むことができたためである。異なる無線周波数が、振幅変調(AM)、位相変調(PM)を含む異なる検出形式とともに、様々な装置によって利用されてきた。また、異なる構成の送信器や受信器があり、1つのタイプ(例えば米国特許第5,963,679号)は、単一の送信器リングと、オンチップ感知用に最適化された複数の低品質の受信器の配列とを使用する。対照的に、別のタイプ(例えば米国特許第7,099,496号)では、オフチップ感知用に最適化されたコーム状のプレート構造においてただ1つの極めて高品質の受信器とともにRF送信器の大規模なアレーを使用する。
【0013】
低コスト配置センサの開発における1つの重要な障害は、ピクセル密度の問題であり、また、その結果、センサ装置の層間で多くの相互接続が必要となったことにあった。指紋アプリケーション用の一般的なセンサは、10mm×10mmのオーダであって、解像度は500dpiであろう。かかるセンサアレーは、概ね200行と200列の積であり、これは、装置において層間で200のビア接続が必要であることを意味する。半導体のビアはかなりの程度、小型化し得るものの、センサをシリコンに実装するためのコストは、上記のごとく法外であることが証明されている。
【0014】
大衆市場に向けて十分低コストの配置センサを製造するために、回路基板エッチングなど、より低コストの処理過程が採用されなければならない。回路基板のビアピッチにおいて、現在の最新技術では、200μmのオーダであり、これに対してセンサアレー自体は、50μmピッチのオーダである。加えて、回路基板の層間のビアを形成するために必要な追加の処理過程の工程は各層上のトレース(線)の最小限ピッチの許容値を大幅に増大させた。片面回路は、僅か35μmのラインピッチで高収率にて容易に組み立てられ得る一方、両面回路は60μm以上のオーダの最小限のラインピッチを必要とし、フル画像の500dpiのセンサアレーを実装するには粗過ぎる。さらにもう1つ考えられることは、同様のライン密度では、ビアを有する両面回路は、その単位面積において片面回路の数倍高価であり、高密度両面回路を低コストのセンサへ応用するにはコストがかかりすぎる。
【0015】
ラップトップ装置に対しては、スワイプセンサの採用が、コスト面から押し進められた。スワイプセンサは、配置センサと比較して遥かに安価であり、ラップトップ製造業者の殆どが価格のみに基づいてスワイプセンサを採用していた。コストの節約は、シリコン面積がより少なくてすむことの結果である。より最近では、シリコンセンサに替わるものが台頭しているが、これは、その上にエッチングされた感知プレートを載せたプラスチック製Kapton(商標)を使用し、別個のプロセッサチップに接続するというものである(例えば米国特許第7,099,496号)。これにより、センサのシリコン部分が感知エレメントから分離され、シリコンが、ムーアの法則にしたがって、加工技術の進歩に比例して、長さ、幅、及び深さにおいて最適な大きさへと縮小するようになった。この技術の進歩により安価で耐久性の高いスワイプセンサが実現したが、かかるスワイプセンサは、単純な二次元配置フォーマットから変化した結果生じた基本的な画像再構築及び人間工学の問題を克服できなかった。スワイプセンサは、より安価であることに加え、それが、ラップトップであろうが、携帯電話または個人データ装置などのより小さな装置であろうが、ホスト装置において、より小さな領域ですませることができる。
【0016】
殆どのスワイプクラスセンサにおいて、指紋再構築の処理過程は、当初予想したよりもユーザにとっては、人間工学上の問題点が大きく、また品質管理を行う技術者にとっても、より大きな負担となることが判明した。ユーザは、指の接触圧力を制御することに加え、センサラインに対して指を直角に、ほぼまっすぐ、直線方向にスワイプする訓練を行う必要があった。ユーザがより上達するための一助としてソフトウェアトレーニングプログラムが書かれたが、異なる環境要因や、同じ動きを反復できない人もいたことから、スワイプセンサは使い難いとの評判が定着した。現場からの初期データにより、大多数の人々が購入した装置においてスワイプセンサを定期的に使用しておらず、パスワードを使用することを逆戻りして選択していることが判明した。取得した画像と再構築した画像との間の一致性処理において最大限の正確性と性能を達成しようとする品質管理を行う技術者は、配置センサと比較してスワイプセンサでは、誤った拒否(FRR)及び誤った受容(FAR)の数が遥かに多いことを見出した。これらの再構築アルゴリズム改善の試みは、配置センサと同等の統計学上の性能をあげることができなかった。
【0017】
ホストに占める領域が小さいなどの、その他のスワイプセンサに関する主張も奏功しなかった。ユーザが指を置き、スワイプを行うのを支援するためにホスト装置の表面に種々の斜面、ウェル、及び指ガイドを組み込まなければならなかった。これらの構成は、結局、実際のセンサ領域に加えて多大な場所を占めることとなった。最終的には、スワイプセンサは、配置センサとほぼ同じ空間を占めるにいたった。これは、フルサイズのラップトップでは大した問題ではなかったが、現在は、小さなラップトップ及びネットブック、携帯電話、携帯端末、ならびにキーフォブなどその他の小さな装置にとっては、由々しき問題となっている。
【0018】
領域の問題は、現在、ラップトップにおいてマウスやタッチパッドなどが果たしているナビゲーションの役割を指紋センサが果たすことを必要とする携帯装置製造業者にはさらに問題となっている。スワイプセンサは、ピクセルの非対称アレーによって構成されているという事実により、マウスやタッチパッドの代替として劣ることが証明されている。スワイプセンサは、指のスワイプの正常な軸における動きを検出するうえでは優れているが、わき道へ逸れた動きを正確に追行するには難がある。軸外の角運動は、感知するのがさらに困難で、センサラインに対してその動きを付加するために多大なプロセッサ資源を必要とし、しばしば大きな角を解像するのに困難を伴う。こうした全行為の副産物として滑らかでない動きが生じ、使用が困難である。
【0019】
低コストの二次元指紋センサアレーが市場ニーズに応えることは明らかであるが、現在の技術では、このニーズを満たせなかった。従来の容量性指紋センサは、一般的に、感知ピクセルアレーを形成するために、独特の電極構造を使用していた。これらの電極構造は、一般的には四角形状または円形状で、平行プレート構造(例えば米国特許第5,325,442号及び第5,963,679号)または同一平面上の構造(例えば米国特許第6,011,859号及び第7,099,496号)をとり得る。
【0020】
これらの先行技術の手法は、感知エレメントの低コスト二次元アレーに構成可能でない。多くの容量性指紋センサ(例えば米国特許第5,963,679号及び第6,011,859号)は、シリコンチップの細いラインの多層ルーティング機能を使用する以外は実装が実用的でない相互接続密度で駆動感知機器に接続しなければならないプレート構造を有し、したがって前述したように高価なシリコンダイを多数必要とする。その他のセンサ(例えば米国特許第7,099,496号)は、安価なポリマーフィルム上でオフチップ感知エレメントを使用するが、そのセンサセルアーキテクチャは、本質的に一次元であり、二次元マトリックスへ拡張し得ない。
【0021】
容量性感知アレーのその他のアプリケーションは、タッチパッド及びタッチスクリーンの分野においてであった。タッチパッド及びタッチスクリーン装置は、駆動検知トレースのアレーと、独特の感知電極から構成されるため、数100ミクロンを下回る解像は行い得ず、この技術は、詳細な画像アプリケーションに適したものとなっていない。これらの装置は、指の接触、または近接を検出できるが、感知される物体内の隆起部分やへこみ部分などの細かい特徴を検出するのに必要な空間分解能もグレースケール解像も提供しない。
【0022】
タッチパッド分野における従来技術では、導電性(例えば米国特許第5,495,077号)か容量性(例えば米国公報第2006/0097991号)の一連の電極を利用する。一般的に、この一連の電極は、駆動感知トレースに接続される。動作中、これらの装置は、そのスケールが相互接続のトレース自体よりも大幅に大きいピクセルを作り出す。その目的は、ユーザがカーソルをナビゲートでき、スクリーン上の物体を選択でき、またはスクリーン上に描かれたページを動かすことができるようにするために、一般的に物体の存在及び動きを感知することである。したがって、これらの装置は、隣接する物体を感知する際に低い解像度で動作する。
【0023】
したがって、本技術においては、例えば、指紋感知及び認証などの異なるアプリケーションに使用するための高品質かつ正確な配置センサを提供し得る改善された装置であって種々のアプリケーションにおいてマウスやタッチパッドのようなナビゲーション装置としても動作し得る装置に対するニーズが存在する。後ほどみるように、実施形態は、これらのニーズ及びその他のニーズに応える装置を明確に提供している。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、絶縁誘電層によって駆動、ピックアップラインが分離される、駆動、ピックアッププレート構造を示す、本発明の1つの実施形態の線図を示している。
【図2】図2は、物体が駆動、ピックアッププレート構造に近接しておらず、駆動プレートが電源によって起動されたときの基本的な電界動作を示す、本発明の1つの実施形態の基本的な線図を示している。
【図3】図3は、物体が駆動、ピックアッププレート構造に近接しており、駆動プレートが電源によって起動されたときの基本的な電界動作を示す、本発明の1つの実施形態の基本的な線図を示している。
【図4】図4は、物体が駆動、ピックアッププレート構造に近接している場合といない場合において、駆動プレートが電源によって起動されたときの電界強度の相違を示す、センサの1つの実施形態の基本的な線図を示している。
【図5】図5は、物体が駆動、ピックアッププレート構造に近接しており、選択されたピックアッププレートが増幅され、全ての非アクティブな駆動、ピックアッププレートが接地されたときの基本的な電界動作を示す、本発明の1つの実施形態の基本的な線図を示している。
【図6a】図6aは、指または隆起表面部分を含む物体が、アクティブな電極対に近接しているときの基本的な電界動作を示す、本発明の1つの実施形態の基本的な線図を示し
【図6b】図6bは、指またはへこんだ表面部分を含む物体が、アクティブな電極対に近接しているときの基本的な電界動作を示す、本発明の1つの実施形態の基本的な線図を示している。
【図7】図7は、各駆動/ピックアップクロスオーバー時のセンサの電界結合を示すランプ回路構成要素によって表現されるプレートの行及び列であるx−yグリッドの線図を示している。
【図8】図8は、選択されたピックアッププレートから信号を取得し、ノイズ軽減目的により、基準信号プレートからこれを差し引く差動アンプを使用した配置センサの1つの実施形態の1つの実施例を示している。
【図9a】図9aは、入力負荷効果を補償するためのタンク回路を組み込んだ、本発明の1つの実施形態の駆動感知多重化回路を示している。
【図9b】図9bは、入力負荷効果を最小化するための直列バッファーを組み込んだ、本発明の1つの実施形態の駆動感知多重化回路を示している。
【図9c】図9cは、各感知が入力負荷効果を最小化するための専用バッファーを組み込んだ、本発明の1つの実施形態の駆動感知多重化回路を示している。
【図10】図10は、感知した信号を処理するアナログ受信器と駆動感知ラインスキャン機能を果たす処理回路を組み込んだ、本発明の1つの実施形態を示している。
【図11】図11は、感知した信号を処理するダイレクトデジタルコンバージョン受信器と、駆動感知ラインスキャン機能を果たす処理回路を組み込んだ、本発明の1つの実施形態を示している。
【図12】図12は、折り畳み前、平面に展開された本発明の折り畳んだ態様を組み込んだ、本発明の1つの実施形態のための駆動感知トレースの展開図を示している。
【図13a】図13aは、折り畳みに続く折り畳み態様を組み込んだ、本発明の1つの実施形態の積層を示している。
【図13b】図13bは、折り畳み、硬質モジュールへのアセンブリに続く、折り畳み態様を組み込んだ、本発明の1つの実施形態を示している。
【図14】図14は、物体の部分の感知目的のため、本発明に基づいて構成されたセンサシステムを示している。
【図15】図15は、本発明を利用して指紋特徴を感知することについての線図を示している。
【図16】図16は、本発明に基づいて構成されたセンサシステムによって二次元画像を収集するのに必要な処理過程のフローを示している。
【図17a】図17aは、本発明に基づいて構成された指紋センサシステムによってユーザ認証を行うのに必要な処理過程のフローを示している。
【図17b】図17bは、ユーザ認証アプリケーションにおいて一般的に利用される指紋画像からテンプレートを解凍する処理過程を示している。
【発明を実施するための形態】
【0025】
背景技術で議論したように、二次元インピーダンスセンサには多くのアプリケーションがあり、実施形態は、従来技術が多くのアプリケーションに供されるうえで不十分であった点に対して幅広い解決法を提供する。一般的に、1つの実施形態は、二次元センサに関するものであり、配置センサ、領域センサ、2Dセンサとも呼ばれ、それ自体の上に折り畳まれることができて互いに直交する個別のセンサラインを有するグリッドアレーを形成する、例えばフレキシブルな基板などの基板上に配置されたセンサラインを有し、異なるセンサラインのクロスオーバー位置が物体の特徴及び/または特性に関する情報を収集するための感知場所を作り出す。
【0026】
1つの実施形態において、駆動ラインとピックアップラインは、それらが互いに伝導するように電気的にクロスオーバーまたは接続しておらず、ピックアップラインへと突出する駆動ラインが電界を受信できるように隔たりを伴ったインピーダンスを感知する電極対を形成して、異なる電極構造をとらなくてもよくしている。散在する誘電体と交差する2つのラインは、固有のインピーダンス感知電極対を作り出す。このように、センサは、物体の特徴及び/または特性を識別する1ピクセルの情報を取得するために、2つの一次元センサラインを駆動するように構成されている。従来のセンサとは異なり、ある特定の実施形態によって構成されたセンサは、駆動・ピックアップラインの個別の対を駆動し、結果として得られた信号を取得することにより、1つの物体から複数ピクセル情報を取得可能な二次元グリッドを提供し得る。この信号は、1つの物体の特徴及び/または特性を明確にするために、論理回路または処理回路によって処理され得る。例えば、情報は、指紋などの1つの物体のレンダリングを作成し、そのレンダリングを認証のための安全な情報と比較するために使用され得る。
【0027】
1つの実施形態によれば、また、従来の手法とは対照的に、装置は、駆動・ピックアップライン間の交差部分に形成される固有のインピーダンス感知電極対を利用することができる。動作時、電界は、駆動・ピックアップラインを、同時に特定のクロスオーバー位置によって感知される領域の近傍または周辺に接地させることにより、さらにフォーカスさせてもよい。このことは、他の駆動・ピックアップラインが同時に電界を感知した場合に起こり得る障害を防止する。1つ以上の電極対が同時に感知され得る。しかしながら、解像度が重要な要因である場合には、互いの距離が近すぎて障害を防止できず、特定の解像度で物体の特徴を感知するうえで正確性を維持できない感知電極対を避けることが好ましいかもしれない。本明細書の目的上、「固有の電極対」は、各駆動・ピックアップラインのクロスオーバー位置に形成されるインピーダンス感知電極対の使用を指す。実施形態が各固有の電極対を感知エレメントとして各クロスオーバー部分で使用するという事実のため、相互接続ラインから個別の感知ノードを差別化できる幾何学的特徴は個別の感知ノードに存在しない。その結果、駆動層と感知層との間のアラインメントは決定的に重要というわけではなくなり、製造処理過程を大幅に簡素化する。
【0028】
隣接する非アクティブな駆動・ピックアップラインを接地すると、従来技術で採用された専用のガードリング(例えば米国特許第5,963,679号)などの複雑な対策を必要とすることなく、各固有の電極対に形成されるピクセルが制限される。その代わり、ピクセル周辺のガードグラウンドが、隣接する非アクティブな駆動・ピックアップラインを接地電位に変換することによって動的に形成される。このことは、所与の処理過程のための最小限のピクセルピッチが最小限の特徴間隔と同じであるために、比較的解像度が低い製造処理過程を伴い、高密度のピクセルフィールドの形成を可能にする。このことは、低コストの配置センサを製造するうえで鍵となる、低コストの製造処理過程と材料の使用を可能にする。
【0029】
1つの実施例において、センサラインは、駆動ラインを1つの層上に、ピックアップラインをもう1つの層上にして構成されることができ、層は、個別のセンサライン、駆動・ピックアップラインが互いにクロスオーバーして、各クロスオーバー位置でインピーダンス感知電極対を形成するように互いに配置される。これらのクロスオーバー位置は、1つの物体の特徴及び/または特性の個別のデータポイントの多くが取得され得る、個別にフォーカスされた電気ピックアップ場所若しくはピクセルまたは電極対を提供する。高度のフィールドフォーカスは、固有の電極対の大きさが小さいことと、非アクティブなプレートにより提供される隣接グラウンドが高密度であることによる。フレキシブル基板は、物体に関する情報を電子的に取得するために、センサラインと信号を送受信するための論理回路または処理回路を伴って構成される第二の基板を有し得る。あるいは、互いに個別のセンサラインを担持し互いに層として重なる2つの基板が存在し、論理回路または処理回路に接続するために第三の基板と接続されてもよい。
【0030】
ピックアップセルの隣接層の垂線間のクロスオーバー位置を利用すると、層間のアラインメントに対する要求が大幅に減少する。センサピクセル場所にはアラインメントのためのユニークな特徴がないために、層間のアラインメントに対して実際に要求されるのは垂直を維持することのみである。感知セル場所が、従来技術の指紋センサに典型的にみられる平行プレート特徴などの特定の特徴を有する場合は、アラインメント要求は、ピクセルサイズの4分の1未満のX及びYの位置公差を含むが、これは、500DPI解像度の指紋のアプリケーションのためには、各軸において位置公差が+/−12μmであることを意味する。
【0031】
動作時、駆動ラインが例えば電流源によって駆動され、ピックアップラインが、増幅回路やバッファー回路などの受信回路に接続されて、結果生じた電界が取得され得るようにする。電界は、駆動ラインから中間誘電性絶縁層を通ってピックアップラインへと延在する。物体が存在する場合には、いくつかのまたは全ての電界が物体によって吸収され得、ピックアップラインによって電界が受信される方法が変化する。このことは、取得され、ピックアップラインと受信回路によって処理される、合成信号を変化させ、これによって物体の存在を示し、信号を処理することにより、物体の特徴と特性が感知され、識別され得る。この処理手続きは、論理回路または処理回路のなんらかの形態によってなされ得る。
【0032】
その他の実施形態において、駆動ラインを駆動する信号は、複合信号、異なる周波数及び/または振幅の信号、またはその他の信号であってもよい。これにより、異なるまたは複合信号を利用して、センサによる物体の異なる視点における特徴及び/または特性の分析が可能になる。物体に部分的にまたは全体的に吸収された後、様々に異なった態様を有し物体の異なる特徴及び特性を示す合成信号を作り出す、異なる周波数及び/または振幅の同時信号を、信号は含み得る。信号は、異なるトーンの信号、チャープランプとして構成される信号、及びその他の信号を含み得る。その後、処理回路または論理回路は、合成信号から種々の情報とデータポイントを発信するために使用され得る。
【0033】
動作時、異なる信号または複合信号は、駆動ラインに作動させることができ、ピックアップラインは、処理対象である結果の電界を受信する。論理回路または処理回路は、同時信号が使用される場合には、異なる周波数を取り出すなど、合成信号を処理して、物体の特徴及び/特性が異なる視点から取得され得るように構成されることができる。
【0034】
個別の対で駆動され得るピクセルのグリッドを考えると、ピクセルの各々は様々な方法で取得され得る。1つの実施形態において、ピクセルのラインを取得するために、駆動ラインが駆動され、ピックアップラインは順にONとOFFにすることができる。この順は、スキャンの順番として動作し得る。ここで、第一の駆動ラインは、これを信号源に接続することにより駆動し、その後、1つのピックアップラインが一度に増幅/バッファー回路に接続され、2つのラインのクロスオーバー部分に形成されたピクセルから情報が取得され、その後接続が切られる。そして、次のピクセルが順に処理され、また次が、そしてまた次が、と処理されて、ピックアップラインのアレー全体が処理される。駆動ラインは、その後、駆動を停止し、別の駆動ラインが駆動され、ピックアップラインがこのアクティブな駆動ラインによって再びスキャンされる。これらは、順番に一度に行われることができ、いくつかの隣接しないピクセルが同時に処理されることができ、またはその他のバリエーションも所定のアプリケーションにおいて可能である。ピクセルのグリッドが処理された後、物体の情報のレンダリングが可能となる。
【0035】
図1を参照すると、1つの実施形態によって構成されたセンサ100の1つの実施形態の線図が示されている。この構成において、ピックアップラインまたは上部プレート102a[m]、102b[m+1]は、絶縁の誘電性基板層104の上に配置され、信号をセンサラインに近接して配置された物体表面へ送信するように構成される。駆動ラインまたは底部プレート106a[n]、106b[n+1]は、並置され、駆動ラインまたはプレートに対してほぼ垂直であり、絶縁の誘電性基板と反対側に配置されて、グリッドの1種を形成する。ピックアップラインは、これらの電界の範囲に配置された物体のインピーダンス特性によって修正された、送信された電磁界を受信するように構成される。
【0036】
図2を参照すると、ピックアップラインまたは上部プレート202a、202b、絶縁層204、及び駆動ラインまたは底部プレート206a、206bを有するセンサ200の線図が示されている。更に、図は、電磁界208a、208bが基板を通って駆動ラインとピックアッププレートとの間をどのように延在するかを示している。近接して物体が存在しない場合、電界ラインは、センサ構造内及び異なるライン間で均一である。物体が存在する場合は、電界ラインの一部分が物体に吸収され、絶縁層を通ってピックアッププレートには戻らない。
【0037】
図3を参照すると、物体310は、センサ300に近接して示されている。センサ300は、ピックアップラインまたは上部プレート302a、302b、絶縁誘電体層304、及び駆動ラインまたは底部プレート306a、306bを有する。動作時、この装置の実施例の駆動ラインとピックアップラインは個別に駆動され、そこで駆動ライン/ピックアップラインの対が駆動されてアクティブな回路を作り出す。その結果、アクティブな駆動プレート316から電界ライン306a、306bを経由して絶縁層304と物体310の結合した誘電体へ電界を送信し、アクティブなピックアッププレートによって受信される回路が生じる。図示の通り、物体がアクティブな電極対の周囲に配置されると、いくつかの電界ラインは、物体によって取得される。駆動・ピックアップラインの異なるクロスオーバー位置で生成する、結果の電界バリエーションを取得し、記録することによって、先端部やへこみ部分、及び物体表面のその他の特徴など、物体におけるバリエーションが電子的に検出され、取得され得る。一般的な、容量に基づく配置センサと同様に、センサは物体表面の画像のタイプを電子的に取得し、下記の指紋センサの実施例における指紋の特徴及び特性などの物体の特徴及び特性を示すことができる。
【0038】
図3のこの構成において、1対のアクティブな電極対のみが示されている。しかしながら、実施形態は、この特定の構成に限られず、単一の電極対、複数の電極対、または全部の電極対さえも、異なる動作のために一度にアクティブにされ得る。実際には、近接したピクセル間で起こり得る障害を最小化するために、所定の時間にアクティブにされる電極対は全部よりも少数であることが望ましいかもしれない。1つの実施形態において、駆動ラインとピックアップラインがクロスオーバー位置でラインに沿って対になるときに、ピクセルのラインが駆動ラインとピックアップラインに沿って取得されるようにするために、駆動ラインが駆動され得、また、ピックアップラインは一度に1つまたは複数がスキャンされ得る。この点は、図5との関係で、以下で詳細に議論する。
【0039】
一般的に、動作時に、特定の駆動ラインが、絶縁の誘電性基板による間隔を空けてピックアップラインと重なり合う各領域は、その領域周辺の近接する物体の特徴または特性を明確にする感知場所を取得し、確立することができる領域である。センサグリッドの領域には複数の感知場所が存在するため、近接の物体の特徴または特性を明確にする複数のデータポイントがセンサ構成によって取得され得る。したがって、センサは、平面的な二次元センサとして動作し得、センサ上に、またはセンサ周辺に配置された物体は、検出され得、その特徴及び特性が判定される。
【0040】
以下の実施形態及び実施例に記載するように、実施形態は記載されている特定の構成や位置づけに限定されず、添付の特許請求の範囲とその均等物、そして本出願及び関連出願に基づく特許請求の範囲とその均等物によってのみ、限定される。また、多くの構成、寸法、配置、及びその他の任意の特定の実施形態または実施例の特性及び物理的、操作上の特徴は、実施形態の精神と範囲を超えることなく変形がなされ得るが、これらも、添付の特許請求の範囲とその均等物、そして本出願及び関連出願に基づく特許請求の範囲とその均等物によってのみ、定義される。
【0041】
以下の記載において、実施形態の理解を徹底するために、多くの具体的な詳細が記載される。しかしながら、これらの具体的な詳細がなくても、実施形態が実施可能である点は、当業者にとって明確であろう。その他の実施例において、周知の回路、構成、アルゴリズム、及び処理過程は詳細に示していないものもあり、また、不必要に詳細に記載して実施形態を不明確にしないようにするために、概略図やブロック図で示したものもある。加えて、本明細書の大部分において、材料、器具、処理の時期、回路のレイアウト、ダイの設計に関する詳細については、かかる詳細は実施形態の完全な理解を得るために必要でないと考えられる限り、また、関連技術分野における当業者の理解できる範囲にあると考えられるため、省略されている。特定の用語が、特定のシステム構成要素を表すために、以下の記載及び特許請求の範囲にわたって使用されている。当業者なら認識するように、構成要素は異なる名称で呼ばれ得る。本明細書は名称の相違によって構成要素を区別するのではなく、機能によって区別することを意図している。以下の記載と特許請求の範囲において「含む」(including,comprising)という用語は、限定のない意味合いで使用されており、したがって、「〜を含むが、これに限定されない」意味であると解釈されるべきである。
【0042】
本明細書に実施形態のいくつかが記載される。当業者は、以下の実施形態の詳細な記載は、例示にすぎず、いかなる場合においても限定を意図したものでない点を認識するであろう。その他の実施形態は、この発明の開示内容につき利益を有する当業者ならば、容易に想到するであろう。実施形態の実施については、添付の図面に示すように詳細に参照がなされる。同じ参照番号は、全図面及び以下の詳細な説明の全部にわたって使用され、同じまたは類似の部分を示す。
【0043】
明確性の観点から、本明細書にて記載される実施のありふれた特徴の全てが図示され、記載されるものではない。勿論、実際の実装の開発においては、開発者の具体的な目標を達成するために、多くの実装に特化した決定がなされなければならない点が理解されるであろう。また、かかる開発努力は、複雑で時間がかかるかもしれないが、そうであっても、この発明の開示内容につき利益を有する当業者にとっては、通常の技術開発の試みである点が理解されるであろう。
【0044】
1つの実施形態において、センサ装置は、絶縁の誘電性基板上または周辺に配置され、感知される物体表面に信号を送信するように設計される駆動ラインを含む。ピックアップラインは、駆動ラインの近傍又は周辺に配置され、物体表面から送信された信号を受信するように構成される。駆動ラインとピックアップラインとの間の間隔を維持するために、基板は、絶縁の誘電性の層またはスペース層として機能し得る。基板は、例えば、フレキシブルな高分子基板とすることができる。1つの実施例は、Kapton(商標)テープであり、プリンタカートリッジやその他の装置において使用される回路などのフレキシブル回路に幅広く使用されている。パッケージは、かかるフレキシブル基板を含み得、駆動ラインが基板の一方の側に配置され、ピックアップラインが基板の反対側に配置され得る。
【0045】
駆動ラインは、ピックアップラインに対して直角とすることができ、ピックアップラインにほぼ垂直とすることができる。1つの実施形態において、装置は、駆動ラインとピックアップラインとを絶縁の誘電性基板の反対側やその周辺に配置されるように構成されることができ、その場合、これら3つの構成要素の組み合わせが容量特徴を提供する。駆動ラインは、駆動されて電界を物体の上や中、周辺へと駆動することができる。ピックアップラインは、駆動ラインからの電界を受信することができ、これらの電界は、感知される物体の特徴または特性を解明する処理回路または論理回路により解明され得る。
【0046】
したがって、1つの実施形態において、駆動ラインをピックアップラインから隔てている層は、アセンブリに対して容量特徴を与え得る。駆動ラインのいくつかまたは全部が、ピックアップラインに対して、全体で、または部分的にほぼ垂直な場合は、グリッドが形成され得る。かかる構成において、三次元的視界から、駆動ラインは、第一面について互いにほぼ平行に配置され、位置づけられる。基板の1つの表面は、駆動ラインに対してほぼ平行な第二面の駆動ライン周辺に配置される。ピックアップラインは、第一及び第二面とほぼ平行な第三面周辺に互いにほぼ平行に配置され、位置づけられ、また、基板が駆動ラインとピックアップラインのほぼ間に位置するように駆動ラインの反対側の基板表面周囲にも配置される。
【0047】
実施形態及び実施例の記載を含む、本明細書の記載において、平行、垂直、直交及び関連する用語や記載について参照がなされる。これらの記載は限定することを意図したものではなく、当業者においても限定的であると理解されてはならない。それとは反対に、実施形態は、駆動ライン、ピックアップライン、基板または関連する構造の位置づけや配置に拡がるものであり、また、構成要素の様々な組み合わせ、置換、配置、互いの距離、センサの異なるアセンブリにおけるオーダなどに拡がるものである。実施形態は、一般的にはピクセルの位置で互いにクロスオーバーして、近傍にある物体の存在及びその他の特徴、特性を検出すべく構成された複数の駆動ラインとピックアップラインとを有するように構成されたセンサに関するものであるが、実施形態はいかなる特定の構成や位置づけに限定されず、添付の特許請求の範囲とその均等物、そして本出願及び関連出願に基づく特許請求の範囲とその均等物によってのみ、限定される。
【0048】
また、駆動・ピックアップライン、駆動・ピックアップラインの組の間に配置され得る基板などの様々な構成要素が配置される、幾何学的面の異なる位置づけに関して参照がなされる。例えば、フレキシブル基板が使用される場合、かかる構造の使用によって、フレキシブルな構造が曲がり、そうでない場合は、曲がるように形成されまたは構成されるため、面が変化し得る。かかる実施形態においては、実施形態の所定の態様は、基板の反対側に構成され、駆動ラインとピックアップラインのそれぞれのクロスオーバー位置で、近傍の物体の特定の特徴及び/または特性を感知可能にする態様の駆動ライン及びピックアップラインに関するものであることが理解されるだろう。したがって、(例えば駆動ラインまたはピックアップラインなどの)構成要素の群の(変形可能で、それゆえにほぼ均一な距離で間隔を空けたシートとなり得る)面または基板の位置づけは、実施形態の精神と範囲から逸脱しない範囲で異なるアプリケーションに変化し得る。
【0049】
また、ピックアップライン、ピックアッププレート、駆動ライン、駆動プレートなどについて参照がなされるが、ラインやプレートに関して様々な参照が交互に用いられ、実施形態を特定の形式、配置、断面図、異なる直径または断面積、長さ、幅、高さ、深さ、またはかかる構成要素のその他の物理的寸法に限定されない点が理解されるであろう。また、実施形態によって構成される装置の性能を向上させるために、より洗練された構成要素、例えば、低い電力と同様に小さな大きさや形状が、望まれる特徴及び特性であるアプリケーションに、より容易にアセンブリを適合させ得る、小さな65、45、32または22ナノメートルの伝導ラインやカーボンナノチューブなど、が実装され得る。当業者は、実施形態の精神と範囲から逸脱しない範囲で、かかる寸法が異なるアプリケーションにおいて変化し得ること、また、いくつかのアプリケーションにおいては性能を向上させ、または、電力消費を抑える可能性さえあることを理解するであろう。
【0050】
並置され、積層され、あるいは互いに配置される様々な構成要素についても参照がなされる。1つの実施形態の1つの実施例において、複数の駆動ラインが、一般的に平面の基板の表面上に並置され、複数のピックアップラインが平面の基板の反対の表面上に並置される。駆動ラインは、ピックアップラインに対してほぼ直交しており、ピックアップラインに対してほぼ垂直と記載されることができる。駆動ラインとピックアップラインとの間の距離は、容量性の構成に供する基板または絶縁材で充填されてもよい。ここで、基板の1つの側面の駆動ラインが1つの容量性プレートを形成し、基板の反対側のピックアップラインが対応する容量性プレートを形成する。動作時、駆動プレートが駆動すると、駆動ラインとピックアップラインとの間で電界が発生し、基板を通って複数の容量性素子が形成される。これらの容量性素子は、駆動ラインとピックアップラインの各断面の領域に配置され、その領域の間に基板の一部分が配置される。これは、駆動ラインとピックアップラインのそれぞれが互いに重なり合う位置である。任意の特定のアプリケーションにおいて、動作中に3つの構成要素が相互に作用し合うこれらの領域は、センサの読み込みが行われ得るデータ位置を明確にする。
【0051】
センサ駆動ライン及びセンサピックアップラインなどのセンサライン、ならびにそれらの間の及び互いの位置づけについても参照がなされる。例えば、ほぼ平行な駆動ラインが記載される。これらの駆動ラインは、銅、錫、銀、金など表面に形成され、エッチングされ、堆積され、または印刷される導電体から構成される平行な伝導ラインとして記載されるように意図されている。当業者は、多くの任意の製造過程における生来の不完全性により、かかる伝導ラインは、実際それが「完全」であることは滅多に無く、実際上は正確には並行とはならない点を理解するであろう。したがって、「ほぼ平行」と記載されている。異なるアプリケーションは、ラインがラインの一部において平行となり得ても、装置を動作させるため、その他の構成要素と接続するために、または、その上に形成されまたはトレースされる基板上または周辺にルーティングされるために、必然的に平行から逸れてしまう、いくつかの平行でない駆動ラインをも構成し得る。同様に、ラインの個別のアレーは、駆動ラインがピックアップラインに対してほぼ直交するか、垂直である場合に、直交するとか、垂直であるなどと記載され得る。当業者は、種々のラインが互いに完全に垂直ではない可能性があり、特定のアプリケーションにおいては垂直から外れた構成または異なる角度で交差する構成もあり得る点を理解するであろう。また、駆動ラインの一部が対応するピックアップラインの一部に対してほぼ垂直であり、異なるラインのその他の部分が、装置を動作させるため、基板上または周囲にルーティングされるため、または、その他の構成要素と接続されるため、垂直から外れている、一部垂直の構成もとり得る。
【0052】
実施形態によって提供される、これらの、及びその他の利益は、実施形態により構成された、実施形態の具体的な実施例及び、装置とシステムの意図された動作特徴と特性に関連付けて記載される。
【0053】
一般的に、動作時、駆動ラインは、装置に近接する物体に対して電界を送信し得る。ピックアップラインは、駆動ラインから発さられ、その後、物体を通って、また、基板を通って、ピックアップラインに送信される信号を受信することができる。あるいは、ピックアップラインは、駆動ラインから発せられ、物体を通過することなく基板を通ってピックアップラインへと送信された信号を受信し得る。この電界は、グリッド上の異なる位置において変化し得、いくつかの種類の論理回路またはプロセッサ回路によって読み取られて、アセンブリ近傍の物質の特徴及び/または特性を明らかにする、合成信号を付与する。
【0054】
駆動ラインとピックアップラインは、駆動ラインを介して信号を物体へ送信可能にし、ピックアップラインを介して物体から合成信号を受信可能にし、物体の画像を明確にするために合成信号を処理可能にするために、1つまたは複数のプロセッサによって制御され得る。1つまたは複数のプロセッサは、1つのモノリシックの構成要素に接続され、駆動ラインとピックアップラインとが、プロセッサを含むパッケージに組み込まれてもよい。その他の実施形態において、駆動ライン、ピックアップライン、及び基板は、パッケージ自体に組み立てられ、パッケージが全般的なシステム機能を制御するシステムプロセッサに接続されてもよい。このように、パッケージは、システムと通信するためにシステムの入力/出力接続部に接続することによって、システムの一部分とすることができる。これは、実際、例えば、ユーザから音声を受信する際にラップトップによって使用されるシステムプロセッサにより音声信号が受信される、ラップトップに接続されたマイクロホンに類似する。この実施形態によれば、センサは、システムプロセッサと協働して感知動作を行う、システムプロセッサと通信する独立型の構成要素として接続され得る。
【0055】
その他の実施形態において、センサは、多くの物体のインピーダンス、特に、ヒトの組織や臓器のインピーダンスが周波数により大幅に変化することから、信号を異なる周波数で駆動するように構成され得る。感知対象の物体の1つまたは複数の周波数における複雑なインピーダンスを測定するために、受信器は、振幅のみならず位相も測定可能でなければならない。1つの実施形態において、所定のインピーダンス感知電極対から生成した合成信号は、周波数ホッピングとして知られる異なる周波数から生じ得、その場合、受信器は、周波数のランダム・シーケンス、疑似ランダム・シーケンス、または非ランダム・シーケンスを追跡するように構成される。この実施形態のバリエーションは、チップとして知られている線形周波数または非線形周波数スイープたり得る。かかる実施形態において、連続する周波数帯域のインピーダンスを極めて効率的に測定し得る。
【0056】
さらにその他の実施形態において、上記のグリッドセンサは、位置指示装置としても動作するように構成され得る。かかる装置は、デスクトップ及びラップトップコンピュータにおいて使用される、周知のタッチパッド、トラックボール、マウスなどの機能を果たし得る。
【0057】
本実施形態の1つの実施例において、指先の隆起部分やへこみ部分を測定し得る二次元インピーダンスセンサは、指紋パターンの動きを追跡するように構成され得る。従来技術のスワイプ指紋センサは、かかる機能を果たし得るが、アレーの物理的な非対称性と、リアルタイムで画像を迅速に修正、つまり「再構築」する必要から、その実装は、最善のものでも扱いにくいものとなっている。また、センサは、指紋センサと高品質位置指示装置としての役割も兼ね得る。
【0058】
実施形態によって構成された1つの装置は、フレキシブル基板上にセンサラインの第一アレーと、フレキシブル基板上にセンサラインの第二アレーと、そして、センサラインの第一アレー及び第二アレーから指紋データを処理するように構成されたプロセッサとを含み得る。個別のセンサラインは、単一のフレキシブル基板の場合はそれ自体の上に折り畳まれて、または個別の複数のフレキシブル基板の場合は並置されると、電気的に短絡することなく互いにクロスオーバーして、指紋特徴が感知されるピクセルとしての機能を果たすクロスオーバー位置を有するグリッドを形成する。1つの実施形態において、ほぼ平行なセンサ駆動ラインのアレーは、フレキシブル基板の表面上に配置される。これらの駆動ラインは、信号をユーザの指の表面に順に送信して、ラインを一度に駆動するように構成される。センサラインの第二アレーは、第一アレーと同様に、駆動ラインに対してほぼ垂直な、ほぼ平行なセンサピックアップラインからなる。これらのピックアップラインは、第一アレーから送信された信号をピックアップするように構成される。
【0059】
例えば、センサライン、駆動・ピックアップラインの第一と第二の組がフレキシブル基板の拡大面の異なる部分に配置される構成において、フレキシブル基板は、それ自体の上に折り畳まれて、二重層を形成するようにさらに構成される。ここで、フレキシブル基板が、それ自体の上に折り畳まれると、センサ駆動ラインの第一アレーは、ピックアップセンサラインの第二アレーに対してほぼ垂直になる。この折り畳み処理は、センサラインの個別アレーが独立して動作するように、直接的に電気接触してはならないが、センサラインの個別のアレー間のクロスオーバー位置を作り出す。これらのクロスオーバー位置は、フレキシブル基板の表面に並置された物体のピクセルとそのサブの部分を感知するように構成されたインピーダンス感知電極対を示す。これらのピクセルのスキャンは、個々の行及び列を順に駆動することによって達成される。駆動信号によってひとたび駆動列が駆動されると、垂直のピックアップ行が、選択されたドライバの全長にわたって一度にスキャンされる。一度に1つの行しか電気的にアクティブとならないため(高インピーダンス)、非アクティブな行は短絡されて接地され、または、多重化されて信号がクロス結合しない状態になる。指の隆起部分をアクティブなアレーのクロスオーバー位置に載置すると、本来ならアクティブな駆動列から表面フィルムを通って選択された行ピックアップへと放射される電界の一部を遮断する。指紋センサの場合は、隆起部分やへこみ部分などの物体のサブの部分をインピーダンス感知電極対の上に載せると、その結果、いくつかの電界が人体を通って接地するため、ネット信号が減少する。指紋センサの場合、インピーダンス感知電極対上に指紋隆起部分/へこみ部分を載置すると、へこみ部分は、隆起部分が与えるよりも遥かに小さな程度に、選択された駆動ラインから選択されたピックアップラインへ電界の放射に影響を与える。ピクセル隆起部分とへこみ部分の間の信号の相対強度を比較することによって、指紋表面の二次元画像が作成され得る。
【0060】
再び図1を参照して、実施形態によって構成されるかかるセンサが、物体が単にユーザの指の指紋の表面である場合の指紋センサとして如何に実装され得るかを示すために、グリッドセンサの一般的な実施例を使用する。かかる実施例は、実施形態によって構成されるインピーダンスセンサの利益と新規な特徴とを示すために、以下の図面を通じて使用される。しかしながら、当業者は、任意の物体が、実施形態によって構成された装置によって感知され得る点を理解するだろう。繰り返すが、実施例と記載は例示目的のみを意図している。
【0061】
動作時に、センサは、センサ表面に近接する指の表面の存在を検出するように構成されることができ、その場合、駆動ラインが指の表面にアクティブな電磁界を駆動し、ピックアップラインが、ピックアップラインから合成電磁界信号を受信し得る。動作時に、駆動ラインは、指の表面に通す電界を生成することができ、指紋表面の隆起部分やへこみ部分など指紋の異なる特徴や、おそらくはヒトの皮膚の特徴などが合成信号を変化させることができ、指紋の特徴に関する情報を作り出す信号を解釈するための基準を提供する。
【0062】
指紋センサの1つの実施形態において、指紋センサとの関連で再び図1を参照すると、耐久性、低コスト、及び柔軟性といった有益性を実現するために、絶縁の誘電体層104として、フレキシブル基板が使用される。駆動ラインまたはプレート106a、106bは、フレキシブル基板の上に配置され、センサラインに、またはその周辺に配置された、隆起部分やへこみ部分などのユーザの指紋の特徴及び構造の表面へ信号を送信するように構成される。ピックアップライン102a及び102bは、ユーザの指表面から送信された信号を受信するように構成される。プロセッサ(図示せず)は、ピックアップラインから受信した信号に基づいて指紋画像を収集し保存するように構成され得る。
【0063】
図4は、基本的なセンサのセルの電界相互作用である。
【0064】
図4を参照すると、物体用センサとして構成されたセンサ400の1つの実施例は、上部プレートまたはピックアップライン402a、402b、...、402nが絶縁の誘電体層または基板404の一方の側に配置される。底部プレートまたはピックアップライン406a,406b、...、406nが絶縁の誘電体層または基板404の反対側に配置される。電界408a,408bは、底部プレートまたは駆動ライン406a,406bから絶縁層または基板404を通って、アクティブな上部プレート402aへ延在する。実施形態によれば、これらの駆動ラインは、障害となる一切の効果を減じるために、一度に駆動され得るが、ここで示される電界の効果は、物体によって一部または全部が吸収された電界と、物体によって吸収が全くなされていない電界との対比を示すことを意図している。この情報は、センサラインに近接した物体の特徴及び特性を感知するために、各クロスオーバー位置にて駆動・ピックアッププレート電極対から収集され得る。部分的に被覆された上部プレートまたはピックアップライン402bが電圧計417に接続され、被覆されていない上部プレート402aが電圧計418に接続される。アクティブな駆動ラインまたは底部プレート406bはAC信号源416に接続され、これにより電界がアクティブなプレート406bから放射される。特定のアプリケーションによれば、駆動ラインとピックアップラインの数はアプリケーションに応じて変化し得、また、希望されるコスト及び解像度に応じて変化し得る。理解され得るように、電界ライン408aは、駆動ライン402a,402bによって部分的に取得され、一部は、この場合指410である物体に取得される。また、物体や物体の部分が所定のクロスオーバー位置に存在するか、存在しないか、または近接するときに、駆動ライン及びピックアップラインが異なる読み込みを示すために、電圧計417は、上部プレートまたは駆動ライン402bへの応答を示し、電圧計418は、上部プレートまたは駆動ライン402aの応答を示す。電圧計418に対する電圧計417のふれの相違は、1つは指が存在する場合で、もう1つは存在しない場合の2つの電極対の位置の電界強度の差分を示す。
【0065】
図5を参照すると、実施形態によって構成されたセンサの別の実施例は、物体の存在を検知する際の駆動・ピックアップの構成である。センサ500が示されるが、その上部プレートまたはピックアップライン502a、502b、...、502nが絶縁層または基板504の一方の側に配置され、底部プレートまたは駆動ライン506a,506b、...、506nが絶縁の誘電体層または基板504の反対側に配置される。再び、ピックアップラインが、検出感度を最大限にするために、感知対象の物体に最も近い層上に示され、駆動ラインが基板の反対側に示される。電界508a,508bは、底部プレートまたは駆動ライン506a,506bから絶縁層または基板504を通って、アクティブな上部プレート502bへ延在する。おそらくは、上部に駆動プレートを有し、ピックアッププレートを底部に有するその他の構成も可能である。しかしながら、実施形態は、本明細書に記載した実施例や実施形態、特許請求の範囲と実質的には異ならない特定の構成に限定されない。
【0066】
図5は、ピックアップライン502b及び駆動ライン506bのクロスオーバーに位置する1つの選択された個別の電極対のスナップショットを示すが、この場合、残りのピックアップ及び駆動ラインはアクティブでなく、図5では接地されて示される。駆動ライン506bがAC電源516に接続され、ピックアップライン502bがアンプ/バッファー514に接続される。ここで示すように、ひとたび駆動されると、電界線508a、508bが生成され、それらは駆動ライン506bから放射され、ピックアップライン502bによって感知され、合成信号をアンプ/バッファー514に送り、その後アナログ及びデジタル機能によって処理される。非アクティブな隣接する駆動及びピックアップラインを接地することは、電界508a、508bをアクティブな駆動プレートとピックアッププレートの間のクロスオーバー位置にフォーカスさせ、感知される物体上の隣接領域からのクロストークを制限する。この実施例において感知動作が進行するにつれて、異なる駆動ライン/ピックアップラインクロスオーバーペアリングがアクティブにされ、物体からの異なるピクセルの情報を取得する。物体センサの場合、物体センサは物体の形状の情報を取得し得、その表面にわたって電気的特性が非均一なときは、物体の組成も取得し得る。繰り返しになるが、実施形態は、この特定の構成に限定されず、この場合、単一の電極対、複数の電極対、または全部の電極対さえも、異なる動作のために一度にアクティブにされ得る。実際には、近接したピクセル間で起こり得る障害を最小化するために、所定の時間にアクティブにされる電極対は全部よりも少数であることが望ましいかもしれない。1つの実施形態において、駆動ラインとピックアップラインがクロスオーバー位置でラインに沿って対になるときに、ピクセルのラインが駆動ラインとピックアップラインに沿って取得されるようにするために、駆動ラインが駆動され得、また、ピックアップラインは一度に1つまたは複数スキャンされ得る。このように、そして相変わらず図5を参照すると、AC電源516は、駆動ライン506bに接続されたままでよく、また、駆動ライン506bとクロスオーバーペアリングを行った別のピックアップラインから別の情報のピクセルが取得され得るように、アンプ/バッファー516の接続がシーケンスピックアップラインを循環させ、またはスキャンしてもよい。ひとたびほぼ全てのピックアップライン506aから506nがスキャンされると、駆動ライン506bが動作を停止し、その後別の駆動ラインが順にAC電源によってアクティブにされ、新たなスキャンがピックアップラインを介して開始し得る。フルのピクセルの二次元アレーを取得するために、ひとたびほぼ全ての駆動ライン/ピックアップラインのペアリングがスキャンされると、物体の形状のレンダリングや、可能性としての組成図など、物体の特徴及び特性の二次元画像が作成され得またはレンダリングがなされ得る。
【0067】
実施形態から利益を受け得るセンサのその他の実施例として、実施形態で提供されたものと同じ新手法を利用した、コストが削減された指紋スワイプセンサが構成され得る。この実施形態において、直交する駆動ラインの数は全部有するが、ピックアップラインの数が削減されたものが構成され得る。かかる構成は、疑似二次元センサの形態をとる複数ラインのスワイプセンサを作り出し、指がセンサ上をスワイプすると、部分的な画像または薄片のモザイクを作り出す。このことによる有益性は、迅速な検出を行うために1つのフル画像ラインと第二の部分的な画像ラインに依存する現在の非接触シリコンセンサにとっては問題の多い、画像再構築タスクの複雑さを軽減することであろう。
【0068】
トレードオフは、アレーをスワイプしなければならない指のスワイプ速度の変化に遅れをとらずについていくために、疑似二次元アレーが、遥かに高速でスキャンされなければならない点であろう。
【0069】
図6aと図6bは、指紋隆起部分またはへこみ部分などの物体の表面の特徴を検出する際のセンサの動作を示す。センサは、図5の前実施例と同一に構成されるが、この場合は、指紋などの、ざらつきのある表面と相互作用を及ぼし合う。
【0070】
図6a及び図6bを参照すると、実施形態によって構成されたセンサの別の実施例が示される。センサ600が示されるが、ここで、上部プレートまたはピックアップライン602aから602nが絶縁層または基板604の一方の側に配置され、底部プレートまたは駆動ライン606aから606nが基板604の反対の側に配置される。最大感度のために、ピックアップラインが感知対象の物体の最も近傍の層上に示され、駆動ラインが基板の反対側に示される。図6aは、近傍に配置された物体のへこみ部分と相互に作用し合うときの電界ライン620を示し、図6bは、底部プレート駆動ライン606bから絶縁層または基板604を通ってアクティブな駆動ライン606bに延在し、近傍に配置された物体の先端部分と相互に作用し合うときの電界ライン621を示している。指紋を感知する場合、対応する指紋表面の隆起部分とへこみ部分は駆動ライン/ピックアップラインクロスオーバー地点のグリッドによって取得され、合成データは指紋画像のレンダリングのために使用され得る。保存された指紋は、その後、取得された指紋と比較されて認証がなされ得る。これは、販売者から独立型の製品として入手可能な多くの指紋照合アルゴリズムのうちの1つを使用して達成される。かかる販売者には、ごく僅かな例を挙げるとDigital Persona, Biokey, Cogent Systemsなどがある。
【0071】
また、図6a及び図6bには、ピックアップライン602bと駆動ライン606bとが対になっている個別のセンサラインが示される。そのクロスオーバーは、アクティブな電極対を形成し、残りのピックアップラインと駆動ラインは非アクティブであり、電池スイッチによって名目上接地される。駆動ライン606bは、AC電源616に接続され、ピックアップライン602bは、アンプ/バッファー605に接続される。本明細書に記載するように、ひとたび起動されると、図6a、図6bにそれぞれ示すように、電界線620及び621が生成され、それらは駆動ライン606bとピックアップライン602bとの間に広がり、合成信号を送信するが、この合成信号はピックアップライン602b上に放射され、アンプ/バッファー605に接続し、その後アナログ及びデジタル処理回路によって処理されるものである。実施形態において感知動作が進むにつれ、異なる駆動ライン/ピックアップラインのクロスオーバー対が、物体から異なったピクセルの情報を取得するために起動され得る。指紋の場合であれば、指紋の異なる特徴及び特性についての情報及び指本体の情報さえも取得し得る。繰り返しになるが、実施形態は、この特別な構成に限定されず、単一の電極対、複数の電極対、または全部の電極対さえも、異なる動作のために一度にアクティブにされ得る。実際には、近接したピクセル間で起こり得る障害を最小化するために、所定の時間にアクティブにされる電極対は全部よりも少数であることが望ましいかもしれない。1つの実施形態において、駆動ラインとピックアップラインがクロスオーバー地点でラインに沿って対になるときに、ピクセルのラインが駆動ラインとピックアップラインに沿って取得されるようにするために、駆動ラインが起動され得、また、ピックアップラインは一斉に1つまたは複数スキャンされ得る。したがって、また、相変わらず図6aを参照すると、電源616は、駆動ライン606bに接続されたままでよく、また、別のピクセル情報が駆動ライン606bによって別の電極対から取得され得るようにするために、バッファー/アンプ605への接続が別のピックアップラインを循環させ、またはスキャンしてもよい。
【0072】
図6a及び図6bに示すスナップショットにおいて、駆動プレート606bは、全列のピクセルがスキャンされるまでは、AC信号源616によって励起されたままであり、一方で、分離の目的のため、未使用の駆動プレート(606a,606cから606nなど)は接地するように切り替えられる。同様に、1つの実施形態において、クロストークを最小化するために、単一のピックアップラインが一度にアクティブにされ、いくつかの、或いはほぼ全てのその他のピックアッププレートは、接地するように切り替えられる。
【0073】
スキャン処理は、図6a及び図6bに示すスナップショットを超えて継続し、次の列606cが順に起動される(なお、順序については任意である)。ひとたび、一連の全てのピックアッププレート602aから602nがスキャンされると、次の駆動ライン606dが起動され、最終的には全ての、或いはほぼ全ての駆動ライン606aから606nが順にシーケンスされる。ひとたび全ての駆動列が起動され、ピックアッププレートが各列に関してスキャンされると、駆動行の数にピックアップ列の数を乗算したのと等しいピクセルの完全な二次元アレーが収集され得る。10×10mmの、つまり100mm2のアレーを創出する500DPIのセンサは、40,000の個別ピクセルから構成される。アプリケーションに応じて、駆動ラインの全てが順に処理され得、または、そのうちのいくつか若しくはほぼ全てが順に処理され得る。
【0074】
再び図6a及び図6bについて述べると、2つの導電層である駆動層606とピックアップ層602が、電気絶縁層604によって分離される。この電気絶縁層604は、高周波電界が電気絶縁層604を透過できるように、1よりも高いDC抵抗ならびに高い誘電率を有する。1つの実施形態において、この層602は、それ自体にフレキシブルな片側性のフレキシブルプリント回路基板を折り返して載せている。別の実施形態において、層602は、両側性の回路基板を形成するために、2つの電気的にアクティブな層の間に誘電体層を配置することにより、作り出されている。
【0075】
図7は、各駆動/ピックアップのクロスオーバーにおけるセンサの電気的結合を示す集中回路構成要素によって表されたx−yグリッドのプレート行及び列の線図である。
【0076】
底部プレート701a,b,cなどは、スイッチマトリックス740aから740nを介してAC信号源716によって一度に駆動される。図7は、1つの駆動スイッチ740bがONの状態で対応するプレートを信号源に接続するスキャンのスナップショットを示す。これにより、AC信号にて、1次元におけるセンサ幅に等しいプレートの全長にわたって、1つの行740b全体が起動される。これに対応して、各列プレート703a,b,cなどは、絶縁層704及び結合コンデンサ761a,b,c・・・nを介してAC信号をピックアップする。1つのピックアッププレートのみがバッファー/アンプ716に切り替えられて一度にアクティブにされる。図7において、上部プレート702bが、アクティブなプレートとして示され、一方、全ての、或いはほぼ全てのその他のピックアップがスイッチマトリックス730aから730nを介して短絡されて接地され、こうして1つのx−yピクセルからの情報が取得される。
【0077】
単一の行は、スキャンされるピックアッププレート/列の総数を取得する限りにおいて、アクティブなままである。単位ピクセル当たりのスキャン時間は、動作周波数及び検出電子機器の整定時間に依存するが、従来技術のスワイプセンサにおいて一般的であるように、不必要に高速でスキャンする必要は無い。一方、従来技術のスワイプセンサは、20cm/秒よりも高速となり得る指の速さに対してサンプル不足によって情報を喪失しないように、極めて高速のピクセル速度でスキャンしなければならない。スワイプセンサと比較して取得速度が低下すると、アナログ電子機器の要件が緩和され、ホストプロセッサがリアルタイムで取得しなければならないデータ速度が大幅に低下する。これは、システムコストを軽減するばかりでなく、ホスト装置が遥かに少ないCPU電源及びメモリにて動作することを可能にする。これは、特に携帯機器にとって決定的に重要である。
【0078】
ひとたび、全ての行706bが、これに対応する全ての、或いはほぼ全てのピックアッププレート702aから702nによってスキャンされると、シーケンス中の次の行がスイッチマトリックス740によって起動される。この処理過程は、全ての或いはほぼ全ての行及び列がスキャンされるまで継続される。
【0079】
バッファーアンプ716に結合される信号の量は、絶縁体及び近接する指の隆起部分またはへこみ部分によって、どの程度の大きさの電気容量が形成されるかの関数である。これらの電界がどのように放射するかについての詳細な動作に関しては、図6a及び図6bに示されている。総結合容量は、所定厚さに対して定められる絶縁層容量704及び感知対象の物体の可変位相容量との一連の組み合わせである。このうち可変部分は、760aから760n、761aから761n、762aから762nなどの番号が付され、二次元アレーを形成する一連の可変容量として図7に示される。
【0080】
図8は、選択されたピックアッププレート(802aから802n)から信号を取得して、これをプレート805の基準信号から減算する差動アンプ880を使用する配置センサの実施形態の実施例を示す。これらの信号から電気的に減算することは、いくつかの機能を果たす。すなわち、第一に、広帯域コモンモードが差し引かれる。第二に、基準信号805から差し引くことは、理想的な隆起部分に相当する相対的な基準信号を提供する。第三に、指以外を経由して両プレートに結合するコモンモードキャリア信号も差し引かれる。ピックアッププレートにおけるエッチバリエーションの第一のオーダのキャリアのキャンセルは、センサに載置された指以外の手段によって結合されたキャリアを差し引くときにも起きる。これは、低コストで高容量を製造するうえで非常に重要である。
【0081】
基準プレート805は、意図的に間隔885によりピックアッププレート802aから802nより分離されて、センサの指が接触する領域外に配置される。間隔885は、通常50μmであるピックアッププレート間の公称間隔よりも遥かに大きい。実際上の実施形態では、プレート805は、指との接触を避けるために、その他のピックアッププレートから少なくとも500μm離して、ベゼルのプラスチックの下に配置される。
【0082】
ピックアッププレート802aから802nのそれぞれは、差動アンプ880に接続するピックアップスイッチ830aから830nを介して切り替えることにより順にスキャンされる。ピックアップ行全部のスキャン処理中は、差動アンプの陽極は、全てのピックアッププレートに対して同じ信号基準を提供するために、基準プレート805に接続されたままである。
【0083】
図9aは、ピックアッププレート行をスキャンするための単極双投スイッチつまりSPDTスイッチのバンクと、ピックアッププレート列を多重化するための単極単投スイッチのバンクを使用する位相における、配置センサのフロントエンドの1つの実施例の回路図を示す。
【0084】
図9aにおいて、スキャン処理が開始したときのアナログスイッチのスナップショットを示す。第一SPDTスイッチ1044aのみが“ON”の状態に示され、これにより、ピックアッププレート902aが、そのプレート信号を差動アンプ980に伝達可能になる。残りのピックアッププレートは、スイッチ944aから944nを介して短絡されて接地され、これらによって受信されたいかなるピックアップ信号も差動アンプ980に入らないようにしている。
【0085】
各SPDTは、実際上のスイッチでは完全な分離がなされないという事実のために、寄生容量945を有する。実際、スイッチポールをまたぐ並列コンデンサによって一般的に代表されるように、分離量は、周波数に伴って減少する。SPDTスイッチを使用することによって、個別のプレートがアクティブでない場合に、この容量を分路させ、接地させることができる。一般的には、500dpiセンサに対して200もの、ピックアッププレートの数に等しい多くのスイッチのアレーがあるために、この数によって実際のグラウンドへの分路容量が乗算される。したがって、所定のスイッチが0.5ピコファラッドの寄生容量を有し、200のピックアップがある場合、総分流容量は100ピコファラッドまで増大する。
【0086】
この大容量によってアクティブなピックアップから受信した信号の殆どがグラウンドへと逸れてしまうことを防止するために、この実施例では、補償回路を使用することが望ましい。このことは、共振インダクタ939を使用することによって、寄生容量945(スイッチ毎に1つ)及び同調コンデンサ934及び937とともに標準的なバンドパスフィルター回路を形成することによって達成される。同調コンデンサ934及び937が、差動アンプ980への正入力、負入力とも同じ駆動信号を使用して、インダクタ939によって個別に同調される場合に、2つのステップからなるヌル値・ピーク値のキャリブレーション処理手順が使用される。インダクタ1039と共振コンデンサ934、937によってそれぞれ形成された2つのバンドパスフィルターは、差動アンプ980からの信号がゼロのとき、同じ中心周波数に同調される。続いて、コンデンサ934、937及び、インダクタ939は、差動アンプ980への正及び負の入力につき、180°逆の位相を有する差動入力信号を使用して、ともに同調される。それらはロックステップにて、要求される駆動キャリア周波数が達成されるまでインクリメントされるが、これは、差動アンプ980の出力がピークのときに、中心周波数をキャリア駆動信号916の要求される周波数と同じにして起きる。
【0087】
システムの実装において、時間、温度に伴って、このフィルターがドリフトするのを最小化するために、キャリブレーションの手続きは、各指紋スキャンが行われる前に行われる。共振インダクタ939は、信号のノイズ比を最適化するために必要な、適切な帯域幅特性をフィルターに与えるために、少なくとも10のQ値すなわち品質係数を有する必要がある。
【0088】
図9bは、そのそれぞれが差動アンプを有する、まとめられたプレートの複数のバンクを採用する装置の別の実施例を示す。
【0089】
多数の並列ピックアッププレートをそれぞれが少数のプレートを含むグループに分けることは、寄生スイッチ容量が大幅に減少するため、フロントエンドにおいて同調されたバンドパスフィルターの使用を必要としない、別のアーキテクチャである。このことは2つの有利な可能性を有するだろう。第一に低コスト、第二に、周波数アジャイルなフロントエンドを有することができる点である。この図において、バンク907aの第一スイッチ944aがアクティブなフロントエンドのスナップショットが示される。その他の全てのスイッチバンク907aから907nは、その各々のプレートが短絡され接地されて、非アクティブな状態に示される。したがって、電圧または電流差動アンプ980aのみがそこにプレート信号を導通させ、電圧または電流差動アンプ980bから980nは、そのそれぞれのスイッチ945aから945n及び945rを通してその正及び負の入力を接地させ、それらのバンクからの信号が全体の出力量に影響を及ぼさないようにしている。
【0090】
差動アンプ980aから980nのそれぞれは、レジスタ987aから987nを通して総和されて、総和アンプ985に入る。このスナップショットにおける差動アンプ980aのみがその中に信号をルーティングさせ、独立して総和アンプ985に入力する信号を作り出している。かかる処理過程は、全てのアレー内の、全ての、または、ほぼ全てのスイッチバンク907aから907n、スイッチプレート944aから944n、945aから945nなどが完全にスキャンされるまで順番に反復される。
【0091】
ピックアップアレーを分割することにより、各プレートの容量入力負荷は、全アレーのスイッチの容量入力負荷から所定のプレートグループ内のスイッチ数へと軽減する。例えば、潜在的な196のピックアッププレートを14のバンクの14のプレートに分割すると、結果として容量負荷は、14スイッチ(944)の寄生容量と同じになり、これに差動アンプの負荷容量を加えたものとなる。アナログスイッチ944が極めて低い寄生容量にて構成されると、全入力の負荷は十分小さく、負荷容量を共振させるためのフロントエンドのバンドパス回路を必要としない。集積回路の製造技術が改善されると、より小さな寄生容量の、より小型のスイッチの設計が可能となり、同手法をより魅力的なものにする。
【0092】
図9cは、二段式の差動アンプに多重化される個別のプレートバッファーを使用するフロントエンド回路の別の実施例を示す。
【0093】
図示されているバッファー982aから982nは、極めて低い入力容量を有するように設計された特別のバッファーである。1つの実施形態において、これらのバッファーは、ゲート・ドレイン間のミラー容量とダイ領域を最小化するために、一段式の直列のアンプとして構成され得る。プレート間の分離をより最大にするために、各入力用に2組のスイッチが使用され得る。各選択されたバッファーを差動アンプ980に多重化するために、アナログスイッチ930aから930nが本実施例に含まれる。選択されないその他全ての入力バッファーに対して同時にシャットダウンするためにスイッチ932が含まれる。このことはバッファーを効果的に接地電位にする。別の実施形態は、未使用のプレートを直接接地させるために各アンプの前に入力アナログスイッチを設置することであろう。この手法の1つの効果は、各プレートの入力負荷容量の増大であろう。
【0094】
図9cは、上部プレート902aが、スイッチ932aを介して電力を供給されたバッファー982aによって感知されるスキャン処理のスナップショットを示す。アナログスイッチ930aは閉じられて、差動アンプ980にルーティングされる。その他の全てのバッファー出力は、アナログスイッチ930bから930n及び電源スイッチ982bから982nを介して差動アンプ980から切断される。
【0095】
差動アンプ980への正入力は、常に基準プレート902rに接続され、「エアー」信号基準をアンプに提供する。差動アンプ980は、「エアー」基準キャリア値を提供することに加え、ノイズ及びコモンモードキャリア信号を除去する役割を果たす。
【0096】
図10は、伝統的なアナログ受信器技術を実装した配置センサの特定の実施形態を示す。アナログフロントエンドは、差動アンプ1080とともに開始し、そこでは、指が接触しない領域に配置されて、理想的な指のへこみ部分に相当する基準信号を提供する基準プレート1005から選択されたピックアッププレート1002aから1002nが差し引かれる。プログラマブル利得ステージすなわちPGA1090は、差動アンプ1090に続くが、同じブロックに一体化されることができ、単段の中で利得と減算の両方を提供する。PGA1090は、プレートエッチングにおける製造バリエーションと層間のソルダーレジストの厚さとを補償するのに十分に広い利得範囲を有するように設計される。
【0097】
制御プロセッサ1030は、二次元センサプレートアレーのスキャンを統合する。駆動プレート/行1002aから1002nは、制御プロセッサ1030における駆動プレートスキャン論理回路1040によって順にスキャンされる。選択された駆動プレートが起動されると、かかる駆動プレートは、キャリア信号源1016に接続される。全ての非アクティブな駆動プレートが接地点に接続される。シーケンス中の次の駆動プレートを起動する前に、アクティブな駆動プレートは、ピックアッププレートの全ての行1002aから1002nがピックアッププレート論理回路1045によってスキャンされるまで十分長くとどまる。
【0098】
アナログミキサ1074は、基準キャリア1013に対して利得アップしたプレート信号を多重化する。その結果は、複数のキャリア周波数におけるベースバンドと高調波の生成物の標準的なスペクトルである。アナログ低域フィルター1025が、望ましくない高調波を除去するために採用され、また、ベースバンド情報を喪失することなく第二高調波に関連する情報を減衰させるため、十分に強い役割を果たすことが要求される。
【0099】
低域フィルターの後には、ナイキスト基準を満たすために少なくとも2倍のピクセル速度でサンプリングを行わなければならないA/Dコンバータ1074が続く。メモリバッファー1032は、ホスト制御装置の最悪の場合のレイテンシーについていくために十分なサイズのA/Dサンプルを局所的に保存する。A/Dサンプル制御ライン1078は、プレートの行及び列のシーケンス処理によって作られた、シーケンシャルピクセル情報をコンバータが取得するために、サンプルクロックを提供する。
【0100】
図11は、直接的なデジタル変換受信器の技術によって実装された配置センサの1つの実施形態の1つの実施例を示す。この実施例において、アナログのフロントエンドは、差動アンプ1180とともに開始され、そこでは、指と接触しない領域に配置され、理想的な指のへこみ部分に相当する基準信号を提供する基準プレート1105から選択されたピックアッププレート1102aから1102nが差し引かれる。これらの信号から電気的に減算することは、いくつかの機能を果たす。すなわち、第一に、広帯域コモンモードが差し引かれる。第二に、基準プレート1105から差し引くことは、理想的な隆起部分、へこみ部分に相当する相対的な基準信号を提供する。第三に、指以外を経由して両プレートに結合するコモンモードキャリア信号も差し引かれる。コモンモードの除去は、高RFノイズ環境においては、特に重要である。ピックアッププレートにおけるエッチバリエーションの第一のオーダのキャリアのキャンセルは、センサに載置された指以外の手段によって結合されたキャリアを差し引くときにも起きる。これは、低コストで大量製造するうえで非常に重要である。
【0101】
プログラマブル利得ステージすなわちPGA1190は、差動アンプの後に続き、現在の集積回路設計において一般的になされているように、プログラマブル利得を含む単段の差動アンプと容易に一体化され得る。PGA1190は、プレートエッチングにおける製造バリエーションと層間のソルダーレジストの厚さとを補償するのに十分に広い利得範囲を有するように設計される。
【0102】
制御プロセッサ1130は、二次元センサプレートアレーのスキャンを統合する。駆動プレート/列1102aから1102nは、制御プロセッサ1130における駆動プレートスキャン論理回路1140によって順にスキャンされる。選択された駆動プレートが起動されると、かかる駆動プレートは、キャリア信号源1116に接続される。全ての非アクティブな駆動プレートが接地点に接続される。シーケンス中の次の駆動プレートを起動する前に、アクティブな駆動プレートは、ピックアッププレートの全ての行1102aから1102nがピックアッププレート論理回路1145によってスキャンされ、A/Dコンバータ1125によって取得されるまで十分長くとどまる。
【0103】
A/Dコンバータ1125は、ナイキスト基準を満たすために少なくとも2倍のキャリア周波数でサンプリングされる。A/Dサンプル制御ライン1107は、コンバータがプレートの行及び列のシーケンス処理によって作られた、シーケンシャルピクセル情報を取得するために、サンプルクロックを提供する。
【0104】
A/Dコンバータの次は、デジタル制御された発振器1110によって生成された基準キャリアに対するキャリア周波数であるA/D出力をデジタルに多重化するデジタルミキサ1118が続く。その結果、信号が低い周波数に変換されてキャリアの除去されたベースバンドになる。その他、かかる処理過程において作り出される望ましくないスペクトル構成要素すなわち、ダブルタイムキャリアサイドバンドなどがあるが、これらは容易に除去され得る。
【0105】
デジタルミキサ1118の後は、デシメータとデジタルフィルターの組み合わせ1120が続く。このブロックは、サンプリングダウン変換を行い、サンプリング速度をキャリア周波数の少なくとも2倍の速度から、これより遥かに低いピクセル速度の少なくとも2倍の速度に減じる。一般的にデジタルフィルターは、直列積分コムフィルタ、つまり、CICフィルターを含み、これは、混合による望ましくないスペクトル副産物を除去するほか、ノイズに対する受信信号を改善する。CICフィルターは、デジタルミキサで信号を混入してベースバンドにした後、狭い帯域のフィルターを作り出す上で効率の高い手法を提供する。CICフィルターは、帯域の下垂を修正するためにより遅いデシメート速度で動作するFIRフィルターに追従されてもよい。
【0106】
100:1のオーダのサンプリング速度の低下に伴って、比較的小さな制御プロセッサバッファー(1132)が指紋全体を取得するために使用され得る。例えば、40kのピクセルを作り出す200×200のアレーが40kbバッファー中に保存され得る。これは、最速の許容可能なスワイプ速度についていくために、通常200msという十分速い速度で部分的画像フレームをスキャンしなければならないスワイプセンサと対照的である。同時に、最速のものと比較してその10倍のメモリ容量を必要とする2秒という遅いスワイプも受け入れなければならない。保存前に不必要なサンプルラインを除去する様々な技術が開発されてきたが、スワイプセンサ用には、リアルタイムの保存要件でさえも遥かに大きいものとなっている。メモリ容量に限界があるマッチ・オン・チップアプリケーションにおいて、これは決定的に重要な要因である。加えて、配置センサには、リアルタイムのデータ取得や、ユーザが定位置に指を置き続けるという辛抱を超えるホストプロセッサに対する処理要求がない。
【0107】
図12及び1つの実施形態によって構成されるセンサレイアウト1200の実施例を参照すると、半導体業界でチップオンフレックス(CoF)として知られる構成が示される。チップオンフレックスとは、プロセッサチップがKapton(商標)テープなどのフレキシブル基板に取り付けられ、フレキシブル基板に配置された導電線や、おそらくはその他の構成要素と電気的な接続が行われる構成である。図示した実施例は、シリコン基板上に形成された論理回路であってもよい集積回路1210、マイクロプロセッサ、またはセンサ回路から取得されたピクセル情報を処理するためのその他の回路を示している。
【0108】
指紋センサまたはその他の配置センサとして構成される場合は、集積回路1210は、以下の図16に記載する機能の全てまたは一部を実現する混合信号チップであってもよい。1つの実施形態において、集積回路1210は、駆動・ピックアップラインの200×200ラインアレーを駆動するために十分な入力、出力を有し、駆動及びピックアップラインのいずれかをより多く或いはより少なく有し得る。上部層1220は、集積回路1210に直接接続されたピックアップラインのアレーによって形成される。これは、ボンドワイヤなしにフレキシブル基板に直接取り付けられるフリップチップであってもよい。この実施例において、底部層は、折り畳み軸1230に沿って単一層自体を折り返すことによって形成され、二重層のアクティブなセンサ領域1255を作り出す。駆動ラインは折り畳まれて底部層1225を作り出す。この実施例における駆動ラインは、レイアウトのバランス上、それぞれ左のグループ1240、右のグループ1242に分割されるが、感知領域の左側か右側に全部を配置することもできる。左の駆動プレートバンドル1240と右の駆動プレートバンドル1242とは左右交互の動力供給によって互いに組み合わさって底部層1225上に連続的なラインアレーを形成する。
【0109】
フレキシブル基板ベースのコネクタ1235は、電力を送り、接地させ、インターフェース信号を外部ホストまたは図16に示し以下で記載するようなシステムレベル構成要素を含む、その他の基板に送り出す。これらの構成要素は、メモリや、埋め込み照合アルゴリズム及び暗号化/復号機能を有する論理回路を有するプロセッサを含むが、これらに限定されない。その他の実施例において、コネクタ1235は、或いは異方性導電膜として知られる導電接着剤(ACF接着剤)を使用してホスト基板に取り付けられ得、いくつかの製品においては「高密度」として表示され得る。
【0110】
図13aを参照すると、フレックスなレイアウト構造1300が図示される。図示されているように、フレックスなレイアウト構造1300は、画像領域1350を含み、その中で駆動ラインがピックアップラインとのクロスオーバー位置を形成し、クロスオーバー位置は上部層1370を底部層1372の上に折り畳み、フレキシブル基板をそれ自体の上にフレックス曲げ半径1374周囲で折り畳んで形成される。側面からみると、上部のフレキシブル基板1364は、上部ソルダーレジスト1362上に積層され、上部ソルダーレジスト1362は、上部の銅線またはピックアップライン1360上に積層される。底部層ソルダーレジスト1370は、上部銅線1360の下に折り畳まれ、底部銅線1372はソルダーレジスト1370の下かつ底部フレックスの上に形成される。
【0111】
図13bを参照すると、図13aのフレックス層構造1300を取り付けるためのモジュール構造1301の1つの実施例が示される。当業者は、特定のモジュール構造が実施形態によって変化し得ること、及び、この実施例は、実際の実装を行うために使用され得るモジュールのほぼ完全な実施例を示してはいるものの、あくまでも1つの実施例にすぎず、実施形態をいかなる方法によっても限定することを意図したものではなく、また、限定して考えてはならないことを理解するであろう。実施例の構造1301は、フレックスな上部層1370を、駆動ラインとピックアップラインのアラインメントを確保するために構成されたフレックス位置決めピンまたはプラスチック製のフレーム1337を有するその上部層で受け取る硬質基板1330を含む。感知電極対は、2つの層上で駆動・ピックアップラインのクロスオーバーによって形成されるため、x−yアラインメント公差の要求は、2つの層間で照合されるべき特徴がある場合に要求されるサブピクセルのアラインメント公差ではなく、いくつかのピクセルオーダーとなり得る。各層上の4つの取り付け穴(1337)は、角度アラインメント及びx−yアラインメントを確保するために十分である。駆動チップ1310と画像領域1350も示されている。
【0112】
図14を参照すると、実施形態により一般的に構成されるセンサシステム1402を組み込んだ実施例のシステム1400が例示されている。センサ装置は、システムに組み入れられ得るし、或いは独立型の製品として構成され得る。独立型の製品として、センサ構成要素は、筐体(図示せず)に収容されることができ、電気接続は、装置またはかかる装置を利用するシステムと接続するために曝露され得る。当業者は、本明細書に記載する実施形態によって構成されるセンサが異なる産業セクターで広範に使用されている筐体にどのようにして組み込まれ得るかを即座に理解するであろう。従って、例えば、システムにおいて、機械的な接続、設計、及び構造が、特定のアプリケーションのために必然的に変化し得る。例えば、指紋センサとしての使用のためにラップトップに組み込まれると、表面取り付けモジュールが、センサグリッドラインをユーザに曝露するために採用される必要があるだろう。携帯電話や携帯情報端末(PDA)などに組み込まれる場合は、センサの動作能力を提供しつつ特定の装置設計に適合させるために、別種の取り付けモジュールが、必要となるだろう。再び、図14は、図示されてはいないが、実施形態によって構成された、上部層1406と底部層1408を有し、アプリケーションに応じてそれぞれピックアップラインかプレート及び駆動ラインかプレートを有し、折り畳んだフレキシブルまたは硬質な基板1404を有するセンサ1402を組み込んだシステム1400を図示するものである。二次元感知領域1411が上部に物体1410を伴って示されているが、ここでの物体は、指紋センサの場合、指とすることができ、その他のアプリケーションの場合はその他の物体とすることができる。上部層のピックアッププレートまたはライン(図示せず)は、受信した合成信号を送るために通信リンク1412を介して上部プレート処理回路1410と通信する。駆動ラインまたはプレートは、本明細書では図示していないが底部層1408に配置され、通信ライン1416を介して底部プレート処理回路1414から駆動信号を受信する。上部プレート処理回路1410は、ピックアッププレートまたはラインから受信した合成信号を受信し、増幅し、及び/またはバッファーリングし、或いは保存するように構成されたフロントエンドバッファー及びアンプ1416を含む。図9に示すようなスイッチアレー1418が、フロントエンド1416から信号を受信し、切り替え信号をデジタル信号に変換するために、アナログ・デジタル(A/D)コンバータ1420に送信するように構成される。デジタル信号プロセッサ(DSP)1422は、A/Dコンバータ1420からデジタル信号を受信し、送信のために信号を処理するように構成される。
【0113】
底部プレート処理回路1414は、センサ基板1404の底部層1408上の駆動プレートまたはラインによる使用のための駆動回路を作り出すように構成され、信号を作り出すためのドライバ及びスキャン論理回路1424と、駆動信号が設定されている周波数をプログラマブルに設定するプログラマブル周波数発生器1426とを含む。底部プレート処理回路1414は、通信リンク1428を含み、同様に、上部プレート回路は、プロセッサ、メモリモジュール、及びその他の構成要素などと、システム間で通信を送受信するためのシステムバス1432と通信するための通信リンク1420を有する。システムバス1432は、アルゴリズム1428、アプリケーションソフトウェア1440、テンプレート1442、及びその他プロセッサ1444によって永続的に頻繁に使用されるためのコードを保存するために、通信リンク1436を介して永続性メモリ1434と通信する。プロセッサ1444は、システムバスから受信され、センサ1402から派生した信号を処理するための論理回路とその他の電気回路を有するプロセッサ論理回路と、プロセッサと協働して基本的及び複雑な演算を行うための論理回路によって構成される数値演算ユニット1450を含む。プロセッサメモリ1452は、例えば計算結果を保存、及びその後の計算のための読み出しのためなど、プロセッサ1444の局部的保存のために構成される。
【0114】
動作時、駆動信号は、プロセッサ1444によって制御され、底部プレート処理回路1414からの駆動信号のパラメータが、プロセッサ1444によって底部プレート処理回路1414内に設定される。駆動信号は、発生器1426内に設定されたパラメータ内の論理回路1424によって生成され、通信リンク1416を介して底部プレート1408へ送信される。これらの信号は、感知領域1411周辺の上部層1406上のピックアップラインへと延在する電磁場を生成する。これらの信号は、(図示しないが、上述した)センサグリッド上の異なるピクセル電極対を通って循環され、これらの電磁場のいくつかは、物体1410(例えば、指紋など)によって吸収される。合成信号が(図示しないが、上述した)感知領域1411周辺の上部層1406上のピックアッププレートまたはピックアップ回路によってピックアップされる。その後、合成信号は、通信ライン1412を介して上部プレート処理回路1410に送信され、信号が処理され、さらなる処理のためにメモリ装置またはプロセッサ1444へ送信される。ひとたびドライバとスキャン論理回路がグリッドセンサ上のピクセルを循環すると、物体の特徴、特性に関するデータがシステムによって明確化され、利用され得る。例えば、指紋センサシステムにおいて、画像は保存された指紋画像と比較され得る指紋画像とすることができ、照合すれば、ユーザの認証に使用され得る。
【0115】
図15は、実施形態によって構成された装置が、指紋感知アプリケーションにどのように応用されるかを示す。ユーザは、指紋(1510)のついた指を、駆動プレート(1506aから1506n)とピックアッププレート(1502aから1502m)とのクロスオーバー位置によって形成されたセンサグリッドの上に置く。画像ピクセル1561が、駆動プレート1506aとピックアッププレート1502aの電極対の上の指紋領域を感知し、ピクセル1561aが、駆動プレート1506nとピックアッププレート1502aのクロスオーバーを感知し、ピクセル1562nが、駆動プレート1506nとピックアッププレート1502mのクロスオーバー上の領域を感知する。
【0116】
図16は、図11及び図14に示す実施形態を使用した、図15に示す指紋画像を収集するために要求されるステップを示す。画像取得は、ステップ1601にて開始する。初期化の一部として、ステップ1602において行カウンタを1に初期化する。ステップ1603は、行スキャンシーケンスの開始である。各行の開始において、列カウンタがステップ1603にて1に設定される。ステップ1604において、上部プレートスキャン論理回路1145は、選択された行のための適切なアナログスイッチ(1103aから1103nの中から1つ)を起動する。ステップ1605において、個別のピクセルの感知は、底部プレートスキャン論理回路1140が、キャリア信号1116により適切な駆動プレート(1106aから1106nの中から1つ)を起動するときに開始する。ステップ1606において、プログラマブル利得アンプ1190による処理の後、異なるアンプ1180からの信号が、A/Dコンバータ1125によって、反復してサンプリングされる。デジタルミキサ1118がサンプルを混入して、デジタル発振器1110によって設定されたベースバンド周波数にする。その後、ベースバンド信号がデジタルデシメートフィルター1120によってフィルタリングされて、現在のピクセルの信号レベル値を生成する。図11の実施形態においてこのステップのために行われる機能は、代替的に、図10に示す、対応するアナログ受信器や、その他の機能的に類似する配置によって行われ得る。ステップ1607において、ステップ1606において得られた信号レベル値は、現在選択されている行及び列に対応するメモリバッファー1132の適切な位置に保存される。ステップ1608において、列数がインクレメントされ、ステップ1609において、現在の行の収集が完成したか否かを決定するために列数をチェックする。行が未完成の場合、ステップ1605に戻って行中の次のピクセルを収集する。行が完成した場合、ステップ1610に進んで行数をインクレメントする。ステップ1611において、全ての行がスキャンされたか否かを決定するために、行数をチェックする。全ての行がスキャンされていない場合は、フローはステップ1603に戻って最初の列に戻って次の行を開始する。ひとたび全ての行がスキャンされると、画像取得が完成し、ステップ1612に進み、この時点で画像は、長期間の保存のためのさらなる処理または転写の準備が整ったことになる。
【0117】
当業者は、行と列のスキャンのオーダは、いくつかの実装ではインターリーブモードでより最適にサンプリングできる場合があるため、アレー中の物理的な位置に直接的に対応するものでなくてもよい点を認識するだろう。
【0118】
図17は、図14に示す実施例の1つであるユーザ認証アプリケーションの例である。ステップ1701において、プロセッサ1444上のシステムレベルアプリケーション1440は、ユーザ認証を必要とする。ステップ1702において、ユーザは認証のために指を提供するよう促される。システムは、ステップ1703において、検出対象の指が存在するようになるまで待機する。これは、図16に示すような大きさを縮小した画像を収集し、指の画像を検査することによって、或いはその他の専用ハードウェアを介して行われ得る。ひとたび、指の存在が検出されると、ステップ1704において、図16に記載の方法またはその他のこれにほぼ類似する方法を用いて、完全な画像が収集される。その後、この画像は保存され、ステップ1705において、図17Bに示すような、一般的には特徴点の位置及び種類(分岐点1710や端点1711など)のマップや、おそらくは隆起部分の頻度や向き、或いはそれらのいくつかの組み合わせから構成される、テンプレート1712に変換される。ステップ1707において、テンプレートはその後、ステップ1706における永続性テンプレートメモリ装置1142から検索された1または複数の登録テンプレートと比較される。照合で一致が判明すると、ユーザは、ステップ1708において認証され、アプリケーションへのアクセスが許可される。照合で一致しないと判明すると、ユーザはステップ1709で拒絶され、アクセスが拒否される。
【0119】
特定の例示的な実施形態が記載され、また、添付の図面において示されたが、かかる実施形態は単なる例示にすぎず、広い実施形態を限定するものではない点が理解されるべきであり、また当業者は様々なその他の変形に想到し得るから、かかる実施形態は図面において示され、明細書において記載された具体的な構成や配置に限定すべきものではない点が理解されるべきである。したがって、実施形態の精神と範囲を逸脱することなく、回路を形成するためのその他の配置及び/または多種多様な分量、接続、トランジスタの配置や数量、がなされ得、また、その他の特徴や機能が発生し得る。同様に、本明細書で明示されていない構成要素は、実施形態の精神と範囲を逸脱することなく、この実施形態の様々な実施形態に含められ得る。加えて、この実施形態の様々な実施形態における特定の構成要素を創作するために行われると記載された異なる処理過程のステップ及び集積回路製造作業は、当業者にとって明らかであるように、実施形態の精神と範囲を逸脱することなく、本明細書に明示されていない異なる構成要素または構成要素の異なる構成を全体的或いは部分的に創作するために容易になされ得る。したがって、明細書及び図面は、限定的な意味合いにおいてではなく、例示的な意味合いにおいて解釈されるべきである。
【0120】
特定の例示的な実施形態が記載され、添付の図面において示されたが、かかる実施形態は広い実施形態中、単に例示的なものであり、限定的なものではない点が、理解されるべきであり、当業者は様々なその他の変形に想到し得るから、かかる実施形態は図面において示され、明細書において記載された具体的な構成や配置に限定すべきものではない点が理解されるべきである。したがって、明細書及び図面は、限定的な意味合いにおいてではなく、例示的な意味合いにおいて解釈されるべきである。
【0121】
再び、本発明は、多くの領域におけるアプリケーションを有し、特に、生体認証機能を有するセンサにおけるアプリケーションを有している。例えば、指紋センサ及びその他の生体認証機能を有するセンサは、安全性及び利便性の理由から広範なアプリケーションにおける使用が数多く受け入れられ始めている。実施形態に基づく装置、システム、及び方法はシステムコストを引き上げることなく、生体認証処理過程の安全性を改善するだろう。さらに、実施形態は、構成要素の認証から利益を受ける装置、システム、及び方法へと拡張し得る。上記のように、実施形態は、ホスト及びセンサが上記構成要素の任意の組み合わせまたは部分を含み得るものであり、かかる形態は、システムが意図するアプリケーションに最適の手法で配置され構成され得る。当業者は、本明細書に記載された構成要素の異なる組み合わせや置換が、実施形態の精神と範囲から逸脱することなく可能である点を、また、かかる実施形態の精神と範囲は、添付の特許請求の範囲とその均等物によって定義され、また、将来、関連出願において提示される特許請求の範囲とその均等物によって定義される点を理解するであろう。
【0122】
実施形態には、マイクロプロセッサなど、コンピュータプロセッサによって行われる多くの機能も含まれる。マイクロプロセッサは、実施形態に具現される特定のタスクを明確にする、機械可読なソフトウェアコードを実行することによって、実施形態に基づいて特定のタスクを遂行するように構成された、専門の、或いは専用のマイクロプロセッサとすることができる。マイクロプロセッサは、ダイレクトメモリアクセスモジュール、メモリメモリ装置、インターネット関連のハードウェア、及び実施形態に基づいたデータ送信に関連するその他の装置など、その他の装置とともに作動し、これらと通信するように構成されてもよい。ソフトウェアコードは、Java、C++、XML(拡張マークアップ言語)、及び実施形態に関連する機能操作を実行するために必要な装置の動作に関連する機能を明確にするために使用され得るその他の言語などのソフトウェアフォーマットを使用して構成され得る。前記コードは異なる型及びスタイルにて書かれ得るが、その多くは問う業者に知られている。異なるコードフォーマット、コード構成、ソフトウェアプログラムのスタイル及び型、及びその他、実施形態に基づいてマイクロプロセッサの動作を明確にするためのコード構成手段は、実施形態の精神と範囲から逸脱しないだろう。
【0123】
ラップトップ若しくはデスクトップコンピュータ、プロセッサや処理論理回路を有する携帯装置、及び、おそらく、コンピュータサーバまたは実施形態を利用するその他の装置などの異なる種類の装置において、実施形態に基づいて機能する一方で、情報を保存し、検索するための異なる種類のメモリ装置が存在する。しばしば、キャッシュメモリ装置が、かかる中央演算処理装置用の使用のためのコンピュータ内に、頻繁に保存され、検索される情報の便利な保存場所として含まれる。同様に、永続性メモリも、中央演算処理装置によって頻繁に検索されるが、キャッシュメモリとは異なり、永続性メモリ内で頻繁に変更がなされない情報を維持するため、コンピュータにより頻繁に使用される。メインメモリも、中央演算処理装置によって実行されると、実施形態に基づいて機能を果たすように構成されたデータやソフトウェアアプリケーションなど、より容量の大きい情報を保存し、検索するために、通常において含まれる。メモリ装置は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、フラッシュメモリ、及び情報を保存し、検索するために、中央演算処理装置によってアクセスされ得るその他のメモリ保存装置として構成され得る。データ保存及び検索動作中、これらのメモリ装置は変形されて、異なる電荷、異なる磁気極性などの異なる状態を有する。したがって、本明細書に記載された実施形態に基づいて構成されたシステム及び方法は、これらのメモリ装置の物理的な変形を可能にする。したがって、本明細書に記載された実施形態は、1つまたは複数の実施形態において、メモリ装置を異なる状態に変形し得る、新規かつ有用なシステム及び方法に関するものである。実施形態は、特定種類のメモリ装置や、これらのメモリ装置へ情報を保存し、これらのメモリ装置から情報を検索する一般的な手順に限定されない。
【0124】
「機械可読媒体」の用語は、1組または複数組の命令を保存する単一の媒体または複数の媒体(例えば、集中型若しくは分散型のデータベース及び/または関連するキャッシュならびにサーバ)を含むものととらえるべきである。「機械可読媒体」の用語は、機械による実行のための1組の命令の保存、暗号化、または移動が可能な媒体であり、機械に本実施形態の任意の1つまたは複数の方法を実行させる任意の媒体も含むものととらえるべきである。機械可読媒体は、機械(例えば、コンピュータ、PDA、携帯電話など)可読形式で情報を提供(即ち、保存及び/または送信)する任意のメカニズムを含む。機械可読媒体は、例えば、メモリ(上記のようなもの);磁気ディスク記憶媒体;光記憶媒体;フラッシュメモリ素子;生物学的、電気的、機械的システム;電気的、光学的、音響学的、またはその他の形式の伝搬された信号(例えば、搬送波、赤外線信号、デジタル信号など)を含む。装置または機械可読媒体は、微小電気機械システム(MEMS)、ナノテクノロジー装置、有機メモリ装置、ホログラフィックメモリ装置、固体メモリ装置及び/または回転磁気ディスク若しくは回転光ディスクを含み得る。装置または機械可読媒体は、例えばコンピュータの相互接続や、異なる仮想メモリ装置など、命令が分割されて異なる機械になされるときには、分割され得る。
【0125】
特定の例示的な実施形態が記載され、添付の図面に示されたが、かかる実施形態は単に例示的なものであり、広い実施形態を限定するものではない点が、また、この実施形態は当業者がその他の種々の変形を想到し得るため、図示され、記載された具体的な構成及び配置に限定されるものではない点が理解されるべきである。したがって、明細書及び図面は、限定的な意味合いにおいてではなく、例示的な意味合いにおいて解釈されるべきである。
【0126】
明細書中、「1つの実施形態(an embodiment)」、「1つの実施形態(one embodiment)」「いくつかの実施形態」または「その他の実施形態」への参照は、こうした実施形態と関連して記載された特定の特徴、構造、または特性が、少なくともいくつかの実施形態に含まれているが、必ずしも全部の実施形態に含まれてはいないことを意味する。様々な形態で現れる「1つの実施形態(an embodiment)」、「1つの実施形態(one embodiment)」または「いくつかの実施形態(so−me embodiments)」は、必ずしもその全てが同一の実施形態を参照しているものではない。明細書が、構成要素、特徴、構造、または特性について言及する場合、特定の構成要素、特徴、構造、または特性が含められる必要のない“may”、“might”または“could”が使用される。明細書や特許請求の範囲において、「1つの(a)」エレメントまたは「1つの(an)」エレメントについて参照している場合は、エレメントの中のただ1つを意味しない。明細書や特許請求の範囲において、「1つの追加的」エレメントについて参照している場合は、複数の追加的エレメントがあることを排除するものではない。
【0127】
方法、システム、及び装置は、生体認証機能を有するシステムに対する新規な手法によって改善された、安全性動作と構造を含む。かかるシステムは、特に金融取引において安全性の特徴を増大させ大いに利益をもたらすであろう。この実施形態は、装置、システム、及び指紋センサなどの生体認証機能を有する装置の認証に関連する方法について記載され図示されているが、実施形態の範囲は、かかる機能が有用であるその他のアプリケーションにも拡張する。さらに、上記の記載が実施形態の特定の実施形態を参照してなされたが、これらは単なる実施形態の例示であり、実施形態の原理から逸脱することなくこれらの実施形態に変更がなされ得、実施形態の範囲は添付の特許請求の範囲ならびにその均等物によって定義される点が認識されるであろう。
【技術分野】
【0001】
(本文中に技術分野に該当する記載なし)
【背景技術】
【0002】
本実施形態は、一般的に電子感知装置に関し、より具体的には、センサ近傍またはセンサ周辺の物体を感知するためのセンサに関する。
【0003】
電子センサ市場において、所定の場所にある物体を感知するための様々なセンサが存在する。かかるセンサは、センサ近傍または周辺の物体の存在を感知するために、物体の電子的な特徴、物体の物理的な特徴、ならびに物体の形状、物体表面の質感、材料組成、生物情報、及び感知されている物体のその他の特徴及び特性を感知するように構成されている。
【0004】
センサは、センサの近くにある、またはセンサと接触している物体の温度、重量、または光子、磁気または原子などの種々の放射や、その他の特性を測定することによって、物体の特性を受動的に検出するように構成され得る。その1つの例は、物体から放出される黒体放射線スペクトルであり、このスペクトルから物体の温度を計測することのできるような黒体放射線スペクトルを検出する非接触赤外線温度計である。
【0005】
その他のセンサは、直接的に物体を電圧や電流などの刺激で励起し、結果として得られる信号を用いて物体の物理的または電気的特徴を決定することによって動作する。その1つの例は、媒体を電源で励起する1つの端子と、水などの導電性流体の存在を判定するために電流フローを測定するもう1つの端子との、2つの端子から構成される流体検出計である。
【0006】
物体の一点計測は、物体に関する十分な情報を提供しないことがよくあるため、計測の二次元アレーを収集することが、しばしば有利である。インピーダンスの二次元アレーは、ライン感知アレーを物体表面上で移動させ、その後、ファックス機が行うように二次元画像のラインの復元により線で描くことによって作られ得る。その1つの例は、指をその画面上に滑らせると、指紋の隆起部分とへこみ部分の間の容量の相違を測定するスワイプ容量性指紋センサである。かかるセンサは、個々のライン情報を使用後、二次元の指紋イメージを再構築する。
【0007】
二次元画像を取得するためのより容易な方法は、二次元センサアレーを作ることである。しかしながら、かかるセンサは、アレー中に必要な感知点が膨大であるために、コストが法外となり得る。その1つの例は、二次元容量性指紋センサである。これらのセンサの多くが現在製造されているが、150mm2以上のシリコン面積を使用するために、その多くのアプリケーションがコスト的に法外なものとなっている。
【0008】
これらの異なる種類の電子センサは、指紋など、人々の生物学的特徴及び特性を測定するための生体認証機能を有するセンサや、医療モニタ装置などの医療分野へのアプリケーション、流体測定モニタ、及びその他の多くのセンサへのアプリケーションなど、種々のアプリケーションに使用されてきた。一般的には、種々の装置の感知エレメントは、物体の情報処理を行い、物体の特徴及び特性についての解明ができるようにすべく構成されたプロセッサに接続されている。
【0009】
特定例としての二次元画像センサには多くのアプリケーションがあり、革新者たちは、所望の特徴、及び機能に達しない最新技術で奮闘してきた。例えば、指紋センサは長年にわたって存在し、多くの環境下で識別認証を行い、制限された領域及び情報に対してアクセスを提供し、またその他の使用をするために、利用されてきた。本特許出願において、異なる種類の指紋センサであって、実施形態が応用可能なセンサが、説明を容易にする目的のために、その応用例として強調されるが、その他の種類のアプリケーションも、この背景技術の議論と関連があり、発明の詳細な説明においても論じられる。これらの配置センサは、ユーザの指から指紋のフル画像を取得し、取得した画像と保存した画像とを認証のために比較するように構成された指紋配置センサなどのように、センサの近傍またはその周辺の物体を感知するように構成され得る。あるいは、センサは、指紋の部分的な画像を取得し、指紋の画像を再構築し、認証のために、取得した画像と保存した画像とを比較する指紋スワイプセンサなどのように、センサの周辺の物体の動的な動きを感知するように構成され得る。
【0010】
かかるアプリケーションにおいて、コストは、市販製品にとって常に重要な要因であるものの、決定的に重要な意味を持つというほどではなく、正確性と信頼性が、従前においても現在においても最重要要因である。一般的に、配置センサ、即ち、ユーザの指紋表面から一度に指紋画像を感知するセンサの二次元グリッドが自明の選択であったし、その多くの構成が殆どのアプリケーションにおいて標準となってきた。ひとたび指紋の画像がデジタル形式で感知され、装置内で再生成されると、それは予め記録され保存した画像と比較され、かかる取得した指紋画像と保存した画像とが一致すると認証が終了する。近年では、指紋センサは、ラップトップコンピュータ、携帯機器、携帯電話、その他の装置などの、持ち運び可能な装置にその活路を見出している。正確性と信頼性は、相変わらず重要であるが、システムの構成要素のコストが極めて重要である。従来の配置センサは、それらが全てシリコンセンサ表面を使用しているという1つの主たる理由のために、過去も現在も極めて高価である。これらのシリコンセンサ表面は、シリコン材料が、コンピュータチップを製造する材料と同じ程度に高価であるため、極めて高価である。勿論、コンピュータチップは、そのコストを軽減して性能を向上させるために年々小型化している。指紋シリコンを小型化できない理由は、平均的な指紋の大きさを維持する必要があり、ユーザの指紋をフルスキャンする要請は、単に妥協が不可能だからである。認証における安全性を適切なものとするために、完全な指紋の採取が要請される。
【0011】
指紋スワイプセンサを市場に投入してみる。スワイプセンサは、基本的には、ユーザがセンサラインに対して垂直な方向に指をスワイプすると、指紋特徴を感知するように構成されたラインセンサを備えて設計される。指紋スワイプセンサは、必要なシリコンが遥かに少なくてすみ、ピクセルセンサのアレーを有するラインセンサを構成するだけで十分なので、コストが節約できる。その幅は、平均的な指紋の幅に基づいて相変わらず固定されているが、その深さは配置サンサと比較すると大幅に小さくなっている。スワイプセンサのうち、いくつかは、容量性センサであり、指紋表面の容量が測定され、ラインごとに記録される。その他のものは、指紋表面に直ちに入りこむ小さな信号パルスを送信し、ピックアップラインにおいて応答を測定するが、ここでも、指紋の特徴がラインごとに記録される。いずれの場合においても、配置センサとは異なり、指紋のフル画像は、ユーザがスワイプを終了した後に再構築される必要があり、個々のラインは組み立て直されて指紋のフル画像の作成のために与えられる。この画像はラップトップその他の装置に保存した画像と比較され、その後、適切な照合をみれば、ユーザ認証が行われる。
【0012】
容量性スワイプセンサ用に、直流(DC)切り替えコンデンサ技術による第一世代センサが構築された(例えば米国特許第6,011,859号)。この手法は、その間にコンデンサを形成する、ピクセルごとの2つのプレートを使用することを必要とし、これにより、指の隆起部分の局部的な存在が空気に対するコンデンサの値を変化させることを可能にするものであった。これらのDCコンデンサの構成は、指紋表面から撮像するものであったが、指表面下に浸透するものではなかった。したがって、これらに対して、異なる不正技術によって簡単に指紋のなりすまし、つまり偽造が簡単に行われ、また、ユーザの指が乾燥しているときは性能が悪かった。RF(無線周波数)センサがその後導入されたが、これは、そのいくつかが指紋を感知するためにユーザの指表面を読み、かつ、ユーザの指の内層を読み込むことができたためである。異なる無線周波数が、振幅変調(AM)、位相変調(PM)を含む異なる検出形式とともに、様々な装置によって利用されてきた。また、異なる構成の送信器や受信器があり、1つのタイプ(例えば米国特許第5,963,679号)は、単一の送信器リングと、オンチップ感知用に最適化された複数の低品質の受信器の配列とを使用する。対照的に、別のタイプ(例えば米国特許第7,099,496号)では、オフチップ感知用に最適化されたコーム状のプレート構造においてただ1つの極めて高品質の受信器とともにRF送信器の大規模なアレーを使用する。
【0013】
低コスト配置センサの開発における1つの重要な障害は、ピクセル密度の問題であり、また、その結果、センサ装置の層間で多くの相互接続が必要となったことにあった。指紋アプリケーション用の一般的なセンサは、10mm×10mmのオーダであって、解像度は500dpiであろう。かかるセンサアレーは、概ね200行と200列の積であり、これは、装置において層間で200のビア接続が必要であることを意味する。半導体のビアはかなりの程度、小型化し得るものの、センサをシリコンに実装するためのコストは、上記のごとく法外であることが証明されている。
【0014】
大衆市場に向けて十分低コストの配置センサを製造するために、回路基板エッチングなど、より低コストの処理過程が採用されなければならない。回路基板のビアピッチにおいて、現在の最新技術では、200μmのオーダであり、これに対してセンサアレー自体は、50μmピッチのオーダである。加えて、回路基板の層間のビアを形成するために必要な追加の処理過程の工程は各層上のトレース(線)の最小限ピッチの許容値を大幅に増大させた。片面回路は、僅か35μmのラインピッチで高収率にて容易に組み立てられ得る一方、両面回路は60μm以上のオーダの最小限のラインピッチを必要とし、フル画像の500dpiのセンサアレーを実装するには粗過ぎる。さらにもう1つ考えられることは、同様のライン密度では、ビアを有する両面回路は、その単位面積において片面回路の数倍高価であり、高密度両面回路を低コストのセンサへ応用するにはコストがかかりすぎる。
【0015】
ラップトップ装置に対しては、スワイプセンサの採用が、コスト面から押し進められた。スワイプセンサは、配置センサと比較して遥かに安価であり、ラップトップ製造業者の殆どが価格のみに基づいてスワイプセンサを採用していた。コストの節約は、シリコン面積がより少なくてすむことの結果である。より最近では、シリコンセンサに替わるものが台頭しているが、これは、その上にエッチングされた感知プレートを載せたプラスチック製Kapton(商標)を使用し、別個のプロセッサチップに接続するというものである(例えば米国特許第7,099,496号)。これにより、センサのシリコン部分が感知エレメントから分離され、シリコンが、ムーアの法則にしたがって、加工技術の進歩に比例して、長さ、幅、及び深さにおいて最適な大きさへと縮小するようになった。この技術の進歩により安価で耐久性の高いスワイプセンサが実現したが、かかるスワイプセンサは、単純な二次元配置フォーマットから変化した結果生じた基本的な画像再構築及び人間工学の問題を克服できなかった。スワイプセンサは、より安価であることに加え、それが、ラップトップであろうが、携帯電話または個人データ装置などのより小さな装置であろうが、ホスト装置において、より小さな領域ですませることができる。
【0016】
殆どのスワイプクラスセンサにおいて、指紋再構築の処理過程は、当初予想したよりもユーザにとっては、人間工学上の問題点が大きく、また品質管理を行う技術者にとっても、より大きな負担となることが判明した。ユーザは、指の接触圧力を制御することに加え、センサラインに対して指を直角に、ほぼまっすぐ、直線方向にスワイプする訓練を行う必要があった。ユーザがより上達するための一助としてソフトウェアトレーニングプログラムが書かれたが、異なる環境要因や、同じ動きを反復できない人もいたことから、スワイプセンサは使い難いとの評判が定着した。現場からの初期データにより、大多数の人々が購入した装置においてスワイプセンサを定期的に使用しておらず、パスワードを使用することを逆戻りして選択していることが判明した。取得した画像と再構築した画像との間の一致性処理において最大限の正確性と性能を達成しようとする品質管理を行う技術者は、配置センサと比較してスワイプセンサでは、誤った拒否(FRR)及び誤った受容(FAR)の数が遥かに多いことを見出した。これらの再構築アルゴリズム改善の試みは、配置センサと同等の統計学上の性能をあげることができなかった。
【0017】
ホストに占める領域が小さいなどの、その他のスワイプセンサに関する主張も奏功しなかった。ユーザが指を置き、スワイプを行うのを支援するためにホスト装置の表面に種々の斜面、ウェル、及び指ガイドを組み込まなければならなかった。これらの構成は、結局、実際のセンサ領域に加えて多大な場所を占めることとなった。最終的には、スワイプセンサは、配置センサとほぼ同じ空間を占めるにいたった。これは、フルサイズのラップトップでは大した問題ではなかったが、現在は、小さなラップトップ及びネットブック、携帯電話、携帯端末、ならびにキーフォブなどその他の小さな装置にとっては、由々しき問題となっている。
【0018】
領域の問題は、現在、ラップトップにおいてマウスやタッチパッドなどが果たしているナビゲーションの役割を指紋センサが果たすことを必要とする携帯装置製造業者にはさらに問題となっている。スワイプセンサは、ピクセルの非対称アレーによって構成されているという事実により、マウスやタッチパッドの代替として劣ることが証明されている。スワイプセンサは、指のスワイプの正常な軸における動きを検出するうえでは優れているが、わき道へ逸れた動きを正確に追行するには難がある。軸外の角運動は、感知するのがさらに困難で、センサラインに対してその動きを付加するために多大なプロセッサ資源を必要とし、しばしば大きな角を解像するのに困難を伴う。こうした全行為の副産物として滑らかでない動きが生じ、使用が困難である。
【0019】
低コストの二次元指紋センサアレーが市場ニーズに応えることは明らかであるが、現在の技術では、このニーズを満たせなかった。従来の容量性指紋センサは、一般的に、感知ピクセルアレーを形成するために、独特の電極構造を使用していた。これらの電極構造は、一般的には四角形状または円形状で、平行プレート構造(例えば米国特許第5,325,442号及び第5,963,679号)または同一平面上の構造(例えば米国特許第6,011,859号及び第7,099,496号)をとり得る。
【0020】
これらの先行技術の手法は、感知エレメントの低コスト二次元アレーに構成可能でない。多くの容量性指紋センサ(例えば米国特許第5,963,679号及び第6,011,859号)は、シリコンチップの細いラインの多層ルーティング機能を使用する以外は実装が実用的でない相互接続密度で駆動感知機器に接続しなければならないプレート構造を有し、したがって前述したように高価なシリコンダイを多数必要とする。その他のセンサ(例えば米国特許第7,099,496号)は、安価なポリマーフィルム上でオフチップ感知エレメントを使用するが、そのセンサセルアーキテクチャは、本質的に一次元であり、二次元マトリックスへ拡張し得ない。
【0021】
容量性感知アレーのその他のアプリケーションは、タッチパッド及びタッチスクリーンの分野においてであった。タッチパッド及びタッチスクリーン装置は、駆動検知トレースのアレーと、独特の感知電極から構成されるため、数100ミクロンを下回る解像は行い得ず、この技術は、詳細な画像アプリケーションに適したものとなっていない。これらの装置は、指の接触、または近接を検出できるが、感知される物体内の隆起部分やへこみ部分などの細かい特徴を検出するのに必要な空間分解能もグレースケール解像も提供しない。
【0022】
タッチパッド分野における従来技術では、導電性(例えば米国特許第5,495,077号)か容量性(例えば米国公報第2006/0097991号)の一連の電極を利用する。一般的に、この一連の電極は、駆動感知トレースに接続される。動作中、これらの装置は、そのスケールが相互接続のトレース自体よりも大幅に大きいピクセルを作り出す。その目的は、ユーザがカーソルをナビゲートでき、スクリーン上の物体を選択でき、またはスクリーン上に描かれたページを動かすことができるようにするために、一般的に物体の存在及び動きを感知することである。したがって、これらの装置は、隣接する物体を感知する際に低い解像度で動作する。
【0023】
したがって、本技術においては、例えば、指紋感知及び認証などの異なるアプリケーションに使用するための高品質かつ正確な配置センサを提供し得る改善された装置であって種々のアプリケーションにおいてマウスやタッチパッドのようなナビゲーション装置としても動作し得る装置に対するニーズが存在する。後ほどみるように、実施形態は、これらのニーズ及びその他のニーズに応える装置を明確に提供している。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、絶縁誘電層によって駆動、ピックアップラインが分離される、駆動、ピックアッププレート構造を示す、本発明の1つの実施形態の線図を示している。
【図2】図2は、物体が駆動、ピックアッププレート構造に近接しておらず、駆動プレートが電源によって起動されたときの基本的な電界動作を示す、本発明の1つの実施形態の基本的な線図を示している。
【図3】図3は、物体が駆動、ピックアッププレート構造に近接しており、駆動プレートが電源によって起動されたときの基本的な電界動作を示す、本発明の1つの実施形態の基本的な線図を示している。
【図4】図4は、物体が駆動、ピックアッププレート構造に近接している場合といない場合において、駆動プレートが電源によって起動されたときの電界強度の相違を示す、センサの1つの実施形態の基本的な線図を示している。
【図5】図5は、物体が駆動、ピックアッププレート構造に近接しており、選択されたピックアッププレートが増幅され、全ての非アクティブな駆動、ピックアッププレートが接地されたときの基本的な電界動作を示す、本発明の1つの実施形態の基本的な線図を示している。
【図6a】図6aは、指または隆起表面部分を含む物体が、アクティブな電極対に近接しているときの基本的な電界動作を示す、本発明の1つの実施形態の基本的な線図を示し
【図6b】図6bは、指またはへこんだ表面部分を含む物体が、アクティブな電極対に近接しているときの基本的な電界動作を示す、本発明の1つの実施形態の基本的な線図を示している。
【図7】図7は、各駆動/ピックアップクロスオーバー時のセンサの電界結合を示すランプ回路構成要素によって表現されるプレートの行及び列であるx−yグリッドの線図を示している。
【図8】図8は、選択されたピックアッププレートから信号を取得し、ノイズ軽減目的により、基準信号プレートからこれを差し引く差動アンプを使用した配置センサの1つの実施形態の1つの実施例を示している。
【図9a】図9aは、入力負荷効果を補償するためのタンク回路を組み込んだ、本発明の1つの実施形態の駆動感知多重化回路を示している。
【図9b】図9bは、入力負荷効果を最小化するための直列バッファーを組み込んだ、本発明の1つの実施形態の駆動感知多重化回路を示している。
【図9c】図9cは、各感知が入力負荷効果を最小化するための専用バッファーを組み込んだ、本発明の1つの実施形態の駆動感知多重化回路を示している。
【図10】図10は、感知した信号を処理するアナログ受信器と駆動感知ラインスキャン機能を果たす処理回路を組み込んだ、本発明の1つの実施形態を示している。
【図11】図11は、感知した信号を処理するダイレクトデジタルコンバージョン受信器と、駆動感知ラインスキャン機能を果たす処理回路を組み込んだ、本発明の1つの実施形態を示している。
【図12】図12は、折り畳み前、平面に展開された本発明の折り畳んだ態様を組み込んだ、本発明の1つの実施形態のための駆動感知トレースの展開図を示している。
【図13a】図13aは、折り畳みに続く折り畳み態様を組み込んだ、本発明の1つの実施形態の積層を示している。
【図13b】図13bは、折り畳み、硬質モジュールへのアセンブリに続く、折り畳み態様を組み込んだ、本発明の1つの実施形態を示している。
【図14】図14は、物体の部分の感知目的のため、本発明に基づいて構成されたセンサシステムを示している。
【図15】図15は、本発明を利用して指紋特徴を感知することについての線図を示している。
【図16】図16は、本発明に基づいて構成されたセンサシステムによって二次元画像を収集するのに必要な処理過程のフローを示している。
【図17a】図17aは、本発明に基づいて構成された指紋センサシステムによってユーザ認証を行うのに必要な処理過程のフローを示している。
【図17b】図17bは、ユーザ認証アプリケーションにおいて一般的に利用される指紋画像からテンプレートを解凍する処理過程を示している。
【発明を実施するための形態】
【0025】
背景技術で議論したように、二次元インピーダンスセンサには多くのアプリケーションがあり、実施形態は、従来技術が多くのアプリケーションに供されるうえで不十分であった点に対して幅広い解決法を提供する。一般的に、1つの実施形態は、二次元センサに関するものであり、配置センサ、領域センサ、2Dセンサとも呼ばれ、それ自体の上に折り畳まれることができて互いに直交する個別のセンサラインを有するグリッドアレーを形成する、例えばフレキシブルな基板などの基板上に配置されたセンサラインを有し、異なるセンサラインのクロスオーバー位置が物体の特徴及び/または特性に関する情報を収集するための感知場所を作り出す。
【0026】
1つの実施形態において、駆動ラインとピックアップラインは、それらが互いに伝導するように電気的にクロスオーバーまたは接続しておらず、ピックアップラインへと突出する駆動ラインが電界を受信できるように隔たりを伴ったインピーダンスを感知する電極対を形成して、異なる電極構造をとらなくてもよくしている。散在する誘電体と交差する2つのラインは、固有のインピーダンス感知電極対を作り出す。このように、センサは、物体の特徴及び/または特性を識別する1ピクセルの情報を取得するために、2つの一次元センサラインを駆動するように構成されている。従来のセンサとは異なり、ある特定の実施形態によって構成されたセンサは、駆動・ピックアップラインの個別の対を駆動し、結果として得られた信号を取得することにより、1つの物体から複数ピクセル情報を取得可能な二次元グリッドを提供し得る。この信号は、1つの物体の特徴及び/または特性を明確にするために、論理回路または処理回路によって処理され得る。例えば、情報は、指紋などの1つの物体のレンダリングを作成し、そのレンダリングを認証のための安全な情報と比較するために使用され得る。
【0027】
1つの実施形態によれば、また、従来の手法とは対照的に、装置は、駆動・ピックアップライン間の交差部分に形成される固有のインピーダンス感知電極対を利用することができる。動作時、電界は、駆動・ピックアップラインを、同時に特定のクロスオーバー位置によって感知される領域の近傍または周辺に接地させることにより、さらにフォーカスさせてもよい。このことは、他の駆動・ピックアップラインが同時に電界を感知した場合に起こり得る障害を防止する。1つ以上の電極対が同時に感知され得る。しかしながら、解像度が重要な要因である場合には、互いの距離が近すぎて障害を防止できず、特定の解像度で物体の特徴を感知するうえで正確性を維持できない感知電極対を避けることが好ましいかもしれない。本明細書の目的上、「固有の電極対」は、各駆動・ピックアップラインのクロスオーバー位置に形成されるインピーダンス感知電極対の使用を指す。実施形態が各固有の電極対を感知エレメントとして各クロスオーバー部分で使用するという事実のため、相互接続ラインから個別の感知ノードを差別化できる幾何学的特徴は個別の感知ノードに存在しない。その結果、駆動層と感知層との間のアラインメントは決定的に重要というわけではなくなり、製造処理過程を大幅に簡素化する。
【0028】
隣接する非アクティブな駆動・ピックアップラインを接地すると、従来技術で採用された専用のガードリング(例えば米国特許第5,963,679号)などの複雑な対策を必要とすることなく、各固有の電極対に形成されるピクセルが制限される。その代わり、ピクセル周辺のガードグラウンドが、隣接する非アクティブな駆動・ピックアップラインを接地電位に変換することによって動的に形成される。このことは、所与の処理過程のための最小限のピクセルピッチが最小限の特徴間隔と同じであるために、比較的解像度が低い製造処理過程を伴い、高密度のピクセルフィールドの形成を可能にする。このことは、低コストの配置センサを製造するうえで鍵となる、低コストの製造処理過程と材料の使用を可能にする。
【0029】
1つの実施例において、センサラインは、駆動ラインを1つの層上に、ピックアップラインをもう1つの層上にして構成されることができ、層は、個別のセンサライン、駆動・ピックアップラインが互いにクロスオーバーして、各クロスオーバー位置でインピーダンス感知電極対を形成するように互いに配置される。これらのクロスオーバー位置は、1つの物体の特徴及び/または特性の個別のデータポイントの多くが取得され得る、個別にフォーカスされた電気ピックアップ場所若しくはピクセルまたは電極対を提供する。高度のフィールドフォーカスは、固有の電極対の大きさが小さいことと、非アクティブなプレートにより提供される隣接グラウンドが高密度であることによる。フレキシブル基板は、物体に関する情報を電子的に取得するために、センサラインと信号を送受信するための論理回路または処理回路を伴って構成される第二の基板を有し得る。あるいは、互いに個別のセンサラインを担持し互いに層として重なる2つの基板が存在し、論理回路または処理回路に接続するために第三の基板と接続されてもよい。
【0030】
ピックアップセルの隣接層の垂線間のクロスオーバー位置を利用すると、層間のアラインメントに対する要求が大幅に減少する。センサピクセル場所にはアラインメントのためのユニークな特徴がないために、層間のアラインメントに対して実際に要求されるのは垂直を維持することのみである。感知セル場所が、従来技術の指紋センサに典型的にみられる平行プレート特徴などの特定の特徴を有する場合は、アラインメント要求は、ピクセルサイズの4分の1未満のX及びYの位置公差を含むが、これは、500DPI解像度の指紋のアプリケーションのためには、各軸において位置公差が+/−12μmであることを意味する。
【0031】
動作時、駆動ラインが例えば電流源によって駆動され、ピックアップラインが、増幅回路やバッファー回路などの受信回路に接続されて、結果生じた電界が取得され得るようにする。電界は、駆動ラインから中間誘電性絶縁層を通ってピックアップラインへと延在する。物体が存在する場合には、いくつかのまたは全ての電界が物体によって吸収され得、ピックアップラインによって電界が受信される方法が変化する。このことは、取得され、ピックアップラインと受信回路によって処理される、合成信号を変化させ、これによって物体の存在を示し、信号を処理することにより、物体の特徴と特性が感知され、識別され得る。この処理手続きは、論理回路または処理回路のなんらかの形態によってなされ得る。
【0032】
その他の実施形態において、駆動ラインを駆動する信号は、複合信号、異なる周波数及び/または振幅の信号、またはその他の信号であってもよい。これにより、異なるまたは複合信号を利用して、センサによる物体の異なる視点における特徴及び/または特性の分析が可能になる。物体に部分的にまたは全体的に吸収された後、様々に異なった態様を有し物体の異なる特徴及び特性を示す合成信号を作り出す、異なる周波数及び/または振幅の同時信号を、信号は含み得る。信号は、異なるトーンの信号、チャープランプとして構成される信号、及びその他の信号を含み得る。その後、処理回路または論理回路は、合成信号から種々の情報とデータポイントを発信するために使用され得る。
【0033】
動作時、異なる信号または複合信号は、駆動ラインに作動させることができ、ピックアップラインは、処理対象である結果の電界を受信する。論理回路または処理回路は、同時信号が使用される場合には、異なる周波数を取り出すなど、合成信号を処理して、物体の特徴及び/特性が異なる視点から取得され得るように構成されることができる。
【0034】
個別の対で駆動され得るピクセルのグリッドを考えると、ピクセルの各々は様々な方法で取得され得る。1つの実施形態において、ピクセルのラインを取得するために、駆動ラインが駆動され、ピックアップラインは順にONとOFFにすることができる。この順は、スキャンの順番として動作し得る。ここで、第一の駆動ラインは、これを信号源に接続することにより駆動し、その後、1つのピックアップラインが一度に増幅/バッファー回路に接続され、2つのラインのクロスオーバー部分に形成されたピクセルから情報が取得され、その後接続が切られる。そして、次のピクセルが順に処理され、また次が、そしてまた次が、と処理されて、ピックアップラインのアレー全体が処理される。駆動ラインは、その後、駆動を停止し、別の駆動ラインが駆動され、ピックアップラインがこのアクティブな駆動ラインによって再びスキャンされる。これらは、順番に一度に行われることができ、いくつかの隣接しないピクセルが同時に処理されることができ、またはその他のバリエーションも所定のアプリケーションにおいて可能である。ピクセルのグリッドが処理された後、物体の情報のレンダリングが可能となる。
【0035】
図1を参照すると、1つの実施形態によって構成されたセンサ100の1つの実施形態の線図が示されている。この構成において、ピックアップラインまたは上部プレート102a[m]、102b[m+1]は、絶縁の誘電性基板層104の上に配置され、信号をセンサラインに近接して配置された物体表面へ送信するように構成される。駆動ラインまたは底部プレート106a[n]、106b[n+1]は、並置され、駆動ラインまたはプレートに対してほぼ垂直であり、絶縁の誘電性基板と反対側に配置されて、グリッドの1種を形成する。ピックアップラインは、これらの電界の範囲に配置された物体のインピーダンス特性によって修正された、送信された電磁界を受信するように構成される。
【0036】
図2を参照すると、ピックアップラインまたは上部プレート202a、202b、絶縁層204、及び駆動ラインまたは底部プレート206a、206bを有するセンサ200の線図が示されている。更に、図は、電磁界208a、208bが基板を通って駆動ラインとピックアッププレートとの間をどのように延在するかを示している。近接して物体が存在しない場合、電界ラインは、センサ構造内及び異なるライン間で均一である。物体が存在する場合は、電界ラインの一部分が物体に吸収され、絶縁層を通ってピックアッププレートには戻らない。
【0037】
図3を参照すると、物体310は、センサ300に近接して示されている。センサ300は、ピックアップラインまたは上部プレート302a、302b、絶縁誘電体層304、及び駆動ラインまたは底部プレート306a、306bを有する。動作時、この装置の実施例の駆動ラインとピックアップラインは個別に駆動され、そこで駆動ライン/ピックアップラインの対が駆動されてアクティブな回路を作り出す。その結果、アクティブな駆動プレート316から電界ライン306a、306bを経由して絶縁層304と物体310の結合した誘電体へ電界を送信し、アクティブなピックアッププレートによって受信される回路が生じる。図示の通り、物体がアクティブな電極対の周囲に配置されると、いくつかの電界ラインは、物体によって取得される。駆動・ピックアップラインの異なるクロスオーバー位置で生成する、結果の電界バリエーションを取得し、記録することによって、先端部やへこみ部分、及び物体表面のその他の特徴など、物体におけるバリエーションが電子的に検出され、取得され得る。一般的な、容量に基づく配置センサと同様に、センサは物体表面の画像のタイプを電子的に取得し、下記の指紋センサの実施例における指紋の特徴及び特性などの物体の特徴及び特性を示すことができる。
【0038】
図3のこの構成において、1対のアクティブな電極対のみが示されている。しかしながら、実施形態は、この特定の構成に限られず、単一の電極対、複数の電極対、または全部の電極対さえも、異なる動作のために一度にアクティブにされ得る。実際には、近接したピクセル間で起こり得る障害を最小化するために、所定の時間にアクティブにされる電極対は全部よりも少数であることが望ましいかもしれない。1つの実施形態において、駆動ラインとピックアップラインがクロスオーバー位置でラインに沿って対になるときに、ピクセルのラインが駆動ラインとピックアップラインに沿って取得されるようにするために、駆動ラインが駆動され得、また、ピックアップラインは一度に1つまたは複数がスキャンされ得る。この点は、図5との関係で、以下で詳細に議論する。
【0039】
一般的に、動作時に、特定の駆動ラインが、絶縁の誘電性基板による間隔を空けてピックアップラインと重なり合う各領域は、その領域周辺の近接する物体の特徴または特性を明確にする感知場所を取得し、確立することができる領域である。センサグリッドの領域には複数の感知場所が存在するため、近接の物体の特徴または特性を明確にする複数のデータポイントがセンサ構成によって取得され得る。したがって、センサは、平面的な二次元センサとして動作し得、センサ上に、またはセンサ周辺に配置された物体は、検出され得、その特徴及び特性が判定される。
【0040】
以下の実施形態及び実施例に記載するように、実施形態は記載されている特定の構成や位置づけに限定されず、添付の特許請求の範囲とその均等物、そして本出願及び関連出願に基づく特許請求の範囲とその均等物によってのみ、限定される。また、多くの構成、寸法、配置、及びその他の任意の特定の実施形態または実施例の特性及び物理的、操作上の特徴は、実施形態の精神と範囲を超えることなく変形がなされ得るが、これらも、添付の特許請求の範囲とその均等物、そして本出願及び関連出願に基づく特許請求の範囲とその均等物によってのみ、定義される。
【0041】
以下の記載において、実施形態の理解を徹底するために、多くの具体的な詳細が記載される。しかしながら、これらの具体的な詳細がなくても、実施形態が実施可能である点は、当業者にとって明確であろう。その他の実施例において、周知の回路、構成、アルゴリズム、及び処理過程は詳細に示していないものもあり、また、不必要に詳細に記載して実施形態を不明確にしないようにするために、概略図やブロック図で示したものもある。加えて、本明細書の大部分において、材料、器具、処理の時期、回路のレイアウト、ダイの設計に関する詳細については、かかる詳細は実施形態の完全な理解を得るために必要でないと考えられる限り、また、関連技術分野における当業者の理解できる範囲にあると考えられるため、省略されている。特定の用語が、特定のシステム構成要素を表すために、以下の記載及び特許請求の範囲にわたって使用されている。当業者なら認識するように、構成要素は異なる名称で呼ばれ得る。本明細書は名称の相違によって構成要素を区別するのではなく、機能によって区別することを意図している。以下の記載と特許請求の範囲において「含む」(including,comprising)という用語は、限定のない意味合いで使用されており、したがって、「〜を含むが、これに限定されない」意味であると解釈されるべきである。
【0042】
本明細書に実施形態のいくつかが記載される。当業者は、以下の実施形態の詳細な記載は、例示にすぎず、いかなる場合においても限定を意図したものでない点を認識するであろう。その他の実施形態は、この発明の開示内容につき利益を有する当業者ならば、容易に想到するであろう。実施形態の実施については、添付の図面に示すように詳細に参照がなされる。同じ参照番号は、全図面及び以下の詳細な説明の全部にわたって使用され、同じまたは類似の部分を示す。
【0043】
明確性の観点から、本明細書にて記載される実施のありふれた特徴の全てが図示され、記載されるものではない。勿論、実際の実装の開発においては、開発者の具体的な目標を達成するために、多くの実装に特化した決定がなされなければならない点が理解されるであろう。また、かかる開発努力は、複雑で時間がかかるかもしれないが、そうであっても、この発明の開示内容につき利益を有する当業者にとっては、通常の技術開発の試みである点が理解されるであろう。
【0044】
1つの実施形態において、センサ装置は、絶縁の誘電性基板上または周辺に配置され、感知される物体表面に信号を送信するように設計される駆動ラインを含む。ピックアップラインは、駆動ラインの近傍又は周辺に配置され、物体表面から送信された信号を受信するように構成される。駆動ラインとピックアップラインとの間の間隔を維持するために、基板は、絶縁の誘電性の層またはスペース層として機能し得る。基板は、例えば、フレキシブルな高分子基板とすることができる。1つの実施例は、Kapton(商標)テープであり、プリンタカートリッジやその他の装置において使用される回路などのフレキシブル回路に幅広く使用されている。パッケージは、かかるフレキシブル基板を含み得、駆動ラインが基板の一方の側に配置され、ピックアップラインが基板の反対側に配置され得る。
【0045】
駆動ラインは、ピックアップラインに対して直角とすることができ、ピックアップラインにほぼ垂直とすることができる。1つの実施形態において、装置は、駆動ラインとピックアップラインとを絶縁の誘電性基板の反対側やその周辺に配置されるように構成されることができ、その場合、これら3つの構成要素の組み合わせが容量特徴を提供する。駆動ラインは、駆動されて電界を物体の上や中、周辺へと駆動することができる。ピックアップラインは、駆動ラインからの電界を受信することができ、これらの電界は、感知される物体の特徴または特性を解明する処理回路または論理回路により解明され得る。
【0046】
したがって、1つの実施形態において、駆動ラインをピックアップラインから隔てている層は、アセンブリに対して容量特徴を与え得る。駆動ラインのいくつかまたは全部が、ピックアップラインに対して、全体で、または部分的にほぼ垂直な場合は、グリッドが形成され得る。かかる構成において、三次元的視界から、駆動ラインは、第一面について互いにほぼ平行に配置され、位置づけられる。基板の1つの表面は、駆動ラインに対してほぼ平行な第二面の駆動ライン周辺に配置される。ピックアップラインは、第一及び第二面とほぼ平行な第三面周辺に互いにほぼ平行に配置され、位置づけられ、また、基板が駆動ラインとピックアップラインのほぼ間に位置するように駆動ラインの反対側の基板表面周囲にも配置される。
【0047】
実施形態及び実施例の記載を含む、本明細書の記載において、平行、垂直、直交及び関連する用語や記載について参照がなされる。これらの記載は限定することを意図したものではなく、当業者においても限定的であると理解されてはならない。それとは反対に、実施形態は、駆動ライン、ピックアップライン、基板または関連する構造の位置づけや配置に拡がるものであり、また、構成要素の様々な組み合わせ、置換、配置、互いの距離、センサの異なるアセンブリにおけるオーダなどに拡がるものである。実施形態は、一般的にはピクセルの位置で互いにクロスオーバーして、近傍にある物体の存在及びその他の特徴、特性を検出すべく構成された複数の駆動ラインとピックアップラインとを有するように構成されたセンサに関するものであるが、実施形態はいかなる特定の構成や位置づけに限定されず、添付の特許請求の範囲とその均等物、そして本出願及び関連出願に基づく特許請求の範囲とその均等物によってのみ、限定される。
【0048】
また、駆動・ピックアップライン、駆動・ピックアップラインの組の間に配置され得る基板などの様々な構成要素が配置される、幾何学的面の異なる位置づけに関して参照がなされる。例えば、フレキシブル基板が使用される場合、かかる構造の使用によって、フレキシブルな構造が曲がり、そうでない場合は、曲がるように形成されまたは構成されるため、面が変化し得る。かかる実施形態においては、実施形態の所定の態様は、基板の反対側に構成され、駆動ラインとピックアップラインのそれぞれのクロスオーバー位置で、近傍の物体の特定の特徴及び/または特性を感知可能にする態様の駆動ライン及びピックアップラインに関するものであることが理解されるだろう。したがって、(例えば駆動ラインまたはピックアップラインなどの)構成要素の群の(変形可能で、それゆえにほぼ均一な距離で間隔を空けたシートとなり得る)面または基板の位置づけは、実施形態の精神と範囲から逸脱しない範囲で異なるアプリケーションに変化し得る。
【0049】
また、ピックアップライン、ピックアッププレート、駆動ライン、駆動プレートなどについて参照がなされるが、ラインやプレートに関して様々な参照が交互に用いられ、実施形態を特定の形式、配置、断面図、異なる直径または断面積、長さ、幅、高さ、深さ、またはかかる構成要素のその他の物理的寸法に限定されない点が理解されるであろう。また、実施形態によって構成される装置の性能を向上させるために、より洗練された構成要素、例えば、低い電力と同様に小さな大きさや形状が、望まれる特徴及び特性であるアプリケーションに、より容易にアセンブリを適合させ得る、小さな65、45、32または22ナノメートルの伝導ラインやカーボンナノチューブなど、が実装され得る。当業者は、実施形態の精神と範囲から逸脱しない範囲で、かかる寸法が異なるアプリケーションにおいて変化し得ること、また、いくつかのアプリケーションにおいては性能を向上させ、または、電力消費を抑える可能性さえあることを理解するであろう。
【0050】
並置され、積層され、あるいは互いに配置される様々な構成要素についても参照がなされる。1つの実施形態の1つの実施例において、複数の駆動ラインが、一般的に平面の基板の表面上に並置され、複数のピックアップラインが平面の基板の反対の表面上に並置される。駆動ラインは、ピックアップラインに対してほぼ直交しており、ピックアップラインに対してほぼ垂直と記載されることができる。駆動ラインとピックアップラインとの間の距離は、容量性の構成に供する基板または絶縁材で充填されてもよい。ここで、基板の1つの側面の駆動ラインが1つの容量性プレートを形成し、基板の反対側のピックアップラインが対応する容量性プレートを形成する。動作時、駆動プレートが駆動すると、駆動ラインとピックアップラインとの間で電界が発生し、基板を通って複数の容量性素子が形成される。これらの容量性素子は、駆動ラインとピックアップラインの各断面の領域に配置され、その領域の間に基板の一部分が配置される。これは、駆動ラインとピックアップラインのそれぞれが互いに重なり合う位置である。任意の特定のアプリケーションにおいて、動作中に3つの構成要素が相互に作用し合うこれらの領域は、センサの読み込みが行われ得るデータ位置を明確にする。
【0051】
センサ駆動ライン及びセンサピックアップラインなどのセンサライン、ならびにそれらの間の及び互いの位置づけについても参照がなされる。例えば、ほぼ平行な駆動ラインが記載される。これらの駆動ラインは、銅、錫、銀、金など表面に形成され、エッチングされ、堆積され、または印刷される導電体から構成される平行な伝導ラインとして記載されるように意図されている。当業者は、多くの任意の製造過程における生来の不完全性により、かかる伝導ラインは、実際それが「完全」であることは滅多に無く、実際上は正確には並行とはならない点を理解するであろう。したがって、「ほぼ平行」と記載されている。異なるアプリケーションは、ラインがラインの一部において平行となり得ても、装置を動作させるため、その他の構成要素と接続するために、または、その上に形成されまたはトレースされる基板上または周辺にルーティングされるために、必然的に平行から逸れてしまう、いくつかの平行でない駆動ラインをも構成し得る。同様に、ラインの個別のアレーは、駆動ラインがピックアップラインに対してほぼ直交するか、垂直である場合に、直交するとか、垂直であるなどと記載され得る。当業者は、種々のラインが互いに完全に垂直ではない可能性があり、特定のアプリケーションにおいては垂直から外れた構成または異なる角度で交差する構成もあり得る点を理解するであろう。また、駆動ラインの一部が対応するピックアップラインの一部に対してほぼ垂直であり、異なるラインのその他の部分が、装置を動作させるため、基板上または周囲にルーティングされるため、または、その他の構成要素と接続されるため、垂直から外れている、一部垂直の構成もとり得る。
【0052】
実施形態によって提供される、これらの、及びその他の利益は、実施形態により構成された、実施形態の具体的な実施例及び、装置とシステムの意図された動作特徴と特性に関連付けて記載される。
【0053】
一般的に、動作時、駆動ラインは、装置に近接する物体に対して電界を送信し得る。ピックアップラインは、駆動ラインから発さられ、その後、物体を通って、また、基板を通って、ピックアップラインに送信される信号を受信することができる。あるいは、ピックアップラインは、駆動ラインから発せられ、物体を通過することなく基板を通ってピックアップラインへと送信された信号を受信し得る。この電界は、グリッド上の異なる位置において変化し得、いくつかの種類の論理回路またはプロセッサ回路によって読み取られて、アセンブリ近傍の物質の特徴及び/または特性を明らかにする、合成信号を付与する。
【0054】
駆動ラインとピックアップラインは、駆動ラインを介して信号を物体へ送信可能にし、ピックアップラインを介して物体から合成信号を受信可能にし、物体の画像を明確にするために合成信号を処理可能にするために、1つまたは複数のプロセッサによって制御され得る。1つまたは複数のプロセッサは、1つのモノリシックの構成要素に接続され、駆動ラインとピックアップラインとが、プロセッサを含むパッケージに組み込まれてもよい。その他の実施形態において、駆動ライン、ピックアップライン、及び基板は、パッケージ自体に組み立てられ、パッケージが全般的なシステム機能を制御するシステムプロセッサに接続されてもよい。このように、パッケージは、システムと通信するためにシステムの入力/出力接続部に接続することによって、システムの一部分とすることができる。これは、実際、例えば、ユーザから音声を受信する際にラップトップによって使用されるシステムプロセッサにより音声信号が受信される、ラップトップに接続されたマイクロホンに類似する。この実施形態によれば、センサは、システムプロセッサと協働して感知動作を行う、システムプロセッサと通信する独立型の構成要素として接続され得る。
【0055】
その他の実施形態において、センサは、多くの物体のインピーダンス、特に、ヒトの組織や臓器のインピーダンスが周波数により大幅に変化することから、信号を異なる周波数で駆動するように構成され得る。感知対象の物体の1つまたは複数の周波数における複雑なインピーダンスを測定するために、受信器は、振幅のみならず位相も測定可能でなければならない。1つの実施形態において、所定のインピーダンス感知電極対から生成した合成信号は、周波数ホッピングとして知られる異なる周波数から生じ得、その場合、受信器は、周波数のランダム・シーケンス、疑似ランダム・シーケンス、または非ランダム・シーケンスを追跡するように構成される。この実施形態のバリエーションは、チップとして知られている線形周波数または非線形周波数スイープたり得る。かかる実施形態において、連続する周波数帯域のインピーダンスを極めて効率的に測定し得る。
【0056】
さらにその他の実施形態において、上記のグリッドセンサは、位置指示装置としても動作するように構成され得る。かかる装置は、デスクトップ及びラップトップコンピュータにおいて使用される、周知のタッチパッド、トラックボール、マウスなどの機能を果たし得る。
【0057】
本実施形態の1つの実施例において、指先の隆起部分やへこみ部分を測定し得る二次元インピーダンスセンサは、指紋パターンの動きを追跡するように構成され得る。従来技術のスワイプ指紋センサは、かかる機能を果たし得るが、アレーの物理的な非対称性と、リアルタイムで画像を迅速に修正、つまり「再構築」する必要から、その実装は、最善のものでも扱いにくいものとなっている。また、センサは、指紋センサと高品質位置指示装置としての役割も兼ね得る。
【0058】
実施形態によって構成された1つの装置は、フレキシブル基板上にセンサラインの第一アレーと、フレキシブル基板上にセンサラインの第二アレーと、そして、センサラインの第一アレー及び第二アレーから指紋データを処理するように構成されたプロセッサとを含み得る。個別のセンサラインは、単一のフレキシブル基板の場合はそれ自体の上に折り畳まれて、または個別の複数のフレキシブル基板の場合は並置されると、電気的に短絡することなく互いにクロスオーバーして、指紋特徴が感知されるピクセルとしての機能を果たすクロスオーバー位置を有するグリッドを形成する。1つの実施形態において、ほぼ平行なセンサ駆動ラインのアレーは、フレキシブル基板の表面上に配置される。これらの駆動ラインは、信号をユーザの指の表面に順に送信して、ラインを一度に駆動するように構成される。センサラインの第二アレーは、第一アレーと同様に、駆動ラインに対してほぼ垂直な、ほぼ平行なセンサピックアップラインからなる。これらのピックアップラインは、第一アレーから送信された信号をピックアップするように構成される。
【0059】
例えば、センサライン、駆動・ピックアップラインの第一と第二の組がフレキシブル基板の拡大面の異なる部分に配置される構成において、フレキシブル基板は、それ自体の上に折り畳まれて、二重層を形成するようにさらに構成される。ここで、フレキシブル基板が、それ自体の上に折り畳まれると、センサ駆動ラインの第一アレーは、ピックアップセンサラインの第二アレーに対してほぼ垂直になる。この折り畳み処理は、センサラインの個別アレーが独立して動作するように、直接的に電気接触してはならないが、センサラインの個別のアレー間のクロスオーバー位置を作り出す。これらのクロスオーバー位置は、フレキシブル基板の表面に並置された物体のピクセルとそのサブの部分を感知するように構成されたインピーダンス感知電極対を示す。これらのピクセルのスキャンは、個々の行及び列を順に駆動することによって達成される。駆動信号によってひとたび駆動列が駆動されると、垂直のピックアップ行が、選択されたドライバの全長にわたって一度にスキャンされる。一度に1つの行しか電気的にアクティブとならないため(高インピーダンス)、非アクティブな行は短絡されて接地され、または、多重化されて信号がクロス結合しない状態になる。指の隆起部分をアクティブなアレーのクロスオーバー位置に載置すると、本来ならアクティブな駆動列から表面フィルムを通って選択された行ピックアップへと放射される電界の一部を遮断する。指紋センサの場合は、隆起部分やへこみ部分などの物体のサブの部分をインピーダンス感知電極対の上に載せると、その結果、いくつかの電界が人体を通って接地するため、ネット信号が減少する。指紋センサの場合、インピーダンス感知電極対上に指紋隆起部分/へこみ部分を載置すると、へこみ部分は、隆起部分が与えるよりも遥かに小さな程度に、選択された駆動ラインから選択されたピックアップラインへ電界の放射に影響を与える。ピクセル隆起部分とへこみ部分の間の信号の相対強度を比較することによって、指紋表面の二次元画像が作成され得る。
【0060】
再び図1を参照して、実施形態によって構成されるかかるセンサが、物体が単にユーザの指の指紋の表面である場合の指紋センサとして如何に実装され得るかを示すために、グリッドセンサの一般的な実施例を使用する。かかる実施例は、実施形態によって構成されるインピーダンスセンサの利益と新規な特徴とを示すために、以下の図面を通じて使用される。しかしながら、当業者は、任意の物体が、実施形態によって構成された装置によって感知され得る点を理解するだろう。繰り返すが、実施例と記載は例示目的のみを意図している。
【0061】
動作時に、センサは、センサ表面に近接する指の表面の存在を検出するように構成されることができ、その場合、駆動ラインが指の表面にアクティブな電磁界を駆動し、ピックアップラインが、ピックアップラインから合成電磁界信号を受信し得る。動作時に、駆動ラインは、指の表面に通す電界を生成することができ、指紋表面の隆起部分やへこみ部分など指紋の異なる特徴や、おそらくはヒトの皮膚の特徴などが合成信号を変化させることができ、指紋の特徴に関する情報を作り出す信号を解釈するための基準を提供する。
【0062】
指紋センサの1つの実施形態において、指紋センサとの関連で再び図1を参照すると、耐久性、低コスト、及び柔軟性といった有益性を実現するために、絶縁の誘電体層104として、フレキシブル基板が使用される。駆動ラインまたはプレート106a、106bは、フレキシブル基板の上に配置され、センサラインに、またはその周辺に配置された、隆起部分やへこみ部分などのユーザの指紋の特徴及び構造の表面へ信号を送信するように構成される。ピックアップライン102a及び102bは、ユーザの指表面から送信された信号を受信するように構成される。プロセッサ(図示せず)は、ピックアップラインから受信した信号に基づいて指紋画像を収集し保存するように構成され得る。
【0063】
図4は、基本的なセンサのセルの電界相互作用である。
【0064】
図4を参照すると、物体用センサとして構成されたセンサ400の1つの実施例は、上部プレートまたはピックアップライン402a、402b、...、402nが絶縁の誘電体層または基板404の一方の側に配置される。底部プレートまたはピックアップライン406a,406b、...、406nが絶縁の誘電体層または基板404の反対側に配置される。電界408a,408bは、底部プレートまたは駆動ライン406a,406bから絶縁層または基板404を通って、アクティブな上部プレート402aへ延在する。実施形態によれば、これらの駆動ラインは、障害となる一切の効果を減じるために、一度に駆動され得るが、ここで示される電界の効果は、物体によって一部または全部が吸収された電界と、物体によって吸収が全くなされていない電界との対比を示すことを意図している。この情報は、センサラインに近接した物体の特徴及び特性を感知するために、各クロスオーバー位置にて駆動・ピックアッププレート電極対から収集され得る。部分的に被覆された上部プレートまたはピックアップライン402bが電圧計417に接続され、被覆されていない上部プレート402aが電圧計418に接続される。アクティブな駆動ラインまたは底部プレート406bはAC信号源416に接続され、これにより電界がアクティブなプレート406bから放射される。特定のアプリケーションによれば、駆動ラインとピックアップラインの数はアプリケーションに応じて変化し得、また、希望されるコスト及び解像度に応じて変化し得る。理解され得るように、電界ライン408aは、駆動ライン402a,402bによって部分的に取得され、一部は、この場合指410である物体に取得される。また、物体や物体の部分が所定のクロスオーバー位置に存在するか、存在しないか、または近接するときに、駆動ライン及びピックアップラインが異なる読み込みを示すために、電圧計417は、上部プレートまたは駆動ライン402bへの応答を示し、電圧計418は、上部プレートまたは駆動ライン402aの応答を示す。電圧計418に対する電圧計417のふれの相違は、1つは指が存在する場合で、もう1つは存在しない場合の2つの電極対の位置の電界強度の差分を示す。
【0065】
図5を参照すると、実施形態によって構成されたセンサの別の実施例は、物体の存在を検知する際の駆動・ピックアップの構成である。センサ500が示されるが、その上部プレートまたはピックアップライン502a、502b、...、502nが絶縁層または基板504の一方の側に配置され、底部プレートまたは駆動ライン506a,506b、...、506nが絶縁の誘電体層または基板504の反対側に配置される。再び、ピックアップラインが、検出感度を最大限にするために、感知対象の物体に最も近い層上に示され、駆動ラインが基板の反対側に示される。電界508a,508bは、底部プレートまたは駆動ライン506a,506bから絶縁層または基板504を通って、アクティブな上部プレート502bへ延在する。おそらくは、上部に駆動プレートを有し、ピックアッププレートを底部に有するその他の構成も可能である。しかしながら、実施形態は、本明細書に記載した実施例や実施形態、特許請求の範囲と実質的には異ならない特定の構成に限定されない。
【0066】
図5は、ピックアップライン502b及び駆動ライン506bのクロスオーバーに位置する1つの選択された個別の電極対のスナップショットを示すが、この場合、残りのピックアップ及び駆動ラインはアクティブでなく、図5では接地されて示される。駆動ライン506bがAC電源516に接続され、ピックアップライン502bがアンプ/バッファー514に接続される。ここで示すように、ひとたび駆動されると、電界線508a、508bが生成され、それらは駆動ライン506bから放射され、ピックアップライン502bによって感知され、合成信号をアンプ/バッファー514に送り、その後アナログ及びデジタル機能によって処理される。非アクティブな隣接する駆動及びピックアップラインを接地することは、電界508a、508bをアクティブな駆動プレートとピックアッププレートの間のクロスオーバー位置にフォーカスさせ、感知される物体上の隣接領域からのクロストークを制限する。この実施例において感知動作が進行するにつれて、異なる駆動ライン/ピックアップラインクロスオーバーペアリングがアクティブにされ、物体からの異なるピクセルの情報を取得する。物体センサの場合、物体センサは物体の形状の情報を取得し得、その表面にわたって電気的特性が非均一なときは、物体の組成も取得し得る。繰り返しになるが、実施形態は、この特定の構成に限定されず、この場合、単一の電極対、複数の電極対、または全部の電極対さえも、異なる動作のために一度にアクティブにされ得る。実際には、近接したピクセル間で起こり得る障害を最小化するために、所定の時間にアクティブにされる電極対は全部よりも少数であることが望ましいかもしれない。1つの実施形態において、駆動ラインとピックアップラインがクロスオーバー位置でラインに沿って対になるときに、ピクセルのラインが駆動ラインとピックアップラインに沿って取得されるようにするために、駆動ラインが駆動され得、また、ピックアップラインは一度に1つまたは複数スキャンされ得る。このように、そして相変わらず図5を参照すると、AC電源516は、駆動ライン506bに接続されたままでよく、また、駆動ライン506bとクロスオーバーペアリングを行った別のピックアップラインから別の情報のピクセルが取得され得るように、アンプ/バッファー516の接続がシーケンスピックアップラインを循環させ、またはスキャンしてもよい。ひとたびほぼ全てのピックアップライン506aから506nがスキャンされると、駆動ライン506bが動作を停止し、その後別の駆動ラインが順にAC電源によってアクティブにされ、新たなスキャンがピックアップラインを介して開始し得る。フルのピクセルの二次元アレーを取得するために、ひとたびほぼ全ての駆動ライン/ピックアップラインのペアリングがスキャンされると、物体の形状のレンダリングや、可能性としての組成図など、物体の特徴及び特性の二次元画像が作成され得またはレンダリングがなされ得る。
【0067】
実施形態から利益を受け得るセンサのその他の実施例として、実施形態で提供されたものと同じ新手法を利用した、コストが削減された指紋スワイプセンサが構成され得る。この実施形態において、直交する駆動ラインの数は全部有するが、ピックアップラインの数が削減されたものが構成され得る。かかる構成は、疑似二次元センサの形態をとる複数ラインのスワイプセンサを作り出し、指がセンサ上をスワイプすると、部分的な画像または薄片のモザイクを作り出す。このことによる有益性は、迅速な検出を行うために1つのフル画像ラインと第二の部分的な画像ラインに依存する現在の非接触シリコンセンサにとっては問題の多い、画像再構築タスクの複雑さを軽減することであろう。
【0068】
トレードオフは、アレーをスワイプしなければならない指のスワイプ速度の変化に遅れをとらずについていくために、疑似二次元アレーが、遥かに高速でスキャンされなければならない点であろう。
【0069】
図6aと図6bは、指紋隆起部分またはへこみ部分などの物体の表面の特徴を検出する際のセンサの動作を示す。センサは、図5の前実施例と同一に構成されるが、この場合は、指紋などの、ざらつきのある表面と相互作用を及ぼし合う。
【0070】
図6a及び図6bを参照すると、実施形態によって構成されたセンサの別の実施例が示される。センサ600が示されるが、ここで、上部プレートまたはピックアップライン602aから602nが絶縁層または基板604の一方の側に配置され、底部プレートまたは駆動ライン606aから606nが基板604の反対の側に配置される。最大感度のために、ピックアップラインが感知対象の物体の最も近傍の層上に示され、駆動ラインが基板の反対側に示される。図6aは、近傍に配置された物体のへこみ部分と相互に作用し合うときの電界ライン620を示し、図6bは、底部プレート駆動ライン606bから絶縁層または基板604を通ってアクティブな駆動ライン606bに延在し、近傍に配置された物体の先端部分と相互に作用し合うときの電界ライン621を示している。指紋を感知する場合、対応する指紋表面の隆起部分とへこみ部分は駆動ライン/ピックアップラインクロスオーバー地点のグリッドによって取得され、合成データは指紋画像のレンダリングのために使用され得る。保存された指紋は、その後、取得された指紋と比較されて認証がなされ得る。これは、販売者から独立型の製品として入手可能な多くの指紋照合アルゴリズムのうちの1つを使用して達成される。かかる販売者には、ごく僅かな例を挙げるとDigital Persona, Biokey, Cogent Systemsなどがある。
【0071】
また、図6a及び図6bには、ピックアップライン602bと駆動ライン606bとが対になっている個別のセンサラインが示される。そのクロスオーバーは、アクティブな電極対を形成し、残りのピックアップラインと駆動ラインは非アクティブであり、電池スイッチによって名目上接地される。駆動ライン606bは、AC電源616に接続され、ピックアップライン602bは、アンプ/バッファー605に接続される。本明細書に記載するように、ひとたび起動されると、図6a、図6bにそれぞれ示すように、電界線620及び621が生成され、それらは駆動ライン606bとピックアップライン602bとの間に広がり、合成信号を送信するが、この合成信号はピックアップライン602b上に放射され、アンプ/バッファー605に接続し、その後アナログ及びデジタル処理回路によって処理されるものである。実施形態において感知動作が進むにつれ、異なる駆動ライン/ピックアップラインのクロスオーバー対が、物体から異なったピクセルの情報を取得するために起動され得る。指紋の場合であれば、指紋の異なる特徴及び特性についての情報及び指本体の情報さえも取得し得る。繰り返しになるが、実施形態は、この特別な構成に限定されず、単一の電極対、複数の電極対、または全部の電極対さえも、異なる動作のために一度にアクティブにされ得る。実際には、近接したピクセル間で起こり得る障害を最小化するために、所定の時間にアクティブにされる電極対は全部よりも少数であることが望ましいかもしれない。1つの実施形態において、駆動ラインとピックアップラインがクロスオーバー地点でラインに沿って対になるときに、ピクセルのラインが駆動ラインとピックアップラインに沿って取得されるようにするために、駆動ラインが起動され得、また、ピックアップラインは一斉に1つまたは複数スキャンされ得る。したがって、また、相変わらず図6aを参照すると、電源616は、駆動ライン606bに接続されたままでよく、また、別のピクセル情報が駆動ライン606bによって別の電極対から取得され得るようにするために、バッファー/アンプ605への接続が別のピックアップラインを循環させ、またはスキャンしてもよい。
【0072】
図6a及び図6bに示すスナップショットにおいて、駆動プレート606bは、全列のピクセルがスキャンされるまでは、AC信号源616によって励起されたままであり、一方で、分離の目的のため、未使用の駆動プレート(606a,606cから606nなど)は接地するように切り替えられる。同様に、1つの実施形態において、クロストークを最小化するために、単一のピックアップラインが一度にアクティブにされ、いくつかの、或いはほぼ全てのその他のピックアッププレートは、接地するように切り替えられる。
【0073】
スキャン処理は、図6a及び図6bに示すスナップショットを超えて継続し、次の列606cが順に起動される(なお、順序については任意である)。ひとたび、一連の全てのピックアッププレート602aから602nがスキャンされると、次の駆動ライン606dが起動され、最終的には全ての、或いはほぼ全ての駆動ライン606aから606nが順にシーケンスされる。ひとたび全ての駆動列が起動され、ピックアッププレートが各列に関してスキャンされると、駆動行の数にピックアップ列の数を乗算したのと等しいピクセルの完全な二次元アレーが収集され得る。10×10mmの、つまり100mm2のアレーを創出する500DPIのセンサは、40,000の個別ピクセルから構成される。アプリケーションに応じて、駆動ラインの全てが順に処理され得、または、そのうちのいくつか若しくはほぼ全てが順に処理され得る。
【0074】
再び図6a及び図6bについて述べると、2つの導電層である駆動層606とピックアップ層602が、電気絶縁層604によって分離される。この電気絶縁層604は、高周波電界が電気絶縁層604を透過できるように、1よりも高いDC抵抗ならびに高い誘電率を有する。1つの実施形態において、この層602は、それ自体にフレキシブルな片側性のフレキシブルプリント回路基板を折り返して載せている。別の実施形態において、層602は、両側性の回路基板を形成するために、2つの電気的にアクティブな層の間に誘電体層を配置することにより、作り出されている。
【0075】
図7は、各駆動/ピックアップのクロスオーバーにおけるセンサの電気的結合を示す集中回路構成要素によって表されたx−yグリッドのプレート行及び列の線図である。
【0076】
底部プレート701a,b,cなどは、スイッチマトリックス740aから740nを介してAC信号源716によって一度に駆動される。図7は、1つの駆動スイッチ740bがONの状態で対応するプレートを信号源に接続するスキャンのスナップショットを示す。これにより、AC信号にて、1次元におけるセンサ幅に等しいプレートの全長にわたって、1つの行740b全体が起動される。これに対応して、各列プレート703a,b,cなどは、絶縁層704及び結合コンデンサ761a,b,c・・・nを介してAC信号をピックアップする。1つのピックアッププレートのみがバッファー/アンプ716に切り替えられて一度にアクティブにされる。図7において、上部プレート702bが、アクティブなプレートとして示され、一方、全ての、或いはほぼ全てのその他のピックアップがスイッチマトリックス730aから730nを介して短絡されて接地され、こうして1つのx−yピクセルからの情報が取得される。
【0077】
単一の行は、スキャンされるピックアッププレート/列の総数を取得する限りにおいて、アクティブなままである。単位ピクセル当たりのスキャン時間は、動作周波数及び検出電子機器の整定時間に依存するが、従来技術のスワイプセンサにおいて一般的であるように、不必要に高速でスキャンする必要は無い。一方、従来技術のスワイプセンサは、20cm/秒よりも高速となり得る指の速さに対してサンプル不足によって情報を喪失しないように、極めて高速のピクセル速度でスキャンしなければならない。スワイプセンサと比較して取得速度が低下すると、アナログ電子機器の要件が緩和され、ホストプロセッサがリアルタイムで取得しなければならないデータ速度が大幅に低下する。これは、システムコストを軽減するばかりでなく、ホスト装置が遥かに少ないCPU電源及びメモリにて動作することを可能にする。これは、特に携帯機器にとって決定的に重要である。
【0078】
ひとたび、全ての行706bが、これに対応する全ての、或いはほぼ全てのピックアッププレート702aから702nによってスキャンされると、シーケンス中の次の行がスイッチマトリックス740によって起動される。この処理過程は、全ての或いはほぼ全ての行及び列がスキャンされるまで継続される。
【0079】
バッファーアンプ716に結合される信号の量は、絶縁体及び近接する指の隆起部分またはへこみ部分によって、どの程度の大きさの電気容量が形成されるかの関数である。これらの電界がどのように放射するかについての詳細な動作に関しては、図6a及び図6bに示されている。総結合容量は、所定厚さに対して定められる絶縁層容量704及び感知対象の物体の可変位相容量との一連の組み合わせである。このうち可変部分は、760aから760n、761aから761n、762aから762nなどの番号が付され、二次元アレーを形成する一連の可変容量として図7に示される。
【0080】
図8は、選択されたピックアッププレート(802aから802n)から信号を取得して、これをプレート805の基準信号から減算する差動アンプ880を使用する配置センサの実施形態の実施例を示す。これらの信号から電気的に減算することは、いくつかの機能を果たす。すなわち、第一に、広帯域コモンモードが差し引かれる。第二に、基準信号805から差し引くことは、理想的な隆起部分に相当する相対的な基準信号を提供する。第三に、指以外を経由して両プレートに結合するコモンモードキャリア信号も差し引かれる。ピックアッププレートにおけるエッチバリエーションの第一のオーダのキャリアのキャンセルは、センサに載置された指以外の手段によって結合されたキャリアを差し引くときにも起きる。これは、低コストで高容量を製造するうえで非常に重要である。
【0081】
基準プレート805は、意図的に間隔885によりピックアッププレート802aから802nより分離されて、センサの指が接触する領域外に配置される。間隔885は、通常50μmであるピックアッププレート間の公称間隔よりも遥かに大きい。実際上の実施形態では、プレート805は、指との接触を避けるために、その他のピックアッププレートから少なくとも500μm離して、ベゼルのプラスチックの下に配置される。
【0082】
ピックアッププレート802aから802nのそれぞれは、差動アンプ880に接続するピックアップスイッチ830aから830nを介して切り替えることにより順にスキャンされる。ピックアップ行全部のスキャン処理中は、差動アンプの陽極は、全てのピックアッププレートに対して同じ信号基準を提供するために、基準プレート805に接続されたままである。
【0083】
図9aは、ピックアッププレート行をスキャンするための単極双投スイッチつまりSPDTスイッチのバンクと、ピックアッププレート列を多重化するための単極単投スイッチのバンクを使用する位相における、配置センサのフロントエンドの1つの実施例の回路図を示す。
【0084】
図9aにおいて、スキャン処理が開始したときのアナログスイッチのスナップショットを示す。第一SPDTスイッチ1044aのみが“ON”の状態に示され、これにより、ピックアッププレート902aが、そのプレート信号を差動アンプ980に伝達可能になる。残りのピックアッププレートは、スイッチ944aから944nを介して短絡されて接地され、これらによって受信されたいかなるピックアップ信号も差動アンプ980に入らないようにしている。
【0085】
各SPDTは、実際上のスイッチでは完全な分離がなされないという事実のために、寄生容量945を有する。実際、スイッチポールをまたぐ並列コンデンサによって一般的に代表されるように、分離量は、周波数に伴って減少する。SPDTスイッチを使用することによって、個別のプレートがアクティブでない場合に、この容量を分路させ、接地させることができる。一般的には、500dpiセンサに対して200もの、ピックアッププレートの数に等しい多くのスイッチのアレーがあるために、この数によって実際のグラウンドへの分路容量が乗算される。したがって、所定のスイッチが0.5ピコファラッドの寄生容量を有し、200のピックアップがある場合、総分流容量は100ピコファラッドまで増大する。
【0086】
この大容量によってアクティブなピックアップから受信した信号の殆どがグラウンドへと逸れてしまうことを防止するために、この実施例では、補償回路を使用することが望ましい。このことは、共振インダクタ939を使用することによって、寄生容量945(スイッチ毎に1つ)及び同調コンデンサ934及び937とともに標準的なバンドパスフィルター回路を形成することによって達成される。同調コンデンサ934及び937が、差動アンプ980への正入力、負入力とも同じ駆動信号を使用して、インダクタ939によって個別に同調される場合に、2つのステップからなるヌル値・ピーク値のキャリブレーション処理手順が使用される。インダクタ1039と共振コンデンサ934、937によってそれぞれ形成された2つのバンドパスフィルターは、差動アンプ980からの信号がゼロのとき、同じ中心周波数に同調される。続いて、コンデンサ934、937及び、インダクタ939は、差動アンプ980への正及び負の入力につき、180°逆の位相を有する差動入力信号を使用して、ともに同調される。それらはロックステップにて、要求される駆動キャリア周波数が達成されるまでインクリメントされるが、これは、差動アンプ980の出力がピークのときに、中心周波数をキャリア駆動信号916の要求される周波数と同じにして起きる。
【0087】
システムの実装において、時間、温度に伴って、このフィルターがドリフトするのを最小化するために、キャリブレーションの手続きは、各指紋スキャンが行われる前に行われる。共振インダクタ939は、信号のノイズ比を最適化するために必要な、適切な帯域幅特性をフィルターに与えるために、少なくとも10のQ値すなわち品質係数を有する必要がある。
【0088】
図9bは、そのそれぞれが差動アンプを有する、まとめられたプレートの複数のバンクを採用する装置の別の実施例を示す。
【0089】
多数の並列ピックアッププレートをそれぞれが少数のプレートを含むグループに分けることは、寄生スイッチ容量が大幅に減少するため、フロントエンドにおいて同調されたバンドパスフィルターの使用を必要としない、別のアーキテクチャである。このことは2つの有利な可能性を有するだろう。第一に低コスト、第二に、周波数アジャイルなフロントエンドを有することができる点である。この図において、バンク907aの第一スイッチ944aがアクティブなフロントエンドのスナップショットが示される。その他の全てのスイッチバンク907aから907nは、その各々のプレートが短絡され接地されて、非アクティブな状態に示される。したがって、電圧または電流差動アンプ980aのみがそこにプレート信号を導通させ、電圧または電流差動アンプ980bから980nは、そのそれぞれのスイッチ945aから945n及び945rを通してその正及び負の入力を接地させ、それらのバンクからの信号が全体の出力量に影響を及ぼさないようにしている。
【0090】
差動アンプ980aから980nのそれぞれは、レジスタ987aから987nを通して総和されて、総和アンプ985に入る。このスナップショットにおける差動アンプ980aのみがその中に信号をルーティングさせ、独立して総和アンプ985に入力する信号を作り出している。かかる処理過程は、全てのアレー内の、全ての、または、ほぼ全てのスイッチバンク907aから907n、スイッチプレート944aから944n、945aから945nなどが完全にスキャンされるまで順番に反復される。
【0091】
ピックアップアレーを分割することにより、各プレートの容量入力負荷は、全アレーのスイッチの容量入力負荷から所定のプレートグループ内のスイッチ数へと軽減する。例えば、潜在的な196のピックアッププレートを14のバンクの14のプレートに分割すると、結果として容量負荷は、14スイッチ(944)の寄生容量と同じになり、これに差動アンプの負荷容量を加えたものとなる。アナログスイッチ944が極めて低い寄生容量にて構成されると、全入力の負荷は十分小さく、負荷容量を共振させるためのフロントエンドのバンドパス回路を必要としない。集積回路の製造技術が改善されると、より小さな寄生容量の、より小型のスイッチの設計が可能となり、同手法をより魅力的なものにする。
【0092】
図9cは、二段式の差動アンプに多重化される個別のプレートバッファーを使用するフロントエンド回路の別の実施例を示す。
【0093】
図示されているバッファー982aから982nは、極めて低い入力容量を有するように設計された特別のバッファーである。1つの実施形態において、これらのバッファーは、ゲート・ドレイン間のミラー容量とダイ領域を最小化するために、一段式の直列のアンプとして構成され得る。プレート間の分離をより最大にするために、各入力用に2組のスイッチが使用され得る。各選択されたバッファーを差動アンプ980に多重化するために、アナログスイッチ930aから930nが本実施例に含まれる。選択されないその他全ての入力バッファーに対して同時にシャットダウンするためにスイッチ932が含まれる。このことはバッファーを効果的に接地電位にする。別の実施形態は、未使用のプレートを直接接地させるために各アンプの前に入力アナログスイッチを設置することであろう。この手法の1つの効果は、各プレートの入力負荷容量の増大であろう。
【0094】
図9cは、上部プレート902aが、スイッチ932aを介して電力を供給されたバッファー982aによって感知されるスキャン処理のスナップショットを示す。アナログスイッチ930aは閉じられて、差動アンプ980にルーティングされる。その他の全てのバッファー出力は、アナログスイッチ930bから930n及び電源スイッチ982bから982nを介して差動アンプ980から切断される。
【0095】
差動アンプ980への正入力は、常に基準プレート902rに接続され、「エアー」信号基準をアンプに提供する。差動アンプ980は、「エアー」基準キャリア値を提供することに加え、ノイズ及びコモンモードキャリア信号を除去する役割を果たす。
【0096】
図10は、伝統的なアナログ受信器技術を実装した配置センサの特定の実施形態を示す。アナログフロントエンドは、差動アンプ1080とともに開始し、そこでは、指が接触しない領域に配置されて、理想的な指のへこみ部分に相当する基準信号を提供する基準プレート1005から選択されたピックアッププレート1002aから1002nが差し引かれる。プログラマブル利得ステージすなわちPGA1090は、差動アンプ1090に続くが、同じブロックに一体化されることができ、単段の中で利得と減算の両方を提供する。PGA1090は、プレートエッチングにおける製造バリエーションと層間のソルダーレジストの厚さとを補償するのに十分に広い利得範囲を有するように設計される。
【0097】
制御プロセッサ1030は、二次元センサプレートアレーのスキャンを統合する。駆動プレート/行1002aから1002nは、制御プロセッサ1030における駆動プレートスキャン論理回路1040によって順にスキャンされる。選択された駆動プレートが起動されると、かかる駆動プレートは、キャリア信号源1016に接続される。全ての非アクティブな駆動プレートが接地点に接続される。シーケンス中の次の駆動プレートを起動する前に、アクティブな駆動プレートは、ピックアッププレートの全ての行1002aから1002nがピックアッププレート論理回路1045によってスキャンされるまで十分長くとどまる。
【0098】
アナログミキサ1074は、基準キャリア1013に対して利得アップしたプレート信号を多重化する。その結果は、複数のキャリア周波数におけるベースバンドと高調波の生成物の標準的なスペクトルである。アナログ低域フィルター1025が、望ましくない高調波を除去するために採用され、また、ベースバンド情報を喪失することなく第二高調波に関連する情報を減衰させるため、十分に強い役割を果たすことが要求される。
【0099】
低域フィルターの後には、ナイキスト基準を満たすために少なくとも2倍のピクセル速度でサンプリングを行わなければならないA/Dコンバータ1074が続く。メモリバッファー1032は、ホスト制御装置の最悪の場合のレイテンシーについていくために十分なサイズのA/Dサンプルを局所的に保存する。A/Dサンプル制御ライン1078は、プレートの行及び列のシーケンス処理によって作られた、シーケンシャルピクセル情報をコンバータが取得するために、サンプルクロックを提供する。
【0100】
図11は、直接的なデジタル変換受信器の技術によって実装された配置センサの1つの実施形態の1つの実施例を示す。この実施例において、アナログのフロントエンドは、差動アンプ1180とともに開始され、そこでは、指と接触しない領域に配置され、理想的な指のへこみ部分に相当する基準信号を提供する基準プレート1105から選択されたピックアッププレート1102aから1102nが差し引かれる。これらの信号から電気的に減算することは、いくつかの機能を果たす。すなわち、第一に、広帯域コモンモードが差し引かれる。第二に、基準プレート1105から差し引くことは、理想的な隆起部分、へこみ部分に相当する相対的な基準信号を提供する。第三に、指以外を経由して両プレートに結合するコモンモードキャリア信号も差し引かれる。コモンモードの除去は、高RFノイズ環境においては、特に重要である。ピックアッププレートにおけるエッチバリエーションの第一のオーダのキャリアのキャンセルは、センサに載置された指以外の手段によって結合されたキャリアを差し引くときにも起きる。これは、低コストで大量製造するうえで非常に重要である。
【0101】
プログラマブル利得ステージすなわちPGA1190は、差動アンプの後に続き、現在の集積回路設計において一般的になされているように、プログラマブル利得を含む単段の差動アンプと容易に一体化され得る。PGA1190は、プレートエッチングにおける製造バリエーションと層間のソルダーレジストの厚さとを補償するのに十分に広い利得範囲を有するように設計される。
【0102】
制御プロセッサ1130は、二次元センサプレートアレーのスキャンを統合する。駆動プレート/列1102aから1102nは、制御プロセッサ1130における駆動プレートスキャン論理回路1140によって順にスキャンされる。選択された駆動プレートが起動されると、かかる駆動プレートは、キャリア信号源1116に接続される。全ての非アクティブな駆動プレートが接地点に接続される。シーケンス中の次の駆動プレートを起動する前に、アクティブな駆動プレートは、ピックアッププレートの全ての行1102aから1102nがピックアッププレート論理回路1145によってスキャンされ、A/Dコンバータ1125によって取得されるまで十分長くとどまる。
【0103】
A/Dコンバータ1125は、ナイキスト基準を満たすために少なくとも2倍のキャリア周波数でサンプリングされる。A/Dサンプル制御ライン1107は、コンバータがプレートの行及び列のシーケンス処理によって作られた、シーケンシャルピクセル情報を取得するために、サンプルクロックを提供する。
【0104】
A/Dコンバータの次は、デジタル制御された発振器1110によって生成された基準キャリアに対するキャリア周波数であるA/D出力をデジタルに多重化するデジタルミキサ1118が続く。その結果、信号が低い周波数に変換されてキャリアの除去されたベースバンドになる。その他、かかる処理過程において作り出される望ましくないスペクトル構成要素すなわち、ダブルタイムキャリアサイドバンドなどがあるが、これらは容易に除去され得る。
【0105】
デジタルミキサ1118の後は、デシメータとデジタルフィルターの組み合わせ1120が続く。このブロックは、サンプリングダウン変換を行い、サンプリング速度をキャリア周波数の少なくとも2倍の速度から、これより遥かに低いピクセル速度の少なくとも2倍の速度に減じる。一般的にデジタルフィルターは、直列積分コムフィルタ、つまり、CICフィルターを含み、これは、混合による望ましくないスペクトル副産物を除去するほか、ノイズに対する受信信号を改善する。CICフィルターは、デジタルミキサで信号を混入してベースバンドにした後、狭い帯域のフィルターを作り出す上で効率の高い手法を提供する。CICフィルターは、帯域の下垂を修正するためにより遅いデシメート速度で動作するFIRフィルターに追従されてもよい。
【0106】
100:1のオーダのサンプリング速度の低下に伴って、比較的小さな制御プロセッサバッファー(1132)が指紋全体を取得するために使用され得る。例えば、40kのピクセルを作り出す200×200のアレーが40kbバッファー中に保存され得る。これは、最速の許容可能なスワイプ速度についていくために、通常200msという十分速い速度で部分的画像フレームをスキャンしなければならないスワイプセンサと対照的である。同時に、最速のものと比較してその10倍のメモリ容量を必要とする2秒という遅いスワイプも受け入れなければならない。保存前に不必要なサンプルラインを除去する様々な技術が開発されてきたが、スワイプセンサ用には、リアルタイムの保存要件でさえも遥かに大きいものとなっている。メモリ容量に限界があるマッチ・オン・チップアプリケーションにおいて、これは決定的に重要な要因である。加えて、配置センサには、リアルタイムのデータ取得や、ユーザが定位置に指を置き続けるという辛抱を超えるホストプロセッサに対する処理要求がない。
【0107】
図12及び1つの実施形態によって構成されるセンサレイアウト1200の実施例を参照すると、半導体業界でチップオンフレックス(CoF)として知られる構成が示される。チップオンフレックスとは、プロセッサチップがKapton(商標)テープなどのフレキシブル基板に取り付けられ、フレキシブル基板に配置された導電線や、おそらくはその他の構成要素と電気的な接続が行われる構成である。図示した実施例は、シリコン基板上に形成された論理回路であってもよい集積回路1210、マイクロプロセッサ、またはセンサ回路から取得されたピクセル情報を処理するためのその他の回路を示している。
【0108】
指紋センサまたはその他の配置センサとして構成される場合は、集積回路1210は、以下の図16に記載する機能の全てまたは一部を実現する混合信号チップであってもよい。1つの実施形態において、集積回路1210は、駆動・ピックアップラインの200×200ラインアレーを駆動するために十分な入力、出力を有し、駆動及びピックアップラインのいずれかをより多く或いはより少なく有し得る。上部層1220は、集積回路1210に直接接続されたピックアップラインのアレーによって形成される。これは、ボンドワイヤなしにフレキシブル基板に直接取り付けられるフリップチップであってもよい。この実施例において、底部層は、折り畳み軸1230に沿って単一層自体を折り返すことによって形成され、二重層のアクティブなセンサ領域1255を作り出す。駆動ラインは折り畳まれて底部層1225を作り出す。この実施例における駆動ラインは、レイアウトのバランス上、それぞれ左のグループ1240、右のグループ1242に分割されるが、感知領域の左側か右側に全部を配置することもできる。左の駆動プレートバンドル1240と右の駆動プレートバンドル1242とは左右交互の動力供給によって互いに組み合わさって底部層1225上に連続的なラインアレーを形成する。
【0109】
フレキシブル基板ベースのコネクタ1235は、電力を送り、接地させ、インターフェース信号を外部ホストまたは図16に示し以下で記載するようなシステムレベル構成要素を含む、その他の基板に送り出す。これらの構成要素は、メモリや、埋め込み照合アルゴリズム及び暗号化/復号機能を有する論理回路を有するプロセッサを含むが、これらに限定されない。その他の実施例において、コネクタ1235は、或いは異方性導電膜として知られる導電接着剤(ACF接着剤)を使用してホスト基板に取り付けられ得、いくつかの製品においては「高密度」として表示され得る。
【0110】
図13aを参照すると、フレックスなレイアウト構造1300が図示される。図示されているように、フレックスなレイアウト構造1300は、画像領域1350を含み、その中で駆動ラインがピックアップラインとのクロスオーバー位置を形成し、クロスオーバー位置は上部層1370を底部層1372の上に折り畳み、フレキシブル基板をそれ自体の上にフレックス曲げ半径1374周囲で折り畳んで形成される。側面からみると、上部のフレキシブル基板1364は、上部ソルダーレジスト1362上に積層され、上部ソルダーレジスト1362は、上部の銅線またはピックアップライン1360上に積層される。底部層ソルダーレジスト1370は、上部銅線1360の下に折り畳まれ、底部銅線1372はソルダーレジスト1370の下かつ底部フレックスの上に形成される。
【0111】
図13bを参照すると、図13aのフレックス層構造1300を取り付けるためのモジュール構造1301の1つの実施例が示される。当業者は、特定のモジュール構造が実施形態によって変化し得ること、及び、この実施例は、実際の実装を行うために使用され得るモジュールのほぼ完全な実施例を示してはいるものの、あくまでも1つの実施例にすぎず、実施形態をいかなる方法によっても限定することを意図したものではなく、また、限定して考えてはならないことを理解するであろう。実施例の構造1301は、フレックスな上部層1370を、駆動ラインとピックアップラインのアラインメントを確保するために構成されたフレックス位置決めピンまたはプラスチック製のフレーム1337を有するその上部層で受け取る硬質基板1330を含む。感知電極対は、2つの層上で駆動・ピックアップラインのクロスオーバーによって形成されるため、x−yアラインメント公差の要求は、2つの層間で照合されるべき特徴がある場合に要求されるサブピクセルのアラインメント公差ではなく、いくつかのピクセルオーダーとなり得る。各層上の4つの取り付け穴(1337)は、角度アラインメント及びx−yアラインメントを確保するために十分である。駆動チップ1310と画像領域1350も示されている。
【0112】
図14を参照すると、実施形態により一般的に構成されるセンサシステム1402を組み込んだ実施例のシステム1400が例示されている。センサ装置は、システムに組み入れられ得るし、或いは独立型の製品として構成され得る。独立型の製品として、センサ構成要素は、筐体(図示せず)に収容されることができ、電気接続は、装置またはかかる装置を利用するシステムと接続するために曝露され得る。当業者は、本明細書に記載する実施形態によって構成されるセンサが異なる産業セクターで広範に使用されている筐体にどのようにして組み込まれ得るかを即座に理解するであろう。従って、例えば、システムにおいて、機械的な接続、設計、及び構造が、特定のアプリケーションのために必然的に変化し得る。例えば、指紋センサとしての使用のためにラップトップに組み込まれると、表面取り付けモジュールが、センサグリッドラインをユーザに曝露するために採用される必要があるだろう。携帯電話や携帯情報端末(PDA)などに組み込まれる場合は、センサの動作能力を提供しつつ特定の装置設計に適合させるために、別種の取り付けモジュールが、必要となるだろう。再び、図14は、図示されてはいないが、実施形態によって構成された、上部層1406と底部層1408を有し、アプリケーションに応じてそれぞれピックアップラインかプレート及び駆動ラインかプレートを有し、折り畳んだフレキシブルまたは硬質な基板1404を有するセンサ1402を組み込んだシステム1400を図示するものである。二次元感知領域1411が上部に物体1410を伴って示されているが、ここでの物体は、指紋センサの場合、指とすることができ、その他のアプリケーションの場合はその他の物体とすることができる。上部層のピックアッププレートまたはライン(図示せず)は、受信した合成信号を送るために通信リンク1412を介して上部プレート処理回路1410と通信する。駆動ラインまたはプレートは、本明細書では図示していないが底部層1408に配置され、通信ライン1416を介して底部プレート処理回路1414から駆動信号を受信する。上部プレート処理回路1410は、ピックアッププレートまたはラインから受信した合成信号を受信し、増幅し、及び/またはバッファーリングし、或いは保存するように構成されたフロントエンドバッファー及びアンプ1416を含む。図9に示すようなスイッチアレー1418が、フロントエンド1416から信号を受信し、切り替え信号をデジタル信号に変換するために、アナログ・デジタル(A/D)コンバータ1420に送信するように構成される。デジタル信号プロセッサ(DSP)1422は、A/Dコンバータ1420からデジタル信号を受信し、送信のために信号を処理するように構成される。
【0113】
底部プレート処理回路1414は、センサ基板1404の底部層1408上の駆動プレートまたはラインによる使用のための駆動回路を作り出すように構成され、信号を作り出すためのドライバ及びスキャン論理回路1424と、駆動信号が設定されている周波数をプログラマブルに設定するプログラマブル周波数発生器1426とを含む。底部プレート処理回路1414は、通信リンク1428を含み、同様に、上部プレート回路は、プロセッサ、メモリモジュール、及びその他の構成要素などと、システム間で通信を送受信するためのシステムバス1432と通信するための通信リンク1420を有する。システムバス1432は、アルゴリズム1428、アプリケーションソフトウェア1440、テンプレート1442、及びその他プロセッサ1444によって永続的に頻繁に使用されるためのコードを保存するために、通信リンク1436を介して永続性メモリ1434と通信する。プロセッサ1444は、システムバスから受信され、センサ1402から派生した信号を処理するための論理回路とその他の電気回路を有するプロセッサ論理回路と、プロセッサと協働して基本的及び複雑な演算を行うための論理回路によって構成される数値演算ユニット1450を含む。プロセッサメモリ1452は、例えば計算結果を保存、及びその後の計算のための読み出しのためなど、プロセッサ1444の局部的保存のために構成される。
【0114】
動作時、駆動信号は、プロセッサ1444によって制御され、底部プレート処理回路1414からの駆動信号のパラメータが、プロセッサ1444によって底部プレート処理回路1414内に設定される。駆動信号は、発生器1426内に設定されたパラメータ内の論理回路1424によって生成され、通信リンク1416を介して底部プレート1408へ送信される。これらの信号は、感知領域1411周辺の上部層1406上のピックアップラインへと延在する電磁場を生成する。これらの信号は、(図示しないが、上述した)センサグリッド上の異なるピクセル電極対を通って循環され、これらの電磁場のいくつかは、物体1410(例えば、指紋など)によって吸収される。合成信号が(図示しないが、上述した)感知領域1411周辺の上部層1406上のピックアッププレートまたはピックアップ回路によってピックアップされる。その後、合成信号は、通信ライン1412を介して上部プレート処理回路1410に送信され、信号が処理され、さらなる処理のためにメモリ装置またはプロセッサ1444へ送信される。ひとたびドライバとスキャン論理回路がグリッドセンサ上のピクセルを循環すると、物体の特徴、特性に関するデータがシステムによって明確化され、利用され得る。例えば、指紋センサシステムにおいて、画像は保存された指紋画像と比較され得る指紋画像とすることができ、照合すれば、ユーザの認証に使用され得る。
【0115】
図15は、実施形態によって構成された装置が、指紋感知アプリケーションにどのように応用されるかを示す。ユーザは、指紋(1510)のついた指を、駆動プレート(1506aから1506n)とピックアッププレート(1502aから1502m)とのクロスオーバー位置によって形成されたセンサグリッドの上に置く。画像ピクセル1561が、駆動プレート1506aとピックアッププレート1502aの電極対の上の指紋領域を感知し、ピクセル1561aが、駆動プレート1506nとピックアッププレート1502aのクロスオーバーを感知し、ピクセル1562nが、駆動プレート1506nとピックアッププレート1502mのクロスオーバー上の領域を感知する。
【0116】
図16は、図11及び図14に示す実施形態を使用した、図15に示す指紋画像を収集するために要求されるステップを示す。画像取得は、ステップ1601にて開始する。初期化の一部として、ステップ1602において行カウンタを1に初期化する。ステップ1603は、行スキャンシーケンスの開始である。各行の開始において、列カウンタがステップ1603にて1に設定される。ステップ1604において、上部プレートスキャン論理回路1145は、選択された行のための適切なアナログスイッチ(1103aから1103nの中から1つ)を起動する。ステップ1605において、個別のピクセルの感知は、底部プレートスキャン論理回路1140が、キャリア信号1116により適切な駆動プレート(1106aから1106nの中から1つ)を起動するときに開始する。ステップ1606において、プログラマブル利得アンプ1190による処理の後、異なるアンプ1180からの信号が、A/Dコンバータ1125によって、反復してサンプリングされる。デジタルミキサ1118がサンプルを混入して、デジタル発振器1110によって設定されたベースバンド周波数にする。その後、ベースバンド信号がデジタルデシメートフィルター1120によってフィルタリングされて、現在のピクセルの信号レベル値を生成する。図11の実施形態においてこのステップのために行われる機能は、代替的に、図10に示す、対応するアナログ受信器や、その他の機能的に類似する配置によって行われ得る。ステップ1607において、ステップ1606において得られた信号レベル値は、現在選択されている行及び列に対応するメモリバッファー1132の適切な位置に保存される。ステップ1608において、列数がインクレメントされ、ステップ1609において、現在の行の収集が完成したか否かを決定するために列数をチェックする。行が未完成の場合、ステップ1605に戻って行中の次のピクセルを収集する。行が完成した場合、ステップ1610に進んで行数をインクレメントする。ステップ1611において、全ての行がスキャンされたか否かを決定するために、行数をチェックする。全ての行がスキャンされていない場合は、フローはステップ1603に戻って最初の列に戻って次の行を開始する。ひとたび全ての行がスキャンされると、画像取得が完成し、ステップ1612に進み、この時点で画像は、長期間の保存のためのさらなる処理または転写の準備が整ったことになる。
【0117】
当業者は、行と列のスキャンのオーダは、いくつかの実装ではインターリーブモードでより最適にサンプリングできる場合があるため、アレー中の物理的な位置に直接的に対応するものでなくてもよい点を認識するだろう。
【0118】
図17は、図14に示す実施例の1つであるユーザ認証アプリケーションの例である。ステップ1701において、プロセッサ1444上のシステムレベルアプリケーション1440は、ユーザ認証を必要とする。ステップ1702において、ユーザは認証のために指を提供するよう促される。システムは、ステップ1703において、検出対象の指が存在するようになるまで待機する。これは、図16に示すような大きさを縮小した画像を収集し、指の画像を検査することによって、或いはその他の専用ハードウェアを介して行われ得る。ひとたび、指の存在が検出されると、ステップ1704において、図16に記載の方法またはその他のこれにほぼ類似する方法を用いて、完全な画像が収集される。その後、この画像は保存され、ステップ1705において、図17Bに示すような、一般的には特徴点の位置及び種類(分岐点1710や端点1711など)のマップや、おそらくは隆起部分の頻度や向き、或いはそれらのいくつかの組み合わせから構成される、テンプレート1712に変換される。ステップ1707において、テンプレートはその後、ステップ1706における永続性テンプレートメモリ装置1142から検索された1または複数の登録テンプレートと比較される。照合で一致が判明すると、ユーザは、ステップ1708において認証され、アプリケーションへのアクセスが許可される。照合で一致しないと判明すると、ユーザはステップ1709で拒絶され、アクセスが拒否される。
【0119】
特定の例示的な実施形態が記載され、また、添付の図面において示されたが、かかる実施形態は単なる例示にすぎず、広い実施形態を限定するものではない点が理解されるべきであり、また当業者は様々なその他の変形に想到し得るから、かかる実施形態は図面において示され、明細書において記載された具体的な構成や配置に限定すべきものではない点が理解されるべきである。したがって、実施形態の精神と範囲を逸脱することなく、回路を形成するためのその他の配置及び/または多種多様な分量、接続、トランジスタの配置や数量、がなされ得、また、その他の特徴や機能が発生し得る。同様に、本明細書で明示されていない構成要素は、実施形態の精神と範囲を逸脱することなく、この実施形態の様々な実施形態に含められ得る。加えて、この実施形態の様々な実施形態における特定の構成要素を創作するために行われると記載された異なる処理過程のステップ及び集積回路製造作業は、当業者にとって明らかであるように、実施形態の精神と範囲を逸脱することなく、本明細書に明示されていない異なる構成要素または構成要素の異なる構成を全体的或いは部分的に創作するために容易になされ得る。したがって、明細書及び図面は、限定的な意味合いにおいてではなく、例示的な意味合いにおいて解釈されるべきである。
【0120】
特定の例示的な実施形態が記載され、添付の図面において示されたが、かかる実施形態は広い実施形態中、単に例示的なものであり、限定的なものではない点が、理解されるべきであり、当業者は様々なその他の変形に想到し得るから、かかる実施形態は図面において示され、明細書において記載された具体的な構成や配置に限定すべきものではない点が理解されるべきである。したがって、明細書及び図面は、限定的な意味合いにおいてではなく、例示的な意味合いにおいて解釈されるべきである。
【0121】
再び、本発明は、多くの領域におけるアプリケーションを有し、特に、生体認証機能を有するセンサにおけるアプリケーションを有している。例えば、指紋センサ及びその他の生体認証機能を有するセンサは、安全性及び利便性の理由から広範なアプリケーションにおける使用が数多く受け入れられ始めている。実施形態に基づく装置、システム、及び方法はシステムコストを引き上げることなく、生体認証処理過程の安全性を改善するだろう。さらに、実施形態は、構成要素の認証から利益を受ける装置、システム、及び方法へと拡張し得る。上記のように、実施形態は、ホスト及びセンサが上記構成要素の任意の組み合わせまたは部分を含み得るものであり、かかる形態は、システムが意図するアプリケーションに最適の手法で配置され構成され得る。当業者は、本明細書に記載された構成要素の異なる組み合わせや置換が、実施形態の精神と範囲から逸脱することなく可能である点を、また、かかる実施形態の精神と範囲は、添付の特許請求の範囲とその均等物によって定義され、また、将来、関連出願において提示される特許請求の範囲とその均等物によって定義される点を理解するであろう。
【0122】
実施形態には、マイクロプロセッサなど、コンピュータプロセッサによって行われる多くの機能も含まれる。マイクロプロセッサは、実施形態に具現される特定のタスクを明確にする、機械可読なソフトウェアコードを実行することによって、実施形態に基づいて特定のタスクを遂行するように構成された、専門の、或いは専用のマイクロプロセッサとすることができる。マイクロプロセッサは、ダイレクトメモリアクセスモジュール、メモリメモリ装置、インターネット関連のハードウェア、及び実施形態に基づいたデータ送信に関連するその他の装置など、その他の装置とともに作動し、これらと通信するように構成されてもよい。ソフトウェアコードは、Java、C++、XML(拡張マークアップ言語)、及び実施形態に関連する機能操作を実行するために必要な装置の動作に関連する機能を明確にするために使用され得るその他の言語などのソフトウェアフォーマットを使用して構成され得る。前記コードは異なる型及びスタイルにて書かれ得るが、その多くは問う業者に知られている。異なるコードフォーマット、コード構成、ソフトウェアプログラムのスタイル及び型、及びその他、実施形態に基づいてマイクロプロセッサの動作を明確にするためのコード構成手段は、実施形態の精神と範囲から逸脱しないだろう。
【0123】
ラップトップ若しくはデスクトップコンピュータ、プロセッサや処理論理回路を有する携帯装置、及び、おそらく、コンピュータサーバまたは実施形態を利用するその他の装置などの異なる種類の装置において、実施形態に基づいて機能する一方で、情報を保存し、検索するための異なる種類のメモリ装置が存在する。しばしば、キャッシュメモリ装置が、かかる中央演算処理装置用の使用のためのコンピュータ内に、頻繁に保存され、検索される情報の便利な保存場所として含まれる。同様に、永続性メモリも、中央演算処理装置によって頻繁に検索されるが、キャッシュメモリとは異なり、永続性メモリ内で頻繁に変更がなされない情報を維持するため、コンピュータにより頻繁に使用される。メインメモリも、中央演算処理装置によって実行されると、実施形態に基づいて機能を果たすように構成されたデータやソフトウェアアプリケーションなど、より容量の大きい情報を保存し、検索するために、通常において含まれる。メモリ装置は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、フラッシュメモリ、及び情報を保存し、検索するために、中央演算処理装置によってアクセスされ得るその他のメモリ保存装置として構成され得る。データ保存及び検索動作中、これらのメモリ装置は変形されて、異なる電荷、異なる磁気極性などの異なる状態を有する。したがって、本明細書に記載された実施形態に基づいて構成されたシステム及び方法は、これらのメモリ装置の物理的な変形を可能にする。したがって、本明細書に記載された実施形態は、1つまたは複数の実施形態において、メモリ装置を異なる状態に変形し得る、新規かつ有用なシステム及び方法に関するものである。実施形態は、特定種類のメモリ装置や、これらのメモリ装置へ情報を保存し、これらのメモリ装置から情報を検索する一般的な手順に限定されない。
【0124】
「機械可読媒体」の用語は、1組または複数組の命令を保存する単一の媒体または複数の媒体(例えば、集中型若しくは分散型のデータベース及び/または関連するキャッシュならびにサーバ)を含むものととらえるべきである。「機械可読媒体」の用語は、機械による実行のための1組の命令の保存、暗号化、または移動が可能な媒体であり、機械に本実施形態の任意の1つまたは複数の方法を実行させる任意の媒体も含むものととらえるべきである。機械可読媒体は、機械(例えば、コンピュータ、PDA、携帯電話など)可読形式で情報を提供(即ち、保存及び/または送信)する任意のメカニズムを含む。機械可読媒体は、例えば、メモリ(上記のようなもの);磁気ディスク記憶媒体;光記憶媒体;フラッシュメモリ素子;生物学的、電気的、機械的システム;電気的、光学的、音響学的、またはその他の形式の伝搬された信号(例えば、搬送波、赤外線信号、デジタル信号など)を含む。装置または機械可読媒体は、微小電気機械システム(MEMS)、ナノテクノロジー装置、有機メモリ装置、ホログラフィックメモリ装置、固体メモリ装置及び/または回転磁気ディスク若しくは回転光ディスクを含み得る。装置または機械可読媒体は、例えばコンピュータの相互接続や、異なる仮想メモリ装置など、命令が分割されて異なる機械になされるときには、分割され得る。
【0125】
特定の例示的な実施形態が記載され、添付の図面に示されたが、かかる実施形態は単に例示的なものであり、広い実施形態を限定するものではない点が、また、この実施形態は当業者がその他の種々の変形を想到し得るため、図示され、記載された具体的な構成及び配置に限定されるものではない点が理解されるべきである。したがって、明細書及び図面は、限定的な意味合いにおいてではなく、例示的な意味合いにおいて解釈されるべきである。
【0126】
明細書中、「1つの実施形態(an embodiment)」、「1つの実施形態(one embodiment)」「いくつかの実施形態」または「その他の実施形態」への参照は、こうした実施形態と関連して記載された特定の特徴、構造、または特性が、少なくともいくつかの実施形態に含まれているが、必ずしも全部の実施形態に含まれてはいないことを意味する。様々な形態で現れる「1つの実施形態(an embodiment)」、「1つの実施形態(one embodiment)」または「いくつかの実施形態(so−me embodiments)」は、必ずしもその全てが同一の実施形態を参照しているものではない。明細書が、構成要素、特徴、構造、または特性について言及する場合、特定の構成要素、特徴、構造、または特性が含められる必要のない“may”、“might”または“could”が使用される。明細書や特許請求の範囲において、「1つの(a)」エレメントまたは「1つの(an)」エレメントについて参照している場合は、エレメントの中のただ1つを意味しない。明細書や特許請求の範囲において、「1つの追加的」エレメントについて参照している場合は、複数の追加的エレメントがあることを排除するものではない。
【0127】
方法、システム、及び装置は、生体認証機能を有するシステムに対する新規な手法によって改善された、安全性動作と構造を含む。かかるシステムは、特に金融取引において安全性の特徴を増大させ大いに利益をもたらすであろう。この実施形態は、装置、システム、及び指紋センサなどの生体認証機能を有する装置の認証に関連する方法について記載され図示されているが、実施形態の範囲は、かかる機能が有用であるその他のアプリケーションにも拡張する。さらに、上記の記載が実施形態の特定の実施形態を参照してなされたが、これらは単なる実施形態の例示であり、実施形態の原理から逸脱することなくこれらの実施形態に変更がなされ得、実施形態の範囲は添付の特許請求の範囲ならびにその均等物によって定義される点が認識されるであろう。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
近接して配置された物体に信号を送信するように構成された複数のほぼ平行な駆動ラインと;
前記駆動ラインに対してほぼ垂直に配置される複数のほぼ平行なピックアップラインであって、誘電体によって前記ピックアップラインから分離されて前記駆動ラインと前記ピックアップラインのクロスオーバー位置のそれぞれにおいてインピーダンスを感知できる固有の電極対を形成する、ピックアップラインと;
を含むことを特徴とする、インピーダンスセンサ。
【請求項2】
前記誘電体が、その上に配置される前記駆動ラインと前記ピックアップラインの両方を有するフレキシブル基板であることを特徴とする、請求項1に記載のインピーダンスセンサ。
【請求項3】
前記誘電体が、その表面に、ともに形成された前記駆動ラインと前記ピックアップラインの両方を有するフレキシブル基板であり、前記表面は折り畳まれて前記クロスオーバー位置のグリッドを形成することを特徴とする、請求項1に記載のインピーダンスセンサ。
【請求項4】
前記駆動ライン及び前記ピックアップラインが誘電材料で被覆され、前記誘電性被覆が前記駆動ライン及び前記ピックアップラインを分離する絶縁層を形成するように、前記誘電性被覆が折り畳みの内部になるかたちで前記フレキシブル基板が折り畳まれることを特徴とする、請求項1に記載のインピーダンスセンサ。
【請求項5】
前記駆動ライン及び前記ピックアップラインが単一のフレキシブル誘電性基板上に構成され、前記基板が前記駆動ライン及び前記ピックアップラインを分離する前記絶縁層になるように、前記基板が折り畳み内部になるかたちで背中合わせに前記基板が折り畳まれることを特徴とする、請求項1に記載のインピーダンスセンサ。
【請求項6】
前記駆動ライン及び前記ピックアップラインが、前記駆動ライン及びピックアップラインが折り畳み内部になるように折り畳まれ、誘電性スペーサによって電気的に分離されて多層装置を形成する単一のフレキシブル誘電性基板上に構成されることを特徴とする、請求項1に記載のインピーダンスセンサ。
【請求項7】
前記駆動ライン及び前記ピックアップラインが、基板の分離された層上に構成されることを特徴とする、請求項1に記載のインピーダンスセンサ。
【請求項8】
前記駆動ライン及び前記ピックアップラインが、分離された層上に構成され、前記層の少なくとも1つがフレキシブル基板、硬質基板、ガラス、セラミック、硬質ボードの1つから製造されることを特徴とする、請求項1に記載のインピーダンスセンサ。
【請求項9】
前記駆動ライン及び前記ピックアップラインが、前記基板の離れた両側に構成されることを特徴とする、請求項1に記載のインピーダンスセンサ。
【請求項10】
前記駆動ライン及び前記ピックアップラインが、フレキシブル基板、硬質基板、ガラス基板、及びセラミック基板の1つの離れた両側に構成されることを特徴とする、請求項1に記載のインピーダンスセンサ。
【請求項11】
前記駆動及び前記ピックアップのクロスオーバー位置が、前記近接して配置された物体の位相特徴を解像するのに十分なピッチによって隔てられていることを特徴とする、請求項1に記載のインピーダンスセンサ。
【請求項12】
前記駆動及び前記ピックアップの前記クロスオーバー位置が、前記近接して配置された物体の誘電性の組成における局所的変化を差別化し得るフォーカスされたインピーダンス位置のマトリックスを形成するために前記ピッチによって隔てられていることを特徴とする、請求項1に記載のインピーダンスセンサ。
【請求項13】
各駆動及びピックアップのクロスオーバー位置が、ピクセル位置で放射された電界の強度及び/または位相を感知するために、電界が前記交差する駆動ラインから前記交差するピックアップラインに延在する前記ピクセル位置を明確にすることを特徴とする、請求項1に記載のインピーダンスセンサ。
【請求項14】
前記ピクセル位置が交差する前記駆動ラインから放射する電界の一部分が、前記ピクセル位置に近接する物体によって吸収されることを特徴とする、請求項13に記載のインピーダンスセンサ。
【請求項15】
前記駆動及びピックアップのクロスオーバー位置が、各クロスオーバー位置に作られたフォーカスされた感知位置で画像情報を取得するように構成された個々のピクセルを形成することを特徴とする、請求項1に記載のインピーダンスセンサ。
【請求項16】
前記駆動ライン及び前記ピックアップラインが、それ自体の上に折り畳まれ二層装置を形成する単一のフレキシブル基板上に構成され、前記センサは、各形成されたクロスオーバー位置で前記信号を取得するように構成されたスキャン論理回路をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のインピーダンスセンサ。
【請求項17】
前記クロスオーバー位置によって形成された前記固有の電極対が、前記各クロスオーバー位置周辺の局所インピーダンスを感知するために使用されることを特徴とする、請求項1に記載のインピーダンスセンサ。
【請求項18】
前記各駆動及びピックアップラインの前記クロスオーバー位置が、前記クロスオーバー位置において作られた前記フォーカスされた感知位置において画像情報の信号ピクセルを取得するように構成される個々のピクセルを形成することを特徴とする、請求項17に記載のインピーダンスセンサ。
【請求項19】
前記各駆動及びピックアップラインの前記クロスオーバー位置が、画像情報の複数のピクセルを取得するように構成される個々のピクセルを形成することを特徴とする、請求項17に記載のインピーダンスセンサ。
【請求項20】
駆動ラインと通信するAC信号を生成するように構成される信号発生器と、ピックアップラインからの合成信号を処理するように構成された信号プロセッサとをさらに含み、前記駆動及びピックアップのクロスオーバー位置が、前記画像情報の複数のピクセルを取得するように構成された個々のピクセルを形成することを特徴とする、請求項17に記載のインピーダンスセンサ。
【請求項21】
前記信号発生器が、同時マルチトーン、一連の個別のトーン、或いはチャープの任意の形態の複数の励起周波数を生成するように構成されることを特徴とする、請求項20に記載のインピーダンスセンサ。
【請求項22】
前記信号発生器が、一度に少なくとも1つの駆動ラインに対して信号を送信するように構成されることを特徴とする、請求項20に記載のインピーダンスセンサ。
【請求項23】
前記信号発生器が、一度に少なくとも1つの駆動ラインに対して信号を送信するように構成され、前記残りの駆動ラインが、前記信号送信中に接地されることを特徴とする、請求項20に記載のインピーダンスセンサ。
【請求項24】
前記信号発生器が、ほぼ同時に複数の駆動ラインに対して信号を送信するように構成されることを特徴とする、請求項20に記載のインピーダンスセンサ。
【請求項25】
前記信号発生器が、一度に少なくとも1つの駆動ラインに対して信号を送信するように構成され、前記駆動ラインがアクティブなときに、前記信号プロセッサが複数のピックアップラインから合成信号を受信するように構成されることを特徴とする、請求項20に記載のインピーダンスセンサ。
【請求項26】
前記信号発生器が、スキャン処理過程により複数のピックアップラインから信号を受信するように構成されることを特徴とする、請求項28に記載のインピーダンスセンサ。
【請求項27】
一度に少なくとも1つの駆動ラインに対して信号を送信するように構成される信号発生器をさらに含み、少なくとも1つの駆動ラインがアクティブなときに、前記信号プロセッサが複数のピックアップラインから合成信号を受信するように構成されることを特徴とする、請求項1に記載のインピーダンスセンサ。
【請求項28】
一度に少なくとも1つの駆動ラインに対して信号を送信するように構成される信号発生器をさらに含み、前記残りの駆動ラインが、前記信号送信中に接地され、少なくとも1つのピックアップラインが、合成信号を受信するように構成され、任意のピックアップラインが合成信号を受信中に、前記残りのピックアップラインが接地されることを特徴とする、請求項1に記載のインピーダンスセンサ。
【請求項29】
前記信号発生器が、一度に少なくとも1つの駆動ラインに対して信号を送信するように構成され、前記残りの駆動ラインが、前記信号送信中に接地され、少なくとも1つのピックアップラインが、合成信号を受信するように構成され、任意のピックアップラインが合成信号を受信中に、隣接するピックアップラインが接地されることを特徴とする、請求項1に記載のインピーダンスセンサ。
【請求項30】
前記隣接するピックアップラインが、1つのピックアップラインが合成信号を受信中に、前記1つのピックアップラインの近傍で10ピックアップラインの範囲内にあることを特徴とする、請求項29に記載のインピーダンスセンサ。
【請求項31】
感知対象の前記物体と接触するピックアッププレート上の前記信号を、さらなる処理過程の前に前記感知対象の前記物体から分離されたピックアッププレート上の前記信号から減算するように構成される検出システムをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のインピーダンスセンサ。
【請求項1】
近接して配置された物体に信号を送信するように構成された複数のほぼ平行な駆動ラインと;
前記駆動ラインに対してほぼ垂直に配置される複数のほぼ平行なピックアップラインであって、誘電体によって前記ピックアップラインから分離されて前記駆動ラインと前記ピックアップラインのクロスオーバー位置のそれぞれにおいてインピーダンスを感知できる固有の電極対を形成する、ピックアップラインと;
を含むことを特徴とする、インピーダンスセンサ。
【請求項2】
前記誘電体が、その上に配置される前記駆動ラインと前記ピックアップラインの両方を有するフレキシブル基板であることを特徴とする、請求項1に記載のインピーダンスセンサ。
【請求項3】
前記誘電体が、その表面に、ともに形成された前記駆動ラインと前記ピックアップラインの両方を有するフレキシブル基板であり、前記表面は折り畳まれて前記クロスオーバー位置のグリッドを形成することを特徴とする、請求項1に記載のインピーダンスセンサ。
【請求項4】
前記駆動ライン及び前記ピックアップラインが誘電材料で被覆され、前記誘電性被覆が前記駆動ライン及び前記ピックアップラインを分離する絶縁層を形成するように、前記誘電性被覆が折り畳みの内部になるかたちで前記フレキシブル基板が折り畳まれることを特徴とする、請求項1に記載のインピーダンスセンサ。
【請求項5】
前記駆動ライン及び前記ピックアップラインが単一のフレキシブル誘電性基板上に構成され、前記基板が前記駆動ライン及び前記ピックアップラインを分離する前記絶縁層になるように、前記基板が折り畳み内部になるかたちで背中合わせに前記基板が折り畳まれることを特徴とする、請求項1に記載のインピーダンスセンサ。
【請求項6】
前記駆動ライン及び前記ピックアップラインが、前記駆動ライン及びピックアップラインが折り畳み内部になるように折り畳まれ、誘電性スペーサによって電気的に分離されて多層装置を形成する単一のフレキシブル誘電性基板上に構成されることを特徴とする、請求項1に記載のインピーダンスセンサ。
【請求項7】
前記駆動ライン及び前記ピックアップラインが、基板の分離された層上に構成されることを特徴とする、請求項1に記載のインピーダンスセンサ。
【請求項8】
前記駆動ライン及び前記ピックアップラインが、分離された層上に構成され、前記層の少なくとも1つがフレキシブル基板、硬質基板、ガラス、セラミック、硬質ボードの1つから製造されることを特徴とする、請求項1に記載のインピーダンスセンサ。
【請求項9】
前記駆動ライン及び前記ピックアップラインが、前記基板の離れた両側に構成されることを特徴とする、請求項1に記載のインピーダンスセンサ。
【請求項10】
前記駆動ライン及び前記ピックアップラインが、フレキシブル基板、硬質基板、ガラス基板、及びセラミック基板の1つの離れた両側に構成されることを特徴とする、請求項1に記載のインピーダンスセンサ。
【請求項11】
前記駆動及び前記ピックアップのクロスオーバー位置が、前記近接して配置された物体の位相特徴を解像するのに十分なピッチによって隔てられていることを特徴とする、請求項1に記載のインピーダンスセンサ。
【請求項12】
前記駆動及び前記ピックアップの前記クロスオーバー位置が、前記近接して配置された物体の誘電性の組成における局所的変化を差別化し得るフォーカスされたインピーダンス位置のマトリックスを形成するために前記ピッチによって隔てられていることを特徴とする、請求項1に記載のインピーダンスセンサ。
【請求項13】
各駆動及びピックアップのクロスオーバー位置が、ピクセル位置で放射された電界の強度及び/または位相を感知するために、電界が前記交差する駆動ラインから前記交差するピックアップラインに延在する前記ピクセル位置を明確にすることを特徴とする、請求項1に記載のインピーダンスセンサ。
【請求項14】
前記ピクセル位置が交差する前記駆動ラインから放射する電界の一部分が、前記ピクセル位置に近接する物体によって吸収されることを特徴とする、請求項13に記載のインピーダンスセンサ。
【請求項15】
前記駆動及びピックアップのクロスオーバー位置が、各クロスオーバー位置に作られたフォーカスされた感知位置で画像情報を取得するように構成された個々のピクセルを形成することを特徴とする、請求項1に記載のインピーダンスセンサ。
【請求項16】
前記駆動ライン及び前記ピックアップラインが、それ自体の上に折り畳まれ二層装置を形成する単一のフレキシブル基板上に構成され、前記センサは、各形成されたクロスオーバー位置で前記信号を取得するように構成されたスキャン論理回路をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のインピーダンスセンサ。
【請求項17】
前記クロスオーバー位置によって形成された前記固有の電極対が、前記各クロスオーバー位置周辺の局所インピーダンスを感知するために使用されることを特徴とする、請求項1に記載のインピーダンスセンサ。
【請求項18】
前記各駆動及びピックアップラインの前記クロスオーバー位置が、前記クロスオーバー位置において作られた前記フォーカスされた感知位置において画像情報の信号ピクセルを取得するように構成される個々のピクセルを形成することを特徴とする、請求項17に記載のインピーダンスセンサ。
【請求項19】
前記各駆動及びピックアップラインの前記クロスオーバー位置が、画像情報の複数のピクセルを取得するように構成される個々のピクセルを形成することを特徴とする、請求項17に記載のインピーダンスセンサ。
【請求項20】
駆動ラインと通信するAC信号を生成するように構成される信号発生器と、ピックアップラインからの合成信号を処理するように構成された信号プロセッサとをさらに含み、前記駆動及びピックアップのクロスオーバー位置が、前記画像情報の複数のピクセルを取得するように構成された個々のピクセルを形成することを特徴とする、請求項17に記載のインピーダンスセンサ。
【請求項21】
前記信号発生器が、同時マルチトーン、一連の個別のトーン、或いはチャープの任意の形態の複数の励起周波数を生成するように構成されることを特徴とする、請求項20に記載のインピーダンスセンサ。
【請求項22】
前記信号発生器が、一度に少なくとも1つの駆動ラインに対して信号を送信するように構成されることを特徴とする、請求項20に記載のインピーダンスセンサ。
【請求項23】
前記信号発生器が、一度に少なくとも1つの駆動ラインに対して信号を送信するように構成され、前記残りの駆動ラインが、前記信号送信中に接地されることを特徴とする、請求項20に記載のインピーダンスセンサ。
【請求項24】
前記信号発生器が、ほぼ同時に複数の駆動ラインに対して信号を送信するように構成されることを特徴とする、請求項20に記載のインピーダンスセンサ。
【請求項25】
前記信号発生器が、一度に少なくとも1つの駆動ラインに対して信号を送信するように構成され、前記駆動ラインがアクティブなときに、前記信号プロセッサが複数のピックアップラインから合成信号を受信するように構成されることを特徴とする、請求項20に記載のインピーダンスセンサ。
【請求項26】
前記信号発生器が、スキャン処理過程により複数のピックアップラインから信号を受信するように構成されることを特徴とする、請求項28に記載のインピーダンスセンサ。
【請求項27】
一度に少なくとも1つの駆動ラインに対して信号を送信するように構成される信号発生器をさらに含み、少なくとも1つの駆動ラインがアクティブなときに、前記信号プロセッサが複数のピックアップラインから合成信号を受信するように構成されることを特徴とする、請求項1に記載のインピーダンスセンサ。
【請求項28】
一度に少なくとも1つの駆動ラインに対して信号を送信するように構成される信号発生器をさらに含み、前記残りの駆動ラインが、前記信号送信中に接地され、少なくとも1つのピックアップラインが、合成信号を受信するように構成され、任意のピックアップラインが合成信号を受信中に、前記残りのピックアップラインが接地されることを特徴とする、請求項1に記載のインピーダンスセンサ。
【請求項29】
前記信号発生器が、一度に少なくとも1つの駆動ラインに対して信号を送信するように構成され、前記残りの駆動ラインが、前記信号送信中に接地され、少なくとも1つのピックアップラインが、合成信号を受信するように構成され、任意のピックアップラインが合成信号を受信中に、隣接するピックアップラインが接地されることを特徴とする、請求項1に記載のインピーダンスセンサ。
【請求項30】
前記隣接するピックアップラインが、1つのピックアップラインが合成信号を受信中に、前記1つのピックアップラインの近傍で10ピックアップラインの範囲内にあることを特徴とする、請求項29に記載のインピーダンスセンサ。
【請求項31】
感知対象の前記物体と接触するピックアッププレート上の前記信号を、さらなる処理過程の前に前記感知対象の前記物体から分離されたピックアッププレート上の前記信号から減算するように構成される検出システムをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のインピーダンスセンサ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6a】
【図6b】
【図7】
【図8】
【図9a】
【図9b】
【図9c】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13a】
【図13b】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17A】
【図17B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6a】
【図6b】
【図7】
【図8】
【図9a】
【図9b】
【図9c】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13a】
【図13b】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17A】
【図17B】
【公表番号】特表2013−517571(P2013−517571A)
【公表日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−549090(P2012−549090)
【出願日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際出願番号】PCT/US2011/021192
【国際公開番号】WO2011/088248
【国際公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
【出願人】(512186782)ピコフィールド テクノロジーズ インク. (2)
【氏名又は名称原語表記】PICOFIELD TECHNOLOGIES INC.
【住所又は居所原語表記】300 Brickstone Square,Suite 201,Andover,Massachusetts 01810,United States of America
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際出願番号】PCT/US2011/021192
【国際公開番号】WO2011/088248
【国際公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
【出願人】(512186782)ピコフィールド テクノロジーズ インク. (2)
【氏名又は名称原語表記】PICOFIELD TECHNOLOGIES INC.
【住所又は居所原語表記】300 Brickstone Square,Suite 201,Andover,Massachusetts 01810,United States of America
【Fターム(参考)】
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