説明

カメラ

【課題】アンテナによる送受信可能な方向が限定されるという問題を解決する。
【解決手段】カメラは、カメラ本体に設けられ、被写体像を撮像して画像を取得する撮像素子112と、カメラ本体に入射した撮像素子112への被写体像光束を反射する反射部材110と、反射部材110により反射された被写体像光束が入射するファインダ装置2と、アンテナ205を介して無線により外部機器と情報の送信または受信を行なう無線通信部204とを備える。アンテナ205はファインダ装置2に設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信可能なカメラに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、外部機器と無線通信をするためのアンテナおよび無線通信回路を搭載したカメラが知られている(たとえば特許文献1および2)。
【特許文献1】特開2005−167366号公報
【特許文献2】特開2001−333307号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、アンテナをボディ内部やグリップ内部に搭載しているので、アンテナによる送受信可能な方向が制限されるという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1の発明によるカメラは、カメラ本体に設けられ、被写体像を撮像して画像を取得する撮像素子と、カメラ本体に入射した撮像素子への被写体像光束を反射する反射部材と、反射部材により反射された被写体像光束が入射するファインダ装置と、アンテナを介して無線により外部機器と情報の送信または受信を行なう無線通信部とを備え、アンテナをファインダ装置に設けたことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1のカメラにおいて、ファインダ装置は、入射した被写体像光束を接眼光学系へ導く光学部材を備え、アンテナおよび無線通信部は、光学部材に対して撮像素子へ入射する被写体像光束の光軸とは反対側に配置されることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項2のカメラにおいて、光学部材はペンタプリズムまたはペンタミラーであることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1のカメラにおいて、ファインダ装置は、ファインダ装置内に入射した被写体像を撮像して補助画像を取得する補助撮像素子と、補助撮像素子で撮像した補助画像に対して各種の画像処理を施す画像処理基板と、無線通信部を有する無線通信基板とをさらに備え、補助撮像素子に対して撮像素子へ入射する被写体像光束の光軸とは反対側に画像処理基板を設け、画像処理基板に対して撮像素子へ入射する被写体像光束の光軸とは反対側に無線通信基板を設け、アンテナを無線通信基板上において画像処理基板とは反対側に設けたことを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項4のカメラにおいて、アンテナはファインダ装置の外面に露出して設けられることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれか一項のカメラにおいて、ファインダ装置はカメラ本体に着脱機構を介して設けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、ファインダ装置内に配置した無線通信基板とアンテナにより、送受信可能な方向が制限されない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
−第1の実施の形態−
図1、2を参照して、本発明の第1の実施の形態による電子カメラを説明する。図1は電子カメラの外観を説明する図であり、図1(a)は電子カメラの平面図、図1(b)は電子カメラの正面図である。図2は、図1のII−II線断面図である。
電子カメラ1は、カメラ本体CAと、カメラ本体CAに着脱機構を介して装着されるファインダ装置2と、カメラ本体CAに交換可能に装着される撮影レンズ3を備えるレンズ鏡筒4とを備えて構成されている。電子カメラ1の上面には、電源スイッチ101、レリーズスイッチ102、モードダイヤル103、および通信スイッチ104が設けられている。モードダイヤル103の操作により、撮影モードや再生モードなどへの切り替えができる。通信スイッチ104の操作により通信モードに設定されると、電子カメラ1から画像データをパソコンやプリンタなどの外部機器に送信したり、外部機器からの各種データを受信することができる。
【0007】
図2に示すように、電子カメラ1は、クイックリターンミラー110、第1光学フィルタ111、第1撮像素子112、シャッタ113、第1回路基板114、焦点検出用装置115、LCD116、およびバッテリー117を有する。また、ファインダ装置2は、第2光学フィルタ201、第2撮像素子202、第2回路基板203、無線通信基板204、およびアンテナ205を有する。
【0008】
第1撮像素子112は、受光した被写体光(被写体像光束)をその強度に応じた画像信号に変換するCCDやCMOSなどの光電変換素子である。撮影レンズ3と第1撮像素子112との間には、撮影レンズ3を通過した被写体光をファインダ装置2へと反射するクイックリターンミラー110が配設されている。被写体光の一部はクイックリターンミラー110の半透過領域を透過し、サブミラー110aにより下方に反射され、焦点検出用装置115へ入射される。焦点検出用装置115は、たとえば、焦点検出光束を一対の焦点検出用光像に分割して結像する焦点検出光学系と、分割された一対の光像が入射し、それに応じた焦点検出信号を出力する一対のCCDラインセンサとを備える。一対のCCDラインセンサからの焦点検出信号は第1回路基板114へ入力される。
【0009】
レリーズスイッチ102が全押し操作されると、クイックリターンミラー110が被写体光の光軸L1上から光路外へと回動し、第1撮像素子112の結像面112a上に被写体像が結像する。第1撮像素子112の直前(被写体側)には、シャッタ113および第1光学フィルタ111が設けられている。第1光学フィルタ111は、たとえばローパスフィルタや赤外カットフィルタなどを備える。
【0010】
第1撮像素子112の後方には、薄板状の第1回路基板114が配置されている。第1回路基板114には、第1撮像素子112を駆動するためのタイミング信号生成回路、A/D変換回路、画像処理回路、および各部の制御を行なう制御回路などの各種の電子部品が配置されている。第1撮像素子112から出力される画像信号に基づいて、第1回路基板114上の画像処理回路により画像データが生成される。生成された画像データにより電子カメラ1の背面に設けられたLCD116に撮像した画像が表示される。また、第1回路基板114の制御回路には、上述した電源スイッチ101、レリーズスイッチ102、モードダイヤル103および通信スイッチ104などによる操作信号が入力される。
【0011】
バッテリー117は、電子カメラ1内部の最下部に配置される。バッテリー117は、電子カメラ1内の各部に電力を供給するとともに、不図示の接点を介してファインダ装置2の電子部品へも電力を供給する。
【0012】
ファインダ装置2の筐体200はたとえばプラスチックなどの素材、すなわち無線周波数帯域の電磁波を通過させる素材で形成されている。ファインダ装置2の内部には、上述した各構成要素が、被写体像光束の入射側から、第2光学フィルタ201、第2撮像素子202、第2回路基板203、無線通信基板204、アンテナ205の順序で配置されている。すなわち、第2回路基板203は第2撮像素子202に対して光軸L1とは反対側、無線通信基板204は第2回路基板203に対して光軸L1とは反対側に配置される。レリーズスイッチ102が操作されるまでは、電子カメラ1のクイックリターンミラー110で上方へ反射された被写体光は、第2光学フィルタ201へ導かれる。第2光学フィルタ201は、第1光学フィルタ111と同様に、ローパスフィルタや赤外カットフィルタなどを備える。
【0013】
第2光学フィルタ201を通過した被写体光は第2撮像素子202へ導かれ、その結像面202a上に被写体像が結像する。第2撮像素子202は、撮影レンズ3に対して第1撮像素子112と光学的に等価な位置に配設され、その結像面202aは、ファインダ装置2へ入射する被写体光の光軸L2に直交する。第2撮像素子202は、画素に対応する複数の光電変換素子を備えたCCDやCMOSなどによって構成される。第2撮像素子202は、結像面202a上に結像されている被写体像を撮像し、被写体像の明るさに応じた光電変換信号を第2回路基板203へ出力する。
【0014】
第2回路基板203は薄板上に形成され、その表面が、第2撮像素子202と同様に、被写体光の光軸L2と直交する向き、すなわち結像面202aとほぼ平行に配置される。第2回路基板203には、第2撮像素子202から入力した光電変換信号をデジタルの画像信号に変換するA/D変換回路や、画像データを生成するための画像処理回路などの各種の電子部品が配置されている。第2回路基板203で生成された画像データは、不図示の接点を介して電子カメラ1内部の第1回路基板114へ出力される。
【0015】
無線通信基板204も同様に薄板状に形成され、その表面が、第2撮像素子202および第2回路基板203と同様に、被写体光の光軸L2と直交する向きに配置される。すなわち、第2撮像素子202、第2回路基板203および無線通信基板204はそれぞれ互いにほぼ平行になるように配置されている。無線通信基板204の表面には、たとえばPTP/IP方式やFTP方式などによる無線LANで外部機器と無線通信するために必要な電子部品が、裏面すなわち第2回路基板203とは反対側の面にはアンテナ205が配置されている。
【0016】
無線通信基板204の裏面には、すなわちファインダ装置2の天井に最も近い位置には、アンテナ205が実装される。その結果、アンテナ205は、図1(b)に示すように、電子カメラ1の最上部に配置される。アンテナ205は、いわゆるチップアンテナであり、画像データなどの情報を外部機器へ送信したり、または外部機器からのデータを受信するためのインタフェースとしての機能を有している。なお、図2に示すようにアンテナ205の電波送受信面はファインダ装置2の筐体200を貫通してカメラ上方に露出している。
【0017】
上述した構成を有する電子カメラ1の動作について説明する。
電源スイッチ101がオン操作されて、モードダイヤル103により撮影モードに設定されると、第2撮像素子202は、たとえば1/30秒周期ごとに結像面202aに結像した被写体像に対応する光電変換信号を第2回路基板203へ出力する。第2回路基板203は、この光電変換信号に対して種々の処理を施して生成した画像データを、不図示の接点を介して電子カメラ1内の第1回路基板114へ出力する。第1回路基板114においては、入力した画像データに基づいて表示用画像データが作成されて、画像が動画像としてLCD116に表示される。すなわち、LCD116は電子ビューファインダとして機能する。また、第2回路基板203は、光電変換信号に対して種々の処理を施して生成した画像データを無線通信基板204へ出力することも可能である。無線通信基板204では、受信した画像データをアンテナ205を介して送信する。無線出力された画像データは、表示モニタを有する無線受信可能な外部機器(たとえば無線通信可能なパーソナルコンピュータや携帯電話など)で受信され、動画像として外部機器の表示モニタに表示される。すなわち、外部機器の表示モニタを電子ビューファインダとして利用することができる。
【0018】
レリーズスイッチ102が全押しされて本撮影が指示されると、上述したようにクイックリターンミラー110が被写体光の光軸L1の光路外に回動される。そして、第1撮像素子112の結像面112aに結像した被写体像に対応する光電変換信号が第1回路基板114へ出力される。第1回路基板114は、入力した光電変換信号に種々の処理を施して画像データを生成する。生成された画像データは、JPEG方式などの方式で圧縮されて不図示の記録媒体に記録される。また、第1回路基板114においては、生成した画像データに基づいて表示用画像データが作成されて、画像がLCD116に表示される。
【0019】
モードダイヤル103により再生モードが設定されると、不図示の記録媒体に記録されている画像データが第1回路基板114に読み出される。読み出された画像データに基づいて、第1回路基板114により表示用画像データが作成されて、LCD116に表示される。
【0020】
通信スイッチ104により通信モードが設定されると、情報を送受信することができる。通信モードとしては、電子カメラ1で撮影が行われるたびに画像データを送信する第1モードや、既に記録されている画像データの中から送信すべき画像データを選択して送信する第2モード、第2撮像素子202で撮像された画像データをアンテナ205より無線出力する第3モードなどがある。通信モードが設定されると、第1回路基板114の制御回路は、アンテナ205を介して外部機器との通信を確立する。通信が確立されると、第1モードでは、第1回路基板114の制御回路は、上述した本撮影により生成された画像データをアンテナ205を介して外部機器へ送信する。第2モードでは、第1回路基板114の制御回路は、不図示の記録媒体に記録された画像データを読み出して、アンテナ205を介して外部機器へ送信する。また、外部機器から送信されたデータをアンテナ205で受信して、電子カメラ1に取り込むこともできる。第3モードでは、第1回路基板114の制御回路は、第2回路基板203で生成された画像データをアンテナ205を介して外部機器へ送信する。
【0021】
以上で説明した第1の実施の形態の電子カメラ1によれば、以下の作用効果が得られる。
(1)電子カメラ1に着脱可能に装着されるファインダ装置2の内部に、無線通信基板204およびアンテナ205を設けるようにした。したがって、一般的にカメラを正位置に構えた際に、アンテナ205が電子カメラ1の上部に位置することにより、撮影者の手や頭などにより通信方向が妨げられないので、アンテナ205の送受信可能な範囲を拡大することができる。
【0022】
(2)アンテナ205がファインダ装置2の天井面に配置されるようにした。したがって、アンテナ205の通信方向が、撮影者の手や頭、もしくはファインダ装置2の内部に搭載される他の基板などにより妨害されないので、アンテナ205による情報の送信または受信が確実に実行される。
【0023】
(3)ファインダ装置2内において、被写体光の光軸L2方向に沿って、第2撮像素子202、第2回路基板203および無線通信基板204の順序でそれぞれがほぼ平行に配置されるようにした。したがって、ファインダ装置2の光軸L2方向へ各種基板を効率的に配置することができるので、ファインダ装置2の光軸L2方向への小型化が可能になる。
【0024】
(4)さらに、アンテナ205は、ファインダ装置2の天井面、すなわち無線通信基板204上において第2撮像素子202および第2回路基板203と対向しない面に設けられるようにした。したがって、アンテナ205は第2撮像素子202および第2回路基板203によるノイズの影響を受けずに良好な送受信性能を得ることができるとともに、各基板間の光軸L2方向への距離を最小にしてファインダ装置2の小型化に寄与することができる。
【0025】
(5)アンテナ205をチップアンテナとし、その電波送受信面がカメラ外方へ露出するようにした。したがって、上記(4)の作用効果がより一層発揮される。
【0026】
−第2の実施の形態−
図3、4を用いて、本発明の第2の実施の形態による電子カメラについて、第1の実施の形態の電子カメラ1との相違点を主に説明する。第2の実施の形態1のファインダ装置は光学式ファインダ装置である。この光学式ファインダ装置は、ペンタプリズム503、無線通信基板506およびアンテナ507を備えている。図3は電子カメラ1の外観を説明する図であり、図3(a)は電子カメラ1の平面図、図3(b)は電子カメラ1の正面図である。図4は、図3(b)のIV−IV面図である。
第2の実施の形態における電子カメラ1のファインダ装置5は、不図示の着脱機構を介してカメラ本体CAに着脱可能に装着されている。ファインダ装置5は筐体501の内部に、焦点板502、ペンタプリズム503、リレーレンズ504、接眼レンズ505、無線通信基板506、およびアンテナ507を備える。
【0027】
レリーズスイッチ102が操作されるまでは、撮影レンズ3を通過した被写体光はクイックリターンミラー110で反射されてファインダ装置5へ導かれる。そして、被写体光は第1撮像素子112と光学的に等価な位置に設けられた焦点板502上に結像する。焦点板502に結像された被写体像は、ペンタプリズム503によりファインダ装置5への入射方向とは異なる方向へ変更されてリレーレンズ504を通って接眼レンズ505に導かれる。その結果、被写体像が撮影者に観察される。なお、被写体像光束を入射方向とは異なる方向へ変更するものであれば、ペンタプリズム503に代えてペンタミラーなどの光学部材を用いてもよい。
【0028】
無線通信基板506は、第1の実施の形態における無線通信基板204と同様に薄板状に形成され、その表面が、被写体光の光軸L2と直交する向きに配置される。すなわち、無線通信基板506は、結像面である焦点板502とほぼ平行に配置される。無線通信基板506には、後述するアンテナ507と、アンテナ507を介して外部機器と通信するために必要な電子部品とが配置されている。無線通信基板506におけるファインダ装置5の天井面側には、アンテナ507が実装される。その結果、アンテナ507は、図3(b)に示すように、電子カメラ1の最上部、すなわちペンタプリズム503に対して光軸L1とは反対側の頂部に配置される。アンテナ507は、第1の実施の形態のアンテナ205と同様に、チップアンテナであり、外部機器と画像データなどの送受信をする。このアンテナ507の電波送受信面もカメラの外方に露出している。
【0029】
第2の実施の形態における電子カメラ1においても、撮影モードでレリーズスイッチ102が全押し操作された場合、再生モードが選択された場合、および通信モードが設定された場合は、第1の実施の形態における電子カメラ1と同様の動作をする。
【0030】
以上で説明した第2の実施の形態の電子カメラ1によれば、以下の作用効果が得られる。
アンテナ507および無線通信基板506をファインダ装置5内部のペンタプリズム503に対して光軸L1とは反対側の頂部に設けるようにした。したがって、アンテナ507をファインダ装置5の天井に最も近い位置に配置するので、ペンタプリズム503の形状や、撮影者の手や頭などによりアンテナ507の通信方向が遮蔽されず、アンテナ507の送受信可能な範囲を拡大することができる。
【0031】
−第3の実施の形態−
図5、6を用いて、本発明の第3の実施の形態によるレンズ一体型電子カメラ6について、第1の実施の形態の電子カメラ1との相違点を主に説明する。図5は電子カメラ6の外観を説明する図であり、図5(a)は電子カメラ6の平面図、図5(b)は電子カメラ6の正面図である。図6は、図5(b)のVI−VI線断面図である。
【0032】
図5に示すように、電子カメラ6の上面には、電源スイッチ601、レリーズスイッチ602、モードダイヤル603、および通信スイッチ604が設けられている。電子カメラ6の正面には、撮影レンズ3と閃光装置605とが設けられている。なお、電子カメラ6のボディにおいて、後述するアンテナ615の周辺部(図6の斜線領域r1)については、たとえばプラスチックなどの無線周波数帯を透過する材料を用いて形成される。
【0033】
図6に示すように、電子カメラ6内部には、撮影レンズ3、光学フィルタ611、撮像素子612、回路基板613、無線通信基板614、アンテナ615、LCD616、コンデンサ617、バッテリー618、および外部記録装置619を備える。撮像素子612は、第1の実施の形態における第1撮像素子112と同様な機能を有し、その結像面612aは、撮影レンズ3および光学フィルタ611を通過した被写体光の光軸L1に直交する。
【0034】
撮像素子612は、長方形の薄板状の回路基板613に実装されている。回路基板613は被写体光の光軸L1と直交するように配置されている。すなわち、回路基板613は電子カメラ6のボディ内部で結像面612aとほぼ平行に配置され、その長手方向の長さは電子カメラ6の横方向の長さとほぼ等しい。回路基板613は、第1の実施の形態の第1回路基板114と同様に、撮像素子612を駆動するためのタイミング信号生成回路、A/D変換回路、画像処理回路、および各部を制御する制御回路などの各種の電子部品も実装している。撮像素子612から出力される画像信号に基づいて回路基板613の制御回路で表示用画像データを生成し、電子カメラ6の背面に設けられたLCD616に撮像した画像が表示される。LCD616も同様に薄板形状を有し、その平面は被写体光の光軸L1に直交する。
【0035】
図6に示すように、回路基板613の前面(被写体側)の左側には、バッテリー618、および外部記録装置619が設けられ、右側には、閃光装置605を発光させるためのコンデンサ617が配置される。また、回路基板613の背面の右側には、薄板状の無線通信基板614が、その平面が光軸L1と直交するように配置されている。すなわち、撮像素子612、回路基板613および無線通信基板614は、それぞれ互いにほぼ平行に配置されている。
【0036】
図5(b)に示すように、無線通信基板614は電子カメラ6の天井に近い位置、具体的には正面視で右上隅に設けられ、そのカメラ背面側実装面にはアンテナ615が実装されている。無線通信基板614およびアンテナ615は、第1の実施の形態における無線通信基板204およびアンテナ205と同様の機能を有する。
【0037】
第3の実施の形態における電子カメラ6においても、通信モードが設定された場合は、第1の実施の形態における電子カメラ1と同様に、外部機器との間で画像データなどの各種データの送受信が行なわれる。
【0038】
以上で説明した第3の実施の形態の電子カメラ6によれば、以下の作用効果が得られる。
(1)撮像素子612、回路基板613および無線通信基板614は、入射光の光軸L1に直交する面に、それぞれ互いにほぼ平行に配置されるようにした。したがって、電子カメラ6の厚み方向に対して内部の配置を効率的に行なうことができるので、電子カメラ6の小型化が可能になる。
【0039】
(2)無線通信基板614のカメラ背面側実装面にアンテナ615を実装し、無線通信基板614を電子カメラ6の背面に最も近い位置で、かつカメラ上面近傍に実装した。また、画像処理回路を実装した回路基板613と閃光装置用メインコンデンサ617を、無線通信基板614のカメラ前面側に配置した。したがって、アンテナ615は、回路基板613およびコンデンサ617によるノイズの影響を受けずに、外部機器との良好に通信することができる。
【0040】
以上で説明した実施の形態を以下のように変形できる。
(1)第3の実施の形態において閃光装置605およびコンデンサ617を搭載しない場合は、無線通信基板614およびアンテナ615を図7に示す位置に配置してもよい。すなわち、図7において、回路基板613の前面側実装面上の撮像素子612の右側に、無線通信基板614をその平面が入射光の光軸L1と直交するように配置する。そして、無線通信基板614のカメラ前面側実装面にアンテナ615を実装するようにしてもよい。なお、図7は図6と同様の水平断面図である。
【0041】
(2)図8に示すように、1つの基板700に画像処理回路701、電源回路702、およびアンテナ703が設けられた無線回路704を実装するようにしてもよい。この場合、入射光の光軸と直交する面に平行に配置された基板700のカメラ前面側実装面上の被写体側に画像処理回路701および電源回路702を実装し、カメラ背面側実装面に無線回路704を実装すればよい。なお、図8は図6と同様の水平断面図である。
【0042】
また、本発明の特徴を損なわない限り、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の形態についても、本発明の範囲内に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】第1の実施の形態による電子カメラの外観を説明する図であり、(a)は平面図を示し、(b)は正面図を示す。
【図2】第1の実施の形態による電子カメラの内部配置を説明する図である。
【図3】第2の実施の形態による電子カメラの外観を説明する図であり、(a)は平面図を示し、(b)は正面図を示す。
【図4】第2の実施の形態による電子カメラの内部配置を説明する図である。
【図5】第3の実施の形態による電子カメラの外観を説明する図であり、(a)は平面図を示し、(b)は正面図を示す。
【図6】第3の実施の形態による電子カメラの内部配置を説明する図である。
【図7】第3の実施の形態による電子カメラを変形した場合の内部配置を説明する図である。
【図8】1つの基板上に画像処理回路、電源、および無線回路を実装する場合の内部配置を説明する概念図である。
【符号の説明】
【0044】
1 電子カメラ 2、5 ファインダ装置
110 クイックリターンミラー 112 第1撮像素子
112a 第1結像面 114 第1回路基板
202 第2撮像素子 202a 第2結像面
203 第2回路基板 204、506、614 無線通信基板
205、507、615 アンテナ 613 回路基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラ本体に設けられ、被写体像を撮像して画像を取得する撮像素子と、
前記カメラ本体に入射した、前記撮像素子への被写体像光束を反射する反射部材と、
前記反射部材により反射された被写体像光束が入射するファインダ装置と、
アンテナを介して無線により外部機器と情報の送信または受信を行なう無線通信部とを備え、
前記アンテナを前記ファインダ装置に設けたことを特徴とするカメラ。
【請求項2】
請求項1に記載のカメラにおいて、
前記ファインダ装置は、前記入射した被写体像光束を接眼光学系へ導く光学部材を備え、
前記アンテナおよび前記無線通信部は、前記光学部材に対して前記撮像素子へ入射する被写体像光束の光軸とは反対側に配置されることを特徴とするカメラ。
【請求項3】
請求項2に記載のカメラにおいて、
前記光学部材はペンタプリズムまたはペンタミラーであることを特徴とするカメラ。
【請求項4】
請求項1に記載のカメラにおいて、
前記ファインダ装置は、ファインダ装置内に入射した被写体像を撮像して補助画像を取得する補助撮像素子と、前記補助撮像素子で撮像した前記補助画像に対して各種の画像処理を施す画像処理基板と、前記無線通信部を有する無線通信基板とをさらに備え、
前記補助撮像素子に対して前記撮像素子へ入射する被写体像光束の光軸とは反対側に前記画像処理基板を設け、前記画像処理基板に対して前記撮像素子へ入射する被写体像光束の光軸とは反対側に前記無線通信基板を設け、前記アンテナを前記無線通信基板上において前記画像処理基板とは反対側に設けたことを特徴とするカメラ。
【請求項5】
請求項4に記載のカメラにおいて、
前記アンテナは前記ファインダ装置の外面に露出して設けられることを特徴とするカメラ。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載のカメラにおいて、
前記ファインダ装置は前記カメラ本体に着脱機構を介して設けられることを特徴とするカメラ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−244735(P2008−244735A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−81279(P2007−81279)
【出願日】平成19年3月27日(2007.3.27)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】