説明

カートリッジ式給油タンク

【課題】カートリッジタンクにおいて、給油口キャップの不完全装着状態の場合には、カートリッジ式給油タンクの移動、給油タンク室への装着に際し、灯油が漏出して火災発生の危険がある。この問題点を解決すべく、給油口キャップの完全装着であることを、明確に表示することを課題とする。
【解決手段】給油口キャップをキャップ本体と操作筒体とで構成し、キャップ本体と操作筒体とは相対的に上下動自在とし、キャップ本体の外周面の一部に着色表示Kを形成し、給油口キャップを給油口に固定状態とする閉ロック固定手段を装備し、閉ロック固定手段が作動する給油口キャップの閉ロック位置では、給油口キャップのキャップ本体を操作筒体に対して突出させて、着色表示Kを露出させ、 着色表示Kを露出で、給油口キャップの装着状態であることを明示することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カートリッジ式タンク本体の給油口に着脱自在に取り付けられる給油口キャップに関するものである。
【背景技術】
【0002】
公知技術の「石油ストーブのカートリッジタンク」実開平60−81455号公報(特許文献1)に開示されるものは、図9および図10を参照して、「給油口蓋101のねじ部102の末端にフランジ部100を設けるとともに、このフランジ部100の下面に折りたたみ自在の取手Cを設けてなる石油ストーブのカートリッジタンク」を開示している。 取手Cをもって回すことで給油口蓋101を開口可能とするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭60−81455号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のカートリッジタンクにおいて、給油口蓋101の閉ロック位置に固定する手段および閉ロック位置に固定状態を明示する手段が存在しない。すなわち、給油口キャップが給油口に対しロック状態でないことで、給油口キャップの不完全装着状態の場合には、カートリッジ式給油タンクの移動、石油ストーブ等の給油タンク室への装着に際し、灯油が漏出して火災発生の危険がある等の問題点がある。
【0005】
本願発明は、公知技術の前記問題点を解消すべく、給油口キャップの完全装着であることを、明確に表示することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願発明は、給油口キャップをキャップ本体と操作筒体とで構成し、キャップ本体と操作筒体とは相対的に所定範囲で上下動自在とし、キャップ本体の外周面の一部に着色表示Kを形成し、キャップ本体を給油口に装着した閉ロック位置において、給油口キャップを給油口に固定状態とする閉ロック固定手段を装備し、閉ロック固定手段が作動する給油口キャップの閉ロック位置では、給油口キャップのキャップ本体を操作筒体に対して突出させて、着色表示Kを露出させ、 着色表示Kを露出で、給油口キャップの装着状態であることを明示することを特徴とするカートリッジ式給油タンクを提供する。
【発明の効果】
【0007】
本願発明は、給油口キャップが閉ロック位置にあるときには、キャップ本体の外周面の一部に着色表示Kを露出させることで、キャップ本体がタンク本体の給油口へ装着状態にあることを明示するものであるから、給油口キャップがタンク本体の給油口へ非装着状態で移動させることによる灯油漏出を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本願発明の実施例を示すカートリッジ式給油タンクの要部の斜視図。
【図2】同じく縦断面図。
【図3】給油口キャップを示し、a図は縦断面図、b図は正面図、c図は平面図。
【図4】給油口を示し、a図は正面図、b図は平面図。
【図5】係止筒体を示し、a図は平面図、b図は正面図。
【図6】係止筒体を示し、a図は図5のA-A線による断面図、b図は図5のB-B線による断面図。
【図7】、閉ロック固定手段の非作動時を示し、a図は平面図、b図は正面図。
【図8】、閉ロック固定手段の作動時を示し、a図は平面図、b図は正面図。
【図9】公知技術のカートリッジ式給油タンクの要部の斜視図。
【図10】同じく正面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図1ないし図8を参照して、本願発明を実施例にもとづいて詳細に説明する。
【0010】
図1および図2を参照して、カートリッジ式給油タンク10の給油口Bに対し、給油キャツプAを着脱自在とする。
給油口Bについて、タンク10に固定した給油口本体4と係止筒体3とで構成する。
給油口キャップAについて、キャップ本体1と操作筒体2とで構成する。
【0011】
のキャップ本体1は、図3を参照して、中心部に開口弁機構5を装備した筒状体である。
キャップ本体1の筒状本体1aの下端より外周方へばね受け台6を突設している。
筒状本体1aの外周面の下半部に着色表示Kを形成する。
【0012】
なお、実施例においては、筒状本体1aの外周面の下半部全体に青色着色(塗装、メッキ等)を形成したが、赤色、黄色等の青色以外の着色でもよく、また、給油口キャップの閉ロック位置で露出するところの筒状本体1aの外周面の中間部のみとしてもよいものである。
【0013】
操作筒体2は、図4を参照して、キャップ本体1の筒状本体1aを、挿入自在とする中心空間Hを有する形状の筒体で、キャップ本体1の筒状本体1aと遊合する上段ガイド部21と、中間部22と、下段拡大部23と、台板24とで構成している。上段ガイド部21と中間部22と間で水平環状の図2に示す、キャップ本体1の筒状本体1aに、操作筒体2を挿入した状態では、キャップ本体1の筒状本体1aと操作筒体2の中間部22との間の空間に、ばね体7を装備して、操作筒体2のばね受け25とキャプ本体1のばね受け25との間に弾性力を作用している。
【0014】
給油口Bは、図5を参照して、タンク本体に設けられた給油口本体4と、該給油口本体4の外周面に固定されて一体化された係止筒体3(図6参照)とで構成している。
【0015】
つぎに、図4、図5、図7および図8を参照して、閉ロック固定手段を説明する。
給油口キャップAの操作筒体2について、下段拡大部23の一部に切欠部Qを形成し、該切欠部Qに位置して下段拡大部23よけ内方へ折曲げ形成した係止片Pを形成する。
給油口Bの係止筒体3について、その下端部にフランジ30および該フランジ30の周縁より垂下する係止壁31を形成する。フランジ30および係止壁31には切欠部Rを形成する。係止壁31には切欠部Rに隣接する誘導部31aを形成する。
【0016】
操作筒体2と係止筒体3の平面視において、給油口Bの係止筒体3の切欠部Rの範囲は、操作筒体2の係止片Pよりも小さく設定する。
【0017】
操作筒体2と係止筒体3の平面視において、操作筒体2の係止片Pが、給油口Bの係止筒体3の切欠部Rの範囲にあるとき、操作筒体2の上下動は自由であり、給油口キャップAは給油口Bに対し「非ロック状態」である(図7参照)。
【0018】
操作筒体2と係止筒体3の平面視において、操作筒体2の係止片Pが、給油口Bの係止筒体3の係止壁31の下面と接当している状態では、給油口キャップAは給油口Bに対し「ロック状態」である(図8参照)。
【0019】
上記の「ロック状態」て゛は、操作筒体2は、ばね体7の弾性力に抗して、キャップ本体1に対し降下する。その結果、キャップ本体1は突出位置となることで、口金キャップ16の外周面の着色表示Kを露出する(図8参照)。
【0020】
「非ロック状態」(すなわち、前記のロック状態以外)て゛は、操作筒体2は、ばね体7の弾性力により、キャップ本体1は通常位置となることで、口金キャップ16の外周面の着色表示Kは露出しない、すなわち、着色表示を非露出状態とする。
【0021】
よって、給油口キャップの不完全装着と給油口キャップの完全装着とを明確に区別可能とする。
【0022】
なお、給油口Bへの給油口キャップAの装着操作は、公知技術を示す図9、図10、および本願発明を示す図1を参照して、給油口キャップAに装備した取手Cの操作により行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0023】
カートリッジ式給油タンクの火災事故対策を高めることで、石油ストーブの利用を促進し、この種の産業の発展に寄与するものである。
【符号の説明】
【0024】
A 給油キャツプ
B 給油口
K 着色表示
P 係止片
Q 切欠部
R 切欠部
1 キャップ本体
2 操作筒体
3 係止筒体
4 給油口本体















【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に開口弁機構を備えた給油口キャップを、給油口キャップの回動操作で、タンク本体に設けられた給油口に着脱自在とする構成のカートリッジ式給油タンクにおいて、
給油口キャップをキャップ本体と操作筒体とで構成し、
キャップ本体と操作筒体とは相対的に所定範囲で上下動自在とし、キャップ本体の外周面の一部に着色表示Kを形成し、
キャップ本体を給油口に装着した閉ロック位置において、給油口キャップを給油口に固定状態とする閉ロック固定手段を装備し、
閉ロック固定手段が作動する給油口キャップの閉ロック位置では、給油口キャップのキャップ本体を操作筒体に対して突出させて、着色表示Kを露出させ、
着色表示Kを露出で、給油口キャップの装着状態であることを明示することを特徴とするカートリッジ式給油タンク。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate