説明

カーボンナノチューブを用いた光スイッチング素子及びその製造方法

【課題】 カーボンナノチューブを用いた光応答に基づく高速光スイッチング素子の設計の自由度を上げる。
【解決手段】 SWCNT中の欠陥量と吸収における緩和時間との関係をみると、SWCNTにおいては、(A)に示すようにその径を大きくすると欠陥が少なくなり、それに応じて緩和時間が長くなる。一方、(C)に示すようにSWCNTの径を小さくすると欠陥が多くなり、緩和時間が短くなる。すなわち、緩和時間は欠陥に依存し、1/τ=1/τ + 1/τtrapの式で表されることがわかる。τは、SWCNTの特性によらず一定の値であり、τtrapは、SWCNTの欠陥濃度に依存する値である。このことから、緩和時間を欠陥濃度により制御できることがわかる。ここで、欠陥はSWCNT中において捕獲サイトとして機能する性質の欠陥である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーボンナノチューブを用いた光スイッチング素子に関し、特に光スイッチング素子の応答速度の制御技術に関する。
【背景技術】
【0002】
本格的なブロードバンド、デジタル家電の時代の到来とともに、大容量、高速通信のための要素技術の開発が望まれている。これらの技術を支えるテラビット/秒のデータ転送速度に対応するためには、光ファイバーを用いた通信が不可欠である。この際、電気的なスイッチングによる光の変調には限界があり、高速応答を実現するためには、光による光の変調、すなわち光スイッチングが必要になる。そのため、光スイッチング素子の開発が望まれている。
【0003】
単層カーボンナノチューブは、一次元方向に延在する特殊形状を反映する光学異方性によって光学応答が増大し、大きな光線形光学特性を示すことが知られている。その時間応答は1psのオーダーであり、高速な光スイッチング特性を示すため、光ファイバー技術に十分対応可能な光スイッチング素子としての利用が期待されている。加えて、半導体ナノチューブの光学遷移は、光通信で用いられる波長(1.5μm:0.8eV)にほぼ対応しており、その波長で大きな非線形性を示すことは、光スイッチング素子として大きなアドバンテージとなっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、カーボンナノチューブを用いた光スイッチング素子において、カーボンナノチューブ径により吸収波長も変化するため、吸収変化の時間応答と吸収波長とを独立には変化させることはできかった。
【0005】
本発明は、上記光スイッチング素子における吸収波長などの設計に関する自由度を上げ、様々な光学応用に適したカーボンナノチューブ光スイッチング素子を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
カーボンナノチューブにおいては、光吸収の寿命には、カーボンナノチューブの径に依存しない第1緩和時間と、カーボンナノチューブの径に依存する第2緩和時間と、がある。カーボンナノチューブの径が小さくなると、欠陥濃度が高くなる傾向を有する。一方、欠陥濃度が高くなると、第2緩和時間は小さくなる傾向を有する。従って、光応答の速度を上げるためには、適度に欠陥を導入するのが好ましい。欠陥を導入する方法としては、カーボンナノチューブの径を小さくする方法の他に、カーボンナノチューブ対してダメージを与えるなどの方法により局所的に欠陥を導入することができる。
【0007】
また、カーボンナノチューブの欠陥濃度に分布を持たせると、カーボンナノチューブの位置により吸収変化の寿命に基づくスイッチング速度が異なる。
【発明の効果】
【0008】
非線形光学特性を有するカーボンナノチューブの一次元微細構造を用いることにより、光スイッチを小型化することができる。カーボンナノチューブの径を変化させることにより、光スイッチの応答速度を変化させること、吸収波長のピーク位置を調整することができる。また、カーボンナノチューブの径を変えずに欠陥を導入することにより、応答速度を変化させることもできる。すなわち、光スイッチの応答速度と吸収波長とを独立に変化させることができる。これにより、例えば光スイッチのスイッチングに使用できる光の波長を一定にしたまま応答速度を高速化することもできる。
【0009】
さらに、カーボンナノチューブの径又は欠陥を一次元方向(延在方向)に変調することにより、吸収波長や応答速度を延在方向に変調させた素子を作成することも可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
単層カーボンナノチューブ(以下、「SWCNT」と称する。)の電子構造の特徴は、その構造(カイラリティー)に依存して、金属にも半導体にもなること、構造の一次元性を反映した1次元電子構造が実現していること、にある。このような電子構造は光学遷移に強く反映され、例えば、光吸収の大きさを表す吸収係数α(E)の光子エネルギー依存性、すなわち光吸収スペクトルとして観測することができる。
【0011】
図1(a)はSWCNTの模式図でありチューブ軸方向にy軸をとっている。SWCNTをグラファイトの2次元シート(グラフェン)を丸めた円筒であると仮定すると、電子はこの円筒表面上を運動する。したがって、SWCNTでは、グラファイトの2次元並進運動のうち、1つの方向の運動はチューブ円周方向に局在した状態となる。もう1つの方向の運動は、チューブ軸方向(y方向)への自由な運動として残り、これが、ナノチューブの1次元電子状態を実現している。図1(b)は半導体ナノチューブの、(c)は金属ナノチューブのバンド構造と状態密度とを示す図である。運動の1次元性を反映して状態密度にはvan Hove特異性と呼ばれる発散が見られる。始状態、終状態のパリティ(π軌道かπ軌道か、および角運動量量子数)と光電場の方向を考慮すれば、図1(b)および(c)中の矢印A,B、Cで示されるものが許容遷移となる。これらの遷移はSWCNTの擬一次元性による状態密度の発散に起因して、大きな遷移強度をもつ。金属及び半導体チューブが混在する通常のSWCNT試料の吸収スペクトルには、符号Aと符号Bとで示される半導体的なSWCNTの光学遷移と、符号Cで表される金属的なSWCNTの光学遷移とが観測される。
【0012】
次に、SWCNTの生成方法について簡単に説明する。アーク放電法やレーザーアブレーション法で生成されたカーボンナノチューブには、触媒金属やフラーレン、アモルファスカーボンなどが含まれているため、酸化などにより精製する。ラマンスペクトルの測定では、このような試料をそのまま使うことができるが、吸収スペクトルを測定するためには、薄膜の作成が必要となる。例えば、有機溶媒に分散させて、それを基板へ吹き付け溶媒を蒸発させることにより多数のSWCNTが含まれる薄膜を作製する。あるいは、ポリマー中に分散させてそれを引き延ばすことにより、薄膜試料を得ることもできる。
【0013】
図2は、多数のSWCNTが含まれる薄膜試料に関して吸収スペクトルおよびポンプ光による光励起で誘起される吸収変化を測定する方法(ポンプ・プローブ分光法)の概略構成を示す図である。図2に示すポンプ・プローブ分光法では、SWCNTからなる薄膜試料1に対して、SWCNTに対して照射されるポンプ光3と、光パルスによるプローブ光5と、が異なる方向から照射される。プローブ光5と検出器7とで光吸収を測定する。光パルスによるポンプ光3を試料1に照射することにより、試料1の光吸収が変化し、プローブ光5に対する吸収係数が変調される。プローブ光5の出射光強度の変化を測定することで、吸収スペクトルの変化を得ることができる。
【0014】
図3(a)は、SWCNTの平均的な直径が1.22nmである場合における4.2Kで測定した吸収スペクトルである。図に示すように、SWCNT薄膜試料の吸収には、半導体的なSWCNTによる吸収ピークが光子エネルギー0.7eV付近(ピークA)と、1.4eV付近(ピークB)に現れ、金属的なSWCNTによる吸収ピークが2.0eV付近(ピークC)に観測される。これらの吸収ピークは、図1(b)、(c)中に矢印A,B,Cで示される光学遷移に対応する。
【0015】
図3(b)は、ポンプ光が入射された直後にプローブ光により測定された吸収スペクトルの変化分である。ポンプ光により吸収ピークA,B,Cの吸収が減少していることがわかる。図4は、上記ピークA,B,Cのそれぞれの吸収帯における吸収の変化ΔAが時間的に回復していく様子をあらわす図である。光子エネルギー0.79eV付近での半導体的チューブの吸収Aの変化は1ps程度の緩和時定数で回復していることがわかる。一方、金属的チューブの吸収Cでは、約0.2psの緩和時間を有している。
【0016】
(径による緩和時間の調整:高速化)
以下、本発明の第1の実施の形態によるSWCNTを用いた光スイッチについて図面を参照しつつ説明を行う。本実施の形態による光スイッチは、上述のような非線形応答を応用した光デバイスの1つである。図5は、本実施の形態による光スイッチの原理を示す簡単な図である。図5に示すように、SWCNTを用いた光スイッチ11は、光パルスからなる信号光17を発する信号光用の光源15と、制御光23を発する制御光用の光源21と、SWCNTからなる試料25と、試料を透過した透過光27を検出する検出器31とを有している。この構成によれば、光パルスからなる制御光23による吸収に基づいて試料の特性が一時的に変化し、信号光17が変調される光スイッチが実現できる。試料として形状的な一次元性を有するSWCNTを用いるため、非線形応答に基づく高いS/Nが得られる。
【0017】
図6は、吸収変化の回復の時定数とSWCNTの直径との関係を示した図である。図6に示すように、半導体チューブの吸収ピークAおよびBでは、緩和時間はSWCNTの径に依存することがわかる。緩和時定数は温度に依存せず、また励起光の強度にも依存しないことから、この吸収変化の回復は、光励起されたキャリアのSWCNT中に存在する欠陥への捕獲によって決まっていると考えられる。SWCNT中に存在する欠陥の生成エネルギーはチューブの直径が細いほど小さく欠陥ができやすい。すなわち、捕獲サイトの密度はチューブの直径が小さいほど高い。その結果捕獲される確率が増大し、吸収変化の回復時間が短くなる。一方、金属チューブCでは、緩和時間はSWCNTの径に依存せず、また、半導体チューブに比べると値自体がより短いことがわかる。これは、吸収変化の緩和が電子間の相互作用によって起こっていることを示している。
【0018】
以上、説明したように、半導体的なSWCNTのA、B吸収帯を用いると、SWCNTの径により緩和時間を変化させることができることがわかる。
【0019】
図7(A)から図7(C)までは、SWCNT中の欠陥密度と吸収変化の緩和時間との関係を示す概念図である。SWCNTにおいては、図7(A)に示すようにその径を大きくすると欠陥が少なくなり、それに応じて緩和時間が長くなる。一方、図7(C)に示すようにSWCNTの径を小さくすると欠陥が多くなり、緩和時間が短くなる。すなわち、緩和時間τは欠陥に依存し、以下の式で表されることがわかる。
【0020】
【数1】

τ0は、SWCNTの特性によらず一定の値であり、τtrapは、SWCNTの欠陥濃度nに依存する値であり、1/τtrapはnに比例する。このことから、緩和時間を欠陥濃度により制御できることがわかる。欠陥濃度を制御する方法としては、上記のようにSWCNTの径を変化させる方法の他に、SWCNTを熱処理することによる欠陥導入方法や、AFM、STMなどによる機械的な手法による欠陥導入方法もある。
【0021】
以上に説明したように、SWCNT中に欠陥を導入することにより、SWCNTにおける光吸収の変化に関する緩和時間を調整することができる。例えば、欠陥の導入により緩和時間を短くすることで、光吸収に基づく光スイッチにおける応答速度を高めることができる。
【0022】
(局所的な欠陥導入)
次に、本実施の形態の第1変形例について図8(A)を参照しつつ説明する。SWCNTの直径は1ナノメートルのオーダーであり光の波長以下である。したがって通常のレーザービームでは、1本のSWCNTの吸収を利用することはできない。しかし、最近の近接場光学の技術を応用すれば、1本のSWCNTの吸収を利用することが可能となる。本変形例は、局所的な欠陥導入により、局所的な光応答特性の変調を行う例である。一次元方向に延在するSWCNTに対して、延在方向に異なる欠陥量の欠陥を導入することにより、延在方向に異なる吸収変化の緩和時間を有するSWCNTを作成することができる。
【0023】
図8(A)は、本変形例によるSWCNTの構成例を示す図である。図8(A)に示すように、一次元方向に延在するSWCNTにおいて、いくつかの領域、例えばR1〜R4を画定し、これらの領域毎に例えば、AFM、STMなどを用いて局所的に欠陥を導入することにより、独立して欠陥濃度を調整することができる。これにより、それぞれの欠陥密度Nd1、Nd2、Nd3、Nd4に対応して光吸収における緩和時間に関して、欠陥密度に関連する値τd1、τd2、τd3、τd4というようにそれぞれの領域毎に独立して調整することができ、用途に応じたスイッチング速度をチューブの位置を選択することによって選択することができる。また、欠陥濃度により共鳴エネルギーがシフトする。この共鳴エネルギーの変化を光により検出すれば、チューブの軸方向に欠陥濃度の変調として書き込まれたデータを読出すことができる。これを、記憶素子として利用することも可能である。例えば、欠陥の導入により位置的に吸収を変化させ、これを、先端を光の波長以下に先鋭化した光ファイバと近接場光学の技術を応用した手法により検出することができる。このように1本のSWCNTを利用して位置的に変調を加えることで、カーボンナノチューブをテープレコーダのように用いることができる。
【0024】
(径による吸収波長の変調)
次に、本発明の第2の実施の形態によるSWCNT光スイッチについて図面を参照しつつ説明を行う。図9は、室温におけるSWCNTの吸収の光子エネルギー依存を示す図であり、SWCNTの径を0.95nm、1.20nm、1.30nm、1.40nmと変化させた場合の吸収スペクトルの変化を示す図である。図9に示すように、吸収のピークは、SWCNTの径を小さくすると、光子エネルギーが高い方にピーク位置がシフトすることがわかる。すなわち、SWCNTの径を調整することにより吸収波長を調整することができることがわかる。例えば、図8(B)に示すように、カーボンナノチューブの延在方向における直径を変えることで、延在方向の吸収波長を調整することができ、一本のチューブでスイッチングに使用する波長を調整することができる。また、この場合にも、先端を光の波長以下に先鋭化した光ファイバと近接場光学の技術を応用した手法により検出することができる。このように1本のSWCNTを利用して位置的に変調を加えることで、カーボンナノチューブをテープレコーダのように用いることができる。
【0025】
(平均直径を空間的に変調した素子)
多数のSWCNTが含まれる薄膜からなるスイッチング素子において、図10(B)に示すように、薄膜に含まれるSWCNTの平均直径を空間的に変調することにより、1つの薄膜で使用可能波長が異なるスイッチング素子が得られる。
【0026】
(径を変えず、波長を保持しつつ、応答時間を変調)
次に、径を変えないことで吸収波長を例えば1.5μm帯などの所望の波長に保持するとともに、緩和時間を早くするためにSWCNTに径の変更とは異なる方法(熱処理やAFTなどの機械的手法)で欠陥を導入することもできる。このようにすると、上述のように、吸収波長を1.5μm帯に保持しつつSWCNTに欠陥を導入することで寿命が短くなり、吸収に基づく光スイッチ素子において高速応答が可能になる。
【0027】
(欠陥濃度を変調した素子)
多数のSWCNTが含まれる薄膜からなるスイッチング素子において、薄膜上で欠陥濃度を変調する。この様子を図10(A)に示した。この場合、使用波長を一定にしたまま、空間的な場所を変えることによりスイッチング速度が異なる素子が1つの薄膜により得られることとなる。
【0028】
以上、本発明について各実施の形態において例示的に説明したが、本発明の範囲内において様々な変形が可能であるのは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0029】
上記の技術を用いると、カーボンナノチューブを用いた光応答に基づく高速光スイッチング素子を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】図1(a)はSWCNTの模式図でありチューブ軸方向にy軸をとっている。図1(b)は半導体ナノチューブのバンド構造と状態密度を示す図であり、矢印は光学許容遷移を表している。図1(c)は、金属ナノチューブのバンド、状態密度および光学遷移の模式図である。
【図2】複数本のSWCNTを用いた薄膜試料のポンプ光による吸収変化を測定する方法(ポンプ・プローブ分光法)を示す図である。
【図3】図3(a)は、SWCNTの平均直径が1.22nmの薄膜試料の吸収スペクトルである。図3(b)はポンプ・プローブ分光法により測定したSWCNTの吸収スペクトルのポンプ光による変化分を示す図である。
【図4】図3(b)におけるピークA、B、Cのそれぞれの吸収帯における吸収の変化ΔAの回復の様子を示す図である。
【図5】本実施の形態による光スイッチの原理を示す簡単な図である。
【図6】SWCNTの直径と吸収変化の緩和時間との関係を示す図である。
【図7】図7(A)から図7(C)までは、SWCNT中の欠陥量と吸収変化の緩和時間との関係を示す図である。
【図8】図8(A)は、一次元方向に延在するSWCNTにおいて、いくつかの領域、例えばR1〜R4を画定し、これらの領域毎に例えば、AFM、STMなどを用いて局所的に欠陥を導入することにより、独立して欠陥濃度を調整した様子を示す図である。図8(B)一次元方向に延在するSWCNTにおいて、いくつかの領域で異なる直径、例えばD1〜D5をもつ場合を示す図である。
【図9】室温におけるSWCNTの吸収の光子エネルギー依存を示す図であり、SWCNTの径を0.95nm、1.20nm、1.30nm、1.40nmと変化させた場合の吸収スペクトルの変化を示す図である。
【図10】図10(A)は、多数のSWCNTが含まれる薄膜において、空間的に欠陥濃度を変調させて、1つの素子で応答時間が調整出来るようにしたものであり、図10(B)は、多数のSWCNTが含まれる薄膜において、空間的に平均直径を変調させて、1つの素子で使用可能波長を調整できるようにしたものである。
【符号の説明】
【0031】
1…SWCNTからなる薄膜試料、3…ポンプ光、5…プローブ光、7…検出器。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非線形光学特性を有するカーボンナノチューブからなる光学素子と、該光学素子に対して信号光を照射する第1の光源と、前記光学素子に対して制御光を照射する第2の光源と、を有する光スイッチング装置において、
前記光学素子に前記制御光を照射した際の光学吸収による前記透過信号光の変化を利用することを特徴とする光スイッチング装置。
【請求項2】
さらに、前記光学素子を透過した透過信号光を検出する検出器を有することを特徴とする請求項1に記載の光スイッチング装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の光スイッチング装置において、
前記カーボンナノチューブの径に基づいて光スイッチング速度を調整することを特徴とする光スイッチング装置の製造方法。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載の光スイッチング装置において、
前記カーボンナノチューブの径に基づいて光吸収に基づく応答波長を調整することを特徴とする光スイッチング装置の製造方法。
【請求項5】
請求項1又は請求項2に記載の光スイッチング装置において、
前記カーボンナノチューブにおいて捕獲サイトを形成する欠陥の導入に基づいて光吸収波長を調整することを特徴とする光スイッチング装置の製造方法。
【請求項6】
請求項1又は請求項2に記載の光スイッチング装置において、
前記カーボンナノチューブであって、該カーボンナノチューブの径と消光サイトを形成する欠陥の導入とに基づいて光吸収波長と光スイッチング速度とが独立に調整することを特徴とする光スイッチング装置の製造方法。
【請求項7】
請求項1又は請求項2に記載の光スイッチング装置において、
前記カーボンナノチューブの径が一次元方向に変調されていることを特徴とする光スイッチング装置。
【請求項8】
請求項1又は請求項2に記載の光スイッチング装置において、
前記カーボンナノチューブの径が一次元方向に変調されていることを特徴とする光記憶装置。
【請求項9】
請求項1又は請求項2に記載の光スイッチング装置において、
前記カーボンナノチューブにおいて捕獲サイトを形成する欠陥の導入量が一次元方向に変調されていることを特徴とする光スイッチング装置。
【請求項10】
請求項1又は請求項2に記載の光スイッチング装置において、
前記カーボンナノチューブにおいて捕獲サイトを形成する欠陥の導入量が一次元方向に変調されていることを特徴とする光記憶装置。
【請求項11】
複数本のカーボンナノチューブからなる薄膜を有し、該薄膜において前記カーボンナノチューブの平均直径が空間的に変調することにより、前記1つの薄膜において使用可能波長を異ならせたことを特徴とする光スイッチング素子。
【請求項12】
複数本のカーボンナノチューブからなる薄膜を有し、該薄膜において前記カーボンナノチューブの欠陥濃度を変調することにより、前記1つの薄膜において使用波長を一定にしたまま、空間的な場所によりスイッチング速度を異ならせたことを特徴とする光スイッチング素子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−11055(P2006−11055A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−188270(P2004−188270)
【出願日】平成16年6月25日(2004.6.25)
【出願人】(503360115)独立行政法人科学技術振興機構 (1,734)
【Fターム(参考)】