説明

カーボンナノチューブペースト、電子放出源およびフィールドエミッションディスプレイ、ならびにこれらの製造方法

【課題】 高いエミッション特性をもつ電子源の製造に適するCNTペーストを提供すること。
【解決手段】 ビスマス(Bi)などの金属を成分とする金属セッケン(ナフテン酸ビスマス(III)トルエン溶液など)を含有する接着剤をビヒクル中に添加して、このビヒクルにカーボンナノチューブ(CNT)を分散させてペーストとする。ビヒクルの有機溶剤としては、テルペン系溶剤であるp-メンタン-1,8-ジオールアセテート系溶剤を用いる。電子放出源の作製に際しては、基板11上にITO膜12を成膜し、このITO膜12をフォトリソグラフィにより所望の形状にパターニングしてカソード電極12とする。カソード電極12の上に、スクリーン印刷法により本発明のCNTペースト層を印刷し、このCNTペーストをエミッションチップ13とするための焼成および表面活性化が施される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーボンナノチューブ(CNT)を含有させた導電性ペースト(以下、「CNTペースト」という。)、ならびにこのCNTペーストを用いて作製した電子放出源およびフィールドエミッションディスプレイ(FED)に関する。
【背景技術】
【0002】
カーボンナノチューブ(CNT)は、21世紀の産業を開く技術として期待されているナノテクノロジのなかでも大きな注目を集めている技術であり、その応用分野は広く且つ実用化の可能性も高いことから盛んに研究開発が行われるようになってきている。中でも、CNTを電子放出源(電子源)として用いたフィールドエミッションディスプレイ(FED)は、その先端から容易に電子が放出されるというCNTの特性を利用したものであり、液晶やプラズマディスプレイなどに続く次世代の平面ディスプレイとして期待されている。
【0003】
図1は、CNTペーストの一般的な作製プロセスを説明するための図で、所定量のCNTを精製(熱処理、酸処理、濾過処理など)した後に溶剤を加えて粒径(サイズ)を細かくするために粉砕を行なう。この粉砕後のCNTに、溶剤、分散剤、接着剤としてのガラスフリット、フィラーなどを加え、これらの分布状態が均一になるように混合・分散を行なう。混合後に濾過を行ない、溶剤と樹脂とからなるビヒクル中に混ぜ込みペースト化する。このペーストをよく混合して分散状態を高めた後に濾過してCNTペーストとして完成する。そしてかかるプロセスで得られたCNTペーストを基板上に印刷し、乾燥・焼成によりビヒクルを酸化分解させてCNT膜が得られる。
【0004】
このように、CNTペーストは一般に、CNT、接着剤、および樹脂と溶剤を主要な構成要素とするビヒクルとからなるものであり、CNTペーストに接着剤を添加する目的は、(電子放出材である)CNTをカソード電極と接着させることにある。電子源の作製に用いられる従来のCNTペースト用の接着剤としてはガラスフリットが採用され、例えば、特許文献1には粒径1μm程度のガラス粒子を接着剤として用いた電子放出源の製造方法が開示されており、特許文献2には、粒子径が数μmから数十μm程度の低融点ガラス粒子を接着剤として用いた例が記載されている。また、特許文献3には、径100〜200オングストロームのコロイダルシリカを接着剤とした例が記載されている。
【特許文献1】特開2000-36243号公報
【特許文献2】特開2004-178891号公報
【特許文献3】特開2003-303539号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、CNTペースト用の接着剤には、分散性と接着強度の2つの点で高い特性を示すことが求められる。また、添加される接着剤は可能な限り少量とされることが好ましい。高い分散性が求められるのは、CNT膜の形成後に接着剤が凝集して残存することとなるとCNTの電子放出が阻害されて電子放出特性が低下する結果となるためである。また、添加量を少量とするのは、接着剤同士の凝集などを防止するためであり、また、膜形成後のCNTの高い露出率を確保するためでもある。
【0006】
したがって、接着剤がCNTの電子放出特性を低下させず且つ充分な接着強度を確保するためには、接着剤の分散性を高めることで接着剤として作用する効率を高め、これにより添加量を低減させることが必要となる。また、CNT膜形成中にCNTが酸化分解することを避けるためには、接着剤の焼成温度はできるだけ低温(例えば、350〜450℃)であることが好ましい。
【0007】
ところが、従来のCNTペースト用接着剤には固体であるガラスフリットが用いられており、一般的なガラスフリットの軟化点が550〜600℃以上であることから、450℃以下で焼成するためにはその粒径をサブミクロン以下のオーダまで小さくする必要があった。
【0008】
しかしながら、ガラスフリットの粒径を小さくすればするほど乾燥時や焼成時に接着剤が凝集しやすくなり、焼成後のCNT膜内に存在する接着剤粒子が凝集した状態で偏在化してしまうこととなり、その結果、CNTの電子放出特性が低下してしまうという問題があった。また、上述したように、焼成温度が比較的高温(450℃以上)の場合にはCNTの酸化分解が進行し、電子放出特性が劣化するという問題もある。
【0009】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、高分散性が容易に得られ、添加量を少量化でき、かつ低温焼成が可能なCNTペーストを提供することにある。また、本発明は、かかるペーストを用いることで高いエミッション効率をもつ電子放出源を提供すること、および、この電子放出源を利用して省エネルギで高精細なフィールドエミッションディスプレイなどを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、有機溶剤に樹脂を溶解させたビヒクル中にカーボンナノチューブ(CNT)が分散されている導電性ペーストであって、前記ビヒクルには、金属セッケンを含有する接着剤が添加されていることを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のCNTペーストにおいて、前記金属セッケンに含有される金属はビスマス(Bi)であることを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のCNTペーストにおいて、前記金属セッケンは、ナフテン酸ビスマス(III)を有機溶媒中に溶解させた溶液であることを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のCNTペーストにおいて、前記金属セッケンは、ナフテン酸ビスマス(III)トルエン溶液であることを特徴とする。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の何れかに記載のCNTペーストにおいて、前記金属セッケン中のビスマス含有量は0.1〜80wt%であることを特徴とする。
【0015】
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至4の何れかに記載のCNTペーストにおいて、前記金属セッケン中のビスマス含有量は0.1〜40wt%であることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のCNTペースト。
【0016】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のCNTペーストにおいて、前記金属セッケン中のビスマス含有量は0.1〜20wt%であることを特徴とする。
【0017】
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至7の何れかに記載のCNTペーストにおいて、前記CNTペースト中のビスマス含有量は、該CNTペーストに分散されたCNTに対する重量比で0.1〜100wt%であることを特徴とする。
【0018】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載のCNTペーストにおいて、前記CNTペースト中のビスマス含有量は、該CNTペーストに分散されたCNTに対する重量比で0.1〜10wt%であることを特徴とする。
【0019】
請求項10に記載の発明は、請求項1乃至9の何れか1項に記載のCNTペーストにおいて、前記金属セッケンは、有機成分としてオクチル酸、ナフテン酸、デカン酸、ネオデカン酸、トリデカン酸、テトラデカン酸、ペンタデカン酸、ヘプタデカン酸、ステアリン酸、オレイン酸、乳酸、2-エチルへキ酸、サリチル酸、ラウリン酸、フタル酸、パルミチン酸、テレフタル酸、酒石酸、こはく酸、グルコン酸、クエン酸、安息香酸、の何れかを含み、金属成分としてホウ素、アルミニウム、珪素、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、イットリウム、ジルコニア、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、インジウム、すず、ランタン、セリウム、ネオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、タンタル、タングステン、レニウム、イリジウム、白金、金、タリウム、鉛、ビスマス、の何れかを含むこと、を特徴とする。
【0020】
請求項11に記載の発明は、請求項1乃至10の何れか1項に記載のCNTペーストにおいて、前記接着剤には、2種以上の金属セッケンが混合されて含有されていることを特徴とする。
【0021】
請求項12に記載の発明は、請求項1乃至11の何れか1項に記載のCNTペーストにおいて、前記ビヒクルは、前記有機溶剤がテルペン系溶剤であることを特徴とする。
【0022】
請求項13に記載の発明は、請求項12に記載のCNTペーストにおいて、前記テルペン系溶剤は、p-メンタン-1,8-ジオールアセテート系溶剤であることを特徴とする。
【0023】
請求項14に記載の発明は、請求項1乃至13の何れか1項に記載のCNTペーストにおいて、前記有機溶剤中に溶解された樹脂は、天然樹脂、天然物誘導体、または合成樹脂の少なくとも1種を含有する樹脂であることを特徴とする。
【0024】
請求項15に記載の発明は、請求項1乃至14の何れか1項に記載のCNTペーストにおいて、前記樹脂の含有量は、前記有機溶剤に対する重量比で100wt%以下(0wt%を含む)であることを特徴とする。
【0025】
請求項16に記載の発明は、電子放出源であって、請求項1乃至15の何れか1項に記載のCNTペーストを用いて基板上にCNTが固定化されていることを特徴とする。
【0026】
請求項17に記載の発明は、フィールドエミッションディスプレイであって、請求項16に記載の電子源を備えていることを特徴とする。
【0027】
請求項18に記載の発明は、CNTペーストの製造方法であって、金属セッケンを成分とする接着剤と、樹脂と、カーボンナノチューブ(CNT)とを、p-メンタン-1,8-ジオールアセテート系溶剤中に分散させてビヒクルとするステップを備えていることを特徴とする。
【0028】
請求項19に記載の発明は、電子放出源の製造方法であって、請求項1乃至15の何れか1項に記載のCNTペーストを基板上に印刷してペースト膜を形成する第1のステップと、該ペースト膜を乾燥および焼成する第2のステップと、を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0029】
本発明では、ビスマス(Bi)などの金属を成分とする金属セッケン(例えば、ナフテン酸ビスマス(III)トルエン溶液)を含有する接着剤をビヒクル中に添加して、このビヒクルにカーボンナノチューブを分散させて導電性ペーストとすることとしたので、基板上にCNTを固定化する際の、高分散性、添加量の少量化、および低温焼成が同時に実現可能となり、これによりエミッション特性に優れた電子源およびこれを利用した省エネルギで高精細なフィールドエミッションディスプレイを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下に図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
【実施例1】
【0031】
(CNTペースト)
〔1.CNTペーストの作製プロセス〕
本発明のCNTペーストは、有機溶剤中に樹脂を溶解させたビヒクル中にカーボンナノチューブが分散されている導電性ペーストであって、電子源の作製用に好適に使用可能なものである。本発明のCNTペーストを作製する際に用いられるビヒクルには、金属セッケンを主成分とする接着剤(結合剤)が添加されており、この接着剤の作用によりCNTが基板上に固定化される。
【0032】
本発明においては、上記金属セッケンに含有される好適な金属として、融点の比較的低いビスマス(Bi)が選択される。このようなビスマスは、例えばナフテン酸ビスマス(III)をトルエンなどの有機溶媒中に溶解させた溶液として含有させることができる。詳細は後述するが、金属セッケン中の金属含有量は、好ましくは0.1〜80wt%、より好ましくは0.1〜40wt%、さらに好ましくは0.1〜20wt%である。また、CNTペースト中における金属含有量は、このペーストに分散されたCNTに対する重量比で0.1〜100wt%であるように、より好ましくは0.1〜10wt%であるように調合することが好ましい。
【0033】
このような含有量とするのは、以下のような理由による。ビスマス含有量をCNTに対して0.1wt%以下とした場合には、少量過ぎて接着剤としての機能が不充分となる一方、50wt%以上添加することとすると、CNTの電子放出特性が劣化してしまうためである。このような電子放出特性の劣化の原因としては主として2つが考えられ、そのひとつはCNTとカソード電極の界面で接着成分が抵抗層となって電子放出特性を劣化させてしまうことであり、もうひとつは焼成後のCNTの露出率が低下して電子放出特性が劣化することである。
【0034】
ビヒクルとしては、有機溶剤をテルペン系の溶剤とすることが好ましく、例えば、p-メンタン-1,8-ジオールアセテート系の溶剤とすることができる。また、このような有機溶剤中に溶解されることとなる樹脂は、例えば、天然樹脂、天然物誘導体、または合成樹脂の少なくとも1種を含有する樹脂であり、有機溶剤中の樹脂含有量は、例えば、100wt%以下(0wt%を含む)とされる。
【0035】
図2は、本発明のCNTペーストの製造プロセスの概略を説明するためのフローチャートである。先ず、CNTを準備することとなるが(ステップS101)、本発明のペーストに用いられるCNTの製法には特別な制約はなく、アーク放電法やレーザアブレーション法、あるいは化学気相成長法など広く知られた手法で製造された生成物を用いることができる。なお、CNTペーストを電子源作製用として用いる場合には、均一な電子放出特性を得るとの観点から、上記生成物中のCNT含有量は1%以上であることが好ましく、より好ましくは10%〜100%とされる。
【0036】
なお、上記の何れの方法によってもCNTのみを製造することはできず、CNT以外にグラファイトやアモルファスカーボンなどの不純物も同時に生成されることが知られている。本発明のように、CNTを電子源として用いる場合には、CNTを分散させた導電性ペーストを基板上に塗布してこの基板上にCNTを固定化させる必要があるが、ペーストにグラファイトやアモルファスカーボンなどのCNT以外の不純物が含まれているとCNTからの電子放出特性(エミッション特性)が低下する。したがって、可能な限り不純物を取り除いて純度の高いCNT粉体を得ておくことが重要である。
【0037】
次に、良好な印刷性を確保するために、CNT粉体のサイズ(これを便宜上「粒径」ということがある)を小さくするための粉砕を施し、その平均サイズが所望の範囲の値となるように粉砕される(ステップS102)。このときの粉砕方法としては、一般には転動ボールミル(BM)や遊星ボールミルが用いられ、本発明においては遊星ボールミルによる粉砕を行っている。
【0038】
これと平行して、ビヒクルの調合(ステップS103)、界面活性剤の調合(ステップS104)、接着剤の調合(ステップS105)が行われ、最終的に全ての調合材料が混合・混練されてペーストが調合される(ステップS106)。
【0039】
ステップS103のビヒクルの調合工程では、ビヒクルの溶剤としてp-メンタン-1,8-ジオールアセテートが選択される。ビヒクル溶剤としてp-メンタン-1,8-ジオールアセテートを選択する理由は以下のようなものである。
【0040】
一般的なスクリーン印刷用の厚膜ペーストに用いられるビヒクルは樹脂と溶剤とを含み、樹脂としてはエチルセルロースなどが、溶剤としてはテルピネオールなどが用いられる。テルピネオールは樹脂との相性がよく、印刷性を決めるレオロジを得るためには重要な存在であるものの、蒸気圧が高く、印刷中に粘度変化を生じさせたり、ペーストの寿命が短い、という欠点も有していた。
【0041】
本発明者らは、p-メンタン-1,8-ジオールアセテートの諸物性に着目し、これをビヒクル用溶剤として用いることで、テルペン系溶剤の長所をもちながら、蒸気圧が低く、テルピネオールの欠点を補うことも可能であるとの結論に至り、これをビヒクル用溶剤として用いることとしたのである。
【0042】
図3は、ビヒクル用溶剤としてp-メンタン-1,8-ジオールアセテートを用いた場合とテルピネオールを用いた場合のペーストの寿命を比較するために行った実験結果を説明するための概念図で、図3(a)は両溶剤をガラスプレート上に一滴垂らして常温空気中に5日間保管した後の概念図であり、図3(b)は両溶媒に重量比で2%のエチルセルロースを加えた状態で同様の保管実験を行った結果を示す概念図である。
【0043】
図3(a)を参照すると、ガラスプレート30上に滴下されたテルピネオール32aは、滴下後数分ですでに液滴の形状が変化し始め5日後には完全に消失していたのに対して、p-メンタン-1,8-ジオールアセテート 31aは2週間後でもほぼ原型の液滴形状を維持していた。
【0044】
また、図3(b)を参照すると、テルピネオール系32bでは、滴下後5日が経過した時点で溶媒は完全に揮発しエチルセルロースの皮膜が残るのみであったのに対して、p-メンタン-1,8-ジオールアセテート系 31bでは2週間経過した後でも液滴形状が維持されている。
【0045】
以上の結果から、ビヒクル用溶剤としてp-メンタン-1,8-ジオールアセテートを選択することにより、CNTペーストの寿命を大幅に延長させることが可能であることがわかる。
【0046】
図4は、ペースト粘度の経時変化の比較実験結果を説明するための図で、実線はp-メンタン-1,8-ジオールアセテート系溶剤をビヒクル用溶剤として選択したCNTペーストの粘度の経時変化を示しており、破線はテルピネオール系溶剤をビヒクル用溶剤として選択したCNTペーストの粘度の経時変化を示している。
【0047】
この図に示されているように、p-メンタン-1,8-ジオールアセテート系溶剤をビヒクル用溶剤としたCNTペーストの粘度は30日以上経過した後も初期の値を維持しているのに対して、テルピネオール系溶剤をビヒクル用溶剤として選択したCNTペーストの粘度は、作製後の経過時間に概ね比例するような増大傾向を示す。この結果は、図3で説明した溶剤の保管実験結果と符合しており、p-メンタン-1,8-ジオールアセテートをビヒクル用溶剤として選択することでCNTペーストの寿命の大幅な延長が可能であることが確認できる。
【0048】
ステップS105の接着剤の調合工程では、接着剤として金属セッケンが用いられる。金属セッケンを選択するのは、接着剤としての「作用点」を増やすことで、少量の接着剤を有効に働かせるためである。
【0049】
すなわち、従来は接着剤としてガラスフリットを用いていたが、ガラスフリットを粉砕してその粒径を小さくすることで接着剤としての作用点を増やそうとしても物理的に粉砕可能な粒子径には限界があるため、CNTの基板上での確実な結合(接着)を担保するためには一定量以上のガラスフリットをペースト中に含有させておくことが避けられなかった。しかし、このような比較的大量の接着剤を添加した場合には、CNTとカソード電極の界面で接着剤が抵抗層として作用して電子放出特性が劣化したり、CNTの露出率が低下して電子放出特性が劣化したりする問題が生じる。
【0050】
これに対して、金属セッケンは分子の末端に金属原子をもつ構造であるために、ペーストを焼成した後に残るのは末端金属のみである。そして、焼成後の金属は比較的大きな粒子としてではなく原子レベルのサイズのものとして残ることになるため、接着剤としての作用点を極めて有効に確保できることとなる。もっとも、接着剤として金属セッケンを用いた場合でも、その立体構造が不適当なものであれば焼成後に残留した末端金属は粒子状に凝集してしまい、接着剤としての作用点を充分に確保することが困難となることも考えられるから、接着剤として選択する金属セッケンは、その分子が相互に凝集し難いような立体構造を有するものであることが好ましい。また、分散性を確保する観点で、金属セッケンは有機溶剤等に溶解した状態でペーストに分散させる事が望ましい。
【0051】
このような条件を満足する金属セッケンの有機成分および金属成分としては、有機成分として、オクチル酸、ナフテン酸、デカン酸、ネオデカン酸、トリデカン酸、テトラデカン酸、ペンタデカン酸、ヘプタデカン酸、ステアリン酸、オレイン酸、乳酸、2-エチルへキ酸、サリチル酸、ラウリン酸、フタル酸、パルミチン酸、テレフタル酸、酒石酸、こはく酸、グルコン酸、クエン酸、安息香酸など、金属元素として、ビスマスの他にホウ素、アルミニウム、珪素、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、イットリウム、ジルコニア、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、インジウム、すず、ランタン、セリウム、ネオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、タンタル、タングステン、レニウム、イリジウム、白金、金、タリウム、鉛などがある。なお、1種の金属セッケンのみを単独で用いることは勿論のこと、2種類以上の金属セッケンを混合して使用するようにしてもよい。
例えば、ナフテン酸ビスマス(III)トルエン溶液(Bi:7wt%)を金属セッケンとして用い、CNTに対する重量比で3%のビスマスを含有させることで充分な接着性が確保可能であることを確認している。
【0052】
図5は、有機溶剤に溶解させた状態の金属セッケンを接着剤として用いたCNTペーストを使用して固定化された基板上のCNTの様子を説明するための概念図で、図5(a)は金属セッケンを接着剤として用いた場合の概念図、図5(b)はガラスフリットを接着剤として用いた場合の概念図である。図5(a)に示すように、接着剤として金属セッケンを用いてCNT52を基板51上に固定化した場合には、焼成後の金属セッケンの接着剤53は基板51上に薄い膜のような状態となり、粒子状に凝集し難い。これに対して、図5(b)に示すように、接着剤としてガラスフリットを用いてCNT52を基板51上に固定化した場合には、焼成後のガラスフリットの接着剤54は基板51上で粒子状に凝集してしまうこととなる。
【0053】
上述した本発明の導電性ペーストを電子源の製造用途に使用する場合には、スクリーン印刷や塗布などの公知の手法で基板上に所望の形状にパターニングし、これを焼成および表面活性化してエミッションチップとする。
【0054】
本発明において金属セッケンを接着剤として選択することの理由およびその構造を整理すると概ね以下のようになる。
【0055】
第1に、金属セッケンは脂肪酸等、有機酸の金属である事による。すなわち、液体である金属セッケンの有機成分は焼成時に酸化分解し、金属セッケン分子の末端にある金属元素だけが焼成後に残存することとなり、カソード電極表面に原子レベルの薄い被膜を形成することができる。カソード電極表面に形成された被膜はその厚みが極めて薄いために、ガラスフリットなどに比較して軟化・溶融温度が低く、低温焼成が可能になるという利点がある。なお、金属セッケンを有機溶剤などに溶解させた状態でペーストに分散させることがより好ましい。
【0056】
第2に、金属セッケンを用いることでカソード電極表面に形成される被膜を薄くでき、これにより、接着対象であるCNTやカソード電極との接触面積が大きくなって少ない添加量で充分な接着力が確保できる。
【0057】
第3に、接着剤としての金属セッケンとしては、金属元素を中心としてそれを有機成分が立体的に取囲むような分子構造のものが選択される。これは、接着剤が、乾燥時や焼成時に凝集し難いようにするためである。このような金属セッケンを接着剤として選択することで、乾燥時や焼成時の接着剤の凝集が抑制され、高分散な金属酸化物被膜ネットワークの形成が可能となる。金属セッケンを有機溶剤などに溶解させた状態でペーストに分散させればなお好適である。
【0058】
第4に金属セッケンを用いることでカソード電極表面に形成された被膜の膜厚を薄くでき、これによりCNTの露出率が高くなり、カソード電極面に対するCNTのアスペクト比が大きく確保される。その結果、電界印加時にCNTへの電界集中が起こり易くなり、優れた電子放出特性を得ることが可能となる。
【実施例2】
【0059】
(CNTペーストを用いた電子源の作製)
上述した本発明のCNTペーストを用いて電子源を作製した。
【0060】
図6は、本実施例における電子源の構成の概略を説明するための図で、この電子源は、ガラスの下側基板11上に設けられたカソード電極12上に本発明の導電性ペーストを用いて形成されたCNTのエミッションチップ13が備えられている。また、下側基板11に対向して配置されたガラスの上側基板14の下側主面には、アノード電極15が設けられており、このアノード電極15の表面には蛍光体16が形成されている。エミッションチップ13はカソード電極12とアノード電極15によってバイアス印加され、電界放出現象による電子放出が生じて電子源となる。
【0061】
本実施例においては、カソード電極12として透明導電膜であるITO(Indium Tin Oxide)を用いたが、カソード電極12として銀(Ag)やクロム(Cr)あるいはアルミニウム(Al)などの材料を用いるようにしてもよい。また、カソード電極12の上にアモルファスシリコンの層を設けて、これをカソード電極12の抵抗値調整用の抵抗層としてもよい。
【0062】
図7は、この電子源のエミッションチップの作製までのプロセスを説明するための図で、先ず、基板11上にITO膜12を成膜し(図7(a))、このITO膜12をフォトリソグラフィにより所望の形状にパターニングしてカソード電極12とする(図7(b))。
【0063】
カソード電極12の上には、スクリーン印刷法により本発明の導電性ペースト層が印刷され、この導電性ペーストをエミッションチップ13とするための焼成およびテープ剥離などの手法による表面活性化が施されてエミッションチップ13が完成する(図7(c))。
【0064】
この工程におけるスクリーン印刷の具体的な条件とは、概ね以下のようなものである。先ず、スクリーンにはSUSの350メッシュを用い、乳剤厚は5μmとする。スキージゴムの硬度は70度を選定し、スキージスピードは30mm/secとする。また、印刷後の乾燥は130℃で10分間、焼成は400℃で10分間の条件で、ともに大気中で実行される。この焼成により、導電性ペーストは有機成分が酸化分解されてCNTと無機成分(ビスマスの酸化物)だけの状態となる。
【0065】
また、表面活性化をテープ剥離法により実行する際の具体的な手順は、次の通りである。まず、CNT膜にメンディングテープ(3M Scotch(登録商標) #810)を貼り付ける。その際に空気を取り込まない様に「テープの接着面と反対側の面」をハンドローラで押圧する。次にメンディングテープを端から一定の力で引き剥がす。これによりCNT膜の表面は活性化された状態となり、電子の放出が効率的に行われる状態となる。
【0066】
図8は、このようにして得られた電子源のエミッション特性を説明するための図で、本発明のCNTペースト中のナフテン酸ビスマス(III)接着剤の含有量(wt%)と電子源のエミッション特性(電流密度)との相関を説明するための図で、この図において、横軸は印加バイアスに相当する電界強度(V/μm)、縦軸はチップから得られたエミッションの電流密度(μA/cm2)である。なお、これらのエミッション特性は、5×10−8Torrから5×10−10Torrの真空度の環境下にて測定されたものである。
【0067】
図8を参照すると、実験を行ったCNTペースト中のCNTに対するビスマスの重量%が20wt%から1.5wt%の範囲で、同じエミッション電流密度を得るのに必要な印加バイアスは低くなっている。すなわち、CNTペースト中の接着剤の含有量が少ないほど、高いエミッション特性が得られている。この原因としては、以下の2つの理由が考えられる。第1に、接着剤の量が増えるとCNTとカソード電極との間において界面抵抗として作用して電子放出特性が劣化すること、第2に、接着剤の量が増えるとCNTの露出率が低下して電子放出特性が劣化すること、である。
【0068】
但し、エミッションチップ13とカソード電極12との接合強度を充分に確保するという観点からは、CNTに対するビスマスの重量%を一定以上の値とする必要があり、好ましくは0.1〜50wt%、より好ましくは0.1〜20wt%、さらに好ましくは0.1〜10wt%である。
【0069】
図9は、接着剤としてガラスフリットを用いて作製した電子源のエミッション特性を説明するための図で、図8に示した本発明による電子源のエミッション特性と比較するためのものである。この図では、導電性ペーストに含有させる接着剤の種類を、ITO系フリット(100wt%、150wt%)、B-Zn系フリット(100wt%、150wt%)、および鉛(Pb)系ガラスフリット(100wt%、150wt%)、とした場合の電子源のエミッション特性が比較して示されている。なお、これらの電子源の作製条件は上記接着剤の種類と含有量以外は全て同一としており、これらのエミッション特性も5×10−8Torrから5×10−10Torrの真空度の環境下にて測定されたものである。
【0070】
この図に示されているように、各種フリットにおいて、CNTに対する接着剤の重量%が150wt%よりも100wt%の方が一定の電流密度を得るのに要する電界強度は小さいことがわかった。また、一定の電流密度を得るのに要する電界強度が最も小さいフリットの種類はITO系フリットであることがわかった。また、テープ剥離に耐え得る実用強度を備えた上で1000μA/cmの電流密度を得るには、6サンプル中で最も良好な特性を示すITO系フリット100wt%でも少なくとも3.5V/μm以上の電界強度が必要であった。なお、テープ剥離に耐え得る実用強度を確保するには、3種のガラスフリットは何れもCNTに対する重量比で少なくとも100wt%以上が必要であった。
【0071】
一方、金属セッケンを接着剤として用いた場合には、3wt%の添加量でもテープ剥離に耐え得る実用強度が得られることが確認された。さらに、図8に示した結果から、添加量3wt%の場合の、1000μA/cmの電流密度を得るために必要な電界強度は1.5V/μm以下であり、各種ガラスフリットを接着剤として添加した場合に比較して低い電界強度で済むことが確認できた。
【0072】
このように、本発明のCNTペーストを用いて電子源を作製することとすれば、低温焼成が可能になり、接着剤の高分散性が容易に得られ、接着剤の添加量を少なくできる、という効果が得られ、これにより高いエミッション特性の電子源を実現することが可能となる。
【0073】
また、本発明の電子源は高いエミッション特性(低バイアスで高いエミッション効率が得られる)を有するものであることから、この電子源をFEDのエミッタとして用いると、省エネルギで高精細・高表示品質なディスプレイを実現することが可能となる。
【0074】
以上、実施例により本発明のCNTペーストならびにこれを用いて作製される電子源(およびFED)について説明したが、上記実施例は本発明を実施するための例にすぎず、電子源の適用対象もFEDに限らず、液晶表示装置のバックライトの電子放出源として用いたり、看板や街頭表示板の発光体の電子放出源として用いたりすることも可能であり、本発明は上記の実施例の構成に限定されるものではない。これらの実施例を種々変形することは本発明の範囲内にあり、更に本発明の範囲内において他の様々な実施例が可能であることは上記記載から自明である。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明は、高いエミッション特性をもつ電子源の製造に適するCNTペーストを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】CNTペーストの一般的な作製プロセスを説明するための図である。
【図2】本発明のCNTペーストの製造プロセスの概略を説明するためのフローチャートである。
【図3】ビヒクルとしてp-メンタン-1,8-ジオールアセテートを用いた場合とテルピネオールを用いた場合のペーストの寿命を比較するために行った実験結果を説明するための概念図で、図(a)は両溶媒をガラスプレート上に一滴垂らして常温空気中に5日間保管した後の概念図であり、図(b)は両溶媒に重量比で2%のエチルセルロースを加えた状態で同様の保管実験を行った結果を示す概念図である。
【図4】ペースト粘度の経時変化の比較実験結果を説明するための図である。
【図5】金属セッケンを接着剤として用いた導電性ペーストを使用して固定化された基板上のCNTの様子を説明するための概念図で、図(a)は金属セッケンを接着剤として用いた場合の概念図、図(b)はガラスフリットを接着剤として用いた場合の概念図である。
【図6】本発明のCNTペーストを用いて作製された電子源の構成の概略を説明するための図である。
【図7】本発明の電子源が備えるエミッションチップの作製プロセス例を説明するための図である。
【図8】本発明のCNTペースト中のナフテン酸ビスマス(III)接着剤の含有量と電子源のエミッション特性との相関を説明するための図である。
【図9】接着剤としてガラスフリットを用いて作製した電子源のエミッション特性を説明するための図である。
【符号の説明】
【0077】
11 下側基板
12 カソード電極
13 エミッションチップ
14 上側基板
15 アノード電極
16 蛍光体
30 ガラスプレート
32a、32b テルピネオール
31a、31b p-メンタン-1,8-ジオールアセテート
51 基板
52 CNT
53 金属セッケンの接着剤
54 ガラスフリットの接着剤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機溶剤に樹脂を溶解させたビヒクル中にカーボンナノチューブ(CNT)が分散されている導電性ペーストであって、
前記ビヒクルには、金属セッケンを含有する接着剤が添加されていることを特徴とするCNTペースト。
【請求項2】
前記金属セッケンに含有される金属はビスマス(Bi)であることを特徴とする請求項1に記載のCNTペースト。
【請求項3】
前記金属セッケンは、ナフテン酸ビスマス(III)を有機溶媒中に溶解させた溶液であることを特徴とする請求項2に記載のCNTペースト。
【請求項4】
前記金属セッケンは、ナフテン酸ビスマス(III)トルエン溶液であることを特徴とする請求項3に記載のCNTペースト。
【請求項5】
前記金属セッケン中のビスマス含有量は0.1〜80wt%であることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のCNTペースト。
【請求項6】
前記金属セッケン中のビスマス含有量は0.1〜40wt%であることを特徴とする請求項5に記載のCNTペースト。
【請求項7】
前記金属セッケン中のビスマス含有量は0.1〜20wt%であることを特徴とする請求項6に記載のCNTペースト。
【請求項8】
前記CNTペースト中のビスマス含有量は、該CNTペーストに分散されたCNTに対する重量比で0.1〜100wt%であることを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載のCNTペースト。
【請求項9】
前記CNTペースト中のビスマス含有量は、該CNTペーストに分散されたCNTに対する重量比で0.1〜10wt%であることを特徴とする請求項8に記載のCNTペースト。
【請求項10】
前記金属セッケンは、有機成分としてオクチル酸、ナフテン酸、デカン酸、ネオデカン酸、トリデカン酸、テトラデカン酸、ペンタデカン酸、ヘプタデカン酸、ステアリン酸、オレイン酸、乳酸、2-エチルへキ酸、サリチル酸、ラウリン酸、フタル酸、パルミチン酸、テレフタル酸、酒石酸、こはく酸、グルコン酸、クエン酸、安息香酸、の何れかを含み、金属成分としてホウ素、アルミニウム、珪素、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、イットリウム、ジルコニア、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、インジウム、すず、ランタン、セリウム、ネオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、タンタル、タングステン、レニウム、イリジウム、白金、金、タリウム、鉛、ビスマス、の何れかを含むこと、を特徴とする請求項1乃至9の何れか1項に記載のCNTペースト。
【請求項11】
前記接着剤には2種以上の金属セッケンが混合されて含有されていることを特徴とする請求項1乃至10の何れか1項に記載のCNTペースト。
【請求項12】
前記ビヒクルは、前記有機溶剤がテルペン系溶剤であることを特徴とする請求項1乃至11の何れか1項に記載のCNTペースト。
【請求項13】
前記テルペン系溶剤は、p-メンタン-1,8-ジオールアセテート系溶剤であることを特徴とする請求項12に記載のCNTペースト。
【請求項14】
前記有機溶剤中に溶解された樹脂は、天然樹脂、天然物誘導体、または合成樹脂の少なくとも1種を含有する樹脂であることを特徴とする請求項1乃至13の何れか1項に記載のCNTペースト。
【請求項15】
前記樹脂の含有量は、前記有機溶剤に対する重量比で100wt%以下(0wt%を含む)であることを特徴とする請求項1乃至14の何れか1項に記載のCNTペースト。
【請求項16】
請求項1乃至15の何れか1項に記載のCNTペーストを用いて基板上にCNTが固定化されていることを特徴とする電子放出源。
【請求項17】
請求項16に記載の電子放出源を備えていることを特徴とするフィールドエミッションディスプレイ。
【請求項18】
金属セッケンを成分とする接着剤と、樹脂と、カーボンナノチューブ(CNT)とを、p-メンタン-1,8-ジオールアセテート系溶剤中に分散させてビヒクルとするステップを備えていることを特徴とするCNTペーストの製造方法。
【請求項19】
請求項1乃至15の何れか1項に記載のCNTペーストを基板上に印刷してペースト膜を形成する第1のステップと、
該ペースト膜を乾燥および焼成する第2のステップと、
を備えていることを特徴とする電子放出源の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−140110(P2006−140110A)
【公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−330931(P2004−330931)
【出願日】平成16年11月15日(2004.11.15)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成16年度文部科学省、研究テーマ「科学技術総合研究委託 戦略的研究拠点育成 フロンティア研究拠点構想」に関する委託研究、産業活力再生特別措置法第30条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000005979)三菱商事株式会社 (56)
【出願人】(302069734)本荘ケミカル株式会社 (12)
【出願人】(504176911)国立大学法人大阪大学 (1,536)
【Fターム(参考)】