説明

キノコ栽培袋

【課題】キノコ栽培袋において、培地投入ショックによる切り裂けを防ぎ、培養、熟成行程の完了後、キノコ発生操作時、カットし易いキノコ栽培袋の提供。
【解決手段】キノコ栽培袋1の本体11上部に、培地投入口12を設け、該培地投入口12の縁部12に僅かな間隔14をおいて小さな切り孔(スリット)7が数箇所設けられることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
この発明は、キノコ栽培袋に関し、培養、熟成行程が完了後発生操作のために袋をカットする際、袋をカットし易いように工夫をしたもので、袋本体の充填口の縁部にそって少し内側に孔を開けたことが特徴のキノコ栽培袋である。
【技術分野】
【0002】
この発明は、キノコ栽培袋の技術の分野に属するものである。
【背景技術】
【0003】
従来、キノコ栽培袋(1)はポリエチレンやポリプロピレンフイルムの筒状で上部を投入口(2)として開口し、下部を密封したものである。また、袋本体(1)の上側の通気孔(3)は直径30mm程の孔を開けたもので、この部分をカバーするようにフィルター(4)を貼り付けた構造である。この種のものは、培地をいれて、殺菌冷却、接種後雑菌の侵入をふせぐため投入口を熱シール(5)するものである。
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のこの種の栽培袋(1)を使った栽培では、培地を投入し殺菌・冷却した後、接種し、雑菌の侵入をおさえるため、図3に示すように熱シール(5)する。20℃で30日間の培養し、23℃で80日間熟成した後、栽培袋(1)を開封し、発生行程に入るが、栽培袋(1)の口が切れ難いので手捌きで開封するのは困難であった。また、切り裂き易いように開口縁(6)に切り口を付ける方法もあるが、この種の袋はインフレーション製品であるので組織に縦方向性に製造し、噴出し方向(この場合は袋の縦長方向)は切り裂き易いよう製造しているため、切り口が開いていると培地の投入ショックで切り裂けて破れてしまう等の欠点があった。
【0005】
この発明は、培地の投入ショックでは切り裂けず、なお、開封時には切り裂け易い栽培袋を提供し、従来の欠点を解決しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、袋本体(1)の投入口(2)の縁部(6)にそって少し内側に孔(7)を開けたことによって、培地投入ショックによって袋(1)が裂けてしまうことを防ぎ、培養行程、熟成行程が完了後、容易に開封することがでが出来るようにして課題を解決したものである。
【実施例】
【0007】
つぎに、従来のキノコ栽培袋を図1について説明する。
(1)は従来の栽培袋本体で、この本体(1)の上部は開口して投入口(2)を有し、上部一側に直径30mmほどの通気孔(3)を開け、この通気孔(3)を不織布状のフィルター(4)で覆っている。
【0008】
このような構造にしたキノコ栽培袋(1)を使った場合、図3に示すように培地を充填し培養行程、熟成行程を経て発生操作の時点でカットし栽培袋(1)を剥ぎ取るが、その方法としてカッター等で切り口を入れてカットしていた。また、この袋はインフレーション成型で縦方向(袋の上下方向)に裂き易く製造しているため、切り口を設けた場合は、培地の投入ショックで裂けてしまい充填できなくなってしまう。この発明はこれらの欠点を改善するためになされたものである。
【0009】
つぎに、この発明を図2および図4について説明する。 図2において(11)は栽培袋本体で、この本体(11)の上部には、投入口(12)を設け、この投入口(12)の縁部(13)に僅かな間隔(14)をおいて小さな切り孔(スリット)(7)(この実施例では切開長さ4mm程度)を数箇所設ける。このようにした栽培袋(11)は図4に示すように、培地投入後は密封シール(15)されるが投入口(12)の縁部(13)の内側に沿ってスリット(7)が配置されている。
【0010】
このように、培地を投入した栽培袋(11)は培養、成熟行程完了後、投入口(12)を開いて発生操作するものであるが、投入口(12)を手捌きによって開く場合、図5に示すように、矢印のように引っ張るとスリット(7)の上下(16)(17)が伸びて裂けてくるのでフイルムを裂き易いくするものである。
【発明の効果】
【0011】
この発明は、上述のように投入口(12)の縁線(13)からわずかな間隔(14)をおいて縁線(13)に達しない切り裂きスリット(7)を設けたので縁線(13)が連続しており、培地投入ショックで裂けること無く保たれ、また、発生操作の切り裂きも僅かな力で裂くことが出来るので、手捌きによる作業を容易にする効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】は従来のキノコ栽培袋の斜面図
【図2】はこの発明のキノコ栽培袋の口部斜面図
【図3】は従来のきのこ栽培袋に培地を投入密閉した状態の斜面図
【図4】はこの発明のきのこ栽培袋に培地を投入密閉した状態の斜面図
【図5】は口部が裂ける状態を示す開口部の説明図である。
【符号の説明】
(11)栽培袋本体、(7)切り裂きスリット、(14)投入口部縁からの間隔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体の充填口の縁部にそって少し内側に孔を開けたことが特徴のキノコ栽培袋。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−167727(P2008−167727A)
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−27329(P2007−27329)
【出願日】平成19年1月10日(2007.1.10)
【出願人】(504328152)株式会社サカト産業 (13)
【Fターム(参考)】