クッション体とその製造方法
【課題】金属メッシュの量を低減しても十分な保持力を発揮することができるクッション体を提供する。
【解決手段】 本願のクッション体2は、金属メッシュを圧縮成形することで環状に形成され、被保持部材に取付けられる。クッション体2には、被保持部材の端面に当接する端面部28と、被保持部材の外周面に嵌合する側面部20を備えている。端面部28と側面部20との境界に、圧縮成形時に側面部と端面部との間で金属メッシュが移動することを制限する切欠き部24が設けられている。これによって、側面部20の崇密度が端面部28の崇密度の1.0〜2.0倍の範囲となる。
【解決手段】 本願のクッション体2は、金属メッシュを圧縮成形することで環状に形成され、被保持部材に取付けられる。クッション体2には、被保持部材の端面に当接する端面部28と、被保持部材の外周面に嵌合する側面部20を備えている。端面部28と側面部20との境界に、圧縮成形時に側面部と端面部との間で金属メッシュが移動することを制限する切欠き部24が設けられている。これによって、側面部20の崇密度が端面部28の崇密度の1.0〜2.0倍の範囲となる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属メッシュを圧縮成形することで形成され、被保持部材に取付けられる環状のクッション体に関する。
【背景技術】
【0002】
ハウジング等に部材を取付ける場合に、ハウジング等と部材との間にクッション体を配置する場合がある。このようなクッション体には、金属メッシュを圧縮成形することで環状に形成され、被保持部材の端面に取付けられて使用されるものがある。例えば、自動車等の排気ガス管路には、排気ガス管路を流れる排気ガスを浄化するための触媒が配置される。この触媒には、例えば、モノリス触媒が用いられる。モノリス触媒は非常にもろく破損しやすい。そのため、触媒の端面にクッション体が取付けられ、クッション体を介して排気ガス管路に触媒が保持されるようになっている。このような触媒を保持するためのクッション体の従来例が、特許文献1に開示されている。特許文献1のクッション体は、触媒の端面に当接する端面部と、触媒の側面に嵌合する側面部を備える。このクッション体は、端面部によって触媒の端面を保護すると共に、側面部によって触媒の側面を保護し、触媒が管路の壁面に衝突して破損してしまうことを好適に防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−47105号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、自動車の燃費と材料コストと環境負荷の低減のために、自動車部品の更なる軽量化が求められており、クッション体の材料である金属メッシュの量を低減することが求められている。しかしながら、特許文献1のクッション体のように、端面部と側面部を有するクッション体においては、クッション体を圧縮成形する時に端面部と側面部とで嵩密度に偏りが生じ易い。このため、単純に金属メッシュの量を低減すると、圧縮成形時に生じる嵩密度の偏りにより、十分な保持力を発揮することができない。その結果、被保持部材の位置ズレが生じ、また、被保持部材がクッション体から脱落する等の不具合が生じる可能性がある。
【0005】
本願は、上記した実情に鑑みてなされたものであり、圧縮成形時の嵩密度の偏りを制御することで、金属メッシュの量を低減しても十分な保持力を発揮することができるクッション体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者等が鋭意検討した結果、金属メッシュの量を低減することで嵩密度に偏りが生じても、その偏りを適切な範囲に制御すれば、十分な保持力を発揮できることが判明した。具体的には、本発明者等が行った実験によると、金属メッシュの量を低減しても、側面部の崇密度が端面部の崇密度の1.0〜2.0倍の範囲に調整することで、従来と同様の保持力を有することが分かった。
【0007】
本願のクッション体は、上記の知見に基づいて創作されたものである。すなわち、本願は、金属メッシュを圧縮成形することで形成され、被保持部材に取付けられる環状のクッション体であって、被保持部材の端面に当接する端面部と、被保持部材の外周面に嵌合する側面部と、を備えている。そして、端面部と側面部との境界に、圧縮成形時に側面部と端面部との間を金属メッシュが移動することを制限する制限手段を設けることで、側面部の崇密度が端面部の崇密度の1.0〜2.0倍の範囲となることを特徴とする。
【0008】
上記のクッション体では、端面部と側面部との境界に制限手段が設けられることで、圧縮成形時に端面部と側面部との間を金属メッシュが移動することが制限される。これによって、側面部の崇密度が端面部の崇密度の1.0〜2.0倍の範囲に調整される。その結果、端面部の嵩密度が側面部より低くても、側面部と端面部で十分な保持力を発揮することができる。
【0009】
上記のクッション体は、端面部が被保持部材の端面と当接する当接面を有し、制限手段は、側面部の内周面に形成された第1の切欠きと、端面部の当接面に形成された第2の切欠きを有することができる。そして、第1の切欠きは、側面部の内周面から外側に向かって伸び、第2の切欠きは、第1の切欠きが伸びる方向と垂直となる方向に伸びていてもよい。このような構成によると、クッション体に第1の切欠きと第2の切欠きが設けられるため、嵩密度の偏りをより低減することができる。
【0010】
また、上述したクッション体は、下記の製造方法によって好適に製造することができる。すなわち、この製造方法は、第1工程と第2工程と第3工程と第4工程を有する。第1工程では、クッション体の内周側の表面形状に倣った成形面を有する第1の金型に金属メッシュをセットする。第2工程では、クッション体の外周側の表面形状及び一端側の表面形状に倣った成形面を有する第2の金型を、その成形面が第1の金型の成形面に対向するように配置する。第3工程では、クッション体の他端側の表面形状に倣った成形面を有する第3の金型を、その成形面が第2の金型の成形面のうち一端側の表面形状に倣った部分に対向するように配置する。第4工程では、第3の金型と第1の金型を、第3の金型から第2の金型に向かう方向に移動させて、第1の金型にセットした金属メッシュを押圧する。この製造方法によると、1回の圧縮成形でクッション体を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施例1のクッション体の概略構成を示す図。
【図2】クッション体の断面を拡大して示す図。
【図3】実施例1のクッション体を製造する装置の概略構成を示す図。
【図4】図3の内型の側面に形成されている凸部の拡大図。
【図5】クッション体を製造する方法を説明するための図(1)。
【図6】クッション体を製造する方法を説明するための図(2)。
【図7】クッション体を製造する方法を説明するための図(3)。
【図8】クッション体を製造する方法を説明するための図(4)。
【図9】実施1のクッション体の製造手順を説明するためのフローチャート。
【図10】実施例1のクッション体の作用効果を説明する図。
【図11】従来のクッション体の作用効果を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明を具現化した実施例にかかるクッション体2を図面に基づいて説明する。クッション体2は、自動車の触媒を保持する触媒保持部材として用いられる。クッション体2は、金属線材に機械加工(例えば、メリヤス編み等)を施すことによって成形された金属メッシュから製造されており、弾性変形能を備えている。図1に示すように、クッション体2は環状に形成されており、大径の開口部10(図中の上側)と、開口部10より小径の開口部12(図中の下側)を備えている。開口部10から開口部12側に触媒を挿入可能になっている。
【0013】
図2に示すように、クッション体2は、端面部28と、側面部20を有している。端面部28は、クッション体2の開口部12側に形成されている。端面部28は、上端面26と内周面30と下端面27と外周面29を有している。外周面29は、下端面27から側面部20側に伸び、側面部20の外周面21に接続している。下端面27と外周面29の角部は面取りを模した形状となっている。内周面30は、下端面27の内周端から開口部10側に向かって垂直に伸びている。内周面30の径は、略一定であり、取り付けられる触媒の径よりも小さくされている。上端面26は、内周面30の上端から外周側に伸びている。クッション体2に触媒が取付けられると、上端面26と触媒の端面が当接する。上端面26の外周側の端部には、後述する切欠き24が形成されている。
【0014】
側面部20は、クッション体2の開口部10側に形成されている。側面部20は、上端面23と傾斜面22と外周面21を有している。外周面21は、上端面23の外周端より下方に伸び、端面部28の外周面29に接続されている。外周面21の径は略一定とされている。傾斜面22は、上端面23の内周端から開口部12側に向かって伸びており、開口部10側から開口部12側に向かって側面部20の断面積が増大するように傾斜している。傾斜面22は触媒の外周面に嵌合するように構成されている。傾斜面22の開口部12側の端部(下端)の径は、触媒の外径よりもわずかに小さくされている。クッション体2は弾性変形が可能であるため、クッション体2に触媒が取付けられると、側面部20の弾性力によって触媒がクッション体2から脱落することが防止される。
【0015】
側面部20と端面部28との間(詳しくは、端面部28の上端面26と側面部20の傾斜面22との間)に切欠き部24が形成されている。図2に示すように、切欠き部24は、側面部20に形成される第1切欠き32と、端面部28の上端面26の外周端に形成される第2切欠き34を備えている。第1切欠き32は、傾斜面22の下方に位置し、側面部20の内周側から外周側に向かって凹形状を有している。第2切欠き34は、端面部28の上端面26から開口部12側に向かって凹形状を有しており、その凹形状方向は第1切欠き32の凹形状方向に対して垂直となっている。第1切欠き32と第2切欠き34は一体化されて一つの凹形状を形成している。
【0016】
なお、本実施例では、端面部28の上端面26の延長線18より上方の領域を側面部20とし、延長線18より下方の領域を端面部28としている。切欠き24の形状は、側面部20の嵩密度が端面部28の嵩密度の1.0〜2.0倍の範囲となるように設定されている。後述するように、側面部20と端面部28の嵩密度の比を上記の範囲に調整することで、クッション体2は優れた触媒保持力を有することができる。
【0017】
次に、上述したクッション体2を製造する製造方法について説明する。まず、クッション体2を好適に製造するために用いられる製造装置について説明する。
【0018】
(クッション体を製造するための製造装置)
クッション体2は金属メッシュを金型で圧縮成形することで製造することができる。図3に示すように、クッション体2を製造するための金型は、内型40と、外型42と、上型44を備えている。内型40は略円柱状で、その外周面にクッション体2の内周面の形状に倣った成形面40aが形成されている。図4に示すように、成形面40aは、クッション体2の傾斜面22に倣った凹部80と、クッション体2の切欠き部24の形状に倣った凸部82及び凸部84と、クッション体2の端面部28の形状に倣った凹部86を備えている。本実施例の内型40は、図示しない押圧手段(油圧シリンダ等)によって上下方向(図4の縦方向)に移動可能となっている。
【0019】
図3に示すように、外型42は、複数に分割されている。複数の外型42は、図示しない押圧手段によって、互いに当接して環状となる状態と、互いに離隔した状態とに移動可能となっている。複数の外型42が移動して互いに当接すると、内型40の周囲を取り囲むように環状となる。外型42の内周面には、クッション体2の外周面の形状に倣った成形面42aが形成されている。
【0020】
上型44は、内型40の上方に配置され、その下端部が環状に構成されている。上型44の下端部には、クッション体2の上端面23の形状に倣った成形面44aが形成されている。上型44は、図示しない押圧手段によって上下方向(図4の縦方向)に移動可能となっている。上型44が下降すると、その下端部が内型40と外型42の間に挿入されるようになっている。
【0021】
内型40と外型42と上型44のそれぞれの押圧手段は、制御部46によって制御される。内型40と外型42と上型44をそれぞれ押圧すると、内型40の外周側に外型42が当接し、内型40と外型42との間に上型44が挿入されるようになっている。その結果、内型40と外型42と上型44と覆われた環状の空洞部が形成される。この空洞部は、製造するクッション体2の形状に倣った形状となる。
【0022】
(クッション体の製造方法)
次に、クッション体2の製造方法について図面を参照して説明する。
【0023】
図9に示すように、まず、ステンレス製の鋼線をメリヤス編みして、金属メッシュ6を筒状に作製した後、波付けを行う(ステップS2)。次に、波付けされた金属メッシュ6を袋巻きにして、金属メッシュ6を環状に形成する(ステップS4)。次いで、金属メッシュ6を内型40の成形面40aにセットする(ステップS6)。すなわち、図5に示すように、金属メッシュ6を成形面40aに取付け、図6に示す状態とする。
【0024】
次いで、外型42を内型40に向かって移動させ、金属メッシュ6が配置された内型40に外型42を当接させる(ステップS8)。これにより、図7に示すように、金属メッシュ6が外型42の成形面42aとも当接する。
【0025】
次いで、内型40と上型44を下降させ、内型40と外型42の間に位置する金属メッシュ6を上方から押圧する(S10)。すなわち、図8に示すように金属メッシュ6を押圧し、クッション体2を成形する。この際、内型40の成形面40aに形成された凸部82及び凸部84によって、端面部28側の金属メッシュ6が側面部20側に移動することが制限される。これによって、側面部20の嵩密度が端面部28の嵩密度の1.0〜2.0倍の範囲となる。
【0026】
最後に、内型40と外型42と上型44のそれぞれに作用させた押圧力を解除し、内型40から成形体を離型することで、金属メッシュ6からクッション体2が得られる。
【0027】
次に、本実施例のクッション体2と、比較例のクッション体とで、側面部と端面部との密度比を検証した例を説明する。本実施例のクッション体2の外径は137mmであり、端面部28の内径は125mmとした。本実施例のクッション体と比較例のクッション体とで、切欠き部24以外の形状は同一とした。すなわち、比較例のクッション体の外形状は、図11に示すような形状とした。また、本実施例のクッション体2を製作するための金属メッシュの量と、比較例のクッション体を製作するための金属メッシュの量は同一とし、嵩密度の平均が1.1g/cm3とした。密度計測した結果を表1に示す。表1に示すように、本実施例のクッション体2はいずれも、側面部20と端面部28との嵩密度比が2.0:1〜1.0:1の範囲内となり、その平均値は1.7:1であった。これに対し、比較例のクッション体は側面部と端面部との嵩密度比は2.5:1〜2.1:1の範囲で、平均は、2.3:1であった。
【0028】
【表1】
【0029】
また、本実施例のクッション体2と比較例のクッション体について触媒の保持力を測定した結果、本実施例のクッション体2は、従来のクッション体と端面部の嵩密度の平均がほぼ同じであり、同等の保持力を有していた。一方で、比較例のクッション体は従来のクッション体よりも保持力が低下した。なお、従来のクッション体は、比較例のクッション体と同一形状体で、かつ、金属メッシュ量は嵩密度の平均が1.3g/cm3であった。
【0030】
上述した結果から明らかなように、本実施例のクッション体2によると、比較例のクッション体と比較して、側面部20と端面部28における金属メッシュの偏りを少なくすることができる。その結果、従来のクッション体より金属メッシュの量を少なくしても、従来と同等の保持力を有することができる。
【0031】
さらに、本実施例に係るクッション体2の作用効果を、従来のクッション体と比較して説明する。まず、従来のクッション体の作用効果から説明する。図11は、従来の切欠き部を備えない一般的なクッション体を示している。
【0032】
図11に示すように、従来のクッション体は、管路8内で、略円柱形状の触媒4(例えば、モノリス触媒)を保持するものである。なお、管路8の一端には、管路変化部8aが形成されており、クッション体の排気下流側(図の下側)への移動が抑止されている。
【0033】
従来のクッション体は、金属メッシュによって環状に形成され、本実施例のクッション体2と同様に、側面部72と端面部78を備えている。側面部72の内周側には傾斜部70が形成されており、端面部78には触媒4の端部と当接する保持面76が形成されている。図11から明らかなように、従来のクッション体では、傾斜部70と保持面76の境界74に切欠き部が形成されていない。このため、従来のクッション体では、組み付け時に触媒4が傾斜部70に乗り上げ、予め決められた位置から触媒4がずれてしまう可能性がある。このため、クッション体に切欠き部がないと、十分に触媒4を保持できない場合がある。このため、クッション体に用いる金属メッシュ量を低減すると、十分な保持力を得ることができない。
【0034】
一方、図10に示すように、本実施例のクッション体2では、側面部20と端面部28との間の内周側側面に切欠き部24が形成されている。クッション体2に触媒4が取付けられると、触媒4の端面がクッション体2の端面部28の上端面26に当接する一方で、触媒4の側面がクッション体2の側面部20の傾斜面22の先端と当接する。端面部28の上端面26と、傾斜面22との先端には間隔が空けられているため、組み付け時に触媒4が安定して取り付けられ、傾斜面22上に乗り上げ難くなっている。また、本実施例のクッション体2では、側面部20と端面部28における金属メッシュの偏りが抑制されている。その結果、クッション体2は、触媒4を安定して保持することができる。
【0035】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。例えば、上述した実施例では、クッション体の内周側に切欠きを形成した例であったが、クッション体の外周側に切欠きを形成してもよい。また、内周側と外周側の両面に切欠きを形成してもよい。両面に切欠きを備えると、より少ない金属材料で密度の安定したクッション体を得ることが可能である。また、クッション体の側面部の内周面は、傾斜していなくてもよい。全面が触媒と当接可能であってもよい。また、金属メッシュの材料はステンレス線に限定されない。例えば、鉄線、真鍮線、銅線等、公知の材料を用いることができる。
【0036】
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0037】
2 クッション体、4 触媒、6 金属メッシュ、8 管路、8a 管路変化部、10,12 開口部、18 延長線、20,72 側面部、21,29 外周面、22 傾斜面、23,26 上端面、24 切欠き部、27 下端面、28,78 端面部、30 内周面、32 第1切欠き、34 第2切欠き、40 内型、40a,42a,44a 成形面、42 外型、44 上型、46 制御部、70 傾斜部、74 境界、76 保持面、80,86 凹部、82,84 凸部
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属メッシュを圧縮成形することで形成され、被保持部材に取付けられる環状のクッション体に関する。
【背景技術】
【0002】
ハウジング等に部材を取付ける場合に、ハウジング等と部材との間にクッション体を配置する場合がある。このようなクッション体には、金属メッシュを圧縮成形することで環状に形成され、被保持部材の端面に取付けられて使用されるものがある。例えば、自動車等の排気ガス管路には、排気ガス管路を流れる排気ガスを浄化するための触媒が配置される。この触媒には、例えば、モノリス触媒が用いられる。モノリス触媒は非常にもろく破損しやすい。そのため、触媒の端面にクッション体が取付けられ、クッション体を介して排気ガス管路に触媒が保持されるようになっている。このような触媒を保持するためのクッション体の従来例が、特許文献1に開示されている。特許文献1のクッション体は、触媒の端面に当接する端面部と、触媒の側面に嵌合する側面部を備える。このクッション体は、端面部によって触媒の端面を保護すると共に、側面部によって触媒の側面を保護し、触媒が管路の壁面に衝突して破損してしまうことを好適に防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−47105号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、自動車の燃費と材料コストと環境負荷の低減のために、自動車部品の更なる軽量化が求められており、クッション体の材料である金属メッシュの量を低減することが求められている。しかしながら、特許文献1のクッション体のように、端面部と側面部を有するクッション体においては、クッション体を圧縮成形する時に端面部と側面部とで嵩密度に偏りが生じ易い。このため、単純に金属メッシュの量を低減すると、圧縮成形時に生じる嵩密度の偏りにより、十分な保持力を発揮することができない。その結果、被保持部材の位置ズレが生じ、また、被保持部材がクッション体から脱落する等の不具合が生じる可能性がある。
【0005】
本願は、上記した実情に鑑みてなされたものであり、圧縮成形時の嵩密度の偏りを制御することで、金属メッシュの量を低減しても十分な保持力を発揮することができるクッション体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者等が鋭意検討した結果、金属メッシュの量を低減することで嵩密度に偏りが生じても、その偏りを適切な範囲に制御すれば、十分な保持力を発揮できることが判明した。具体的には、本発明者等が行った実験によると、金属メッシュの量を低減しても、側面部の崇密度が端面部の崇密度の1.0〜2.0倍の範囲に調整することで、従来と同様の保持力を有することが分かった。
【0007】
本願のクッション体は、上記の知見に基づいて創作されたものである。すなわち、本願は、金属メッシュを圧縮成形することで形成され、被保持部材に取付けられる環状のクッション体であって、被保持部材の端面に当接する端面部と、被保持部材の外周面に嵌合する側面部と、を備えている。そして、端面部と側面部との境界に、圧縮成形時に側面部と端面部との間を金属メッシュが移動することを制限する制限手段を設けることで、側面部の崇密度が端面部の崇密度の1.0〜2.0倍の範囲となることを特徴とする。
【0008】
上記のクッション体では、端面部と側面部との境界に制限手段が設けられることで、圧縮成形時に端面部と側面部との間を金属メッシュが移動することが制限される。これによって、側面部の崇密度が端面部の崇密度の1.0〜2.0倍の範囲に調整される。その結果、端面部の嵩密度が側面部より低くても、側面部と端面部で十分な保持力を発揮することができる。
【0009】
上記のクッション体は、端面部が被保持部材の端面と当接する当接面を有し、制限手段は、側面部の内周面に形成された第1の切欠きと、端面部の当接面に形成された第2の切欠きを有することができる。そして、第1の切欠きは、側面部の内周面から外側に向かって伸び、第2の切欠きは、第1の切欠きが伸びる方向と垂直となる方向に伸びていてもよい。このような構成によると、クッション体に第1の切欠きと第2の切欠きが設けられるため、嵩密度の偏りをより低減することができる。
【0010】
また、上述したクッション体は、下記の製造方法によって好適に製造することができる。すなわち、この製造方法は、第1工程と第2工程と第3工程と第4工程を有する。第1工程では、クッション体の内周側の表面形状に倣った成形面を有する第1の金型に金属メッシュをセットする。第2工程では、クッション体の外周側の表面形状及び一端側の表面形状に倣った成形面を有する第2の金型を、その成形面が第1の金型の成形面に対向するように配置する。第3工程では、クッション体の他端側の表面形状に倣った成形面を有する第3の金型を、その成形面が第2の金型の成形面のうち一端側の表面形状に倣った部分に対向するように配置する。第4工程では、第3の金型と第1の金型を、第3の金型から第2の金型に向かう方向に移動させて、第1の金型にセットした金属メッシュを押圧する。この製造方法によると、1回の圧縮成形でクッション体を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施例1のクッション体の概略構成を示す図。
【図2】クッション体の断面を拡大して示す図。
【図3】実施例1のクッション体を製造する装置の概略構成を示す図。
【図4】図3の内型の側面に形成されている凸部の拡大図。
【図5】クッション体を製造する方法を説明するための図(1)。
【図6】クッション体を製造する方法を説明するための図(2)。
【図7】クッション体を製造する方法を説明するための図(3)。
【図8】クッション体を製造する方法を説明するための図(4)。
【図9】実施1のクッション体の製造手順を説明するためのフローチャート。
【図10】実施例1のクッション体の作用効果を説明する図。
【図11】従来のクッション体の作用効果を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明を具現化した実施例にかかるクッション体2を図面に基づいて説明する。クッション体2は、自動車の触媒を保持する触媒保持部材として用いられる。クッション体2は、金属線材に機械加工(例えば、メリヤス編み等)を施すことによって成形された金属メッシュから製造されており、弾性変形能を備えている。図1に示すように、クッション体2は環状に形成されており、大径の開口部10(図中の上側)と、開口部10より小径の開口部12(図中の下側)を備えている。開口部10から開口部12側に触媒を挿入可能になっている。
【0013】
図2に示すように、クッション体2は、端面部28と、側面部20を有している。端面部28は、クッション体2の開口部12側に形成されている。端面部28は、上端面26と内周面30と下端面27と外周面29を有している。外周面29は、下端面27から側面部20側に伸び、側面部20の外周面21に接続している。下端面27と外周面29の角部は面取りを模した形状となっている。内周面30は、下端面27の内周端から開口部10側に向かって垂直に伸びている。内周面30の径は、略一定であり、取り付けられる触媒の径よりも小さくされている。上端面26は、内周面30の上端から外周側に伸びている。クッション体2に触媒が取付けられると、上端面26と触媒の端面が当接する。上端面26の外周側の端部には、後述する切欠き24が形成されている。
【0014】
側面部20は、クッション体2の開口部10側に形成されている。側面部20は、上端面23と傾斜面22と外周面21を有している。外周面21は、上端面23の外周端より下方に伸び、端面部28の外周面29に接続されている。外周面21の径は略一定とされている。傾斜面22は、上端面23の内周端から開口部12側に向かって伸びており、開口部10側から開口部12側に向かって側面部20の断面積が増大するように傾斜している。傾斜面22は触媒の外周面に嵌合するように構成されている。傾斜面22の開口部12側の端部(下端)の径は、触媒の外径よりもわずかに小さくされている。クッション体2は弾性変形が可能であるため、クッション体2に触媒が取付けられると、側面部20の弾性力によって触媒がクッション体2から脱落することが防止される。
【0015】
側面部20と端面部28との間(詳しくは、端面部28の上端面26と側面部20の傾斜面22との間)に切欠き部24が形成されている。図2に示すように、切欠き部24は、側面部20に形成される第1切欠き32と、端面部28の上端面26の外周端に形成される第2切欠き34を備えている。第1切欠き32は、傾斜面22の下方に位置し、側面部20の内周側から外周側に向かって凹形状を有している。第2切欠き34は、端面部28の上端面26から開口部12側に向かって凹形状を有しており、その凹形状方向は第1切欠き32の凹形状方向に対して垂直となっている。第1切欠き32と第2切欠き34は一体化されて一つの凹形状を形成している。
【0016】
なお、本実施例では、端面部28の上端面26の延長線18より上方の領域を側面部20とし、延長線18より下方の領域を端面部28としている。切欠き24の形状は、側面部20の嵩密度が端面部28の嵩密度の1.0〜2.0倍の範囲となるように設定されている。後述するように、側面部20と端面部28の嵩密度の比を上記の範囲に調整することで、クッション体2は優れた触媒保持力を有することができる。
【0017】
次に、上述したクッション体2を製造する製造方法について説明する。まず、クッション体2を好適に製造するために用いられる製造装置について説明する。
【0018】
(クッション体を製造するための製造装置)
クッション体2は金属メッシュを金型で圧縮成形することで製造することができる。図3に示すように、クッション体2を製造するための金型は、内型40と、外型42と、上型44を備えている。内型40は略円柱状で、その外周面にクッション体2の内周面の形状に倣った成形面40aが形成されている。図4に示すように、成形面40aは、クッション体2の傾斜面22に倣った凹部80と、クッション体2の切欠き部24の形状に倣った凸部82及び凸部84と、クッション体2の端面部28の形状に倣った凹部86を備えている。本実施例の内型40は、図示しない押圧手段(油圧シリンダ等)によって上下方向(図4の縦方向)に移動可能となっている。
【0019】
図3に示すように、外型42は、複数に分割されている。複数の外型42は、図示しない押圧手段によって、互いに当接して環状となる状態と、互いに離隔した状態とに移動可能となっている。複数の外型42が移動して互いに当接すると、内型40の周囲を取り囲むように環状となる。外型42の内周面には、クッション体2の外周面の形状に倣った成形面42aが形成されている。
【0020】
上型44は、内型40の上方に配置され、その下端部が環状に構成されている。上型44の下端部には、クッション体2の上端面23の形状に倣った成形面44aが形成されている。上型44は、図示しない押圧手段によって上下方向(図4の縦方向)に移動可能となっている。上型44が下降すると、その下端部が内型40と外型42の間に挿入されるようになっている。
【0021】
内型40と外型42と上型44のそれぞれの押圧手段は、制御部46によって制御される。内型40と外型42と上型44をそれぞれ押圧すると、内型40の外周側に外型42が当接し、内型40と外型42との間に上型44が挿入されるようになっている。その結果、内型40と外型42と上型44と覆われた環状の空洞部が形成される。この空洞部は、製造するクッション体2の形状に倣った形状となる。
【0022】
(クッション体の製造方法)
次に、クッション体2の製造方法について図面を参照して説明する。
【0023】
図9に示すように、まず、ステンレス製の鋼線をメリヤス編みして、金属メッシュ6を筒状に作製した後、波付けを行う(ステップS2)。次に、波付けされた金属メッシュ6を袋巻きにして、金属メッシュ6を環状に形成する(ステップS4)。次いで、金属メッシュ6を内型40の成形面40aにセットする(ステップS6)。すなわち、図5に示すように、金属メッシュ6を成形面40aに取付け、図6に示す状態とする。
【0024】
次いで、外型42を内型40に向かって移動させ、金属メッシュ6が配置された内型40に外型42を当接させる(ステップS8)。これにより、図7に示すように、金属メッシュ6が外型42の成形面42aとも当接する。
【0025】
次いで、内型40と上型44を下降させ、内型40と外型42の間に位置する金属メッシュ6を上方から押圧する(S10)。すなわち、図8に示すように金属メッシュ6を押圧し、クッション体2を成形する。この際、内型40の成形面40aに形成された凸部82及び凸部84によって、端面部28側の金属メッシュ6が側面部20側に移動することが制限される。これによって、側面部20の嵩密度が端面部28の嵩密度の1.0〜2.0倍の範囲となる。
【0026】
最後に、内型40と外型42と上型44のそれぞれに作用させた押圧力を解除し、内型40から成形体を離型することで、金属メッシュ6からクッション体2が得られる。
【0027】
次に、本実施例のクッション体2と、比較例のクッション体とで、側面部と端面部との密度比を検証した例を説明する。本実施例のクッション体2の外径は137mmであり、端面部28の内径は125mmとした。本実施例のクッション体と比較例のクッション体とで、切欠き部24以外の形状は同一とした。すなわち、比較例のクッション体の外形状は、図11に示すような形状とした。また、本実施例のクッション体2を製作するための金属メッシュの量と、比較例のクッション体を製作するための金属メッシュの量は同一とし、嵩密度の平均が1.1g/cm3とした。密度計測した結果を表1に示す。表1に示すように、本実施例のクッション体2はいずれも、側面部20と端面部28との嵩密度比が2.0:1〜1.0:1の範囲内となり、その平均値は1.7:1であった。これに対し、比較例のクッション体は側面部と端面部との嵩密度比は2.5:1〜2.1:1の範囲で、平均は、2.3:1であった。
【0028】
【表1】
【0029】
また、本実施例のクッション体2と比較例のクッション体について触媒の保持力を測定した結果、本実施例のクッション体2は、従来のクッション体と端面部の嵩密度の平均がほぼ同じであり、同等の保持力を有していた。一方で、比較例のクッション体は従来のクッション体よりも保持力が低下した。なお、従来のクッション体は、比較例のクッション体と同一形状体で、かつ、金属メッシュ量は嵩密度の平均が1.3g/cm3であった。
【0030】
上述した結果から明らかなように、本実施例のクッション体2によると、比較例のクッション体と比較して、側面部20と端面部28における金属メッシュの偏りを少なくすることができる。その結果、従来のクッション体より金属メッシュの量を少なくしても、従来と同等の保持力を有することができる。
【0031】
さらに、本実施例に係るクッション体2の作用効果を、従来のクッション体と比較して説明する。まず、従来のクッション体の作用効果から説明する。図11は、従来の切欠き部を備えない一般的なクッション体を示している。
【0032】
図11に示すように、従来のクッション体は、管路8内で、略円柱形状の触媒4(例えば、モノリス触媒)を保持するものである。なお、管路8の一端には、管路変化部8aが形成されており、クッション体の排気下流側(図の下側)への移動が抑止されている。
【0033】
従来のクッション体は、金属メッシュによって環状に形成され、本実施例のクッション体2と同様に、側面部72と端面部78を備えている。側面部72の内周側には傾斜部70が形成されており、端面部78には触媒4の端部と当接する保持面76が形成されている。図11から明らかなように、従来のクッション体では、傾斜部70と保持面76の境界74に切欠き部が形成されていない。このため、従来のクッション体では、組み付け時に触媒4が傾斜部70に乗り上げ、予め決められた位置から触媒4がずれてしまう可能性がある。このため、クッション体に切欠き部がないと、十分に触媒4を保持できない場合がある。このため、クッション体に用いる金属メッシュ量を低減すると、十分な保持力を得ることができない。
【0034】
一方、図10に示すように、本実施例のクッション体2では、側面部20と端面部28との間の内周側側面に切欠き部24が形成されている。クッション体2に触媒4が取付けられると、触媒4の端面がクッション体2の端面部28の上端面26に当接する一方で、触媒4の側面がクッション体2の側面部20の傾斜面22の先端と当接する。端面部28の上端面26と、傾斜面22との先端には間隔が空けられているため、組み付け時に触媒4が安定して取り付けられ、傾斜面22上に乗り上げ難くなっている。また、本実施例のクッション体2では、側面部20と端面部28における金属メッシュの偏りが抑制されている。その結果、クッション体2は、触媒4を安定して保持することができる。
【0035】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。例えば、上述した実施例では、クッション体の内周側に切欠きを形成した例であったが、クッション体の外周側に切欠きを形成してもよい。また、内周側と外周側の両面に切欠きを形成してもよい。両面に切欠きを備えると、より少ない金属材料で密度の安定したクッション体を得ることが可能である。また、クッション体の側面部の内周面は、傾斜していなくてもよい。全面が触媒と当接可能であってもよい。また、金属メッシュの材料はステンレス線に限定されない。例えば、鉄線、真鍮線、銅線等、公知の材料を用いることができる。
【0036】
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0037】
2 クッション体、4 触媒、6 金属メッシュ、8 管路、8a 管路変化部、10,12 開口部、18 延長線、20,72 側面部、21,29 外周面、22 傾斜面、23,26 上端面、24 切欠き部、27 下端面、28,78 端面部、30 内周面、32 第1切欠き、34 第2切欠き、40 内型、40a,42a,44a 成形面、42 外型、44 上型、46 制御部、70 傾斜部、74 境界、76 保持面、80,86 凹部、82,84 凸部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属メッシュを圧縮成形することで形成され、被保持部材に取付けられる環状のクッション体であって、
被保持部材の端面に当接する端面部と、
被保持部材の外周面に嵌合する側面部と、を備えており、
端面部と側面部との境界に、圧縮成形時に側面部と端面部との間を金属メッシュが移動することを制限する制限手段を設けることで、側面部の崇密度が端面部の崇密度の1.0〜2.0倍の範囲となることを特徴とするクッション体。
【請求項2】
前記端面部は、被保持部材の端面と当接する当接面を有しており、
前記制限手段は、側面部の内周面に形成された第1の切欠きと、端面部の当接面に形成された第2の切欠きを有しており、
第1の切欠きは、側面部の内周面から外側に向かって伸びており、
第2の切欠きは、第1の切欠きが伸びる方向と垂直となる方向に伸びていることを特徴とする、請求項1に記載のクッション体。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のクッション体を製造する製造方法であって、
クッション体の内周側の表面形状に倣った成形面を有する第1の金型に金属メッシュをセットする工程と、
クッション体の外周側の表面形状及び一端側の表面形状に倣った成形面を有する第2の金型を、その成形面が第1の金型の成形面に対向するように配置する工程と、
クッション体の他端側の表面形状に倣った成形面を有する第3の金型を、その成形面が第2の金型の成形面のうち一端側の表面形状に倣った部分に対向するように配置する工程と、
第3の金型と第1の金型を、第3の金型から第2の金型に向かう方向に移動させて、第1の金型にセットした金属メッシュを押圧する工程と、を備えている、クッション体の製造方法。
【請求項1】
金属メッシュを圧縮成形することで形成され、被保持部材に取付けられる環状のクッション体であって、
被保持部材の端面に当接する端面部と、
被保持部材の外周面に嵌合する側面部と、を備えており、
端面部と側面部との境界に、圧縮成形時に側面部と端面部との間を金属メッシュが移動することを制限する制限手段を設けることで、側面部の崇密度が端面部の崇密度の1.0〜2.0倍の範囲となることを特徴とするクッション体。
【請求項2】
前記端面部は、被保持部材の端面と当接する当接面を有しており、
前記制限手段は、側面部の内周面に形成された第1の切欠きと、端面部の当接面に形成された第2の切欠きを有しており、
第1の切欠きは、側面部の内周面から外側に向かって伸びており、
第2の切欠きは、第1の切欠きが伸びる方向と垂直となる方向に伸びていることを特徴とする、請求項1に記載のクッション体。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のクッション体を製造する製造方法であって、
クッション体の内周側の表面形状に倣った成形面を有する第1の金型に金属メッシュをセットする工程と、
クッション体の外周側の表面形状及び一端側の表面形状に倣った成形面を有する第2の金型を、その成形面が第1の金型の成形面に対向するように配置する工程と、
クッション体の他端側の表面形状に倣った成形面を有する第3の金型を、その成形面が第2の金型の成形面のうち一端側の表面形状に倣った部分に対向するように配置する工程と、
第3の金型と第1の金型を、第3の金型から第2の金型に向かう方向に移動させて、第1の金型にセットした金属メッシュを押圧する工程と、を備えている、クッション体の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−190699(P2011−190699A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−55309(P2010−55309)
【出願日】平成22年3月12日(2010.3.12)
【出願人】(000210986)中央発條株式会社 (173)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月12日(2010.3.12)
【出願人】(000210986)中央発條株式会社 (173)
【Fターム(参考)】
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