クラッチ操作機構
【課題】 2つのクラッチを干渉なく操作することができるクラッチ操作機構を提供することを課題としている。
【解決手段】 2つのクラッチを各々対応して設けられる2つのクラッチ操作体39,44を介して操作する2つのクラッチ操作部材19,23の一方のクラッチ操作体39によるクラッチ操作部材19の操作作動位置と、他方のクラッチ操作体44によるクラッチ操作部材23の操作作動位置とを、両クラッチ操作体39,44を駆動する作動部材32回動軸心を挟んだ両側に振り分けて配置した。
【解決手段】 2つのクラッチを各々対応して設けられる2つのクラッチ操作体39,44を介して操作する2つのクラッチ操作部材19,23の一方のクラッチ操作体39によるクラッチ操作部材19の操作作動位置と、他方のクラッチ操作体44によるクラッチ操作部材23の操作作動位置とを、両クラッチ操作体39,44を駆動する作動部材32回動軸心を挟んだ両側に振り分けて配置した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つのクラッチを操作するクラッチ操作機構に関する。
【背景技術】
【0002】
従来コンバインの脱穀クラッチと刈取クラッチの2つのクラッチをコントロールするクラッチ操作機構が公知となっている(例えば特許文献1参照)。 上記クラッチ操作機構は、2つのクラッチを操作するワイヤからなる2つのクラッチ操作部材と、各ワイヤに各々対応して設けられる2つのクラッチ操作体と、両クラッチ操作体を駆動する作動部材と
を備え、作動部材の回動によって各クラッチ操作体を介して各クラッチ操作部材を操作し、2つのクラッチの入り切りをコントロールする構造となっている。
【特許文献1】特公平8−22182号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記クラッチ操作機構は、両クラッチ操作体が作動部材の回動支点を中心とした一方側に集中して配置されている。このため両ワイヤが近接し、操作時に互いに干渉する場合があるという欠点があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するための本発明のクラッチ操作機構は、2つのクラッチを操作する2つのクラッチ操作部材19,23と、各クラッチ操作部材19,23に各々対応して設けられる2つのクラッチ操作体39,44と、両クラッチ操作体39,44を駆動する作動部材32とを備え、作動部材32の回動によって各クラッチ操作体39,44を介して各クラッチ操作部材19,23を操作し、2つのクラッチの入り切りをコントロールするクラッチ操作機構において、一方のクラッチ操作体39によるクラッチ操作部材19の操作作動位置と、他方のクラッチ操作体44によるクラッチ操作部材23の操作作動位置とを、作動部材32の回動軸心を挟んだ両側に振り分けて配置したことを第1の特徴としている。
【0005】
第2に、一方のクラッチ操作体39を、作動部材32の回動軸心と同心で回動自在に軸支して設けたことを特徴としている。
【0006】
第3に、2つのクラッチが、コンバインにおける脱穀装置6への駆動力の断接を行う脱穀クラッチ9と、刈取装置4への駆動力の断接を行う刈取クラッチ8であることを特徴としている。
【0007】
第4に、脱穀クラッチ9用のクラッチ操作体44が、揺動によりクラッチ操作部材23を引張り操作して脱穀クラッチ9を入り状態とする構造であり、上記クラッチ操作体44の揺動支点位置を、作動部材32の回動軸心に対して引張り側に変位させて設けたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
以上のように構成される本発明の構造によると、例えばクラッチ操作部材としてロッドを使用した場合、両ロッドが作動部材の回動軸心を挟んだ両側に振り分けて配置された操作作動位置において、クラッチ操作体によってお互いに比較的離れて操作される。
【0009】
これにより互いの操作が干渉することが防止され、2つのクラッチ、例えばコンバインにおける脱穀装置への駆動力の断接を行う脱穀クラッチと、刈取装置への駆動力の断接を行う刈取クラッチの操作を安定して行うことができるという利点がある。一方のクラッチ操作体を、作動部材の回動軸心と同心で回動自在に軸支して設けることによって、クラッチ操作機構自体をコンパクトに構成することができる。
【0010】
なお脱穀クラッチ用のクラッチ操作体を、揺動によりクラッチ操作部材を引張り操作して脱穀クラッチを入り状態とする構造とし、上記クラッチ操作体の揺動支点位置を、作動部材の回動軸心に対して引張り側に変位させて設けることにより、刈取クラッチより前に入り状態とし、刈取クラッチの入り状態時も入り状態を継続させる必要がある脱穀クラッチの操作を、クラッチ操作部材の引張り方向とは無関係な方向の揺動の影響を大きく受けることなく、クラッチ操作体が効率よくクラッチ操作部材を引張り操作することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1は本発明のクラッチ操作機構を採用したコンバインの平面図である。図示しないクローラ式の走行装置を備えた走行機体1の右側前方には、座席2を備えた運転席3が設けられている。走行機体1の前方には、穀稈を刈取り後方に搬送する前処理部4が設けられている。
【0012】
運転席3の左側方から後方に至り、前処理部4から搬送される穀稈を受け継ぎ、脱穀する脱穀装置6が設けられている。運転席3の後方には、脱穀装置6の側方に位置して脱穀後の穀粒を貯粒する穀粒タンク7が設けられている。
【0013】
運転席3の下方には図示しないエンジンが搭載されている。エンジンの駆動力は、図2に示されるように、ベルトテンションクラッチからなる刈取クラッチ8を介して入り切り自在に前処理部3に伝動され、ベルトテンションクラッチからなる脱穀クラッチ9を介して入り切り自在に脱穀装置6に伝動される。
【0014】
刈取クラッチ8と脱穀クラッチ9は、上下に並設配置されている。刈取クラッチ8のテンションプーリ(刈取テンションプーリ)11は、刈取テンションアーム12に支持されている。刈取テンションプーリ11は、ベルト13に上方から摺接する。脱穀クラッチ9のテンションプーリ(脱穀テンションプーリ)14は、脱穀テンションアーム16に支持されている。脱穀テンションプーリ14はベルト17に下方から摺接する。
【0015】
刈取クラッチ8は、刈取テンションアーム12における刈取テンションプーリ11の回動支点18を挟んだ反対側を刈取牽引ロッド19により刈取引張バネ21を介して引張り上方に引き上げ、刈取テンションプーリ11を所定の力でベルト13に押圧することによってベルト13が張られ、駆動力を伝動する入り状態となる。刈取牽引ロッド19の引き上げが解除されると、刈取テンションプーリ11が退避し、ベルト13が弛められ、刈取クラッチ8は、駆動力を伝動しない切り状態となる。
【0016】
脱穀クラッチ9は、脱穀テンションアーム16における回動支点22より脱穀テンションプーリ14側を脱穀牽引ロッド23によって脱穀引張バネ24を介して引張り上方に引き上げ、脱穀テンションプーリ14を所定の力でベルト17に押圧することによって、ベルト17が張られ、駆動力を伝動する入り状態となる。脱穀牽引ロッド23の引き上げが解除されると、脱穀テンションプーリ14が退避し、ベルト17が弛められ、脱穀クラッチ9は、駆動力を伝動しない切り状態となる。
【0017】
刈取牽引ロッド19と脱穀牽引ロッド23は、クラッチ操作部26によって操作される。このため刈取クラッチ8及び脱穀クラッチ9はクラッチ操作部26によって入り切りがコントロールされる。
【0018】
クラッチ操作部26は、図3〜図6に示されるように、走行機体1側に取り付けられる平面視でコ字状をなすベース板27をフレームとしている。ベース板27の外面には、1つのモータ28が取り付けられている。ベース板27の内面には、セクタギヤ29が回動自在に軸支されている。セクタギヤ29は、モータ28に取り付けられたピニオンギヤ31と噛合している。
【0019】
ベース板27の内側には、上記セクタギヤ29と一体的回動するようにカム32が設けられている。ベース板27の外面にはポテンショメータ33が取り付けられている。該ポテンショメータ33の操作軸34は、ベース板27の内側に突出しており、該操作軸34には扇形ギヤ36が設けられている。該扇形ギヤ36はカム32側のギヤと噛合している。モータ28の駆動によってセクタギヤ29を介してカム32が回動する。カム32の回動角度はポテンショメータ33により検出される。
【0020】
上記カム32は、周面がカム面37となっている。カム32の側面からはピン38が突出している。セクタギヤ29の回動軸30がカム32の回動軸心となる。セクタギヤ29の回動軸30に刈取牽引ロッド19を駆動操作する刈取駆動アーム39が回動自在に軸支されている。刈取駆動アーム39の回動軸心はカム32の回動軸心30と同心である。
【0021】
刈取駆動アーム39の先端には、刈取操作パイプ41が回動自在に軸支されている。刈取操作パイプ41に刈取牽引ロッド19の先端側が下方から挿入されている。刈取牽引ロッド19の先端側にはナット42が設けられている。該ナット42はロックナット43によって位置固定されている。刈取操作パイプ41の上端面と上記ナット42とは当接する。
【0022】
刈取駆動アーム39の周面は、カム32の回転に伴いピン38と当接する。刈取牽引ロッドの引き上げを行わない初期状態(図4の状態)においては、ピン38は刈取駆動アーム39の下方に位置する。ただしピン38と刈取駆動アーム39とは当接しない。
【0023】
カム32は図4における時計回りに回動し、ピン38が刈取駆動アーム39に下方から当接した位置から、ピン38が刈取駆動アーム39の周面を押し上げ、刈取操作パイプ41が上方に移動するように刈取駆動アーム39を回動させ、刈取操作パイプ41とナット42とが当接する位置を操作作動位置として刈取牽引ロッド19を上方に移動させるように引張り引き上げ、刈取クラッチ8を入り作動させる。
【0024】
ベース板27の内側におけるカム32の回動軸心より刈取駆動パイプ41側には、カム32の回動軸心より上方位置に支軸46が一体的に設けられている。該支軸46には、脱穀牽引ロッド23を駆動操作する脱穀駆動アーム44の一端側が回動自在に軸支されている。脱穀牽引ロッド23は支軸46を軸心として揺動する。脱穀駆動アーム44の先端は、ベース板27におけるカム32の回動軸心を挟んだ支軸46の反対側に位置する。脱穀駆動アーム44の先端には、脱穀操作パイプ47が回動自在に軸支されている。
【0025】
脱穀操作パイプ47に脱穀牽引ロッド23の先端側が下方から挿入されている。脱穀牽引ロッド23の先端側にはナット48が設けられている。該ナット48はロックナット49によって位置固定されている。脱穀操作パイプ47の上端面と上記ナット48とは当接する。脱穀駆動アーム44の揺動支点と先端との間の略中間位置には、ローラ51が回転自在に軸支されている。
【0026】
カム32の回動に伴いカム面37とローラ51の周面とは接する。カム面37はカム32の回動軸心を中心とする略扇状をなす。脱穀牽引ロッド23の引き上げを行わない初期状態(図4の状態)においては、ローラ51はカム面37の径部37aと接している。カム32の回動に伴い、ローラ51がカム面37の弧部37bと接すると、脱穀操作パイプ47が上方に移動するように脱穀駆動アーム44が回動し、脱穀操作パイプ47とナット48とが当接する位置を操作作動位置として、脱穀牽引ロッド23を上方に移動させて引張り引き上げ、脱穀クラッチ9を入り作動させる。
【0027】
上記カム32は、上記初期状態から回動すると、ピン38が刈取駆動アーム39の周面に当接する前に、ローラ51がカム面37の弧部37bと接して脱穀駆動アーム44を揺動駆動操作し、図7に示されるように、まず脱穀クラッチ9のみが入り状態となり、刈取クラッチ8は切り状態を継続する。
【0028】
その後カム32が更に回動し、初期状態からのカム32の回動角度が増加すると、図8に示されるように、ローラ51とカム32の弧部37bとの接触が継続したまま、ピン38が刈取駆動アーム39の周面に当接し、刈取駆動アーム39を揺動駆動し、脱穀クラッチ9の入り状態が継続されたまま、刈取クラッチ8が切り状態に切り換えられる。
【0029】
本クラッチ操作部36は、上記のように初めに脱穀クラッチを9入り作動させ、次に刈取クラッチ8を入り作動させるように構成されている。これによりクラッチ操作部36は、カム32の回動角度に応じて、脱穀クラッチ9と刈取クラッチ8がともに切り状態とすることと、刈取クラッチ8を切り状態としたまま、脱穀クラッチ9を入り状態とすることと、刈取クラッチ8と脱穀クラッチ9をともに入り状態とすることができる。
【0030】
前述の運転席3の座席2の前方及び側方にはフロント操作パネル52とサイド操作パネル53が設けられている。フロント操作パネル52には、機体操向及び前処理部4の昇降操作を行うマルチレバー54が設けられている。サイド操作パネル53には、走行動力を無段変速操作する主変速レバー56と、走行動力を段階的に速操作する副変速レバー57と、脱穀クラッチ9及び刈取クラッチ8を操作する1本の脱穀・刈取クラッチレバー58とが設けられている。
【0031】
脱穀・刈取クラッチレバー58は、図9に示されるように、レバーブラケット59に第1支軸61を介して前後傾動自在に支持されるレバー基部62と、レバー基部62の上端部に第2支軸63を介して左右傾動自在に支持されるレバー先端部64とからなる。レバー先端部64とレバー基部62との間にはスプリング66が設けられている。
【0032】
レバー先端部64はスプリング66によって側方に付勢されている。レバー先端部64は、サイド操作パネル53に設けられたガイド溝67に挿通され、ガイド溝67に沿った前後及び左右揺動が可能となっている。レバー先端部64(脱穀・刈取クラッチレバー58)を前後に揺動させると、レバー基部62はレバー先端部64と一体に前後に揺動する。レバー先端部64の左右揺動時には、レバー基部64は揺動しない。
【0033】
レバー基部64には、レバー基部64に連動するカムプレート68が一体的に設けられている。カムプレート68の対向位置には、2個のレバー位置検出スイッチ69,71が配設されている。レバー位置検出スイッチ69,71がカムプレート68でON・OFFされることによって、脱穀・刈取クラッチレバー58の操作ポジションが検出される構成となっている。
【0034】
脱穀・刈取クラッチレバー58の操作ポジションとして、図10に示されるように、脱穀クラッチ9及び刈取クラッチ8をともに切り状態とする第1操作位置Aと、脱穀クラッチ9のみを入り状態とする第2操作位置(中間位置)Bと、脱穀クラッチ9及び刈取クラッチ8をともに入り状態とする第3操作位置Cとが設定されている。
【0035】
脱穀・刈取クラッチレバー58を前後揺動操作することによって、各操作ポジションA,B,Cに切り換えることができる。ただし第2操作位置Bから第3操作位置Cに切り換える際に脱穀・刈取クラッチレバー58(レバー先端部64)を左右揺動させる必要がある。
【0036】
前述のクラッチ操作部26のモータ28は、図示しないマイコンユニットの出力側に設けられている。クラッチ操作部26のポテンショメータ33とレバー位置検出スイッチ69,71とは、上記マイコンユニットの入力側に接続されている。モータ28はレバー位置検出スイッチ69,71の状態に対応してポテンショメータ33の値に基づき回動し、脱穀クラッチ9と刈取クラッチ8の入り切りをコントロールする。
【0037】
クラッチ操作部26は、前述のように脱穀牽引ロッド23を操作する脱穀操作パイプ47と、刈取牽引ロッド19を操作する刈取操作パイプ41とが、カム32の両側に振り分けて配置されている。このため脱穀牽引ロッド23の操作と刈取牽引ロッド19の操作とが、比較的離れた位置で行われ、互いの作動の干渉が防止され、脱穀クラッチ9と刈取クラッチ8の操作を安定して行うことができる。
【0038】
また刈取駆動アーム39は、カム32と同心で設けられているため、クラッチ操作部26はコンパクトに構成されている。刈取クラッチ8は、脱穀クラッチ9より後で入り状態に切り換えられる。このため脱穀クラッチ9に比較して、カム32の回転角度に対する入り状態の期間が短くて済み、比較的短いアーム(刈取駆動アーム39)とピン38によるリンク機構によりコンパクトに構成することができる。
【0039】
対して脱穀クラッチ9は、刈取クラッチ8より前に入り状態とし、刈取クラッチ8の入り状態時も入り状態を継続させる必要がある。本実施形態においてはカム32の回動軸心に対して、脱穀牽引ロッド23の引張り側(上側)に変位させた回動軸心によって脱穀駆動アーム39を支持し、該脱穀駆動アーム39によって脱穀牽引ロッド23を操作するように構成してある。ローラ51の回動支点もカム32の回動軸心に対して、脱穀駆動アーム39の回動軸心側で、且つ上方に位置している。
【0040】
脱穀駆動アーム39は、揺動時の上下移動によって脱穀牽引ロッド23の操作を行う。上記構造により、脱穀駆動アーム39の揺動時の左右移動が少なくし、上下移動の距離を大きく採ることができるため、脱穀駆動アーム39の上方への揺動を長期間維持して、脱穀クラッチ9を必要な期間簡単に入り作動させ続けることが可能となる。
【0041】
なお一方のクラッチ(刈取クラッチ8)を上記のようにリンク機構(ピン38)によって操作し、他方のクラッチ(脱穀クラッチ9)をカム機構(カム32)によって操作する構造となっているため、カムが1つで済み、クラッチ操作部26を、簡単且つローコストで構成することができる。
【0042】
図11に示されるように、クラッチ操作部26を、刈取駆動アーム72と脱穀駆動アーム73をともに支軸46に回動自在に軸支して設け、両アーム72,73にともにローラ74,76を設け、セクタギヤ29に一体回転するように刈取駆動アーム72用のカム77と脱穀駆動アーム73用のカム78を設け、刈取牽引ロッド19と脱穀牽引ロッド23をともにローラ74,76を介したカム駆動する構成とすることもできる。なお図10において図2〜図8と同一符号は同一部品を示し、同一機能については説明を割愛する。
【0043】
本クラッチ操作部26は、コンバインにおける刈取クラッチ8と脱穀クラッチ9だけでなく、2つのテンションクラッチをタイミングをずらして操作する装置であればいかなる装置に採用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】コンバインの平面図である。
【図2】クラッチ操作部と刈取クラッチ及び脱穀クラッチとの関係を示す要部部分図である。
【図3】クラッチ操作部単体の斜視図である。
【図4】刈取駆動アームを透視状態としたクラッチ操作部単体の正面図である。
【図5】クラッチ操作部単体の平面図である。
【図6】クラッチ操作部単体の背面図である。
【図7】クラッチ操作部が脱穀クラッチのみを入り状態に切り換えた状態を示す正面図である。
【図8】クラッチ操作部が脱穀クラッチ及び刈取クラッチを入り状態に切り換えた状態を示す正面図である。
【図9】脱穀・刈取クラッチレバーの取り付け状態を示す要部斜視図である。
【図10】ガイド溝部分の平面図である。
【図11】他の実施形態のクラッチ操作部単体の正面図である。
【符号の説明】
【0045】
4 前処理部(刈取装置)
6 脱穀装置
8 刈取クラッチ
9 脱穀クラッチ
19 刈取牽引ロッド(クラッチ操作部材)
23 脱穀牽引ロッド(クラッチ操作部材)
32 カム(作動部材)
39 刈取駆動アーム(クラッチ操作体)
44 脱穀駆動アーム(クラッチ操作体)
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つのクラッチを操作するクラッチ操作機構に関する。
【背景技術】
【0002】
従来コンバインの脱穀クラッチと刈取クラッチの2つのクラッチをコントロールするクラッチ操作機構が公知となっている(例えば特許文献1参照)。 上記クラッチ操作機構は、2つのクラッチを操作するワイヤからなる2つのクラッチ操作部材と、各ワイヤに各々対応して設けられる2つのクラッチ操作体と、両クラッチ操作体を駆動する作動部材と
を備え、作動部材の回動によって各クラッチ操作体を介して各クラッチ操作部材を操作し、2つのクラッチの入り切りをコントロールする構造となっている。
【特許文献1】特公平8−22182号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記クラッチ操作機構は、両クラッチ操作体が作動部材の回動支点を中心とした一方側に集中して配置されている。このため両ワイヤが近接し、操作時に互いに干渉する場合があるという欠点があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するための本発明のクラッチ操作機構は、2つのクラッチを操作する2つのクラッチ操作部材19,23と、各クラッチ操作部材19,23に各々対応して設けられる2つのクラッチ操作体39,44と、両クラッチ操作体39,44を駆動する作動部材32とを備え、作動部材32の回動によって各クラッチ操作体39,44を介して各クラッチ操作部材19,23を操作し、2つのクラッチの入り切りをコントロールするクラッチ操作機構において、一方のクラッチ操作体39によるクラッチ操作部材19の操作作動位置と、他方のクラッチ操作体44によるクラッチ操作部材23の操作作動位置とを、作動部材32の回動軸心を挟んだ両側に振り分けて配置したことを第1の特徴としている。
【0005】
第2に、一方のクラッチ操作体39を、作動部材32の回動軸心と同心で回動自在に軸支して設けたことを特徴としている。
【0006】
第3に、2つのクラッチが、コンバインにおける脱穀装置6への駆動力の断接を行う脱穀クラッチ9と、刈取装置4への駆動力の断接を行う刈取クラッチ8であることを特徴としている。
【0007】
第4に、脱穀クラッチ9用のクラッチ操作体44が、揺動によりクラッチ操作部材23を引張り操作して脱穀クラッチ9を入り状態とする構造であり、上記クラッチ操作体44の揺動支点位置を、作動部材32の回動軸心に対して引張り側に変位させて設けたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
以上のように構成される本発明の構造によると、例えばクラッチ操作部材としてロッドを使用した場合、両ロッドが作動部材の回動軸心を挟んだ両側に振り分けて配置された操作作動位置において、クラッチ操作体によってお互いに比較的離れて操作される。
【0009】
これにより互いの操作が干渉することが防止され、2つのクラッチ、例えばコンバインにおける脱穀装置への駆動力の断接を行う脱穀クラッチと、刈取装置への駆動力の断接を行う刈取クラッチの操作を安定して行うことができるという利点がある。一方のクラッチ操作体を、作動部材の回動軸心と同心で回動自在に軸支して設けることによって、クラッチ操作機構自体をコンパクトに構成することができる。
【0010】
なお脱穀クラッチ用のクラッチ操作体を、揺動によりクラッチ操作部材を引張り操作して脱穀クラッチを入り状態とする構造とし、上記クラッチ操作体の揺動支点位置を、作動部材の回動軸心に対して引張り側に変位させて設けることにより、刈取クラッチより前に入り状態とし、刈取クラッチの入り状態時も入り状態を継続させる必要がある脱穀クラッチの操作を、クラッチ操作部材の引張り方向とは無関係な方向の揺動の影響を大きく受けることなく、クラッチ操作体が効率よくクラッチ操作部材を引張り操作することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1は本発明のクラッチ操作機構を採用したコンバインの平面図である。図示しないクローラ式の走行装置を備えた走行機体1の右側前方には、座席2を備えた運転席3が設けられている。走行機体1の前方には、穀稈を刈取り後方に搬送する前処理部4が設けられている。
【0012】
運転席3の左側方から後方に至り、前処理部4から搬送される穀稈を受け継ぎ、脱穀する脱穀装置6が設けられている。運転席3の後方には、脱穀装置6の側方に位置して脱穀後の穀粒を貯粒する穀粒タンク7が設けられている。
【0013】
運転席3の下方には図示しないエンジンが搭載されている。エンジンの駆動力は、図2に示されるように、ベルトテンションクラッチからなる刈取クラッチ8を介して入り切り自在に前処理部3に伝動され、ベルトテンションクラッチからなる脱穀クラッチ9を介して入り切り自在に脱穀装置6に伝動される。
【0014】
刈取クラッチ8と脱穀クラッチ9は、上下に並設配置されている。刈取クラッチ8のテンションプーリ(刈取テンションプーリ)11は、刈取テンションアーム12に支持されている。刈取テンションプーリ11は、ベルト13に上方から摺接する。脱穀クラッチ9のテンションプーリ(脱穀テンションプーリ)14は、脱穀テンションアーム16に支持されている。脱穀テンションプーリ14はベルト17に下方から摺接する。
【0015】
刈取クラッチ8は、刈取テンションアーム12における刈取テンションプーリ11の回動支点18を挟んだ反対側を刈取牽引ロッド19により刈取引張バネ21を介して引張り上方に引き上げ、刈取テンションプーリ11を所定の力でベルト13に押圧することによってベルト13が張られ、駆動力を伝動する入り状態となる。刈取牽引ロッド19の引き上げが解除されると、刈取テンションプーリ11が退避し、ベルト13が弛められ、刈取クラッチ8は、駆動力を伝動しない切り状態となる。
【0016】
脱穀クラッチ9は、脱穀テンションアーム16における回動支点22より脱穀テンションプーリ14側を脱穀牽引ロッド23によって脱穀引張バネ24を介して引張り上方に引き上げ、脱穀テンションプーリ14を所定の力でベルト17に押圧することによって、ベルト17が張られ、駆動力を伝動する入り状態となる。脱穀牽引ロッド23の引き上げが解除されると、脱穀テンションプーリ14が退避し、ベルト17が弛められ、脱穀クラッチ9は、駆動力を伝動しない切り状態となる。
【0017】
刈取牽引ロッド19と脱穀牽引ロッド23は、クラッチ操作部26によって操作される。このため刈取クラッチ8及び脱穀クラッチ9はクラッチ操作部26によって入り切りがコントロールされる。
【0018】
クラッチ操作部26は、図3〜図6に示されるように、走行機体1側に取り付けられる平面視でコ字状をなすベース板27をフレームとしている。ベース板27の外面には、1つのモータ28が取り付けられている。ベース板27の内面には、セクタギヤ29が回動自在に軸支されている。セクタギヤ29は、モータ28に取り付けられたピニオンギヤ31と噛合している。
【0019】
ベース板27の内側には、上記セクタギヤ29と一体的回動するようにカム32が設けられている。ベース板27の外面にはポテンショメータ33が取り付けられている。該ポテンショメータ33の操作軸34は、ベース板27の内側に突出しており、該操作軸34には扇形ギヤ36が設けられている。該扇形ギヤ36はカム32側のギヤと噛合している。モータ28の駆動によってセクタギヤ29を介してカム32が回動する。カム32の回動角度はポテンショメータ33により検出される。
【0020】
上記カム32は、周面がカム面37となっている。カム32の側面からはピン38が突出している。セクタギヤ29の回動軸30がカム32の回動軸心となる。セクタギヤ29の回動軸30に刈取牽引ロッド19を駆動操作する刈取駆動アーム39が回動自在に軸支されている。刈取駆動アーム39の回動軸心はカム32の回動軸心30と同心である。
【0021】
刈取駆動アーム39の先端には、刈取操作パイプ41が回動自在に軸支されている。刈取操作パイプ41に刈取牽引ロッド19の先端側が下方から挿入されている。刈取牽引ロッド19の先端側にはナット42が設けられている。該ナット42はロックナット43によって位置固定されている。刈取操作パイプ41の上端面と上記ナット42とは当接する。
【0022】
刈取駆動アーム39の周面は、カム32の回転に伴いピン38と当接する。刈取牽引ロッドの引き上げを行わない初期状態(図4の状態)においては、ピン38は刈取駆動アーム39の下方に位置する。ただしピン38と刈取駆動アーム39とは当接しない。
【0023】
カム32は図4における時計回りに回動し、ピン38が刈取駆動アーム39に下方から当接した位置から、ピン38が刈取駆動アーム39の周面を押し上げ、刈取操作パイプ41が上方に移動するように刈取駆動アーム39を回動させ、刈取操作パイプ41とナット42とが当接する位置を操作作動位置として刈取牽引ロッド19を上方に移動させるように引張り引き上げ、刈取クラッチ8を入り作動させる。
【0024】
ベース板27の内側におけるカム32の回動軸心より刈取駆動パイプ41側には、カム32の回動軸心より上方位置に支軸46が一体的に設けられている。該支軸46には、脱穀牽引ロッド23を駆動操作する脱穀駆動アーム44の一端側が回動自在に軸支されている。脱穀牽引ロッド23は支軸46を軸心として揺動する。脱穀駆動アーム44の先端は、ベース板27におけるカム32の回動軸心を挟んだ支軸46の反対側に位置する。脱穀駆動アーム44の先端には、脱穀操作パイプ47が回動自在に軸支されている。
【0025】
脱穀操作パイプ47に脱穀牽引ロッド23の先端側が下方から挿入されている。脱穀牽引ロッド23の先端側にはナット48が設けられている。該ナット48はロックナット49によって位置固定されている。脱穀操作パイプ47の上端面と上記ナット48とは当接する。脱穀駆動アーム44の揺動支点と先端との間の略中間位置には、ローラ51が回転自在に軸支されている。
【0026】
カム32の回動に伴いカム面37とローラ51の周面とは接する。カム面37はカム32の回動軸心を中心とする略扇状をなす。脱穀牽引ロッド23の引き上げを行わない初期状態(図4の状態)においては、ローラ51はカム面37の径部37aと接している。カム32の回動に伴い、ローラ51がカム面37の弧部37bと接すると、脱穀操作パイプ47が上方に移動するように脱穀駆動アーム44が回動し、脱穀操作パイプ47とナット48とが当接する位置を操作作動位置として、脱穀牽引ロッド23を上方に移動させて引張り引き上げ、脱穀クラッチ9を入り作動させる。
【0027】
上記カム32は、上記初期状態から回動すると、ピン38が刈取駆動アーム39の周面に当接する前に、ローラ51がカム面37の弧部37bと接して脱穀駆動アーム44を揺動駆動操作し、図7に示されるように、まず脱穀クラッチ9のみが入り状態となり、刈取クラッチ8は切り状態を継続する。
【0028】
その後カム32が更に回動し、初期状態からのカム32の回動角度が増加すると、図8に示されるように、ローラ51とカム32の弧部37bとの接触が継続したまま、ピン38が刈取駆動アーム39の周面に当接し、刈取駆動アーム39を揺動駆動し、脱穀クラッチ9の入り状態が継続されたまま、刈取クラッチ8が切り状態に切り換えられる。
【0029】
本クラッチ操作部36は、上記のように初めに脱穀クラッチを9入り作動させ、次に刈取クラッチ8を入り作動させるように構成されている。これによりクラッチ操作部36は、カム32の回動角度に応じて、脱穀クラッチ9と刈取クラッチ8がともに切り状態とすることと、刈取クラッチ8を切り状態としたまま、脱穀クラッチ9を入り状態とすることと、刈取クラッチ8と脱穀クラッチ9をともに入り状態とすることができる。
【0030】
前述の運転席3の座席2の前方及び側方にはフロント操作パネル52とサイド操作パネル53が設けられている。フロント操作パネル52には、機体操向及び前処理部4の昇降操作を行うマルチレバー54が設けられている。サイド操作パネル53には、走行動力を無段変速操作する主変速レバー56と、走行動力を段階的に速操作する副変速レバー57と、脱穀クラッチ9及び刈取クラッチ8を操作する1本の脱穀・刈取クラッチレバー58とが設けられている。
【0031】
脱穀・刈取クラッチレバー58は、図9に示されるように、レバーブラケット59に第1支軸61を介して前後傾動自在に支持されるレバー基部62と、レバー基部62の上端部に第2支軸63を介して左右傾動自在に支持されるレバー先端部64とからなる。レバー先端部64とレバー基部62との間にはスプリング66が設けられている。
【0032】
レバー先端部64はスプリング66によって側方に付勢されている。レバー先端部64は、サイド操作パネル53に設けられたガイド溝67に挿通され、ガイド溝67に沿った前後及び左右揺動が可能となっている。レバー先端部64(脱穀・刈取クラッチレバー58)を前後に揺動させると、レバー基部62はレバー先端部64と一体に前後に揺動する。レバー先端部64の左右揺動時には、レバー基部64は揺動しない。
【0033】
レバー基部64には、レバー基部64に連動するカムプレート68が一体的に設けられている。カムプレート68の対向位置には、2個のレバー位置検出スイッチ69,71が配設されている。レバー位置検出スイッチ69,71がカムプレート68でON・OFFされることによって、脱穀・刈取クラッチレバー58の操作ポジションが検出される構成となっている。
【0034】
脱穀・刈取クラッチレバー58の操作ポジションとして、図10に示されるように、脱穀クラッチ9及び刈取クラッチ8をともに切り状態とする第1操作位置Aと、脱穀クラッチ9のみを入り状態とする第2操作位置(中間位置)Bと、脱穀クラッチ9及び刈取クラッチ8をともに入り状態とする第3操作位置Cとが設定されている。
【0035】
脱穀・刈取クラッチレバー58を前後揺動操作することによって、各操作ポジションA,B,Cに切り換えることができる。ただし第2操作位置Bから第3操作位置Cに切り換える際に脱穀・刈取クラッチレバー58(レバー先端部64)を左右揺動させる必要がある。
【0036】
前述のクラッチ操作部26のモータ28は、図示しないマイコンユニットの出力側に設けられている。クラッチ操作部26のポテンショメータ33とレバー位置検出スイッチ69,71とは、上記マイコンユニットの入力側に接続されている。モータ28はレバー位置検出スイッチ69,71の状態に対応してポテンショメータ33の値に基づき回動し、脱穀クラッチ9と刈取クラッチ8の入り切りをコントロールする。
【0037】
クラッチ操作部26は、前述のように脱穀牽引ロッド23を操作する脱穀操作パイプ47と、刈取牽引ロッド19を操作する刈取操作パイプ41とが、カム32の両側に振り分けて配置されている。このため脱穀牽引ロッド23の操作と刈取牽引ロッド19の操作とが、比較的離れた位置で行われ、互いの作動の干渉が防止され、脱穀クラッチ9と刈取クラッチ8の操作を安定して行うことができる。
【0038】
また刈取駆動アーム39は、カム32と同心で設けられているため、クラッチ操作部26はコンパクトに構成されている。刈取クラッチ8は、脱穀クラッチ9より後で入り状態に切り換えられる。このため脱穀クラッチ9に比較して、カム32の回転角度に対する入り状態の期間が短くて済み、比較的短いアーム(刈取駆動アーム39)とピン38によるリンク機構によりコンパクトに構成することができる。
【0039】
対して脱穀クラッチ9は、刈取クラッチ8より前に入り状態とし、刈取クラッチ8の入り状態時も入り状態を継続させる必要がある。本実施形態においてはカム32の回動軸心に対して、脱穀牽引ロッド23の引張り側(上側)に変位させた回動軸心によって脱穀駆動アーム39を支持し、該脱穀駆動アーム39によって脱穀牽引ロッド23を操作するように構成してある。ローラ51の回動支点もカム32の回動軸心に対して、脱穀駆動アーム39の回動軸心側で、且つ上方に位置している。
【0040】
脱穀駆動アーム39は、揺動時の上下移動によって脱穀牽引ロッド23の操作を行う。上記構造により、脱穀駆動アーム39の揺動時の左右移動が少なくし、上下移動の距離を大きく採ることができるため、脱穀駆動アーム39の上方への揺動を長期間維持して、脱穀クラッチ9を必要な期間簡単に入り作動させ続けることが可能となる。
【0041】
なお一方のクラッチ(刈取クラッチ8)を上記のようにリンク機構(ピン38)によって操作し、他方のクラッチ(脱穀クラッチ9)をカム機構(カム32)によって操作する構造となっているため、カムが1つで済み、クラッチ操作部26を、簡単且つローコストで構成することができる。
【0042】
図11に示されるように、クラッチ操作部26を、刈取駆動アーム72と脱穀駆動アーム73をともに支軸46に回動自在に軸支して設け、両アーム72,73にともにローラ74,76を設け、セクタギヤ29に一体回転するように刈取駆動アーム72用のカム77と脱穀駆動アーム73用のカム78を設け、刈取牽引ロッド19と脱穀牽引ロッド23をともにローラ74,76を介したカム駆動する構成とすることもできる。なお図10において図2〜図8と同一符号は同一部品を示し、同一機能については説明を割愛する。
【0043】
本クラッチ操作部26は、コンバインにおける刈取クラッチ8と脱穀クラッチ9だけでなく、2つのテンションクラッチをタイミングをずらして操作する装置であればいかなる装置に採用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】コンバインの平面図である。
【図2】クラッチ操作部と刈取クラッチ及び脱穀クラッチとの関係を示す要部部分図である。
【図3】クラッチ操作部単体の斜視図である。
【図4】刈取駆動アームを透視状態としたクラッチ操作部単体の正面図である。
【図5】クラッチ操作部単体の平面図である。
【図6】クラッチ操作部単体の背面図である。
【図7】クラッチ操作部が脱穀クラッチのみを入り状態に切り換えた状態を示す正面図である。
【図8】クラッチ操作部が脱穀クラッチ及び刈取クラッチを入り状態に切り換えた状態を示す正面図である。
【図9】脱穀・刈取クラッチレバーの取り付け状態を示す要部斜視図である。
【図10】ガイド溝部分の平面図である。
【図11】他の実施形態のクラッチ操作部単体の正面図である。
【符号の説明】
【0045】
4 前処理部(刈取装置)
6 脱穀装置
8 刈取クラッチ
9 脱穀クラッチ
19 刈取牽引ロッド(クラッチ操作部材)
23 脱穀牽引ロッド(クラッチ操作部材)
32 カム(作動部材)
39 刈取駆動アーム(クラッチ操作体)
44 脱穀駆動アーム(クラッチ操作体)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つのクラッチを操作する2つのクラッチ操作部材(19),(23)と、各クラッチ操作部材(19),(23)に各々対応して設けられる2つのクラッチ操作体(39),(44)と、両クラッチ操作体(39),(44)を駆動する作動部材(32)とを備え、作動部材(32)の回動によって各クラッチ操作体(39),(44)を介して各クラッチ操作部材(19),(23)を操作し、2つのクラッチの入り切りをコントロールするクラッチ操作機構において、一方のクラッチ操作体(39)によるクラッチ操作部材(19)の操作作動位置と、他方のクラッチ操作体(44)によるクラッチ操作部材(23)の操作作動位置とを、作動部材(32)の回動軸心を挟んだ両側に振り分けて配置したクラッチ操作機構。
【請求項2】
一方のクラッチ操作体(39)を、作動部材(32)の回動軸心と同心で回動自在に軸支して設けた請求項1のクラッチ操作機構。
【請求項3】
2つのクラッチが、コンバインにおける脱穀装置(6)への駆動力の断接を行う脱穀クラッチ(9)と、刈取装置(4)への駆動力の断接を行う刈取クラッチ(8)である請求項1又は2のクラッチ操作機構。
【請求項4】
脱穀クラッチ(9)用のクラッチ操作体(44)が、揺動によりクラッチ操作部材(23)を引張り操作して脱穀クラッチ(9)を入り状態とする構造であり、上記クラッチ操作体(44)の揺動支点位置を、作動部材(32)の回動軸心に対して引張り側に変位させて設けた請求項3のクラッチ操作機構。
【請求項1】
2つのクラッチを操作する2つのクラッチ操作部材(19),(23)と、各クラッチ操作部材(19),(23)に各々対応して設けられる2つのクラッチ操作体(39),(44)と、両クラッチ操作体(39),(44)を駆動する作動部材(32)とを備え、作動部材(32)の回動によって各クラッチ操作体(39),(44)を介して各クラッチ操作部材(19),(23)を操作し、2つのクラッチの入り切りをコントロールするクラッチ操作機構において、一方のクラッチ操作体(39)によるクラッチ操作部材(19)の操作作動位置と、他方のクラッチ操作体(44)によるクラッチ操作部材(23)の操作作動位置とを、作動部材(32)の回動軸心を挟んだ両側に振り分けて配置したクラッチ操作機構。
【請求項2】
一方のクラッチ操作体(39)を、作動部材(32)の回動軸心と同心で回動自在に軸支して設けた請求項1のクラッチ操作機構。
【請求項3】
2つのクラッチが、コンバインにおける脱穀装置(6)への駆動力の断接を行う脱穀クラッチ(9)と、刈取装置(4)への駆動力の断接を行う刈取クラッチ(8)である請求項1又は2のクラッチ操作機構。
【請求項4】
脱穀クラッチ(9)用のクラッチ操作体(44)が、揺動によりクラッチ操作部材(23)を引張り操作して脱穀クラッチ(9)を入り状態とする構造であり、上記クラッチ操作体(44)の揺動支点位置を、作動部材(32)の回動軸心に対して引張り側に変位させて設けた請求項3のクラッチ操作機構。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−82407(P2007−82407A)
【公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−271456(P2005−271456)
【出願日】平成17年9月20日(2005.9.20)
【出願人】(000001878)三菱農機株式会社 (1,502)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年9月20日(2005.9.20)
【出願人】(000001878)三菱農機株式会社 (1,502)
【Fターム(参考)】
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