説明

クレーン搭載車両

【課題】クレーン装置による広範な作業を可能としつつクレーン装置を車体に搭載、分離可能とした。
【解決手段】車体11の前部にクレーン装置41を搭載するクレーン搭載機台21に、前輪12Fの左右アクスルケース19に左右一対の取付ブラケット22を介して支持された支持枠体と、当該支持枠体と車体11前部とを連結固定する固定ビーム材24と、支持枠体の前部に取り付けられてクレーン装置41を下方から支持する支持架台25とを具備し、クレーン搭載機台21と車体11とを取付ブラケット22および前記固定ビーム材24を介して着脱可能に構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえばフォークリフト車の車体を利用したクレーン搭載車両に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば特許文献1に、フォークリフト車の車体の前部に車載用クレーン装置を搭載した小型クレーン車が開示されており、また特許文献2および3に、フォークリフト車の前部でマスト装置により昇降駆動されるリフトブラケットに、クレーンアタッチメントを着脱自在に設けたものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】意匠登録第839408号公報
【特許文献2】特開昭58−157690号公報
【特許文献3】実開昭57−158685号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献2および3は、リフト装置のリフトブラケットに、作業用フォークに替えて取り付けられるクレーンアタッチメントであって、容易に着脱できるものの、その昇降ストロークをマスト装置に依存し、さらにその旋回もフォークリフト車の操向に依存しているため、作業範囲が狭く、広範な作業に適さないという問題があった。
【0005】
また特許文献1では、車載用クレーンを搭載しているので、ブームの旋回、上下動、出退の各動作を独自に行うことができ、作業範囲が広く、広範な作業が可能となるという特徴を有している。しかしながら、底面図からもわかるように、フォークリフト車の前部で車体フレームを前方に延長してクレーン装置の支持架台を形成しているため、フォークリフト用の車体は、クレーン装置専用車となり、これを再度、フォークリフト車に戻すことができず、クレーン専用車としてのみ使用可能なもので汎用性がない。
【0006】
本発明は上記問題点を解決して、容易にクレーン装置を搭載することができ、クレーン搭載車両として、広範な作業範囲を確保しつつ、フォークリフト車として復元することもできるクレーン搭載車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の発明は、
車体の前部にクレーン搭載機台を介してクレーン装置を設けたクレーン搭載車両であって、
前記クレーン搭載機台は、前輪の左右のアクスル部にそれぞれ取付ブラケットを介して支持されたクレーン支持体と、当該クレーン支持体の両側部と車体前部とをそれぞれ連結固定する固定ビーム材と、クレーン支持体の前部に取り付けられて前記クレーン装置を下方から支持する支持架台とを具備し、
前記クレーン搭載機台と車体とを前記取付ブラケットおよび前記固定ビーム材を介して着脱可能に構成し、
前記クレーン装置は、クレーン基台に旋回自在に立設されたコラムと、当該コラムの上端部に起伏自在に支持されて伸縮自在なブームと、前記ブームの先端部でフックを、ワイヤロープを介して巻き取り、繰り出し可能に支持する吊下駆動装置と、前記クレーン基台の左右両端部に伸縮自在に設けられたアウトリガー装置とを有するものである。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の構成において、
クレーン基台に、クレーン操作器により操作されるクレーンコントローラを設け、
車体に搭載された電源と前記クレーンコントローラとの間に接続されたクレーン用給電ラインに、駆動電流の供給を接続、遮断するクレーン操作切換スイッチを介在させ、
車体に搭載されたエンジンにより駆動される油圧ポンプと、クレーン装置の油圧駆動部との間に接続された作業用油圧給排管に、前記クレーン操作切換スイッチにより操作されるクレーン操作切換弁を介在させ、
車体に設けられた走行装置の前後進切替スイッチと走行用コントロールバルブのソレノイドとの間に接続されて操作電流を給電する前後進給電ラインに、前記クレーン操作スイッチの接続時に、前進および後進の操作電流を遮断する前後進防止リレースイッチを介在させた安全装置を設けたものである。
【0009】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の構成において、
車体に、フォークリフト車の車体を使用し、
取付ブラケットおよびクレーン支持体に、フォークリフト車前部の荷役装置に設置される昇降用マスト装置の外マストとその取付ブラケットを使用し、
固定ビーム材は、前記荷役装置で昇降用マスト装置を前後に揺動させるチルトシリンダの取付部間に連結されたものである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1記載の発明によれば、前輪のアクスル部に取付ブラケットを介してクレーン支持体を着脱自在に取り付け、このクレーン支持体に支持架台を介してクレーン装置を設け、固定ビーム材によりクレーン支持体を固定したので、スピディな移動が可能な車体に、コラムに伸縮自在なブームを起伏自在に設けた作業範囲の広いクレーン装置を容易に搭載することができるクレーン搭載車両を提供することができる。また前輪のアクスル部に取付ブラケットを介してクレーン支持体を離脱することで、たとえばフォーク式荷役装置などの他の作業装置を車体に搭載して作業車両に復元することもでき、車体の汎用性が高い。
【0011】
請求項2記載の発明によれば、クレーン操作切換スイッチが操作されるクレーン装置の操作時に、車体の前後進シフトレバーが前進操作または後進操作されても、安全装置の前後進防止リレースイッチにより、前後進の操作電流が遮断されるので、車体が発進されることがなく、安全にクレーン作業を行うことができる。
【0012】
請求項3記載の発明によれば、車体にフォークリフト車の車体を利用するとともに、昇降用マスト装置の外マストとその取付ブラケットを利用することにより、容易かつ低コストで製造することができるとともに、信頼性も高く、かつ容易に着脱することができ、フォークリフト車の車体に戻すことができ、汎用性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係るクレーン搭載車両の実施例を示す側面図である。
【図2】クレーン搭載車両の分解斜視図である。
【図3】クレーン搭載車両の油圧配管図である。
【図4】クレーン搭載車両の安全装置を示す配線図である。
【図5】(a)および(b)はそれぞれ取付ブラケット付きのクレーン支持体を示し、(a)は正面、平面、右側面を表わした斜視図、(b)は背面、底面、左側面を表わした斜視図である。
【図6】(a)および(b)はそれぞれ支持架台を示し、(a)は正面、平面、右側面を表わした斜視図、(b)は背面、底面、左側面を表わした斜視図である。
【図7】(a)および(b)はクレーン搭載機台の支持架台を実線で表し、取付ブラケット付きのクレーン支持体を破線で表わしたもので、(a)は正面、平面、右側面を表す斜視図、(b)は背面、底面、左側面を表す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0014】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
(全体構造)
図1〜図3に示すように、車体11はたとえばフォークリフト車の車体が使用されており、車体11の後部に左右一対の操向用後輪12Rが設けられるとともに、車体11の前部に左右一対の駆動用前輪12Fが設けられている。後輪12Rは、ステアリングハンドルにより回転式切換弁(商標名:オービットロール)13およびステアシリンダ14を介して転舵される。また前輪12Fは、エンジンの出力軸にトランスミッション(変速装置)、トルクコンバータ、デファレンシャルギヤ(差動ギヤ)から左右のアクスル軸を介して回転駆動される。さらに車体11上の中央部に設けられた運転席11aが、左右一対の前部ガードポスト16Fおよび後部ガードポスト16Rを介してヘッドガード17に覆われている。
【0015】
車体11の前部には、クレーン搭載機台21を介してたとえば車載用のクレーン装置41が着脱可能に設置されている。
(クレーン搭載機台)
クレーン搭載機台21は、車体11の前部でデファレンシャルギヤを収容したデファレンシャルケース18から左右に伸びてそれぞれアクスル軸を覆う左右のアクスルケース(アクスル部)19に、それぞれ取付ブラケット22を介して支持された支持枠体(クレーン支持体)23と、支持枠体23と車体11前部とを連結固定する左右一対の固定ビーム材24と、支持枠体23の前部に取り付けられてクレーン装置41を支持する支持架台25とで構成されている。また支持架台25には、クレーン装置41の前面に支持部材を介して安全ガード20が取り付けられている。
【0016】
支持枠体23は、図5に示すように、左右一対のマスト26と、マスト26を上端部間と下端部間で連結する横ビーム27,28とで正面視が矩形枠状に形成されており、この支持枠体23は新たに製造してもよいが、ここでは、フォークリフト車の前部に設置される昇降用マスト装置の外マストが使用され、上部を切断削除して横ビーム27を溶接することで、クレーン装置41との干渉を防止すべくその高さを低くしている。このように昇降用マスト装置の外マストを使用することで、クレーン装置41の荷重を良好に支持できるとともに、取付ブラケット22を介して車体11への着脱を容易に行うことができる。これら外マストは、互いに対向する内面に長さ方向に沿って溝が形成されるチャンネル形断面であるが、図では溝を省略している。左右のマスト26の背面下部には、取付ブラケット22がそれぞれ後方に突出されており、取付ブラケット22の凹部をアクスルケース19に嵌め合わせてブラケット付属のキャップ22aを外嵌させ、取付ブラケット22とキャップ22aとをボルト止めすることにより、支持枠体23が車体11に着脱可能に取り付けられる。
【0017】
両マスト26の外側面上部に、固定ブラケット30が背面側に突出してそれぞれ固着され、左右の固定ブラケット30がマスト26背面側の中間横ビーム29により互いに連結されている。そしてこの固定ブラケット30に、従前のフォークリフト車において、マスト装置を前後に傾動させるチルトシリンダのマスト側連結具31が取り付けられており、マスト側連結具31が有効使用される。一方、車体11前部で前部ガードポスト16Fの下部に形成された凹部32a内に、前記チルトシリンダを車体11に連結する車体側連結具32が設けられており、この車体側連結具32が利用されて、マスト側連結具31と車体側連結具32の間にチルトシリンダに替わる固定ビーム材24が連結固定され、支持枠体23の前後の揺動が防止されている。
【0018】
さらに、マスト26の固定ブラケット30の下部で、前輪12Fを覆う前輪カバー15に対応して、補強リブ33がそれぞれ背面側に突出するように固着され、前輪カバー15に取り付けられた固定部材34と補強リブ33とがボルトを介して連結固定されて、支持枠体23が固定される。
【0019】
支持架台25は、図6に示すように、長方形の天板35が、左右一対で直角三角形の支持縦板36により下方から片持ち状に支持され、これら支持縦板36の後辺部がマスト26の前面にそれぞれ固着されている。また天板35の下面で支持縦板36に交差して2枚の幅方向の横リブ37が前後方向に一定間隔をあけて取り付けられている。左右の支持縦板36間の斜辺に沿って前リブ板38が取り付けられるとともに、下部間に補強パイプ39が連結固着されている。36aは支持縦板36に形成されて重量を軽減するための円形穴である。また天板35の後辺部には、マスト26の内外面に固着される固着延長片35aが延設され、マストを挟んで対向する固着取付片35bが固着されている。
【0020】
(クレーン装置)
支持架台25の天板35上に搭載されるクレーン装置41は、クレーン基台42に、操作レバー56aを有するクレーン操作器56および遠隔操作可能なリモートコントローラ57により操作されるクレーンコントローラ40が内装されている。このクレーン基台42上に旋回台43を介してコラム44が垂直軸心周りに旋回自在に立設され、クレーンコントローラ40からの操作指令により、旋回台43に内装された油圧式のアクチュエータ(旋回モータ)45が駆動されてウォームギヤ機構などの公知の旋回機構を介してコラム44が旋回駆動される。またコラム44の上端部に、基端部が水平軸心周りに起伏自在に支持されたブーム46が設けられ、コラム44とブーム46との間に連結された油圧式のアクチュエータ(起伏シリンダ)47によりブーム46が起立、倒伏駆動される。またこのブーム46は複数段に伸縮自在に構成され、内装された油圧式のアクチュエータ(伸縮シリンダ)48により複数段に伸縮可能に構成されている。このブーム46の先端部からワイヤロープ49を介してフック51を吊り下げた吊下駆動装置50が設けられており、この吊下駆動装置50は、コラム44の上端部に設けられたウインチドラム52にワイヤロープ49が巻き取り、繰り出し自在に巻き取られ、油圧式のアクチュエータ(ウインチ駆動モータ)53により前記ウインチドラム52を正逆方向に回転駆動するように構成されている。さらにクレーン基台42の左右両端部に、油圧式のアクチュエータ(アウトリガーシリンダ)54により押圧板54aを地盤に押し付けて下げてクレーン基台42を固定するアウトリガー装置55が設けられている。
【0021】
(油圧配管)
図3は、クレーン装置41の各アクチュエータ45,47,48,53,54に、駆動源である油圧を供給する配管装置である。フォークリフト車の車体11には、エンジンEにより駆動される作業用油圧ポンプP1とステア用油圧ポンプP2とを具備しており、作業用油圧ポンプP1およびオイルタンクTと各アクチュエータ45,47,48,53,54とを接続する作業用油圧供給管、油圧排出管61,62に、電磁式のクレーン操作切換弁63が介在されている。そして作業用油圧供給管、油圧排出管61,62が、クレーンコントローラ40により操作される電磁式の操作用切換弁45V,47V,48V,53V,54Vを介して各アクチュエータ45,47,48,53,54に接続されている。図3中で、64は、ステア用油圧ポンプP2およびオイルタンクTと前記回転式切換弁13とを接続するステア用油圧供給管、油圧排出管65,66の間に介在された分流バルブで、回転式切換弁13に供給する油圧変動を抑制するとともに、余剰の油圧を作業用油圧供給管61に分流している。
【0022】
(安全装置)
図4は、クレーン装置41のために設けられた安全装置71を示す配線図である。電源ライン72からクレーンコントローラ40およびリモートコントローラ70に作動電流を供給するクレーン用給電ライン73に、クレーン操作切替スイッチ74が介在されている。また電源ライン72に接続された走行用給電ライン75に、前後進レバーにより操作される前進/後進切替スイッチ76が設けられている。そして前進/後進切替スイッチ76の一方の出力端子に、前進/後進コントロールバルブ77の前進ソレノイドFSに作動電流を給電する前進給電ライン78が接続され、また他方の出力端子に、前進/後進コントロールバルブ77の後進ソレノイドRSに作動電流を給電する後進用給電ライン81が接続されている。そして、前記前進給電ライン78に前進防止用リレースイッチ79が介在され、後進用給電ライン81に後進防止用リレースイッチ82が介在されている。これら前後進防止用リレースイッチ79,82は、遮断用のコイル79c,82cが、クレーン操作切替スイッチ74の出力側のクレーン用給電ライン73にそれぞれ接続されており、クレーン操作切替スイッチ74がオンされた接続状態では、クレーン用給電ライン73から遮断用のコイル79c,82cにそれぞれ給電されて、前進防止用リレースイッチ79および後進防止用リレースイッチ82をオフされた遮断状態にするように構成されている。
【0023】
したがって、クレーン操作切替スイッチ74がオンされてクレーン装置41が作業可能な状態では、クレーン用給電ライン73から遮断用のコイル79c,82cにそれぞれ電流が流れて前後進防止用リレースイッチ79,82がオフ状態となり、クレーン作業中に、誤って前後進レバーが前進操作または後進操作されて前後進スイッチ76が操作されることがあっても、前進/後進コントロールバルブ77の前進ソレノイドFSまたは後進ソレノイドRSに作動電流が流れず、車体11が前進または後進されることがない。
【0024】
(実施例の効果)
上記実施例によれば、車体11の前部にクレーン装置41を着脱自在に搭載するクレーン搭載機台21を、前輪12Fのアクスルケース19に取付ブラケット22を介して着脱自在に取り付けられた支持枠体23と、この支持枠体23のクレーン装置41を支持する支持架台25とで構成し、左右一対の固定ビーム材24により支持枠体23を車体11に固定したので、スピディな移動が可能な車体11に、コラム44を介して伸縮自在なブーム46を起伏自在に設けた作業範囲の広いクレーン搭載車両を容易に提供することができる。また前輪12Fのアクスルケース19から取付ブラケット22を取り外して支持枠体23を離脱することで、フォーク式荷役装置を車体11に設置することができ、車体11の汎用性を向上させることができる。
【0025】
また、クレーン操作切換スイッチ74によりクレーン装置41の操作が選択された時に、車体11の前後進シフトレバーが前進操作または後進操作されても、前進防止用リレースイッチ79および後進防止用リレースイッチ82により前後進の操作電流を遮断する安全装置71を設けたので、クレーン作業時に車体11が発進されることがなく、安全にクレーン作業を行うことができる。
【0026】
さらに、フォークリフト車の車体11を使用し、昇降用マスト装置の外マストをマスト26に使用し、さらに取付ブラケット22を利用することにより、容易かつ低コストで製造することができるとともに、強度などの信頼性も高く、作業範囲が広い車載用のクレーン装置41を車体11に搭載することができる。さらに取付ブラケット22を介してクレーン搭載機台21を介してクレーン装置41を車体11に容易に着脱することができるので、クレーン装置41をフォーク式荷役装置に交換することができ、汎用性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0027】
11 車体
11a 運転席
12R 後輪
12F 前輪
19 アクスルケース
21 クレーン搭載機台
22 取付ブラケット
22a キャップ
23 支持枠体(クレーン支持体)
24 固定ビーム材
25 支持架台
26 マスト
27 横ビーム
28 横ビーム
31 マスト側連結具
32 車体側連結具
33 補強リブ
34 固定部材
35 天板
40 クレーンコントローラ
41 クレーン装置
42 クレーン基台
43 旋回台
44 コラム
46 ブーム
49 ワイヤロープ
51 フック
55 アウトリガー装置
56 クレーン操作器
57 リモートコントローラ
63 クレーン操作切換弁
71 安全装置
72 電源ライン
74 クレーン操作切替スイッチ
76 前進/後進切替スイッチ
77 前進/後進コントロールバルブ
78 前進給電ライン
79 前進防止用リレースイッチ
81 後進用給電ライン
82 後進防止用リレースイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体の前部にクレーン搭載機台を介してクレーン装置を設けたクレーン搭載車両であって、
前記クレーン搭載機台は、前輪の左右のアクスル部にそれぞれ取付ブラケットを介して支持されたクレーン支持体と、当該クレーン支持体の両側部と車体前部とをそれぞれ連結固定する固定ビーム材と、クレーン支持体の前部に取り付けられて前記クレーン装置を下方から支持する支持架台とを具備し、
前記クレーン搭載機台と車体とを前記取付ブラケットおよび前記固定ビーム材を介して着脱可能に構成し、
前記クレーン装置は、クレーン基台に旋回自在に立設されたコラムと、当該コラムの上端部に起伏自在に支持されて伸縮自在なブームと、前記ブームの先端部でフックを、ワイヤロープを介して巻き取り、繰り出し可能に支持する吊下駆動装置と、前記クレーン基台の左右両端部に伸縮自在に設けられたアウトリガー装置とを有する
ことを特徴とするクレーン搭載車両。
【請求項2】
クレーン基台に、クレーン操作器により操作されるクレーンコントローラを設け、
車体に搭載された電源と前記クレーンコントローラとの間に接続されたクレーン用給電ラインに、駆動電流の供給を接続、遮断するクレーン操作切換スイッチを介在させ、
車体に搭載されたエンジンにより駆動される油圧ポンプと、クレーン装置の油圧駆動部との間に接続された作業用油圧給排管に、前記クレーン操作切換スイッチにより操作されるクレーン操作切換弁を介在させ、
車体に設けられた走行装置の前後進切替スイッチと走行用コントロールバルブのソレノイドとの間に接続されて操作電流を給電する前後進給電ラインに、前記クレーン操作スイッチの接続時に、前進および後進の操作電流を遮断する前後進防止リレースイッチを介在させた安全装置を設けた
ことを特徴とする請求項1記載のクレーン搭載車両。
【請求項3】
車体に、フォークリフト車の車体を使用し、
取付ブラケットおよびクレーン支持体に、フォークリフト車前部の荷役装置に設置される昇降用マスト装置の外マストとその取付ブラケットを使用し、
固定ビーム材は、前記荷役装置で昇降用マスト装置を前後に揺動させるチルトシリンダの取付部間に連結された
ことを特徴とする請求項1または2記載のクレーン搭載車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−280485(P2010−280485A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−136778(P2009−136778)
【出願日】平成21年6月8日(2009.6.8)
【出願人】(000003241)TCM株式会社 (319)
【Fターム(参考)】