説明

グリッド扉及びこれを用いたフェンス

【課題】 グリッドパネルによって形成したグリッド扉に施錠装置を付しても、縦線と横線の桝目から手を差し入れて開錠操作ができるのを防止する。
【解決手段】 グリッドパネルを、粗の桝目格子部位1と密の桝目格子部位2を備えた縦線粗密配置のものとして、これに扉枠の縦框7と横桟8を付して一対のグリッド扉Aとして、それぞれ密の桝目格子部位2を戸先側として、支柱12に吊支持してフェンスCの出入り用の両開き扉とする。密の桝目格子部位2は、縦線3間にピッチ縮小用縦線5を配置して、この部分の縦線3と5のピッチを2.5cm程度に形成することによって敷地外から手の差し入れによるサムターン回動を不能とする。フェンスCのデザインを基調として外観のよいグリッド扉Aとすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、公共施設、工場、駐車場、住宅等に好適に用いられるグリッド扉及びこれを用いたフェンスに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のフェンスとして、所定配置ピッチの縦線及び横線をその交点で溶着して桝目格子状とした縦線密度同一にしたグリッドパネルの仕切体を形成し、該グリッドパネルを支柱に支持してグリッドフェンスとし、該グリッドフェンスを、敷地の境界を長手方向に仕切るように直列に配置したものが知られており、該フェンスは上記のように公共施設、工場、駐車場、住宅等に用いられている。このとき、上記グリッドパネルは、例えば、縦線の配置ピッチを5cm、横線の配置ピッチを10数cm程度としたものが一般に用いられており、支柱への該グリッドパネルの支持は、所定間隔に設置した支柱の正面にグリッドパネルを金具固定してグリッドフェンスを直列に配置するフリーポールタイプといわれるもの、同じく、所定間隔に設置した支柱間にグリッドパネルを介設するように金具固定して直列に配置する間仕切りタイプといわれる構造のものとされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−207333号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
グリッドフェンスとして用いられるグリッドパネルは、これに扉枠を付するようにすれば、開閉可能な扉として用いることが可能となり、これによって、例えば、駐車場の裏口に見られるように所定幅の出入用の開口を配置した施工形態に代えて、出入用の扉を配置したものとすることができるし、例えば、公共施設や工場の休日や夜間に扉枠の戸先側の枠、即ち、縦框と戸先側の支柱、即ち、門柱との間に施錠装置を設置することによって施錠閉鎖可能な開口を形成することができる。
【0005】
しかし乍ら、このような施錠閉鎖可能な開口を形成するように該扉を用いると、グリッドパネルの縦線、横線の配置ピッチは、上記のように、縦線にあって5cm程度、横桟にあって10数cm程度の密度が粗のものとするのが一般であるから、該扉に施錠装置を設置しても、例えば、道路側から縦線間のスペースから扉内側に手を差し入れ挿入して、例えば、シリンダー錠のサムターンを回動したり、打ち掛け錠を外したりして、敷地外から施錠装置が開錠され、部外者の侵入を招く可能性が残る。従って、サムターン設置のない両面シリンダー錠のように、開錠にキー操作を必要とする施錠装置を用いれば、敷地外からの開錠とこれによる侵入を防止することができるとしても、この場合、施開錠に際してキーを保持乃至持参することが必要となる上、施開錠の操作が煩雑することになって好ましくはない。
【0006】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、その解決課題とするところは、敷地内の施開錠を容易化し得るように敷地内施開錠を手操作によってなし得るものとしても、可及的簡易且つ確実に敷地外からの開錠を不能としたグリッド扉を提供するにあり、また、該グリッド扉を用いたフェンスを提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題に沿って本発明は、幅方向一方の端部近傍の縦線の配置ピッチを、例えば1/2、1/3とするが如くに、面内の他の部位に比して部分的に縮小するように該部位にピッチ縮小用の縦線を追加配置して、グリッドパネルを、幅方向一方端部近傍を部分的に密の桝目格子状として、縦線と横線による桝目格子状のデザインを基調としてこれを維持しながら、その幅方向一方端部近傍を部分的に密の桝目格子状とすることによって、縦線配置を粗密2様とし、該グリッドパネルに扉枠、例えば左右の縦框と上下複数の横桟乃至横框を施してグリッド扉として、上記縦線を追加配置した密の桝目格子状側の端部を扉の施錠用の戸先とすることによって、該施錠用の戸先近傍で手の差し入れ挿入を阻止して、施錠装置の開錠を防止し得るようにするとともに、例えば、該グリッド扉を敷地の境界に連続するフェンスの一部に用いても、該桝目格子状の密部位を視認するによって遠方からも出入口の位置を識別し得るようにしたものであって、即ち、請求項1に記載の発明を、所定配置ピッチの縦線及び横線をその交点で溶着して粗の桝目格子状とするとともに幅方向一方の端部近傍において上記縦線の配置ピッチを縮小するように該端部近傍にピッチ縮小用縦線を配置してその交点で上記横桟に溶着して該端部近傍を部分的に密の桝目格子状とした縦線粗密配置のグリッドパネルを形成し、該グリッドパネルに扉枠を施して、上記密の桝目格子状とした一方の端部を施錠用の戸先側、粗の桝目格子状とした他方の端部を吊元側として支柱に吊支持してなることを特徴とするグリッド扉としたものである。
【0008】
請求項2及び3に記載の発明は、上記に加えて、施錠装置の開錠を防止するグリッド扉の開閉形態を一般に使用される片開き扉とし、また両開き扉とするように、請求項2に記載の発明を、上記グリッド扉を単一枚用いて片開き扉として配置してなることを特徴とする請求項1に記載のグリッド扉とし、請求項3に記載の発明を、上記グリッド扉を一対用いて両開き扉として配置してなることを特徴とする請求項1に記載のグリッド扉としたものである。
【0009】
請求項4に記載の発明は、同じく上記に加えて、上記両開き扉のグリッドパネルを、左右対称のデザインとすることによって外観を良好としたものとするように、これを、上記一対のグリッド扉の密の桝目格子状とした端部を幅方向に対称に配置して双方の戸先側デザインを共通化してなることを特徴とする請求項3に記載のグリッド扉としたものである。
【0010】
請求項5に記載の発明は、上記グリッド扉を用い、これに同様に形成した縦線粗密のグリッドパネルをグリッドフェンスとして隣接配置し、その密の桝目格子状とした一方端部を該グリッド扉側に配置することによって、片開き扉付きのフェンスを形成するとともに該隣接配置したグリッドフェンスからの手の差し入れを同時に防止することによってその施錠装置の開錠を予防するとともに、該グリッド扉とグリッドフェンスを敷地の境界に連続するフェンスの一部に用いても、該桝目格子状の密部位を視認するによって遠方からも出入口の位置を識別し得るようにしたものとするように、これを、所定配置ピッチの縦線及び横線をその交点で溶着して粗の桝目格子状とするとともに幅方向一方の端部近傍において上記縦線の配置ピッチを縮小するように該端部近傍にピッチ縮小用縦線を配置してその交点で上記横桟に溶着して該端部近傍を部分的に密の桝目格子状とした縦線粗密配置のグリッドパネルを形成するとともに該グリッドパネルを一対用いて、その一方のグリッドパネルに扉枠を施して、上記密の桝目格子状とした一方の端部を施錠用の戸先側、粗の桝目格子状とした他方の端部を吊元側として支柱に吊支持して片開きのグリッド扉とし、その他方のグリッドパネルを支柱に支持してグリッドフェンスとし、該グリッドフェンスを、その上記密の桝目格子状とした一方の端部を上記グリッド扉の施錠用の戸先側として、該グリッド扉に隣接して配置してなることを特徴とするグリッド扉を用いたフェンスとしたものである。
【0011】
請求項6に記載の発明は、上記に加えて、片開き扉とその戸先側に隣接したフェンスパネルの各グリッドパネルを、左右対称のデザインとすることによって外観を良好としたものとするように、これを、上記一対のグリッドパネルの密の桝目格子状とした端部を幅方向に対称に配置して双方の戸先側デザインを共通化してなることを特徴とする請求項5に記載のグリッド扉を用いたフェンスとしたものである。
【0012】
本発明はこれらをそれぞれ発明の要旨として上記課題解決の手段としたものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明は以上のとおりに構成したから、請求項1に記載の発明は、幅方向一方の端部近傍の縦線の配置ピッチを、例えば1/2、1/3とするが如くに、面内の他の部位に比して部分的に縮小するように該部位にピッチ縮小用の縦線を追加配置して、グリッドパネルを、幅方向一方端部近傍を部分的に密の桝目格子状として、縦線と横線による桝目格子状のデザインを基調としてこれを維持しながら、その幅方向一方端部近傍を部分的に密の桝目格子状とすることによって、縦線配置を粗密2様とし、該グリッドパネルに扉枠、例えば左右の縦框と上下複数の横桟乃至横框を施してグリッド扉として、上記縦線を追加配置した密の桝目格子状側の端部を扉の施錠用の戸先とすることによって、該施錠用の戸先近傍で手の差し入れ挿入を阻止して、施錠装置の開錠を防止し得るようにするとともに、例えば、該グリッド扉を敷地の境界に連続するフェンスの一部に用いても、該桝目格子状の密部位を視認するによって遠方からも出入口の位置を識別し得るようにして、敷地内の施開錠を容易化し得るように敷地内施開錠を手操作によってなし得るものとしても、可及的簡易且つ確実に敷地外からの開錠を不能としたグリッド扉を提供することができる。
【0014】
請求項2及び3に記載の発明は、上記に加えて、施錠装置の開錠を防止するグリッド扉の開閉形態を一般に使用される片開き扉とし、また両開き扉とすることができる。
【0015】
請求項4に記載の発明は、同じく上記に加えて、上記両開き扉のグリッドパネルを、左右対称のデザインとすることによって外観を良好としたものとすることができる。
【0016】
請求項5に記載の発明は、上記グリッド扉を用い、これに同様に形成した縦線粗密のグリッドパネルをグリッドフェンスとして隣接配置し、その密の桝目格子状とした一方端部を該グリッド扉側に配置することによって、片開き扉付きのフェンスを形成するとともに該隣接配置したグリッドフェンスからの手の差し入れを同時に防止することによってその施錠装置の開錠を予防するとともに、該グリッド扉とグリッドフェンスを敷地の境界に連続するフェンスの一部に用いても、該桝目格子状の密部位を視認するによって遠方からも出入口の位置を識別し得るようにした上記グリッド扉を用いたフェンスを提供することができる。
【0017】
請求項6に記載の発明は、上記に加えて、片開き扉とその戸先側に隣接したフェンスパネルの各グリッドパネルを、左右対称のデザインとすることによって外観を良好としたものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】両開きのグリッド扉近傍のフェンスの部分正面図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】グリッドパネルの正面図である。
【図4】グリッドパネルを外した扉枠、支柱部分の正面図である。
【図5】片開きのグリッド扉近傍のフェンスの部分正面図である。
【図6】図5の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下図面の例に従って本発明を更に具体的に説明すれば、図1乃至図3において、Aはグリッド扉、B1は支柱12によって支持したグリッドフェンス、Cは、これらグリッド扉A及びグリッドフェンスB1によって形成した、敷地の境界を仕切るように配置したフェンスを示す。
【0020】
本例にあってグリッド扉Aは、これを一対用いて両開き扉として配置してあり、グリッドフェンスB1は、所定配置ピッチの、例えば3〜4mm径程度の太径、本例では3.6mm径の縦線3及び横線4をその交点で溶着して粗の桝目格子状とした常法のものを用い、これを、上記グリッド扉Aの各吊元側に、該グリッド扉Aに隣接配置して、上記敷地の境界を長手方向に仕切るように該グリッド扉Aを含めて直列に配置することによって上記フェンスCとしてある。
【0021】
グリッド扉Aは、所定配置ピッチの縦線3及び横線4をその交点で溶着して粗の桝目格子状とするとともに幅方向一方の端部近傍において上記縦線3の配置ピッチを縮小するように該端部近傍にピッチ縮小用縦線5を配置してその交点で上記横桟に溶着して該端部近傍を部分的に密の桝目格子状とした縦線粗密配置のグリッドパネルを形成し、該グリッドパネルに扉枠を施して、上記密の桝目格子状とした一方の端部を施錠用の戸先側、粗の桝目格子状とした他方の端部を吊元側として支柱12に吊支持したものとしてあり、このとき、上記一対のグリッド扉Aの密の桝目格子状とした端部を、幅方向に対称に配置して双方の戸先側デザインを共通化したものとしてある。
【0022】
本例にあって、グリッド扉Aのグリッドパネル は、例えば、高さを1.7m程度、幅を0.7m程度として、上下に断面C字状又は断面円形に湾曲形成した胴縁6を配置した縦長矩形のものとしてあり、該グリッドパネル は、多数の縦線3と横線4を、縦線3にあって幅方向に5cmピッチに、横線4にあって上下方向に13.5cmピッチにそれぞれ平行に配置し、これら縦線3と横線4の各交点で溶接を施すことによって、上記ピッチに応じた矩形の桝目を形成した桝目格子状のものとするとともに、その幅方向一方の端部に面積比で数分の1程度、本例にあっては1/5程度の面積部分に上記ピッチ縮小用縦線、即ち、縦線3及び横線4と同様に太径、本例にあっては該縦線3及び横線4と同径としたピッチ縮小用縦線5を配置し、同様に交点で溶接を施すことによって、該面積部分を上記密の桝目格子状とし、上記ピッチによる粗の桝目格子部位1と該密の桝目格子部位2によって縦線粗密配置のものとしてある。
【0023】
本例の密の桝目格子部位2は、上記幅方向一方の端部の、例えば上下に粗の矩形の桝目を各3段残した上下6段にして、左右に粗の矩形の桝目を8列残した左右6列に上記ピッチ縮小用縦線5を、これら桝目の左右中央位置に各1本の合計6本を配置してあり、このとき該ピッチ縮小用縦線5は、上記各上下6段の桝目に一連に配置するように、例えば、上記6段の長さの81cm程度とした、その正面形状を矩形をなすものとしてある。
【0024】
これによって該縦線粗密配置のグリッドパネルの縦線3と横線4は、上記幅方向5cm、上下方向13.5cmのピッチによる粗の桝目格子部位に対して、密の桝目格子部位を、幅方向2.5cm、上下方向13.5cmのピッチの配置とし、これを、幅30cm、高さ81cmとして、グリッドパネルの幅方向一方の端部に配置したものとしてある。
【0025】
グリッドパネルをグリッド扉Aとする扉枠は、アルミ押出材を用いた、戸先側を幅広に、吊元側を幅狭とした左右の縦框7と、上記グリッドパネルの胴縁6を避けるように上下端近傍と中間の横桟8とによって日の文字形状をなすように形成したアルミフレームによるものとしてあり、このときグリッドパネルは、上記横桟8にそれぞれ長手方向複数個所、例えば3箇所を金具固定してあり、該金具固定は、横桟8から突出したフック9をグリッドパネルにおける横桟8位置の横線に引掛けて、横桟8側に引寄せすることによって行ってあり、該横桟8側への引寄せは、横桟8背面側でフック9の横桟貫通軸に螺装した図示省略のナットを締着することによって行ってある。
【0026】
該グリッド扉Aは、その上記密の桝目格子部位2を戸先側とし、粗の桝目格子部位1を吊元側として支柱12に吊支持してあり、これによって両開き扉の中央位置にその各密の桝目格子部位2を配置したものとしてある。
【0027】
支柱12は、中空のアルミ押出材製のものとしてあり、本例にあって該支柱12は、グリッドフェンスの支持に用いる間仕切りタイプのフェンス用のものを用いてあり、該支柱12へのグリッド扉Aの吊支持は、該支柱12とグリッド扉Aに固定したヒンジ金具13によってそれぞれ開閉可能に行う一方、グリッドフェンスB1の支柱12への支持は、これに巻回固定した端部バンド14の突片に幅方向端部の縦線をボルトナットの締着によって挟持して行ってあり、このとき該グリッドフェンスB1は、これに隣接して、更にフェンス面方向に同一構成のグリッドフェンス(図示省略)を順次、所定間隔の支柱に同様に連結用の直線乃至コーナー用のバンドを用いて支持して、その直列の設置を行ったものとしてある。
【0028】
図中11はグリッド扉Aの開閉用レバーハンドルである。
【0029】
このように形成した両開き扉を用いた本例のフェンスCは、例えば、施錠装置10としてサムターン付きのシリンダー錠や打ち掛け錠を設置使用しても、両開き扉双方の戸先側の縦框7の近傍には上記密の桝目格子部位2が存在し、その桝目の縦線ピッチは2.5cmであり、該部位2は幅方向に30cm程度、上下に80cm程度の面積のものとしてあるから、横線ピッチによっては縦線3に幾分の撓みを生じる可能性が残るとしても、人の手先から腕までの長さや手首の屈曲を考慮すると、敷地外の該部位2から手を差し入れ挿入しても、サムターンを回動し、また、打ち掛け錠を外すことはできず、従って、施錠装置10の開錠やこれによる人の侵入を確実に防止することができる。また、両開き扉のグリッド扉Aは、密の桝目格子状とした端部を幅方向に対称に配置して双方の戸先側デザインを共通化したことによって、該密の桝目格子部位2が左右に連続して、遠方からも該密の桝目格子部位2の視認が可能となる結果、フェンスCの出入口の位置を容易に識別することができる一方、該両開き扉の密の桝目格子状のデザインは、グリッドフェンスB1の桝目格子状のデザインを基調としつつ該両開き扉に部分的に配置したことによって、該両開き扉及びフェンスC全体のデザインに調和した良好な外観を呈するものとすることができ、また、敷地外からの開錠防止のために、上記ピッチ縮小用縦線5を追加配置すればよく、該追加配置は、グリッドパネルの製造工程において、追加材料費程度のコストアップでなし得るから、そのコストの上昇を可及的に抑制して行うことができる。
【0030】
図4乃至図6は、他の例を示したもので、本例にあって、フェンスCは、上記と同様に形成した、端部近傍を部分的に密の桝目格子状とした縦線粗密配置のグリッドパネルを一対用いて、その一方のグリッドパネルに扉枠を施して、上記密の桝目格子状とした一方の端部を施錠用の戸先側、粗の桝目格子状とした他方の端部を吊元側として支柱12に吊支持して片開きのグリッド扉Aとし、その他方のグリッドパネルを支柱12に支持してグリッドフェンスB2とし、該グリッドフェンスB2を、その上記密の桝目格子状とした一方の端部を上記グリッド扉Aの施錠用の戸先側として、該グリッド扉Aに隣接して配置したものとしてあり、このとき、上記一対のグリッドパネルの密の桝目格子状とした端部を幅方向に対称に配置して双方の戸先側デザインを共通化してある。
【0031】
即ち、グリッド扉Aは上記図1乃至図3のものと同一構成として、これを、支柱12に吊支持して片開き扉とするとともにその施錠装置によって戸先側の縦框7と支柱12間を施錠するとともに該施錠装置10を設置した側の支柱12にグリッドフェンスB2を、その密の桝目格子部位2がグリッド扉A側、即ち、グリッド扉Aの戸先側に隣接するように端部バンド14で固定する一方、グリッド扉Aの吊元側の支柱12及び上記戸先側に配置したグリッドフェンスB2以外には、上記例と同様に粗の桝目格子状としたグリッドフェンスB1を、フェンスC幅方向に順次配置することによって、敷地の境界を長手方向に仕切るように該グリッド扉Aを含めて直列に配置したものとしてある。
【0032】
その余は上記図1乃至図3の例と変わらないので、重複する説明を省略する。
【0033】
本例にあっても、該片開きのグリッド扉A及びその戸先側のグリッドフェンスB2は、その密の桝目格子部位2から手を差し入れ挿入して、敷地外からの施錠装置を開錠することによる人の侵入を確実に防止することができ、また、該グリッド扉Aと戸先側のグリッドフェンスB2は、密の桝目格子状とした端部を幅方向に対称に配置して双方の戸先側デザインを共通化したことによって、該密の桝目格子部位2が左右に連続配置することによって、同じく遠方からも該密の桝目格子部位2の視認が可能となって、フェンスCの出入口の位置を識別することができ、更に該密の桝目格子状のデザインは、吊元側やその余のグリッドフェンスB1の桝目格子状のデザインを基調としつつ該片開きのグリッド扉Aとその戸先側のグリッドフェンスB2に部分的に配置したことによってフェンスC全体のデザインに調和した良好な外観を呈し且つコストを可及的に抑制したものとすることができる。
【0034】
図示した例は以上のとおりとしたが、端部近傍のピッチ縮小用縦線の長さを、該端部から離れるに従って短寸化するように変化して、上記矩形を呈する密の桝目格子部位に代えて、例えば半円形を呈するものとするように該縦線を配置すること、端部近傍のピッチ縮小用縦線の配置を、粗の桝目格子部位の縦線配置ピッチを3区分するようにすること、横線の配置ピッチが大のとき、必要に応じて密の桝目格子部位にピッチ縮小用横桟を配置して、該横線配置ピッチに起因する縦線の撓みの可能性を解消するようにすること等を含めて、本発明の実施に当って、グリッド扉、縦線、横線、その配置ピッチ、ピッチ縮小用縦線、該縦線を配置した縦線粗密配置のグリッドパネル、扉枠、支柱、グリッドフェンスの各具体的形状、構造、材質、これらの関係、これらに対する付加等は、上記発明の要旨に反しない限り様々な形態のものとすることができる。
【符号の説明】
【0035】
A グリッド扉
B1 グリッドフェンス
B2 グリッドフェンス
C フェンス
1 粗の桝目格子部位
2 密の桝目格子部位
3 縦線
4 横線
5 ピッチ縮小用縦線
6 胴縁
7 縦框
8 横桟
9 フック
10 施錠装置
11 レバーハンドル
12 支柱
13 ヒンジ金具
14 端部バンド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定配置ピッチの縦線及び横線をその交点で溶着して粗の桝目格子状とするとともに幅方向一方の端部近傍において上記縦線の配置ピッチを縮小するように該端部近傍にピッチ縮小用縦線を配置してその交点で上記横桟に溶着して該端部近傍を部分的に密の桝目格子状とした縦線粗密配置のグリッドパネルを形成し、該グリッドパネルに扉枠を施して、上記密の桝目格子状とした一方の端部を施錠用の戸先側、粗の桝目格子状とした他方の端部を吊元側として支柱に吊支持してなることを特徴とするグリッド扉。
【請求項2】
上記グリッド扉を単一枚用いて片開き扉として配置してなることを特徴とする請求項1に記載のグリッド扉。
【請求項3】
上記グリッド扉を一対用いて両開き扉として配置してなることを特徴とする請求項1に記載のグリッド扉。
【請求項4】
上記一対のグリッド扉の密の桝目格子状とした端部を幅方向に対称に配置して双方の戸先側デザインを共通化してなることを特徴とする請求項3に記載のグリッド扉。
【請求項5】
所定配置ピッチの縦線及び横線をその交点で溶着して粗の桝目格子状とするとともに幅方向一方の端部近傍において上記縦線の配置ピッチを縮小するように該端部近傍にピッチ縮小用縦線を配置してその交点で上記横桟に溶着して該端部近傍を部分的に密の桝目格子状とした縦線粗密配置のグリッドパネルを形成するとともに該グリッドパネルを一対用いて、その一方のグリッドパネルに扉枠を施して、上記密の桝目格子状とした一方の端部を施錠用の戸先側、粗の桝目格子状とした他方の端部を吊元側として支柱に吊支持して片開きのグリッド扉とし、その他方のグリッドパネルを支柱に支持してグリッドフェンスとし、該グリッドフェンスを、その上記密の桝目格子状とした一方の端部を上記グリッド扉の施錠用の戸先側として、該グリッド扉に隣接して配置してなることを特徴とするグリッド扉を用いたフェンス。
【請求項6】
上記一対のグリッドパネルの密の桝目格子状とした端部を幅方向に対称に配置して双方の戸先側デザインを共通化してなることを特徴とする請求項5に記載のグリッド扉を用いたフェンス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−132742(P2011−132742A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−293151(P2009−293151)
【出願日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【出願人】(000222130)東洋エクステリア株式会社 (102)
【Fターム(参考)】