説明

コンクリートポンプ車

【課題】生コンクリートの不足分を再度コンクリートミキサー車に依存することなく確実に混練りして生成し、輸送に要する費用を削減してコストダウンを図ることができるコンクリートポンプ車を提供する。
【解決手段】ハウジング21の円形な内周面に沿って配設された可撓性のチューブ22を押し潰して閉塞しながら回転するスクイーズローラ23の回転方向上流側においてチューブ22の吸引口26より吸引した生コンクリートをスクイーズローラ23の回転方向下流側において当該チューブ22の吐出口25より吐出するポンプ2を車体に搭載したコンクリートポンプ車を前提とする。そして、車体に、チューブ22の吸引口26に吸込管40を介して底部が連通する貯留槽41を有し、かつその貯留槽41の壁面に沿って縦軸回りに回転する混練羽根46により原料を混練りして生コンクリートを生成可能とするミキサー装置4を搭載している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体の後部に生コンクリートが投入される貯留槽を備えたコンクリートポンプ車に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、この種コンクリートポンプ車としては、内周面が円形に形成されたハウジングの内周面に沿って配設され、かつ両端部が前記ハウジング外にそれぞれ突出する可撓性のチューブと、このチューブを押し潰して閉塞しながら回転するスクイーズローラとを備え、車体の後部の貯留槽に投入された生コンクリートを、前記スクイーズローラの回転方向上流側において前記ハウジング外に突出する前記チューブの一端より吸引し、前記スクイーズローラの回転方向下流側において前記ハウジング外に突出する前記チューブの他端より吐出するようにしたスクイーズポンプを車体に搭載したものは知られている(例えば、特許文献1参照)。
その場合、前記貯留槽内には横方向(車幅方向)に延びる横軸回りに回転するスクリューが設けられることがあり、このスクリューによって、貯留槽内にコンクリートミキサー車から投入された生コンクリートを撹拌し、当該貯留槽内で生コンクリートを流動させるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−284906号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、前記従来のものでは、スクイーズポンプにより吐出される生コンクリートは、貯留槽内にコンクリートミキサー車から投入された分量に依存している。このため、コンクリートの打設現場において残りわずかな量(例えば0.5m3程度)が不足した場合、再度コンクリートミキサー車により不足分を輸送する必要があり、コストが嵩むことになる。
このとき、貯留槽内に原料(コンクリート、骨材及び水など)を投入して不足分の生コンクリートを生成することも考えられるが、貯留槽内を横軸回りに回転するスクリューでは材料を撹拌するに止まり、十分に混練りすることができない。
【0005】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、生コンクリートの不足分を再度コンクリートミキサー車に依存することなく確実に混練りして生成し、輸送に要する費用を削減してコストダウンを図ることができるコンクリートポンプ車を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため、本発明では、内周面が円形に形成されたハウジングの内周面に沿って配設され、かつ両端部が前記ハウジング外にそれぞれ突出する可撓性のチューブと、このチューブを押し潰して閉塞しながら回転するスクイーズローラとを備え、前記スクイーズローラの回転方向上流側において前記ハウジング外に突出する前記チューブの一端より吸引した生コンクリートを前記スクイーズローラの回転方向下流側において前記ハウジング外に突出する前記チューブの他端より吐出するスクイーズポンプを車体に搭載したコンクリートポンプ車を前提とする。そして、前記車体に、前記チューブの一端に吸込管を介して底部が連通する貯留槽を有し、かつその貯留槽の壁面に沿って縦軸回りに回転する羽根により原料を混練りして生コンクリートを生成可能とするミキサー装置を搭載させたことを特徴としている。
この特定事項により、スクイーズポンプのチューブの一端に吸込管を介して底部が連通する貯留槽の壁面に沿って縦軸回りに回転する羽根により原料を混練りして生コンクリートを生成するミキサー装置が車体に搭載されているので、コンクリートの打設現場において残りわずかな量(例えば0.5m3程度)が不足していても、コンクリートポンプ車のミキサー装置により不足分の生コンクリートが円滑に生成される。これにより、生コンクリートの不足分を再度コンクリートミキサー車に依存する必要がなくなり、輸送に要する費用を削減してコストダウンを図ることが可能となる。
【0007】
また、前記ミキサー装置を前記車体に対し後傾可能に支持し、前記チューブの一端を、前記吸込管に対し固定具により脱着自在に固定し、この固定具による固定を解除させた状態で前記ミキサー装置を後傾させた際に車体後方側へ露呈させることが好ましい。
この場合には、スクイーズポンプの定期的(例えば3000m3程度の生コンクリートを吐出する毎)なチューブの交換作業が、ミキサー装置を後傾させた際に車体後方側へ露呈するチューブの一端側から行うことが可能となる。つまり、チューブを一端側から引き抜いて交換することが可能となる。
【発明の効果】
【0008】
以上、要するに、スクイーズポンプのチューブの一端に吸込管を介して底部が連通する貯留槽の壁面に沿って縦軸回りに回転する羽根により原料を混練りして生コンクリートを生成するミキサー装置を搭載することで、コンクリートポンプ車のミキサー装置により不足分の生コンクリートが円滑に生成され、その不足分を再度コンクリートミキサー車に依存する必要がなくなって輸送に要する費用を削減してコストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施の形態に係るコンクリートポンプ車の側面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るポンプを一部切り欠いた状態の正面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るミキサー装置を斜め上方から見た斜視図である。
【図4】チューブの一端と吸込管との固定部位を示す縦断側面図である。
【図5】図4のチューブの一端と吸込管とを固定具により固定する前の状態を示す斜視図である。
【図6】本実施の形態の変形例に係る図2相当図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明し、本発明の理解に供する。尚、以下の実施の形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
まず、図1を用いて、本発明の実施の形態に係るコンクリートポンプ車の概略構成について説明する。
【0011】
図1に示すように、1はコンクリートポンプ車であって、このコンクリートポンプ車1の車体10には、ポンプ2、伸縮構造のブーム3、及びミキサー装置4が搭載されている。
【0012】
前記ポンプ2は、図2にも示すように、スクイーズポンプであって、内周面が円形に形成されたハウジング21と、このハウジング21の内周面に沿って配設された可撓性の押し出し用のチューブ22と、前記ハウジング21の内周面に沿って転動して前記チューブ22を押し潰して閉塞しながら図2上において時計回り方向に回転するスクイーズローラ23,23とを備えている。前記チューブ22の両端部は、前記ハウジング21外にそれぞれ突出している。
【0013】
前記ハウジング21の内周面には、各スクイーズローラ23を構成する樹脂と略同様な硬度を有するライニング24が施されており、このライニング24の内周面部分が各スクイーズローラ23でチューブ22を押し潰すハウジング21の内周面として作用する。そして、前記チューブ22の両端部のうち、前記各スクイーズローラ23の回転方向下流側(図1及び図2では上側)でハウジング21から突出するチューブ22の一方の端部を吐出口25とし、前記各スクイーズローラ23の回転方向上流側(図1及び図2では下側)でハウジング21から突出するチューブ22の他方の端部を吸引口26にしている。そして、前記吸引口26はミキサー装置4に連結されている。また、前記吐出口25は、生コンクリートを高所もしくは所定の場所に圧送するトランスファホース5の基端に中継パイプ50を介して連結されている。
【0014】
前記各スクイーズローラ23は、外周面に比較的硬質の合成樹脂層を設けた転動輪231で形成され、図示しない油圧モータで伝導歯車機構を介して、図2の矢印Aで示すように時計回りに回転駆動されるフレーム27の180°隔てた位置に、接圧調節機構28を介して回転可能に設けて構成されている。前記フレーム27には、前記各スクイーズローラ23の回転方向下流側においてチューブ22の両側を挟んで移動するガイド271,271,…が取り付けられ、この各ガイド271によって、前記チューブ22を正規位置に保つようにしている。
【0015】
また、前記トランスファホース5の先端は、基端側トランスファパイプ51の基端に連結されている。この基端側トランスファパイプ51の外周面には、内周面が水密状態で伸縮自在に挿通された先端側トランスファパイプ52が設けられている。更に、前記先端側トランスファパイプ52の先端には、デリバリホース53の基端が連結されている。
【0016】
前記ブーム3は、伸縮構造のものであって、基端側ラーダ31と、この基端側ラーダ31の内周面に外周面が伸縮自在に挿通された先端側ラーダ32とを備えている。前記基端側ラーダ31の基端には、前記基端側トランスファパイプ51の基端が固定されている。また、前記先端側ラーダ32の先端には、前記先端側トランスファパイプ52の先端が固定されている。つまり、先端側トランスファパイプ52は、基端側ラーダ31に対する先端側ラーダ32の伸縮動作に伴って基端側トランスファパイプ51に対する伸縮動作が行われる。この場合、ブーム3は、コンクリートポンプ車1のエンジンにより駆動するプレッシャポンプ(図示せず)によって、伸縮動作及び上下方向への傾動動作並びに旋回動作が行われる。また、ポンプ2の油圧モータも前記プレッシャポンプにより駆動される。
【0017】
図3に示すように、前記ミキサー装置4は、上部が投入口411として上方へ開口する有底真円筒形状の貯留槽41を備えている。この貯留槽41の底部には、前記チューブ22の吸引口26に吸込管40を介して連通する連通孔414が設けられている。また、前記貯留槽41は、その上縁より外方へ略水平に張り出されたフランジ412を一体的に備えている。このフランジ412の周縁には、煽り413が一体的に設けられている。この煽り413は、フランジ412の後部側及び左右両側の縁部では上方向きに起立していると共に、前部側の縁部では斜め前方向きに起立している。また、前記貯留槽41には、その底部の中心から前記フランジ412に至るまで上方へ延びる軸芯部材42が一体的に設けられている。この軸芯部材42の内部には、その軸芯部材42の軸芯に沿って上下方向へ延びる回転軸47(縦軸)が収容されている。更に、前記軸芯部材42の上端部には、前記回転軸47の上端に回転一体に連結された有底筒形状の動力伝達部材43が周方向へ摺動自在に嵌覆されている。この動力伝達部材43の外周面上には、互いに180°隔てた位置より半径方向外方へ突出したのちに下方に向かって垂下する2本のアーム44,45が突設されている。この各アーム44,45の下端部、及びそのうちの一方のアーム44(図2及び図3では左側のアーム)の上下方向略中間位置には、貯留槽41に投入された生コンクリート又は生コンクリートの原料(コンクリート、骨材及び水など)を混練りする混練羽根46(羽根)が固設されている。
【0018】
そして、各混練羽根46は、図3の矢印Bで示すように各アーム44,45の反時計回りの回転時に貯留槽41の壁面に沿ってそれぞれ回転することで、貯留槽41に投入された生コンクリートを混練りして円滑に流動させる一方、貯留槽41に投入された生コンクリートの原料を効率よく混練りして生コンクリートを生成させるようにしている。そして、図2に示すように、前記回転軸47の下端には従動ギヤ491が回転一体に連結されている。この従動ギヤ491は、当該従動ギヤ491と共にギヤケース49内に収納された出力ギヤ492と噛合している。この出力ギヤ492は、前記貯留槽41の底部後側寄りに取り付けられたモータ48の出力軸481に回転一体に連結され、モータ48から出力ギヤ492を介して伝達された回転力により回転されて、回転軸47及びアーム44,45を介して各混練羽根46を回転させるようにしている。
【0019】
また、前記チューブ22の吸引口26側の内周面には、薄肉の鋼管29の外周面が一体的に貼着されている。この鋼管29の内端(反吸込管40側端)は、図2に示すように、回転するスクイーズローラ23がチューブ22に始めて当接する位置の直近傍に位置している。また、図4にも示すように、前記鋼管29の吸込管40側の端部は、前記チューブ22の吸引口26より延出しており、その先端に外径を拡径させた鍔部291が一体的に形成されている。一方、前記吸込管40の鋼管29側端(先端)には、前記鍔部291と同様に外径を拡径させた鍔部401が一体的に形成されている。この鋼管29の鍔部291と、前記吸込管40の鍔部401とは、互いの鍔部291,401同士を抱き合わせてゴム製のパッキン69を被せた状態で、固定具としてのワンタッチジョイント6によって固定されている。
【0020】
前記ワンタッチジョイント6は、図5に示すように、互いの鍔部291,401を抱き合わせてパッキン69を被せた状態で外方から包囲する断面略コ字状の包囲部60をそれぞれ有する半円弧状の2つの包囲部材61,62を備えている。この各包囲部材61,62は、互いの一端同士がヒンジ63を介して開閉自在に支持されている。また、一方(図5では右下側)の包囲部材61の他端には、軸64を介してボルト部材65が回動自在に支持され、このボルト部材65の先端にナット66が螺着されている。他方(図5では左上側)の包囲部材62の他端には、前記両包囲部材61,62の閉塞時に前記ボルト部材65の先端側が挿通されるように間隙を存して対峙する一対の挿通壁67,67が突設されている。そして、前記ワンタッチジョイント6は、前記鋼管29の吸込管40側端及び吸込管40の鋼管29側端の鍔部291,401同士を抱き合わせてパッキン69を被せた状態で外方から包囲するように包囲部材61,62により閉塞し、前記ボルト部材65の先端側を一対の挿通壁67,67間の間隙に挿通させ、各挿通壁67の裏面671に対しナット66を締め付けることで、前記両鍔部291,401を強固に固定するようにしている。また、前記鋼管29上における鍔部291とチューブ22の吸引口26との間には抜き出し用のブラケット292が設けられ、この抜き出し用のブラケット292は、チューブ22を交換するときに、図外のウインチから繰り出されたフックを掛止してチューブ22を鋼管29と共に引き出すようにするためのものである。
【0021】
そして、前記ミキサー装置4は、車体10の左右両側を前後方向に延びる左右一対の車体フレーム11(図1では一方のみ示す)に対し前傾させた状態(例えば5°〜10°程度)で前後のブラケット12,13を介して支持されている。各ブラケット12,13は、その上端が前記ミキサー装置4にそれぞれ固設されている。また、後側の各ブラケット13の下端は、各車体フレーム11に対しそれぞれ後側ピン14を介して回転自在に支持されている。一方、前側の各ブラケット12の下端は、各車体フレーム11に対しそれぞれ抜き差し可能な前側ピン15を介して支持されている。また、前記ミキサー装置4は、各前側ピン15を各車体フレーム11から抜き取ることにより各後側ピン14回りに後傾可能つまり前部を上方へ持ち上げて傾動(例えば10°〜20°程度の傾動)させることが可能となるように構成されている。このミキサー装置4の前部を上方へ傾動させる後傾は、貯留槽41の下面と一方の車体フレーム11の上面との間に介在させた車載ジャッキ(図示せず)により行われる。そして、ミキサー装置4の後傾状態では、チューブ22の吸引口26が車体後方側へ露呈、つまりミキサー装置4の後傾により作出されたチューブ22の吸引口26の直後方空間19(図1に表れる)に露呈している。この場合、ミキサー装置4の後傾は、ワンタッチジョイント6による鋼管29の吸込管40側端の鍔部291と吸込管40の鋼管29側端の鍔部401との固定を解除した状態で行われる。
【0022】
したがって、本実施の形態では、ポンプ2のチューブ22の吸引口26に吸込管40を介して底部が連通するミキサー装置4の貯留槽41に沿って縦軸回りに回転する混練羽根46,46,…により原料を混練りして生コンクリートが生成されるので、コンクリートの打設現場において残りわずかな量(例えば0.5m3程度)が不足していても、コンクリートポンプ車1のミキサー装置4により不足分の生コンクリートが円滑に生成される。これにより、生コンクリートの不足分を再度コンクリートミキサー車に依存する必要がなくなり、輸送に要する費用を削減してコストダウンを図ることができる。
【0023】
また、前記ミキサー装置4を各車体フレーム11に対し後傾させた際にポンプ2のチューブ22の吸引口26がその直後方空間19に露呈しているので、ポンプ2の定期的(例えば3000m3程度の生コンクリートを吐出する毎)なチューブ22の交換作業が、ミキサー装置4を後傾させた際に露呈する直後方空間19を利用してチューブ22の吸引口26側から行うことができる。つまり、鋼管29によって吐出口25側からのチューブ22の引き抜きが無理であっても、吸引口26の直後方空間19を利用することで、チューブ22を吸引口26側から引き抜いて交換することができる。
【0024】
しかも、チューブ22の吸引口26側の内周面に貼着された鋼管29の内端(反吸込管40側端)が、回転するスクイーズローラ23がチューブ22に始めて当接する位置の直近傍に位置しているので、ミキサー装置4の貯留槽41から吸込管40を介して吸い込まれた生コンクリートは、チューブ22に比して滑りがよく変形しない鋼管29の内周面に沿ってスクイーズローラ23との当接位置までスムーズに案内される。このため、生コンクリート中において比重の大きい骨材がチューブ22の吸引口26側において停滞することなく円滑にスクイーズローラ23との当接位置まで導かれ、骨材の滞留による生コンクリートの分離が抑制されて品質が良好に保たれる。これにより、ミキサー装置4の貯留槽41から吸込管40を介して吸い込まれた生コンクリートをポンプ2により良好な品質のままで効率よく吐出させることができる。
【0025】
更に、鋼管29の吸込管40側端の鍔部291と吸込管40の鋼管29側端の鍔部401との固定がワンタッチジョイント6によって行われているので、池や湖水に一端を浸けたホースの他端に鍔部を設けておけば、このホースの他端の鍔部と鋼管の吸込管側端の鍔部とが吸引口26の直後方空間19を利用して簡単にワンタッチジョイント6で固定され、コンクリートポンプ車1のポンプ2を緊急時などに池や湖水の水を汲み上げるポンプとして利用することもできる。また、コンクリートポンプ車1のポンプ2を、浸水被災地において前記ホースを用いて水の汲み出しを行うポンプとして利用することもできる。
【0026】
なお、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、その他種々の変形例を包含している。例えば、前記実施の形態では、チューブ22の内周面に貼着した鋼管29の内端を、スクイーズローラ23との当接位置の直近傍に位置させたが、図6に示すように、鋼管71の内端をスクイーズローラ23の回転軌跡に則した形状に形成し、鋼管71の内端がスクイーズローラ23と干渉しない限界位置まで近付けられていてもよい。この場合には、生コンクリート中の骨材がより円滑にスクイーズローラ23との当接位置まで導かれ、ミキサー装置4の貯留槽41から吸込管40を介して吸い込まれた生コンクリートをポンプ2により良好な品質のままでさらに効率よく吐出させることが可能となる。
【0027】
また、前記実施の形態では、動力伝達部材43の外周面上において互いに180°隔てた位置より半径方向外方へ突出したのちに下方に向かって垂下する2本のアーム44,45を突設したが、動力伝達部材の外周面上において互いに120°隔てた位置より半径方向外方へ突出したのちに下方に向かって垂下する3本のアームが突設されていたり、動力伝達部材の外周面上において互いに90°隔てた位置より半径方向外方へ突出したのちに下方に向かって垂下する4本のアームが突設されていたりしてもよい。その場合、各アームの下端部、及び任意のアームの上下方向途中位置に、貯留槽に投入された生コンクリート又は生コンクリートの原料を混練りする混練羽根が固設される。
【0028】
更に、前記実施の形態では、チューブ22の吸引口26に吸込管40を介して連通する連通孔414を貯留槽41の底部に設けたが、この連通孔を開閉するシャッタを付設し、貯留槽において生コンクリートの原料を混練りする場合にシャッタにより連通孔が閉塞されるようにしてもよい。この場合には、貯留槽内に投入された原料が各混練羽根により確実に混練りされ、生コンクリートを効果的に生成することが可能となる。
【符号の説明】
【0029】
1 コンクリートポンプ車
10 車体
2 ポンプ(スクイーズポンプ)
21 ハウジング
22 チューブ
23 スクイーズローラ
25 吐出口(チューブの他端)
26 吸引口(チューブの一端)
4 ミキサー装置
40 吸込管
41 貯留槽
46 混練羽根(羽根)
6 ワンタッチジョイント(固定具)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内周面が円形に形成されたハウジングの内周面に沿って配設され、かつ両端部が前記ハウジング外にそれぞれ突出する可撓性のチューブと、このチューブを押し潰して閉塞しながら回転するスクイーズローラとを備え、前記スクイーズローラの回転方向上流側において前記ハウジング外に突出する前記チューブの一端より吸引した生コンクリートを前記スクイーズローラの回転方向下流側において前記ハウジング外に突出する前記チューブの他端より吐出するスクイーズポンプを車体に搭載したコンクリートポンプ車であって、
前記車体には、前記チューブの一端に吸込管を介して底部が連通する貯留槽を有し、かつその貯留槽の壁面に沿って縦軸回りに回転する羽根により原料を混練りして生コンクリートを生成可能とするミキサー装置が搭載されていることを特徴とするコンクリートポンプ車。
【請求項2】
前記ミキサー装置が前記車体に対し後傾可能に支持されており、
前記チューブの一端は、前記吸込管に対し固定具により脱着自在に固定され、この固定具による固定を解除させた状態で前記ミキサー装置を後傾させた際に車体後方側へ露呈している請求項1に記載のコンクリートポンプ車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−174235(P2011−174235A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−37208(P2010−37208)
【出願日】平成22年2月23日(2010.2.23)
【出願人】(597014316)
【Fターム(参考)】