説明

コンデンサ

【課題】外部接続端子の発熱を低減し、さらに放熱性を良好なものとすることができるコンデンサを提供する。
【解決手段】コンデンサ素子10の一方端面11に第1の電極板20を接続し、他方端面11に第2の電極板30を接続しケース60に収納して樹脂70を充填し、第1、第2の外部接続端子23、33をケース60外方に引き出すコンデンサであって、第1、第2の導電板40、50が第1、第2の電極板20、30より外側に位置するようにして、第1の導電板40を第1の電極板20に対向させ、第2の導電板50を第2の電極板30に対向させてケース60に収納し、第1、第2の端子部43、53をケース60外方に引き出すとともに、第1の端子部43と第1の外部接続端子23とを重ね合わせ、第2の端子部53と第2の外部接続端子33とを重ね合わせている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、外部接続端子を有する電極板でコンデンサ素子を接続してなるコンデンサに関する。
【背景技術】
【0002】
複数のコンデンサ素子をケースに収納し樹脂を充填したコンデンサでは、コンデンサ素子を電極板(銅バー)で接続し、電極板と一体的に形成された外部接続端子を樹脂からケースの外方へと引き出している(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−245170号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、例えば車載インバータに搭載される平滑コンデンサにおいては、外部接続端子が、電力用半導体素子(IGBT等)の電極と接続されるわけであるが、平滑コンデンサの外部接続端子の幅は、電力用半導体素子の電極幅によって制限されることが多い。すなわち、コンデンサと接続される電気機器の電極幅に合わせて、コンデンサの外部接続端子の幅が決定される場合が多いのである。
【0005】
ところが、このような場合、外部接続端子の幅(断面積)を、発熱を抑えるために十分な幅とすることができないこともあり、外部接続端子に大電流が流れた場合、外部接続端子が発熱し、コンデンサ素子やコンデンサの周囲の部品、例えばコンデンサと接続される電気機器等に悪影響を及ぼす虞があった。
【0006】
また、外部接続端子の幅が制限されるため、放熱に必要な表面積を確保することも困難となり、外部接続端子で生じた熱が逃げ難く、上記悪影響を助長することとなっていた。
【0007】
そこで、この発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、外部接続端子の発熱を低減し、さらに放熱性を良好なものとすることができるコンデンサの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明のコンデンサは、端面に電極11、11を有するコンデンサ素子10と、第1の外部接続端子23を有する第1の電極板20と、第2の外部接続端子33を有する第2の電極板30とを備え、コンデンサ素子10の一方端面11に第1の電極板20を接続し、他方端面11に第2の電極板30を接続しケース60に収納して樹脂70を充填し、第1、第2の外部接続端子23、33をケース60外方に引き出すコンデンサであって、該コンデンサは、さらに第1の端子部43を有する第1の導電板40と、第2の端子部53を有する第2の導電板50とを備えており、第1、第2の導電板40、50が第1、第2の電極板20、30より外側に位置するようにして、第1の導電板40を第1の電極板20に対向させ、第2の導電板50を第2の電極板30に対向させてケース60に収納し、第1、第2の端子部43、53をケース60外方に引き出すとともに、第1の端子部43と第1の外部接続端子23とを重ね合わせ、第2の端子部53と第2の外部接続端子33とを重ね合わせたことを特徴としている。
【0009】
また、本発明の他のコンデンサにおいては、端面に電極11、11を有するコンデンサ素子10と、第1の外部接続端子23を有する第1の電極板20と、第2の外部接続端子33を有する第2の電極板30とを備え、コンデンサ素子10の一方端面11に第1の電極板20を接続し、他方端面11に第2の電極板30を接続しケース60に収納して樹脂70を充填し、第1、第2の外部接続端子23、33をケース60外方に引き出すコンデンサであって、該コンデンサは、さらに第1の端子部43を有する第1の導電板40と、第2の端子部53を有する第2の導電板50とを備えており、第2の導電板50が第2の電極板30より外側に位置するようにして、第2の導電板50を第2の電極板30に対向させ、さらに第1の導電板40と第2の導電板50とを絶縁層90を介して重ね合わせてケース60に収納し、第1、第2の端子部43、53をケース60外方に引き出すとともに、第1の端子部43と第1の外部接続端子23とを重ね合わせ、第2の端子部53と第2の外部接続端子33とを重ね合わせたことを特徴としている。
【0010】
さらに、第1の外部接続端子23と第1の端子部43とをともに外部の共通する電極に接続し、第2の外部接続端子33と第2の端子部53とをともに外部の共通する電極に接続したことを特徴としている。
【0011】
さらにまた、第1の導電板40及び/又は第2の導電板50をケース側壁62に対向させるとともに、上記ケース側壁62の外面に冷却器80を配置したことを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
この発明のコンデンサによれば、外部接続端子と端子部とを重ね合わせているので、外部からの電流が外部接続端子と端子部の双方を流れることとなり、外部接続端子の発熱を低減することができる。加えて、外部接続端子で生じた熱を、電極板より外側に位置された導電板に伝達させることができるため、この熱を導電板を介してケース外方に良好に放出することができる。また、電極板と導電板とを対向させているので、電極板に生じた熱も導電板に伝達させることができ、この熱も導電板を介してケース外方に良好に放出することができる。
【0013】
特に、外部接続端子と端子部とをともに外部の共通する電極に接続する構成とした場合には、端子部にも確実に電流が流れるようになるため、外部接続端子の発熱を確実に低減することが可能となる。
【0014】
また、第1の導電板と第2の導電板のいずれか、もしくは双方に対向するようにしてケース側壁の外面に冷却器を配置することで、外部接続端子からの熱や、電極板からの熱を導電板を介して冷却器に効率良く伝達することができ、放熱の促進を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るコンデンサを示す分解斜視図である。
【図2】同じくそのコンデンサの組立状態を示す斜視図である。
【図3】同じくそのコンデンサの断面を示す要所拡大図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係るコンデンサを示す分解斜視図である。
【図5】同じくそのコンデンサの断面を示す要所拡大図である。
【図6】本発明の実施形態に係るコンデンサを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、この発明のコンデンサの第1の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。この発明のコンデンサ1は、図1乃至図3に示すように、複数のコンデンサ素子10・・と第1、第2の電極板20、30とを接続するとともに、第1、第2の導電板40、50を第1、第2の電極板20、30に対向させた状態でケース60に収納し、さらにケース60内に樹脂70を充填することで構成されている。以下、個々の構成部品について詳細に説明する。
【0017】
コンデンサ素子10は、例えば絶縁性のフィルム上に金属が蒸着された金属化フィルムを巻回することでなるフィルムコンデンサであって、図1に示すように、軸方向両端部に金属を溶射してなるメタリコン電極部11、11が形成されている。また、コンデンサ素子10は扁平状とされ、側面両側に平坦部12、12を有している。なお、コンデンサ素子10としては、フィルムコンデンサに限らず、公知の種々のコンデンサ素子が使用可能である。また、その形状も扁平円筒状に限らず、立方体状等でも良い。
【0018】
ケース60は、図2に示すように、平面視長方形のケース底面部61と、ケース底面部61の4辺から上方に向かって延設されたケース側壁62・・とからなり、内部に複数のコンデンサ素子10・・、第1、第2の電極板20、30及び第1、第2の導電板40、50を収納可能な空間を備えた中空立方体とされている。また、ケース60には、ケース底面部61と対向する面、すなわち、ケース上端面に開口部63が設けられている。なお、ケース60としては中空立方体に限らず、円柱形等種々の形状でも良い。
【0019】
電極板は、コンデンサ素子10の一方のメタリコン電極部11に接続される第1の電極板20と、コンデンサ素子10の他方のメタリコン電極部11に接続される第2の電極板30とから構成されている。
【0020】
第1の電極板20は、図1乃至図3に示すように、垂直方向に延設され、ケース60に収納された際、ケース側壁62に沿って延在する第1の側壁側電極板21と、この第1の側壁側電極板21の上端部から水平方向に向かって延設され、ケース60に収納された際、ケース開口部63側に位置される第1の開口部側電極板22と、この第1の開口部側電極板22の第1の側壁側電極板21が連結されている側とは反対側の端部、すなわち、第1の開口部側電極板22の自由端側から上方に向かって延設され、ケース60に収納された際、ケース開口部63からケース60外方へ突出し、外部の電気機器との接続を可能とする第1の外部接続端子23と、第1の側壁側電極板21の下端部から下方に向かって延設され、コンデンサ素子10のメタリコン電極部11との接続に用いられる第1の接続片24とから構成されている。
【0021】
第1の側壁側電極板21は、図1乃至図3に示すように、垂直方向の幅がコンデンサ素子10のメタリコン電極部11を略半分覆うことができる幅とされている。また、第1の開口部側電極板22は、コンデンサ素子10の側面(図において上面側)を半分以上(例えば2/3程度)覆うことができる幅とされている。また、第1の外部接続端子23は、外部の電気機器との接続を行うための接続孔23aが穿設されている。加えて、第1の開口部側電極板22の自由端の3箇所から略等間隔に延設されている。また、第1の接続片24においては、1個のコンデンサ素子10に対して2個ずつ延出されている。なお、第1の外部接続端子23や第1の接続片24の数は、上記に限らず、コンデンサ素子10の数や電流量に合わせて適宜変更可能である。
【0022】
第2の電極板30は、図1乃至図3に示すように、垂直方向に延設され、ケース60に収納された際、ケース側壁62に沿って延在する第2の側壁側電極板31と、この第2の側壁側電極板31の上端部から水平方向に向かって延設され、ケース60に収納された際、ケース開口部63側に位置される第2の開口部側電極板32と、この第2の開口部側電極板32の第2の側壁側電極板31が連結されている側とは反対側の端部、すなわち、第2の開口部側電極板32の自由端側から上方に向かって延設され、ケース60に収納された際、ケース60外方へ突出し、外部の電気機器との接続を可能とする第2の外部接続端子33と、第2の側壁側電極板31の下端部から下方に向かって延設され、コンデンサ素子10のメタリコン電極部11との接続に用いられる第2の接続片34とから構成されている。すなわち、第2の電極板30は、第1の電極板20と略同形状とされている。
【0023】
但し、第2の開口部側電極板32の幅は、第1の開口部側電極板22と合わせて、コンデンサ素子10の側面(図において上面側)の略全体を覆うことができる幅(例えば1/3程度)とされている。また、第2の外部接続端子33は、第1の外部接続端子23と接触しないように、第1の外部接続端子23とは異なる位置から延設されている。また、外部の電気機器との接続を行うための接続孔33aが穿設されている。
【0024】
導電板は、図1乃至図3に示すように、第1の電極板20と対向する第1の導電板40と、第2の電極板30と対向する第2の導電板50とから構成されている。
【0025】
具体的には、第1の導電板40は、図1乃至図3に示すように、垂直方向に延設され、ケース60に収納された際、ケース側壁62に沿って延在する第1の側壁側導電板41と、この第1の側壁側導電板41の上端部から水平方向に向かって延設され、ケース60に収納された際、ケース開口部63側に位置される第1の開口部側導電板42と、この第1の開口部側導電板42の第1の側壁側導電板41が連結されている側とは反対側の端部、すなわち、第1の開口部側導電板42の自由端側から上方に向かって延設され、ケース60に収納された際、ケース開口部63からケース60外方へ突出し、外部の電気機器との接続を可能とする第1の端子部43とから構成されている。
【0026】
また、第1の側壁側導電板41は、図1乃至図3に示すように、垂直方向の幅がコンデンサ素子10のメタリコン電極部11を略半分覆うことができる幅、すなわち、第1の側壁側電極板21と略同幅とされている。また、第1の開口部側導電板42は、コンデンサ素子10の側面(図において上面側)を半分以上(例えば2/3程度)覆うことができる幅とされている。また、第1の端子部43は、第1の外部接続端子23と同位置から延設されており、第1の外部接続端子23と同様に、外部の電気機器との接続を行うための接続孔43aが穿設されている。
【0027】
第2の導電板50は、図1乃至図3に示すように、垂直方向に延設され、ケース60に収納された際、ケース側壁62に沿って延在する第2の側壁側導電板51と、この第2の側壁側導電板51の上端部から水平方向に向かって延設され、ケース60に収納された際、ケース開口部63側に位置される第2の開口部側導電板52と、この第2の開口部側導電板52の第2の側壁側導電板51が連結されている側とは反対側の端部、すなわち、第2の開口部側導電板52の自由端側から上方に向かって延設され、ケース60に収納された際、ケース60外方へ突出し、外部の電気機器との接続を可能とする第2の端子部53とから構成されている。すなわち、第2の導電板50は、第1の導電板40と略同形状とされている。
【0028】
但し、第2の開口部側導電板52の幅は、第1の開口部側導電板42と合わせて、コンデンサ素子10の側面(図において上面側)の略全体を覆うことができる幅(例えば1/3程度)とされている。また、第2の端子部53は、第1の端子部43と接触しないように、第1の端子部43とは異なる位置(第2の外部接続端子33と同位置)から延設されている。また、外部の電気機器との接続を行うための接続孔53aが穿設されている。
【0029】
次に、本発明のコンデンサ1の組立について説明する。本発明のコンデンサ1の組立に際しては、まず、コンデンサ素子10の平坦部12を互いに重ね合わせるようにして、4個のコンデンサ素子10・・を1列に並設する。そして、コンデンサ素子10・・の一方のメタリコン電極部11・・に、第1の側壁側電極板21を当接させるとともに、第1の接続片24・・とメタリコン電極部11・・とをはんだ付け13等で電気的に接続する。また、コンデンサ素子10・・の他方のメタリコン電極部11・・に、第2の側壁側電極板31・・を当接させるとともに、第2の接続片34・・とメタリコン電極部11・・とをはんだ付け13等で電気的に接続する。この際、第1の開口部側電極板22と第2の開口部側電極板32とがコンデンサ素子10の同じ側面側に位置されるようにし、第1の外部接続端子23と第2の外部接続端子33とが同一方向に突出した状態とする。
【0030】
次に、第1の外部接続端子23と第1の端子部43とを互いの接続孔23a、43aが連通するように、且つ互いに電気的に接続されるようにして重ね合わせる。この際、第1の側壁側電極板21と第1の側壁側導電板41とが対向し、重なり合うように、且つ第1の開口部側電極板22と第1の開口部側導電板42とが対向し、重なり合うようにする。また、第2の外部接続端子33と第2の端子部53においても、互いの接続孔33a、53aが連通するように、且つ互いに電気的に接続されるようにして重ね合わせる。この際も、第1の電極板20と第1の導電板40と同様に、第2の側壁側電極板31と第2の側壁側導電板51とが対向し、重なり合うように、且つ第2の開口部側電極板32と第2の開口部側導電板52とが対向し、重なり合うようにする。なお、第1、第2の導電板40、50は、第1、第2の電極板20、30より外側、具体的には、第1、第2の側壁側導電板41、51においては、第1、第2の側壁側電極板21、31よりケース側壁62側に、第1、第2の開口部側導電板42、52においては、第1、第2の開口部側電極板22、32より開口部63側に位置される。そのため、第1、第2の導電板40、50は、コンデンサ素子10のメタリコン電極部11とは直接接続されない。また、第1の電極板20のうち、ケース60に収納されている部分、すなわち、第1の側壁側電極板21や第1の開口部側電極板22と、第1の導電板40のうち、ケース60に収納されている部分、すなわち、第1の側壁側導電板41や第1の開口部側導電板42とは、電気的に接続されていてもされていなくてもどちらでも良い。第2の電極板30と第2の導電板50においても同様である。但し、第1、第2の電極板20、30と第1、第2の導電板40、50との間に隙間をあけた場合には、その隙間分だけコンデンサ1が大きくなることから、特にコンデンサ1の小型化を図る場合には、なるべく隙間を小さくする、例えば互いに当接させることが好ましい。また、その際、第1、第2の側壁側導電板41、51がはんだ付け13に当たると、はんだの盛り上がりの分だけ浮いた状態となってコンデンサ1の大型化を招くことから、はんだ付け13を避けるようにする。
【0031】
そして、複数のコンデンサ素子10・・、第1、第2の電極板20、30及び第1、第2の導電板40、50とが一体とされた状態において、第1、第2の外部接続端子23、33及び第1、第2の端子部43、53がケース開口部63からケース60外方へ突出するようにして、これらをケース60内に収納し、さらにケース60内に樹脂70を充填することで、コンデンサ1の組立を完了する。なお、コンデンサ素子10や第1、第2の電極板20、30の発熱量が大きい場合には、第1の導電板40もしくは第2の導電板50の少なくともいずれか一方の側壁側導電板41、51と対向するようにして、ケース側壁62の外面に冷却器80を設けても良い。
【0032】
上記構成のコンデンサ1は、外部の電気機器との接続に際して、第1の外部接続端子23と第1の端子部43とをともに外部の電気機器の共通する電極に接続し、第2の外部接続端子33と第2の端子部53とをともに外部の電気機器の共通する電極に接続される。具体的には、第1の外部接続端子23の接続孔23aと第1の端子部43の接続孔43aとに跨ってネジを挿通するとともに、外部の電気機器の電極にネジを螺合することで、第1の外部接続端子23と第1の端子部43とを外部の電気機器に接続している。第2の外部接続端子33と第2の端子部53も同様に、それぞれの接続孔33a、53aに跨ってネジを挿通するとともに、外部の電気機器の電極にネジを螺合することで、第2の外部接続端子33と第1の端子部53とを外部の電気機器に接続している。なお、第1の外部接続端子23と第1の端子部43とを接続する電極と、第2の外部接続端子33と第2の端子部53とを接続する電極とは、互いに異なる電極である。また、接続に際しては、ネジに限られること無く、ボルトやシャフト等種々の接続金具を用いて良い。
【0033】
このように構成したコンデンサ1においては、外部の電気機器からの電流が、第1、第2の外部接続端子23、33とともに、第1、第2の端子部43、53にも流れることとなる、換言すれば、外部の電気機器との接続に供する部位の断面積が、第1、第2の外部接続端子23、33のみで接続した場合より大となるため、第1、第2の外部接続端子23、33での発熱を低減することができる。
【0034】
加えて、第1、第2の外部接続端子23、33で生じた熱を、第1、第2の導電板40、50に伝達させることができるため、この熱を第1、第2の導電板40、50を介してケース60の外方に良好に放出することができる。
【0035】
また、第1の電極板20と第1の導電板40とを対向させ、第2の電極板30と第2の導電板50とを対向させている、具体的には、第1の側壁側電極板21と第1の側壁側導電板41、第1の開口部側電極板22と第1の開口部側導電板42、第2の側壁側電極板31と第2の側壁側導電板51、第2の開口部側電極板32と第2の開口部側導電板52とを互いに対向させ、重ね合わせているので、第1、第2の電極板20、30のうち、ケース60に収納された部分で生じた熱も第1、第2の導電板40、50に伝達させることができ、この熱も第1、第2の導電板40、50を介してケース60外方に良好に放出することができる。
【0036】
さらに、冷却器80を、第1の導電板40と第2の導電板50のいずれかの一方の側壁側導電板41、51に対向するようにしてケース側壁62の外面に配設した場合には、第1、第2の外部接続端子23、33から第1、第2の導電板40、50へと伝わった熱を冷却器80に効率良く伝達することができ、放熱の促進を図ることができる。
【0037】
次に、本発明の第2の実施形態のコンデンサ2について、図面に基づいて詳細に説明する。この発明の第2の実施形態のコンデンサ2は、図4又は図5に示すように、第1の導電板40が、第2の導電板50より外側に位置するようにして、第2の導電板50と絶縁紙等の絶縁層90を介して重ね合わされている。具体的には、第1の側壁側導電板41が第2の側壁側導電板51よりケース側壁62側に位置するように、第1の開口部側導電板42が第2の開口部側導電板52より開口部63側に位置するようにしている。また、それに伴い、第1の開口部側導電板42の幅が、第2の開口部側導電板52と略同幅とされている。なお、絶縁層90としては、絶縁紙に限らず、第1の導電板40と第2の導電板50とが当接しないように隙間を設けたり、絶縁性樹脂等を間に介すことで形成しても良い。
【0038】
また、図6に示すように、冷却器80が、互いに重ね合わされた第1の側壁側導電板41及び第2の側壁側導電板51に対向するようにして、第1、第2の導電板40、50が設けられた側のケース側壁62の外面に設けられている。
【0039】
このように構成された第2の実施形態のコンデンサ2においては、第1の導電板40と第2の導電板50とを重ね合わせ、第1の導電板40と第2の導電板50の双方の側壁側導電板41、51に対向するようにして冷却器80を配置しているため、第1、第2の導電板40、50のいずれか一方の側壁側導電板41、51に冷却器80を対向させた場合に比べて、第1、第2の外部接続端子23、33から第1、第2の導電板40、50へと伝わった熱や、第2の電極板30のうち、ケース60に収納された部分から第1、第2の導電板40、50へと伝わった熱を冷却器80に一層効率良く伝達することができ、放熱の促進を図ることができる。なお、他の構成においては、第1の実施形態のコンデンサと同様であり、またそこから得られる作用効果も同様であることから、同符号を付し詳細な説明を省略する。
【0040】
以上に、この発明の具体的な実施形態について説明したが、この発明は上記実施形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することが可能である。例えば、上記実施例においては、第1、第2の電極板20、30をコンデンサ素子10のメタリコン電極部11に接続した後に、第1、第2の導電板40、50を重ね合わせていたが、予め電極板と導電板同士を重ね合わせておき、その後、コンデンサ素子10のメタリコン電極部11と電極板とを接続するようにしても良い。また、上記実施例においては、第1、第2の開口部側電極板22、32の幅や、第1、第2の開口部側導電板42、52の幅をそれぞれ異ならせていたが同幅としても良い。この場合、第1の電極板20と第2の電極板30、第1の導電板40と第2の導電板50が略同形状、特に第1の実施形態においては同形状となるため、製造や管理が簡便となり、コスト削減を図ることができる。さらに、上記実施例においては、第1、第2の側壁側導電板41、51の垂直方向の幅を、第1、第2の側壁側電極板21、31と略同幅としていたが、第1、第2の側壁側電極板21、31より幅広に、例えば、コンデンサ素子10のメタリコン電極部11を略全て覆うことができる幅としても良い。この場合、第1、第2の導電板40、50による放熱効果をより高めることができるといった効果を奏する。なお、第1、第2の側壁側導電板41、51を幅広とする場合には、はんだ付け13と当接しないよう該当箇所に切欠や孔を設けておき、第1、第2の側壁側電極板21、31と第1、第2の側壁側導電板41、51との間に、はんだの盛り上がりによる隙間を生じさせないことが、コンデンサ1、2の小型化を図る上で好ましい。また、第1、第2の開口部側電極板22、32を設けることなく、第1、第2の外部接続端子23、33を直接、第1、第2の側壁側電極板21、31から延設しても良いし、同様に、第1、第2の開口部側導電板42、52を設けることなく、第1、第2の端子部43、53を直接、第1、第2の側壁側導電板41、51から延設しても良い。また、第1、第2の電極板20、30や第1、第2の導電板40、50は、例えば、銅やアルミ等の金属板をプレス成形することで一体的に形成することが好ましいが、それぞれの部位を別体で形成し、半田等で一体としても良い。また、冷却器80としては、内部が空洞とされ冷却媒体が空洞内を流れることで冷却を行う形態のものであっても、フィンを多数設けることで放熱を促す形態のものであっても良く、公知の種々の冷却器を使用可能である。
【符号の説明】
【0041】
1、2・・コンデンサ、10・・コンデンサ素子、11・・電極(メタリコン電極部)、20・・第1の電極板、23・・第1の外部接続端子、30・・第2の電極板、33・・第2の外部接続端子、40・・第1の導電板、43・・第1の端子部、50・・第2の導電板、53・・第2の端子部、60・・ケース、62・・ケース側壁、70・・樹脂、80・・冷却器、90・・絶縁層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
端面に電極(11)(11)を有するコンデンサ素子(10)と、第1の外部接続端子(23)を有する第1の電極板(20)と、第2の外部接続端子(33)を有する第2の電極板(30)とを備え、コンデンサ素子(10)の一方端面(11)に第1の電極板(20)を接続し、他方端面(11)に第2の電極板(30)を接続しケース(60)に収納して樹脂(70)を充填し、第1、第2の外部接続端子(23)(33)をケース(60)外方に引き出すコンデンサであって、該コンデンサは、さらに第1の端子部(43)を有する第1の導電板(40)と、第2の端子部(53)を有する第2の導電板(50)とを備えており、第1、第2の導電板(40)(50)が第1、第2の電極板(20)(30)より外側に位置するようにして、第1の導電板(40)を第1の電極板(20)に対向させ、第2の導電板(50)を第2の電極板(30)に対向させてケース(60)に収納し、第1、第2の端子部(43)(53)をケース(60)外方に引き出すとともに、第1の端子部(43)と第1の外部接続端子(23)とを重ね合わせ、第2の端子部(53)と第2の外部接続端子(33)とを重ね合わせたことを特徴とするコンデンサ。
【請求項2】
端面に電極(11)(11)を有するコンデンサ素子(10)と、第1の外部接続端子(23)を有する第1の電極板(20)と、第2の外部接続端子(33)を有する第2の電極板(30)とを備え、コンデンサ素子(10)の一方端面(11)に第1の電極板(20)を接続し、他方端面(11)に第2の電極板(30)を接続しケース(60)に収納して樹脂(70)を充填し、第1、第2の外部接続端子(23)(33)をケース(60)外方に引き出すコンデンサであって、該コンデンサは、さらに第1の端子部(43)を有する第1の導電板(40)と、第2の端子部(53)を有する第2の導電板(50)とを備えており、第2の導電板(50)が第2の電極板(30)より外側に位置するようにして、第2の導電板(50)を第2の電極板(30)に対向させ、さらに第1の導電板(40)と第2の導電板(50)とを絶縁層(90)を介して重ね合わせてケース(60)に収納し、第1、第2の端子部(43)(53)をケース(60)外方に引き出すとともに、第1の端子部(43)と第1の外部接続端子(23)とを重ね合わせ、第2の端子部(53)と第2の外部接続端子(33)とを重ね合わせたことを特徴とするコンデンサ。
【請求項3】
第1の外部接続端子(23)と第1の端子部(43)とをともに外部の共通する電極に接続し、第2の外部接続端子(33)と第2の端子部(53)とをともに外部の共通する電極に接続したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のコンデンサ。
【請求項4】
第1の導電板(40)及び/又は第2の導電板(50)をケース側壁(62)に対向させるとともに、上記ケース側壁(62)の外面に冷却器(80)を配置したことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のコンデンサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−84787(P2013−84787A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−223885(P2011−223885)
【出願日】平成23年10月11日(2011.10.11)
【出願人】(390022460)株式会社指月電機製作所 (99)
【Fターム(参考)】