説明

コンバインにおけるチャフシーブ構造

【課題】本発明は、チャフシーブをシーブケースに効率よく組付けることのできるコンバインにおけるチャフシーブ構造を提供することにある。
【解決手段】脱穀処理物を選別するチャフシーブの開度が変更できるように構成したコンバインにおけるチャフシーブ構造において、チャフシーブ62の左右幅を、シーブケース27の左右の側板27a内に納まる寸法に形成し、左右一対のチャフシーブ取付枠86をシーブケース27の左右の側板27aに対して取り付け可能に構成し、選別板73の角度変更する操作部81をシーブケース27の外方から支持枠74又は選別板73に係合させるとともに、操作具75を取付部材101aを介してシーブケース27の側板27aに取り付けてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脱穀装置の扱室の下方に位置する選別部に、脱穀処理物を選別するチャフシーブを備え、チャフシーブの開度が変更できるように構成してあるコンバインにおけるチャフシーブ構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンバインにおけるチャフシーブ構造として、特許文献1に示されているように(以下、特許文献1の符号を使用する)、脱穀装置の扱室の下方に位置する選別部3に、受網6から落下した脱穀処理物を選別するチャフシーブ19を備えたシーブケース9を前後揺動自在に設け、チャフシーブ19として、複数の選別板(チャフリップ板19a)を所定間隔で前後に並列配備し、複数の選別板19aを横軸心周りに揺動自在に支持し、複数の選別板19aに亘って前後に長い支持枠(連結板29)を接続し、支持枠29の前後移動に連動して複数の選別板19aの角度が変更されるように構成したものが知られている。
【0003】
特許文献1に示されたものは、選別板19aの下端部に設けた横向き支軸(係止ピン28)を支持枠(連結板29)に枢支し、操作レバー36に一つの選別板19aの下端部の支軸28に一端を枢支し、操作レバー36の中間部に長孔37を形成した状態で該長孔37に選別板19aの下端部の係止ピン28を内嵌して長孔37の範囲内で、選別板19aを揺動可能とし、係止ピン28に選別板19aを閉じ方向に付勢するコイルバネ30aを設けて、常態では選別板19aが長孔37の上端に接当するように構成されている。操作レバー36の下端部を係合ピン38に係脱自在に係止できるようにして、シーブケース9の側壁26の外側で操作レバー36の位置決めを行うとともに、操作レバー36を係合ピン38と係合する位置を変更することによって、チャフシーブの開度を変更するように構成されている。
【0004】
特許文献1のものでは、図5、図6(イ)に示されているように、選別板19aに取り付けられた上下の横向き支軸25,28のうち、操作レバー36の操作に関係する支軸25及び係止ピン28は、シーブケース9の側壁26を貫通して外側に延出されて操作レバー36と連係されている。これにより、支軸25及び係止ピン28を組み付けた状態のチャフシーブ19では、チャフシーブ19をシーブケース9の左右の側壁26の間に挿入することができない寸法関係になっている。
【0005】
又、従来、コンバインにおけるチャフシーブ構造として、特許文献2に示されているように(以下、特許文献2の符号を使用する)、脱穀装置の扱室3の下方に位置する選別部Bに、受網4から落下した脱穀処理物を選別するチャフシーブ7を備えたシーブケース10を前後揺動自在に設けるとともに、チャフシーブ7を構成する複数の選別板(チャフ板11)を、所定間隔隔てて前後に並列配備して横軸心周りに揺動自在に支持し、複数の選別板11を前後に長い支持枠(リンク部材13)に接続し、支持枠13の前後移動に連動して複数の選別板11の角度を変更するように構成したものが知られている。
【0006】
特許文献2の図2に示されたものは、一つの選別板11の上端部に設けた枢支軸14と下端部に設けた支持ピン18とが、選別板11とリンク部材13との間の部材(符号なし)に溶接されていて、下方の支持ピン18はシーブケース10の左右の縦壁10L,10Rよりも外方に突出されていることから、チャフシーブ7をシーブケース10に取り付ける際、左右の支持ピン18,18間の全幅が、シーブケース10の左右の縦壁10L,10R間の幅よりも広く、選別板11と支え部材12及びリンク部材13とを組み付けた組付状態のチャフシーブ7では、チャフシーブ7をシーブケース10の左右の縦壁10L,10Rの間に挿入することができない寸法関係になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−262138号公報
【特許文献2】特開平10−75640号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、チャフシーブを予め組付けてユニット化した状態で、シーブケースに取り付けられるようにして、チャフシーブをシーブケースに効率よく組付けることのできるコンバインにおけるチャフシーブ構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
〔第1発明の構成〕
第1発明の構成は、脱穀装置の扱室の下方に位置する選別部に、脱穀処理物を選別するチャフシーブを備えたシーブケースを前後揺動自在に設けるとともに、前記チャフシーブを、複数の選別板と、前記複数の選別板を所定間隔で前後に並列配備した状態で、前記各選別板を横軸心周りに回動自在に取り付けた左右一対のチャフシーブ取付枠と、前記各選別板に亘って回動自在に取り付けた左右一対の支持枠とを備えて構成し、前記左右一対のチャフシーブ取付枠を前記シーブケースの左右の側板に固定するとともに、前記支持枠を前記シーブケースに対して前後に移動させることによって前記複数の選別板の角度が変更されて前記チャフシーブの開度が変更されるように構成してあるコンバインにおけるチャフシーブ構造において、前記複数の選別板と前記左右一対のチャフシーブ取付枠と前記左右一対の支持枠とからなる前記チャフシーブの左右幅を、前記シーブケースの左右の側板内に納まる寸法に形成し、前記左右一対のチャフシーブ取付枠を前記シーブケースの左右の側板に対して取り付け可能に構成し、前記シーブケースの左右一方の側板に操作具を前記横軸心と平行な軸心周りに回動可能に取り付ける取付部材を設け、前記操作具に前記支持枠を操作する操作部を取り付け、前記シーブケースの前記左右一方の側板に前記操作部の位置変更を許容する孔を形成し、前記操作部を前記シーブケースの外方から前記孔を通して前記支持枠又は前記選別板に係合させるとともに、前記操作具を前記取付部材を介して前記シーブケースの左右一方の側板に取り付けてあることを特徴とする。
【0010】
〔第1発明の作用〕
第1発明によれば、複数の選別板と左右一対のチャフシーブ取付枠と左右一対の支持枠とで構成したチャフシーブの左右幅を、シーブケースの左右の側板内に納まる寸法に形成してあるので、チャフシーブをシーブケースの左右の側板間に取り付けるのに、予め組み付けられたチャフシーブをシーブケースの左右の側板間に挿入して両側板にチャフシーブ取付枠を固定するだけで、チャフシーブを組み付けることができ、チャフシーブを構成する選別板等の構成部品を一つずつシーブケースに組み付けていくのに比べて、能率的にチャフシーブをシーブケースに取り付けることができる。
【0011】
又、チャフシーブの支持枠又は選別板を操作する操作部を操作具に取り付け、操作部をシーブケースの外方からシーブケースの側板に形成した孔を通して、支持枠又は選別板の一つに係合させるので、チャフシーブの開度を変更するための操作具も、シーブケースに取り付けたチャフシーブに対してシーブケースの外側から容易に組み付けることができる。
【0012】
〔第1発明の効果〕
第1発明によれば、シーブケースに対するチャフシーブの組み付けを効率的に行えるに至った。
【0013】
〔第2発明の構成〕
第2発明の構成は、第1発明の構成において、前記操作具を、前記シーブケースの側板に位置決め用固定部材を介して位置変更可能に固定することにより、前記支持枠が固定されて前記チャフシーブの開度が設定されるように構成してある。
【0014】
〔第2発明の作用効果〕
第2発明によれば、操作具を位置決め用固定部材で位置変更可能に固定することで、支持枠が固定されてチャフシーブの開度が設定されるようにしてあるので、作業中に不測にチャフシーブの開度が変更されることがなく、設定された所定の開度を維持した状態で作業を継続することができ、良好な選別を行うことができる。
【0015】
〔第3発明の構成〕
第3発明の構成は、第1発明または第2発明の構成において、前記操作部を、前記選別板を前記支持枠に回動自在に取り付けるための支軸の一つに兼用してある。
【0016】
〔第3発明の作用効果〕
第3発明によれば、操作部が取り付けられる選別板において、選別板を支持枠に回動自在に取り付けるための支軸に操作部を兼用してあるので、この選別板において操作部とは別に支持枠を取り付ける為の支軸を設ける必要がなく、部品点数を削減でき、生産性を向上させることができる。
【0017】
〔第4発明の構成〕
第4発明の構成は、第3発明の構成において、前記選別板の下部の一側に前記操作部を保持する穴を形成し、前記操作部を、前記シーブケースの側板の外側から、前記側板に形成した前記孔を介して、前記支持枠と前記穴とに挿通するとともに、前記操作具を前記取付部材と位置決め用固定部材により前記シーブケースの側板又は操作具固定用板に固定してある。
【0018】
〔第4発明の作用効果〕
第4発明によれば、左右の側板間に納めたチャフシーブの選別板に対してシーブケースの側板の外側から、選別板に支持枠を取り付ける為の支軸に兼用された操作部を挿通して操作具を取り付けるようにしてあるので、操作具の組み付けが容易に行えるに至った。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】コンバインの全体側面図である。
【図2】コンバインの全体平面図である。
【図3】脱穀装置の縦断側面図である。
【図4】第1チャフシーブの全開状態を示す一部破断側面図である。
【図5】第1チャフシーブの選別板と操作部材と脱穀装置の左側壁を示す一部縦断正面図である。
【図6】第1チャフシーブの選別板の左半部を示す一部縦断正面図である。
【図7】第1チャフシーブと操作具の組付け図である。
【図8】第1チャフシーブの全閉状態を示す一部破断側面図である。
【図9】第2チャフシーブの最大開度状態を示す一部破断側面図である。
【図10】第2チャフシーブの選別板と開度設定用の操作具を示す一部縦断正面図である。
【図11】第2チャフシーブの選別板の左半部を示す一部縦断正面図である。
【図12】第2チャフシーブと操作具の組付け図である。
【図13】第2チャフシーブの最小開度状態を示す一部破断側面図である。
【図14】第2チャフシーブに代えてストローラックをシーブケースに取り付けた状態を示す一部破断側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1、図2に基づいて、普通型コンバインの全体構成について説明する。図1、図2は、コンバインの全体側面図、及び全体平面図を示す。図1、図2に示すように、左右一対のクローラ走行装置1を備えた走行機体2の上部に、軸流型の脱穀装置3及び作物回収部4が左右に並列して配備されており、作物回収部4の前方に運転部5が配備されている。
【0021】
脱穀装置3の前部には支点X周りに上下揺動自在に刈取り作物搬送用のフィーダ6が連結され、このフィーダ6の前端に略機体横幅に相当する刈幅を有する刈取り部7が連結されている。
【0022】
刈取り部7は、左右一対の分草フレーム8に亘って設けられたバリカン型の刈取装置9と、左右一対の分草フレーム8に亘って架設されたオーガ10とを備えて構成されており、刈取装置9により刈り取った作物をオーガ10によって左右中央部に横送りしてフィーダ6に供給できるように構成されている。オーガ10は、ドラム状のオーガ本体11の外周部に、掻込み爪12とスクリュー13とを備えて構成されている。
【0023】
フィーダ6には、掻き揚げコンベア14が内装されており、フィーダ6から供給された処理対象作物をフィーダ6の底面に沿って搬送して、脱穀装置3に供給できるように構成されている。
普通型コンバインで収穫される処理対象作物としては、稲麦、稗、粟、豆類、ごま、菜種など種々あるが、ここでは、菜種を収穫する処理対象作物としている。以下において収穫の目的とする菜種を穀粒と称し、茎、及び穀粒を包んでいた鞘を含めて茎部と称し、場合によっては鞘と茎部を分けていうことがある。
【0024】
走行機体2における主デッキ15の前部とフィーダ6の下部とに亘って油圧シリンダ16が配設されており、この油圧シリンダ16を伸縮することにより、刈取り部7及びフィーダ6を支点X周りに上下揺動駆動できる。
【0025】
刈取り部7の前部上方に、植立した作物を後方に掻き込んで引き上げる掻込みリール17が装備されている。左右の分草フレーム8の後端部に、支点Y周りに上下揺動自在な左右の支持アーム18が枢支連結されており、この支持アーム18の前部に掻込みリール17が支持ブラケット19を介して枢支連結されている。
【0026】
分草フレーム8と支持アーム18とに亘って油圧シリンダ20が配設されており、この油圧シリンダ20によって支持アーム18を上下揺動することで掻込みリール17の掻込み作用高さを変更することができるとともに、支持ブラケット19を支持アーム18に沿ってスライド調節して掻込み作用位置を前後に調節することができるように構成されている。
【0027】
図3に示すように、脱穀装置3は、その上部に形成した扱室21に、刈取った処理対象作物の搬送方向に沿って架設した前後向きの扱胴軸22回りに回転する扱胴23を配備し、その扱胴23の下方に、扱胴23の下部側を下方から覆う正面視U字状に形成された受網24を装備し、脱穀装置3の脱穀処理方向下手側端部となる受網24の後方に送塵口25を形成し、受網24の下方に選別部26を設けている。選別部26には、受網24の直ぐ下にシーブケース27を備えた揺動選別機構28を配置し、揺動選別機構28の前下方に唐箕29を配備し、揺動選別機構28の前部側下方に1番回収部30を形成し、揺動選別機構28の後部側下方に2番回収部31を形成し、揺動選別機構28の後方に排塵口32を形成し、扱胴23の上部側を上方から覆う天板33を備えている。
【0028】
扱室21は、扱胴23を覆う受網24や天板33などによって区画形成され、その前端下方部位に供給口34が形成され、その供給口34にフィーダ6の後端部が接続され、そのフィーダ6で搬送された刈取り処理対象作物の全体が脱穀処理物として供給口34から投入供給される。
【0029】
扱胴23は、その扱胴軸22が脱穀装置3の前壁35と後壁36とにわたって回転可能に架設され、唐箕29などを介して伝達されるエンジン(図示せず)からの動力で、扱胴軸22を支点にして正面視右回りに回転駆動されることで、扱室21に供給された処理対象作物に対して脱穀処理を施して、穀粒の単粒化を促しながら、脱穀処理物を脱穀処理方向下手側となる後方に向けて搬送する。
【0030】
受網24は、格子状に形成されたコンケーブ受網であり、扱室21に供給された処理対象作物の茎部を受け止め、脱穀処理で得られた単粒化穀粒や鞘付き穀粒、あるいは、脱穀処理で発生した鞘や茎部の処理屑を下方の揺動選別機構28に向けて漏下させる一方で、茎部の揺動選別機構28への漏下を防止する。受網24の目合いは稲の場合よりも小さくしてあり、稲を脱穀する場合は、稲用の受網と交換する。
【0031】
前記扱胴23は、その前端部に装備した円錐台状の掻込部37と、その掻込部37の後端に連接した扱き処理部38とを備えて構成されている。掻込部37の外周面には、扱胴23の回転作動時に、供給口34から供給された刈取穀稈を後方の扱き処理部38に向けて掻込み搬送する2枚の螺旋歯39が一体装備されている。
【0032】
扱き処理部38は、扱胴軸22の前部に連結されたプレートからなる前部支持部材40、扱胴23の前後中間部に配置された円環状状の中空プレートからなる中間支持部材41、扱胴軸22の後端部に連結されたプレートからなる後部支持部材42を備え、これらの支持部材40〜42によって、扱胴軸22に沿う前後向きの姿勢で、扱胴23の周方向に一定間隔を隔てて並ぶように支持された丸パイプ鋼材などからなる6本の扱胴フレーム43、及び、各扱胴フレーム43に、扱胴フレーム43から扱胴23の径方向外方に向けて突出する姿勢で、前後方向に所定間隔を隔てて並ぶように装備した複数の扱歯44などによって籠状に構成されている。
【0033】
つまり、扱胴23は、その外方に向けて突出する複数の扱歯44が、扱き処理部38の周方向と前後方向とに間隔を隔てて並ぶように整列配備され、又、扱き処理部38の内部空間Sが扱室21に連通して、その内部空間Sへの脱穀処理物の入り込みを許容するようになっている。
【0034】
図3に示すように、扱室21の後端の送塵口25から排出された大きい茎や鞘などの脱穀処理屑、及び、選別部26の後端から排出された脱穀屑類は、排塵口32の後部に配設された回転刃45と固定刃46を備えた細断装置としてのチョッパ47で細断処理するよう構成されている。
【0035】
前記シーブケース27は、その前部左右が選別部26における左右の側壁48の内面に固定された前下がり傾斜姿勢の案内レール49に左右のローラ50を介して前後移動可能に係止案内されるとともに、シーブケース27の後部が、左右の側壁間に亘って横架装着された偏芯回動機構51に脱着可能に連結されている。偏芯回動機構51が偏芯回動作動することで、シーブケース27の前部が斜め前後方向に直線的に往復移動するとともに、シーブケース27の後部が上下前後に循環回動作動し、載置した脱穀処理物の後方送り機能と篩い選別機能が発揮されるよう構成されている。
【0036】
前記案内レール49の後端から脱穀装置後部に亘って、前記ローラ50を載置して転動案内する挿抜用レール(図示せず)が連設されており、偏芯回動機構51との連結を解除したシーブケース27のローラ50を挿抜用レールで案内して後方に導き、シーブケース27を排塵口32から後方に抜き出すことができるようになっている。
【0037】
前記唐箕29は、ベルト式の伝動機構(図示せず)を介して伝達されるエンジン2からの動力で回転駆動されることで選別風を生起し、その選別風が、3つの風路R1〜R3を通って、受網24から漏下した選別処理物や、揺動選別機構28で選別される選別処理物などに向けて供給されることで、選別処理物に対して風力選別処理を施して、選別処理物から比重の小さい稈屑などを吹き分けて、脱穀処理方向下手側の排塵口32に向けて搬送する。
【0038】
図3に示すように、唐箕29からの選別風のうち、上段の風路R1を通る選別風は、シーブケース27に形成された風路R4を通って、扱胴23の中間支持部材41に向けて流動するようになっている。これによって、中間支持部材41によって脱穀処理方向下手側への流動が阻止される脱穀処理物を、扱胴23の周囲に向けて風力搬送することができ、結果、脱穀処理物が中間支持部材41の直前箇所で堆積して、脱穀処理に支障を来す虞を未然に回避することができる。
【0039】
前記1番回収部30で回収された1番物は横送りスクリュー53で搬送されて装置外に搬出された後、スクリューコンベアからなる揚送装置54によって穀粒回収部4に送り込まれ、回収された2番物は横送りスクリュー55で搬送されて装置外に搬出された後、スクリュー式の還元装置56で搬送されてシーブケース27の前部に還元供給されて再選別処理を受けるようになっている。
【0040】
シーブケース27の前部には受網24の前部から漏下した脱穀処理物及び還元された2番物を後方に揺動移送する波板状の前部グレンパン57、前部グレンパン57の終端に至った処理物をほぐす篩い線58、篩い線58の後端に至った処理物及び受網24の前後中間部位から漏下した脱穀処理物を後方に揺動移送しながら篩い選別する第1チャフシーブ59、篩い線58及び第1チャフシーブ59から漏下した選別処理物を篩い選別する精選別用のグレンパン60及びグレンシーブ61並びに第1チャフシーブ59の終端に至った選別処理物及び受網24から落下してきた脱穀処理物を後方に揺動移送しながら篩い選別して残った処理屑を排塵口32に送り出す第2チャフシーブ62等が装備されている。
【0041】
前部グレンパン57は、その揺動移送中に処理物をその比重差によって上下に層分けする、いわゆる比重差選別を行うものであり、比重の大きい菜種を下層に、茎や鞘の処理屑などの比重の小さい処理物を上層に分けて次の篩い線58に送り出すように構成されている。
【0042】
前部グレンパン57によって凡そ上下2層に仕分けられた処理物が篩い線58上に移動すると、下層の菜種(穀粒)は直ちに落下してグレンパン60及びグレンシーブ61に供給され、篩い線58から落下しなかった上層の処理屑及びこれに紛れ込んでいる穀粒が第1チャフシーブ59に受け渡されてゆく。
【0043】
第1チャフシーブ59の開度を調節する構造は以下のように構成されている。図3に示すように、第1チャフシーブ59は、前後方向に略水平に設けられており、多数の選別板63が所定間隔隔てて前後に並列配備して構成されている。
【0044】
図4、図5に示すように、選別板63は、操作具68に連結された前後方向中央の選別板63Aと、これ以外の前後の選別板63Bとからなる。中央の選別板63Aは、下端部に流下してきた選別処理物を受け止める補強を兼ねた折り曲げリブ63aを形成した板材63bと、板材63bの上端部に固設した丸棒からなる支軸67と、板材63bの下端部の左右に、挿脱自在な支軸を兼ねる操作軸65(操作部に相当)と、板材63bの左右に配置され、支軸67を固定するとともに前記操作軸65を回動自在に保持する保持板63cとで構成されている。
【0045】
図4、図6に示すように、前記前後の選別板63Bは、下端部に流下してきた選別処理物を受け止める補強を兼ねた折り曲げリブ63aを形成した板材63bと、板材63bの左右端部に配置したU字状の丸棒で形成した上の支軸67aと下の支軸65aと、これを保持する保持板63gとを備えている。前記支軸65a,67aは、板材63bと保持板63gとの間で固定されている。選別板63Bの上縁は略全幅に亘って波形に形成されており、上下中間部は略全幅に亘って前方に膨出させた補強用リブ63dを形成してある。折り曲げリブ63aの上面と補強用リブ63dの上端面63eは、選別処理物が選別板63Bを流下してきたときに、選別処理物を一旦受け止めて、揺動風選別を受けて、軽い鞘や茎葉が風選別されるので、補強材としての機能と選別精度を向上させる機能とを備えている。
【0046】
選別板63と支持枠64とチャフシーブ取付枠89とが、各支軸67,67aをチャフシーブ取付枠89に形成した孔に挿通して、支軸67aに割ピン90を止着してチャフシーブ取付枠89の抜け止めを施し、操作軸65及び支軸65aを支持枠64の孔に挿通して、支軸65aに割ピン91を止着して支持枠64の抜け止めを施して、第1チャフシーブ59を組み付けておく(以下、これを第1チャフユニットと略称する)。第1チャフユニットの左右幅はシーブケース27の左右側板27a,27a間の幅よりも短く、第1チャフユニットは左右側板27a,27a間に納まる寸法に形成されている。
【0047】
チャフシーブ取付枠89の複数箇所に、孔92を穿設し、図5、図7に示すようにチャフシーブ取付枠89の内側の前記孔92周りにナット93を固定してある。第1チャフユニットを左右側板27a,27aの間に位置させた状態で、ボルト95をシーブケース27の側板27aに形成した孔94に通して前記ナット93に螺合して第1チャフユニットをシーブケース27に固定する。
【0048】
シーブケース27に取り付けられた選別板63A、63Bは、支持枠64を前方又は後方に移動させると、これに連動して複数の選別板63A,63Bの角度が変更されるようになっている。つまり、支持枠64を前方に移動させると各選別板63A,63Bの角度がゆるくなって第1チャフシーブ59の開度が小さくなり、逆に、支持枠64を後方に移動させると各選別板63A,63Bの角度がきつくなって第1チャフシーブ59の開度が大きくなるのである。
【0049】
前記中央の選別板63Aは、第1チャフシーブ59の開度を変更する操作具68に連係されている。即ち、図7に示すように、操作具68には、前記支軸を兼ねる操作軸65が固定されている。操作軸65は、シーブケース27の左側板27aに形成された円弧状の長孔66を通して中央の選別板63Aの左下部に形成された穴63fに挿通されている。中央の選別板63Aの上端部の支軸67は、チャフシーブ取付枠89に支持されているだけで、支軸67は操作具68には取り付けられておらず、孔96と同心上に左側板27aに支持されている。即ち、シーブケース27の左側板27aに、孔96を穿設し、図5、図7に示すように左側板27aの内側の前記孔96周りに、軸心を支軸67の軸心aと一致または略一致させた状態でナット97を固定してある。操作軸65を穴63fに挿通した状態での操作軸65の軸心cと支軸67の軸心aとの間の距離に等しい又は略等しい距離だけ操作軸65の軸心cから上方に隔てた操作具68の上部の位置に孔98を穿設し、この孔98に鍔付きリング99を嵌合させ、リング孔100を通してボルト101をナット97に螺合して操作具68を取り付ける。操作具68の上部に設けた孔98は、これに嵌合する鍔付きリング99の外径よりも大きく形成してあり、これによって、操作軸65を選別板63Aの穴63fに挿通してナット97にボルト101を挿通したときの製作・取付誤差を許容するようにしてある。
【0050】
前記操作具68は、前記シーブケース27の左側板27aに複数(5つ)の操作位置に形成された円形の孔69の内側部分にナット69aを固定し、そのうちの一つに位置決め用固定部材としてのボルト70を螺合して固定することで位置保持可能に構成されており、操作具68を前方に揺動するほど、第1チャフシーブ59の開度が小さくなる方向に作動される。逆に、操作具68を後方に揺動するほど、第1チャフシーブ59の開度が大きくなる方向に作動される。
【0051】
前記操作具68は、幅広の矩形に形成され、中央の選別板63Aの左下端部に嵌合した操作軸65を貫通した円弧状の長孔66は、操作具68の全範囲の取付け位置の状態で、即ち、操作具68が5箇所の何れの位置に固定されても操作具68の板面で全体が閉塞されるように構成されている。つまり、操作具68は長孔66のカバー部材を兼ねている。
【0052】
図1、図5、図6に示すように、選別部26の左側壁48には、前記操作具68の外側部に対応する位置に開口71が形成されており、この開口71を着脱自在な開閉蓋72で閉塞されている。第1チャフシーブ59の開度を変更するときは、開閉蓋72を外して、操作具68を揺動操作してボルト止め固定する孔69の位置を変更することによって、第1チャフシーブ59の開度を変更する。
【0053】
前記第2チャフシーブ62は、次のように構成されている。図3に示すように、前記シーブケース27における2番回収部31の上方からシーブケース27の後端部に亘って第2チャフシーブ62が前部よりも後部が高い後上がりに設けられている。第2チャフシーブ62には複数の選別板73が所定ピッチで前後に並列配備されている。
【0054】
図9、図10に示すように、選別板73は、開口設定用の操作具75に連結された選別板73Aと、これ以外の前後の選別板73Bとからなる。選別板73Aは、下端部に流下してきた選別処理物を受け止める補強を兼ねた折り曲げリブ73aを形成した板材73bと、板材73bの上端部に固設した丸棒からなる支軸80と、板材73bの下端部の左右に、挿脱自在な支軸を兼ねる操作軸81(操作部に相当)と、板材73bの左右に配置され、支軸80を固定するとともに前記操作軸81を回動自在に保持する保持板73cとで構成されている。
【0055】
図9、図11に示すように、前記前後の選別板73Bは、下端部に流下してきた選別処理物を受け止める補強を兼ねた折り曲げリブ73aを形成した板材73bと、板材73bの左右端部に配置したU字状の丸棒で形成した上の支軸80aと下の支軸81aと、これを保持する保持板73gとを備えている。前記支軸80a,81aは、板材63bと保持板73gとの間で固定されている。選別板73Bの上縁は略全幅に亘って波形に形成されており、上下中間部は略全幅に亘って前方に膨出させた補強用リブ73dを形成してある。折り曲げリブ73aの上面と補強用リブ73dの上端面73eは、選別処理物が選別板73Bを流下してきたときに、選別処理物を一旦受け止めて、揺動風選別を受けて、軽い鞘や茎葉が風選別されるので、補強材としての機能と選別精度を向上させる機能とを備えている。
【0056】
選別板73と支持枠74とチャフシーブ取付枠86とが、各支軸80,80aをチャフシーブ取付枠86に形成した孔に挿通して、支軸80aに割ピン90aを止着してチャフシーブ取付枠86の抜け止めを施し、操作軸81及び支軸81aを支持枠74の孔に挿通して、支軸81aに割ピン91aを止着して支持枠74の抜け止めを施して、第2チャフシーブ62を組み付けておく(以下、これを第2チャフユニットと略称する)。第2チャフユニットの左右幅はシーブケース27の左右側板27a,27a間の幅よりも短く、第2チャフユニットは左右側板27a,27a間に納まる寸法に形成されている。
【0057】
チャフシーブ取付枠86の複数箇所に、孔92aを穿設し、図10、図12に示すようにチャフシーブ取付枠86の内側の前記孔92a周りにナット93aを固定してある。第2チャフユニットを左右側板27a,27aの間に位置させた状態で、ボルト87をシーブケース27の側板27aに形成した孔94aに通して前記ナット93aに螺合して第2チャフユニットをシーブケース27に固定する。
【0058】
シーブケース27に取り付けられた選別板73A、73Bは、支持枠74の前方又は後方に移動させると、これに連動して複数の選別板73A,73Bの角度が変更されるようになっている。つまり、支持枠74を前方に移動させると各選別板73A,73Bの角度がゆるくなって第2チャフシーブ62の開度が小さくなり、逆に、支持枠74を後方に移動させると各選別板73A,73Bの角度がきつくなって第2チャフシーブ62の開度が大きくなるのである。
【0059】
前記中央の選別板73Aは、第2チャフシーブ62の開度を変更する操作具75に連係されている。即ち、図12に示すように、操作具75には、前記支軸を兼ねる操作軸81が固定されている。操作軸81は、シーブケース27の左側板27aに形成された円弧状の長孔82に通して中央の選別板73Aの左下部に形成された穴73fに挿通されている。中央の選別板73Aの上端部の支軸80は、チャフシーブ取付枠86に支持されているだけで、支軸80は操作具75には取り付けられておらず、孔96aと同心上に左側板27aに支持されている。即ち、シーブケース27の左側板27aに、孔96aを穿設し、図10、図12に示すように左側板27aの内側の前記孔96a周りに、軸心を支軸80の軸心bと一致または略一致させた状態でナット97aを固定してある。操作軸81を穴73fに挿通した状態での操作軸81の軸心dと支軸67の軸心bとの間の距離に等しい又は略等しい距離だけ操作軸81の軸心dから上方に隔てた操作具75の上部の位置に孔98aを穿設し、この孔98aに鍔付きリング99aを嵌合させ、リング孔100aを通してボルト101aをナット97aに螺合して操作具75を取り付ける。操作具75の上部に設けた孔98aは、これに嵌合する鍔付きリング99aの外径よりも大きく形成してあり、これによって、操作軸81を選別板73Aの穴73fに挿通してナット97aにボルト101aを挿通したときの製作・取付誤差を許容するようにしてある。
【0060】
複数の選別板73の上端部の支軸80,80aは、それぞれ左右のチャフシーブ取付枠86に枢着し、選別板73の下端部の操作軸81は支持枠74に接続されて第2チャフシーブ62をユニット化してあり、左右のチャフシーブ取付枠86をシーブケース27の左右の側板27aにボルト87で固定することにより、支軸80,80aをチャフシーブ取付枠86を介してシーブケース27の側板27aに取付けてある。
【0061】
シーブケース27の後部の左右の側板27aの下端には、第2チャフシーブ62で選別された2番物を2番回収部に流下させるための底板76が備えられている。シーブケース27の左側の側板27aの後部下側に、側板27aに沿う状態で断面逆L字状の操作具固定用板77が前記底板76に固定されている。操作具固定用板77には、開度設定用の操作具75を15度ピッチでボルト78により固定するためのナット79が、ボルト挿通用の3つの孔79aの内側にそれぞれ固設されている。操作具75の遊端部には前記ボルト78を通して操作具75を位置決め固定するための係合孔83が形成されている。操作具75を前方に操作すると、第2チャフシーブ62の開度が小さくなる方向に変更され、逆に、操作具75を後方に操作すると、第2チャフシーブ62の開度が大きくなる方向に変更される。
【0062】
中央の選別板73Aの左下端部に嵌合した操作軸81を貫通した円弧状の長孔82は、操作具75の全範囲の取付け位置の状態で、即ち、操作具75が3箇所の何れの位置に固定されても操作具75の板面で全体が閉塞されるように構成されている。つまり、操作具75は長孔82のカバー部材を兼ねている。
【0063】
前記開度設定用の操作具75は、遊端側を脱穀装置3の後端に位置する排塵口32に向けて斜め下方に延出してあり、脱穀装置3の左側の外壁側で、排塵口32から手の届く排塵口32近くに位置する。操作具75の操作は脱穀装置3の排塵口32の後方左側部より操作する。
【0064】
前記チョッパ47は、脱穀装置3の後壁36との間に設けた縦軸の縦軸心Q周りに機体左右横外側を揺動させて排塵口32を開放できるように取付けてあり、チョッパ47を閉じた状態で図示しない固定金具で固定するように構成してある。
【0065】
前記第2チャフシーブ62は、チョッパ47の固定金具を外し、チョッパ47を縦軸心Q周りで開いて排塵口32を開放した状態で、作業者が排塵口32から操作具75を固定するボルト78を外して操作具75の操作し、前記ボルト78を他のナット79と螺合させることで開度変更される。
第2チャフシーブ62を取外すときは、チョッパ47を大きく開放して、偏芯回動機構51の連結を外して、シーブケース27を後方に引き出してから、ボルト87を外すと取外すことができる。そして、目合いの異なるチャフシーブやストローラックと付け替えることで、異なる種類の収穫物の収穫に対処することができる。
【0066】
尚、第1チャフシーブ59及び第2チャフシーブ62の複数の選別板63,73の上端部の支軸67,80と、操作軸65,81をそれぞれ左右のチャフシーブ取付枠89と支持枠64、及びチャフシーブ取付枠86と支持枠74に枢着して第1チャフシーブ59及び第2チャフシーブ62をそれぞれユニット化し、左右のチャフシーブ取付枠89,86をシーブケース27の左右の側板27aにボルト95,87により、支軸67,80をチャフシーブ取付枠89,86を介してシーブケース27の側板27aに着脱自在に取付けてある。
【0067】
又、シーブケース27の左右の側板27aの上端部には、シーブケース27の側板27aと選別部26の側板48との間から処理物が落下するのを防止するために、ゴム製のハンプ102をボルト103で止着してある。ハンプ102を取り付ける後端のボルト103は、第2チャフシーブ62のチャフシーブ取付枠86の取付用の後端のボルト87を兼ねている。
【0068】
〔別実施の形態〕
(1)上記実施の形態では、第1チャフシーブ59、第2チャフシーブ62の選別板63,73の上端部の横軸心a,b周りに下端部を揺動させるようにしてあるが、横軸心a,bと支持枠64,74を上下逆にして、複数の選別板63,73の下端部の横軸心周りに揺動自在に支持され、複数の選別板63,73の上端部が前後に長い支持枠64,74に接続され、支持枠64,74の前後移動に連動して複数の選別板63,73の角度が変更されて第1チャフシーブ59又は第2チャフシーブ62の開度が設定されるように構成してもよい。
【0069】
(2)上記実施の形態及び前記(1)に記載のものにおいて、操作具68,75をシーブケース27の側板27aに固定する位置決め用固定部材(ナット69a,79)を、選別板63,73の上側に設けてもよい。
【0070】
(3)第1チャフシーブ59と第2チャフシーブ62の操作軸65,81を、選別板63,73を操作する位置とは別の位置、例えば、支持枠64,74の前端部又は後端部に設けてもよい。
【0071】
(4)上記実施の形態では、選別板63,73全体を角度変更可能に第1チャフシーブ59と第2チャフシーブ62を設けて、選別板63又は73全体を着脱自在に取付けられるように構成してあるが、選別板63,73の一部をシーブケース27に開度変更不能に固定したものでもよい。
【0072】
(5)上記実施の形態は、第1チャフシーブ59と第2チャフシーブ62を、シーブケース27に対してユニット化して取り付けるように構成してあるが、第1及び第2チャフシーブ59,62は、収穫する作物の種類によっては、仕様の異なるチャフシーブと交換することができる。又、第2チャフシーブ62については、稲麦を収穫する場合には、第2チャフシーブ62に代えて、図14に示すように、ストローラック104に交換可能に構成してもよい。ストローラック104は、シーブケース27の全幅に亘る基板105に左右方向に複数のラック板106を並設して、ブラケット107を介して左右の側板27aにボルト87で固定して取り付ける。左右のボルト87を外すことで、ストローラック104を取り外すことができる。
【0073】
(6)第1チャフシーブ59と第2チャフシーブ62とを一体にした一つのチャフシーブで構成してもよい。この場合、一部固定の選別板を備えていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明は、菜種だけでなく、ゴマや豆類を収穫するコンバインの脱穀装置に適用することもできる。
【符号の説明】
【0075】
3 脱穀装置
21 扱室
26 選別部
27 シーブケース
27a 側板
59 チャフシーブ(第1チャフシーブ)
62 チャフシーブ(第2チャフシーブ)
63,73 選別板
64,74 支持枠
65,81 操作部(操作軸)
66,82 孔(長孔)
68,75 操作具
70,78 位置決め用固定部材(ボルト)
86,89 チャフシーブ取付枠
101,101a 取付部材(ボルト)
a,b 横軸心

【特許請求の範囲】
【請求項1】
脱穀装置の扱室の下方に位置する選別部に、脱穀処理物を選別するチャフシーブを備えたシーブケースを前後揺動自在に設けるとともに、
前記チャフシーブを、複数の選別板と、前記複数の選別板を所定間隔で前後に並列配備した状態で、前記各選別板を横軸心周りに回動自在に取り付けた左右一対のチャフシーブ取付枠と、前記各選別板に亘って回動自在に取り付けた左右一対の支持枠とを備えて構成し、
前記左右一対のチャフシーブ取付枠を前記シーブケースの左右の側板に固定するとともに、前記支持枠を前記シーブケースに対して前後に移動させることによって前記複数の選別板の角度が変更されて前記チャフシーブの開度が変更されるように構成してあるコンバインにおけるチャフシーブ構造において、
前記複数の選別板と前記左右一対のチャフシーブ取付枠と前記左右一対の支持枠とからなる前記チャフシーブの左右幅を、前記シーブケースの左右の側板内に納まる寸法に形成し、前記左右一対のチャフシーブ取付枠を前記シーブケースの左右の側板に対して取り付け可能に構成し、
前記シーブケースの左右一方の側板に操作具を前記横軸心と平行な軸心周りに回動可能に取り付ける取付部材を設け、前記操作具に前記支持枠を操作する操作部を取り付け、前記シーブケースの前記左右一方の側板に前記操作部の位置変更を許容する孔を形成し、前記操作部を前記シーブケースの外方から前記孔を通して前記支持枠又は前記選別板に係合させるとともに、前記操作具を前記取付部材を介して前記シーブケースの左右一方の側板に取り付けてあることを特徴とするコンバインにおけるチャフシーブ構造。
【請求項2】
前記操作具を、前記シーブケースの側板に位置決め用固定部材を介して位置変更可能に固定することにより、前記支持枠が固定されて前記チャフシーブの開度が設定されるように構成してある請求項1記載のコンバインにおけるチャフシーブ構造。
【請求項3】
前記操作部を、前記選別板を前記支持枠に回動自在に取り付けるための支軸の一つに兼用してある請求項1または2記載のコンバインにおけるチャフシーブ構造。
【請求項4】
前記選別板の下部の一側に前記操作部を保持する穴を形成し、前記操作部を、前記シーブケースの側板の外側から、前記側板に形成した前記孔を介して、前記支持枠と前記穴とに挿通するとともに、前記操作具を前記取付部材と位置決め用固定部材により前記シーブケースの側板に固定してある請求項3記載のコンバインにおけるチャフシーブ構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−252720(P2010−252720A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−108208(P2009−108208)
【出願日】平成21年4月27日(2009.4.27)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】