コンバインのエンジン冷却装置
【課題】運転部の刈取部側の横側部にこもる熱気が運転席の周辺に及ぶことを防ぎ、居住性の向上を図る。
【解決手段】運転部(8)の運転席(5)下方に搭載されたエンジン(E)より前方側で運転部(8)の刈取部(4)側の横側部において滞留する熱気をラジエータ冷却ファン(18)内に吸引させるべく誘導案内する導風板(19)をエンジン(E)と前側のエンジンカバー(11)との間に設けて導風経路(D)を構成する。また、導風板(19)には、該導風板(19)とエンジン(E)との間を外側から内側方に向けて流通するラジエータ冷却ファン(18)からの冷却風をエンジン(E)通過後より後方に向けて案内するガイド板(21)を設ける。
【解決手段】運転部(8)の運転席(5)下方に搭載されたエンジン(E)より前方側で運転部(8)の刈取部(4)側の横側部において滞留する熱気をラジエータ冷却ファン(18)内に吸引させるべく誘導案内する導風板(19)をエンジン(E)と前側のエンジンカバー(11)との間に設けて導風経路(D)を構成する。また、導風板(19)には、該導風板(19)とエンジン(E)との間を外側から内側方に向けて流通するラジエータ冷却ファン(18)からの冷却風をエンジン(E)通過後より後方に向けて案内するガイド板(21)を設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コンバインのエンジン冷却装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ラジエータよりも機体前側に位置する前側吸気口と、機体後側に位置する後側吸気口とからの冷却風をラジエータの吸気部の前方で合流させてこの吸気部に供給する吸気ダクトを備えて、両吸気口からの冷却風がラジエータにスムースに供給されるようにしたエンジン部構造が開示されている。
【特許文献1】特開2000−335259号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来、運転部の刈取部側横側部には、運転席下方に設置されたエンジンからの熱気がこもり易く、その熱気が運転席側にも伝わり居住性の悪化を招く問題があった。
本発明の課題は、運転部横側の熱気をラジエータ冷却ファン内に吸引させることによって解決を図る。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この発明は、上記課題を解決すべく次のような技術的手段を講じた。
すなわち、請求項1記載の発明は、運転部(8)の運転席(5)下方に搭載されたエンジン(E)より前方側で運転部(8)の刈取部(4)側の横側部において滞留する熱気をラジエータ冷却ファン(18)内に吸引させるべく誘導案内する導風板(19)を前記エンジン(E)と前側のエンジンカバー(11)との間に設けて導風経路(D)を構成したことを特徴とするコンバインのエンジン冷却装置とする。
【0005】
運転部(8)の横側部に滞留する熱気は、前側のエンジンカバー(11)と導風板(19)との間の導風経路(D)に沿って外側のラジエータ冷却ファン(18)側に向けて誘導案内され、ラジエータ冷却ファン(18)によって前側吸気口(20)より吸い込まれる。そして、外側吸気口(15)より吸入されラジエータ(17)を通過した冷却風は、前側吸気口より吸入された熱気と合流し、導風板(19)とエンジン(E)との間の経路に沿って外側方から内側方に向けて流通され、エンジン(E)に吹きさらされて冷却される。
【0006】
請求項2記載の発明は、前記導風板(19)には、該導風板(19)とエンジン(E)との間を外側から内側方に向けて流通するラジエータ冷却ファン(18)からの冷却風をエンジン(E)通過後より後方に向けて案内するガイド板(21)を設けたことを特徴とする請求項1記載のコンバインのエンジン冷却装置とする。
【0007】
エンジン通過後の熱風は、導風板(19)とエンジン(E)間の経路を経た後、ガイド板(21)により後方に向けて変向案内されることになり、前方への吹き返しがなくなる。
【発明の効果】
【0008】
請求項1記載の発明によれば、運転部(8)の刈取部(4)側の横側部にこもる熱気がラジエータ冷却ファン(18)内に吸引されるので、熱気が運転席(5)の周辺に及ぶことがなく、居住性の向上を図ることができる。
【0009】
請求項2記載の発明によれば、エンジン(E)通過後の熱風がガイド板(21)によって後方に変向案内されるので、前方への吹き返しがなくなり、運転部(8)での居住性をより高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
この発明の実施例を図面に基づき説明する。
図1及び図2は、コンバインを示すもので、下部に走行クローラ2を備えた走行車体1上には、後部に脱穀部(脱穀装置)3を搭載し、その前方部に刈取部4を設置し,刈取部4の横側部には運転席5、ステップフロア6や操作ボックス7等からなる運転部8を備え、更に、その運転部の後方には脱穀粒を一時的に貯留するグレンタンクGを装備している。
【0011】
走行クローラ2は、エンジンEから動力伝達されるミッションケース9内の走行伝動装置及びHST(油圧式無段変速装置)10を介して前後進走行するようになっている。
運転席5下方の機台上にはエンジンEが搭載されており、前後のエンジンカバー11,12及び横外側部のラジエータカバー13によって囲繞構成されたエンジンルーム14内に収容されている。ラジエータカバー13の外側(右側)横側部に横側吸気口15が開口されており、外気がエンジンルーム14内に附設されたオイルクーラ16、ラジエータ17を通じてラジエータ冷却ファン18内へ吸い込まれるようになっている。
【0012】
前記エンジンEと前側エンジンカバー11との間には、刈取部2側の熱気を冷却ファン内に吸引すべく誘導案内する導風板19が設けられている。導風板19とラジエータ17との間には前側吸気口20が設けられていて、上記熱気が前側のエンジンカバーと導風板との間の導風経路Dに沿って(矢示の如く)外側のラジエータ冷却ファン18側に向けて誘導案内され、該ラジエータ冷却ファン18の吸引作用によって前側吸気口20より吸い込まれるようになっている。導風板19の内端側には、該導風板19とエンジン間の流通経路Cに沿って外側から横内側方に向けて流通するラジエータ冷却ファン18からの冷却風をエンジンE通過位置から後方に向けて案内するガイド板21が傾斜状に設けられている。ラジエータ冷却ファン18の回転駆動により、横側吸気口15からの外気及び前側吸気口20からの熱気がエンジンルーム14内に導入され、導風板19とエンジンE間の流通経路Cに沿って矢示の如く流通されると共に、エンジンE通過後はガイド板21によって方向変換され後方に向けて排風される。なお、前記ガイド板21は、導風板19と連続状に一体構成するものであっても良い。
【0013】
また、エンジン前側のエンジンカバー11には、ステップフロア6上に浮遊する熱気を吸い込むことができる吸気孔22が設けられ、前側エンジンカバー11と前記導風経路Dを中間で仕切る仕切板23との間の吸入経路Kを経てラジエータ17の前面側からラジエータ冷却ファン18内に吸引できるよう構成されている。
【0014】
次に図3及び図4に示す実施例について説明すると、2番処理物を2番還元装置26によって揺動選別棚27上に返すようにした構成の脱穀部において、2番処理物を扱胴室28からの漏下処理物と混在しないように仕切案内板29を設け、扱胴室側から下方の揺動選別棚上に向けて垂下させた構成としている。これにより、揺動選別負荷が軽減され、選別性能も向上する。なお、この仕切案内板29は、図例のように、外側向きに湾曲状に形成しておくと、2番処理物がその湾曲面に沿って落下し易くなり、水分を含んだ処理物でも詰まることがない。
【0015】
また、前記扱胴室側からの仕切案内板に加えて、揺動選別棚上にも仕切体30を設けることによって2番処理物と脱穀処理物とを区分けした状態で選別でき、選別性能が一層向上するものとなった。
【0016】
グレンタンクGは、上下に分割された構成になっており、上部G1は樹脂材で構成され、下部G2は鉄板で構成されている。図5に示すように、グレンタンクの下部G2には、L字型のステー31を取り付けてあり、そして、このステー31にラジエータカバー13を外側から当てることによりグレンタンクを位置決め固定するように構成している。また、ステー31には丸棒状の取手32が設けられている。
【0017】
図6に示す実施例は、あらゆる方向に回動自在な球状のクリックボール部分の操作でコンバイン各部の制御を可能とする操作装置に関する。図例(図6)では、操作装置34に備えたクリックボール35の各部を押すと、機体の左右旋回(操向)及び刈取部の上下の昇降制御を行うように構成している。例えば、クリックボール35の左側部分を押して回動操作すると、機体が左側に旋回(操向)するよう左側ロック旋回(旋回側の走行クローラにブレーキをかけて左旋回)とし、右側部分を押して回動操作すると、機体が右側に旋回するよう右側ロック旋回とする。また、クリックボールの前側部分を押して回動操作すると、刈取部が下降し、後側部分を押して回動操作すると、刈取部が上昇するように制御する構成としている。なお、クリックボールを時計方向に回すと軽く右旋回し、反時計方向に回すと軽く左旋回するように構成することもできる。
【0018】
図7に示す実施例では、クリックボール35の左側部分を押して回動操作すると、グレンタンク内の穀粒を排出する排出オーガ33が左旋回し、右側部分を押して回動操作すると、排出オーガが右旋回し、また、クリックボールの前側部分を押して回動操作すると、排出オーガが収納位置から作業状態への張出位置まで移動し、後側部分を押して回動操作すると、排出オーガが張出位置から機体側収納位置まで自動収納されるように構成している。また、クリックボールの中央部分を押すと、籾排出クラッチ「ON」、中央部分をもう一度押すと、籾排出クラッチ「OFF」となるよう構成している。
【0019】
また、図8に示す実施例では、操作装置のクリックボール部分を操作することで車体水平制御の操作ができるように構成している。つまり、クリックボール35の左側部分を押すと車体左傾きスイッチが作動し、右側部分を押すと車体右傾きスイッチが作動し、また、クリックボールの前側部分を押すと車高下げスイッチが作動し、後側部分を押すと車高上げスイッチが作動するように構成している。更に、クリックボールの中央部分を押すと、車体水平の自動が「ON」、中央部分をもう一度押すと、車体水平の自動が「OFF」となるよう操作可能に構成している。
【0020】
前記図6〜図8において、操作装置34のモニタ36部分にコンバインの情報が表示できるように構成し、操作装置上に設けた切換スイッチS1,S2,S3によってクラッチボール35の操作ができ、且つ、モニタに表示できる項目(レンジ)の切り換えができるように構成している。つまり、切換スイッチS1を押すと、例えば、図6に示す機体左右旋回及び刈取上下の操作項目に切り換り、切換スイッチS2を押すと、図7に示す排出オーガの旋回操作項目に切り換り、また、切換スイッチS3を押すと、図8に示す車体水平の操作項目に切り換るように構成することができる。
【0021】
図9に示すように、コンバインの操作ボックス7上に設置されたメイン操作装置34Aと、遠隔操作が可能な携帯用サブ操作装置34Bとの2個の操作装置でコンバインの操作ができるものにおいて、メインとサブの操作装置が同じ操作レンジにした場合、先にそのレンジに切り換えた方を優先するように構成している。これによると、先にそのレンジに切り換えて既に操作している場合はメインとサブに拘らずそのまま連続操作ができて安全である。また、上記構成において、先に切り換えたレンジを優先するものの、切換スイッチS1のレンジ(機体左右旋回と刈取上下の操作)のみは、メインの操作装置34Aを優先させておくことが望ましい。特に、旋回操作は、安全作業のために、いづれの場合においてもメインが優先とすることで安全に作業が行える。
【0022】
なお、メイン操作装置34Aは、操作ボックス7に対して着脱自在とし、これを取り外して持ち運び遠隔操作ができるように構成しておくと便利である。この場合、操作装置を操作ボックスのパネル部に嵌め込むとパネル部のワイドなモニタ37に情報が表示され、操作装置を取り外すと操作装置のモニタ36に情報が表示されるようにしておくと良い。
図10に示す実施例は、給油口がタンク本体の側面に接続している構成の燃料タンクにおいて、燃料タンク40の上面から上方に向けて配管したエア抜きホース41を途中から水平方向に配管して所定長さの水平部Zをもたせた構成としている。42は給油パイプ、43はエンジンへの送りホース、44は戻りホースである。給油口がタンク本体の側面に接続していると、給油中に満タン近くで燃料タンク中のエアがエア抜きホースを通って抜けるようになる。軽油は泡が立ちやすく、スタンドの給油ガンで給油すると泡がエア抜きホースの中に入ってきて先端から出てくることがある。上記構成によると、エア抜きホースの水平部で軽油の泡が消えて先端から出てこなくなる。
【0023】
また、図11の実施例で示すように、エア抜きホースの41の途中部にエア溜り機能を持ったチャンバー45を設けることによってエア溜り部で軽油の泡が消えて先端からの排出が解消される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】コンバインの側面図
【図2】コンバインの平面図
【図3】脱穀部の要部の正断面図
【図4】同上要部の側面図
【図5】グレンタンクの要部の平面図
【図6】操作装置の平面図
【図7】操作装置の平面図
【図8】操作装置の平面図
【図9】乗用運転操作部の平面図
【図10】燃料タンクの側面図
【図11】燃料タンクの側面図
【符号の説明】
【0025】
4 刈取部
5 運転席
8 運転部
11 エンジンカバー
17 ラジエータ
18 ラジエータ冷却ファン
19 導風板
21 ガイド板
D 導風経路
E エンジン
【技術分野】
【0001】
この発明は、コンバインのエンジン冷却装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ラジエータよりも機体前側に位置する前側吸気口と、機体後側に位置する後側吸気口とからの冷却風をラジエータの吸気部の前方で合流させてこの吸気部に供給する吸気ダクトを備えて、両吸気口からの冷却風がラジエータにスムースに供給されるようにしたエンジン部構造が開示されている。
【特許文献1】特開2000−335259号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来、運転部の刈取部側横側部には、運転席下方に設置されたエンジンからの熱気がこもり易く、その熱気が運転席側にも伝わり居住性の悪化を招く問題があった。
本発明の課題は、運転部横側の熱気をラジエータ冷却ファン内に吸引させることによって解決を図る。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この発明は、上記課題を解決すべく次のような技術的手段を講じた。
すなわち、請求項1記載の発明は、運転部(8)の運転席(5)下方に搭載されたエンジン(E)より前方側で運転部(8)の刈取部(4)側の横側部において滞留する熱気をラジエータ冷却ファン(18)内に吸引させるべく誘導案内する導風板(19)を前記エンジン(E)と前側のエンジンカバー(11)との間に設けて導風経路(D)を構成したことを特徴とするコンバインのエンジン冷却装置とする。
【0005】
運転部(8)の横側部に滞留する熱気は、前側のエンジンカバー(11)と導風板(19)との間の導風経路(D)に沿って外側のラジエータ冷却ファン(18)側に向けて誘導案内され、ラジエータ冷却ファン(18)によって前側吸気口(20)より吸い込まれる。そして、外側吸気口(15)より吸入されラジエータ(17)を通過した冷却風は、前側吸気口より吸入された熱気と合流し、導風板(19)とエンジン(E)との間の経路に沿って外側方から内側方に向けて流通され、エンジン(E)に吹きさらされて冷却される。
【0006】
請求項2記載の発明は、前記導風板(19)には、該導風板(19)とエンジン(E)との間を外側から内側方に向けて流通するラジエータ冷却ファン(18)からの冷却風をエンジン(E)通過後より後方に向けて案内するガイド板(21)を設けたことを特徴とする請求項1記載のコンバインのエンジン冷却装置とする。
【0007】
エンジン通過後の熱風は、導風板(19)とエンジン(E)間の経路を経た後、ガイド板(21)により後方に向けて変向案内されることになり、前方への吹き返しがなくなる。
【発明の効果】
【0008】
請求項1記載の発明によれば、運転部(8)の刈取部(4)側の横側部にこもる熱気がラジエータ冷却ファン(18)内に吸引されるので、熱気が運転席(5)の周辺に及ぶことがなく、居住性の向上を図ることができる。
【0009】
請求項2記載の発明によれば、エンジン(E)通過後の熱風がガイド板(21)によって後方に変向案内されるので、前方への吹き返しがなくなり、運転部(8)での居住性をより高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
この発明の実施例を図面に基づき説明する。
図1及び図2は、コンバインを示すもので、下部に走行クローラ2を備えた走行車体1上には、後部に脱穀部(脱穀装置)3を搭載し、その前方部に刈取部4を設置し,刈取部4の横側部には運転席5、ステップフロア6や操作ボックス7等からなる運転部8を備え、更に、その運転部の後方には脱穀粒を一時的に貯留するグレンタンクGを装備している。
【0011】
走行クローラ2は、エンジンEから動力伝達されるミッションケース9内の走行伝動装置及びHST(油圧式無段変速装置)10を介して前後進走行するようになっている。
運転席5下方の機台上にはエンジンEが搭載されており、前後のエンジンカバー11,12及び横外側部のラジエータカバー13によって囲繞構成されたエンジンルーム14内に収容されている。ラジエータカバー13の外側(右側)横側部に横側吸気口15が開口されており、外気がエンジンルーム14内に附設されたオイルクーラ16、ラジエータ17を通じてラジエータ冷却ファン18内へ吸い込まれるようになっている。
【0012】
前記エンジンEと前側エンジンカバー11との間には、刈取部2側の熱気を冷却ファン内に吸引すべく誘導案内する導風板19が設けられている。導風板19とラジエータ17との間には前側吸気口20が設けられていて、上記熱気が前側のエンジンカバーと導風板との間の導風経路Dに沿って(矢示の如く)外側のラジエータ冷却ファン18側に向けて誘導案内され、該ラジエータ冷却ファン18の吸引作用によって前側吸気口20より吸い込まれるようになっている。導風板19の内端側には、該導風板19とエンジン間の流通経路Cに沿って外側から横内側方に向けて流通するラジエータ冷却ファン18からの冷却風をエンジンE通過位置から後方に向けて案内するガイド板21が傾斜状に設けられている。ラジエータ冷却ファン18の回転駆動により、横側吸気口15からの外気及び前側吸気口20からの熱気がエンジンルーム14内に導入され、導風板19とエンジンE間の流通経路Cに沿って矢示の如く流通されると共に、エンジンE通過後はガイド板21によって方向変換され後方に向けて排風される。なお、前記ガイド板21は、導風板19と連続状に一体構成するものであっても良い。
【0013】
また、エンジン前側のエンジンカバー11には、ステップフロア6上に浮遊する熱気を吸い込むことができる吸気孔22が設けられ、前側エンジンカバー11と前記導風経路Dを中間で仕切る仕切板23との間の吸入経路Kを経てラジエータ17の前面側からラジエータ冷却ファン18内に吸引できるよう構成されている。
【0014】
次に図3及び図4に示す実施例について説明すると、2番処理物を2番還元装置26によって揺動選別棚27上に返すようにした構成の脱穀部において、2番処理物を扱胴室28からの漏下処理物と混在しないように仕切案内板29を設け、扱胴室側から下方の揺動選別棚上に向けて垂下させた構成としている。これにより、揺動選別負荷が軽減され、選別性能も向上する。なお、この仕切案内板29は、図例のように、外側向きに湾曲状に形成しておくと、2番処理物がその湾曲面に沿って落下し易くなり、水分を含んだ処理物でも詰まることがない。
【0015】
また、前記扱胴室側からの仕切案内板に加えて、揺動選別棚上にも仕切体30を設けることによって2番処理物と脱穀処理物とを区分けした状態で選別でき、選別性能が一層向上するものとなった。
【0016】
グレンタンクGは、上下に分割された構成になっており、上部G1は樹脂材で構成され、下部G2は鉄板で構成されている。図5に示すように、グレンタンクの下部G2には、L字型のステー31を取り付けてあり、そして、このステー31にラジエータカバー13を外側から当てることによりグレンタンクを位置決め固定するように構成している。また、ステー31には丸棒状の取手32が設けられている。
【0017】
図6に示す実施例は、あらゆる方向に回動自在な球状のクリックボール部分の操作でコンバイン各部の制御を可能とする操作装置に関する。図例(図6)では、操作装置34に備えたクリックボール35の各部を押すと、機体の左右旋回(操向)及び刈取部の上下の昇降制御を行うように構成している。例えば、クリックボール35の左側部分を押して回動操作すると、機体が左側に旋回(操向)するよう左側ロック旋回(旋回側の走行クローラにブレーキをかけて左旋回)とし、右側部分を押して回動操作すると、機体が右側に旋回するよう右側ロック旋回とする。また、クリックボールの前側部分を押して回動操作すると、刈取部が下降し、後側部分を押して回動操作すると、刈取部が上昇するように制御する構成としている。なお、クリックボールを時計方向に回すと軽く右旋回し、反時計方向に回すと軽く左旋回するように構成することもできる。
【0018】
図7に示す実施例では、クリックボール35の左側部分を押して回動操作すると、グレンタンク内の穀粒を排出する排出オーガ33が左旋回し、右側部分を押して回動操作すると、排出オーガが右旋回し、また、クリックボールの前側部分を押して回動操作すると、排出オーガが収納位置から作業状態への張出位置まで移動し、後側部分を押して回動操作すると、排出オーガが張出位置から機体側収納位置まで自動収納されるように構成している。また、クリックボールの中央部分を押すと、籾排出クラッチ「ON」、中央部分をもう一度押すと、籾排出クラッチ「OFF」となるよう構成している。
【0019】
また、図8に示す実施例では、操作装置のクリックボール部分を操作することで車体水平制御の操作ができるように構成している。つまり、クリックボール35の左側部分を押すと車体左傾きスイッチが作動し、右側部分を押すと車体右傾きスイッチが作動し、また、クリックボールの前側部分を押すと車高下げスイッチが作動し、後側部分を押すと車高上げスイッチが作動するように構成している。更に、クリックボールの中央部分を押すと、車体水平の自動が「ON」、中央部分をもう一度押すと、車体水平の自動が「OFF」となるよう操作可能に構成している。
【0020】
前記図6〜図8において、操作装置34のモニタ36部分にコンバインの情報が表示できるように構成し、操作装置上に設けた切換スイッチS1,S2,S3によってクラッチボール35の操作ができ、且つ、モニタに表示できる項目(レンジ)の切り換えができるように構成している。つまり、切換スイッチS1を押すと、例えば、図6に示す機体左右旋回及び刈取上下の操作項目に切り換り、切換スイッチS2を押すと、図7に示す排出オーガの旋回操作項目に切り換り、また、切換スイッチS3を押すと、図8に示す車体水平の操作項目に切り換るように構成することができる。
【0021】
図9に示すように、コンバインの操作ボックス7上に設置されたメイン操作装置34Aと、遠隔操作が可能な携帯用サブ操作装置34Bとの2個の操作装置でコンバインの操作ができるものにおいて、メインとサブの操作装置が同じ操作レンジにした場合、先にそのレンジに切り換えた方を優先するように構成している。これによると、先にそのレンジに切り換えて既に操作している場合はメインとサブに拘らずそのまま連続操作ができて安全である。また、上記構成において、先に切り換えたレンジを優先するものの、切換スイッチS1のレンジ(機体左右旋回と刈取上下の操作)のみは、メインの操作装置34Aを優先させておくことが望ましい。特に、旋回操作は、安全作業のために、いづれの場合においてもメインが優先とすることで安全に作業が行える。
【0022】
なお、メイン操作装置34Aは、操作ボックス7に対して着脱自在とし、これを取り外して持ち運び遠隔操作ができるように構成しておくと便利である。この場合、操作装置を操作ボックスのパネル部に嵌め込むとパネル部のワイドなモニタ37に情報が表示され、操作装置を取り外すと操作装置のモニタ36に情報が表示されるようにしておくと良い。
図10に示す実施例は、給油口がタンク本体の側面に接続している構成の燃料タンクにおいて、燃料タンク40の上面から上方に向けて配管したエア抜きホース41を途中から水平方向に配管して所定長さの水平部Zをもたせた構成としている。42は給油パイプ、43はエンジンへの送りホース、44は戻りホースである。給油口がタンク本体の側面に接続していると、給油中に満タン近くで燃料タンク中のエアがエア抜きホースを通って抜けるようになる。軽油は泡が立ちやすく、スタンドの給油ガンで給油すると泡がエア抜きホースの中に入ってきて先端から出てくることがある。上記構成によると、エア抜きホースの水平部で軽油の泡が消えて先端から出てこなくなる。
【0023】
また、図11の実施例で示すように、エア抜きホースの41の途中部にエア溜り機能を持ったチャンバー45を設けることによってエア溜り部で軽油の泡が消えて先端からの排出が解消される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】コンバインの側面図
【図2】コンバインの平面図
【図3】脱穀部の要部の正断面図
【図4】同上要部の側面図
【図5】グレンタンクの要部の平面図
【図6】操作装置の平面図
【図7】操作装置の平面図
【図8】操作装置の平面図
【図9】乗用運転操作部の平面図
【図10】燃料タンクの側面図
【図11】燃料タンクの側面図
【符号の説明】
【0025】
4 刈取部
5 運転席
8 運転部
11 エンジンカバー
17 ラジエータ
18 ラジエータ冷却ファン
19 導風板
21 ガイド板
D 導風経路
E エンジン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転部(8)の運転席(5)下方に搭載されたエンジン(E)より前方側で運転部(8)の刈取部(4)側の横側部において滞留する熱気をラジエータ冷却ファン(18)内に吸引させるべく誘導案内する導風板(19)を前記エンジン(E)と前側のエンジンカバー(11)との間に設けて導風経路(D)を構成したことを特徴とするコンバインのエンジン冷却装置。
【請求項2】
前記導風板(19)には、該導風板(19)とエンジン(E)との間を外側から内側方に向けて流通するラジエータ冷却ファン(18)からの冷却風をエンジン(E)通過後より後方に向けて案内するガイド板(21)を設けたことを特徴とする請求項1記載のコンバインのエンジン冷却装置。
【請求項1】
運転部(8)の運転席(5)下方に搭載されたエンジン(E)より前方側で運転部(8)の刈取部(4)側の横側部において滞留する熱気をラジエータ冷却ファン(18)内に吸引させるべく誘導案内する導風板(19)を前記エンジン(E)と前側のエンジンカバー(11)との間に設けて導風経路(D)を構成したことを特徴とするコンバインのエンジン冷却装置。
【請求項2】
前記導風板(19)には、該導風板(19)とエンジン(E)との間を外側から内側方に向けて流通するラジエータ冷却ファン(18)からの冷却風をエンジン(E)通過後より後方に向けて案内するガイド板(21)を設けたことを特徴とする請求項1記載のコンバインのエンジン冷却装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−154758(P2010−154758A)
【公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−333412(P2008−333412)
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
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