コンバインの排藁処理装置
【課題】脱穀部から排出された排藁穀稈の束内の残留籾粒を簡易な構成によって効率よく落下回収することができるコンバインの排藁処理装置を提供する。
【解決手段】コンバインの排藁処理装置は、供給された刈取穀稈の株元側を挟持搬送するフィードチェン(13)とその刈取穀稈を回転脱穀する扱胴(69)とからなる脱穀部(12)の後端に隣接し、上記フィードチェン(13)から穀稈の株元側を引継いで機体後端部に搬送する穀稈搬送装置を備えて構成され、上記穀稈搬送装置は、上下に対向して搬送動作する2つの搬送装置(14a,14b)によって間に穀稈を挟持搬送可能に構成するとともに、両搬送速度間に差を設けたものである。
【解決手段】コンバインの排藁処理装置は、供給された刈取穀稈の株元側を挟持搬送するフィードチェン(13)とその刈取穀稈を回転脱穀する扱胴(69)とからなる脱穀部(12)の後端に隣接し、上記フィードチェン(13)から穀稈の株元側を引継いで機体後端部に搬送する穀稈搬送装置を備えて構成され、上記穀稈搬送装置は、上下に対向して搬送動作する2つの搬送装置(14a,14b)によって間に穀稈を挟持搬送可能に構成するとともに、両搬送速度間に差を設けたものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脱穀後の排稈を搬送するコンバインの排藁処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コンバインの排藁処理装置は、特許文献1に示すように、脱穀部のフィードチェーンによって扱胴脇を後送された穀稈の株元側を引継いで後方に搬送する上下の挟持搬送体と扱胴後端部で穀稈の穂先側を引継ぐ送りラグ付きの搬送体とによる搬送手段によって構成される。
【0003】
上記排藁処理装置は、搬送手段によって選別室上を通過して排藁内の混入籾粒を落下回収しつつ後送し、必要により機体の後端部に装着した排藁カッターにより、脱穀部の排出穀稈を裁断して、脱穀部の脱穀後の穀稈を圃場に放出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−166824号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、排藁処理装置の上下の挟持搬送体が脱穀部のフィードチェーンから穀稈を引継いだ時に、挟持した穀稈の層厚が大きい場合は、残留籾粒が穀稈束の内部に保持されたまま搬送されることがあり、この残留籾粒の十分な回収が困難であった。
【0006】
本発明の目的は、脱穀部から排出された排藁穀稈の束内の残留籾粒を簡易な構成によって効率よく落下回収することができるコンバインの排藁処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、穀稈の株元側を挟持搬送しながら該穀稈の穂先側を扱室(66)に供給するフィードチェン(13)を設け、扱室(66)の後側に、脱穀後の排藁の株元側をフィードチェン(13)から引継いで搬送する搬送装置(14)を設けたコンバインの排藁処理装置において、上記搬送装置(14)は、上側搬送装置(14a)と下側搬送装置(14b)を上下に対向させて配置し、該上側搬送装置(14a)と下側搬送装置(14b)の間で穀稈を搬送する構成とし、上側搬送装置(14a)及び下側搬送装置(14b)のうち、いずれか一方の搬送装置の搬送速度を他方の搬送装置の搬送速度よりも高速に設定したことを特徴とする。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1の構成において、前記上側搬送装置(14a)の搬送速度を、下側搬送装置(14b)の搬送速度よりも高速となる速度範囲で変速可能に構成したことを特徴とする。
【0009】
請求項3の発明は、請求項2の構成において、前記フィードチェン(13)で搬送される穀稈の層厚を検出する層厚センサ(13f)を設け、該層厚センサ(13f)で検出される穀稈の層厚が大きくなるほど前記上側搬送装置(14a)を高速で駆動する構成としたことを特徴とする。
【0010】
請求項4の発明は、請求項2又は3の構成において、前記扱室(66)に設けた扱胴(69)の回転速度を検出する回転センサ(15c)を設け、該回転センサ(15c)により検出される回転速度が低下した場合に、前記上側搬送装置(14a)の搬送速度を所定速度増速させる構成としたことを特徴とする。
【0011】
請求項5の発明は、請求項1乃至請求項4の構成において、前記上側搬送装置(14a)及び下側搬送装置(14b)を上下に所定間隔をおいて配置し、前記フィードチェン(13)の搬送終端部から上側搬送装置(14a)及び下側搬送装置(14b)の間に向けて延出するガイドロッド(19)を設け、該ガイドロッド(19)の先端側の部位を上側搬送装置(14a)側に弾発付勢したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載の発明により、搬送装置(14)は、上下に対向する上側搬送装置(14a)及び下側搬送装置(14b)の間で穀稈を搬送する構成とし、該上側搬送装置(14a)及び下側搬送装置(14b)のうち、いずれか一方を他方よりも搬送速度が高速となる速度で駆動するので、穀稈の株元をフィードチェンから引継いだ脱穀済みの穀稈を、上側搬送装置(14a)と下側搬送装置(14b)との搬送速度差によって揉みほぐして挟持層厚を薄く平均化しながら搬送するので、穀稈の束の中に残留籾粒が保持されていても穀稈の隙間から脱落して、この残留籾粒を落下回収することができる。
【0013】
請求項2記載の発明により、請求項1記載の発明による効果に加え、排藁量が多い場合でも、上側搬送装置(14a)を高速で駆動することで搬送穀稈の層厚を薄くして残留籾粒を効率よく脱落させるとともに、穀稈の搬送能力が向上し搬送装置(14)の詰まりを防止することができる。
【0014】
請求項3記載の発明により、請求項2記載の発明による効果に加え、フィードチェン(13)の穀稈挟持層厚に基づいて上側搬送装置(14a)の変速制御を行なうので、脱穀装置に供給される穀稈の量が変化しても、穀稈に刺さり込んだ穀粒を確実に回収しながら搬送することができ、搬送装置(14)の詰まりをさらに効果的に防止することができる。
【0015】
請求項4記載の発明により、請求項2又は3記載の発明による効果に加え、多量の穀稈が供給されて脱穀装置の駆動負荷が増大し、扱胴(69)の回転速度が低下した場合に、上側搬送装置(14a)を増速して駆動することで、脱穀後の穀稈を速やかに後方へ搬送してフィードチェン(13)と搬送装置(14)の引継部及び搬送装置(14)における穀稈の詰まりを防止するので、フィードチェン(13)及び搬送装置(14)の破損を防止することができる。
【0016】
請求項5記載の発明により、請求項1乃至請求項4記載の発明による効果に加え、ガイドロッド(19)によってフィードチェン(13)から搬送装置(14)へと穀稈を円滑に引継ぐことができるとともに、穀稈量が少ない場合は、穀稈はガイドロッド(19)と上側搬送装置(14a)との間で搬送され、また、穀稈量が多い場合は、ガイドロッド(19)が下方に押し下げられて、搬送速度の異なる上側搬送装置(14a)と下側搬送装置(14b)との間で挟持層厚が平均化されながら搬送するので、広範囲の穀稈量に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】コンバインの脱穀部周りの内部構成を表す要部平面図
【図2】図1の脱穀部周りの内部構成を表す要部側面図
【図3】排藁処理装置の別の構成例による脱穀部周りの内部構成を表す側面図
【図4】排出オーガの吐出部の第1の排塵構造を表す縦断側面図(a)とその正面図(b)
【図5】排出オーガの吐出部の第2の排塵構造を表す縦断側面図(a)とその正面図(b)
【図6】排出オーガの吐出部の第3の排塵構造を表す縦断側面図(a)とその正面図(b)
【図7】排出オーガの吐出部の第4の排塵構造を表す縦断側面図(a)とその正面図(b)
【図8】出口網の支持構造を表す吐出部の縦断側面図(a)、その正面図(b)および下面図(c)
【発明を実施するための形態】
【0018】
上記技術思想に基づいて具体的に構成された実施の形態について以下に図面を参照しつつ説明する。
本発明の適用対象となるコンバインは、圃場走行可能に機体を支持するクローラ等の走行装置と、機体の前部に昇降可能に支持されて前方から受ける植立穀稈を刈取る刈取部と、その後方で刈取装置から受けた刈取穀稈を脱穀する脱穀部と、その側方で脱穀部により脱穀された籾米を収容する貯留部と、この貯留部の前側で走行を初めとする各種機器を操作するための操縦部等を備え、刈取走行において、圃場に植立する複数条の穀稈を刈取り、脱穀貯留可能に構成されるほか、脱穀部の排出穀稈を機体後部から圃場に投下するための搬送機構からなる排藁処理装置を脱穀部の後端に備える。
【0019】
図1、図2は、コンバインの脱穀部周りの内部構成を表す要部平面図およびその側面図である。
上記排藁処理装置11の前段に構成される脱穀部は、刈取部から受けた刈取穀稈の穂先側を受ける扱室66と、その内側部にいわゆる二番穀粒を処理する二番処理室67と、その後部に直列状に構成される排塵処理室68とが上半部に、下半部に選別室50が一体的に構成され、また、扱室66の外側部には、刈取部から受けた刈取穀稈の株元側を挟持して後方に移送するフィードチェン13を備える。
【0020】
扱室66には多数の扱歯69aを形成した扱胴69を軸架するとともに、扱網74を固定側に備えて両者の相互作用により穀稈の穂先側について脱穀し、二番処理室67には二番処理胴70を軸架して二番穀粒を処理し、排塵処理室68には二番処理胴70と一体の排塵処理胴71を備え、供給された穀稈の穂先側を扱胴69に沿って後方に移動しつつ穀粒の分離と藁くずの排出を行う。
【0021】
下半の選別室50には、上下前後方向に揺動する揺動棚51と選別風を吹き上げる唐箕79とを備え、扱室66および二番処理室67から受けた穀粒や藁くずを揺動棚51に受け、後方移動させつつ風力選別し、底部前側で比重の重い穀粒をグレンタンク30に搬送する一番螺旋65と、底部後側でその残りの二番穀粒を二番処理室67に送る二番螺旋86とを備えて選別した脱穀穀粒を貯留部に移送する。
【0022】
排藁処理装置11は、脱穀部12の扱室66の後端に臨んで構成され、脱穀部12の外側部に配置されたフィードチェン13から穀稈の株元側を引継いで機体後端部の機体幅の中央寄りに穀稈を挟持搬送する上下対向構成の搬送装置14a,14bからなる株元搬送装置(搬送装置)14と、この株元搬送装置14と並行するように、脱穀部12の扱胴69で脱穀された穀稈の穂先側を引継いで機体後端部に搬送するラグ付きチェーンによる穂先搬送機構16とによる穀稈搬送装置を構成し、必要により排藁を裁断するカッタ17等を備える。
【0023】
株元搬送装置14の上下対向の搬送装置14a,14bは、上下間に一定の間隙を隔てて相互の干渉なしに固定配置し、これら上下の搬送装置14a,14bの間に、ガイドロッド19を弾性支持して上方付勢する。このガイドロッド19は、フィードチェン13から穀稈を引継ぐ位置にその始端を設け、穀稈量が少ない場合に上側の搬送装置14aによる穀稈搬送を可能とする。
【0024】
上下2つの搬送装置14a,14bの駆動は、上側の後端部に電動駆動部18を設けて変速可能に周回駆動し、下側は扱胴69の後端支軸15aからその回転動力を受けて周回駆動する。電動駆動部18による上側の搬送装置14aの搬送速度は、下側の搬送装置14bの搬送速度より高速の範囲で制御部によって変速制御する。なお、扱胴69は、脱穀入力軸12aから二番処理胴70の支軸70aを介してベルト伝動によりの前端部の扱胴軸15bにエンジン動力を受ける。
【0025】
制御部による上側の搬送装置14aの搬送速度制御は、脱穀部12から受ける穀稈量の変化に応じて搬送速度を変更するように制御する。例えば、フィードチェン13の穀稈挟持間隔が穀稈量に応じて変化する弾性挟持型に構成した上でその挟持する穀稈間隔を検出するセンサを設け、その挟持間隔の変化と対応して上側配置の搬送装置14aの搬送速度を制御部により変更制御可能に構成し、または、供給穀稈量対応で回転速度が変化する扱胴69の負荷を検出する回転センサ15cを扱胴軸15bに設け、その回転速度の変化と対応して上側配置の搬送装置14aの搬送速度を制御部により変更制御可能に構成する。
【0026】
上述の構成による排藁処理装置11は、上下配置で対向動作する2つの搬送装置14a,14bによって穀稈の株元をフィードチェン13から引継いで機体後部に搬送し、この時、それぞれの搬送速度が異なる上下差速動作により、挟持されている脱穀済みの穀稈が揉みほぐされつつ2つの搬送装置間の挟持層厚が薄く平均化されて搬送されるので、部分的に束状になって残留籾粒が保持されていても穀稈の隙間から脱落することから、この残留籾粒を落下回収することができる。
【0027】
この場合において、低速の下側の搬送装置14bに対して高速の上側の搬送装置14aによる上下差速動作により排藁の搬送速度が高速化されることから、挟持層厚が薄くなるとともに搬送量が増加するので、排藁量が多い場合でも、残留籾粒を効率よく脱落させるとともに高速処理が可能となる。
【0028】
上側の搬送装置14aの搬送速度の変速制御は、フィードチェン13の穀稈挟持層厚に基づく場合と扱胴69の回転速度に基づく場合のいずれについても、脱穀部12から受ける穀稈量の変化に応じて搬送速度を変更するように制御することができ、その結果、排藁処理装置の上下差速動作による処理速度が変更されることから、排藁処理装置は、脱穀部から受ける排藁量に対応して排藁を処理することができる。
【0029】
この場合における穀稈挟持層厚は、例えば、挟扼レール13aからばね13bとガイドピン13cを介して挟扼杆13dをフィードチェン13に向けて付勢支持するとともに、ガイドピン13cの上端に検出アーム13eを連結してその位置変化を層厚センサ13fにより検出可能に構成する。
【0030】
また、上下2つの搬送装置14a,14bは、上下に所定間隔を設けて配置するとともに、フィードチェン13から穀稈を引き継ぐガイドロッド19を上下の搬送装置14a,14bの間で上方に付勢して弾性支持したことから、フィードチェン13から受けた穀稈は上方付勢のガイドロッド19に引き継がれる。
したがって、穀稈量が少ない場合は、ガイドロッド19上をその摺動抵抗を受けつつ穀稈が上側の搬送装置14aによる上下差速動作により搬送されて挟持層厚が平均化され、また、穀稈量が多くて穀稈の挟持層厚が下側の搬送装置14bに達する場合は、上下の搬送装置14a,14bによる上下差速動作によって搬送されることから、簡易な構成によって広範囲の穀稈量に対応することができる。
【0031】
上記排藁処理装置11における別の構成例として、脱穀部周りの内部構成を表す側面図を図3に示すように、フィードチェン13から穀稈を受ける位置に搬送抵抗としてのガイドロッド21を弾性支持することにより、排藁の株元搬送のみがキャッチしている間について搬送抵抗を作用することにより、穂先側が先行する搬送姿勢を確保することができる。
【0032】
(排出オーガ)
次に、排出オーガの排塵構造について説明する。
図4は、脱穀穀粒を貯留タンクから排出する排出オーガ31の第一の排塵構造を表す吐出部の縦断側面図(a)とその正面図(b)である。
排出オーガ31には、その出口近傍外側に詰まりセンサ32を外に張出して取付け、この出口詰まりセンサ32の近傍の側面に外側に張出して藁屑選別用の送風機33を設け、風が対面の壁にぶつからないように送風方向を斜め下向きAとして選別用の風の流れを確保し、適用範囲を拡大するべく風量調節可能にし、袋取り用に送風オン・オフボタンを設けて袋取りの際に邪魔にならないようにする。また、袋取り時に出口を小さくできるように、出口の先端側が出口に向けて広がる形状に開閉板34を軸支する。
【0033】
第二の排塵構造の構成例として、図5の吐出部の縦断側面図(a)とその正面図(b)に示すように、排出オーガ31の出口の近傍において、送風機33を詰まりセンサ32の対面に配置した上で、詰まりセンサ32の下方を出口に向けて広がるように開閉板35を軸支することにより、送風が籾の進む方向に対向して籾の落下地点からゴミを分離することができる。
【0034】
第三の排塵構造の構成例として、図6の吐出部の縦断側面図(a)とその正面図(b)に示すように、排出オーガ31の出口の近傍において、送風機33を出口下部に配置することにより、風の抜けを確保できることから、選別性を向上することができ、また、第四の排塵構造の構成例として、図7の吐出部の縦断側面図(a)とその正面図(b)に示すように、排出オーガ31の出口の下方に送風機33を取外し可能に構成することにより、袋取り時の障害を回避することができる。
【0035】
次に、排出オーガの出口網について説明する。
図8は、排出オーガ31の出口網の支持構造を表す吐出部の縦断側面図(a)、その正面図(b)および下面図(c)である。吐出部の出口開口には、60mmピッチで設けた2本の支軸42,42を設け、2分割の出口網41,41をそれぞれ支持し、電動開閉可能に構成することにより、両出口網41,41が開いても、65mm球が入らないことから、安鑑上の問題を解消することができ、また、タンクの貯留籾量が少なくなったときに両網41,41を閉じるように回動制御することにより、排出の最後に多いカン切れを選別することができる。
【符号の説明】
【0036】
11 排藁処理装置
12 脱穀部
13 フィードチェン
13f 層厚センサ
14 搬送装置
14a 上側搬送装置
14b 下側搬送装置
15b 扱胴軸
15c 回転センサ
16 穂先搬送機構
18 電動駆動部
19 ガイドロッド
66 扱室
69 扱胴
【技術分野】
【0001】
本発明は、脱穀後の排稈を搬送するコンバインの排藁処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コンバインの排藁処理装置は、特許文献1に示すように、脱穀部のフィードチェーンによって扱胴脇を後送された穀稈の株元側を引継いで後方に搬送する上下の挟持搬送体と扱胴後端部で穀稈の穂先側を引継ぐ送りラグ付きの搬送体とによる搬送手段によって構成される。
【0003】
上記排藁処理装置は、搬送手段によって選別室上を通過して排藁内の混入籾粒を落下回収しつつ後送し、必要により機体の後端部に装着した排藁カッターにより、脱穀部の排出穀稈を裁断して、脱穀部の脱穀後の穀稈を圃場に放出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−166824号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、排藁処理装置の上下の挟持搬送体が脱穀部のフィードチェーンから穀稈を引継いだ時に、挟持した穀稈の層厚が大きい場合は、残留籾粒が穀稈束の内部に保持されたまま搬送されることがあり、この残留籾粒の十分な回収が困難であった。
【0006】
本発明の目的は、脱穀部から排出された排藁穀稈の束内の残留籾粒を簡易な構成によって効率よく落下回収することができるコンバインの排藁処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、穀稈の株元側を挟持搬送しながら該穀稈の穂先側を扱室(66)に供給するフィードチェン(13)を設け、扱室(66)の後側に、脱穀後の排藁の株元側をフィードチェン(13)から引継いで搬送する搬送装置(14)を設けたコンバインの排藁処理装置において、上記搬送装置(14)は、上側搬送装置(14a)と下側搬送装置(14b)を上下に対向させて配置し、該上側搬送装置(14a)と下側搬送装置(14b)の間で穀稈を搬送する構成とし、上側搬送装置(14a)及び下側搬送装置(14b)のうち、いずれか一方の搬送装置の搬送速度を他方の搬送装置の搬送速度よりも高速に設定したことを特徴とする。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1の構成において、前記上側搬送装置(14a)の搬送速度を、下側搬送装置(14b)の搬送速度よりも高速となる速度範囲で変速可能に構成したことを特徴とする。
【0009】
請求項3の発明は、請求項2の構成において、前記フィードチェン(13)で搬送される穀稈の層厚を検出する層厚センサ(13f)を設け、該層厚センサ(13f)で検出される穀稈の層厚が大きくなるほど前記上側搬送装置(14a)を高速で駆動する構成としたことを特徴とする。
【0010】
請求項4の発明は、請求項2又は3の構成において、前記扱室(66)に設けた扱胴(69)の回転速度を検出する回転センサ(15c)を設け、該回転センサ(15c)により検出される回転速度が低下した場合に、前記上側搬送装置(14a)の搬送速度を所定速度増速させる構成としたことを特徴とする。
【0011】
請求項5の発明は、請求項1乃至請求項4の構成において、前記上側搬送装置(14a)及び下側搬送装置(14b)を上下に所定間隔をおいて配置し、前記フィードチェン(13)の搬送終端部から上側搬送装置(14a)及び下側搬送装置(14b)の間に向けて延出するガイドロッド(19)を設け、該ガイドロッド(19)の先端側の部位を上側搬送装置(14a)側に弾発付勢したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載の発明により、搬送装置(14)は、上下に対向する上側搬送装置(14a)及び下側搬送装置(14b)の間で穀稈を搬送する構成とし、該上側搬送装置(14a)及び下側搬送装置(14b)のうち、いずれか一方を他方よりも搬送速度が高速となる速度で駆動するので、穀稈の株元をフィードチェンから引継いだ脱穀済みの穀稈を、上側搬送装置(14a)と下側搬送装置(14b)との搬送速度差によって揉みほぐして挟持層厚を薄く平均化しながら搬送するので、穀稈の束の中に残留籾粒が保持されていても穀稈の隙間から脱落して、この残留籾粒を落下回収することができる。
【0013】
請求項2記載の発明により、請求項1記載の発明による効果に加え、排藁量が多い場合でも、上側搬送装置(14a)を高速で駆動することで搬送穀稈の層厚を薄くして残留籾粒を効率よく脱落させるとともに、穀稈の搬送能力が向上し搬送装置(14)の詰まりを防止することができる。
【0014】
請求項3記載の発明により、請求項2記載の発明による効果に加え、フィードチェン(13)の穀稈挟持層厚に基づいて上側搬送装置(14a)の変速制御を行なうので、脱穀装置に供給される穀稈の量が変化しても、穀稈に刺さり込んだ穀粒を確実に回収しながら搬送することができ、搬送装置(14)の詰まりをさらに効果的に防止することができる。
【0015】
請求項4記載の発明により、請求項2又は3記載の発明による効果に加え、多量の穀稈が供給されて脱穀装置の駆動負荷が増大し、扱胴(69)の回転速度が低下した場合に、上側搬送装置(14a)を増速して駆動することで、脱穀後の穀稈を速やかに後方へ搬送してフィードチェン(13)と搬送装置(14)の引継部及び搬送装置(14)における穀稈の詰まりを防止するので、フィードチェン(13)及び搬送装置(14)の破損を防止することができる。
【0016】
請求項5記載の発明により、請求項1乃至請求項4記載の発明による効果に加え、ガイドロッド(19)によってフィードチェン(13)から搬送装置(14)へと穀稈を円滑に引継ぐことができるとともに、穀稈量が少ない場合は、穀稈はガイドロッド(19)と上側搬送装置(14a)との間で搬送され、また、穀稈量が多い場合は、ガイドロッド(19)が下方に押し下げられて、搬送速度の異なる上側搬送装置(14a)と下側搬送装置(14b)との間で挟持層厚が平均化されながら搬送するので、広範囲の穀稈量に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】コンバインの脱穀部周りの内部構成を表す要部平面図
【図2】図1の脱穀部周りの内部構成を表す要部側面図
【図3】排藁処理装置の別の構成例による脱穀部周りの内部構成を表す側面図
【図4】排出オーガの吐出部の第1の排塵構造を表す縦断側面図(a)とその正面図(b)
【図5】排出オーガの吐出部の第2の排塵構造を表す縦断側面図(a)とその正面図(b)
【図6】排出オーガの吐出部の第3の排塵構造を表す縦断側面図(a)とその正面図(b)
【図7】排出オーガの吐出部の第4の排塵構造を表す縦断側面図(a)とその正面図(b)
【図8】出口網の支持構造を表す吐出部の縦断側面図(a)、その正面図(b)および下面図(c)
【発明を実施するための形態】
【0018】
上記技術思想に基づいて具体的に構成された実施の形態について以下に図面を参照しつつ説明する。
本発明の適用対象となるコンバインは、圃場走行可能に機体を支持するクローラ等の走行装置と、機体の前部に昇降可能に支持されて前方から受ける植立穀稈を刈取る刈取部と、その後方で刈取装置から受けた刈取穀稈を脱穀する脱穀部と、その側方で脱穀部により脱穀された籾米を収容する貯留部と、この貯留部の前側で走行を初めとする各種機器を操作するための操縦部等を備え、刈取走行において、圃場に植立する複数条の穀稈を刈取り、脱穀貯留可能に構成されるほか、脱穀部の排出穀稈を機体後部から圃場に投下するための搬送機構からなる排藁処理装置を脱穀部の後端に備える。
【0019】
図1、図2は、コンバインの脱穀部周りの内部構成を表す要部平面図およびその側面図である。
上記排藁処理装置11の前段に構成される脱穀部は、刈取部から受けた刈取穀稈の穂先側を受ける扱室66と、その内側部にいわゆる二番穀粒を処理する二番処理室67と、その後部に直列状に構成される排塵処理室68とが上半部に、下半部に選別室50が一体的に構成され、また、扱室66の外側部には、刈取部から受けた刈取穀稈の株元側を挟持して後方に移送するフィードチェン13を備える。
【0020】
扱室66には多数の扱歯69aを形成した扱胴69を軸架するとともに、扱網74を固定側に備えて両者の相互作用により穀稈の穂先側について脱穀し、二番処理室67には二番処理胴70を軸架して二番穀粒を処理し、排塵処理室68には二番処理胴70と一体の排塵処理胴71を備え、供給された穀稈の穂先側を扱胴69に沿って後方に移動しつつ穀粒の分離と藁くずの排出を行う。
【0021】
下半の選別室50には、上下前後方向に揺動する揺動棚51と選別風を吹き上げる唐箕79とを備え、扱室66および二番処理室67から受けた穀粒や藁くずを揺動棚51に受け、後方移動させつつ風力選別し、底部前側で比重の重い穀粒をグレンタンク30に搬送する一番螺旋65と、底部後側でその残りの二番穀粒を二番処理室67に送る二番螺旋86とを備えて選別した脱穀穀粒を貯留部に移送する。
【0022】
排藁処理装置11は、脱穀部12の扱室66の後端に臨んで構成され、脱穀部12の外側部に配置されたフィードチェン13から穀稈の株元側を引継いで機体後端部の機体幅の中央寄りに穀稈を挟持搬送する上下対向構成の搬送装置14a,14bからなる株元搬送装置(搬送装置)14と、この株元搬送装置14と並行するように、脱穀部12の扱胴69で脱穀された穀稈の穂先側を引継いで機体後端部に搬送するラグ付きチェーンによる穂先搬送機構16とによる穀稈搬送装置を構成し、必要により排藁を裁断するカッタ17等を備える。
【0023】
株元搬送装置14の上下対向の搬送装置14a,14bは、上下間に一定の間隙を隔てて相互の干渉なしに固定配置し、これら上下の搬送装置14a,14bの間に、ガイドロッド19を弾性支持して上方付勢する。このガイドロッド19は、フィードチェン13から穀稈を引継ぐ位置にその始端を設け、穀稈量が少ない場合に上側の搬送装置14aによる穀稈搬送を可能とする。
【0024】
上下2つの搬送装置14a,14bの駆動は、上側の後端部に電動駆動部18を設けて変速可能に周回駆動し、下側は扱胴69の後端支軸15aからその回転動力を受けて周回駆動する。電動駆動部18による上側の搬送装置14aの搬送速度は、下側の搬送装置14bの搬送速度より高速の範囲で制御部によって変速制御する。なお、扱胴69は、脱穀入力軸12aから二番処理胴70の支軸70aを介してベルト伝動によりの前端部の扱胴軸15bにエンジン動力を受ける。
【0025】
制御部による上側の搬送装置14aの搬送速度制御は、脱穀部12から受ける穀稈量の変化に応じて搬送速度を変更するように制御する。例えば、フィードチェン13の穀稈挟持間隔が穀稈量に応じて変化する弾性挟持型に構成した上でその挟持する穀稈間隔を検出するセンサを設け、その挟持間隔の変化と対応して上側配置の搬送装置14aの搬送速度を制御部により変更制御可能に構成し、または、供給穀稈量対応で回転速度が変化する扱胴69の負荷を検出する回転センサ15cを扱胴軸15bに設け、その回転速度の変化と対応して上側配置の搬送装置14aの搬送速度を制御部により変更制御可能に構成する。
【0026】
上述の構成による排藁処理装置11は、上下配置で対向動作する2つの搬送装置14a,14bによって穀稈の株元をフィードチェン13から引継いで機体後部に搬送し、この時、それぞれの搬送速度が異なる上下差速動作により、挟持されている脱穀済みの穀稈が揉みほぐされつつ2つの搬送装置間の挟持層厚が薄く平均化されて搬送されるので、部分的に束状になって残留籾粒が保持されていても穀稈の隙間から脱落することから、この残留籾粒を落下回収することができる。
【0027】
この場合において、低速の下側の搬送装置14bに対して高速の上側の搬送装置14aによる上下差速動作により排藁の搬送速度が高速化されることから、挟持層厚が薄くなるとともに搬送量が増加するので、排藁量が多い場合でも、残留籾粒を効率よく脱落させるとともに高速処理が可能となる。
【0028】
上側の搬送装置14aの搬送速度の変速制御は、フィードチェン13の穀稈挟持層厚に基づく場合と扱胴69の回転速度に基づく場合のいずれについても、脱穀部12から受ける穀稈量の変化に応じて搬送速度を変更するように制御することができ、その結果、排藁処理装置の上下差速動作による処理速度が変更されることから、排藁処理装置は、脱穀部から受ける排藁量に対応して排藁を処理することができる。
【0029】
この場合における穀稈挟持層厚は、例えば、挟扼レール13aからばね13bとガイドピン13cを介して挟扼杆13dをフィードチェン13に向けて付勢支持するとともに、ガイドピン13cの上端に検出アーム13eを連結してその位置変化を層厚センサ13fにより検出可能に構成する。
【0030】
また、上下2つの搬送装置14a,14bは、上下に所定間隔を設けて配置するとともに、フィードチェン13から穀稈を引き継ぐガイドロッド19を上下の搬送装置14a,14bの間で上方に付勢して弾性支持したことから、フィードチェン13から受けた穀稈は上方付勢のガイドロッド19に引き継がれる。
したがって、穀稈量が少ない場合は、ガイドロッド19上をその摺動抵抗を受けつつ穀稈が上側の搬送装置14aによる上下差速動作により搬送されて挟持層厚が平均化され、また、穀稈量が多くて穀稈の挟持層厚が下側の搬送装置14bに達する場合は、上下の搬送装置14a,14bによる上下差速動作によって搬送されることから、簡易な構成によって広範囲の穀稈量に対応することができる。
【0031】
上記排藁処理装置11における別の構成例として、脱穀部周りの内部構成を表す側面図を図3に示すように、フィードチェン13から穀稈を受ける位置に搬送抵抗としてのガイドロッド21を弾性支持することにより、排藁の株元搬送のみがキャッチしている間について搬送抵抗を作用することにより、穂先側が先行する搬送姿勢を確保することができる。
【0032】
(排出オーガ)
次に、排出オーガの排塵構造について説明する。
図4は、脱穀穀粒を貯留タンクから排出する排出オーガ31の第一の排塵構造を表す吐出部の縦断側面図(a)とその正面図(b)である。
排出オーガ31には、その出口近傍外側に詰まりセンサ32を外に張出して取付け、この出口詰まりセンサ32の近傍の側面に外側に張出して藁屑選別用の送風機33を設け、風が対面の壁にぶつからないように送風方向を斜め下向きAとして選別用の風の流れを確保し、適用範囲を拡大するべく風量調節可能にし、袋取り用に送風オン・オフボタンを設けて袋取りの際に邪魔にならないようにする。また、袋取り時に出口を小さくできるように、出口の先端側が出口に向けて広がる形状に開閉板34を軸支する。
【0033】
第二の排塵構造の構成例として、図5の吐出部の縦断側面図(a)とその正面図(b)に示すように、排出オーガ31の出口の近傍において、送風機33を詰まりセンサ32の対面に配置した上で、詰まりセンサ32の下方を出口に向けて広がるように開閉板35を軸支することにより、送風が籾の進む方向に対向して籾の落下地点からゴミを分離することができる。
【0034】
第三の排塵構造の構成例として、図6の吐出部の縦断側面図(a)とその正面図(b)に示すように、排出オーガ31の出口の近傍において、送風機33を出口下部に配置することにより、風の抜けを確保できることから、選別性を向上することができ、また、第四の排塵構造の構成例として、図7の吐出部の縦断側面図(a)とその正面図(b)に示すように、排出オーガ31の出口の下方に送風機33を取外し可能に構成することにより、袋取り時の障害を回避することができる。
【0035】
次に、排出オーガの出口網について説明する。
図8は、排出オーガ31の出口網の支持構造を表す吐出部の縦断側面図(a)、その正面図(b)および下面図(c)である。吐出部の出口開口には、60mmピッチで設けた2本の支軸42,42を設け、2分割の出口網41,41をそれぞれ支持し、電動開閉可能に構成することにより、両出口網41,41が開いても、65mm球が入らないことから、安鑑上の問題を解消することができ、また、タンクの貯留籾量が少なくなったときに両網41,41を閉じるように回動制御することにより、排出の最後に多いカン切れを選別することができる。
【符号の説明】
【0036】
11 排藁処理装置
12 脱穀部
13 フィードチェン
13f 層厚センサ
14 搬送装置
14a 上側搬送装置
14b 下側搬送装置
15b 扱胴軸
15c 回転センサ
16 穂先搬送機構
18 電動駆動部
19 ガイドロッド
66 扱室
69 扱胴
【特許請求の範囲】
【請求項1】
穀稈の株元側を挟持搬送しながら該穀稈の穂先側を扱室(66)に供給するフィードチェン(13)を設け、扱室(66)の後側に、脱穀後の排藁の株元側をフィードチェン(13)から引継いで搬送する搬送装置(14)を設けたコンバインの排藁処理装置において、
上記搬送装置(14)は、上側搬送装置(14a)と下側搬送装置(14b)を上下に対向させて配置し、該上側搬送装置(14a)と下側搬送装置(14b)の間で穀稈を搬送する構成とし、上側搬送装置(14a)及び下側搬送装置(14b)のうち、いずれか一方の搬送装置の搬送速度を他方の搬送装置の搬送速度よりも高速に設定したことを特徴とするコンバインの排藁処理装置。
【請求項2】
前記上側搬送装置(14a)の搬送速度を、下側搬送装置(14b)の搬送速度よりも高速となる速度範囲で変速可能に構成したことを特徴とする請求項1記載のコンバインの排藁処理装置。
【請求項3】
前記フィードチェン(13)で搬送される穀稈の層厚を検出する層厚センサ(13f)を設け、該層厚センサ(13f)で検出される穀稈の層厚が大きくなるほど前記上側搬送装置(14a)を高速で駆動する構成としたことを特徴とする請求項2記載のコンバインの排藁処理装置。
【請求項4】
前記扱室(66)に設けた扱胴(69)の回転速度を検出する回転センサ(15c)を設け、該回転センサ(15c)により検出される回転速度が低下した場合に、前記上側搬送装置(14a)の搬送速度を所定速度増速させる構成としたことを特徴とする請求項2又は3記載のコンバインの排藁処理装置。
【請求項5】
前記上側搬送装置(14a)及び下側搬送装置(14b)を上下に所定間隔をおいて配置し、前記フィードチェン(13)の搬送終端部から上側搬送装置(14a)及び下側搬送装置(14b)の間に向けて延出するガイドロッド(19)を設け、該ガイドロッド(19)の先端側の部位を上側搬送装置(14a)側に弾発付勢したことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のコンバインの排藁処理装置。
【請求項1】
穀稈の株元側を挟持搬送しながら該穀稈の穂先側を扱室(66)に供給するフィードチェン(13)を設け、扱室(66)の後側に、脱穀後の排藁の株元側をフィードチェン(13)から引継いで搬送する搬送装置(14)を設けたコンバインの排藁処理装置において、
上記搬送装置(14)は、上側搬送装置(14a)と下側搬送装置(14b)を上下に対向させて配置し、該上側搬送装置(14a)と下側搬送装置(14b)の間で穀稈を搬送する構成とし、上側搬送装置(14a)及び下側搬送装置(14b)のうち、いずれか一方の搬送装置の搬送速度を他方の搬送装置の搬送速度よりも高速に設定したことを特徴とするコンバインの排藁処理装置。
【請求項2】
前記上側搬送装置(14a)の搬送速度を、下側搬送装置(14b)の搬送速度よりも高速となる速度範囲で変速可能に構成したことを特徴とする請求項1記載のコンバインの排藁処理装置。
【請求項3】
前記フィードチェン(13)で搬送される穀稈の層厚を検出する層厚センサ(13f)を設け、該層厚センサ(13f)で検出される穀稈の層厚が大きくなるほど前記上側搬送装置(14a)を高速で駆動する構成としたことを特徴とする請求項2記載のコンバインの排藁処理装置。
【請求項4】
前記扱室(66)に設けた扱胴(69)の回転速度を検出する回転センサ(15c)を設け、該回転センサ(15c)により検出される回転速度が低下した場合に、前記上側搬送装置(14a)の搬送速度を所定速度増速させる構成としたことを特徴とする請求項2又は3記載のコンバインの排藁処理装置。
【請求項5】
前記上側搬送装置(14a)及び下側搬送装置(14b)を上下に所定間隔をおいて配置し、前記フィードチェン(13)の搬送終端部から上側搬送装置(14a)及び下側搬送装置(14b)の間に向けて延出するガイドロッド(19)を設け、該ガイドロッド(19)の先端側の部位を上側搬送装置(14a)側に弾発付勢したことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のコンバインの排藁処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2012−147727(P2012−147727A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−9223(P2011−9223)
【出願日】平成23年1月19日(2011.1.19)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月19日(2011.1.19)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
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