コンバイン
【課題】グレンタンク内の排出装置と排出用縦揚穀装置とを接続する接続メタル内での穀粒引継力の低下。
【解決手段】接続部材22の縦筒部27は、その軸芯を前記横筒部26の軸芯上方から外した一側に配置して連通口30により前記横筒部26と連通する構成とし、前記横筒部26内の引継ぎ螺旋23の引継螺旋翼36の後端は平面視で前記縦筒部27内の揚穀螺旋28の中心よりも前側に位置させ、前記引継螺旋翼36の後端より後方の螺旋回転軸35の外周には螺旋回転軸35の軸心に対して略垂直に起立する複数の跳ね出し体50を設けたことを特徴とするコンバイン。
【解決手段】接続部材22の縦筒部27は、その軸芯を前記横筒部26の軸芯上方から外した一側に配置して連通口30により前記横筒部26と連通する構成とし、前記横筒部26内の引継ぎ螺旋23の引継螺旋翼36の後端は平面視で前記縦筒部27内の揚穀螺旋28の中心よりも前側に位置させ、前記引継螺旋翼36の後端より後方の螺旋回転軸35の外周には螺旋回転軸35の軸心に対して略垂直に起立する複数の跳ね出し体50を設けたことを特徴とするコンバイン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバインに係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、下方に走行装置を設けた機体フレームの上方に脱穀装置を設け、脱穀装置の側方にグレンタンクを設け、該グレンタンク内にはグレンタンク内の穀粒を排出する排出装置を設け、排出装置の終端は接続部材の横筒部に接続し、前記接続部材の縦筒部には揚穀する排出用縦揚穀装置の下部を接続し、該排出用縦揚穀装置の上部に排出オーガの基部を接続し、前記接続部材は、縦筒部の軸芯を横筒部の軸芯上方から外した一側に配置して連通口により連通する構成は、公知である(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−212007号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記公知例の接続部材は、縦筒部の軸芯を横筒部の軸芯上方から外した一側に配置して連通口により連通する構成のため、排出装置が排出した穀粒の搬送方向を接続部材内で、横方向から縦方向(上方)に切り替えることなく、横方向に引き継ぐので、押し上げられる圧力が掛からず、穀粒の損傷という課題は克服しつつあるが、引継が良好でなく、詰まりが発生するという課題がある。
本発明は、詰まり発生の少ない排出装置を提供するものであり、接続部材の構成について特段の工夫をしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明は、下方に走行装置2を設けた機体フレーム1の上方に脱穀装置3を設け、該脱穀装置3の側方にグレンタンク20を設け、該グレンタンク20内にはグレンタンク20内の穀粒を排出する排出装置21を設け、該排出装置21の終端は接続部材22の横筒部26に接続し、前記接続部材22の縦筒部27には排出用縦揚穀装置25の下部を接続し、該排出用縦揚穀装置25の上部に排出オーガ28の基部を接続したものにおいて、前記縦筒部27は、その軸芯を前記横筒部26の軸芯上方から外した一側に配置して連通口30により前記横筒部26と連通する構成とし、前記横筒部26内の引継ぎ螺旋23の引継螺旋翼36の後端は平面視で前記縦筒部27内の揚穀螺旋28の中心よりも前側に位置させ、前記引継螺旋翼36の後端より後方の螺旋回転軸35の外周には螺旋回転軸35の軸心に対して略垂直に起立する複数の跳ね出し体50を設けたことを特徴とするコンバインとしたものであり、エンジンを始動し、走行装置2により機体を走行させて、刈取装置5により穀稈を刈取り、刈取った穀稈および穀粒を搬送エレベーター14により脱穀装置3へ供給して脱穀し、脱穀された穀粒は、グレンタンク20に一時貯留され、一定量の穀粒が貯留されると、グレンタンク20内の排出装置21を作動させ、グレンタンク20内の穀粒を排出する。
排出装置21により排出搬送された穀粒は接続部材22の横筒部26内に流入し、引継螺旋翼36により移送され、移送された穀粒は跳ね出し体50により連通口30に向かって跳ね飛ばされ、連通口30を通って縦筒部27内に流入して引き継がれ、排出用縦揚穀装置25の揚穀螺旋28により揚穀され、揚穀された穀粒は排出オーガにより軽トラック等の所定のタンクに排出される。
請求項2記載の発明は、前記各跳ね出し体50は、螺旋回転軸35の軸心に対して略垂直に起立する平板状に形成したことを特徴とするコンバインとしたものであり、引継螺旋翼36に比し平板状の複数の跳ね出し体50は横方向への穀粒移送に優れ、縦筒部27へ円滑に引継ぐ。また、平板状の複数の跳ね出し体50は引継螺旋翼36に比し横筒部26の軸心方向への移送力が弱く、連通口30付近の穀粒を詰まらせない。
請求項3記載の発明は、前記各跳ね出し体50は、螺旋回転軸35に対して夫々の取付位置の位相を変えて設けたことを特徴とするコンバインとしたものであり、引継螺旋翼36により移送された穀粒は、複数の跳ね出し体50により連続的に連通口30に向かって跳ね飛ばされて縦筒部27内に流入する。
請求項4記載の発明は、前記複数の跳ね出し体50のうち引継ぎ螺旋23の移送方向始端側の第一跳ね出し体50Aは、前記引継螺旋翼36の終端に連続的に設け、該第一跳ね出し体50Aに対して約120度位相を変えて第二跳ね出し体50Bを設け、第二跳ね出し体50Bに対して約120度位相を変えて第三跳ね出し体50Cを設けたことを特徴とするコンバインとしたものであり、複数の跳ね出し体50のうちの引継螺旋23の移送方向始端側の第一跳ね出し体50Aは、引継螺旋翼36により移送された穀粒を連続的に連通口30に向けて跳ね飛ばし、第一跳ね出し体50Aに続いて約120度位相を変えた第二跳ね出し体50Bが穀粒を跳ね飛ばし、第二跳ね出し体50Bに続いて約120度位相を変えた第三跳ね出し体50Cが穀粒を跳ね飛ばし、第一跳ね出し体50A〜第三跳ね出し体50Cは略同じ間隔で連続的に穀粒を連通口30に向かって跳ね飛して縦筒部27内に流入させる。
【発明の効果】
【0006】
請求項1記載の発明では、横筒部26の内側に軸芯をずらせて縦筒部27を位置させているので、横筒部26から縦筒部27への移送中の穀粒の損傷を抑制することができ、引継螺旋翼36により移送された穀粒を跳ね出し体50により連通口30に向かって跳ね飛ばすので、横筒部26から縦筒部27へ円滑・確実に移送することができ、穀粒の排出作業を円滑に行うことができる。
請求項2記載の発明では、上記請求項1記載の発明の効果を奏する上に、引継螺旋翼36に比し跳ね出し体50の横方向への穀粒移送が優れているので、横筒部26の内側に軸芯をずらせて縦筒部27を位置させてことと相俟って、横筒部26から縦筒部27への移送中の穀粒の損傷を一層抑制することができ、しかも、横筒部26から縦筒部27へ円滑・確実に移送することができる。
請求項3記載の発明では、上記請求項2記載の発明の効果を奏する上に、引継螺旋翼36により移送された穀粒を、複数の跳ね出し体50により連続的に連通口30に向かって跳ね飛ばすので、横筒部26から縦筒部27へ円滑・確実に移送することができる。
請求項4記載の発明では、上記請求項3記載の発明の効果を奏する上に、移送方向始端側の第一跳ね出し体50Aが横方向に引継螺旋翼36により移送された穀粒を連続して連通口30に向けて跳ね飛ばすので、横筒部26から縦筒部27への移送効率を向上させることができ、また、後続の第二跳ね出し体50Bと第三跳ね出し体50Cが略同じ間隔で連続的に穀粒を跳ね飛ばすことができ、そのため、一層、横筒部26から縦筒部27への移送効率を向上させることができ、穀粒排出作業の能率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】コンバインの側面図。
【図2】コンバインの平面図。
【図3】接続メタル部分の側面図。
【図4】同平面図。
【図5】同一部省略側面図。
【図6】同一部省略背面図。
【図7】引継螺旋の正面図。
【図8】同側面図。
【図9】グレンタンクの平面図。
【図10】同開口部付近の断面図。
【図11】同一部拡大断面図。
【図12】同一部拡大断面図。
【図13】グレンタンクの他の実施例の平面図。
【図14】同開口部付近の断面図。
【図15】同一部拡大断面図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の一実施例を図面により説明すると、1は刈り取った圃場の穀稈を投入して脱穀する所謂汎用コンバインの機体フレームであり、機体フレーム1の下方には走行装置2を設け、機体フレーム1の上方には脱穀装置3を設け、操縦部4の前方には刈取装置5を設けている。
刈取装置5は、左右側壁と後述するオーガー8の下方に位置する底板と左右の側壁と底板とを連結するように設けた後板により構成したオーガーフレーム11に、リール12と、刈刃13と前記オーガー8を設けて構成し、オーガーフレーム11には搬送エレベーター14の先端を取付け、搬送エレベーター14の基部は脱穀装置3の脱穀室に接続する。前記オーガー8は前記操縦部4のすぐ前方に位置させ、前記搬送エレベーター14は前記操縦部4の側部に位置させる。
また、刈取装置5は、搬送エレベーター14と共に、搬送エレベーター14の基部を回動中心にして上下するように構成している。
前記脱穀装置3の側方には、該脱穀装置3で脱穀された穀粒を揚穀装置15により供給して一時貯留するグレンタンク20を設ける。グレンタンク20内には、グレンタンク20内の穀粒を排出する螺旋搬送式の排出装置21を設ける(図2)。該排出装置21の終端は、前記機体フレーム1に設けた接続メタル22内に臨ませる。
【0009】
グレンタンク20は、図示は省略するがグレンタンク20の後部の任意の回動支点を中心にして回動自在に構成し、排出装置21の終端は接続メタル22内に設けた引継ぎ螺旋23の接続部24に所謂カップリング接合により着脱自在に係合させる。
接続メタル(接続部材)22は、前記排出装置21と排出用縦揚穀装置25とを接続するものであり、前後方向の引継用横筒部26の側部に、上下方向で終始略同径の揚穀用縦筒部27を設けて構成している。横筒部26には前記グレンタンク20の排出装置21の終端を臨ませ、縦筒部27には排出用縦揚穀装置25の揚穀螺旋28の下部を臨ませ、揚穀螺旋28の下端は引継ぎ螺旋23の中心より下方に位置させている(図6)。29は縦筒部27の上部に接続した排出用縦揚穀装置25の揚穀筒である。
前記縦筒部27は、その軸芯を前記横筒部26の軸芯上方から外した一側に配置して連通口30により前記横筒部26と連通する(図4)。排出装置21および引継ぎ螺旋23により横筒部26まで搬送された穀粒は、連通口30から縦筒部27内に流入し、排出用縦揚穀装置25により揚穀される。31は、排出用縦揚穀装置25の上部に旋回自在に設けた排出オーガであり、排出オーガ31の先端は排出用縦揚穀装置25に対して上下するように構成している。
32は横筒部26に設けた蓋部材、33は止着部材である。
【0010】
前記引継ぎ螺旋23は、螺旋回転軸35の外周に引継螺旋翼36を設け、螺旋回転軸35の後端は横筒部26の後部より後方に突出させ、螺旋回転軸35の後部にはエンジンからの回転が入力される入力プーリ37を設ける(図5)。入力プーリ37より前側の螺旋回転軸35には傘歯車38を設け、伝動軸39に設けた傘歯車40を噛み合わせる。伝動軸39の下部には伝達歯車41を設け、伝達歯車41には揚穀螺旋28の揚穀軸42の伝達歯車43との間にチエン44を掛け回している。
したがって、入力プーリ37に入力されたエンジンからの回転により引継ぎ螺旋23を介してグレンタンク20の排出装置21に伝達され、また、引継ぎ螺旋23の螺旋回転軸35の回転が排出用縦揚穀装置25の揚穀螺旋28に伝達される。
前記引継ぎ螺旋23の引継螺旋翼36の後端は平面視揚穀螺旋28の中心よりも前側に位置させ(図5)、引継螺旋翼36の後端より後方の螺旋回転軸35の外周には螺旋回転軸35の軸心に対して略垂直に起立する跳ね出し体50を複数設ける。
【0011】
複数の跳ね出し体50は、螺旋回転軸35の軸心に対して略垂直に起立しているので、引継螺旋翼36に比し横方向への穀粒移送に優れ、縦筒部27への引継を容易にし、引継を良好にできる。
また、跳ね出し体50は引継螺旋翼36に比し横筒部26の軸心方向への送りが弱くなるので、連通口30付近の穀粒の詰まり発生を抑制する。
また、横筒部26に設けた蓋部材32の止着部材33を外して、蓋部材32を横筒部26から取り外すと、排出オーガ31および排出用縦揚穀装置25が詰まっている状態のときでも、穀粒の除去排出可能となる。
複数跳ね出し体50は、夫々取付位置の位相を変えて設ける。
即ち、複数跳ね出し体50のうち一つの第一跳ね出し体50Aは引継螺旋翼36の後端に連設し、第一跳ね出し体50Aに対して約120度位相を変えて第二跳ね出し体50Bを設け、第二跳ね出し体50Bに対して約120度位相を変えて第三跳ね出し体50Cを設けている(図7等参照)。
【0012】
そのため、各跳ね出し体50が連通口30へ向かって穀粒を送るので、引継性能が向上する。
前記グレンタンク20の天板53には、点検用開口部54を設ける。点検用開口部54の周囲の天板53の上面には取付フレーム55を設け、取付フレーム55には蓋部材56を取付ける。蓋部材56はヒンジ57により取付フレーム55に回動自在に取付ける。58は係合用ピン、59は弾性変形して係合用ピン58に係合する係合部材である。
少なくとも、前記取付フレーム55の下方には補強部材60を設ける。
そのため、取付フレーム55の下方に補強部材60を設けているので、点検用開口部54の周辺の天板53の変形を防止し、天板53の変形によるグレンタンク20内への雨水の浸入を防止する。
【0013】
また、取付フレーム55は天板53の上面より一段高く形成し、取付フレーム55を蓋部材56で覆っているので、グレンタンク20内への雨水の浸入を防止する。
前記補強部材60は点検用開口部54の左右両側に配置し、左右両側の補強部材60は前後方向の補強部材60により連結して互いに支え合うように構成し、支持強度を向上させた合理的構成にしている
この場合、蓋部材56には下向きに突き出る蓋側下向き壁61を設け、蓋側下向き壁61と補強部材60の上向き縦板部65とを、側面視において上下に重ねて配置し、点検用開口部54からグレンタンク20内への雨水等の進入を防止する(図11,図12)。
また、蓋部材56には下向きに突き出る蓋側下向き壁61を設け、取付フレーム55と補強部材60は蓋側下向き壁61の外側となる箇所に取付フレーム55のフランジ部62を位置させ、蓋側下向き壁61とフランジ部62とは側面視において上下方向に重ねて配置し、点検用開口部54からグレンタンク20内への雨水等の進入を防止する(図11,図12)。
【0014】
したがって、点検用開口部54からグレンタンク20内への雨水の浸入は、補強部材60の上向き縦板部65により遮断される。
図12において、取付フレーム55と補強部材60とは、天板53を挟んで上下に配置し、ボルト66により共締め固定する。
そのため、取付フレーム55と補強部材60とが連結され、天板53の支持強度を向上させ、天板53上に作業者が乗ることによる変形を防止し、天板53上に作業者が乗ることを可能にする。
取付フレーム55は、取付フレーム55自体をボルト66により天板53に着脱自在に取付ける。
そのため、取付フレーム55自体を天板53から取り外すことができ、メンテナンス作業を容易にする。
点検用開口部54の周辺の天板53には、周辺補強部材69を設ける。
したがって、天板53の支持強度を向上させ、天板53上に作業者が乗ることによる変形を防止し、天板53上に作業者が乗ることを可能にする。
【0015】
周辺補強部材69の配置は、任意であるが、点検用開口部54を縦長の四角形状とし、点検用開口部54の前後左右の補強部材60は前後方向の補強部材60により連結し、前側の補強部材60の前側に周辺補強部材69を設け、後側の補強部材60の後側に周辺補強部材69を設け、前後方向の補強部材60の外側に更に一本の周辺補強部材69を設けている。
しかして、図13〜図15は、点検用開口部54の別実施例を示したものであり、天板53の周辺の点検用開口部54に上方に起立するフランジ部70を形成し、フランジ部70に上方から被さる断面下向きコの字形状の蓋部材56を設ける。
蓋部材56は蓋天板部材71に下向きの周辺壁72を設けて形成し、周辺壁72と前記フランジ部70とを側面視オーバーラップさせ、周辺壁72と前記フランジ部70とにより点検用開口部54からグレンタンク20内への雨水の浸入を防止する。
点検用開口部54の周囲の天板53の下面には内側取付フレーム76を設け、内側取付フレーム76には蓋部材56に設けた係合部材59が係合する係合用ピン58を設ける。
【0016】
係合用ピン58および係合部材59は左右両側に前後一対設け、蓋部材56は天板53に対し着脱自在に取付け、蓋部材56を外して点検用開口部54を開口させる。
そのため、工具の使用やボルトの取り外しをすることなく、蓋部材56を持ち上げるだけのワンタッチ作業で、係合部材59が係合用ピン58から外せ、蓋部材56を外して点検用開口部54を開口させられ、点検用開口部54の開口作業を容易にする。
蓋部材56に設けた係合部材59は、蓋部材56の蓋フレーム75に設けている。
前記蓋部材56の上面には一対の握り77を設ける。
そのため、蓋部材56の取り外しを容易にする。
前記内側取付フレーム76は左右一対設け、内側取付フレーム76の外側に夫々前後方向の補強部材78を固定し、補強部材78の前後両端に左右方向の補強部材78により連結する。
したがって、天板53の支持強度を向上させ、天板53上に作業者が乗ることによる変形を防止し、天板53上に作業者が乗ることを可能にする。
【0017】
また、補強部材78の配置は、任意であるが、点検用開口部54を縦長の四角形状とし、点検用開口部54の前後左右の補強部材78は前後方向の補強部材78により連結し、前側の補強部材78の前側に補強部材78を設け、後側の補強部材60の後側に補強部材78を一対設け、前後方向の補強部材78の外側に更に一本の周辺補強部材69を設けている。
【0018】
(実施例の作用)
走行装置2により機体を走行させると、リール12が回転し、未刈稈を掻き込み、掻込んだ穀稈を刈刃13で刈取り、刈取った穀稈および穀粒を回転するオーガー8により集めて搬送エレベーター14内へ供給され、搬送エレベーター14により脱穀装置3へ供給されて脱穀される。
脱穀された穀粒は、グレンタンク20に一時貯留され、一定量貯留されると、グレンタンク20内の排出装置21を作動させ、グレンタンク20内の穀粒を排出する。排出装置21により搬送された穀粒は接続メタル22の横筒部26内に流入し、横筒部26内に流入した穀粒は接続メタル22の連通口30により横筒部26から縦筒部27内に流入し、縦筒部27内に流入した穀粒は排出用縦揚穀装置25の揚穀螺旋28により揚穀され、揚穀された穀粒は排出オーガにより軽トラック等の所定のタンクに排出される。
【0019】
引継ぎ螺旋23の引継螺旋翼36の後端は平面視揚穀螺旋28の中心よりも前側に位置させ、引継螺旋翼36の後端より後方の螺旋回転軸35の外周には螺旋回転軸35の軸心に対して略垂直に起立する跳ね出し体50を複数設けているので、引継螺旋翼36により移送された穀粒は跳ね出し体50により連通口30を通って縦筒部27に引き継がれ、排出用縦揚穀装置25の揚穀螺旋28により揚穀される。
この場合、跳ね出し体50は、螺旋回転軸35の外周に複数設けられているので、連通口30へ向けて穀粒の跳ね出しを連続的に行って、縦筒部27への引継を好にする。
また、複数の跳ね出し体50は、螺旋回転軸35の軸心に対して引継螺旋翼36に比し平板状に形成しているので、横方向への穀粒移送に優れ、縦筒部27への引継を容易にし、引継を良好にできる。
【0020】
また、跳ね出し体50は引継螺旋翼36に比し横筒部26の軸心方向への送りが弱くなるので、連通口30付近の穀粒の詰まり発生を抑制する。
複数跳ね出し体50は、夫々取付位置の位相を変えて設けているので、連通口30へ向けて穀粒の跳ね出しの連続作用を良好に発揮して、縦筒部27への引継を良好にする。
なお、前記した各実施例は、理解を容易にするために、個別または混在させて図示および説明しているが、これらの実施例は夫々種々組合せ可能であり、これらの表現によって、構成・作用等が限定されるものではなく、また、相乗効果を奏する場合も勿論存在する。
【符号の説明】
【0021】
1…フレーム、2…走行装置、3…脱穀装置、4…操縦部、5…刈取装置、8…オーガー、11…オーガーフレーム、12…リール、13…刈刃、14…搬送エレベーター、15…揚穀装置、20…グレンタンク、21…排出装置、22…接続メタル(接続部材)、23…引継ぎ螺旋、24…接続部、25…排出用縦揚穀装置、26…横筒部、27…縦筒部、28…揚穀螺旋、29…揚穀筒、30…連通口、31…排出オーガ、35…螺旋回転軸、36…引継螺旋翼、37…入力プーリ、38…傘歯車、39…伝動軸、40…傘歯車、41…伝達歯車、42…揚穀軸、43…伝達歯車、44…チエン、50…跳ね出し体、50A…第一跳ね出し体、50B…第二跳ね出し体、50C…第三跳ね出し体、53…天板、54…点検用開口部、55…取付フレーム、56…蓋部材、57…ヒンジ、58…係合用ピン、59…係合部材、60…補強部材、62…フランジ部、66…ボルト、70…フランジ部、71…蓋天板部材、72…周辺壁、77…握り、78…補強部材。
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバインに係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、下方に走行装置を設けた機体フレームの上方に脱穀装置を設け、脱穀装置の側方にグレンタンクを設け、該グレンタンク内にはグレンタンク内の穀粒を排出する排出装置を設け、排出装置の終端は接続部材の横筒部に接続し、前記接続部材の縦筒部には揚穀する排出用縦揚穀装置の下部を接続し、該排出用縦揚穀装置の上部に排出オーガの基部を接続し、前記接続部材は、縦筒部の軸芯を横筒部の軸芯上方から外した一側に配置して連通口により連通する構成は、公知である(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−212007号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記公知例の接続部材は、縦筒部の軸芯を横筒部の軸芯上方から外した一側に配置して連通口により連通する構成のため、排出装置が排出した穀粒の搬送方向を接続部材内で、横方向から縦方向(上方)に切り替えることなく、横方向に引き継ぐので、押し上げられる圧力が掛からず、穀粒の損傷という課題は克服しつつあるが、引継が良好でなく、詰まりが発生するという課題がある。
本発明は、詰まり発生の少ない排出装置を提供するものであり、接続部材の構成について特段の工夫をしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明は、下方に走行装置2を設けた機体フレーム1の上方に脱穀装置3を設け、該脱穀装置3の側方にグレンタンク20を設け、該グレンタンク20内にはグレンタンク20内の穀粒を排出する排出装置21を設け、該排出装置21の終端は接続部材22の横筒部26に接続し、前記接続部材22の縦筒部27には排出用縦揚穀装置25の下部を接続し、該排出用縦揚穀装置25の上部に排出オーガ28の基部を接続したものにおいて、前記縦筒部27は、その軸芯を前記横筒部26の軸芯上方から外した一側に配置して連通口30により前記横筒部26と連通する構成とし、前記横筒部26内の引継ぎ螺旋23の引継螺旋翼36の後端は平面視で前記縦筒部27内の揚穀螺旋28の中心よりも前側に位置させ、前記引継螺旋翼36の後端より後方の螺旋回転軸35の外周には螺旋回転軸35の軸心に対して略垂直に起立する複数の跳ね出し体50を設けたことを特徴とするコンバインとしたものであり、エンジンを始動し、走行装置2により機体を走行させて、刈取装置5により穀稈を刈取り、刈取った穀稈および穀粒を搬送エレベーター14により脱穀装置3へ供給して脱穀し、脱穀された穀粒は、グレンタンク20に一時貯留され、一定量の穀粒が貯留されると、グレンタンク20内の排出装置21を作動させ、グレンタンク20内の穀粒を排出する。
排出装置21により排出搬送された穀粒は接続部材22の横筒部26内に流入し、引継螺旋翼36により移送され、移送された穀粒は跳ね出し体50により連通口30に向かって跳ね飛ばされ、連通口30を通って縦筒部27内に流入して引き継がれ、排出用縦揚穀装置25の揚穀螺旋28により揚穀され、揚穀された穀粒は排出オーガにより軽トラック等の所定のタンクに排出される。
請求項2記載の発明は、前記各跳ね出し体50は、螺旋回転軸35の軸心に対して略垂直に起立する平板状に形成したことを特徴とするコンバインとしたものであり、引継螺旋翼36に比し平板状の複数の跳ね出し体50は横方向への穀粒移送に優れ、縦筒部27へ円滑に引継ぐ。また、平板状の複数の跳ね出し体50は引継螺旋翼36に比し横筒部26の軸心方向への移送力が弱く、連通口30付近の穀粒を詰まらせない。
請求項3記載の発明は、前記各跳ね出し体50は、螺旋回転軸35に対して夫々の取付位置の位相を変えて設けたことを特徴とするコンバインとしたものであり、引継螺旋翼36により移送された穀粒は、複数の跳ね出し体50により連続的に連通口30に向かって跳ね飛ばされて縦筒部27内に流入する。
請求項4記載の発明は、前記複数の跳ね出し体50のうち引継ぎ螺旋23の移送方向始端側の第一跳ね出し体50Aは、前記引継螺旋翼36の終端に連続的に設け、該第一跳ね出し体50Aに対して約120度位相を変えて第二跳ね出し体50Bを設け、第二跳ね出し体50Bに対して約120度位相を変えて第三跳ね出し体50Cを設けたことを特徴とするコンバインとしたものであり、複数の跳ね出し体50のうちの引継螺旋23の移送方向始端側の第一跳ね出し体50Aは、引継螺旋翼36により移送された穀粒を連続的に連通口30に向けて跳ね飛ばし、第一跳ね出し体50Aに続いて約120度位相を変えた第二跳ね出し体50Bが穀粒を跳ね飛ばし、第二跳ね出し体50Bに続いて約120度位相を変えた第三跳ね出し体50Cが穀粒を跳ね飛ばし、第一跳ね出し体50A〜第三跳ね出し体50Cは略同じ間隔で連続的に穀粒を連通口30に向かって跳ね飛して縦筒部27内に流入させる。
【発明の効果】
【0006】
請求項1記載の発明では、横筒部26の内側に軸芯をずらせて縦筒部27を位置させているので、横筒部26から縦筒部27への移送中の穀粒の損傷を抑制することができ、引継螺旋翼36により移送された穀粒を跳ね出し体50により連通口30に向かって跳ね飛ばすので、横筒部26から縦筒部27へ円滑・確実に移送することができ、穀粒の排出作業を円滑に行うことができる。
請求項2記載の発明では、上記請求項1記載の発明の効果を奏する上に、引継螺旋翼36に比し跳ね出し体50の横方向への穀粒移送が優れているので、横筒部26の内側に軸芯をずらせて縦筒部27を位置させてことと相俟って、横筒部26から縦筒部27への移送中の穀粒の損傷を一層抑制することができ、しかも、横筒部26から縦筒部27へ円滑・確実に移送することができる。
請求項3記載の発明では、上記請求項2記載の発明の効果を奏する上に、引継螺旋翼36により移送された穀粒を、複数の跳ね出し体50により連続的に連通口30に向かって跳ね飛ばすので、横筒部26から縦筒部27へ円滑・確実に移送することができる。
請求項4記載の発明では、上記請求項3記載の発明の効果を奏する上に、移送方向始端側の第一跳ね出し体50Aが横方向に引継螺旋翼36により移送された穀粒を連続して連通口30に向けて跳ね飛ばすので、横筒部26から縦筒部27への移送効率を向上させることができ、また、後続の第二跳ね出し体50Bと第三跳ね出し体50Cが略同じ間隔で連続的に穀粒を跳ね飛ばすことができ、そのため、一層、横筒部26から縦筒部27への移送効率を向上させることができ、穀粒排出作業の能率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】コンバインの側面図。
【図2】コンバインの平面図。
【図3】接続メタル部分の側面図。
【図4】同平面図。
【図5】同一部省略側面図。
【図6】同一部省略背面図。
【図7】引継螺旋の正面図。
【図8】同側面図。
【図9】グレンタンクの平面図。
【図10】同開口部付近の断面図。
【図11】同一部拡大断面図。
【図12】同一部拡大断面図。
【図13】グレンタンクの他の実施例の平面図。
【図14】同開口部付近の断面図。
【図15】同一部拡大断面図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の一実施例を図面により説明すると、1は刈り取った圃場の穀稈を投入して脱穀する所謂汎用コンバインの機体フレームであり、機体フレーム1の下方には走行装置2を設け、機体フレーム1の上方には脱穀装置3を設け、操縦部4の前方には刈取装置5を設けている。
刈取装置5は、左右側壁と後述するオーガー8の下方に位置する底板と左右の側壁と底板とを連結するように設けた後板により構成したオーガーフレーム11に、リール12と、刈刃13と前記オーガー8を設けて構成し、オーガーフレーム11には搬送エレベーター14の先端を取付け、搬送エレベーター14の基部は脱穀装置3の脱穀室に接続する。前記オーガー8は前記操縦部4のすぐ前方に位置させ、前記搬送エレベーター14は前記操縦部4の側部に位置させる。
また、刈取装置5は、搬送エレベーター14と共に、搬送エレベーター14の基部を回動中心にして上下するように構成している。
前記脱穀装置3の側方には、該脱穀装置3で脱穀された穀粒を揚穀装置15により供給して一時貯留するグレンタンク20を設ける。グレンタンク20内には、グレンタンク20内の穀粒を排出する螺旋搬送式の排出装置21を設ける(図2)。該排出装置21の終端は、前記機体フレーム1に設けた接続メタル22内に臨ませる。
【0009】
グレンタンク20は、図示は省略するがグレンタンク20の後部の任意の回動支点を中心にして回動自在に構成し、排出装置21の終端は接続メタル22内に設けた引継ぎ螺旋23の接続部24に所謂カップリング接合により着脱自在に係合させる。
接続メタル(接続部材)22は、前記排出装置21と排出用縦揚穀装置25とを接続するものであり、前後方向の引継用横筒部26の側部に、上下方向で終始略同径の揚穀用縦筒部27を設けて構成している。横筒部26には前記グレンタンク20の排出装置21の終端を臨ませ、縦筒部27には排出用縦揚穀装置25の揚穀螺旋28の下部を臨ませ、揚穀螺旋28の下端は引継ぎ螺旋23の中心より下方に位置させている(図6)。29は縦筒部27の上部に接続した排出用縦揚穀装置25の揚穀筒である。
前記縦筒部27は、その軸芯を前記横筒部26の軸芯上方から外した一側に配置して連通口30により前記横筒部26と連通する(図4)。排出装置21および引継ぎ螺旋23により横筒部26まで搬送された穀粒は、連通口30から縦筒部27内に流入し、排出用縦揚穀装置25により揚穀される。31は、排出用縦揚穀装置25の上部に旋回自在に設けた排出オーガであり、排出オーガ31の先端は排出用縦揚穀装置25に対して上下するように構成している。
32は横筒部26に設けた蓋部材、33は止着部材である。
【0010】
前記引継ぎ螺旋23は、螺旋回転軸35の外周に引継螺旋翼36を設け、螺旋回転軸35の後端は横筒部26の後部より後方に突出させ、螺旋回転軸35の後部にはエンジンからの回転が入力される入力プーリ37を設ける(図5)。入力プーリ37より前側の螺旋回転軸35には傘歯車38を設け、伝動軸39に設けた傘歯車40を噛み合わせる。伝動軸39の下部には伝達歯車41を設け、伝達歯車41には揚穀螺旋28の揚穀軸42の伝達歯車43との間にチエン44を掛け回している。
したがって、入力プーリ37に入力されたエンジンからの回転により引継ぎ螺旋23を介してグレンタンク20の排出装置21に伝達され、また、引継ぎ螺旋23の螺旋回転軸35の回転が排出用縦揚穀装置25の揚穀螺旋28に伝達される。
前記引継ぎ螺旋23の引継螺旋翼36の後端は平面視揚穀螺旋28の中心よりも前側に位置させ(図5)、引継螺旋翼36の後端より後方の螺旋回転軸35の外周には螺旋回転軸35の軸心に対して略垂直に起立する跳ね出し体50を複数設ける。
【0011】
複数の跳ね出し体50は、螺旋回転軸35の軸心に対して略垂直に起立しているので、引継螺旋翼36に比し横方向への穀粒移送に優れ、縦筒部27への引継を容易にし、引継を良好にできる。
また、跳ね出し体50は引継螺旋翼36に比し横筒部26の軸心方向への送りが弱くなるので、連通口30付近の穀粒の詰まり発生を抑制する。
また、横筒部26に設けた蓋部材32の止着部材33を外して、蓋部材32を横筒部26から取り外すと、排出オーガ31および排出用縦揚穀装置25が詰まっている状態のときでも、穀粒の除去排出可能となる。
複数跳ね出し体50は、夫々取付位置の位相を変えて設ける。
即ち、複数跳ね出し体50のうち一つの第一跳ね出し体50Aは引継螺旋翼36の後端に連設し、第一跳ね出し体50Aに対して約120度位相を変えて第二跳ね出し体50Bを設け、第二跳ね出し体50Bに対して約120度位相を変えて第三跳ね出し体50Cを設けている(図7等参照)。
【0012】
そのため、各跳ね出し体50が連通口30へ向かって穀粒を送るので、引継性能が向上する。
前記グレンタンク20の天板53には、点検用開口部54を設ける。点検用開口部54の周囲の天板53の上面には取付フレーム55を設け、取付フレーム55には蓋部材56を取付ける。蓋部材56はヒンジ57により取付フレーム55に回動自在に取付ける。58は係合用ピン、59は弾性変形して係合用ピン58に係合する係合部材である。
少なくとも、前記取付フレーム55の下方には補強部材60を設ける。
そのため、取付フレーム55の下方に補強部材60を設けているので、点検用開口部54の周辺の天板53の変形を防止し、天板53の変形によるグレンタンク20内への雨水の浸入を防止する。
【0013】
また、取付フレーム55は天板53の上面より一段高く形成し、取付フレーム55を蓋部材56で覆っているので、グレンタンク20内への雨水の浸入を防止する。
前記補強部材60は点検用開口部54の左右両側に配置し、左右両側の補強部材60は前後方向の補強部材60により連結して互いに支え合うように構成し、支持強度を向上させた合理的構成にしている
この場合、蓋部材56には下向きに突き出る蓋側下向き壁61を設け、蓋側下向き壁61と補強部材60の上向き縦板部65とを、側面視において上下に重ねて配置し、点検用開口部54からグレンタンク20内への雨水等の進入を防止する(図11,図12)。
また、蓋部材56には下向きに突き出る蓋側下向き壁61を設け、取付フレーム55と補強部材60は蓋側下向き壁61の外側となる箇所に取付フレーム55のフランジ部62を位置させ、蓋側下向き壁61とフランジ部62とは側面視において上下方向に重ねて配置し、点検用開口部54からグレンタンク20内への雨水等の進入を防止する(図11,図12)。
【0014】
したがって、点検用開口部54からグレンタンク20内への雨水の浸入は、補強部材60の上向き縦板部65により遮断される。
図12において、取付フレーム55と補強部材60とは、天板53を挟んで上下に配置し、ボルト66により共締め固定する。
そのため、取付フレーム55と補強部材60とが連結され、天板53の支持強度を向上させ、天板53上に作業者が乗ることによる変形を防止し、天板53上に作業者が乗ることを可能にする。
取付フレーム55は、取付フレーム55自体をボルト66により天板53に着脱自在に取付ける。
そのため、取付フレーム55自体を天板53から取り外すことができ、メンテナンス作業を容易にする。
点検用開口部54の周辺の天板53には、周辺補強部材69を設ける。
したがって、天板53の支持強度を向上させ、天板53上に作業者が乗ることによる変形を防止し、天板53上に作業者が乗ることを可能にする。
【0015】
周辺補強部材69の配置は、任意であるが、点検用開口部54を縦長の四角形状とし、点検用開口部54の前後左右の補強部材60は前後方向の補強部材60により連結し、前側の補強部材60の前側に周辺補強部材69を設け、後側の補強部材60の後側に周辺補強部材69を設け、前後方向の補強部材60の外側に更に一本の周辺補強部材69を設けている。
しかして、図13〜図15は、点検用開口部54の別実施例を示したものであり、天板53の周辺の点検用開口部54に上方に起立するフランジ部70を形成し、フランジ部70に上方から被さる断面下向きコの字形状の蓋部材56を設ける。
蓋部材56は蓋天板部材71に下向きの周辺壁72を設けて形成し、周辺壁72と前記フランジ部70とを側面視オーバーラップさせ、周辺壁72と前記フランジ部70とにより点検用開口部54からグレンタンク20内への雨水の浸入を防止する。
点検用開口部54の周囲の天板53の下面には内側取付フレーム76を設け、内側取付フレーム76には蓋部材56に設けた係合部材59が係合する係合用ピン58を設ける。
【0016】
係合用ピン58および係合部材59は左右両側に前後一対設け、蓋部材56は天板53に対し着脱自在に取付け、蓋部材56を外して点検用開口部54を開口させる。
そのため、工具の使用やボルトの取り外しをすることなく、蓋部材56を持ち上げるだけのワンタッチ作業で、係合部材59が係合用ピン58から外せ、蓋部材56を外して点検用開口部54を開口させられ、点検用開口部54の開口作業を容易にする。
蓋部材56に設けた係合部材59は、蓋部材56の蓋フレーム75に設けている。
前記蓋部材56の上面には一対の握り77を設ける。
そのため、蓋部材56の取り外しを容易にする。
前記内側取付フレーム76は左右一対設け、内側取付フレーム76の外側に夫々前後方向の補強部材78を固定し、補強部材78の前後両端に左右方向の補強部材78により連結する。
したがって、天板53の支持強度を向上させ、天板53上に作業者が乗ることによる変形を防止し、天板53上に作業者が乗ることを可能にする。
【0017】
また、補強部材78の配置は、任意であるが、点検用開口部54を縦長の四角形状とし、点検用開口部54の前後左右の補強部材78は前後方向の補強部材78により連結し、前側の補強部材78の前側に補強部材78を設け、後側の補強部材60の後側に補強部材78を一対設け、前後方向の補強部材78の外側に更に一本の周辺補強部材69を設けている。
【0018】
(実施例の作用)
走行装置2により機体を走行させると、リール12が回転し、未刈稈を掻き込み、掻込んだ穀稈を刈刃13で刈取り、刈取った穀稈および穀粒を回転するオーガー8により集めて搬送エレベーター14内へ供給され、搬送エレベーター14により脱穀装置3へ供給されて脱穀される。
脱穀された穀粒は、グレンタンク20に一時貯留され、一定量貯留されると、グレンタンク20内の排出装置21を作動させ、グレンタンク20内の穀粒を排出する。排出装置21により搬送された穀粒は接続メタル22の横筒部26内に流入し、横筒部26内に流入した穀粒は接続メタル22の連通口30により横筒部26から縦筒部27内に流入し、縦筒部27内に流入した穀粒は排出用縦揚穀装置25の揚穀螺旋28により揚穀され、揚穀された穀粒は排出オーガにより軽トラック等の所定のタンクに排出される。
【0019】
引継ぎ螺旋23の引継螺旋翼36の後端は平面視揚穀螺旋28の中心よりも前側に位置させ、引継螺旋翼36の後端より後方の螺旋回転軸35の外周には螺旋回転軸35の軸心に対して略垂直に起立する跳ね出し体50を複数設けているので、引継螺旋翼36により移送された穀粒は跳ね出し体50により連通口30を通って縦筒部27に引き継がれ、排出用縦揚穀装置25の揚穀螺旋28により揚穀される。
この場合、跳ね出し体50は、螺旋回転軸35の外周に複数設けられているので、連通口30へ向けて穀粒の跳ね出しを連続的に行って、縦筒部27への引継を好にする。
また、複数の跳ね出し体50は、螺旋回転軸35の軸心に対して引継螺旋翼36に比し平板状に形成しているので、横方向への穀粒移送に優れ、縦筒部27への引継を容易にし、引継を良好にできる。
【0020】
また、跳ね出し体50は引継螺旋翼36に比し横筒部26の軸心方向への送りが弱くなるので、連通口30付近の穀粒の詰まり発生を抑制する。
複数跳ね出し体50は、夫々取付位置の位相を変えて設けているので、連通口30へ向けて穀粒の跳ね出しの連続作用を良好に発揮して、縦筒部27への引継を良好にする。
なお、前記した各実施例は、理解を容易にするために、個別または混在させて図示および説明しているが、これらの実施例は夫々種々組合せ可能であり、これらの表現によって、構成・作用等が限定されるものではなく、また、相乗効果を奏する場合も勿論存在する。
【符号の説明】
【0021】
1…フレーム、2…走行装置、3…脱穀装置、4…操縦部、5…刈取装置、8…オーガー、11…オーガーフレーム、12…リール、13…刈刃、14…搬送エレベーター、15…揚穀装置、20…グレンタンク、21…排出装置、22…接続メタル(接続部材)、23…引継ぎ螺旋、24…接続部、25…排出用縦揚穀装置、26…横筒部、27…縦筒部、28…揚穀螺旋、29…揚穀筒、30…連通口、31…排出オーガ、35…螺旋回転軸、36…引継螺旋翼、37…入力プーリ、38…傘歯車、39…伝動軸、40…傘歯車、41…伝達歯車、42…揚穀軸、43…伝達歯車、44…チエン、50…跳ね出し体、50A…第一跳ね出し体、50B…第二跳ね出し体、50C…第三跳ね出し体、53…天板、54…点検用開口部、55…取付フレーム、56…蓋部材、57…ヒンジ、58…係合用ピン、59…係合部材、60…補強部材、62…フランジ部、66…ボルト、70…フランジ部、71…蓋天板部材、72…周辺壁、77…握り、78…補強部材。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下方に走行装置(2)を設けた機体フレーム(1)の上方に脱穀装置(3)を設け、該脱穀装置(3)の側方にグレンタンク(20)を設け、該グレンタンク(20)内にはグレンタンク(20)内の穀粒を排出する排出装置(21)を設け、該排出装置(21)の終端は接続部材(22)の横筒部(26)に接続し、前記接続部材(22)の縦筒部(27)には排出用縦揚穀装置(25)の下部を接続し、該排出用縦揚穀装置(25)の上部に排出オーガ(28)の基部を接続したものにおいて、前記縦筒部(27)は、その軸芯を前記横筒部(26)の軸芯上方から外した一側に配置して連通口(30)により前記横筒部(26)と連通する構成とし、前記横筒部(26)内の引継ぎ螺旋(23)の引継螺旋翼(36)の後端は平面視で前記縦筒部(27)内の揚穀螺旋(28)の中心よりも前側に位置させ、前記引継螺旋翼(36)の後端より後方の螺旋回転軸(35)の外周には螺旋回転軸(35)の軸心に対して略垂直に起立する複数の跳ね出し体(50)を設けたことを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
請求項1において、前記各跳ね出し体(50)は、螺旋回転軸(35)の軸心に対して略垂直に起立する平板状に形成したことを特徴とするコンバイン。
【請求項3】
請求項2において、前記各跳ね出し体(50)は、螺旋回転軸(35)に対して夫々の取付位置の位相を変えて設けたことを特徴とするコンバイン。
【請求項4】
請求項3において、前記複数の跳ね出し体(50)のうち引継ぎ螺旋(23)の移送方向始端側の第一跳ね出し体(50A)は、前記引継螺旋翼(36)の終端に連続的に設け、該第一跳ね出し体(50A)に対して約120度位相を変えて第二跳ね出し体(50B)を設け、第二跳ね出し体(50B)に対して約120度位相を変えて第三跳ね出し体(50C)を設けたことを特徴とするコンバイン。
【請求項1】
下方に走行装置(2)を設けた機体フレーム(1)の上方に脱穀装置(3)を設け、該脱穀装置(3)の側方にグレンタンク(20)を設け、該グレンタンク(20)内にはグレンタンク(20)内の穀粒を排出する排出装置(21)を設け、該排出装置(21)の終端は接続部材(22)の横筒部(26)に接続し、前記接続部材(22)の縦筒部(27)には排出用縦揚穀装置(25)の下部を接続し、該排出用縦揚穀装置(25)の上部に排出オーガ(28)の基部を接続したものにおいて、前記縦筒部(27)は、その軸芯を前記横筒部(26)の軸芯上方から外した一側に配置して連通口(30)により前記横筒部(26)と連通する構成とし、前記横筒部(26)内の引継ぎ螺旋(23)の引継螺旋翼(36)の後端は平面視で前記縦筒部(27)内の揚穀螺旋(28)の中心よりも前側に位置させ、前記引継螺旋翼(36)の後端より後方の螺旋回転軸(35)の外周には螺旋回転軸(35)の軸心に対して略垂直に起立する複数の跳ね出し体(50)を設けたことを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
請求項1において、前記各跳ね出し体(50)は、螺旋回転軸(35)の軸心に対して略垂直に起立する平板状に形成したことを特徴とするコンバイン。
【請求項3】
請求項2において、前記各跳ね出し体(50)は、螺旋回転軸(35)に対して夫々の取付位置の位相を変えて設けたことを特徴とするコンバイン。
【請求項4】
請求項3において、前記複数の跳ね出し体(50)のうち引継ぎ螺旋(23)の移送方向始端側の第一跳ね出し体(50A)は、前記引継螺旋翼(36)の終端に連続的に設け、該第一跳ね出し体(50A)に対して約120度位相を変えて第二跳ね出し体(50B)を設け、第二跳ね出し体(50B)に対して約120度位相を変えて第三跳ね出し体(50C)を設けたことを特徴とするコンバイン。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2011−109940(P2011−109940A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−267318(P2009−267318)
【出願日】平成21年11月25日(2009.11.25)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月25日(2009.11.25)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
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