説明

コンバイン

【課題】引継搬送装置から供給搬送装置への受け渡し時の搬送姿勢が悪化する。
【解決手段】穀稈供給搬送装置17の内側には供給搬送チェン19と平面視略平行で刈取装置4の搬送装置Hの搬送速度に同調して駆動され搬送装置Hから穀稈を引き継ぐ引継チェン30を有する引継搬送装置25を設ける。引継チェン30の前端部は供給搬送チェン19の前端部より前側とし挾扼杆18の挾持始端部よりも前側の供給搬送チェン19の外側には縦板状のガイド部材32を設ける。ガイド部材32は供給搬送チェン19の前端部と挾扼杆18の挾持始端部との間の中間部から挾扼杆18の挾持始端部の間の一部または全部において、供給搬送チェン19の移動軌跡より上方に位置させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバインに係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、刈取装置の搬送装置から穀稈を受け継いで脱穀室に供給搬送する穀稈供給搬送装置の穂先側に引継搬送装置を設けた構成は、公知である(特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−201429号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記公知例は、単に、穀稈供給搬送装置の始端部の内側に引継搬送装置を設けた構成であり、穀稈供給搬送装置の始端部の方が引継搬送装置の始端部より刈取装置の搬送装置に近いため、搬送装置から穀稈を受け継ぐときに、穀稈供給搬送装置による搬送穀稈の株元が先行し、その結果、穂先の搬送が遅れ、搬送姿勢が乱れるという課題がある。
本願は、穀稈供給搬送装置および引継搬送装置の構成を工夫し、搬送姿勢を良好にすることを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明は、走行装置2の上方位置に脱穀装置3を設け、脱穀装置3の前方に刈取装置4を設け、刈取装置4は、分草体7と引起装置8と刈刃11と該刈刃11で刈取った穀稈を搬送する搬送装置Hとを設けて構成し、刈取装置4は前記走行装置2の走行速度に同調して駆動する構成とし、前記脱穀装置3の側部には、前記搬送装置Hにより搬送された穀稈を受け継いで走行速度とは無関係な一定速度で穀稈を脱穀装置3に供給搬送する穀稈供給搬送装置17を設け、該穀稈供給搬送装置17は、供給搬送チェン19と該供給搬送チェン19に向けて付勢した挾扼杆18とにより穀稈を挾持搬送する構成とし、該穀稈供給搬送装置17の内側には、前記供給搬送チェン19と平面視略平行で刈取装置4の搬送装置Hの搬送速度に同調して駆動され、前記搬送装置Hから穀稈を引き継ぐ引継チェン30を有する引継搬送装置25を設け、該引継チェン30の前端部は前記供給搬送チェン19の前端部より前側とし、前記挾扼杆18の挾持始端部よりも前側の前記供給搬送チェン19の外側には縦板状のガイド部材32を設け、該ガイド部材32は、前記供給搬送チェン19の前端部と前記挾扼杆18の挾持始端部との間の中間部から挾扼杆18の挾持始端部の間の一部または全部において、前記供給搬送チェン19の移動軌跡より上方に位置させたことを特徴とするコンバインとしたものであり、搬送装置Hにより搬送された穀稈は引継搬送装置25の引継チェン30に受け継がれて後方に搬送され、この引継チェン30により搬送されている搬送穀稈の株元が穀稈供給搬送装置17の始端部に受け継がれ、穀稈供給搬送装置17の供給搬送チェン19の外側のガイド部材32により支持されて、引継搬送装置25の引継チェン30により搬送され、ガイド部材32の上縁が供給搬送チェン19の移動軌跡より上方に位置する箇所より下手側から穀稈供給搬送装置17により搬送されて、挾扼杆18の下方に至り、以後は、挾扼杆18と供給搬送チェン19により挾持搬送されて脱穀装置3に供給される。
請求項2記載の発明は、前記供給搬送チェン19は、該供給搬送チェン19の前部に設けた前側輪体21に巻き掛け、前記供給搬送チェン19は前側輪体21の外周に沿って下方から上方へ円弧移動した後に前側輪体21の後方に前端部を臨ませたチェン案内レール20により案内されて直線移動とする構成とし、供給搬送チェン19が下方から上方へ円弧移動する部分を除いたガイド部材32の上縁の一部または全部を供給搬送チェン19の移動軌跡より上方に位置させたことを特徴とするコンバインとしたものであり、穀稈供給搬送装置17の供給搬送チェン19は前側輪体21の部分で下方から上方への円弧移動している部分ではガイド部材32が穀稈に作用せず、供給搬送チェン19が搬送穀稈を掬い上げながらガイド部材32の上縁に載せ、ガイド部材32の上縁で穀稈の株元を支持して搬送する。
請求項3記載の発明は、前記ガイド部材32は、該ガイド部材32の前側部位において円弧部36を形成し、該円弧部36に続いて後上がり傾斜の上側傾斜部37を形成し、該上側傾斜部37に続いて上側傾斜部37より緩い傾斜の前側直線部38を形成し、前側直線部38に続いて前側直線部38より緩い傾斜の後側直線部39を形成し、少なくとも、前側直線部38の上縁を供給搬送チェン19の移動軌跡より上方に位置させたことを特徴とするコンバインとしたものであり、ガイド部材32の前側は円弧部36に形成しているので、搬送装置Hにより搬送された穀稈は円弧部36から上側傾斜部37に円滑に搬送され、供給搬送チェン19の移動軌跡より上方に位置する前側直線部38は搬送穀稈を支持しつつ供給搬送チェン19の移動軌跡より上方に突き出て供給搬送チェン19の搬送作用を減衰または消失させ、供給搬送チェン19がガイド部材32の上縁よりも上方に露出すると、再び供給搬送チェン19は搬送穀稈の株元を搬送して挾扼杆18の下方に至り、以後は、挾扼杆18と供給搬送チェン19により挾持搬送して脱穀装置3に供給する。
請求項4記載の発明は、前記供給搬送チェン19の始端部を前記搬送装置Hの搬送終端部よりも前方に位置させたことを特徴とするコンバインとしたものであり、穀稈供給搬送装置17の供給搬送チェン19の始端部は搬送装置Hの終端部よりも前方に位置させているので、搬送装置Hにより搬送された穀稈は先ず引継搬送装置25の引継チェン30に受け継がれ、搬送装置Hの搬送終端よりも搬送上手側で穀稈供給搬送装置17の供給搬送チェン19により穀稈の株元側が掬い上げられる。
請求項5記載の発明は、前記ガイド部材32における供給搬送チェン19の移動軌跡よりも上方に位置する部位の上縁と前記引継搬送装置25の引継チェン30の移動軌跡とを側面視において略平行としたことを特徴とするコンバインとしたものであり、引継搬送装置25の引継チェン30の移動軌跡と略平行な上縁を形成したガイド部材32で穀稈の株元を支持しながら搬送装置Hから引継チェン30により搬送する。
請求項6記載の発明は、前記ガイド部材32は、前記供給搬送チェン19を案内するチェン案内レール20に上下位置調節自在に取付けたことを特徴とするコンバインとしたものであり、刈取穀稈の長短等の条件により穀稈供給搬送装置17の供給搬送チェン19の移動軌跡に対するガイド部材32の位置を調節する。
【発明の効果】
【0006】
請求項1記載の発明では、搬送装置Hにより搬送された穀稈を引継搬送装置25と穀稈供給搬送装置17とにより搬送するので、搬送穀稈の稈身方向の2カ所が支持され、搬送姿勢が良好となり、しかも、穀稈供給搬送装置17の供給搬送チェン19の始端部と挾扼杆18の始端部との間の中間部でガイド部材32が供給搬送チェン19の搬送作用を減衰または消失させるので、穂先遅れ等の搬送姿勢の乱れを防止でき、穀稈を脱穀装置3へ円滑に供給できる。
請求項2記載の発明では、上記請求項1記載の発明の効果に加え、始端部での穀稈供給搬送装置17の供給搬送チェン19の搬送穀稈の掬い上げができるので、穀稈の株元の垂れ下がりやそれに伴う穀稈の脱落を防止して、穀稈供給搬送装置17の始端部での搬送姿勢を良好にでき、その後、ガイド部材32の供給搬送チェン19の搬送作用の減衰または消失によって穂先遅れ等の搬送姿勢の乱れを防止でき、搬送姿勢を良好にできる。
請求項3記載の発明では、上記請求項1または請求項2記載の発明の効果に加え、ガイド部材32の前側では穀稈供給搬送装置17の供給搬送チェン19の搬送穀稈の掬い上げ作用を発揮させることができ、その結果、穀稈供給搬送装置17の始端部での搬送姿勢を良好にでき、更に、円弧部36は搬送穀稈に引っ掛からずに誘導して搬送穀稈の搬送を円滑にでき、加えて、ガイド部材32による供給搬送チェン19の搬送作用を減衰または消失によって穂先遅れといった搬送姿勢の乱れを防止でき、搬送姿勢を良好にできる。
請求項4記載の発明では、上記請求項1または請求項2または請求項3記載の発明の効果に加え、搬送装置Hから引継搬送装置25に穀稈を受け継ぐ際に搬送姿勢が乱れた場合でも、搬送装置Hの搬送終端部よりも搬送上手側の位置で穀稈供給搬送装置17の掬い上げ作用によって、穀稈の脱落を効果的に防止でき、搬送姿勢を良好にできる。
請求項5記載の発明では、上記請求項1または請求項2または請求項3または請求項4記載の発明の効果に加え、引継搬送装置25の引継チェン30がガイド部材32の上縁に対して略平行に移動するので、搬送姿勢の乱れを防止することができる。
請求項6記載の発明では、上記請求項1または請求項2または請求項3または請求項4または請求項5記載の発明の効果に加え、ガイド部材32を最適状態に位置させることができ、搬送姿勢を良好にできる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】コンバインの側面図。
【図2】刈取装置から穀稈供給搬送装置までの搬送経路の一例を示す概略図。
【図3】刈取装置の搬送装置の側面概略図。
【図4】穀稈供給搬送装置の始端部付近の平面図。
【図5】穀稈供給搬送装置の始端部付近の側面図。
【図6】ガイド部材の側面図。
【図7】ガイド部材の他の実施例の側面図。
【図8】コンバインの平面図。
【図9】同正面図。
【図10】同正面図。
【図11】ナローガイドの付近の展開状態平面図。
【図12】分草杆の展開状態平面図。
【図13】同側面図。
【図14】ナローガイドの連結部分の展開状態平面図。
【図15】ナローガイドと補助ステップの正面図。
【図16】補助ステップ付近の正面図。
【図17】ナローガイドの側面図。
【図18】走行装置の背面図。
【図19】主変速レバーの操作機構の側面図。
【図20】同一部拡大図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の実施例を図により説明すると、1は機体フレーム1、2は走行装置、3は走行装置2の上方位置に設けた脱穀装置、4は刈取装置、5は脱穀装置3の側部に設けたグレンタンク、5はグレンタンク、6は操縦部である。
刈取装置4は、分草体7と、各分草体7の後方の引起装置8等を有して構成する。引起装置8の後方には刈取穀稈を掻込搬送する搬送装置Hを設ける。搬送装置搬送装置Hの構成は任意であるが、引起装置8の後方に掻込装置9を設け、掻込装置9の後方に前側株元搬送装置10を設け、前側株元搬送装置10の下方に刈刃11を設けている。12は搬送装置Hの穂先搬送装置、13は搬送装置Hの後側搬送装置、14は搬送装置Hの後側穂先搬送装置、15は搬送装置Hの扱深さ調節搬送装置、16は搬送装置Hの株元搬送装置、16Aは穂先搬送装置である。
扱深さ調節搬送装置15と穂先搬送装置16の終端には脱穀装置3に穀稈を供給する穀稈供給搬送装置17を設ける。
【0009】
前記搬送装置Hおよび刈刃11は、前記走行装置2の走行速度に同調した回転により駆動するようにし、穀稈供給搬送装置17は走行速度に関わらず一定速度で穀稈を搬送する構成とする。
穀稈供給搬送装置17は、供給搬送チェン19と、この供給搬送チェン19の上方に上下自在に位置する挾扼杆18により穀稈を挾持搬送するように構成する。
前記供給搬送チェン19は前後方向のチェン案内レール20の前後に設けた前側輪体(前側受動輪)21および後側輪体(駆動輪、図示省略)に掛け回す。前記チェン案内レール20はレール支持フレーム23に取付ける。レール支持フレーム23は、図示は省略するが、その前側部分を斜め縦方向の取付軸中心に機体固定部に対して回動自在に取付け、チェン案内レール20をレール支持フレーム23と共に回動させて、供給搬送チェン19を側方オープン回動するように構成すると、メンテナンスが容易になり好適である。
【0010】
搬送装置Hの株元搬送装置16の終端と穀稈供給搬送装置17の始端部との間には引継搬送装置25を設ける。引継搬送装置25は前後方向の案内レール26の前後に設けた前側輪体(前側受動輪)27および後側輪体(後側駆動輪)28に引継チェン30を掛け回して構成し、引継搬送装置25の搬送速度は刈取装置4の搬送装置Hと同調させ、走行速度の変化に対応させて変速させる。
即ち、刈取装置4の搬送装置Hによる搬送姿勢は直立状態に近い姿勢で搬送し、穀稈供給搬送装置17は横倒し状態で脱穀装置3に供給するので、そもそも、搬送装置Hと穀稈供給搬送装置17との間の搬送姿勢の変化が大きく、搬送の引継が良好でない現象が生じる。加えて、搬送装置Hは走行速度に同調させるため、穀稈供給搬送装置17の搬送速度に対して速度差が発生し、この点でも、引継が円滑に行えない原因となる。
そこで、搬送姿勢は穀稈供給搬送装置17と一致させた引継搬送装置25の引継チェン30の搬送速度を搬送装置Hと一致させることで、搬送姿勢を安定させて、引継を良好にしている。
【0011】
29は引継チェン30の上方位置する案内ガイドであり、引継穀稈を下方に押し付けるように作用する。
引継搬送装置25の引継チェン30は穀稈供給搬送装置17の供給搬送チェン19の内側に略平行状態に並設し、引継チェン30の終端は供給搬送チェン19の始端より後側に位置させる。穀稈供給搬送装置17の供給搬送チェン19の外側にはガイド部材32を設ける。ガイド部材32は縦板状に形成し、チェン案内レール20に着脱自在に取付ける。ガイド部材32の上縁の一部は、穀稈供給搬送装置17の供給搬送チェン19の移動軌跡より上方に位置させ、移動する供給搬送チェン19の一部を隠すようにしている(図5)。
【0012】
即ち、前記したように、引継搬送装置25の引継チェン30の搬送速度と穀稈供給搬送装置17の供給搬送チェン19の搬送速度との間に速度差が生じており、供給搬送チェン19が先に搬送穀稈の株元を搬送して、穂先側が遅れて搬送姿勢が乱れることがあるので、ガイド部材32により穀稈供給搬送装置17の供給搬送チェン19の始端側の一部を隠して非作用状態とし、引継搬送装置25の搬送速度と穀稈供給搬送装置17の搬送速度との速度差による搬送姿勢の乱れを防止する。
また、ガイド部材32は、引継搬送装置25と共に搬送穀稈を支持することで単独の引継搬送装置25の搬送による搬送姿勢に比し、ガイド部材32と引継搬送装置25によって搬送姿勢の良好化の作用も期待し、特に長稈の場合に有効である。
この場合、穀稈供給搬送装置17の供給搬送チェン19は、前側輪体21の部分の下から上の円弧移動軌跡Eからチェン案内レール20により案内される前側直線移動軌跡Fと、前側直線移動軌跡Fよりも緩傾斜の後側直線移動軌跡Gと姿勢を変化させつつ移動するが、円弧移動軌跡Eから直線移動軌跡Gへの移行部分から搬送力が作用を奏するので、少なくとも、前側直線移動軌跡Fにてガイド部材32により供給搬送チェン19を隠して、穂先遅れを防止している(図5)。
【0013】
実施例では、ガイド部材32の前側は前方に至るに従い高くなる下側傾斜部35に形成し、下側傾斜部35に続いて円弧部36に形成し、円弧部36に続いて後上がりの上側傾斜部37を形成し、上側傾斜部37に続いて上側傾斜部37より緩い傾斜の前側直線部38を形成し、前側直線部38に続いて前側直線部38より緩い傾斜の後側直線部39を形成し、少なくとも、前側直線部38の上縁は供給搬送チェン19の移動軌跡より上方に位置させる(図5、図6)。
ガイド部材32の円弧部36は前側輪体21より後側に位置させる。
そのため、穀稈供給搬送装置17の前側輪体21の部分でガイド部材32の下側傾斜部35により下から搬送穀稈を掬い上げるときの穀稈が引っ掛かるのを防止し、円弧部36により露出する供給搬送チェン19が下から搬送穀稈を掬い上げつつガイド部材32の上縁に穀稈を載せられるので、搬送姿勢を安定させる。
次に、搬送姿勢の安定した搬送穀稈に対して、ガイド部材32の前側直線部38が供給搬送チェン19の移動軌跡よりも徐々に上方に位置して、ガイド部材32により搬送穀稈を支持しつつ供給搬送チェン19の搬送作用を減衰させ、引継搬送装置25の搬送速度差に起因する穂先遅れの搬送姿勢の乱れを抑制して、搬送姿勢を安定させる。
【0014】
ガイド部材32はチェン案内レール20に着脱自在であって位置調節自在に取付ける。42は長孔、43はボルトである。
そのため、穀稈の長さや扱深さ等の条件によって、ガイド部材32の上縁と供給搬送チェン19の移動軌跡との位置関係を変更調節し、最適な状態で作業を行って、穂先遅れ等の搬送姿勢の乱れ発生を防止する。
例えば、ガイド部材32の前側直線部38の上縁が供給搬送チェン19の移動軌跡よりも上方に位置する高さから、供給搬送チェン19が多少露出して移動しうる高さまでに亘り調節可能に構成する。
また、引継搬送装置25の前側輪体27は、穀稈供給搬送装置17の前側輪体21よりも前側に配置する。
そのため、刈取装置4の搬送装置Hの終端からの搬送穀稈を引継搬送装置25が穀稈供給搬送装置17より先行して確実に受け取れ、搬送姿勢を安定させられる。
【0015】
また、引継チェン30の終端は供給搬送チェン19の始端より後側に位置させているので、引継搬送装置25が受け取った搬送穀稈を穀稈供給搬送装置17の供給搬送チェン19に確実に受け渡せる。
また、穀稈供給搬送装置17の前側輪体21と引継搬送装置25の前側輪体27とは略同じ高さで配置する。
そのため、搬送装置Hから引継搬送装置25が受け取った搬送穀稈を、穀稈供給搬送装置17の前側輪体21の部分からの始端側で確実に掬い上げられ、搬送姿勢を安定させる。
また、引継搬送装置25の引継チェン30の始端部は搬送装置Hの株元搬送装置16の終端部と前後に重ねてオーバーラップさせて、穀稈供給搬送装置17の供給搬送チェン19の始端部は搬送装置Hの株元搬送装置16の終端部と略同じかやや前側に配置して、搬送装置Hから株元搬送装置16に引き継がれた穀稈の株元を供給搬送チェン19の始端部が掬い上げることで、搬送姿勢が乱れるのを抑制している。
【0016】
前記引継搬送装置25の引継チェン30は、引継搬送装置25の部分の下から上へ移動する円弧移動軌跡Kから前側直線移動軌跡Lと、前側直線移動軌跡Lよりも緩傾斜の後側直線移動軌跡Mと後方直線移動軌跡Nと姿勢を変化させつつ移動させる構成とし(図5)、引継チェン30の前側直線移動軌跡Lと、穀稈供給搬送装置17の供給搬送チェン19の前側直線移動軌跡Fとは略同じ傾斜角度で、引継チェン30の前側直線移動軌跡Lの後側に穀稈供給搬送装置17の供給搬送チェン19の前側直線移動軌跡Fが略平行に位置するように構成する。
そのため、挾扼杆18に遠い部分で引継搬送装置25が作用し、挾扼杆18に近い部分で穀稈供給搬送装置17が作用し、引継搬送装置25から穀稈供給搬送装置17への引継が良好となる。
【0017】
なお、後側直線移動軌跡Kから後側の引継搬送装置25の引継チェン30の移動軌跡は、穀稈供給搬送装置17の供給搬送チェン19より側面視低くして穀稈供給搬送装置17への引継を良好にしている。
図7は、ガイド部材32の他の実施例を示し、ガイド部材32の前側は円弧部36に形成し、円弧部36に続いて上側傾斜部37を形成し、上側傾斜部37に続いて上側傾斜部37より緩い傾斜の前側直線部38を形成し、上側傾斜部37の終端から前側直線部38の始端部分が最も供給搬送チェン19の移動軌跡より上方に突出させ、前側直線部38の終端に至るに従い供給搬送チェン19を露出させるように構成している。
そのため、長稈や倒伏稈の場合の株元遅れとなる搬送姿勢の乱れを安定させられる。
【0018】
しかして、刈取部4の前記分草装置8の側方から脱穀装置3の後部側方にかけて未刈り穀稈を分草するナローガイド(未刈り穀稈分草装置)55を設ける(図8)。ナローガイドナローガイド55は、棒状部材により形成し、前側ナローガイド56と後側ナローガイド57とに分割して形成する(図8)。
ナローガイド55は、側方に張り出して未刈り穀稈を案内する張出位置と、格納位置とに位置切替自在に構成する。
ナローガイド55の位置を切替える構成は任意であるが、一例を示すと、前側ナローガイド56の前端部は前記分草装置8を取付けた分草フレーム60に軸60Aにより回動自在に取付け、前側ナローガイド56の後端と後側ナローガイド57の前端とを取付部材61により屈曲自在に取付ける(図11)。
60Bは前側ナローガイド56を補強支持する支持アームである。
【0019】
このナローガイド55は、収納時に、後側ナローガイド57が操縦部6のラジエータカバー62の下方、かつ、ステップ63の下方に位置して、平面視機体全幅内に収まるようにし、張出時にはラジエータカバー62の外面より外側方に突出する構成とする(図8)。
そのため、収納時に、操縦部6のラジエータカバー62の下方、かつ、ステップ63の下方に後側ナローガイド57を位置させるので、収納時のナローガイド55を平面視機体全幅内に簡単に収められる。
また、張出時にはラジエータカバー62の外面より外側方に突出するので、機体右側の角部に作物が引っ掛からない。
前記分草フレーム60を取付ける部分の前側ナローガイド56と後側ナローガイド57は、夫々端部を同等の角度で屈曲させ、前側ナローガイド56と後側ナローガイド57の本体部分の軸心方向が直線状となるように合わせて、分草フレーム60によりリンクさせる。
【0020】
そのため、前側ナローガイド56を回動させることにより、後側ナローガイド57を連動させられ、かつ、上下の移動を小さくして左右に移動(張出・収納)できる。
前記操縦部6のステップ63の下方には、補助ステップ65を設ける(図15)。補助ステップ65は受板66に固定し、受板66を軸66Aにより回動自在に取付ける。この受板66の内側且つ下方に収納時のナローガイド55を位置させ、張出時には補助ステップ65を出した状態で補助ステップ65の下方にナローガイド55を位置する構成とする。
そのため、補助ステップ65を用いて作業者が乗り降りする際に、ナローガイド55が邪魔にならない。
また、補助ステップ65の受板66は、機体固定部に設けた下カバー67に当接して使用状態を保持させ、前記ナローガイド55を、補助ステップ65の下カバー67の右角部や、補助ステップ65の受板66を結ぶラインより外側にナローガイド55を位置させる。
【0021】
そのため、ナローガイド55の張出時には機体前方右側角部の下カバー67に作物が引っ掛かるのを防止し、作物を押し倒すのを防止する。
前記ナローガイド55は、後側ナローガイド57の後端を機体フレーム1に取付ける取付ステー68から前記ラジエータカバー62の下方を結ぶラインよりも外側に張り出す構成とする。
そのため、後進時に取付ステー68やラジエータカバー62が作物に引っ掛かるのを防止し、作物を押し倒すのを防止する。
前記走行装置2の左右のクローラー70は、機体フレーム1の左右両側部分より内側下方に位置させ、前記ナローガイド55は機体フレーム1の左右両側部分より外側に張り出す構成とする。
そのため、クローラー70に干渉することなく、ナローガイド55を機体幅内に格納できる。
【0022】
この場合、前記クローラー70は、転輪71を基準に、転輪71の外側のクローラー70の左右幅を転輪71の内側のクローラー70の左右幅よりも狭くし、転輪71に対してクローラー70を内側に寄せたように構成とする。
即ち、図18に示すように、クローラー70を点線位置から実線位置に内側よりに配置し、クローラー70の外縁と転輪71との間の間隔を狭くする。
そのため、転輪71の外側のクローラー70の左右幅を狭くでき、この部分のクローラー70に載る泥土の塊が図18の右側に比し左側のように大きくならず、従来に比し堆積するのを抑制する。
この走行装置2のクローラー70は、グレンタンク5の外側面より内側に配置する。
そのため、クローラー70が跳ね上げた泥土がグレンタンク5の外側面に当たることおよび付着を防止し、グレンタンク5の外側面が汚れるのを解消または軽減させる。
【0023】
また、走行装置2のクローラー70は、脱穀装置3の側部のベルトカバー73の外側面より内側に配置する。
そのため、クローラー70が跳ね上げた泥土がベルトカバー73の外側面に当たることおよび付着を防止し、ベルトカバー73の外側面が汚れるのを解消または軽減させる。
走行装置2の走行速度の変速操作する主変速レバー75の基部のレバーアーム76は、操作部の固定部77に取付軸78により回動自在に軸装する(図19)。
レバーアーム76には操作を伝達する操作伝達ロッド79の上部を軸(ピン)80により取付ける。操作伝達ロッド79の下部は走行装置2に変速回転を伝達する無段変速装置81のトラニオンアーム82に軸着する。
前記固定部77にはリンク杆83の中間部を軸84により回動自在に取付ける。リンク杆83の一端にはバネ85を係止する。リンク杆83の他端は、主変速レバー75を前進側の最高速度域近傍でレバーアーム76に設けたピン80と当接させる構成としている。
【0024】
そのため、主変速レバー75を操作すると、前記レバーアーム76のピン80がリンク杆83をバネ85の弾力に抗して回動させ、主変速レバー75の最高速近傍領域における操作抵抗を重くする。
それゆえ、微妙な主変速レバー75の変速操作を可能にし、作業中の走行速度が速くなることを防止して、適正な脱穀負荷域で作業を行える。
【0025】
(実施例の作用)
次に作用を述べる。
走行装置2により機体を前進させると、各分草体5により分草し、分草体5により分草された穀稈は引起装置6により引起され、刈刃9により切断され、切断された穀稈は搬送装置Hにより搬送され、搬送された穀稈は穀稈供給搬送装置17に引き継がれ、穀稈供給搬送装置17により脱穀装置3に供給して脱穀する。
搬送装置Hの株元搬送装置16の終端と穀稈供給搬送装置17の始端部との間には引継搬送装置25を設けているので、引継搬送装置25は、刈取装置4の搬送装置Hの搬送速度変わらずに搬送穀稈を引き継いで搬送姿勢を横向きに変更して、穀稈供給搬送装置17への受け渡しを良好にする。
即ち、引継搬送装置25の引継チェン30は穀稈供給搬送装置17の供給搬送チェン19の内側に略平行状態に並設しているので、刈取装置4の搬送装置Hからの搬送穀稈は引継搬送装置25と穀稈供給搬送装置17の始端側に受け渡される。
【0026】
穀稈供給搬送装置17の供給搬送チェン19の外側にはガイド部材32を設け、ガイド部材32の上縁の一部または全部は穀稈供給搬送装置17の供給搬送チェン19の移動軌跡より上方に位置させ、移動する供給搬送チェン19の一部を隠すようにしているので、ガイド部材32により穀稈供給搬送装置17の供給搬送チェン19の始端側の一部を隠してこの部位における搬送作用を減衰させ、穂先側の遅れの搬送姿勢の乱れを防止または抑制する。
即ち、引継搬送装置25の引継チェン30の搬送速度と穀稈供給搬送装置17の供給搬送チェン19の搬送速度との間に速度差により、搬送穀稈の穂先側が遅れて搬送され、搬送姿勢の乱れが発生することがあるが、ガイド部材32により穀稈供給搬送装置17の供給搬送チェン19の始端側の一部を隠して搬送作用の一部を減衰させるので、引継搬送装置25の搬送速度に搬送されて、穂先側の遅れの搬送姿勢の乱れを防止または抑制する。
【0027】
なお、単に、供給搬送チェン19の始端部位置を引継搬送装置25より後方にしたのでは、穀稈が垂れ下がり、搬送姿勢が乱れるが、ガイド部材32と供給搬送チェン19とにより支持するので、搬送穀稈の垂れ下がの搬送姿勢の乱れも防止する。
ガイド部材32は、穀稈供給搬送装置17の供給搬送チェン19の外側に設けられているので、移動する供給搬送チェン19の一部が隠されて搬送作用が抑制されても、ガイド部材32が搬送穀稈の株元を支持し、搬送装置Hから受け渡された搬送穀稈は引継搬送装置25により穀稈供給搬送装置17の供給搬送チェン19の作用域まで搬送され、その後は穀稈供給搬送装置17の供給搬送チェン19と挾扼杆18により脱穀装置3に供給搬送される。
それゆえ、特に長稈の刈取脱穀作業の場合に有効である。
【0028】
また、供給搬送チェン19の始端部と挾扼杆18の挾持部との間の供給搬送チェン19の一部または全部を隠して搬送作用の一部を減衰させるので、引継搬送装置25と、供給搬送チェン19の搬送作用および支持力とがバランスよく作用して、姿勢を良好にして搬送する。
穀稈供給搬送装置17の供給搬送チェン19は、前側輪体21の部分の下から上の円弧移動軌跡Eからチェン案内レール20により案内される前側直線移動軌跡Fと、前側直線移動軌跡Fよりも緩傾斜の後側直線移動軌跡Gと姿勢を変化させつつ移動し、少なくとも、供給搬送チェン19の前側直線移動軌跡Fの始端部にガイド部材32を設けているので、前側直線移動軌跡Fの始端側の部分で引継搬送装置25の搬送と併用状態となることによる穂先遅れを防止する。
【0029】
ガイド部材32の前側は前方に至るに従い高くなる下側傾斜部35に形成し、下側傾斜部35に続いて円弧部36に形成し、円弧部36に続いて上側傾斜部37を形成し、上側傾斜部37に続いて上側傾斜部37より緩い傾斜の前側直線部38を形成し、前側直線部38に続いて前側直線部38より緩い傾斜の後側直線部39を形成し、少なくとも、前側直線部38の上縁は供給搬送チェン19の移動軌跡より上方に位置させているので、前側直線移動軌跡Fの始端側の部分で供給搬送チェン19をガイド部材32の前側直線部38により隠して穂先遅れを防止する。
前側輪体21の下方部分から上方部分はガイド部材32の前方に至るに従い高くなる下側傾斜部35により露出させているので、下側傾斜部35により下から搬送穀稈を掬い上げるときの穀稈が引っ掛かるのを防止する。
ガイド部材32の円弧部36は前側輪体21より後側に位置させているので、穀稈供給搬送装置17の前側輪体21の部分からガイド部材32の円弧部36の上方まで供給搬送チェン19が下から搬送穀稈を掬い上げつつガイド部材32の上縁に穀稈を載せられ、搬送姿勢を安定させられる。
【0030】
引継搬送装置25の前側輪体27は、穀稈供給搬送装置17の前側輪体21より前側に配置しているので、刈取装置4の搬送装置Hの終端からの搬送穀稈を引継搬送装置25が穀稈供給搬送装置17より先行して確実に受け取れ、搬送姿勢を安定させられる。
即ち、搬送装置Hの搬送速度に同調している引継搬送装置25が搬送装置Hから穀稈を受け継ぐので、受け渡しが円滑になる。
引継チェン30の終端は供給搬送チェン19の始端より後側に位置させているので、引継搬送装置25が受け取った搬送穀稈は穀稈供給搬送装置17の供給搬送チェン19に確実に受け渡される。
穀稈供給搬送装置17の前側輪体21と引継搬送装置25の前側輪体27とは略同じ高さで配置しているので、搬送装置Hから引継搬送装置25が受け取った搬送穀稈を、穀稈供給搬送装置17の前側輪体21の部分からの始端側で確実に掬い上げられ、搬送姿勢を安定させる。
【0031】
引継搬送装置25の引継チェン30は、引継搬送装置25の部分の下から上へ移動する円弧移動軌跡Kから前側直線移動軌跡Lと、前側直線移動軌跡Lよりも緩傾斜の後側直線移動軌跡Mと姿勢を変化させつつ移動させる構成とし、引継チェン30の前側直線移動軌跡Lと、穀稈供給搬送装置17の供給搬送チェン19の前側直線移動軌跡Fとは略同じ傾斜角度で、引継チェン30の前側直線移動軌跡Lの後側に穀稈供給搬送装置17の供給搬送チェン19の前側直線移動軌跡Fが略平行に位置するように構成しているので、挾扼杆18に遠い部分で引継搬送装置25が作用し、挾扼杆18に近い部分で穀稈供給搬送装置17が作用し、引継搬送装置25から穀稈供給搬送装置17への引継が良好となる。
また、引継搬送装置25の引継チェン30は、後側直線移動軌跡Mよりも緩傾斜の
後方移動軌跡Nと移動し、引継チェン30の後方移動軌跡Nは供給搬送チェン19の後側直線移動軌跡Gよりも徐々に低くなるので、搬送穀稈は引継チェン30から供給搬送チェン19へ受け継がれる。
【0032】
図7のガイド部材32の他の実施例では、ガイド部材32の前側は円弧部36に形成し、円弧部36に続いて上側傾斜部37を形成し、上側傾斜部37に続いて上側傾斜部37より緩い傾斜の前側直線部38を形成し、上側傾斜部37の終端から前側直線部38の始端部分が最も供給搬送チェン19の移動軌跡より上方に突出させ、前側直線部38の終端に至るに従い供給搬送チェン19を露出させるように構成しているので、長稈や倒伏稈の作業のように搬送姿勢が株元遅れとなる場合でも、搬送姿勢の乱れを防止して安定させられる。
また、前記した各実施例は、理解を容易にするために、個別または混在させて図示、あるいは説明しているが、これらは夫々種々組合せ可能であり、これらの表現によって、構成・作用等が限定されるものではなく、また、相乗効果を奏する場合も勿論存在する。
【符号の説明】
【0033】
1…機体フレーム、2…走行装置、3…脱穀装置、4…刈取装置、5…グレンタンク、6…操縦部、7…分草装置、8…引起装置、9…掻込装置、10…前側株元搬送装置、11…刈刃、12…穂先搬送装置、13…後側搬送装置、14…後側穂先搬送装置、15…扱き深さ調節装置、16…株元搬送装置、16A…穂先送装置、17…穀稈供給搬送装置、18…挾扼杆、19…供給搬送チェン、20…チェン案内レール、21…前側輪体、23…レール支持フレーム、25…引継搬送装置、26…案内レール、27…前側輪体、28…後側輪体、30…引継チェン、32…ガイド部材、36…円弧部、37…上側傾斜部、38…前側直線部、39…後側直線部、55…ナローガイド、56…前側ナローガイド、57…後側ナローガイド、60…分草フレーム、62…ラジエータカバー、63…ステップ、65…補助ステップ、66…受板、67…下カバー、68…取付ステー、70…クローラー、71…転輪、73…ベルトカバー、75…主変速レバー、76…レバーアーム、77…固定部、78…取付軸、79…操作伝達ロッド、80…軸、81…無段変速装置、82…トラニオンアーム、85…バネ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行装置(2)の上方位置に脱穀装置(3)を設け、脱穀装置(3)の前方に刈取装置(4)を設け、刈取装置(4)は、分草体(7)と引起装置(8)と刈刃(11)と該刈刃(11)で刈取った穀稈を搬送する搬送装置(H)とを設けて構成し、刈取装置(4)は前記走行装置(2)の走行速度に同調して駆動する構成とし、前記脱穀装置(3)の側部には、前記搬送装置(H)により搬送された穀稈を受け継いで走行速度とは無関係な一定速度で穀稈を脱穀装置(3)に供給搬送する穀稈供給搬送装置(17)を設け、該穀稈供給搬送装置(17)は、供給搬送チェン(19)と該供給搬送チェン(19)に向けて付勢した挾扼杆(18)とにより穀稈を挾持搬送する構成とし、該穀稈供給搬送装置(17)の内側には、前記供給搬送チェン(19)と平面視略平行で刈取装置(4)の搬送装置(H)の搬送速度に同調して駆動され、前記搬送装置(H)から穀稈を引き継ぐ引継チェン(30)を有する引継搬送装置(25)を設け、該引継チェン(30)の前端部は前記供給搬送チェン(19)の前端部より前側とし、前記挾扼杆(18)の挾持始端部よりも前側の前記供給搬送チェン(19)の外側には縦板状のガイド部材(32)を設け、該ガイド部材(32)は、前記供給搬送チェン(19)の前端部と前記挾扼杆(18)の挾持始端部との間の中間部から挾扼杆(18)の挾持始端部の間の一部または全部において、前記供給搬送チェン(19)の移動軌跡より上方に位置させたことを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
請求項1に記載の発明において、前記供給搬送チェン(19)は、該供給搬送チェン(19)の前部に設けた前側輪体(21)に巻き掛け、前記供給搬送チェン(19)は前側輪体(21)の外周に沿って下方から上方へ円弧移動した後に前側輪体(21)の後方に前端部を臨ませたチェン案内レール(20)により案内されて直線移動とする構成とし、供給搬送チェン(19)が下方から上方へ円弧移動する部分を除いたガイド部材(32)の上縁の一部または全部を供給搬送チェン(19)の移動軌跡より上方に位置させたことを特徴とするコンバイン。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の発明において、前記ガイド部材(32)は、該ガイド部材(32)の前側部位において円弧部(36)を形成し、該円弧部(36)に続いて後上がり傾斜の上側傾斜部(37)を形成し、該上側傾斜部(37)に続いて上側傾斜部(37)より緩い傾斜の前側直線部(38)を形成し、前側直線部(38)に続いて前側直線部(38)より緩い傾斜の後側直線部(39)を形成し、少なくとも、前側直線部(38)の上縁を供給搬送チェン(19)の移動軌跡より上方に位置させたことを特徴とするコンバイン。
【請求項4】
請求項1または請求項2または請求項3に記載の発明において、前記供給搬送チェン(19)の始端部を前記搬送装置(H)の搬送終端部よりも前方に位置させたことを特徴とするコンバイン。
【請求項5】
請求項1または請求項2または請求項3または請求項4に記載の発明において、前記ガイド部材(32)における供給搬送チェン(19)の移動軌跡よりも上方に位置する部位の上縁と前記引継搬送装置(25)の引継チェン(30)の移動軌跡とを側面視において略平行としたことを特徴とするコンバイン。
【請求項6】
請求項1または請求項2または請求項3または請求項4または請求項5に記載の発明において、前記ガイド部材(32)は、前記供給搬送チェン(19)を案内するチェン案内レール(20)に上下位置調節自在に取付けたことを特徴とするコンバイン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2012−200230(P2012−200230A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−69566(P2011−69566)
【出願日】平成23年3月28日(2011.3.28)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】