説明

コンピュータ化端末によってモバイル電話装置にサービス構成データを供給するための方法

本発明は、ATコマンドを管理するための手段6を備えたモバイル電話装置1にサービス構成データを供給するための方法に関する。方法は、装置1と、サービス構成データを含むコンピュータ化端末7の間の接続を確立するステップと、装置のATコマンド管理手段6が解釈することが可能な選択されたATコマンドを使って、端末7と装置1の間でサービス構成データを交換するステップとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、モバイル電話ネットワークにおける通信の分野に関し、より詳細には、モバイル電話などのモバイル電話装置にサービス構成データを供給する分野に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザの個人的な要求に合わせたサービスを実施するためには、モバイル電話装置をその個人固有に構成する必要があることを当業者は知っている。このことは、特に、モバイル電話装置のブラウザモジュール、およびオンボードのJava(登録商標)またはマルチメディアメッセージングアプリケーションモジュールについて言える。構成プロセスは、電話装置のメモリ、より詳細には残留データマネージャ(RDM)に記憶されるプロファイルを定義する、構成データを使用する。これらの装置は、一般に、特定の数のプロファイルを備えて販売され、それらのプロファイルのうちのあるものはデフォルトで使用される。
【0003】
ユーザは、プロファイルを個人固有の要求に合わせるために、装置の「マンマシン」インタフェース(キーパッド)を使って、特定のプロファイルを定義する構成データの修正または追加を行うことができる。しかし、構成データは、その装置の通信ネットワークのリモートサーバによって修正または追加することもできる。
【0004】
前者の場合、ユーザはキーパッドのキーを使って修正または追加を入力しなければならず、これは特に不便であり、また、装置が一時的に使用できなくなる。後者の場合、ユーザはネットワークに接続して修正または追加をダウンロードしなければならず、これには課金が伴い、しかも他のユーザが使用できるはずの接続を不必要に独占することになる。したがって、2つの選択肢のどちらも満足できるものではない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明の目的は、上述の欠点のいくつかまたはすべてを改善することを意図した、新規な解決策を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために、本発明は、ATコマンド管理手段を備えたモバイル電話装置に構成データを供給する方法を提案する。この方法では、まず、前記装置とサービス構成データを含むデータ処理端末の間に接続が確立され、次いで、装置のATコマンド管理手段が解釈することが可能な選択されたATコマンドによって、端末と装置の間でサービス構成データが交換される。
【0007】
この文脈において、「ATコマンド」という表現は、もともと、米国企業のHayes Microcomputer Products社によって開発された型のコマンド、およびそれらの標準化された拡張版(IS−99)を指す。さらに、「端末」という用語は、ユーザフレンドリなマンマシンインタフェース(キーパッド)を備え、モバイル電話などのモバイル電話装置と「近傍」ケーブルまたは無線リンク(例えば、赤外線(Irda)やブルートゥースリンク)を確立することができる、いずれかのタイプのデータ処理機器を指す。したがって、端末は、固定または携帯のマイクロコンピュータ、あるいはパーソナルディジタルアシスタント(PDA)であってもよい。
【0008】
したがって、ユーザは、例えばCD−ROMを使って、新しいプロファイルを端末に用意またはロードして、その後、端末と装置の間に簡単な接続を確立することによってその新しいプロファイルを装置に転送することができる。接続が確立すると、ユーザは、装置に記憶されている特定のプロファイルをオンデマンドで端末に転送し、端末のユーザフレンドリなキーパッドを使って、それらのプロファイルをすばやく修正したり追加したりすることもできる。接続が確立すると、ユーザは、装置のメモリから1つまたは複数のプロファイルを削除する要求を送信することもできる。
【0009】
本発明の方法は、さらなる特徴、特に以下の特徴を備えることができる。以下の特徴は、別個に、および/または組み合わせて使用することができる。
−プロビジョニング(または構成)プロトコルを表すデータを、選択されたATコマンドによって装置から抽出し、次いで、端末が前記プロビジョニングプロトコルに従って装置と構成データを交換できるように、そのデータを端末に送信することができる。
−ATコマンド管理手段は、端末から受信したATコマンドから構成データを抽出し、それをモバイルインターネットリソースを要求しているアプリケーション手段に供給することができる。この場合、データは、好ましくはアプリケーション手段中のプロビジョニングエージェントに供給される。アプリケーション手段は、例えばWAPブラウザなどのブラウザ手段、またはオンボードのJava(登録商標)。またはマルチメディアメッセ−ジングアプリケーションである。
【0010】
本発明はまた、ATコマンド管理手段が解釈することが可能な選択されたATコマンドによって端末とサービス構成データを交換するために、サービス構成データを含む端末と接続を確立するようになされているATコマンド管理手段を含む、モバイル電話などのモバイル電話装置にも関する。
【0011】
装置が、モバイルインターネットリソースを要求し、装置のATコマンド管理手段に接続され、構成データを受信するようになされているアプリケーション手段を含んでいるならば望ましい。アプリケーション手段が、特に、ATコマンド管理手段から来る構成データ、およびATコマンド管理手段を介して端末に送信される構成データを管理することが可能なプロビジョニングエージェントを含んでいるならばさらに好ましい。
【0012】
本発明はさらに、サービス構成データを記憶するためのメモリと、上記のタイプのモバイル電話装置と接続を確立するように、また、装置のATコマンド管理手段が解釈することが可能な選択されたATコマンドによって、装置とサービス構成データを交換するようになされているプロビジョニング手段を含む(データ処理)端末に関する。
【0013】
端末のプロビジョニング手段は、好ましくは、プロビジョニングプロトコルに従って装置と構成データを交換できるように、装置に、装置のプロビジョニングプロトコルを表すデータを供給することを要求する、選択されたATコマンドを送信するようになされている。
【0014】
プロビジョニング手段は、好ましくは、少なくとも特定の記憶されている構成データを供給することを要求する、選択されたATコマンドを装置に送信するように、また、構成データを受信すると、データのあるものを修正するようになされているATコマンドを装置に送信するようになされている。
【0015】
プロビジョニング手段は、好ましくは、少なくとも特定の記憶されている構成データを供給すること要求する、選択されたATコマンドを装置に送信するように、また、構成データを受信すると、装置が含むその他の構成データに追加するよう意図された新しい構成データを表すATコマンドを装置に送信するようになされている。
【0016】
プロビジョニング手段は、好ましくは、少なくとも特定の構成データを供給することを要求する、選択されたATコマンドを装置に送信するように、また、構成データを受信すると、装置が含む構成データのあるものを削除するためのATコマンドを装置に送信するようになされている。
【0017】
本発明は、特に、HTTP、IP、GPRS、またはCSDプロトコルのもとで動作する(したがって無線アプリケーションプロトコル(WAP)のもとで動作する−WAPはIP、GPRS、またはCSDプロトコルの最上部で動作することができるので)アプリケーション手段を構成するために適している。
【0018】
本発明のその他の特徴および利点は、以下の詳細な説明を読むことによって、また添付の唯一の図面を参照することによって明らかになろう。添付の図面は、本発明の装置および端末の一実施形態を概略的に示すものである。この図面は、本発明の説明の一部をなすものであり、また、必要に応じて、本発明の定義に寄与するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明は、GSM、GPRS、UMTS、またはEDGEネットワークなどの公衆陸上モバイルネットワーク(PLMN)を使用するモバイル電話装置1へのサービス構成データの供給に関する。
【0020】
以下、装置を、無線アプリケーションプロトコル(WAP)に従って、サーバ、UMTSネットワーク中のノードBとしても知られるGSM(またはGPRS)ネットワークの基地局(BTS)、および固定回線またはモバイルの電話など、その他のネットワーク機器とデータを交換することが可能なモバイル電話であると想定する。
【0021】
構成データは、モバイルインターネットリソースを要求するアプリケーションモジュールを構成するためのものである。唯一の図面に示す例では、アプリケーションモジュールは、モバイル電話1にインストールされたWAPブラウザモジュール2である。WAPブラウザモジュール2は、WAPプロビジョニングエージェントとしてより知られているプロビジョニングモジュール3、WAPインタフェースモジュール4、およびWAP管理モジュール5を含む。
【0022】
プロビジョニングモジュール3は、専用ATコマンド(以下参照)によって端末7にアクセスするための一般インタフェースを提供するATコマンドマネージャ(「ATマネージャ」)6に接続されている。プロビジョニングモジュール3はまた、WAPインタフェースモジュール4にも接続されている。WAPインタフェースモジュール4は、プロビジョニングモジュール3が電話1中のメモリ8に記憶されているプロファイルにアクセスすることを可能にする。より詳細には、(「WAPマルチプロファイル」)インタフェースモジュール4は、プロビジョニングモジュール3が読取りモードおよび書込みモードでメモリ8にアクセスすることを可能にし、この場合、メモリ8は、好ましくは、電話1の残留データマネージャ9中に位置している。
【0023】
プロファイルは、多重または複数集合の(サービス)構成データという形態でメモリ中に記憶されている。これらのプロファイルは、電話1のユーザが、ユーザの要求に合わせたサービスを実施できるよう、WAPブラウザモジュール2をWAPプロビジョニングエージェント3を介して構成するために使用する。この文脈において、プロファイルは、WAPブラウザモジュール2がネットワークインフラストラクチャに接続することを可能にする。したがって、構成データは、主として、ネットワーク運営会社からのデータを含んでいる。しかし、それには、ユーザ固有の識別子、例えば、パスワードおよび/またはユーザ名が追加されている場合もある。プロファイルによっては、標準化された一続きのサービスを提案するためにデフォルト定義されているものもある。
【0024】
WAPプロビジョニングエージェント3はまた、WAP管理(「WAPライフサイクル」)モジュール5にも接続されており、そのアクティビティを管理し、またWAPブラウザモジュール2の「WAP状態」をそれに報告するようになされている。電話1がブラウジングに使用されていない場合にのみプロファイル上で動作することが好ましい。
【0025】
ATコマンド管理モジュール6は、従来は、「着信」ATコマンドを受信して、それらをWAPプロビジョニングエージェント3のための手続き呼出しに変換する(またはそれらを手続き呼出しとして解釈する)ようになされている。より一般には、ATコマンド管理モジュール6は、電話と端末7の間のデータの交換を管理する。
【0026】
この文脈において、「端末」という用語は、ユーザフレンドリなマンマシンインタフェース(キーパッド)10を備えたいずれかのタイプのデータ処理機器、すなわち、コードや命令の入力を簡単に行うことができ、モバイル電話1への「近傍」ケーブルまたは無線リンク(例えば、赤外線(Irda)またはブルートゥースリンク)を確立することが可能なデータ処理機器を意味する。以下、端末7が電話1のユーザに属するモバイルマイクロコンピュータであって、シリアルリンクによって電話1に接続可能であると想定する。しかし、端末7は、固定マイクロコンピュータやパーソナルディジタルアシスタント(PDA)であってもよい。
【0027】
唯一の図面に示すように、端末7は、電話1のメモリ8に記憶されているプロファイルの読取り、修正、削除、追加、およびそれらへの追加のための専用ATコマンドを電話1に送信するようになされた、WAPプロビジョニングクライアントモジュール11を備えている。このモジュール11によって、ユーザは、プロファイルにデフォルトプロファイル状態を割り当てることができ、また、デフォルトプロファイルの識別子や電話1が管理するプロファイルの最大数など、特定のパラメータにアクセスすることができる。
【0028】
WAPプロビジョニングクライアントモジュール11は、好ましくは、端末7の管理モジュール12内に位置する。管理モジュール12は、特に電話1との接続を確立するための接続インタフェース13に接続されている。さらに、端末7は、好ましくは、電話1のために新しいプロファイルを定義し、または前記電話1がすでに使用したプロファイルを更新する構成データを受信するようになされたメモリ14を含む。このようなプロファイルまたはプロファイル更新版は、前もってユーザが端末7を介してダウンロードすることができ、または、例えば、ユーザの電話1が使用するモバイル電話ネットワークの運営会社によって供給されるCD−ROMから入手することができる。
【0029】
上述のように、端末7と電話1の間で構成データを交換できるようにするためには、まず接続が確立されることが必須である。言い換えれば、端末7のWAPプロビジョニングクライアントモジュール11が電話1のATコマンド管理モジュール6に接続されることが必須である。
【0030】
この接続が確立されると、構成データプロビジョニング(「ATプロビジョニング」)手続きが開始できるようになる。この手続きは、端末7の要求に応じて電話1内の構成データを読み取るステップと、同様に端末7の要求に応じて、電話1に構成データを書き込んで、電話1のメモリ8の内容を修正するステップとを含む。
【0031】
この文脈において、「読取り操作」は、電話1から端末7へのあらゆるデータ転送を指す。これらの転送は、一般に、特定のプロファイルや記憶されているプロファイルリストを端末7に転送することを意図したものであり、また、その実施は、要求されたデータの入手可能性に依存する。「書込み操作」という表現は、端末7から電話1へのあらゆるデータ転送を指す。特定のプロファイルのみについて、修正(または更新)、削除、または追加を行うことができる。例えば、プロファイルがロックされている場合、それを修正または削除することはできない。プロファイルリストについても同じことが言える。プロファイルの書込み(追加または修正)は、好ましくは、単一のデータシーケンスを使って行われ、WAPプロビジョニングエージェント3のみが、インタフェースモジュール4を介してこれを行うことができる。
【0032】
好ましくは、これらの読取りおよび書込み操作の前に、電話1が使用するプロビジョニングプロトコルのバージョンを判定する操作が行われる。なぜならば、各電話は、固有のプロビジョニングプロトコルバージョンを備えている場合があり、これが、構成データ単位のシーケンスのフォーマット、構成データ単位の順番、および電話1がプロファイルをメモリ8に記憶するために使用する構造を定義しているためである。
【0033】
プロファイルを記憶するための構造は1組のパラメータで構成され、この1組のパラメータは、6カテゴリのパラメータまたは変数に分けることができる。例えば、以下の通りである。
−「デフォルトプロファイル」:これは、プロファイルがデフォルトプロファイルか否かを表すブール変数である。
−「フラグ使用」:これはプロファイルが使用されている(“TRUE”)か否か(“FALSE”)を表すブール変数である。ユーザがメモリ8に記憶されているプロファイルリストに新たなプロファイルを追加したい場合には、フラグ使用をTRUEに設定する。
−「プロビジョニングバージョン」:これは、電話1が使用するプロビジョニングプロトコルのバージョンを指定するパラメータである。
−「プロファイル情報」:これは、「プロファイル名」、「プロファイル修正フラグ」などのパラメータをまとめたものである。
−「ベアラパラメータ」:これは、「ベアラタイプ」、「プロファイル固有パラメータ」などのパラメータをまとめたものである。
−「WAPゲートウェイパラメータ」:これは、「IPアドレス」、「ポート番号」、「ホームURL」などのパラメータをまとめたものである。
【0034】
プロファイルリストの構造は次の2つのセクションで構成される。
−例えば、プロファイルの追加、修正、または削除の条件を指定する“ProfileListLock”、プロファイルリスト中のデフォルトプロファイルを指定する識別子である“DefaultProfileID”、電話1が管理するプロファイルの最大数(ブラウザモジュール2が使用するプロファイル数ではない)を指定する“MaxNumberProfiles”、ブラウザモジュール2が要求時に使用するプロファイルの数を指定する“NumberProfilesUsed”、電話1が使用するプロビジョニングプロトコルのバージョンを指定する識別子である「プロビジョニングバージョン」など、プロファイルについての一般情報、および
−例えば、“ProfileID”、“ProfileName”、“ProfileLock”など、電話1が使用する標準プロファイル全てに関する情報。
【0035】
データ単位は2つのフィールド、すなわち長さフィールドと値フィールドにて定義される。できれば、長さが異なる可能性がある2つの連続したデータ単位の間に分離記号を使用しない。各長さフィールドは、好ましくは、値フィールド中のバイト数を指定するバイトを含む。したがって、長さフィールドを定義するバイトの値が0(ゼロ)に等しい場合は、長さフィールドの後に値フィールドが続かない。
【0036】
データ単位に関する情報は、直接、電話1の構造フィールドから取り出される。さらに、各単位は、シーケンス内の様々なデータ単位の識別ができるように、データ単位シーケンス識別子を有する。また、マルチバイト表記が使用されている場合には、「リトルインディアン」(LSB)変換を用いるのが好ましい。さらに、各シーケンスは、好ましくは、特定文字で終わる。
【0037】
上述のように、シーケンスは、順序付けられた一連のデータ単位で定義され、各単位はシリーズ識別子を有する。シリーズ識別子は、好ましくは、データ転送中には伝送されないが、しかし、電話1および端末7は、それらがそれらのシーケンスを組み立てる際にシリーズ識別子に従わなければならない。
【0038】
好ましくは、3タイプのシーケンスが定義される。1つは完全なプロファイルリストを送信するためのものであり、1つはプロファイルを送信するためのものであり、1つはプロビジョニングプロトコルバージョンのためのものである。
【0039】
プロビジョニングプロトコルバージョンを端末7に送信するために使用されるシーケンスは、好ましくは、たった1つのデータ単位を含む。
【0040】
記憶されているプロファイルのリストを端末7に伝送するために使用されるシーケンスは、好ましくは、固定長の第1の部分と可変長の第2の部分を含む。
【0041】
より詳細には、第1の部分は、有利には、例えば、リストに関する一般情報を定義するための10バイトからなる。例えば、5対のバイトは、それぞれ、プロビジョニングプロトコルバージョン、電話1が管理するプロファイルの最大数、電話1が使用するプロファイル数、デフォルトプロファイルの識別子、および、例えば、プロファイルのリストへの追加またはリストからの削除が可能かどうかを指定するブール変数など、プロファイルリストのロック(「リストロック」)を定義する。
【0042】
第2の部分は、有利には、電話1において使用される各プロファイルを定義するための38バイトからなる。38バイトには、例えば、長さフィールドの3バイト、および値フィールドに35バイトからなる。各プロファイルのバイトは、例えば、その名前、その識別子、およびそのプロファイルロックを定義する。
【0043】
特定の記憶されているプロファイルを端末7に送信するために使用されるシーケンスは、好ましくは、最大442バイトからなる。442バイトには、例えば、長さフィールドのための25バイト、および値フィールドのための417バイトからなる。例示にすぎない非限定的な例として、プロファイルシーケンスは以下を含むことができる。
−プロビジョニングプロトコルバージョンを定義する「プロビジョニングバージョン」フィールドに1バイト、およびその長さフィールドに1バイト
−「ブールデフォルトプロファイル」フィールドに1バイト、およびその長さフィールドに1バイト
−長さフィールドに1バイト、「プロファイル名」フィールドに33バイト、およびその長さフィールドに1バイト
−「プロファイルロック」フィールドに1バイト、およびその長さフィールドに1バイト
−「ゲートウェイIPアドレス」フィールドに4バイト、およびその長さフィールドに1バイト
−「ゲートウェイポート」フィールドに2バイト、およびその長さフィールドに1バイト
−「ホームページURL」フィールドに100バイト、およびその長さフィールドに1バイト
−「使用ベアラ」フィールドに4バイト、およびその長さフィールドに1バイト
−「存在ベアラCSD」フィールドに1バイト、およびその長さフィールドに1バイト
−「CSDユーザ名長」フィールドに1バイト、およびその長さフィールドに1バイト
−「CSDユーザ名」フィールドに32バイト、およびその長さフィールドに1バイト
−「CSDパスワード長」フィールドに1バイト、およびその長さフィールドに1バイト
−「CSDパスワード」フィールドに32バイト、およびその長さフィールドに1バイト
−「CSDアクセスタイプ」フィールドに4バイト、およびその長さフィールドに1バイト
−「CSD電話番号」フィールドに22バイト、およびその長さフィールドに1バイト
−「CSD接続速度」フィールドに1バイト、およびその長さフィールドに1バイト
−「存在ベアラGPRS」フィールドに1バイト、およびその長さフィールドに1バイト
−「GPRSユーザ名長」フィールドに1バイト、およびその長さフィールドに1バイト
−「GPRSユーザ名」フィールドに32バイト、およびその長さフィールドに1バイト
−「GPRSパスワード長」フィールドに1バイト、およびその長さフィールドに1バイト
−「GPRSパスワード」フィールドに32バイト、およびその長さフィールドに1バイト
−「GPRS認証標識」フィールドに4バイト、およびその長さフィールドに1バイト
−「GPRS APN」フィールドに101バイト、およびその長さフィールドに1バイト
−「GPRS IPアドレス」フィールドに4バイト、およびその長さフィールドに1バイト
−「フラグ使用」フィールドに1バイト、およびその長さフィールドに1バイト
【0044】
上記に定義したパラメータおよび変数が構成データを構成する。上述のように、構成データは、標準ATコマンドによって交換される。この文脈において、「ATコマンド」という表現は、もともと米国企業のHayes Microcomputer Products社によって開発されたコマンド、およびIS−99標準によって指定されたそれらの拡張版すべてを指す。
【0045】
本発明を実施するために、特に、端末7のWAPプロビジョニングクライアントモジュール11と電話1のATコマンド管理モジュール6の間に接続を確立できるようにするために、プロファイルの読取り、書込み(修正または追加)、および削除のためのその他のATコマンドが提供される。
【0046】
これらの追加ATコマンドは、好ましくは、次の一般定義および次の一般構文、すなわちAT PROV_WAP=PROVCOMMAND[PROFILEID]を有する。このタイプのATコマンドは、好ましくは、端末7が電話1の問題を検出することを可能にする、タイムアウトに関連付けられる。このタイムアウトは、例えば、ほぼ1分間に等しい。
【0047】
例示にすぎないが、追加ATコマンドは以下を含むことができる。
−電話1のプロビジョニングプロトコルのバージョンを得るためのコマンド、AT PROV_WAP=V?。このコマンドはパラメータを持たない。このコマンド(要求)に対する応答は、例えば、バージョンがわかっている場合には「プロビジョニングバージョン」であり、バージョンが入手できない場合にはPROV NOKである。
−データを得る(読み取る)ためのコマンド、AT PROV_WAP=R[PROFILEID]。このコマンドの目的は、電話1にWAP情報を要求することである。パラメータが何も設定されていない場合には、このコマンドは、記憶されているプロファイルのリストを要求する。リストは、好ましくは、転送される前にブラウザモジュール2によって更新される。任意パラメータ[PROFILEID]は、端末7がプロファイルに関する特定のデータを要求していることを電話1に知らせる。それは、プロファイル識別識別子(番号)を指定する。したがって、その値は、電話1が管理するプロファイルの最大数よりも小さい。このコマンド(要求)に対する応答は、例えば、処理が正しく実行された場合にはPROV OKであり、データが入手できない場合にはPROV NOKである。
−データを書き込むためのコマンド、AT PROV_WAP=W,PROFILEID。このコマンドは、端末7が特定のプロファイルのデータを更新することを望んでいることを電話1に知らせる。パラメータ[PROFILEID]の目的は、更新が要求されているプロファイルの識別子を電話1に与えることである。したがって、その値は、電話1が管理するプロファイルの最大数よりも小さい。このコマンド(要求)に対する応答は、例えば、処理が正しく実行された場合にはPROV OKであり、書込み操作が不可能である場合にはPROV NOKである。
−データを削除するためのコマンド、AT PROV_WAP=D,PROFILEID。このコマンドは、端末7が特定のプロファイルの特定のデータを削除することを望んでいることを電話1に知らせる。パラメータ[PROFILEID]の目的は、修正または削除する必要があるプロファイルの識別子を電話1に与えることである。したがって、その値は、電話1が管理するプロファイルの最大数よりも小さい。このコマンド(要求)に対する応答は、例えば、処理が正しく実行された場合にはPROV OKであり、削除操作が不可能である場合にはPROV NOKである。
−新しいプロファイルを作成するためのコマンド、AT PROV_WAP=C。このコマンドは、端末7が電話1のメモリ8に記憶されているリストに新しいプロファイルを追加することを望んでいることを電話1に知らせる。プロファイルパラメータの割り当てを管理するのは端末7ではないため、このコマンドにはパラメータ[PROFILEID]が伴わない。このコマンド(要求)に対する応答は、例えば、処理が正しく実行された場合にはPROV OK PROFILEIDであり、作成操作が不可能な場合にはPROV NOKである。
【0048】
これらのATコマンドは全て、端末7のWAPプロビジョニングクライアントモジュール11中に存在し、電話1のATコマンド管理モジュールは、いったんそれらに合わせて適合化されたならば、それらを解釈することができる。したがって、電話1のユーザは、前記電話のメモリ8に記憶されているWAPプロファイルの読取りまたは修正を行いたい場合には、WAPプロビジョニングクライアントモジュール11に関連付けられたアプリケーションをロードする際に端末7と電話1の間の接続、例えば、シリアル接続、赤外線接続、またはブルートゥース接続を確立して、次いで、キーパッド10を使って転送すべき新しいプロファイル、あるいはメモリ14またはCD−ROMに記憶されているプロファイル更新版を選択し、必要に応じてその新しいプロファイルまたはプロファイル更新版をユーザ自身の要求に合わせた後で、WAPプロビジョニングクライアントモジュール11に、選択されたプロセス(この場合は書込み操作)に対応する要求を、上記のタイプのATコマンドの形態で、モジュール11および接続インタフェース13を介して電話1のATコマンド管理モジュール6に送信するように命令する。これらのATコマンド、およびそれらが含むいずれかの構成データは、次いで、ATコマンド管理モジュール6によってWAPフォーマット手続き呼出しとして解釈され、WAPプロビジョニングエージェント3に伝送される。WAPプロビジョニングエージェント3は、次いで、素早く解放されるように、ATコマンド管理モジュール6が要求している処理を知らせるメッセージをWAP管理モジュール5に送信する。
【0049】
WAP管理モジュール5がそれを許可した場合には、WAPプロビジョニングエージェント3は、次いで、ATコマンド管理モジュール6が要求している処理に対応する標準WAPプロセスを実行する。WAPプロセスは当業者によく知られており、正確に言って本発明のいかなる部分も形成しないため、それらについてはここでは記載しない。それらについては、特に、ワールドワイドウェブサイトのwww.wapforum.orgにおいて記載されている。
【0050】
WAP処理の結果はATコマンド管理モジュール6に伝送され、ATコマンド管理モジュール6は、それをATコマンドに変換して、WAPプロビジョニングクライアントモジュール11に送信する。言い換えれば、ATコマンド管理モジュール6は、「データ」モードで回線を介してデータを転送し、次いで、解釈モードに切り替わる。
【0051】
本発明によって、ユーザは、サービス構成プロファイルの修正、追加、または削除を行うためにモバイル電話1のキーパッド15をもはや使用する必要がなくなり、かつ/または、ネットワークに接続して関連コストを負担する必要がなくなる。
【0052】
WAPブラウザモジュール2、プロビジョニング(「WAPプロビジョニングエージェント」)モジュール3、WAP(「WAPマルチプロファイル」)インタフェースモジュール4、WAP管理(「WAPライフサイクル」)モジュール5、プロビジョニング(「ATマネージャ」)モジュール(エージェント)6、残留データマネージャモジュール9、およびWAPプロビジョニングクライアントモジュール11は、電子回路、ソフトウェア(またはデータ処理)モジュール、または回路とソフトウェアの組合せという形態で実施することができる。
【0053】
本発明はまた、ATコマンド管理手段を備えたモバイル電話装置1に構成データを供給する方法も提案する。
【0054】
本方法は、上記の装置1および端末7を使って実施することができる。本方法のステップの主要および任意の機能および副機能は、装置1および端末7を構成する手段の主要および任意の機能および副機能とほぼ同じなので、本発明の本方法の主要機能を実施するステップのみを以下に要約する。
【0055】
本発明の方法は、装置1とサービス構成データを保持するデータ処理端末の間に接続を確立するステップと、次いで、装置のATコマンド管理手段が解釈することが可能な選択されたATコマンドを使って、端末と装置の間でサービス構成データを交換するステップとを含む。
【0056】
その方法が使用する、プロビジョニングプロトコルバージョンを表すデータが、好ましくは、選択されたATコマンドによって装置1のメモリ8から抽出され、その後、抽出されたデータは、端末がプロビジョニングプロトコルバージョンに従って装置1と構成データを交換できるように、端末7に送信される。
【0057】
端末7からのATコマンドに含まれる構成データはまた、装置1のATコマンド管理手段6が、そのブラウザ手段2、および好ましくはブラウザ手段2中に実装されているプロビジョニングエージェント3に供給するために抽出することもできる。
【0058】
本発明は、例示にすぎない上記の方法、装置、および端末の実施形態に限定されるものではなく、頭記の特許請求の範囲の範囲内に含まれる、当業者が考え得るあらゆる変形形態も包含するものである。
【0059】
本発明をWAPブラウザモジュール構成データの交換に適用した一例を説明してきた。しかし、本発明は、一般に、モバイルインターネットリソースを要求するあらゆるアプリケーション、特に、オンボードのJava(登録商標)またはマルチメディアメッセージングアプリケーションの構成に適用できる。さらに、本発明は、WAP交換プロトコルに限定されるものではない。本発明は、HTTP、IP、GPRS、またはCSDプロトコルにも関する。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明に従うモバイル電話と端末とからなるシステムを示す概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ATコマンド管理手段(6)を備えたモバイル電話装置(1)に構成データを供給する方法であって、i)前記装置(1)とサービス構成データを含む端末(7)の間に接続を確立するステップと、ii)前記装置のATコマンド管理手段(6)が解釈することが可能な選択されたATコマンドによって、端末(7)と装置(1)の間でサービス構成データを交換するステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
プロビジョニングプロトコルを表すデータが、選択されたATコマンドによって装置から抽出され、次いで、端末(7)が前記プロビジョニングプロトコルに従って前記装置と前記構成データを交換できるように、前記端末に送信されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ATコマンド管理手段(6)は、モバイルインターネットリソース(2)を要求しているアプリケーション手段(2)に供給するために、端末(7)から受信したATコマンドから前記構成データを抽出することを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記アプリケーション手段(2)は、ブラウザ手段(2)と、オンボードJava(登録商標)アプリケーション手段と、オンボードマルチメディアメッセージングアプリケーション手段とを含むグループから選択されることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記構成データは、前記アプリケーション手段(2)中のプロビジョニングエージェント(3)に供給されることを特徴とする請求項3または4に記載の方法。
【請求項6】
前記端末(7)に送信するために装置(1)のメモリ(8)に記憶されている構成データのうち少なくともあるものが抽出されること、および、前記データを受信すると、装置(1)に特定のデータを修正するためのATコマンドが送信されてきて、その後、修正されたデータは前記メモリ(8)に記憶されることを特徴とする請求項1または5に記載の方法。
【請求項7】
前記端末(7)に送信するためにメモリ(8)に記憶されている構成データのうち少なくともあるものが抽出されること、および、前記データを受信すると、装置(1)に新しい構成データを表すATコマンドが送信されてきて、その後、新しいデータは前記メモリ(8)に記憶されることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記端末(7)に送信するためにメモリ(8)に記憶されている構成データのうち少なくともあるものが抽出されること、および、前記データを受信すると、装置(1)に特定のデータを前記メモリ(8)から削除するためのATコマンドが送信されてくることを特徴とする請求項6または7に記載の方法。
【請求項9】
ATコマンド管理手段(6)を含むモバイル電話装置であって、前記ATコマンド管理手段(6)は、ATコマンド管理手段(6)が解釈することが可能な選択されたATコマンドによって端末(7)とサービス構成データを交換するために、サービス構成データを含む前記端末と接続を確立するようになされていることを特徴とするモバイル電話装置。
【請求項10】
前記ATコマンド管理手段(6)に接続されたモバイルインターネットリソース(2)を要求し、また、前記構成データを受信するようになされているアプリケーション手段を含むことを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記アプリケーション手段(2)は、ブラウザ手段と、オンボードJava(登録商標)アプリケーション手段と、オンボードマルチメディアメッセージングアプリケーション手段とを含むグループから選択されることを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記アプリケーション手段(2)は、受信した構成データと、前記端末(7)に送信すべき構成データとを管理するようになされているプロビジョニングエージェント(3)を含むことを特徴とする請求項10または11に記載の装置。
【請求項13】
前記受信データを記憶するようになされているメモリ(8)を含むことを特徴とする請求項9から12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
サービス構成データを記憶するためのメモリを含むデータ処理端末であって、請求項9から13のいずれか一項に記載のモバイル電話装置(1)との接続を確立するように、また、前記装置のATコマンド管理手段(6)が解釈することが可能な選択されたATコマンドによって、前記装置(1)とサービス構成データを交換するようになされているプロビジョニング手段(11)を含むことを特徴とするデータ処理端末。
【請求項15】
前記プロビジョニング手段(11)は、プロビジョニングプロトコルに従って前記装置(1)と前記構成データを交換するために、前記プロビジョニングプロトコルを表すデータの供給を要求する選択されたATコマンドを前記装置(1)に送信するようになされていることを特徴とする請求項14に記載の端末。
【請求項16】
前記プロビジョニング手段(11)は、前記装置(1)に、装置(1)の構成データのうち少なくともあるものの供給を要求する選択されたATコマンドを送信し、前記構成データを受信すると、特定のデータを修正するためのATコマンドを前記装置(1)に送信するようになされていることを特徴とする請求項15に記載の端末。
【請求項17】
前記プロビジョニング手段(11)は、前記装置(1)に、装置(1)の構成データのうち少なくともあるものの供給を要求する選択されたATコマンドを送信し、前記構成データを受信すると、装置(1)が含むその他の構成データに追加すべき新しい構成データを表すATコマンドを前記装置(1)に送信するようになされていることを特徴とする請求項15または16に記載の端末。
【請求項18】
前記プロビジョニング手段(11)は、前記装置(1)に、装置(1)の構成データのうち少なくともあるものの供給を要求する選択されたATコマンドを送信し、前記構成データを受信すると、装置(1)が含む構成データのうちのあるものを削除するためのATコマンドを前記装置(1)に送信するようになされていることを特徴とする請求項15から17のいずれか一項に記載の端末。
【請求項19】
ケーブル接続と無線接続とを含むグループから選択された接続を使った、請求項1から18のいずれかに記載の方法、装置および端末の使用法。
【請求項20】
前記無線接続は、赤外線接続と「ブルートゥース」接続とを含むグループから選択されることを特徴とする請求項19に記載の使用法。
【請求項21】
WAP、HTTP、IP、GPRS、およびCSDプロトコルの中から選択されるプロトコルに従って動作するアプリケーション手段(2)を構成するための、請求項1から18のいずれか一項に記載の方法、装置および端末の使用法。

【図1】
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【公表番号】特表2006−506833(P2006−506833A)
【公表日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−514922(P2004−514922)
【出願日】平成15年6月13日(2003.6.13)
【国際出願番号】PCT/FR2003/001778
【国際公開番号】WO2004/002179
【国際公開日】平成15年12月31日(2003.12.31)
【出願人】(391030332)アルカテル (1,149)
【Fターム(参考)】