ショーケース
【課題】除霜冷却運転時に除霜する熱交換器に冷媒を確実に供給することのできるショーケースを提供する。
【解決手段】除霜冷却運転時における冷媒流路の凝縮器14bと冷媒流通方向上流側に位置する第1の蒸発器15cまたは第2の蒸発器16cとの間の冷媒流路に設けられ、冷媒を貯留可能な受液器21を備えたので、受液器21に貯留された冷媒を継続的に除霜する第1の蒸発器15cまたは第2の蒸発器16cに供給することができ、除霜する第1の蒸発器15cまたは第2の蒸発器16cに冷媒を確実に供給することが可能となる。
【解決手段】除霜冷却運転時における冷媒流路の凝縮器14bと冷媒流通方向上流側に位置する第1の蒸発器15cまたは第2の蒸発器16cとの間の冷媒流路に設けられ、冷媒を貯留可能な受液器21を備えたので、受液器21に貯留された冷媒を継続的に除霜する第1の蒸発器15cまたは第2の蒸発器16cに供給することができ、除霜する第1の蒸発器15cまたは第2の蒸発器16cに冷媒を確実に供給することが可能となる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一対の冷却器を備え、一方の冷却器を除霜しながら他方の冷却器によってショーケース本体内を冷却可能なショーケースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のショーケースとしては、圧縮機、凝縮器及び一対の熱交換器を有する冷媒回路と、冷媒回路を、圧縮機から吐出された冷媒を凝縮器を流通させた後に膨張手段を介して少なくとも一方の熱交換器を流通させる冷却運転用冷媒流路と、圧縮機から吐出された冷媒を凝縮器を流通させた後に一方の熱交換器を流通させ、一方の熱交換器から流出する冷媒を膨張手段を介して他方の熱交換器に流入させる除霜冷却運転用冷媒流路とに設定可能な流路設定手段とを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005−274057号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のショーケースでは、除霜冷却運転時において、凝縮器から流出する冷媒を膨張手段を介することなく熱交換器に流入させることにより、熱交換器に付着した霜を冷媒の熱によって融解させるようになっている。このため、凝縮器における冷媒の状態によっては、除霜する熱交換器に流入する冷媒の流量が不足するおそれがある。
【0004】
本発明の目的とするところは、除霜冷却運転時に除霜する熱交換器に冷媒を確実に供給することのできるショーケースを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は前記目的を達成するために、圧縮機、凝縮器及び一対の熱交換器を有する冷媒回路と、冷媒回路を、圧縮機から吐出された冷媒を凝縮器を流通させた後に膨張手段を介して少なくとも一方の熱交換器を流通させる冷却運転用冷媒流路と、圧縮機から吐出された冷媒を凝縮器を流通させた後に一方の熱交換器を流通させ、一方の熱交換器から流出する冷媒を膨張手段を介して他方の熱交換器に流入させる除霜冷却運転用冷媒流路とに設定可能な流路設定手段とを備えたショーケースにおいて、前記除霜冷却運転用冷媒流路における凝縮器と冷媒流通方向上流側に位置する熱交換器との間の冷媒流路に設けられ、液体の冷媒を貯留可能な受液器を備えている。
【0006】
これにより、受液器に貯留された冷媒が継続的に除霜する熱交換器に供給される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、受液器に貯留された冷媒を継続的に除霜する熱交換器に供給することができるので、除霜する熱交換器に冷媒を確実に供給することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図1乃至図9は本発明の一実施形態を示すもので、図1はショーケースの全体斜視図、図2はショーケースの側面断面図、図3は冷媒回路図、図4は制御系を示すブロック図、図5は冷却運転時の冷媒流路を示す冷媒回路図、図6は除霜冷却運転時の冷媒流路を示す冷媒回路図、図7は冷媒回収運転時の冷媒流路を示す冷媒回路図、図8は冷媒回収運転から冷却運転に切り換える動作を示すフローチャート、図9は凝縮器用送風機の送風量の制御に関する動作を示すフローチャートである。
【0009】
図1に示すショーケースは、上面が開口されたショーケース本体10と、ショーケース本体10に設けられた冷媒回路20と、冷却運転及び除霜冷却運転等の運転制御を行うための制御部30とを備えている。
【0010】
ショーケース本体10は、前面側、底面側、背面側及び左右両側面側を断熱壁11によって囲むことにより設けられ、その内部を前面側、底面側及び背面側に沿って仕切ることにより通風路12と商品収納部13が設けられている。また、ショーケース本体10の下部には機械室14が設けられ、その内部には圧縮機14a、凝縮器14b及び凝縮器用送風機14c等の冷凍機器が設置されている。また、本実施形態で用いられる凝縮器用送風機14cは、電動のモータによって駆動するようになっており、モータの回転数をインバータ制御等によって制御することにより送風量が変更可能に設けられている。
【0011】
通風路12は、その内部を断熱壁11側と商品収納部13側とに仕切ることにより、断熱壁11側に位置する第1の通風路15と商品収納部13側に位置する第2の通風路16が設けられている。
【0012】
第1の通風路15は、商品収納部13の前面側の上部に左右に延びる第1の空気吸入口15aが背面側に向けて設けられ、商品収納部13の背面側の上部に左右に延びる第1の空気吐出口15bが前面側に向けて設けられている。第1の空気吐出口15bには、第1の整流部材17aが設けられ、第1の空気吐出口15bと第1の空気吸入口15aの間にエアカーテンを形成することができるようになっている。第1の通風路15内には、熱交換器としての第1の蒸発器15cが設けられ、第1の蒸発器15cの第1の空気吸入口15a側には第1の蒸発器用送風機15dが設けられている。
【0013】
第2の通風路16は、商品収納部13の前面側の第1の空気吸入口15aの下方に左右に延びる第2の空気吐出口16aが背面側に向けて設けられ、商品収納部13の背面側の第1の空気吐出口15bの下方に左右に延びる第2の空気吸入口16bが前面側に向けて設けられている。第2の空気吐出口16aには、第2の整流部材17bが設けられ、第2の空気吐出口16aと第2の空気吸入口16bの間にエアカーテンを形成することができるようになっている。第2の通風路16内には、熱交換器としての第2の蒸発器16cが設けられ、第2の蒸発器16cの第2の空気吸入口16b側には、第2の蒸発器用送風機16dが設けられている。
【0014】
冷媒回路20は、圧縮機14a、凝縮器14b、第1の蒸発器15c、第2の蒸発器16c、受液器21、アキュムレータ22、膨張弁23、第1〜第7の電磁弁24a,24b,24c,24d,24e,24f,24g、第1及び第2の逆止弁25a,25bを備え、これらが銅管やステンレス管等によって図3に示すように接続されている。即ち、圧縮機14aの吐出側には凝縮器14bの流入側が接続され、凝縮器14bの流出側には受液器21の流入側が接続されている。また、受液器21の流出側には膨張弁23の流入側が第1の電磁弁24aを介して接続され、膨張弁23の流出側が第1の蒸発器15cの一端側及び第2の蒸発器16cの一端側のそれぞれに第2の電磁弁24b及び第3の電磁弁24cを介して並列に接続されている。更に、第1の蒸発器15cの他端側及び第2の蒸発器16cの他端側には、アキュムレータ22の流入側がそれぞれ第4の電磁弁24d及び第5の電磁弁24eを介して接続されている。アキュムレータ22の流出側には圧縮機14aの吸入側が接続され、循環回路が構成されている。また、受液器21の流出側と第1の電磁弁24aの間の流路と第1の蒸発器15cの他端側と第4の電磁弁24dの間の流路とが第6の電磁弁24fを介して接続され、受液器21の流出側と第1の電磁弁24aの間の流路と第2の蒸発器16cの他端側と第5の電磁弁24eの間の流路とが第7の電磁弁24gを介して接続されている。更に、第2の電磁弁24bと第1の蒸発器15cの一端側の間の流路と第1の電磁弁24aと膨張弁23の流入側の間の流路とが第1の逆止弁25aを介して接続され、第3の電磁弁24cと第2の蒸発器16cの一端側の間の流路と第1の電磁弁24aと膨張弁23の流入側の間の流路とが第2の逆止弁25bを介して接続されている。ここで、第1の逆止弁25a及び第2の逆止弁25bは、冷媒の流通方向をそれぞれ第1の電磁弁24aと膨張弁23の流入側の間の流路側に向けて接続されている。また、冷媒回路20には、炭化水素やアンモニア等の自然系冷媒及び代替フロン等が冷媒として充填されている。
【0015】
制御部30はマイクロコンピュータによって構成され、そのメモリには冷却運転、除霜冷却運転の制御動作に関するプログラムが記憶されている。また、制御部30には、図4に示すように、凝縮器用送風機14c、第1の蒸発器用送風機15d、第2の蒸発器用送風機16d、第1〜第7の電磁弁24a,24b,24c,24d,24e,24f,24g、第1の蒸発器15cの他端側の流路内の圧力を検出するための例えばダイヤフラム式等の第1の圧力検出器31、第2の蒸発器16dの他端側の流路内の圧力を検出するための例えばダイヤフラム式等の第2の圧力検出器32及び凝縮器14bから流出する冷媒の温度を検出するサーミスタ等の温度検出器33が接続されている。
【0016】
以上のように構成されたショーケースにおいて、第1の蒸発器15cによって冷却運転を行う場合には、第1の電磁弁24a、第2の電磁弁24b及び第4の電磁弁24dを開放して第3の電磁弁24c、第5の電磁弁24e、第6の電磁弁24f及び第7の電磁弁24gを閉鎖し、第2の蒸発器用送風機16dを停止した状態で、圧縮機14a、凝縮器用送風機14c及び第1の蒸発器用送風機15dを運転する。これにより、図5の実線の矢印で示すように、圧縮機14aから吐出された冷媒は、凝縮器14b及び受液器21を順次流通した後に膨張弁23を介して第1の蒸発器15cを一端側から他端側に向かって流通し、アキュムレータ22を介して圧縮機14aに吸入される。また、図2の実線の矢印で示すように、第1の蒸発器用送風機15dによって第1の空気吸入口15aから第1の通風路15に流入する空気は、第1の蒸発器15cにおいて冷媒と熱交換することにより冷却されて第1の空気吐出口15bから吐出され、ショーケース本体10の上面開口にエアカーテンを形成する。
【0017】
また、第2の蒸発器16cによって冷却運転を行う場合には、第1の電磁弁24a、第3の電磁弁24c及び第5の電磁弁24eを開放して第2の電磁弁24b、第4の電磁弁24d、第6の電磁弁24f及び第7の電磁弁24gを閉鎖し、第1の蒸発器用送風機15dを停止した状態で、圧縮機14a、凝縮器用送風機14c及び第2の蒸発器用送風機16dを運転する。これにより、圧縮機14aから吐出された冷媒は、図5の破線の矢印で示すように流通する。また、第2の蒸発器用送風機16dによって第2の通風路16を流通する空気は、図2の破線の矢印で示すように、冷却されてショーケース本体10の上面開口にエアカーテンを形成する。
【0018】
次に、第1の蒸発器15cを除霜するとともに、第2の蒸発器によってショーケース本体10内を冷却する除霜冷却運転を行う場合には、第3の電磁弁24c、第5の電磁弁24e及び第6の電磁弁24fを開放して第1の電磁弁24a、第2の電磁弁24b、第4の電磁弁24d及び第7の電磁弁24gを閉鎖し、第1の蒸発器送風機15dを停止した状態で、圧縮機14a、凝縮器用送風機14c及び第2の蒸発器用送風機16dを運転する。これにより、圧縮機14aから吐出された冷媒は、図6の実線の矢印で示すように、凝縮器14b及び受液器21を順次流通した後に第6の電磁弁24fを介して第1の蒸発器15cを他端側から一端側に向かって流通する。第1の蒸発器15cを流通した冷媒は、第1の逆止弁25aを流通した後に膨張弁23を介して第2の蒸発器16cを一端側から他端側に向かって流通し、アキュムレータ22を介して圧縮機14aに吸入される。このとき、第1の蒸発器15cには凝縮器14bから流出する高温高圧冷媒が流通することから、第1の蒸発器15cに付着している霜は、高温高圧冷媒の熱によって融解される。また、第1の蒸発器15cの霜を融解した後の冷媒は、膨張弁23を介して第2の蒸発器16cに流入し、第2の通風路16を流通する空気を冷却する。
【0019】
また、第2の蒸発器16cを除霜するとともに、第1の蒸発器15cによってショーケース本体10内を冷却する除霜冷却運転を行う場合には、第2の電磁弁24b、第4の電磁弁24d及び第7の電磁弁24gを開放して第1の電磁弁24a、第3の電磁弁24c、第5の電磁弁24e及び第6の電磁弁24fを閉鎖し、第2の蒸発器用送風機16dを停止した状態で、圧縮機14a、凝縮器用送風機14c及び第1の蒸発器用送風機15dを運転する。これにより、圧縮機14aから吐出された冷媒は、図6の破線の矢印で示すように流通する。このとき、第2の蒸発器16cには凝縮器14bから流出する高温高圧冷媒が流通することから、第2の蒸発器16cに付着している霜は、高温高圧冷媒の熱によって融解される。また、第2の蒸発器16cの霜を融解した後の冷媒は、膨張弁23を介して第1の蒸発器15cに流入し、第1の通風路15を流通する空気を冷却する。
【0020】
この除霜冷却運転は、第1の蒸発器15c及び第2の蒸発器16cのそれぞれの温度を検出し、第1の蒸発器15c及び第2の蒸発器16cへの着霜をそれぞれ検知したときに行ってもよいし、設定した時刻に所定時間行うようにしてもよい。
【0021】
更に、第1の蒸発器15cを除霜するとともに、第2の蒸発器16cによってショーケース本体10内を冷却する除霜冷却運転を終了して冷却運転に切り換える場合には、第1の電磁弁24aを開放するとともに、第6の電磁弁24fを閉鎖することにより、第2の蒸発器16cによる冷却運転に切り換える。また、前記除霜冷却運転から冷却運転に切り換える際には、第1の蒸発器15cに残る冷媒を冷媒回路20の高圧側に回収するための冷媒回収運転を行う。第2の蒸発器16cを除霜するとともに、第1の蒸発器15cによってショーケース本体10内を冷却する除霜冷却運転を終了して冷却運転に切り換える場合には、第1の電磁弁24aを開放するとともに、第7の電磁弁24gを閉鎖することにより、第1の蒸発器15cによる冷却運転に切り換える。また、前記除霜冷却運転から冷却運転に切り換える際には、第2の蒸発器16cに残る冷媒を冷媒回路20の高圧側に回収するための冷媒回収運転を行う。
【0022】
冷媒回収運転は、例えば、第1の蒸発器15cを除霜するとともに、第2の蒸発器16cによってショーケース本体10内を冷却する除霜冷却運転の場合に、除霜している第1の蒸発器15cの冷媒上流側に位置する第6の電磁弁24fを閉鎖する。これにより、受液器21から第1の蒸発器15cへの冷媒の流入が遮断され、第1の蒸発器15c内の冷媒が第2の蒸発器16cにおいて蒸発してアキュムレータ22を介して圧縮機14aに吸入され、余剰の液体の冷媒は受液器21及びアキュムレータ22に貯留される。また、第2の蒸発器16cを除霜するとともに、第1の蒸発器15cによってショーケース本体10内を冷却する除霜運転の場合には、除霜している第2の蒸発器15cの冷媒上流側に位置する第7の電磁弁24gを閉鎖することにより、第2の蒸発器16c内の冷媒が第1の蒸発器15cにおいて蒸発してアキュムレータ22を介して圧縮機14aに吸入され、余剰の液体の冷媒は受液器21及びアキュムレータ22に貯留される。
【0023】
次に、冷媒回収運転から冷却運転に切り換える際の制御部30の動作を図8のフローチャートを用いて説明する。まず、冷媒回収運転時において第1の蒸発器15cの冷媒を回収している場合には(ステップS1)、第1の圧力検出器31の検出圧力P1が所定の設定圧力PS1以下となると(ステップS2)、第2の蒸発器16cによる冷却運転に切り換える(ステップS3)。また、冷媒回収運転時において第2の蒸発器16cの冷媒を回収している場合には(ステップS4)、第2の圧力検出器32の検出圧力P2が所定の設定圧力PS2以下となると(ステップS5)、第1の蒸発器15cによる冷却運転に切り換える(ステップS6)。
【0024】
ここで、設定圧力PS1及び設定圧力PS2は、例えばそれぞれ約0MPaGであり、第1の圧力検出器31の検出圧力P1及び第2の圧力検出器32の検出圧力P2がそれぞれ設定圧力PS1及び設定圧力PS2以下となった場合に、第1の蒸発器15c及び第2の蒸発器16cに残る冷媒が回収されたと判断する。
【0025】
また、除霜冷却運転中の凝縮器用送風機14cの運転に関する制御部30の動作を図9のフローチャートを用いて説明する。まず、除霜冷却運転時において温度検出器33の検出温度Tが所定の設定温度TS1以下になると(ステップS11)、送風量を減少させる(ステップS12)。また、温度検出器33の検出温度Tが所定の設定温度TS2(TS1≦TS2)より高くなると(ステップS13)、送風量を増加させる(ステップS14)。
【0026】
ここで、設定温度TS1,TS2は、例えば45℃であり、凝縮器14bにおける冷媒の凝縮温度を保持することにより、第1の蒸発器15c及び第2の蒸発器16cの除霜に必要な時間のばらつきを無くすことが可能となる。
【0027】
このように、本実施形態のショーケースによれば、除霜冷却運転時における冷媒流路の凝縮器14bと冷媒流通方向上流側に位置する第1の蒸発器15cまたは第2の蒸発器16cとの間の冷媒流路に設けられ、冷媒を貯留可能な受液器21を備えたので、受液器21に貯留された冷媒を継続的に除霜する第1の蒸発器15cまたは第2の蒸発器16cに供給することができ、除霜する第1の蒸発器15cまたは第2の蒸発器16cに冷媒を確実に供給することが可能となる。
【0028】
また、除霜冷却運転時における冷媒流路の受液器21と冷媒流通方向上流側に位置する第1の蒸発器15cまたは第2の蒸発器16cとの間の冷媒流路を開閉可能な第6の電磁弁24f及び第7の電磁弁24gを備えたので、除霜冷却運転時に第6の電磁弁24f及び第7の電磁弁24gの一方を閉鎖することにより、除霜している第1の蒸発器15cまたは第2の蒸発器16cに残る冷媒を受液器21に回収することができ、圧縮機14aにおける液体の冷媒の圧縮を防止することが可能となる。
【0029】
また、除霜冷却運転時における冷媒流通方向上流側に位置する第1の蒸発器15cまたは第2の蒸発器16c内の圧力を検出可能な第1の圧力検出器31または第2の圧力検出器32を備え、除霜冷却運転時における冷媒流通方向上流側に位置する第1の蒸発器15cまたは第2の蒸発器16cの上流側に位置する第6の電磁弁24fまたは第7の電磁弁24gを閉鎖した後、第1の圧力検出器31の検出圧力P1または第2の圧力検出器32の検出圧力P2に基づいて、冷媒流路を冷却運転に切り換えるようにしたので、除霜している第1の蒸発器15cまたは第2の蒸発器16cに残る液体の冷媒を第1の圧力検出器31または第2の圧力検出器32によって確実に検出することができ、除霜している第1の蒸発器15cまたは第2の蒸発器16cに残る液体の冷媒を確実に受液器21に回収することが可能となる。
【0030】
また、凝縮器14bを流通する冷媒と熱交換する空気を流通させる凝縮器送風機14cと、凝縮器14bにおいて空気と熱交換した後の冷媒の温度を検出可能な温度検出器33とを備え、温度検出器33の検出温度に基づいて凝縮器用送風機14cの送風量を調整するようにしたので、凝縮器14bから流出する冷媒の温度を所定の温度に保持することができ、第1蒸発器15cまたは第2の蒸発器16cの除霜が必要以上に長時間となることはない。
【0031】
尚、前記実施形態では、除霜冷却運転時において、受液器21から流出した冷媒を第1の蒸発器15c及び第2の蒸発器16cの一方の他端側から流入させ、第1の蒸発器15c及び第2の蒸発器16cの一方の一端側から流出した冷媒を膨張弁23を介して第1の蒸発器15c及び第2の蒸発器16cの他方の一端側から流入させるように構成した冷媒回路20を示したが、図10に示すように、除霜冷却運転時において、受液器21から流出した冷媒を第1の蒸発器15c及び第2の蒸発器16cの一方の一端側から流入させ、第1の蒸発器15c及び第2の蒸発器16cの他端側から流出した冷媒を膨張弁23を介して第1の蒸発器15c及び第2の蒸発器16cの他方の一端側から流入させるように構成した冷媒回路40としてもよい。
【0032】
また、前記実施形態では、冷媒回収運転から冷却運転への切り換えを、第1の蒸発器15c及び第2の蒸発器16cのそれぞれの近傍の冷媒流路に設けられた第1の圧力検出器31及び第2の圧力検出器32の検出圧力P1,P2に基づいて行うようにしたものを示したが、実際の冷媒回路20おいて第1の蒸発器15c及び第2の蒸発器16cから液体の冷媒が回収される時間を実験によって測定し、測定によって得られた設定時間に基づいて冷媒回収運転から冷却運転への切り換えを行ってもよい。また、第1の蒸発器15c及び第2の蒸発器16cの冷媒流出側の冷媒流路にそれぞれ設けられた温度検出器の検出温度に基づいて第1の蒸発器15c及び第2の蒸発器16c内に残る液体の冷媒の有無を判断して冷媒回収運転から冷却運転への切り換えを行ってもよい。更に、第1の蒸発器15c及び第2の蒸発器16cのそれぞれの近傍の冷媒流路にサイトグラスを設け、サイトグラスを透過する光の屈折率の変化等から液体の冷媒の有無を判断し、冷媒回収運転から冷却運転への切り換えを行ってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の一実施形態を示すショーケースの全体斜視図
【図2】ショーケースの側面断面図
【図3】冷媒回路図
【図4】制御系を示すブロック図
【図5】冷却運転時の冷媒流路を示す冷媒回路図
【図6】除霜冷却運転時の冷媒流路を示す冷媒回路図
【図7】冷媒回収運転時の冷媒流路を示す冷媒回路図
【図8】冷媒回収運転から冷却運転に切り換える動作を示すフローチャート
【図9】凝縮器用送風機の送風量の制御に関する動作を示すフローチャート
【図10】その他の例を示す冷媒回路図
【符号の説明】
【0034】
14a…圧縮機、14b…凝縮器、14c…凝縮器用送風機、15c…第1の蒸発器、16c…第2の蒸発器、20…冷媒回路、21…受液器、23…膨張弁、24a…第1の電磁弁、24b…第2の電磁弁、24c…第3の電磁弁、24d…第4の電磁弁、24e…第5の電磁弁、24f…第6の電磁弁、24g…第7の電磁弁、25a…第1の逆止弁、25b…第2の逆止弁、30…制御部、31…第1の圧力検出器、32…第2の圧力検出器、33…温度検出器、40…冷媒回路。
【技術分野】
【0001】
本発明は、一対の冷却器を備え、一方の冷却器を除霜しながら他方の冷却器によってショーケース本体内を冷却可能なショーケースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のショーケースとしては、圧縮機、凝縮器及び一対の熱交換器を有する冷媒回路と、冷媒回路を、圧縮機から吐出された冷媒を凝縮器を流通させた後に膨張手段を介して少なくとも一方の熱交換器を流通させる冷却運転用冷媒流路と、圧縮機から吐出された冷媒を凝縮器を流通させた後に一方の熱交換器を流通させ、一方の熱交換器から流出する冷媒を膨張手段を介して他方の熱交換器に流入させる除霜冷却運転用冷媒流路とに設定可能な流路設定手段とを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005−274057号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のショーケースでは、除霜冷却運転時において、凝縮器から流出する冷媒を膨張手段を介することなく熱交換器に流入させることにより、熱交換器に付着した霜を冷媒の熱によって融解させるようになっている。このため、凝縮器における冷媒の状態によっては、除霜する熱交換器に流入する冷媒の流量が不足するおそれがある。
【0004】
本発明の目的とするところは、除霜冷却運転時に除霜する熱交換器に冷媒を確実に供給することのできるショーケースを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は前記目的を達成するために、圧縮機、凝縮器及び一対の熱交換器を有する冷媒回路と、冷媒回路を、圧縮機から吐出された冷媒を凝縮器を流通させた後に膨張手段を介して少なくとも一方の熱交換器を流通させる冷却運転用冷媒流路と、圧縮機から吐出された冷媒を凝縮器を流通させた後に一方の熱交換器を流通させ、一方の熱交換器から流出する冷媒を膨張手段を介して他方の熱交換器に流入させる除霜冷却運転用冷媒流路とに設定可能な流路設定手段とを備えたショーケースにおいて、前記除霜冷却運転用冷媒流路における凝縮器と冷媒流通方向上流側に位置する熱交換器との間の冷媒流路に設けられ、液体の冷媒を貯留可能な受液器を備えている。
【0006】
これにより、受液器に貯留された冷媒が継続的に除霜する熱交換器に供給される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、受液器に貯留された冷媒を継続的に除霜する熱交換器に供給することができるので、除霜する熱交換器に冷媒を確実に供給することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図1乃至図9は本発明の一実施形態を示すもので、図1はショーケースの全体斜視図、図2はショーケースの側面断面図、図3は冷媒回路図、図4は制御系を示すブロック図、図5は冷却運転時の冷媒流路を示す冷媒回路図、図6は除霜冷却運転時の冷媒流路を示す冷媒回路図、図7は冷媒回収運転時の冷媒流路を示す冷媒回路図、図8は冷媒回収運転から冷却運転に切り換える動作を示すフローチャート、図9は凝縮器用送風機の送風量の制御に関する動作を示すフローチャートである。
【0009】
図1に示すショーケースは、上面が開口されたショーケース本体10と、ショーケース本体10に設けられた冷媒回路20と、冷却運転及び除霜冷却運転等の運転制御を行うための制御部30とを備えている。
【0010】
ショーケース本体10は、前面側、底面側、背面側及び左右両側面側を断熱壁11によって囲むことにより設けられ、その内部を前面側、底面側及び背面側に沿って仕切ることにより通風路12と商品収納部13が設けられている。また、ショーケース本体10の下部には機械室14が設けられ、その内部には圧縮機14a、凝縮器14b及び凝縮器用送風機14c等の冷凍機器が設置されている。また、本実施形態で用いられる凝縮器用送風機14cは、電動のモータによって駆動するようになっており、モータの回転数をインバータ制御等によって制御することにより送風量が変更可能に設けられている。
【0011】
通風路12は、その内部を断熱壁11側と商品収納部13側とに仕切ることにより、断熱壁11側に位置する第1の通風路15と商品収納部13側に位置する第2の通風路16が設けられている。
【0012】
第1の通風路15は、商品収納部13の前面側の上部に左右に延びる第1の空気吸入口15aが背面側に向けて設けられ、商品収納部13の背面側の上部に左右に延びる第1の空気吐出口15bが前面側に向けて設けられている。第1の空気吐出口15bには、第1の整流部材17aが設けられ、第1の空気吐出口15bと第1の空気吸入口15aの間にエアカーテンを形成することができるようになっている。第1の通風路15内には、熱交換器としての第1の蒸発器15cが設けられ、第1の蒸発器15cの第1の空気吸入口15a側には第1の蒸発器用送風機15dが設けられている。
【0013】
第2の通風路16は、商品収納部13の前面側の第1の空気吸入口15aの下方に左右に延びる第2の空気吐出口16aが背面側に向けて設けられ、商品収納部13の背面側の第1の空気吐出口15bの下方に左右に延びる第2の空気吸入口16bが前面側に向けて設けられている。第2の空気吐出口16aには、第2の整流部材17bが設けられ、第2の空気吐出口16aと第2の空気吸入口16bの間にエアカーテンを形成することができるようになっている。第2の通風路16内には、熱交換器としての第2の蒸発器16cが設けられ、第2の蒸発器16cの第2の空気吸入口16b側には、第2の蒸発器用送風機16dが設けられている。
【0014】
冷媒回路20は、圧縮機14a、凝縮器14b、第1の蒸発器15c、第2の蒸発器16c、受液器21、アキュムレータ22、膨張弁23、第1〜第7の電磁弁24a,24b,24c,24d,24e,24f,24g、第1及び第2の逆止弁25a,25bを備え、これらが銅管やステンレス管等によって図3に示すように接続されている。即ち、圧縮機14aの吐出側には凝縮器14bの流入側が接続され、凝縮器14bの流出側には受液器21の流入側が接続されている。また、受液器21の流出側には膨張弁23の流入側が第1の電磁弁24aを介して接続され、膨張弁23の流出側が第1の蒸発器15cの一端側及び第2の蒸発器16cの一端側のそれぞれに第2の電磁弁24b及び第3の電磁弁24cを介して並列に接続されている。更に、第1の蒸発器15cの他端側及び第2の蒸発器16cの他端側には、アキュムレータ22の流入側がそれぞれ第4の電磁弁24d及び第5の電磁弁24eを介して接続されている。アキュムレータ22の流出側には圧縮機14aの吸入側が接続され、循環回路が構成されている。また、受液器21の流出側と第1の電磁弁24aの間の流路と第1の蒸発器15cの他端側と第4の電磁弁24dの間の流路とが第6の電磁弁24fを介して接続され、受液器21の流出側と第1の電磁弁24aの間の流路と第2の蒸発器16cの他端側と第5の電磁弁24eの間の流路とが第7の電磁弁24gを介して接続されている。更に、第2の電磁弁24bと第1の蒸発器15cの一端側の間の流路と第1の電磁弁24aと膨張弁23の流入側の間の流路とが第1の逆止弁25aを介して接続され、第3の電磁弁24cと第2の蒸発器16cの一端側の間の流路と第1の電磁弁24aと膨張弁23の流入側の間の流路とが第2の逆止弁25bを介して接続されている。ここで、第1の逆止弁25a及び第2の逆止弁25bは、冷媒の流通方向をそれぞれ第1の電磁弁24aと膨張弁23の流入側の間の流路側に向けて接続されている。また、冷媒回路20には、炭化水素やアンモニア等の自然系冷媒及び代替フロン等が冷媒として充填されている。
【0015】
制御部30はマイクロコンピュータによって構成され、そのメモリには冷却運転、除霜冷却運転の制御動作に関するプログラムが記憶されている。また、制御部30には、図4に示すように、凝縮器用送風機14c、第1の蒸発器用送風機15d、第2の蒸発器用送風機16d、第1〜第7の電磁弁24a,24b,24c,24d,24e,24f,24g、第1の蒸発器15cの他端側の流路内の圧力を検出するための例えばダイヤフラム式等の第1の圧力検出器31、第2の蒸発器16dの他端側の流路内の圧力を検出するための例えばダイヤフラム式等の第2の圧力検出器32及び凝縮器14bから流出する冷媒の温度を検出するサーミスタ等の温度検出器33が接続されている。
【0016】
以上のように構成されたショーケースにおいて、第1の蒸発器15cによって冷却運転を行う場合には、第1の電磁弁24a、第2の電磁弁24b及び第4の電磁弁24dを開放して第3の電磁弁24c、第5の電磁弁24e、第6の電磁弁24f及び第7の電磁弁24gを閉鎖し、第2の蒸発器用送風機16dを停止した状態で、圧縮機14a、凝縮器用送風機14c及び第1の蒸発器用送風機15dを運転する。これにより、図5の実線の矢印で示すように、圧縮機14aから吐出された冷媒は、凝縮器14b及び受液器21を順次流通した後に膨張弁23を介して第1の蒸発器15cを一端側から他端側に向かって流通し、アキュムレータ22を介して圧縮機14aに吸入される。また、図2の実線の矢印で示すように、第1の蒸発器用送風機15dによって第1の空気吸入口15aから第1の通風路15に流入する空気は、第1の蒸発器15cにおいて冷媒と熱交換することにより冷却されて第1の空気吐出口15bから吐出され、ショーケース本体10の上面開口にエアカーテンを形成する。
【0017】
また、第2の蒸発器16cによって冷却運転を行う場合には、第1の電磁弁24a、第3の電磁弁24c及び第5の電磁弁24eを開放して第2の電磁弁24b、第4の電磁弁24d、第6の電磁弁24f及び第7の電磁弁24gを閉鎖し、第1の蒸発器用送風機15dを停止した状態で、圧縮機14a、凝縮器用送風機14c及び第2の蒸発器用送風機16dを運転する。これにより、圧縮機14aから吐出された冷媒は、図5の破線の矢印で示すように流通する。また、第2の蒸発器用送風機16dによって第2の通風路16を流通する空気は、図2の破線の矢印で示すように、冷却されてショーケース本体10の上面開口にエアカーテンを形成する。
【0018】
次に、第1の蒸発器15cを除霜するとともに、第2の蒸発器によってショーケース本体10内を冷却する除霜冷却運転を行う場合には、第3の電磁弁24c、第5の電磁弁24e及び第6の電磁弁24fを開放して第1の電磁弁24a、第2の電磁弁24b、第4の電磁弁24d及び第7の電磁弁24gを閉鎖し、第1の蒸発器送風機15dを停止した状態で、圧縮機14a、凝縮器用送風機14c及び第2の蒸発器用送風機16dを運転する。これにより、圧縮機14aから吐出された冷媒は、図6の実線の矢印で示すように、凝縮器14b及び受液器21を順次流通した後に第6の電磁弁24fを介して第1の蒸発器15cを他端側から一端側に向かって流通する。第1の蒸発器15cを流通した冷媒は、第1の逆止弁25aを流通した後に膨張弁23を介して第2の蒸発器16cを一端側から他端側に向かって流通し、アキュムレータ22を介して圧縮機14aに吸入される。このとき、第1の蒸発器15cには凝縮器14bから流出する高温高圧冷媒が流通することから、第1の蒸発器15cに付着している霜は、高温高圧冷媒の熱によって融解される。また、第1の蒸発器15cの霜を融解した後の冷媒は、膨張弁23を介して第2の蒸発器16cに流入し、第2の通風路16を流通する空気を冷却する。
【0019】
また、第2の蒸発器16cを除霜するとともに、第1の蒸発器15cによってショーケース本体10内を冷却する除霜冷却運転を行う場合には、第2の電磁弁24b、第4の電磁弁24d及び第7の電磁弁24gを開放して第1の電磁弁24a、第3の電磁弁24c、第5の電磁弁24e及び第6の電磁弁24fを閉鎖し、第2の蒸発器用送風機16dを停止した状態で、圧縮機14a、凝縮器用送風機14c及び第1の蒸発器用送風機15dを運転する。これにより、圧縮機14aから吐出された冷媒は、図6の破線の矢印で示すように流通する。このとき、第2の蒸発器16cには凝縮器14bから流出する高温高圧冷媒が流通することから、第2の蒸発器16cに付着している霜は、高温高圧冷媒の熱によって融解される。また、第2の蒸発器16cの霜を融解した後の冷媒は、膨張弁23を介して第1の蒸発器15cに流入し、第1の通風路15を流通する空気を冷却する。
【0020】
この除霜冷却運転は、第1の蒸発器15c及び第2の蒸発器16cのそれぞれの温度を検出し、第1の蒸発器15c及び第2の蒸発器16cへの着霜をそれぞれ検知したときに行ってもよいし、設定した時刻に所定時間行うようにしてもよい。
【0021】
更に、第1の蒸発器15cを除霜するとともに、第2の蒸発器16cによってショーケース本体10内を冷却する除霜冷却運転を終了して冷却運転に切り換える場合には、第1の電磁弁24aを開放するとともに、第6の電磁弁24fを閉鎖することにより、第2の蒸発器16cによる冷却運転に切り換える。また、前記除霜冷却運転から冷却運転に切り換える際には、第1の蒸発器15cに残る冷媒を冷媒回路20の高圧側に回収するための冷媒回収運転を行う。第2の蒸発器16cを除霜するとともに、第1の蒸発器15cによってショーケース本体10内を冷却する除霜冷却運転を終了して冷却運転に切り換える場合には、第1の電磁弁24aを開放するとともに、第7の電磁弁24gを閉鎖することにより、第1の蒸発器15cによる冷却運転に切り換える。また、前記除霜冷却運転から冷却運転に切り換える際には、第2の蒸発器16cに残る冷媒を冷媒回路20の高圧側に回収するための冷媒回収運転を行う。
【0022】
冷媒回収運転は、例えば、第1の蒸発器15cを除霜するとともに、第2の蒸発器16cによってショーケース本体10内を冷却する除霜冷却運転の場合に、除霜している第1の蒸発器15cの冷媒上流側に位置する第6の電磁弁24fを閉鎖する。これにより、受液器21から第1の蒸発器15cへの冷媒の流入が遮断され、第1の蒸発器15c内の冷媒が第2の蒸発器16cにおいて蒸発してアキュムレータ22を介して圧縮機14aに吸入され、余剰の液体の冷媒は受液器21及びアキュムレータ22に貯留される。また、第2の蒸発器16cを除霜するとともに、第1の蒸発器15cによってショーケース本体10内を冷却する除霜運転の場合には、除霜している第2の蒸発器15cの冷媒上流側に位置する第7の電磁弁24gを閉鎖することにより、第2の蒸発器16c内の冷媒が第1の蒸発器15cにおいて蒸発してアキュムレータ22を介して圧縮機14aに吸入され、余剰の液体の冷媒は受液器21及びアキュムレータ22に貯留される。
【0023】
次に、冷媒回収運転から冷却運転に切り換える際の制御部30の動作を図8のフローチャートを用いて説明する。まず、冷媒回収運転時において第1の蒸発器15cの冷媒を回収している場合には(ステップS1)、第1の圧力検出器31の検出圧力P1が所定の設定圧力PS1以下となると(ステップS2)、第2の蒸発器16cによる冷却運転に切り換える(ステップS3)。また、冷媒回収運転時において第2の蒸発器16cの冷媒を回収している場合には(ステップS4)、第2の圧力検出器32の検出圧力P2が所定の設定圧力PS2以下となると(ステップS5)、第1の蒸発器15cによる冷却運転に切り換える(ステップS6)。
【0024】
ここで、設定圧力PS1及び設定圧力PS2は、例えばそれぞれ約0MPaGであり、第1の圧力検出器31の検出圧力P1及び第2の圧力検出器32の検出圧力P2がそれぞれ設定圧力PS1及び設定圧力PS2以下となった場合に、第1の蒸発器15c及び第2の蒸発器16cに残る冷媒が回収されたと判断する。
【0025】
また、除霜冷却運転中の凝縮器用送風機14cの運転に関する制御部30の動作を図9のフローチャートを用いて説明する。まず、除霜冷却運転時において温度検出器33の検出温度Tが所定の設定温度TS1以下になると(ステップS11)、送風量を減少させる(ステップS12)。また、温度検出器33の検出温度Tが所定の設定温度TS2(TS1≦TS2)より高くなると(ステップS13)、送風量を増加させる(ステップS14)。
【0026】
ここで、設定温度TS1,TS2は、例えば45℃であり、凝縮器14bにおける冷媒の凝縮温度を保持することにより、第1の蒸発器15c及び第2の蒸発器16cの除霜に必要な時間のばらつきを無くすことが可能となる。
【0027】
このように、本実施形態のショーケースによれば、除霜冷却運転時における冷媒流路の凝縮器14bと冷媒流通方向上流側に位置する第1の蒸発器15cまたは第2の蒸発器16cとの間の冷媒流路に設けられ、冷媒を貯留可能な受液器21を備えたので、受液器21に貯留された冷媒を継続的に除霜する第1の蒸発器15cまたは第2の蒸発器16cに供給することができ、除霜する第1の蒸発器15cまたは第2の蒸発器16cに冷媒を確実に供給することが可能となる。
【0028】
また、除霜冷却運転時における冷媒流路の受液器21と冷媒流通方向上流側に位置する第1の蒸発器15cまたは第2の蒸発器16cとの間の冷媒流路を開閉可能な第6の電磁弁24f及び第7の電磁弁24gを備えたので、除霜冷却運転時に第6の電磁弁24f及び第7の電磁弁24gの一方を閉鎖することにより、除霜している第1の蒸発器15cまたは第2の蒸発器16cに残る冷媒を受液器21に回収することができ、圧縮機14aにおける液体の冷媒の圧縮を防止することが可能となる。
【0029】
また、除霜冷却運転時における冷媒流通方向上流側に位置する第1の蒸発器15cまたは第2の蒸発器16c内の圧力を検出可能な第1の圧力検出器31または第2の圧力検出器32を備え、除霜冷却運転時における冷媒流通方向上流側に位置する第1の蒸発器15cまたは第2の蒸発器16cの上流側に位置する第6の電磁弁24fまたは第7の電磁弁24gを閉鎖した後、第1の圧力検出器31の検出圧力P1または第2の圧力検出器32の検出圧力P2に基づいて、冷媒流路を冷却運転に切り換えるようにしたので、除霜している第1の蒸発器15cまたは第2の蒸発器16cに残る液体の冷媒を第1の圧力検出器31または第2の圧力検出器32によって確実に検出することができ、除霜している第1の蒸発器15cまたは第2の蒸発器16cに残る液体の冷媒を確実に受液器21に回収することが可能となる。
【0030】
また、凝縮器14bを流通する冷媒と熱交換する空気を流通させる凝縮器送風機14cと、凝縮器14bにおいて空気と熱交換した後の冷媒の温度を検出可能な温度検出器33とを備え、温度検出器33の検出温度に基づいて凝縮器用送風機14cの送風量を調整するようにしたので、凝縮器14bから流出する冷媒の温度を所定の温度に保持することができ、第1蒸発器15cまたは第2の蒸発器16cの除霜が必要以上に長時間となることはない。
【0031】
尚、前記実施形態では、除霜冷却運転時において、受液器21から流出した冷媒を第1の蒸発器15c及び第2の蒸発器16cの一方の他端側から流入させ、第1の蒸発器15c及び第2の蒸発器16cの一方の一端側から流出した冷媒を膨張弁23を介して第1の蒸発器15c及び第2の蒸発器16cの他方の一端側から流入させるように構成した冷媒回路20を示したが、図10に示すように、除霜冷却運転時において、受液器21から流出した冷媒を第1の蒸発器15c及び第2の蒸発器16cの一方の一端側から流入させ、第1の蒸発器15c及び第2の蒸発器16cの他端側から流出した冷媒を膨張弁23を介して第1の蒸発器15c及び第2の蒸発器16cの他方の一端側から流入させるように構成した冷媒回路40としてもよい。
【0032】
また、前記実施形態では、冷媒回収運転から冷却運転への切り換えを、第1の蒸発器15c及び第2の蒸発器16cのそれぞれの近傍の冷媒流路に設けられた第1の圧力検出器31及び第2の圧力検出器32の検出圧力P1,P2に基づいて行うようにしたものを示したが、実際の冷媒回路20おいて第1の蒸発器15c及び第2の蒸発器16cから液体の冷媒が回収される時間を実験によって測定し、測定によって得られた設定時間に基づいて冷媒回収運転から冷却運転への切り換えを行ってもよい。また、第1の蒸発器15c及び第2の蒸発器16cの冷媒流出側の冷媒流路にそれぞれ設けられた温度検出器の検出温度に基づいて第1の蒸発器15c及び第2の蒸発器16c内に残る液体の冷媒の有無を判断して冷媒回収運転から冷却運転への切り換えを行ってもよい。更に、第1の蒸発器15c及び第2の蒸発器16cのそれぞれの近傍の冷媒流路にサイトグラスを設け、サイトグラスを透過する光の屈折率の変化等から液体の冷媒の有無を判断し、冷媒回収運転から冷却運転への切り換えを行ってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の一実施形態を示すショーケースの全体斜視図
【図2】ショーケースの側面断面図
【図3】冷媒回路図
【図4】制御系を示すブロック図
【図5】冷却運転時の冷媒流路を示す冷媒回路図
【図6】除霜冷却運転時の冷媒流路を示す冷媒回路図
【図7】冷媒回収運転時の冷媒流路を示す冷媒回路図
【図8】冷媒回収運転から冷却運転に切り換える動作を示すフローチャート
【図9】凝縮器用送風機の送風量の制御に関する動作を示すフローチャート
【図10】その他の例を示す冷媒回路図
【符号の説明】
【0034】
14a…圧縮機、14b…凝縮器、14c…凝縮器用送風機、15c…第1の蒸発器、16c…第2の蒸発器、20…冷媒回路、21…受液器、23…膨張弁、24a…第1の電磁弁、24b…第2の電磁弁、24c…第3の電磁弁、24d…第4の電磁弁、24e…第5の電磁弁、24f…第6の電磁弁、24g…第7の電磁弁、25a…第1の逆止弁、25b…第2の逆止弁、30…制御部、31…第1の圧力検出器、32…第2の圧力検出器、33…温度検出器、40…冷媒回路。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機、凝縮器及び一対の熱交換器を有する冷媒回路と、
冷媒回路を、圧縮機から吐出された冷媒を凝縮器を流通させた後に膨張手段を介して少なくとも一方の熱交換器を流通させる冷却運転用冷媒流路と、圧縮機から吐出された冷媒を凝縮器を流通させた後に一方の熱交換器を流通させ、一方の熱交換器から流出する冷媒を膨張手段を介して他方の熱交換器に流入させる除霜冷却運転用冷媒流路とに設定可能な流路設定手段とを備えたショーケースにおいて、
前記除霜冷却運転用冷媒流路における凝縮器と冷媒流通方向上流側に位置する熱交換器との間の冷媒流路に設けられ、液体の冷媒を貯留可能な受液器を備えた
ことを特徴とするショーケース。
【請求項2】
前記除霜冷却運転用冷媒流路における受液器と冷媒流通方向上流側に位置する熱交換器との間の冷媒流路を開閉可能な流路開閉手段を備えた
ことを特徴とする請求項1記載のショーケース。
【請求項3】
前記除霜冷却運転用冷媒流路における冷媒流通方向上流側に位置する熱交換器内の圧力を検出可能な圧力検出手段と、
除霜冷却運転用冷媒流路において流路開閉手段によって冷媒流路を閉鎖した後、圧力検出手段の検出圧力に基づいて、冷媒流路を冷却運転用冷媒流路に切り換える運転切換制御手段とを備えた
ことを特徴とする請求項2記載のショーケース。
【請求項4】
前記凝縮器を流通する冷媒と熱交換する空気を流通させる送風機と、
凝縮器において空気と熱交換した後の冷媒の温度を検出可能な温度検出手段と、
温度検出手段の検出温度に基づいて送風機の送風量を調整する風量調整手段とを備えた
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載のショーケース。
【請求項1】
圧縮機、凝縮器及び一対の熱交換器を有する冷媒回路と、
冷媒回路を、圧縮機から吐出された冷媒を凝縮器を流通させた後に膨張手段を介して少なくとも一方の熱交換器を流通させる冷却運転用冷媒流路と、圧縮機から吐出された冷媒を凝縮器を流通させた後に一方の熱交換器を流通させ、一方の熱交換器から流出する冷媒を膨張手段を介して他方の熱交換器に流入させる除霜冷却運転用冷媒流路とに設定可能な流路設定手段とを備えたショーケースにおいて、
前記除霜冷却運転用冷媒流路における凝縮器と冷媒流通方向上流側に位置する熱交換器との間の冷媒流路に設けられ、液体の冷媒を貯留可能な受液器を備えた
ことを特徴とするショーケース。
【請求項2】
前記除霜冷却運転用冷媒流路における受液器と冷媒流通方向上流側に位置する熱交換器との間の冷媒流路を開閉可能な流路開閉手段を備えた
ことを特徴とする請求項1記載のショーケース。
【請求項3】
前記除霜冷却運転用冷媒流路における冷媒流通方向上流側に位置する熱交換器内の圧力を検出可能な圧力検出手段と、
除霜冷却運転用冷媒流路において流路開閉手段によって冷媒流路を閉鎖した後、圧力検出手段の検出圧力に基づいて、冷媒流路を冷却運転用冷媒流路に切り換える運転切換制御手段とを備えた
ことを特徴とする請求項2記載のショーケース。
【請求項4】
前記凝縮器を流通する冷媒と熱交換する空気を流通させる送風機と、
凝縮器において空気と熱交換した後の冷媒の温度を検出可能な温度検出手段と、
温度検出手段の検出温度に基づいて送風機の送風量を調整する風量調整手段とを備えた
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載のショーケース。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2008−133998(P2008−133998A)
【公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−320184(P2006−320184)
【出願日】平成18年11月28日(2006.11.28)
【出願人】(000001845)サンデン株式会社 (1,791)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年11月28日(2006.11.28)
【出願人】(000001845)サンデン株式会社 (1,791)
【Fターム(参考)】
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