説明

スイッチおよびスイッチ制御方法

【課題】
互いに逆の論理状態を必要とするシリーズFETおよびシャントFETを含み、1つの制御信号で駆動可能であるスイッチおよびその制御方法を提供する。
【解決手段】
少なくとも1つのシリーズFET42のチャネルを含む1つの信号経路51によって相互に結合される、少なくとも2つの信号ポート12,14と、シャントFET46のチャネルを含み、グラウンドに結合される1つのシャント経路とを備えるスイッチにおいて、前記シリーズFET42のゲートおよびシャントFET46のドレイン−ソース間に、1つの制御電圧Vを印加する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチ素子およびその制御方法に関し、特に、2つの信号ポート間をシリーズに接続および分離するFETスイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、信号の伝送経路を制御するために、スイッチ素子(以下、単にスイッチという。)が用いられている。トランジスタを用いるスイッチの一例として、複数のFET(電界効果トランジスタ)によって構成されるものがある。FETスイッチは、ラジオ周波数(RF)のような高い周波数の信号に用いられるものとして一般に知られている。
【0003】
通常、オン(非常に低インピーダンス)状態にあるNチャネルFETスイッチは、ゲートに印加されている制御電圧が所定の値より低くなるまで、ソースからドレインに向かって信号を通過させる。このFETは、制御電圧が印加されなくなると、オフ(非常に高インピーダンス)状態に切り替り、ソースからドレインへの信号の通過を阻止する。この制御電圧の大きさは、FETのゲート−ソース間電圧(Vgs)程度に選ばれ、しきい値であるピンチオフ電圧Vpよりも高くされる。
このようなFETスイッチの利点は、ゲートへの制御電圧の印加に伴う電流が非常に小さく、スイッチ動作のための電力消費が少ないことである。また、例えば、2つ(またはそれ以上)のポート間に用いられるスイッチのように、ポート間の分離度(アイソレーション)を高めるため、シャント(分流)経路を介して複数のスイッチが組み合わされることもある。
【0004】
図1は、シリーズ・シャントアームを用いて構成された、従来のスイッチの一例を示す。
このスイッチ10は、第1信号ポート12がシリーズFET16を介して第2信号ポートに結合されるように構成されている。すなわち、FET16は、2つのポート(RF1,RF2)間に、シリーズ(直列)経路を形成する。シリーズFET16は、ソース、ドレインおよびゲートを備えている。シリーズFET16は、ソースがシリーズキャパシタ18を介して第1ポート12に結合され、ドレインがシリーズキャパシタ20を介して第2ポート14に結合される。シリーズFET16のゲートには、抵抗22を介して制御電圧Vが印加される。
シャントFET24は、ソース、ドレインおよびゲートを備えている。シャントFET24のソースは、キャパシタ26を介して接地基準電位(以下、単にグラウンドまたは接地ともいう。)に結合される。シャントFET24のドレインは、シリーズFET16のドレインに接続される。シャントFET24のゲートには、抵抗28を介して制御電圧V’ が印加される。このシャントFET24は、スイッチ10がオフ状態にあるときに、2つのポート間の分離度を高めるための、シャント経路を形成する。シリーズFET16のVgsがVp以下にバイアスされてチャネルがオフ状態にあるとき、2つの信号ポート間に作り出される高インピーダンス状態は、シリーズFET16の接合容量に支配される。ここで、シャントFET24のVgsがV’から|Vp|を超える電圧にされると、シャントFET24は、グラウンドへの低インピーダンス経路を形成する。すなわち、シリーズFET16だけでも2つの信号ポート間を分離できるが、シャントFET24によって形成されるグラウンドへの低インピーダンス経路は分離度をさらに高めるのである。
【0005】
このスイッチをオフ状態にするためには、シリーズFET16のバイアス電圧Vを(VRF1−Vp)より低く、かつ、シャントFET24のバイアス電圧Vを|Vp|より高くすればよい。これにより、このスイッチの等価論理状態がもう一方の状態に反転する。すなわち、2つの信号ポート間の経路における損失が最小であるオン状態から、その逆の論理状態である、分離度が最大であるオフ状態に切り替えられ、信号ポート間の経路における損失やシャント経路を介する信号経路−グラウンド間の結合を低減して、最少の損失を達成することができるのである。
【0006】
図2は、従来のスイッチの別の構成例を示す。
このスイッチ10’は、基本構成が図1に示したものと同様であるが、シリーズFETが多段に接続された、いわゆるマルチゲート構成にされている点が異なる。すなわち、第2のシリーズFET30をさらに備えている点が異なっている。第2のシリーズFET30は、ドレイン、ソースおよびゲートを備えている。このFET30のゲートにも、抵抗32を介して制御電圧Vが印加される。
【0007】
なお、このような従来のスイッチは種々の能動素子や受動素子を含んで構成され、特に、FETの高調波阻止特性を改善するために低インピーダンスの正帰還キャパシタがしばしば用いられる。高調波を阻止することによって、信号ひずみとノイズ干渉が除去または低減され、FETを用いるスイッチの特性が大幅に改善される。また、正帰還キャパシタは、高い分離度および大電力化を目的とするスイッチにおいても、しばしば用いられる。このような正帰還キャパシタは、シリーズFETのゲートと信号ポートの間を結合するように配置すればよい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このような従来のスイッチには、シリーズFETおよびシャントFETに、これらを互いに逆の論理状態にするための、異なるバイアス電圧をそれぞれ印加しなければならないという問題がある。すなわち、スイッチがオン状態にあるときには、2つの信号ポート間のシリーズ経路を低インピーダンス状態にするためにシリーズFET16のチャネルにはVpよりも高いバイアス電圧を、グラウンドとの間の経路を高インピーダンス状態にするためシャントFET24のチャネルにはVpより低いバイアス電圧を、それぞれ印加する必要がある。スイッチがオフ状態にあるときも同様である。
本発明は、このような問題を解決しようとするものであり、一つの制御(バイアス)電圧によって駆動することができるスイッチ素子、および、一つの制御電圧によってスイッチ素子を制御する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、いずれも上記の課題を解決するために提案されたものである。
請求項1に係るスイッチは、集積回路に形成された、少なくとも1つのシリーズFETのチャネルを含む1つの信号経路によって相互に結合される、少なくとも2つの信号ポートと、シャントFETのチャネルを含み、グラウンドに結合される1つのシャント経路とを備え、前記シリーズFETのゲートおよび前記シャントFETのドレイン−ソース間に、1つの制御電圧が印加されることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項2に係るスイッチ制御方法は、集積回路スイッチにおいて、第1ポートおよび第2ポートの間の信号経路に設けられたシリーズスイッチ、および、グラウンドに結合するシャント経路に設けられたシャントスイッチの両方を、共通の論理信号を用いて駆動することにより、前記第1ポートを前記第2ポートに選択的に接続することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項3に係るスイッチは、第1ポートを第2ポートに結合するためのものであって、制御信号入力部と、前記第1ポートと前記第2ポートの間にシリーズに接続され、前記制御信号入力部に接続されるゲートを有する、少なくとも1つのシリーズFETと、1つのシャントFETを含む前記シャント経路とを備え、前記シャントFETが、前記制御信号入力部および前記少なくとも1つのシリーズFETのゲートに結合される、ドレインおよびソースを有し、前記少なくとも1つのシリーズFETおよび前記シャントFETの両方に、1つの制御信号が、前記制御信号入力部を介して印加され、前記少なくとも1つのシリーズFETをオンにすると共に前記シャントFETをオフにし、またはこれと逆に、前記シリーズFETをオフにすると共に前記シャントFETをオンにすることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の請求項6に係るスイッチは、第1ポートを第2ポートに結合するためのものであって、制御信号入力部と、第1ポートと第2ポートの間にシリーズに接続され、前記制御信号入力部に接続されるゲートを有する、1つのシリーズFETと、前記制御信号入力部および前記シリーズFETのゲートに結合され、前記第1ポートおよび前記第2ポート間の分離度を高め、および、前記スイッチの高調波を阻止する、分離・高調波阻止手段とを備え、前記制御信号入力部を介して前記シリーズFETおよび前記分離・高調波阻止手段の両方に入力される1つの制御信号が、前記シリーズFETをオンにすると共に前記分離・高調波阻止手段をオフにし、またはこれと逆に、前記シリーズFETをオフにすると共に前記分離・高調波阻止手段をオンにすることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の請求項8に係るスイッチ制御方法は、シリーズFETおよびシャントFETを含むスイッチを介して、第1ポートを第2のポートに結合し、および、前記第1ポートを前記第2ポートから分離するものであって、前記シリーズFETのゲート−ソース間にそのピンチオフ電圧より低いバイアス電圧を印加してオフ状態にし、かつ、シャントFETのゲート−ソース間にそのピンチオフ電圧より高いバイアス電圧を印加してオン状態にすることにより、1つの制御信号を用いて前記第1ポートを前記第2ポートから分離するステップと、前記シリーズFETのゲート−ソース間にそのピンチオフ電圧より高いバイアス電圧を印加してオン状態にし、かつ、シャントFETのゲート−ソース間にそのピンチオフ電圧より低いバイアス電圧を印加してオフ状態にすることにより、1つの制御信号を用いて前記第1ポートを前記第2ポートに結合するステップとを有することを特徴とする。
【0014】
さらに、本発明の請求項9に係る集積回路は、第1RFポートを第2RFポートに選択的に接続し、または、前記第1RFポートを前記第2RFポートから分離するものであって、前記第1RFポートと前記第のRFポートを接続する1つの信号経路と、1つの信号経路および1つの制御電極を有し、前記制御電極への、第1の制御電圧の印加によって信号の通過を許し、第2の制御電圧の印加によって前記信号経路を高インピーダンスにする、少なくとも1つのスイッチングトランジスタと、第1端が前記の少なくとも1つのシリーズスイッチングトランジスタの電極(ゲート)に結合され、第2端が低信号インピーダンスを通してグラウンドに結合される、1つの分岐信号経路を有する、1つのシャントトランジスタとを備え、前記シリーズトランジスタ信号経路が導通状態であるときに、前記第1の制御電圧を、前記シリーズトランジスタの制御電極(ゲート)と、前記シャントトランジスタのドレインおよび/またはソースとに、同時に印加することによって、前記シャントトランジスタを有する分岐信号経路を実質的に非導通にし、および、前記シリーズトランジスタ経路が同時に非導電性状態であるときに、前記第2の制御電圧を、前記シャントトランジスタと、前記シリーズトランジスタの制御電極(ゲート)にも印加して、シャントトランジスタの信号経路を導電性にするインピーダンス制御により、前記第1のRFポートと前記第2のRFポートとの分離を強化することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、互いに逆のロジックを必要とするシリーズトランジスタとシャントトランジスタとを備えて構成され、共通する一つの論理信号でこれらを同時にオン/オフさせることができる、スイッチおよびその制御方法を提供することができる。これにより、高い分離度を得ることができ、しかも大電力化の要求にも適するスイッチを提供することができる。さらに、ロジックを反転させるための別途の部品を必要としないため、低コストで、ダイ面積を最小限にした集積回路スイッチを提供することもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に、本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。なお、各図中では、同様の部分を同じ符号により示す。
図3は、本発明に係るスイッチの第1の実施形態を示す。このスイッチ40は、電流経路と制御電極を有するスイッチングトランジスタ42を含んで構成されている。ここでは、スイッチングトランジスタ42が、ソース、ドレインおよびゲートを備えるシリーズFET42とされている。シリーズFET42のソースは、信号経路51およびシリーズキャパシタ13を介して第1信号ポート12(RF1)に結合される。シリーズFET42のドレインは、阻止(ブロッキング)キャパシタ21を介して第2信号ポート14(RF2)に結合される。シリーズFET42のゲート(制御電極)には、抵抗44を介して制御(バイアス)電圧Vが印加される。
シャントトランジスタ46は、シリーズFET42のゲート(制御電極)をグラウンドに接続する、スイッチング可能な経路を形成する。ここではシャントトランジスタ46が、ドレイン、ソースおよびゲートを備えるシャントFET46とされている。シャントFET46のドレインは、シリーズFET42のゲートに結合される。シャントFET46のソースは、キャパシタ48を介してグラウンドに結合される。シャントFET46のゲートは、抵抗50を介してグラウンドに接続される。
【0017】
第1信号ポート12から第2信号ポート14に(またはその逆に)信号を伝送するとき、信号経路51にはグラウンドに対してある電圧Vhiが存在する。ここで、バイアス電圧Vが、ピンチオフ電圧Vp(Vhi>Vp)を下回ると(例えば、0Vにされると)、シリーズFET42はオフになる。これと同時に、バイアス電圧Vが|Vp|を超えていれば、シャントFET46はオンになる(Vgs =0−V>Vp ならばシャントFETがオンになる)。
また、バイアス電圧V(V>|Vp|)が、Vhi以下にされると(例えば、Vhiにされると)、シリーズFET42はオンになる。これと同時に、シャントFET46は、バイアス電圧Vが|Vp|を超えていればオフになる(Vgs =0−V<Vp ならばシャントFETがオフになる)。
【0018】
このように、スイッチ40の各FETは、ゲート−ソース間のバイアス電圧によってオン/オフされる。図3に概略を示すように、シリーズFET42のゲートに制御電圧Vが印加され、かつ、シャントFET46のドレインには逆に印加されるようになっている。
このような構成によれば、同じ制御信号によって、スイッチのシリーズ素子およびシャント素子の両方を同時に駆動することができる。すなわち、共通の論理信号によって、各素子に互いに反対のスイッチング動作を行わせることができるのである。
【0019】
シリーズFET42がオフ状態であるとき、ゲート−ソース間およびゲート−ドレイン間の接合容量が、スイッチの高インピーダンス状態を支配する。ここで、シリーズFET42がオフ状態であるとき、FET46はオン状態であり、これによりポート12からグラウンドに信号をシャントされるため、ポート12とポート14との分離が強化される。一方、シリーズFET42がオン状態であるときは、そのチャネルの低いインピーダンスが支配的であるため、第1信号ポート12から第2信号ポート14に信号が流れる。このとき、シャントFET46はオフであり、グラウンドへのシャント経路の損失がより小さくなる。
【0020】
図4は、本発明に係るスイッチの第2の実施形態を示す。このスイッチは、図3に示したものと同様であるが、シャントFET46のソースとドレインとが、抵抗52によって結合されている点が異なる。このような構成によれば、シャントFET46のオン状態とオフ状態の間の切替えを敏感にすることができる。
【0021】
図5は、本発明に係るスイッチの第3の実施形態を示す。このスイッチは、図1に示した従来のものと同様であるが、シャントFET46のソースとバイアス(制御電圧)Vの入力部とが、抵抗54によって結合されている点が異なる。
【0022】
なお、図3に示したものと同様のシリーズ経路を複数備える、別の実施形態も想定される。このような構成を有するスイッチを、マルチゲート素子や多段シリーズFETを用いて具体化する場合には、必要に応じた変更が適宜行われる。また、複数のシリーズ経路を有する構成は、FETの接合容量に印加されるRF電圧が再分配される点で、正帰還キャパシタを用いる構成と同視することもできる。なお、図3のスイッチは、そのスイッチングすることができる許容電力が、シャントFETによって向上していることにも留意すべきである。
【0023】
図3に示したものと同様の構成は、許容電力向上のために正帰還キャパシタを用いた場合にも適用できる。
図6は、正帰還キャパシタ60(Cff/Csh)がシャント経路に接続された、本発明に係るスイッチの第4の実施形態を示す。この実施形態は、集積回路として具体化する場合にダイや周辺装置を大きくすることなく、相対的に低い制御電圧を用いることができるようにするために、シリーズFET59が追加されたものである。
【0024】
さらに、本発明に係るスイッチは、正帰還キャパシタを用いることと同様に、シリーズFETのゲートに接続されたシャントFETが、接合容量を介してグラウンドへの短絡を構成している利点をも有している。
図7は、図6に示したスイッチの構成を、複数のシリーズFETのオフ状態におけるゲート−ソース間およびゲート−ドレイン間の接合容量をキャパシタによって表示したものである。この図7から、正帰還キャパシタ(Cff/Csh)60が、シャント経路への直流阻止、高分離度のための低インピーダンス経路形成,および許容電力向上のための等価正帰還キャパシタといった多くの役割を同時に果たしていることが分かる。なお、他の実施形態において、これらの役割のいずれかが要求されない場合には、適宜修正されることは当然である。
【0025】
以上説明した本発明の実施形態においては、固体スイッチング素子としてMESFETs(金属−半導体FET)を用いるものとしている。しかし、本発明は、JFETs(接合型FET)、MOSFETs(金属−酸化物−半導体型FET)、HEMTs(高移動度トランジスタ)、PHEMTs(擬似格子整合高電子移動度FET)、および他の種々の電界効果トランジスタ(FETs)を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】従来のスイッチにおけるシリーズ・シャントアームの基本構成を示す図である。
【図2】従来のスイッチにおけるシリーズ・シャントアームのマルチゲート構成の一例を示す図である。
【図3】本発明に係るスイッチの第1の実施形態を示す図である。
【図4】本発明に係るスイッチの第2の実施形態を示す図である。
【図5】本発明に係るスイッチの第3の実施形態を示す図である。
【図6】マルチゲート構成および正帰還キャパシタを有する、本発明に係るスイッチの第4の実施形態を示す図である。
【図7】オフ状態にあるシリーズFETのゲート−ソース間およびゲート−ドレイン間の接合容量をキャパシタとして表現することにより、図6に示すスイッチの構成示す図である。
【符号の説明】
【0027】
10,10’,40 スイッチ
12 第1の(RF)信号ポート
14 第2の(RF)信号ポート
16 シリーズFET
18,20,26,48 キャパシタ
22,28,32,50 抵抗
24,46 シャントFET
30 第2のシリーズFET
51 信号経路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
集積回路に形成された、
少なくとも1つのシリーズFETのチャネルを含む1つの信号経路によって相互に結合される、少なくとも2つの信号ポートと、
シャントFETのチャネルを含み、グラウンドに結合される1つのシャント経路と
を備え、
前記シリーズFETのゲートおよび前記シャントFETのドレイン−ソース間に、1つの制御電圧が印加される
ことを特徴とするスイッチ。
【請求項2】
集積回路スイッチにおいて、第1ポートおよび第2ポートの間の信号経路に設けられたシリーズスイッチ、および、グラウンドに結合するシャント経路に設けられたシャントスイッチの両方を、共通の論理信号を用いて駆動することにより、前記第1ポートを前記第2ポートに選択的に接続する
ことを特徴とするスイッチ制御方法。
【請求項3】
第1ポートを第2ポートに結合するためのスイッチであって、
制御信号入力部と、
前記第1ポートと前記第2ポートの間にシリーズに接続され、前記制御信号入力部に接続されるゲートを有する、少なくとも1つのシリーズFETと、
1つのシャントFETを含む前記シャント経路と
を備え、
前記シャントFETが、前記制御信号入力部および前記少なくとも1つのシリーズFETのゲートに結合される、ドレインおよびソースを有し、
前記少なくとも1つのシリーズFETおよび前記シャントFETの両方に、1つの制御信号が、前記制御信号入力部を介して印加され、
前記少なくとも1つのシリーズFETをオンにすると共に前記シャントFETをオフにし、またはこれと逆に、前記シリーズFETをオフにすると共に前記シャントFETをオンにする
ことを特徴とするスイッチ。
【請求項4】
前記シャントFETが、前記シリーズFETのゲートに直接に結合されたドレインと、グラウンドに容量結合されたソースと、前記シャントFETのゲートが制御信号に対するグラウンドに抵抗結合されたゲートとを有することを特徴とする請求項3記載のスイッチ。
【請求項5】
前記信号経路に、少なくとも1つまたは複数の、第2のシリーズFETをさらに備え、
全ての前記シリーズFETのゲートが前記制御信号入力部に結合されることを特徴とする請求項3記載のスイッチ。
【請求項6】
第1ポートを第2ポートに結合するためのスイッチであって、
制御信号入力部と、
第1ポートと第2ポートの間にシリーズに接続され、前記制御信号入力部に接続されるゲートを有する、1つのシリーズFETと、
前記制御信号入力部および前記シリーズFETのゲートに結合され、前記第1ポートおよび前記第2ポート間の分離度を高め、および、前記スイッチの高調波を阻止する、分離・高調波阻止手段と
を備え、
前記制御信号入力部を介して前記シリーズFETおよび前記分離・高調波阻止手段の両方に入力される1つの制御信号が、前記シリーズFETをオンにすると共に前記分離・高調波阻止手段をオフにし、またはこれと逆に、前記シリーズFETをオフにすると共に前記分離・高調波阻止手段をオンにする
ことを特徴とするスイッチ。
【請求項7】
前記分離・高調波阻止手段は、1つのシャントFETを有する1つのシャント経路を含み、
前記1つのシャントFETは、前記制御信号入力部および前記シリーズFETのゲートの両方に結合されるドレインを有し、
前記制御信号入力部を介して前記シリーズFETおよび前記シャントFETに印加される、1つの制御信号が、前記シリーズFETをオンにすると共に前記シャントFETをオフにし、またはこれと逆に、前記シリーズFETをオフにすると共に前記シャントFETをオンにし、
前記高調波阻止手段が別に正帰還キャパシタを有しないことを特徴とする請求項6記載のスイッチ。
【請求項8】
シリーズFETおよびシャントFETを含むスイッチを介して、第1ポートを第2のポートに結合し、および、前記第1ポートを前記第2ポートから分離する、スイッチ制御方法であって、
前記シリーズFETのゲート−ソース間にそのピンチオフ電圧より低いバイアス電圧を印加してオフ状態にし、かつ、シャントFETのゲート−ソース間にそのピンチオフ電圧より高いバイアス電圧を印加してオン状態にすることにより、1つの制御信号を用いて前記第1ポートを前記第2ポートから分離するステップと、
前記シリーズFETのゲート−ソース間にそのピンチオフ電圧より高いバイアス電圧を印加してオン状態にし、かつ、シャントFETのゲート−ソース間にそのピンチオフ電圧より低いバイアス電圧を印加してオフ状態にすることにより、1つの制御信号を用いて前記第1ポートを前記第2ポートに結合するステップと
を有することを特徴とするスイッチ制御方法。
【請求項9】
第1RFポートを第2RFポートに選択的に接続し、または、前記第1RFポートを前記第2RFポートから分離する、集積回路であって、
前記第1RFポートと前記第のRFポートを接続する1つの信号経路と、
1つの信号経路および1つの制御電極を有し、前記制御電極への、第1の制御電圧の印加によって信号の通過を許し、第2の制御電圧の印加によって前記信号経路を高インピーダンスにする、少なくとも1つのスイッチングトランジスタと、
第1端が前記の少なくとも1つのシリーズスイッチングトランジスタの電極(ゲート)に結合され、第2端が低信号インピーダンスを通してグラウンドに結合される、1つの分岐信号経路を有する、1つのシャントトランジスタと
を備え
前記シリーズトランジスタ信号経路が導通状態であるときに、前記第1の制御電圧を、前記シリーズトランジスタの制御電極(ゲート)と、前記シャントトランジスタのドレインおよび/またはソースとに、同時に印加することによって、前記シャントトランジスタを有する分岐信号経路を実質的に非導通にし、および、
前記シリーズトランジスタ経路が同時に非導電性状態であるときに、前記第2の制御電圧を、前記シャントトランジスタと、前記シリーズトランジスタの制御電極(ゲート)にも印加して、シャントトランジスタの信号経路を導電性にするインピーダンス制御により、前記第1のRFポートと前記第2のRFポートとの分離を強化する
ことを特徴とする集積回路。
【請求項10】
前記少なくとも1つのスイッチングトランジスタがFETであることを特徴とする請求項9記載の集積回路。
【請求項11】
前記少なくとも1つのスイッチングトランジスタが、絶縁ゲート型FETであることを特徴とする請求項9記載の集積回路。
【請求項12】
前記少なくとも1つのスイッチングトランジスタの信号経路が、第1RFポートに結合する第1端から前記第2RFポートに結合する第2端まで延び、前記少なくとも1つのスイッチングトランジスタの制御電極がゲートであり、前記正帰還キャパシタが前記第1端から前記ゲートに結合されることを特徴とする請求項10記載の集積回路。
【請求項13】
前記シャントトランジスタが、FETであることを特徴とする請求項9記載の集積回路。
【請求項14】
前記シャントトランジスタが、絶縁ゲート型FETであることを特徴とする請求項13記載の集積回路。
【請求項15】
前記シャントトランジスタのドレインは、前記少なくとも1つのスイッチングトランジスタの制御電極に結合し、前記第1の制御電圧および第2の制御電圧が前記ドレインに印加されることを特徴とする請求項14記載の集積回路。
【請求項16】
前記シャントトランジスタのソースが、前記シリーズトランジスタのゲートに抵抗を介して結合されることを特徴とする請求項14記載の集積回路。
【請求項17】
前記シャントトランジスタのソースが、前記第1の制御電圧および第2の制御電圧が入力される1つの制御電圧入力部に結合することを特徴とする請求項14記載の集積回路
【請求項18】
前記シャントトランジスタの信号経路は、シャントキャパシタを通して信号グラウンドに結合されることを特徴とする請求項9記載の集積回路。
【請求項19】
動作電圧入力部が、前記信号経路に結合され、前記シリーズトランジスタと前記制御入力部との電位差を与えることを特徴とする請求項9記載の集積回路。
【請求項20】
前記複数のスイッチングトランジスタの電流経路を含む信号経路、前記第1の制御電圧または第2の制御信号が共通に入力される、前記各スイッチングトランジスタの制御電極をさらに備えることを特徴とする請求項9記載の集積回路。
【請求項21】
前記複数のスイッチングトランジスタは、
いずれもゲートに前記第1の制御電圧および第2の制御電圧が入力される、一端が第1RFポートに結合する1つの信号経路を有する第1のシリーズFET、および、一端が第2RFポートに結合する信号経路を有する第2のシリーズFETと、
前記信号経路端および前記第1のシリーズ電界効果トランジスタの間に結合される、前記正帰還キャパシタと を含み、
前記シャントトランジスタは、
第1端が前記第2のシリーズFETのゲートに結合され、第2端がシャントキャパシタを通してグラウンドに結合される、信号経路を有するFETから構成され、
前記第2のシリーズ電界効果トランジスタと共に第2の正帰還キャパシタとして作用する
ことを特徴とする請求項9記載の集積回路。
【請求項22】
前記第1のシリーズFETと、前記第2のまたは複数のシリーズFETとが、同じ制御電圧を用いることを特徴とする請求項21記載の集積回路。
【請求項23】
前記第1FRポートと前記シリーズスイッチングトランジスタの間に、多段のシリーズFETが、シリーズに配置されることを特徴とする請求項9記載の集積回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2006−511179(P2006−511179A)
【公表日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−509960(P2005−509960)
【出願日】平成15年12月16日(2003.12.16)
【国際出願番号】PCT/US2003/039955
【国際公開番号】WO2004/059842
【国際公開日】平成16年7月15日(2004.7.15)
【出願人】(503084750)メイコム インコーポレイテッド (39)
【Fターム(参考)】