説明

スリッパ等の履物の中敷

【課題】 中敷を装着した自他のスリッパを履き間違えないようにするため、一対の中敷に他の中敷と識別できるマークを付すと共に、識別マークを付してある対の中敷を利用者が間違えることなく一足分ずつ確実に入手できるようにする。
【解決手段】 一対の中敷1,1に他の中敷と識別できる識別マーク2を付し、この一対の中敷が介在部材5を介して平面的な並列状態に連結され、この連結が該介在部材と各中敷との境界線に沿って入れられた介在部切り離し切れ目線6に部分的に切り残して残存させた切り離し容易な繋ぎ部7とした。そして一対の中敷を互いに点対称の関係に成る平面的な並列状態に連結した。さらに前記介在部材5にフック穴8を形成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スリッパ等の履物の中敷であり、主に旅館、ホテル、サウナ風呂、大衆浴場など大勢の人が利用する施設で提供されるスリッパ等の履物に装着して使用される簡易な使い捨ての中敷に関する。
【背景技術】
【0002】
旅館、ホテル、サウナ風呂、大衆浴場など大勢の人が利用する施設で提供されるスリッパ、サンダル、草履などの履物は、殆どが長い期間洗う事無く大勢の人が使用している。この為、このような施設では、衛生上、使い捨ての中敷を提供して、個人がそれぞれ、マイスリッパ感覚で履ける様に配慮している。
【0003】
旅館など大勢の人が利用する施設用の簡易な使い捨てのスリッパ等の中敷としては、例えば、特許第3401491号(特許文献1)のインソールが知られている。
【0004】
しかし、これらの使い捨ての中敷をスリッパに装着してマイスリッパ感覚で履ける様にしても、大勢の人が利用する大浴場、宴会場、各部屋などで脱いだ自分のスリッパと他人のスリッパとを履き間違えてしまう弊害があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3401491号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような実情に鑑み、本発明者は、中敷を装着した自分のスリッパと他人のスリッパを履き間違えないようにするため、中敷に他の中敷と互いに識別できるマークを付し、この識別マークを付した中敷を装着した自分のスリッパと他人のスリッパを区別できるようにし、大勢の人が利用する大浴場や宴会場などで脱いだスリッパの履き間違えを解決することを着想した。
【0007】
ところが、このような施設で提供される中敷は、一対の中敷ごと包装袋に入れて提供される場合もあるが、袋代でコスト高となり、破棄される袋がゴミとなる、と言う不合理の為、一般的には、利用者等が、箱などの容器内に上下に重ねて入れられた多数枚の中敷を上から順に二枚ずつ(二枚で一足分の中敷となる。)取って使用しているのが主流である。この為、揃えた識別マークを付した中敷を二枚ずつ重ね置きしておいても、例えば一人が三枚の中敷を取ってしまうような、何らかの手違いで一枚ずれると、揃えた識別マークを付した中敷がずれてしまい、混乱が生じる。
【0008】
そこで、本発明は、中敷を装着した自分のスリッパと他人のスリッパを履き間違えないようにするため、一足分の対の中敷に他の中敷と識別できるマークを付すと共に、揃えた識別マークを付してある対の中敷を、利用者が間違えることなく一足分ずつ簡単且つ確実に入手できるようにすることを、主な課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した課題を解決するため、本発明(請求項1の発明)は、紙材、又は不織布材、又は布材、又は合成樹脂材、又はこれらの素材を適宜採択して相互に重ねた複合材から成る一対の略平板形状の中敷の表面に他の同類の一対の中敷と互いに識別できる揃いの識別マークを付し、この一対の中敷が該中敷と同材の略平板形状の介在部材を介して平面的な並列状態に連結され、この介在部材と各中敷との連結が該介在部材と各中敷との境界線に沿って入れられた介在部切り離し切れ目線に部分的に切り残して残存させた切り離し容易な繋ぎ部としたスリッパ等の履物の中敷を提供する。
【0010】
また、上記した課題を解決するため、本発明(請求項2の発明)は、紙材、又は不織布材、又は布材、又は合成樹脂材、又はこれらの素材を適宜採択して相互に重ねた複合材から成る一対の略平板形状の中敷の表面に他の同類の一対の中敷と互いに識別できる揃いの識別マークを付し、この一対の中敷が互いの前部(つま先側)と後部(かかと側)を逆方向に向けた平面的な並列状態に配され、この平面的な並列状態において一対の中敷の互いの内側の輪郭線の中敷前後方向における中間範囲が同一の中敷境界切れ目線によって形成され、この中敷境界切れ目線の線上の中心にある中心点を中心にして互いの中敷が点対称の関係に成る平面的な並列状態に配され、この一対の中敷が前記中敷境界切れ目線の範囲を除いた該中敷の前後方向の一端側又は両端側の内側の対向間に介在された該中敷と同材の略平板形状の介在部材を介して平面的な並列状態に連結され、この介在部材と各中敷との連結が該介在部材と各中敷との境界線に沿って入れられた介在部切り離し切れ目線に部分的に切り残して残存させた切り離し容易な繋ぎ部としたスリッパ等の履物の中敷を提供する。
【0011】
本発明(請求項1,2の発明)によれば、介在部材を介して連結された一対の中敷から介在部材を切り離すことにより、利用者は、自他の中敷を識別できる揃いの識別マークが付された一対の中敷を間違えることなく簡単且つ確実に入手できる。そして、自他の中敷を識別できる揃いの識別マークが付された一対の中敷を自分のスリッパ(スリッパに限定するものではない。代表例としてスリッパを挙げた。以下、同様である。)に装着して用いることによって、大勢の人が利用する大浴場や宴会場などで脱いだ自分のスリッパと他人のスリッパを中敷に付してある識別マークで識別でき、自他のスリッパの履き間違えを防止できる。
【0012】
さらに、本発明(請求項2の発明)によれば、一対の中敷が互いの前部(つま先側)と後部(かかと側)を逆方向に向けた平面的な並列状態に配され、この平面的な並列状態において一対の中敷の互いの内側の輪郭線の中敷前後方向における中間範囲が同一の中敷境界切れ目線によって形成され、この中敷境界切れ目線の線上の中心にある中心点を中心にして互いの中敷が点対称の関係に成る平面的な並列状態に配され、一対の中敷の中間範囲の間に捨てカス(切り離し後に捨てられる介在部材を含む。)が発生しない構成であるため、紙材などの素材を節約できる。
【0013】
識別マークとしては、文字、図形、図柄、記号、これらの組合せ、あるいは色彩との組合せ、など特に限定は無く、自他の中敷を見分けることができるものであれば良い。
【0014】
また、本発明(請求項3の発明)は、前記介在部材にフック穴を形成したスリッパ等の履物の中敷を提供する。
【0015】
本発明(請求項3の発明)によれば、介在部材に一対の中敷に共通のフック穴を形成してあるため、多数枚の連結した対の中敷を一本の吊り下げフックに重ねて吊り下げておくことができる。よって、連結した対の中敷を上下に重ねて多数入れておく容器が不要である。しかも、フック穴は、使用時には破棄する介在部材に形成し、中敷自体には形成しないため、中敷自体の劣化を防ぐことができ、中敷の美観を損なうこともない。
【0016】
また、上記した課題を解決するため、本発明(請求項4の発明)は、紙材、又は不織布材、又は布材、又は合成樹脂材、又はこれらの素材を適宜採択して相互に重ねた複合材から成る一対の略平板形状の中敷の表面に他の同類の一対の中敷と互いに識別できる揃いの識別マークを付し、この一対の中敷の互いの内側の輪郭線が部分的に同一の中敷境界切れ目線によって形成され、この一対の中敷を前記中敷境界切れ目線に部分的に切り残して残存させた切り離し容易な繋ぎ部を介して平面的な並列状態に連結したスリッパ等の履物の中敷を提供する。
【0017】
また、上記した課題を解決するため、本発明(請求項5の発明)は、紙材、又は不織布材、又は布材、又は合成樹脂材、又はこれらの素材を適宜採択して相互に重ねた複合材から成る一対の略平板形状の中敷の表面に他の同類の一対の中敷と互いに識別できる揃いの識別マークを付し、この一対の中敷が互いの前部(つま先側)と後部(かかと側)を逆方向に向けた平面的な並列状態に配され、この平面的な並列状態において一対の中敷の互いの内側の輪郭線の中敷前後方向における中間範囲が同一の中敷境界切れ目線によって形成され、この中敷境界切れ目線の線上の中心にある中心点を中心にして互いの中敷が点対称の関係に成る平面的な並列状態に配され、この一対の中敷が前記中敷境界切れ目線の範囲において平面的な並列状態に連結され、この連結が前記中敷境界切れ目線に部分的に切り残して残存させた切り離し容易な繋ぎ部としたスリッパ等の履物の中敷を提供する。
【0018】
本発明(請求項4,5の発明)によれば、前記中敷境界切れ目線に部分的に切り残して残存させた切り離し容易な繋ぎ部を介して連結された一対の中敷を切り離すことにより、利用者は、自他の中敷を識別できる揃いの識別マークが付された一対の中敷を間違えることなく簡単且つ確実に入手できる。そして、自他の中敷を識別できる揃いの識別マークが付された一対の中敷を自分のスリッパに装着して用いることによって、大勢の人が利用する大浴場や宴会場などで脱いだ自分のスリッパと他人のスリッパを中敷に付してある識別マークで識別でき、自他のスリッパの履き間違えを防止できる。
【0019】
さらに、本発明(請求項5の発明)によれば、一対の中敷が互いの前部(つま先側)と後部(かかと側)を逆方向に向けた平面的な並列状態に配され、この平面的な並列状態において一対の中敷の互いの内側の輪郭線の中敷前後方向における中間範囲が同一の中敷境界切れ目線によって形成され、この中敷境界切れ目線の線上の中心にある中心点を中心にして互いの中敷が点対称の関係に成る平面的な並列状態に配され、一対の中敷の中間範囲の間に捨てカスが発生しない構成であるため、紙材などの素材を節約できる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、連結された一対の中敷を切り離すことにより、利用者は、自他の中敷を識別できる揃いの識別マークが付された一対の中敷を間違えることなく簡単且つ確実に入手できる。そして、自他の中敷を識別できる揃いの識別マークが付された一対の中敷を自分のスリッパに装着して用いることによって、大勢の人が利用する大浴場や宴会場などで脱いだ自分のスリッパと他人のスリッパを中敷に付してある識別マークで識別でき、自他のスリッパの履き間違えを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施形態を示す表面図である。
【図2】図1の実施形態の裏面図である。
【図3】本発明の他の実施形態を示す表面図である。
【図4】本発明の他の実施形態を示す表面図である。
【図5】図4の実施形態の裏面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0023】
図1(中敷の表面を示す。),図2(図1の中敷の裏面を示す。)の実施形態は、一対の略平板形状の中敷1,1の表面に他の同類の一対の中敷と互いに識別できる揃いの(同じ)識別マーク2を付し、この一対の中敷1,1が互いの前部(つま先側)1aと後部(かかと側)1bを逆方向に向けた平面的な並列状態に配され、この平面的な並列状態において一対の中敷の互いの内側の輪郭線の中敷前後方向における中間範囲が同一の中敷境界切れ目線3によって形成され、この中敷境界切れ目線3の線上の中心にある中心点Pを中心にして互いの中敷1,1が点対称の関係に成る平面的な並列状態に配され、この一対の中敷が前記中敷境界切れ目線3の範囲を除いた該中敷の前後方向の両端側の内側の対向間に介在された該中敷と同材の略平板形状の介在部材5を介して平面的な並列状態に連結され、この介在部材5と各中敷1,1との連結が該介在部材と各中敷との境界線に沿って入れられた介在部切り離し切れ目線6に部分的に切り残して残存させた切り離し容易な繋ぎ部(切り残し繋ぎ部)7とした中敷である。そして、二つの前記介在部材5には、それぞれフック穴8を形成してある。このフック穴8は、図示したU字状の切れ目のほか、完抜きした貫通穴でも良い。
【0024】
例えば、旅館などの施設では、フック穴8に吊下げフックを通して多数枚の連結した対の中敷を用意しておく。利用者は、この中から手前の一枚(連結した一対の中敷)を取り、介在部材5を介して連結された一対の中敷1,1から介在部材5を切り離せば、自他の中敷を識別できる揃いの識別マーク2が付された一対の中敷を間違えることなく簡単且つ確実に入手できる。なお、後述するが、図1では、前記中敷境界切れ目線3にも繋ぎ部7を残し、一対の中敷1,1の連結を安定させている。この場合には、介在部材5を切り離すと共に中敷境界切れ目線3の繋ぎ部7も切り離して、一対の中敷1,1を切り離すことになる。
【0025】
本発明の中敷は、スリッパのほか、旅館などで利用されるサンダルや草履にも使用できる。また、一般的な靴の中敷として使用することも可能である。図面(他の図面も同様)ではスリッパ用の中敷を例示し、中敷1の輪郭形状をスリッパの敷設面に合う形状としてある。図示してないが、旅館などで利用される草履用の中敷とする場合は、中敷1の前端部に草履の鼻緒部を入れる略U字状の凹みを形成し、中敷の輪郭形状を草履の敷設面に合う形状にすれば良い。
【0026】
略平板形状の中敷1,1の素材(介在部材5の素材も中敷と同材としてある。)としては、紙材(例えば厚手の紙、又はボール紙)、不織布材、あるいは紙材と不織布材を相互に重ねた複合材が好ましく用いられる。中敷1,1の表面には識別マーク2を付す(印刷する)ため、印刷しやすい表面素材とすることが好ましい。また、中敷1,1の表面には、凹凸エンボス加工を施しても良く、このエンボス加工で中敷の表面に装飾性や滑り止め機能を付与しても良い。なお、中敷1,1の素材としては、前記したものの他、布材やポリエチレン等の合成樹脂材でも良く、紙材、不織布材、布材、合成樹脂材を適宜採択して相互に重ねた複合材でも良い。
【0027】
識別マーク2として、図面では一対の中敷の表面に揃いのアルファベットの「A」を示し、「A」〜「Z」の26種類のローマ字で26通りの識別できる中敷を構成し、この26種類のローマ字を赤色、青色、黄色、黒色などの四つの色で色分けして、26の4倍の104通りの自他の中敷を互いに識別できる中敷のグループを構成した。例えば、一日の利用者の数が100人弱の旅館施設であれば、100通り強の識別できる中敷のグループを用意すれば足りる。識別マーク2は、自他の中敷を見分けることができるものであれば良く、A,B,C・・・、あ,い,う・・・、「愛」、「星」のような文字、あるいは図形、図柄、記号、これらの組合せ、あるいは色彩との組合せ、など特に限定は無い。
【0028】
識別マーク2は、中敷1,1の表面の全体に付しても良く(例えば、中敷の表面の全体に自他の中敷を識別できる図柄や模様を付す。)、中敷1,1の表面の一部分に付しても良い。識別マーク2を中敷の表面の一部分に付す場合は、図示したように、スリッパ(図示せず)に中敷を装着した状態で識別マーク2を一目で確認できる中敷表面の後部側(かかと側)に付すことが必要である。
【0029】
図1の中敷の裏面には、図2に示したような粘着部9(好ましくは剥離紙付き粘着部9)を形成し、中敷1の裏面が粘着部9を介してスリッパの敷設面に接着するようにしてある。この粘着部9の粘着力は中敷の使用後にスリッパから容易に剥離できる程度のものである。この粘着部9は、連結された一対の中敷1,1のかかと部と指付け根部に対応させるべく、横方向に延ばした二本の帯状としてある。
【0030】
図3(中敷の表面を示す。)の実施形態は、前記介在部材5を中敷の前後方向(図面では上下方向)の一端側(図面では上部側)だけに設けて構成してある。この介在部材5にも図1の実施形態と同様なフック穴8を形成してある。その他の構成は、図1の実施形態と実質的に同じである。よって詳細な説明は省略する。
【0031】
図1及び図3の実施形態では、前記中敷境界切れ目線3に部分的に切り残して残存させた切り離し容易な繋ぎ部(切り残し繋ぎ部)7を残し、一対の中敷1,1の連結を安定させている。しかし、図1及び図3の実施形態では、前記中敷境界切れ目線3の繋ぎ部(切り残し繋ぎ部)7は必須の要件ではない。
【0032】
図示してないが、図1及び図3の実施形態において、これらの実施形態に示した介在部材5を除いた実施形態とすることも可能である。すなわち、一対の略平板形状の中敷1,1の表面に他の同類の一対の中敷と互いに識別できる揃いの識別マーク2を付し、この一対の中敷1,1が互いの前部(つま先側)1aと後部(かかと側)1bを逆方向に向けた平面的な並列状態に配され、この平面的な並列状態において一対の中敷の互いの内側の輪郭線の中敷前後方向における中間範囲が同一の中敷境界切れ目線3によって形成され、この中敷境界切れ目線3の線上の中心にある中心点Pを中心にして互いの中敷1,1が点対称の関係に成る平面的な並列状態に配され、この一対の中敷が前記中敷境界切れ目線3の範囲において平面的な並列状態に連結され、この連結が前記中敷境界切れ目線3に部分的に切り残して残存させた切り離し容易な繋ぎ部7とした中敷とすることも可能である。
【0033】
図示してないこの実施形態では、一対の中敷1,1の連結手段が、前記中敷境界切れ目線3に部分的に切り残して残存させた切り離し容易な繋ぎ部(切り残し繋ぎ部)7となり、必須な要件となる。したがって、図1及び図3の実施形態から介在部材5を除いた実施形態では、図1及び図3に示した実施形態より、前記中敷境界切れ目線3に部分的に切り残して残存させた繋ぎ部(切り残し繋ぎ部)7の数を増やして複数とする必要である。
【0034】
図4(中敷の表面を示す。),図5(図4の中敷の裏面を示す。)の実施形態は、一対の略平板形状の中敷1,1の表面に他の同類の一対の中敷と互いに識別できる揃いの識別マーク2を付し、この一対の中敷1,1が該中敷と同材の略平板形状の介在部材5を介して平面的な並列状態に連結され、この介在部材5と各中敷1,1との連結が該介在部材5と各中敷との境界線に沿って入れられた介在部切り離し切れ目線6に部分的に切り残して残存させた切り離し容易な繋ぎ部(切り残し繋ぎ部)7とした中敷である。
【0035】
この実施形態の一対の中敷1,1は、互いの前部(つま先側)1aと後部(かかと側)1bを同方向に向けた左右対称の平面的な並列状態に配してある。図示の実施例では、左右対称の一対の中敷が内側の輪郭線の一部分において同一の中敷境界切れ目線3によって形成された隣接状態にあり、この隣接部を除いた該中敷の内側の対向間に上下に分離した二つの介在部材5を介在させ、この介在部材5を介して平面的な並列状態に連結してある。そして、二つの前記介在部材5には、それぞれフック穴8を形成してある。その他、図1の実施形態と同符号の構成は、図1の実施形態と実質的に同じである。よって詳細な説明は省略する。
【0036】
なお、一対の中敷1,1の内側の輪郭線を一部分において隣接させた図4の構成に変え、左右方向に離した一対の中敷1,1を上下に延びる一つの介在部材5を介して平面的な並列状態に連結しても良い。
【0037】
図示してないが、図4の実施形態に示した介在部材5を除いた構成とし、一対の中敷の中敷境界切れ目線3に部分的に切り残して残存させた切り離し容易な繋ぎ部7を形成し、この繋ぎ部7を連結手段とすることも可能である。すなわち、一対の略平板形状の中敷1,1の表面に他の同類の一対の中敷と互いに識別できる揃いの識別マーク2を付し、この一対の中敷の互いの内側の輪郭線が部分的に同一の中敷境界切れ目線3によって形成され、この一対の中敷を前記中敷境界切れ目線3に部分的に切り残して残存させた切り離し容易な繋ぎ部(切り残し繋ぎ部)7を介して平面的な並列状態に連結した中敷とすることも可能である。
【0038】
図示してないこの実施形態では、一対の中敷1,1の連結手段が、前記中敷境界切れ目線3に部分的に切り残して残存させた切り離し容易な繋ぎ部(切り残し繋ぎ部)7となり、必須な要件となる。したがって、介在部材5を除いた構成とする場合は、図4に示した実施形態より、中敷境界切れ目線3を上下に長くし、この中敷境界切れ目線3に部分的に切り残して残存させる繋ぎ部(切り残し繋ぎ部)7を複数箇所に形成する必要である。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明の中敷は、袋詰め不要であるため、中敷自体より高額となる包装費用を省け、大幅なコストダウンを図れる。
【符号の説明】
【0040】
1,1 一対の中敷
2 識別マーク
3 中敷境界切れ目線
P 中心点
5 介在部材
6 介在部切り離し切れ目線
7 繋ぎ部(切り残し繋ぎ部)
8 フック穴
9 粘着部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の略平板形状の中敷の表面に他の同類の一対の中敷と互いに識別できる揃いの識別マークを付し、この一対の中敷が該中敷と同材の略平板形状の介在部材を介して平面的な並列状態に連結され、この介在部材と各中敷との連結が該介在部材と各中敷との境界線に沿って入れられた介在部切り離し切れ目線に部分的に切り残して残存させた切り離し容易な繋ぎ部としたスリッパ等の履物の中敷。
【請求項2】
一対の略平板形状の中敷の表面に他の同類の一対の中敷と互いに識別できる揃いの識別マークを付し、この一対の中敷が互いの前部と後部を逆方向に向けた平面的な並列状態に配され、この平面的な並列状態において一対の中敷の互いの内側の輪郭線の中敷前後方向における中間範囲が同一の中敷境界切れ目線によって形成され、この中敷境界切れ目線の線上の中心にある中心点を中心にして互いの中敷が点対称の関係に成る平面的な並列状態に配され、この一対の中敷が前記中敷境界切れ目線の範囲を除いた該中敷の前後方向の一端側又は両端側の内側の対向間に介在された該中敷と同材の略平板形状の介在部材を介して平面的な並列状態に連結され、この介在部材と各中敷との連結が該介在部材と各中敷との境界線に沿って入れられた介在部切り離し切れ目線に部分的に切り残して残存させた切り離し容易な繋ぎ部としたスリッパ等の履物の中敷。
【請求項3】
前記介在部材にフック穴を形成した請求項1又は2に記載のスリッパ等の履物の中敷。
【請求項4】
一対の略平板形状の中敷の表面に他の同類の一対の中敷と互いに識別できる揃いの識別マークを付し、この一対の中敷の互いの内側の輪郭線が部分的に同一の中敷境界切れ目線によって形成され、この一対の中敷を前記中敷境界切れ目線に部分的に切り残して残存させた切り離し容易な繋ぎ部を介して平面的な並列状態に連結したスリッパ等の履物の中敷。
【請求項5】
一対の略平板形状の中敷の表面に他の同類の一対の中敷と互いに識別できる揃いの識別マークを付し、この一対の中敷が互いの前部と後部を逆方向に向けた平面的な並列状態に配され、この平面的な並列状態において一対の中敷の互いの内側の輪郭線の中敷前後方向における中間範囲が同一の中敷境界切れ目線によって形成され、この中敷境界切れ目線の線上の中心にある中心点を中心にして互いの中敷が点対称の関係に成る平面的な並列状態に配され、この一対の中敷が前記中敷境界切れ目線の範囲において平面的な並列状態に連結され、この連結が前記中敷境界切れ目線に部分的に切り残して残存させた切り離し容易な繋ぎ部としたスリッパ等の履物の中敷。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−90864(P2012−90864A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−241999(P2010−241999)
【出願日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(000147110)株式会社杉山 (14)
【Fターム(参考)】