説明

タイヤ空気圧監視システム

【課題】空気圧検知手段が発信する無線信号を感度よく受信できると共に構成を簡素化して製造コストを削減することができるタイヤ空気圧監視システムを提供する。
【解決手段】タイヤハウスに配置される車輪速検知手段の信号線に沿わせた同軸ケーブルの先端部に形成され、タイヤに装着される空気圧検知手段が発信する無線信号を受信するアンテナ素子を有することを特徴とするタイヤ空気圧監視システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤ空気圧監視システムに関し、特に製造コストを削減することができると共に安定したタイヤ空気圧の監視を行うことができるものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両のタイヤに空気圧を検出する圧力センサを用いた空気圧検知手段を設け、該空気圧検出手段の検出信号を無線で送信し、この無線の信号を車体側に固定した受信装置のアンテナ素子で受信することにより、タイヤ空気圧の情報を取得するタイヤ空気圧監視システム(TPMS:Tire Pressure Monitoring System)が提供されている。このTPMSを採用する車両は、微弱な無線信号を受信するためにタイヤの本数分の受信アンテナをタイヤ近傍に設ける必要がある。
【0003】
特許第3370899号公報(特許文献1)などには、図9(A),図9(B)に示すように、タイヤ90内に空気圧センサ91、送信機92を備えた空気圧検出手段(ホイールユニット)93が取り付けられ、車体側の車室内に受信ユニット94が搭載され、該受信ユニット94に接続されたアンテナ95を介してタイヤ90側の送信機92からの無線信号を受信する構成が記載されている。
【0004】
前記アンテナ95は、タイヤ90の車軸端部近傍またはブレーキディスク近傍に取り付けられる車輪速センサ96と車輪速ECU97とを接続するハーネス98を用いて形成している。
【0005】
【特許文献1】特許第3370899号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、受信ユニット94とアンテナ素子95を構成するハーネス98が物理的に離れた位置にあるので、前記ハーネス98による無線信号の減衰が受信感度に悪影響を与えるという問題がある。また、前記アンテナ素子95として、車輪速センサ96のように比較的低周波の信号を送受信するハーネス98をそのまま用いた場合には、受信できる電磁波の周波数帯域を定めることができないという問題がある。そして、前記無線信号の減衰が大きくなることや、外部からの電磁波ノイズの混入によって微弱な無線信号のS/N比が低下するという問題が発生する。
【0007】
また、車輪測センサ96に接続されるハーネス98は車軸端部近傍やブレーキディスク近傍などの配索しずらい位置に配索されるので、このハーネス98には十分な屈曲性が求められ、このハーネス98に必要とする周波数帯域において減衰の少ない信号伝送線を束ねることも困難であるという問題がある。
【0008】
本発明は前記問題を考慮に入れてなされたものであり、空気圧検知手段が発信する無線信号を感度よく受信できると共に構成を簡素化して製造コストを削減することができるタイヤ空気圧監視システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するため、本発明は、
タイヤハウスに配置される車輪速検知手段の信号線に沿わせた同軸ケーブルの先端部に形成され、タイヤに装着される空気圧検知手段が発信する無線信号を受信するアンテナ素子を有することを特徴とするタイヤ空気圧監視システムを提供している。
【0010】
前記アンテナ素子によって受信する無線信号は同軸ケーブルによって受信ユニットまで伝送する。前記同軸ケーブルは、外部からの電磁波ノイズによる影響をシールド導体によって理論上完全に遮断することができるものである。また、同軸ケーブルは、その線路インピーダンスを適宜設定できる。したがって、アンテナ素子によって受信する微弱な無線信号を物理的に離れた車両側の室内に配置された受信ユニットまで、ほとんど減衰することなく伝送することができる。
【0011】
なお、同軸ケーブルはその構成上、シールド導体を有さないケーブルに比べて屈曲性に乏しいが、本発明における前記同軸ケーブルは、車輪速検知手段の信号線と一緒に束ねられるものではなく、この信号線に沿わせる(つまり、近い距離を保って離れずに配索する)ものであるから、車輪速検知手段の信号線の配索が困難なところでは車輪速検知手段の信号線から離れない程度に近くを沿わせるように配索することができる。一方、アンテナ素子は車輪速検知手段の信号線に抱き合わせるように固定することが好ましく、アンテナ素子の抱き合わせには熱収縮チューブを用いることができる。
【0012】
本発明のタイヤ空気圧監視システムによれば、アンテナ素子と同軸ケーブルの特性を適宜設定することにより、受信したい無線信号の周波数帯域に合わせてアンテナ素子によって受信した無線信号を、ほとんど減衰させることなく伝送することができ、また外部からのノイズの混入を遮断できるので前記無線信号の受信レベルが上がり、タイヤ空気圧の監視を確実に行うことができる。また、アンテナ素子は車輪速検知手段の信号線に沿わせた同軸ケーブルの先端部に形成されるものであるから、アンテナ素子の配置のために特別な固定具を不要としてその製造コストを削減することができる。
【0013】
前記アンテナ素子は前記同軸ケーブルのシールド導体を前記無線信号の波長帯域の1/4の整数倍に相当する長さだけ取り除いた部分であることが好ましい。シールド導体を取り除いた部分の中心導体は周囲の電磁波に曝されるので、これをアンテナ素子とすることができる。前記無線信号の波長帯域を、波長λを中心とする波長帯域(λ±α)であるとするとき、前記シールド導体を取り除く長さは少なくとも(λ±α)/4の整数倍である。すなわち、同軸ケーブルの構造を利用してその中心導体をアンテナ素子として用いることにより、アンテナ素子の形成にかかる製造コストを可及的に削減することができる。なお、同軸ケーブルのシールド導体を取り除いた前記アンテナ素子を熱収縮チューブなどを用いて被覆することが好ましい。また、前記αの値は任意であるが、他の波長帯域を用いた無線信号による影響を受けることなく中心波長λの無線信号を効率よく受信できる程度の大きさに設定することが好ましいことはいうまでもない。
【0014】
前記アンテナ素子は前記同軸ケーブルの中心導体の先端部に接続された金属部材であることが好ましい。アンテナ素子の形状は受信するべき無線信号の周波数帯域および指向性などの特性を設定するものである。アンテナ素子は同軸ケーブルの中心導体と半田付けまたは圧着によって接続される。
すなわち、前記構成によれば、アンテナ素子の特性を容易にそろえることができる。また、アンテナ素子を構成する金属として同軸ケーブルの中心導体を構成する金属より高い強度を有するものを用いることにより、アンテナ素子を外力によって変形しにくくすることができる。さらに、アンテナ素子を車輪速検知手段またはその信号線に接続した後に、このアンテナ素子に同軸ケーブルを接続することにより、車輪速検知手段の信号線および同軸ケーブルの長さを任意に設定できる。
【0015】
前記アンテナ素子の形状はコイル状であることが好ましい。すなわち、アンテナ素子の全長を無線信号の周波数帯域に合わせて十分に大きく形成することができない場合にも、アンテナ素子の形状はコイル状であるから、所望の周波数帯域の受信感度を高く設定することができる。特にアンテナ素子をコイル状に形成する場合は、その形状が重要であるからアンテナ素子を同軸ケーブルの中心導体よりも堅い別の金属部材によって形成することが好ましく、これによって受信周波数帯域をより確実に受信することができる。
【0016】
前記アンテナ素子を車輪速検知手段と共に被覆するカバー体を有することが好ましい。すなわち、前記構成によればアンテナ素子がカバー対によって保護される共に、車輪速検知手段とアンテナ素子を一体的に形成することができるので見栄えが良い。
【0017】
なお、前記同軸ケーブルを前記信号線に間欠的に結束する結束手段を有することも考えられる。この構成により、結束手段は同軸ケーブルは車輪速検知手段の信号線に間欠的に結束されるので、車輪速検知手段の信号線の配索は車輪速検知手段の信号線を介して間接的に行うことができ、同軸ケーブルの屈曲性が問題となることを防止できる。また、前記結束手段は車輪速検知手段の信号線をシャーシに取り付けるブラケットに設けることが考えられる。
【0018】
さらに、前記同軸ケーブルと前記信号線をまとめて覆うと共に側面を長手方向に切り開いてなる可撓性の管を有することも考えられる。また、前記可撓性の管はコルゲートチューブであってもよい。この構成により、同軸ケーブルが可撓性の管によって保護される。
【0019】
前記同軸ケーブルを介してアンテナ素子に接続され、前記空気圧検知手段からの無線信号に加えて同じ周波数帯域を用いる別の無線信号も共に受信する受信部を有することが好ましい。同じ周波数帯域の無線信号を用いる制御システムは例えばキーレスエントリーシステム等がある。
前記構成によれば、アンテナ素子と同軸ケーブルの特性を適宜設定することにより、受信したい無線信号の周波数帯域に合わせてアンテナ素子によって受信した無線信号を、ほとんど減衰させることなく伝送することができるので、無線信号の受信レベルが上がり、タイヤ空気圧の監視を確実に行うことができる。また、アンテナ素子の配置のために特別な固定具を不要としてその製造コストを削減することができる。
【発明の効果】
【0020】
前述したように、本発明によれば、アンテナ素子と同軸ケーブルの特性を適宜設定することにより、受信したい無線信号の周波数帯域に合わせてアンテナ素子によって受信した無線信号を同軸ケーブルによってほとんど減衰させることなく伝送することができ、また外部からのノイズの混入を遮断できるので、前記無線信号の受信レベルが上がり、タイヤ空気圧の監視を確実に行うことができる。また、アンテナ素子は車輪速検知手段の信号線に沿わせた同軸ケーブルの先端部に形成されるものであるから、アンテナ素子の配置のために特別な固定具を不要としてその製造コストを削減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図3は、本発明の第一実施形態を示す。
図1において、1は車両、2は前記車両1の前後左右に形成されたタイヤハウス1a〜1d内に配置されるタイヤ、3はタイヤ2の空気圧などの物理量を監視するタイヤ空気圧監視システム、4はABSシステムなどに用いるタイヤ2の回転速度を検出して車輪速検知システムである。
【0022】
前記タイヤ空気圧監視システム3は前記タイヤ2のそれぞれに装着する空気圧センサモジュール(TPMSセンサ)10と、該空気圧センサモジュール10から発信される無線信号を受信するタイヤ情報の受信モジュール(受信部)11と、該受信モジュール11から各タイヤ2のタイヤハウス1a〜1dまで車内を配索する4本の同軸ケーブル12と、各同軸ケーブル12の先端部にそれぞれ形成されてタイヤハウス1a〜1d内に配置されるアンテナ素子13と、前記受信モジュール11に接続されるタイヤ空気圧監視ECU14と、該タイヤ空気圧監視ECU14に接続される表示部15とを有する。
【0023】
前記空気圧センサモジュール10は例えばタイヤホイールのバルブ部分に取り付けられて、少なくともタイヤ2内の空気圧を検出する圧力センサ部10aと、この圧力センサ10aに接続される送信部10bと、送信アンテナ10cとを備える。当該空気圧センサモジュール10は例えばタイヤ2内の温度などの物理量を同時に測定するものであってもよい。
【0024】
一方、前記車輪速検知システム4は各タイヤ2の軸受けの外面にそれぞれ配置された車輪速センサモジュール(車輪速検知手段)20と、該車輪速センサモジュール20にそれぞれ接続された信号線21と、該信号線21に接続された車輪速ECU22とを有する。
【0025】
前記同軸ケーブル12は車輪速センサモジュール20の信号線21に沿わせて配置されるものであり、30は同軸ケーブル12を前記信号線21に間欠的に結束する結束手段であり、該結束手段30は例えば合成樹脂によって同軸ケーブル12と信号線21を挟み込むようにして保持するクリップである。また、前記車輪速センサモジュール20は信号線21と同軸ケーブル12の端部を結束した状態で保持するものであるから、前記結束手段としても機能するものである。
【0026】
図2に示すように、前記信号線21は車両1の適所にブラケット31によって保持されており、前記車輪速センサモジュール20は例えばタイヤ2と一緒に回転するギアパルサー32の突起部分に近接する位置に固定できるように、図3に示すブラケット33によって固定されている。前記ブラケット31,33は同軸ケーブル12に比べて屈曲しやすい信号線21をタイヤハウス1a〜1d内の適所に固定することにより、信号線21の位置を固定するものである。そして、このようにして固定された信号線21に対して結束手段30によって間欠的に結束される同軸ケーブル12は、信号線21と各ブラケット31,33によって間接的にシャーシに固定されている。これによって、屈曲性に乏しい同軸ケーブル12を信号線21に沿わせると共に、同軸ケーブル12を無理に曲げることがないようにしている。また、同軸ケーブル12の屈曲性が問題となって信号線21の配策が難しくなることがない。
【0027】
さらに、図3に示すように、前記アンテナ素子13は車輪速センサモジュール20を被覆する非誘電体の一例としての合成樹脂からなるカバー体内に収容されている。また、アンテナ素子13の形状はコイル状であり、ステンレスなどの十分な硬度を有する金属部材からなる。アンテナ素子13は一点鎖線で囲った拡大断面図に示すように、その基端部に設けた接続部13aが同軸ケーブル12の中心導体12aと半田付け接続されることにより電気的に接続される。
【0028】
なお、前記アンテナ素子13の形状は空気圧センサモジュール10が発信する無線信号の周波数帯域を最もよく受信できると共に、その指向性がタイヤ2内の空気圧センサモジュール10の位置に合わせて形成された独特の形状を有するものであり、同軸ケーブル12はこの周波数帯域の無線信号を減衰することなく受信モジュールまで伝送するのに最適な線路インピーダンスを有するように形成している。
【0029】
前記アンテナ素子13を中心導体12aと異なる金属によって形成し、アンテナ素子13の接続部13aを中心導体12aに接続するように構成することにより、アンテナ素子13を比較的硬い金属によって形成することができるので、受信感度に影響するその形を保つことができる。また、同軸ケーブル12の長さを自在に調節できるという利点もある。しかしながら、前記同軸ケーブル12のシールド導体12bを取り除いた中心導体12aをコイル状に巻くことにより、前記アンテナ素子13を形成して、その製造コストを削減してもよい。
【0030】
上記構成のタイヤ空気圧監視システム3によれば、各タイヤ2内の空気圧センサモジュール10に設けた圧力センサ10aがタイヤ2内の空気圧を測定し、送信部10bが生成した微弱の電磁波からなる無線信号を送信アンテナ10cから放射する。この無線信号は同じタイヤハウス1a〜1d内に配置されたアンテナ素子13によって受信でき、アンテナ素子13によって受信できた無線信号は同軸ケーブル12を介して受信モジュール11まで伝送される。このとき、同軸ケーブル12において減衰がほとんど生じないので、受信モジュール11では無線信号を感度よく受信することができる。
【0031】
次いで、前記タイヤ空気圧監視ECU14は受信した各空気圧センサモジュール10から受信した無線信号を解読することにより、各タイヤ2の空気圧を監視し、この空気圧が所定の閾値以下になった場合に、前記表示部15に警告を表示させる。また、前記空気圧センサモジュール10から温度などの他の物理量も測定し、前記空気圧の測定値を補正することにより、各タイヤ2の空気圧の監視を行って危険予知を行うことができる。
【0032】
図4は前記タイヤ空気圧監視システム3の第2実施形態を示す図である。
図4に示す例の場合、アンテナ素子13を車輪速センサモジュール20のカバー体内に収容するのではなく、信号線12の周囲に巻くように配置してもよい。また、40は前記信号線12の周囲に配置するアンテナ素子13を包み込むように設けた熱伸縮チューブである。
【0033】
図4のように構成することにより、アンテナ素子13の接続部13aと中心導体12aの接続を容易に行うことができる。その他の構成は図1乃至図3と同様であるからその詳細な構成の説明を省略する。
【0034】
図5は前記タイヤ空気圧監視システム3の第3実施形態を示す図である。
図5に示す例の場合、アンテナ素子13を車輪速センサモジュール20の固定用のブラケット33に固定する留め具50,51を設けている。なお、該留め具50,51は合成樹脂からなる抑え片であることが好ましいが、本発明は留め具50,51の構成を限定するものではない。また、留め具50は同軸ケーブル12をブラケット33上に固定することにより同軸ケーブル12を信号線21に結束するものであるから、このような意味において留め具50は結束手段としても機能しているということができる。
【0035】
図5のように構成することにより、同軸ケーブル12の屈曲性が問題とならない位置にアンテナ素子13を取り付けるようにすることが可能となる。その他の構成および作用効果は図1乃至図3と同様であるからその詳細な構成の説明を省略する。
【0036】
図6は前記タイヤ空気圧監視システム3の第4実施形態を示す図である。
図6に示す例の場合、二点鎖線で囲った一部透視拡大図に示すように、アンテナ素子13として、同軸ケーブル12のシールド導体12bを取り除いた中心導体12aをそのまま用いている。この場合、シールド導体12bを取り除いた部分の長さLは受信したい無線信号の波長λの1/4の整数倍であることが好ましい。また、60はシールド導体12bを取り除いた部分を信号線12bと共に束ねるように設けた熱収縮チューブである。
【0037】
つまり、タイヤハウス1a〜1d内に配索される信号線12の長さが受信する無線信号の1/4波長の整数倍およびその近傍の長さ(すなわち、無線信号の波長帯域の1/4の整数倍に相当する長さ)である場合には、第4実施形態のように構成することにより、アンテナ素子13の構成を簡略化して、その製造コストを削減することができる。その他の構成および作用効果は図1乃至図3と同様であるからその詳細な構成の説明を省略する。
【0038】
図7は前記同軸ケーブル12を信号線21に沿わせる構成の変形例を示す図である。
すなわち、図7(A),(B)に示すように、同軸ケーブル12と前記信号線21をまとめて覆うと共に側面を長手方向に切り開いてなる開口70aを有する可撓性の管、すなわち、コルゲートチューブ70を用いてもよい。このように構成することにより、同軸ケーブル12をコルゲートチューブ70によって保護することができる。
【0039】
図8は前記タイヤ空気圧監視システム3の第5実施形態を示す図である。
図8に示す例の場合、キーレスエントリーシステムを構成するキーレス制御ECU80が前記受信モジュール11に接続されている点において、図1乃至図7に示すものと異なっている。本実施形態のように、前記受信モジュール11は、同じ周波数帯域を用いる別の制御システムにおいて用いられる無線信号を、前記アンテナ素子13を共有して受信することができるので、その製造コストを削減することができる。
【0040】
特にキーレスエントリーシステムの場合、使用者が所持する鍵からの無線信号をタイヤハウス1a〜1dにおいて受信でき、電磁波の遮蔽となるものが少ないので、良好な受信感度を得ることができる。その他の構成および作用効果は図1乃至図7と同様であるからその詳細な構成の説明を省略する。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の第1実施形態のタイヤ空気圧監視システムの構成を示す図である。
【図2】前記タイヤ空気圧監視システムの要部を拡大して示す図である。
【図3】前記タイヤ空気圧監視システムの要部を更に拡大して示す図である。
【図4】第2実施形態のタイヤ空気圧監視システムの構成を示す図である。
【図5】第3実施形態のタイヤ空気圧監視システムの構成を示す図である。
【図6】第4実施形態のタイヤ空気圧監視システムの構成を示す図である。
【図7】前記タイヤ空気圧監視システムの変形例を示す図であり、(A)は同軸ケーブルをその長手方向に直角な面で切断した断面図、(B)は同軸ケーブルを側面から見た図である。
【図8】第5実施形態のタイヤ空気圧監視システムの構成を示す図である。
【図9】従来のタイヤ空気圧監視システムの構成を示す図であり、(A)は全体構成を示す平面図、(B)は要部を拡大して示す図である。
【符号の説明】
【0042】
1 車両
2 タイヤ
3 タイヤ空気圧監視システム
10 空気圧検知手段
11 受信部
12 同軸ケーブル
12a 中心導体
12b シールド導体
13 アンテナ素子
20 車輪速検知手段
21 信号線
30 結束手段
70 可撓性の管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤハウスに配置される車輪速検知手段の信号線に沿わせた同軸ケーブルの先端部に形成され、タイヤに装着される空気圧検知手段が発信する無線信号を受信するアンテナ素子を有することを特徴とするタイヤ空気圧監視システム。
【請求項2】
前記アンテナ素子は前記同軸ケーブルのシールド導体を前記無線信号の波長帯域の1/4の整数倍に相当する長さだけ取り除いた部分である請求項1に記載のタイヤ空気圧監視システム。
【請求項3】
前記アンテナ素子は前記同軸ケーブルの中心導体の先端部に接続された金属部材である請求項1に記載のタイヤ空気圧監視システム。
【請求項4】
前記アンテナ素子の形状はコイル状である請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のタイヤ空気圧監視システム。
【請求項5】
前記アンテナ素子を車輪速検知手段と共に被覆するカバー体を有する請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載のタイヤ空気圧監視システム。
【請求項6】
前記同軸ケーブルを介してアンテナ素子に接続され、前記空気圧検知手段からの無線信号に加えて同じ周波数帯域を用いる別の無線信号も共に受信する受信部を有する請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載のタイヤ空気圧監視システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−320418(P2007−320418A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−152212(P2006−152212)
【出願日】平成18年5月31日(2006.5.31)
【出願人】(500013692)住電エレクトロニクス株式会社 (31)
【Fターム(参考)】