説明

タンパク質精製のための方法およびシステム

【課題】水性供給原料のための酵素生成物の利用には、今のところ、(a)供給原料を水に添加した後すぐに酵素が流れ出ること、および(b)供給原料のペレット形成の温度が100℃より高いときに、酵素活性が破壊されることになるなどのいくつかの問題がある。
【解決手段】本発明では、デンプン結合性タンパク質(SBP)タグ組換えタンパク質を使用するタンパク質精製のための方法およびシステムを提供する。SBPタグ組換えタンパク質を回収するためのSBP結合性マトリックスも、本発明で開示される。したがって、標的タンパク質の精製は、本発明により、再利用でき、便利で低コストなものになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、米国で2009年5月15日に出願された米国仮特許出願第61/178816号の優先権を主張する。前記出願の開示は、その全体が参照により明白に本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、タンパク質精製のための方法およびシステムに関し、より詳しくは、デンプン結合性タンパク質を使用する方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
微生物系での発現によるタンパク質の生成は、高価値で医学的に重要なタンパク質の意義ある供給源になっている。組換えタンパク質の精製および回収は、発酵方法の設計における主要な検討事項である。タンパク質精製の従来の方法は、生成物の単離に用いることができるが、改良した方法は、組換えタンパク質の使用を含む。組換えタンパク質は、アフィニティカラムクロマトグラフィによって精製することができ、組換えタンパク質の所望の成分は、親和性マトリックスに結合しているポリペプチドにその成分を共有結合させることにより、精製することができる。
【0004】
アフィニティカラムクロマトグラフィの原理によってタンパク質を単離するためのある種のシステムが存在する。
【0005】
米国特許第5,643,758号には、マルトース結合性タンパク質(MBP)を含むシステムが記載されている。クローン化した遺伝子は、MBPをコードするpMALベクターのmalE遺伝子の下流に挿入される。ベクターを宿主細胞に形質転換し、次いで組換えタンパク質を宿主細胞中で発現させることができる。細胞可溶化液または培養液画分をアミロースの親和性マトリックスを含むカラムに添加して数回洗浄し、次いで大量のマルトースを用いて組換えタンパク質を溶出する。
【0006】
米国特許第5,202,247号には、セルロース結合性ドメインを含むシステムが記載されている。セルロースカラムは、セルロース結合性ドメインを含む組換えタンパク質の精製に用いることができる。細胞可溶化液または培養液画分をカラムに添加し、洗浄する。セルロース結合性ドメインとセルロースとの間の相互作用は、中性pHでの疎水的相互作用によって促進されるようである。一般的な溶出方法では、エチレングリコールなどの低極性溶媒を使用した後、透析および濾過により低極性溶媒を除去した。
【0007】
これらの現在のタンパク質精製システムには、いくつかの不都合を有する。精製方法は不便で困難である。精製に使用するカラムは高価である。これらのシステムのタンパク質精製の限界として、EDTA含有試料などのある種の条件では組換えタンパク質を単離できないことが挙げられ、さらに、使用されている現在のタンパク質タグは、標的タンパク質と比較して相対的に大きく、本発明の標的タンパク質より大きい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第5,643,758号
【特許文献2】米国特許第5,202,247号
【特許文献3】米国仮特許出願第61/178816号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
水性供給原料のための酵素生成物の利用には、今のところ、(a)供給原料を水に添加した後すぐに酵素が流れ出ること、および(b)供給原料のペレット形成の温度が100℃より高いときに、酵素活性が破壊されることになるなどのいくつかの問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本明細書に例示され、広く記述されるように、本明細書の開示は、デンプン結合性タンパク質(SBP)タグ組換えタンパク質、SBP結合性マトリックス、およびタンパク質精製におけるそれらの使用を特徴とする。
【0011】
いくつかの実施形態では、
(a)デンプン結合性タンパク質(SBP)タグ組換えタンパク質を含む溶液を用意する工程と、
(b)SBP結合性マトリックスを含む第1容器に前記溶液を添加する工程と、
(c)工程(b)の第1容器にアルカリ性緩衝液を溶出して混合物を得る工程と、
(d)第2容器中で、前記混合物と、SBPおよび組換えタンパク質を切断するための溶液とを混合し、反応混合物を生成する工程と、
(e)SBP結合性マトリックスを含む第3容器に前記反応混合物を添加し、組換えタンパク質を回収する工程と
を含む、組換えタンパク質を精製するための方法を提供する。
【0012】
また、他の実施形態では、
(a)SBPタグ組換えタンパク質を含む溶液を用意するための手段と、
(b)SBP結合性マトリックスを含む第1容器に前記溶液を添加するための手段と、
(c)(b)の第1容器にアルカリ性緩衝液を溶出して混合物を得るための手段と、
(d)第2容器中で、前記混合物と、SBPおよび組換えタンパク質を切断するための溶液とを混合し、反応混合物を生成するための手段と、
(e)SBP結合性マトリックスを含む第3容器に前記反応混合物を添加し、組換えタンパク質を回収するための手段と
を含む、組換えタンパク質を精製するためのシステムを提供する。
【0013】
いくつかの態様では、SBP結合性マトリックスは、デンプン、アミロペクチン、アミロース樹脂、デキストリン樹脂またはアルギネートビーズを含む。
【0014】
いくつかの態様では、(a)のデンプン結合性タンパク質(SBP)タグ組換えタンパク質は細胞に由来し、(b)のSBP結合性マトリックスはデンプンである。
【0015】
他の態様では、(b)の第1容器、(d)の第2容器、または(e)の第3容器は、使い捨て型である。
【0016】
他の態様では、(d)の混合物にSBPエンドプロテアーゼをさらに添加する。特定の態様では、SBPエンドプロテアーゼは、SBP-SARSプロテアーゼまたはSBPエンテロキナーゼである。
【0017】
別の態様では、(a)の溶液は、pH4から6である。
【0018】
別の態様では、(c)の緩衝液は、pH7から11である。
【0019】
さらに別の態様では、デンプン結合性タンパク質(SBP)タグ組換えタンパク質は、SBPと標的タンパク質との間にエンドプロテアーゼ認識部位を含む。
【0020】
さらに別の態様では、(b)の溶液は、pH4から8である。
【0021】
さらに別の態様では、いくつかの実施形態は、pHを5から7までに調整するために、工程(e)の前に中和工程をさらに含む。
【0022】
さらに別の態様では、いくつかの実施形態は、pHを5から7までに調整するための中和手段をさらに含む。いくつかの実施形態では、上記実施形態のいずれかの方法によって調製される、熱安定性を有する組換えタンパク質を提供し、前記組換えタンパク質は、SBPタグおよび標的タンパク質により融合される。
【0023】
いくつかの態様では、標的タンパク質は、リパーゼ、キシラナーゼまたはフィターゼである。
【0024】
他の実施形態では、SBPタグおよびプロテインAを含む組換えタンパク質を調製するための方法を提供し、前記組換えタンパク質は、酵母または細菌によって発現される。
【0025】
ある種の態様では、酵母はピキア(Pichia)である。
【0026】
ある種の態様では、細菌は大腸菌(E. coli)である。
【0027】
本発明の1つまたは複数の実施形態の詳細は、以下に続く説明に示されている。本発明の他の特徴および利点は、詳細な説明および特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【0028】
前述の一般的な説明および以下の詳細な説明は共に、例として挙げたものであり、特許請求したような本発明をさらに説明することを意図していると理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】融合タンパク質を高度に特異的に切断し、続いて全てのSBPタグ残留物(すなわち、SBPタグエンドプロテアーゼ、SBPタグ標的タンパク質、遊離SBP)を、親和性に基づき、すばやく捕獲して除去するために設計されたシステムを示す図である。
【図2】水中のSBPフィターゼおよびフィターゼを示す図である。
【図3】水中のSBPフィターゼの遊離実験の結果を示す図である。
【図4(A)】SBD-eGFPと異なるタイプの樹脂との結合アッセイのSDS-PAGE結果を示す図である。アミロペクチンの結果を示す。
【図4(B)】SBD-eGFPと異なるタイプの樹脂との結合アッセイのSDS-PAGE結果を示す図である。アミロース樹脂の結果を示す。
【図4(C)】SBD-eGFPと異なるタイプの樹脂との結合アッセイのSDS-PAGE結果を示す図である。デキストリン樹脂の結果を示す。
【図5】SBD-eGFPとアルギネートビーズとの結合アッセイのSDS-PAGE結果を示す図である。
【図6】親和性タグの精製、および「きれいに切断される(Clean-cut)」タグ切断方法の結果を示す図である(左:LZ8の結果、右;eGFPの結果)。
【図7(A)】SBP-SpAアミロース樹脂による免疫グロブリンの精製の結果を示す図である。大腸菌から精製したSBP-SpAの結果を示す。
【図7(B)】SBP-SpAアミロース樹脂による免疫グロブリンの精製の結果を示す図である。ピキアから精製したSBP-SpAの結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明を記述しかつ主張する際において、以下の専門用語は、下記の定義にしたがって使用することとする。
【0031】
本明細書で使用するとき、用語「組換えタンパク質」とは、組換えDNAから生じたタンパク質である。用語「組換えDNA」とは、普通は一緒に出現しないと思われるDNA配列を組み合わせることによって作り出される、自然には存在しないDNAの形態である。
【0032】
用語「デンプン結合性タンパク質」は、本明細書で使用するとき、「SBP」と略記するが、デンプンに対する結合親和性を有する全てのポリペプチドを規定することを意図している。
【0033】
本明細書で使用される用語「SBPタグ」とは、SBPの親和性タグであり、用語「親和性タグ」とは、親和性の技法を用いて、粗製の生物学的供給源からタンパク質を精製できるように、付加したタグである。
【0034】
用語「SBPタグ組換えタンパク質」とは、本明細書で使用するとき、親和性タグとして遺伝学的にグラフトした、SBPのペプチド配列を有する組換えタンパク質を指す。
【0035】
用語「SBP結合性マトリックス」とは、本明細書では、SBPと結合できる任意のタイプのマトリックスを指す。SBP結合性マトリックスの例として、デンプン、アミロペクチン、アミロース樹脂、デキストリン樹脂およびアルギネートビーズが挙げられるが、これに限定されない。
【0036】
本明細書で使用するとき、用語「SBPエンドプロテアーゼ」は、タグとしてのSBPと結合できる任意のタイプのエンドプロテアーゼを指す。エンドプロテアーゼは、非末端アミノ酸(すなわち分子内)のペプチド結合を切断する酵素である。SBPエンドプロテアーゼの例には、SBP-SARSプロテアーゼまたはSBPエンテロキナーゼが挙げられるが、これに限定されない。本発明の実施は、再利用でき、便利で低コストなSBPタグ組換えタンパク質およびSBP結合性マトリックスの使用によって標的タンパク質を精製するための、方法およびシステムに関して詳しく以下に説明する。
【0037】
いくつかの実施形態では、
(a)デンプン結合性タンパク質(SBP)タグ組換えタンパク質を含む溶液を用意する工程と、
(b)SBP結合性マトリックスを含む第1容器に前記溶液を添加する工程と、
(c)工程(b)の第1容器にアルカリ性緩衝液を溶出して混合物を得る工程と、
(d)第2容器中で、前記混合物と、SBPおよび組換えタンパク質を切断するための溶液とを混合し、反応混合物を生成する工程と、
(e)SBP結合性マトリックスを含む第3容器に前記反応混合物を添加し、組換えタンパク質を回収する工程と
を含む、組換えタンパク質を精製するための方法を提供する。
【0038】
本発明のいくつかの実施形態では、SBP結合性マトリックスが、デンプン、アミロペクチン、アミロース樹脂、デキストリン樹脂またはアルギネートビーズを含む。
【0039】
いくつかの実施形態では、本発明は、
(a)細胞に由来するデンプン結合性タンパク質(SBP)タグ組換えタンパク質を含む溶液を用意する工程と、
(b)デンプンマトリックスを含む第1容器に前記溶液を添加する工程と、
(c)工程(b)の第1容器にアルカリ性緩衝液を溶出して混合物を得る工程と、
(d)第2容器中で、前記混合物と、SBPおよび組換えタンパク質を切断するための溶液とを混合し、反応混合物を生成する工程と、
(e)デンプンマトリックスを含む第3容器に前記反応混合物を添加し、組換えタンパク質を回収する工程と
を含む、組換えタンパク質を精製するための方法を提供する。
【0040】
好適な実施形態では、工程(b)の第1容器、工程(d)の第2容器または工程(e)の第3容器は、使い捨て型である。工程(d)の混合物には、SBPエンドプロテアーゼがさらに添加される。もっとも好適な実施形態では、SBPエンドプロテアーゼはSBP-SARSプロテアーゼまたはSBPエンテロキナーゼである。
【0041】
好適な実施形態では、工程(a)の溶液はpH4から6であり、工程(c)の緩衝液はpH7から11である。もっとも好適な実施形態では、工程(a)の溶液はpH5から6であり、工程(c)の緩衝液はpH8から9である。工程(c)の緩衝液は、pHが11のときにもっとも流出効果が高いが、過剰なアルカリ性状態は標的タンパク質を破壊し得る。したがって、緩衝液の望ましいpHの範囲は8から9である。pHが2から4のときにも、緩衝液はタンパク質を流出させることができるが、アルカリ性状態が望ましい。
【0042】
好適な実施形態では、デンプン結合性タンパク質(SBP)タグ組換えタンパク質は、SBPと標的タンパク質との間にエンドプロテアーゼ認識部位を有する。いくつかの実施形態では、SBPタグ組換えタンパク質を回収するために、工程(b)の溶液はpH4から8である。いくつかの好適な実施形態では、pHは5から7が望ましい。
【0043】
いくつかの実施形態では、pHを5から7までに調整するために、工程(e)の前に中和工程が、この方法にさらに含まれる。さらに、第3容器の反応混合物では、SBPタグ、SBPエンドプロテアーゼおよび未消化のSBPタグ組換え体を、SBP結合性マトリックス上に捕獲すると同時に、タグを含まない組換えタンパク質を回収する。
【0044】
本発明は、
(a)細胞に由来するSBPタグ組換えタンパク質を含む溶液を用意するための手段と、
(b)SBP結合性マトリックスを含む第1容器に前記溶液を添加するための手段と、
(c)(b)の第1容器にアルカリ性緩衝液を溶出して混合物を得るための手段と、
(d)第2容器中で、前記混合物と、SBPおよび組換えタンパク質を切断するための溶液とを混合し、反応混合物を生成するための手段と、
(e)SBP結合性マトリックスを含む第3容器に前記反応混合物を添加し、組換えタンパク質を回収するための手段と
を含む、組換えタンパク質を精製するためのシステムも提供する。
【0045】
本発明のいくつかの実施形態では、SBP結合性マトリックスは、デンプン、アミロペクチン、アミロース樹脂、デキストリン樹脂またはアルギネートビーズを含む。
【0046】
好適な実施形態では、(b)の第1容器、(d)の第2容器または(e)の第3容器は、使い捨て型である。(d)の混合物には、SBPエンドプロテアーゼがさらに添加される。もっとも好適な実施形態では、SBPエンドプロテアーゼはSBP-SARSプロテアーゼまたはSBPエンテロキナーゼである。
【0047】
好適な実施形態では、(a)の溶液はpH4から6であり、(c)の緩衝液はpH7から11である。もっとも好適な実施形態では、(a)の溶液はpH5から6であり、(c)の緩衝液はpH8から9である。
【0048】
好適な実施形態では、デンプン結合性タンパク質(SBP)タグ組換えタンパク質は、SBPと標的タンパク質との間にエンドプロテアーゼ認識部位を有する。いくつかの好ましい実施形態では、SBPタグ組換えタンパク質を回収するために、(b)の溶液はpH4から8である。いくつかの好ましい実施形態では、pHは5から7が望ましい。
【0049】
いくつかの実施形態では、pHを5から7までに調整するために、(e)の手段の前に中和手段がこのシステムにさらに含まれる。さらに、第3容器の反応混合物では、SBPタグ、SBPエンドプロテアーゼおよび未消化のSBPタグ組換え体を、SBP結合性マトリックス上に捕獲すると同時に、タグを含まない組換えタンパク質を回収する。
【0050】
いくつかの実施形態では、上記のいずれかの実施形態の方法によって調製した、熱安定性を有する組換えタンパク質を提供し、前記組換えタンパク質は、SBPタグおよび標的タンパク質により融合される。詳細な実施形態では、標的タンパク質は、リパーゼ、キシラナーゼまたはフィターゼである。したがって、タンパク質の熱安定性は容易に高めることができ、応用分野を非常に広く展開させることができる。
【0051】
他の実施形態では、SBPタグおよびプロテインAを含む組換えタンパク質を調製するための方法を提供し、前記組換えタンパク質は、酵母または細菌によって発現される。詳細な実施形態では、酵母はピキアパストリス(Pichia pastoris)である。詳細な実施形態では、細菌は大腸菌である。したがって、本開示は、診断、研究での使用および産業応用など、タンパク質の精製が所望されるいかなる応用にも有用である。
【実施例】
【0052】
以下の実施例は、例示の態様として提供されたものであって、限定するものではない。
(実施例1)
タンパク質精製
SBPタグタンパク質の作成および発現
SBP(デンプン結合性タンパク質)遺伝子をPCR増幅し、SBPと標的タンパク質遺伝子との間にエンドプロテアーゼ切断部位を有する標的タンパク質のN末端に融合した。次いで、融合タンパク質遺伝子を、AOX1プロモータの制御下でピキアパストリス発現ベクターpPICZαAにクローン化し、発現のためにピキアパストリスGS115に形質転換した。SBP標的タンパク質遺伝子を有するピキアパストリス形質転換体をBMGY培地で24時間培養した。細胞を遠心分離によって回収し、0.5%メタノールを含むBMMY中で再懸濁した。SBPタグ組換えタンパク質の発現を誘導するため、24時間毎にメタノール(0.5% v/v)を添加した。5日間の誘導後、遠心分離によって細胞を除去し、細胞を含まない発酵培養液を最終段階の精製のために採取した。
【0053】
第1デンプンカラムによるSBPタグ組換えタンパク質の精製
細胞を含まない発酵培養液を、第1デンプンカラムに加えた(図1)。SBPタグ組換えタンパク質はデンプンに結合し、不純物は流れ出た。結合したSBPタグ組換えタンパク質は、pH11のグリシン緩衝液によって溶出することができ、続いて保存のためにpH7.4のトリス緩衝液に対する透析を行う。
【0054】
SBPタグ組換えタンパク質のエンドプロテアーゼ切断
溶出したSBPタグ組換えタンパク質を、適切な緩衝液中で、SBPエンドプロテアーゼと混合した。SBPタグを除去するために、SBPプロテアーゼによって、SBPタグと標的タンパク質との間のプロテアーゼ認識部位を切断することができる。
【0055】
タグを含まない標的タンパク質の精製
SBPエンドプロテアーゼ処理の後、反応混合物を第2デンプンカラムに加えた。遊離SBP、SBPエンドプロテアーゼ、および切断されていないSBPタグ組換えタンパク質を含む不純物は、デンプンカラムによって捕獲することができる。本来のN末端で完全に消化された標的タンパク質を、流出画分中で回収した。
【0056】
(実施例2)
熱安定性の比較
SBP遺伝子をPCR増幅し、標的酵素のN末端に融合した。R.オリザエ(R. oryzae)に由来するリパーゼ遺伝子、精製していない第一胃内胃真菌(ruminal fungal)の培養に由来するキシラナーゼ遺伝子、および大腸菌に由来するフィターゼ遺伝子をクローン化し、SBPに融合した。SBPリパーゼ、SBPキシラナーゼおよびSBPフィターゼの融合タンパク質を、上記の方法によって発現させ、本発明で使用した。
【0057】
異なる供給源に由来するリパーゼの熱安定性
試料が、30℃、pH7.0のもと、0.3mMのパルミチン酸4-ニトロフェニル中に、1分につき1μmolのp-ニトロフェノールを遊離したとき、1ユニットのリパーゼ活性(U)と規定した。SBPリパーゼ(52500U/g)およびF-AP15リパーゼ(Amano Enzyme社から購入したR.オリザエリパーゼ32430U/g)を、15%または20%の含水量の発酵した大豆ミールと混合すると、1グラムにつき100Uに達した。異なる供給源に由来する混合した100U/gのリパーゼを、12g量り取り100mlの血清バイアルに入れた。試料を含む血清バイアルの蓋を閉め、85℃または90℃で10分間オートクレーブした。各リパーゼを各条件で2回ずつ試験した。処理後、リパーゼの活性を測定した。結果をTable1(表1)およびTable2(表2)に示した。
【0058】
【表1】

【0059】
【表2】

【0060】
データにより、SBPリパーゼの熱安定性が、F-AP15リパーゼより明らかに優れていることが示された。15%含水量の発酵した大豆ミールの条件下では、85℃で10分間加熱した後、SBPリパーゼの残存活性は86.78%であり、F-AP15リパーゼの残存活性は66.82%であった。90℃で10分間加熱した後、SBPリパーゼの残存活性はまだ86.2%であったが、F-AP15リパーゼの残存活性はたった37.02%であった。
【0061】
20%含水量の発酵した大豆ミールの条件下では、85℃で10分間加熱した後、SBPリパーゼの残存活性は75%であり、F-AP15リパーゼの残存活性は19.61%であった。90℃で10分間加熱した後、SBPリパーゼの残存活性はまだ58%であったが、F-AP15リパーゼの残存活性はたった8.56%であった。
【0062】
異なる供給源に由来するキシラナーゼの熱安定性
試料が、50℃、pH5.3のもと、1.2%(w/v)のキシラン中に、1分につき1μmolのキシロースを遊離したとき、1ユニットのキシラナーゼ活性(U)と規定した。SBPキシラナーゼ(3028U/g)およびキシラナーゼ(304U/g、P.パストリス中で発現したSBPを含まないキシラナーゼ)を、15%または20%の含水量の発酵した大豆ミールと混合すると、100U/gに達した。異なる供給源に由来する混合した100U/gのキシラナーゼを、12g量り取り100mlの血清バイアルに入れた。試料を含む血清バイアルの蓋を閉め、85℃または90℃で10分間オートクレーブした。処理後、キシラナーゼの活性を測定した。結果をTable3(表3)およびTable4(表4)に示した。
【0063】
【表3】

【0064】
【表4】

【0065】
データにより、SBPキシラナーゼの熱安定性が、SBPタグを含まないキシラナーゼより優れていることが示された。15%含水量の発酵した大豆ミールの条件下では、85℃で10分間加熱した後、SBPキシラナーゼの残存活性は96.40%であり、キシラナーゼの残存活性は85.43%であった。90℃で10分間加熱した後、SBPキシラナーゼの残存活性は91.01%であったが、キシラナーゼの残存活性は79.52%であった。
【0066】
20%含水量の発酵した大豆ミールの条件下では、85℃で10分間加熱した後、SBPキシラナーゼの残存活性は93.79%であり、キシラナーゼの残存活性は84%であった。90℃で10分間加熱した後、SBPキシラナーゼの残存活性は86.27%であり、キシラナーゼの残存活性は79%であった。
【0067】
異なる供給源に由来するフィターゼの熱安定性
フィターゼ活性(U)の1ユニットは、pH5.0および37℃で、1分につき1.5mMのフィチン酸ナトリウムから1μmolの無機リン(P)の遊離に必要とされる酵素の量として規定する。SBPフィターゼ(10500U/g)およびSBPを含まないフィターゼ(6972U/g)を、15%または20%の含水量の発酵した大豆ミールと混合すると、1グラムにつき100Uに達した。異なる供給源に由来する混合した100U/gのフィターゼを、12g量り取り100mlの血清バイアルに入れた。試料を含む血清バイアルの蓋を閉め、85℃または90℃で10分間オートクレーブした。各フィターゼを各条件で2回ずつ試験した。処理後、フィターゼの活性を測定した。結果をTable5(表5)およびTable6(表6)に示した。
【0068】
【表5】

【0069】
【表6】

【0070】
水性フィターゼ産物の開発
本発明は、(a)水性供給原料を水に添加したときに酵素が容易に流れ出ないように、デンプンを吸収させて供給原料上に酵素を固定化させること、および(b)酵素の熱安定性を向上させることによって、SBPフィターゼが水性供給原料に利用するのに適していることを実際に示した。図2は、水中のSBPフィターゼおよびフィターゼの図を示している。図3は、水中のSBPフィターゼの遊離実験の結果を示している。異なる供給源に由来する0.4gのフィターゼ粉末を40mlの純水に添加し、25℃でボルテックスした。次いで溶液を3000rpmで30分間遠心分離した。5mlの酢酸緩衝液(pH6.0)を沈殿物に添加し、超音波振動器で30分間振動した。最後に、フィターゼの活性を決定した。AまたはB会社のフィターゼは、水に添加後、すぐに水中に流れ出た。これに反して、SBPフィターゼは、水に添加してから16時間以内に、少なくとも80%の活性をまだ維持した。
【0071】
(実施例3)
SBD-eGFPと異なるタイプのSBPマトリックスとの結合アッセイ
SBD-eGFPと異なるタイプの樹脂との結合アッセイ
2ミリグラムの予洗したアミロペクチン、アミロース樹脂(Bio-Rad Laboratories社、ハーキュリーズ、カリフォルニア、U.S.)、デキストリン樹脂(GE Healthcare.、ウォーキシャ、U.S.)およびセファデックス(Sigma.、セントルイス、ミズーリ、U.S.)を、全容積200μLにおいて0.3mg/mLの濃度で、結合緩衝液(50mM NaOAc、pH5.5)中でSBD-eGFPとともに撹拌した。25℃で3時間撹拌しながらインキュベーションした後、試料を遠心分離した。次いで、上澄み(結合していないタンパク質)および樹脂ペレット(結合したタンパク質)を煮沸し、SDS-PAGEを行った。結合アッセイの結果を図4(A)から(C)に示した。
【0072】
SBD-eGFPとアルギネートビーズとの結合アッセイ
250マイクロリットルの予洗したアルギネートビーズを、全容積1mLにおいて0.6mg/mLの濃度で、結合緩衝液(50mM NaOAc、pH5.5)中でSBD-eGFPとともに撹拌した。25℃で3時間撹拌しながらインキュベーションした後、試料を遠心分離した。上澄み(結合していないタンパク質)を煮沸し、SDS-PAGEを行った。次いでアルギネートビーズを1mLの結合緩衝液で洗浄した。その後、1mLの溶出緩衝液(10mM グリシン/NaOH、pH11)を添加し、25℃で30分間アルギネートビーズとともに撹拌した。溶出液および残ったビーズも煮沸し、SDS-PAGEを行った。結合アッセイの結果を図5に示した。
【0073】
(実施例4)
親和性タグの精製およびLZ8(医療用真菌に由来する免疫制御因子)またはeGFPを精製するための「きれいに切断される(Clean-cut)」タグ切断方法
SBP遺伝子をPCR増幅し、SBPと標的タンパク質との間のエンテロキナーゼ切断部位(eks)で、LZ8のC末端(LZ8-eks-SBP)、またはeGFPのN末端(SBP-eks-eGFP)に融合した。SBP遺伝子をPCR増幅し、エンテロキナーゼのC末端に融合した(EK-SBP)。LZ8-eks-SBPおよびEK-SBPをP.パストリスで発現させ、SBP-eks-eGFPを昆虫細胞で発現させた。
【0074】
SBP標的タンパク質(LZ8-eks-SBPまたはSBP-eks-eGFP)を、第1デンプン結合性カラムによって精製し、次いで37℃で3時間、50mMの酢酸ナトリウム(pH5.5)中で、SBPプロテアーゼ(EK-SBP)を添加してSBP標的タンパク質を切断した。第2デンプン結合性カラムに混合物を加えたとき、流出物はタグの切断された標的タンパク質(LZ8-eksまたはeGFP)であり、50mMの酢酸ナトリウム(pH5.5)でカラムを洗浄した後、SBPタグの残留物(遊離SBP、EK-SBPおよびLZ8-eks-SBP、SBP-eks-eGFP)を10mMグリシン/NaOH(pH11)緩衝液で溶出した。溶出液に対してSDS-PAGEを行い、結果を図6に示した(左:LZ8の結果、右:eGFPの結果)。
【0075】
(実施例5)
SBP-SpAアミロース樹脂による免疫グロブリンの精製
IgGを精製するために、SBP-SpA、すなわち大腸菌またはピキアから精製した、SBPおよびプロテインAの融合タンパク質を、CNBr活性化アガロース樹脂(Santa Cruz Biotechnology)上に固定化した。IgGの精製は、SBP-SpA樹脂を充填したカラムに試料を加えることによって行うことができる。清澄化した血清を樹脂に加える前に、血清試料を結合緩衝液(100mM トリス+150mM NaCl、pH8.5)中で4回希釈しなければならない。0.5〜1ml/分の流率で試料を加え、次いで10カラム体積の結合緩衝液(100mM トリス+150mM NaCl、pH8.5)で洗浄した。pH2.5のグリシン/HCl 50mMで溶出を行った。IgGが溶出してすぐに、pH8.0のトリス1Mで中和し、20回凝縮した。溶出液に対してSDS-PAGEを行い、結果を図7に示しており、(A)は大腸菌から精製したSBP-SpAを示し、(B)はピキアから精製したSBP-SpAの結果を示した。
【0076】
本発明の利点は以下のように要約することができる:
1.非常に生産コストが低い:例えば、タグを切断しない方法におけるフィターゼ(供給原料の酵素)の親和性タグとしてのデンプンは、1グラムにつき1.5ドルより安い。
2.きれいに切断される(Clean-cut)(タグを含まない)タンパク質:きれいに切断される(タグを含まない)タンパク質は、本明細書に開示されているSBPエンドプロテアーゼのタグ切断システムによって生成することができる。
3.高い回収率:開示されたシステムの回収率はかなり高く、その率は70%より高く、場合によっては、実験室規模で90%より高かった。
4.非常に高い発酵力価:開示されたシステムの発酵力価は非常に高く、その率は10g/lより高くなり得た(すなわち、ピキアの発現システム)。
5.多くの宿主でうまく発現するタンパク質:多くのタンパク質および酵素は、多くの宿主(例えば、P.パストリス、出芽酵母(S. cerevisiae)、大腸菌、昆虫細胞、酵母など)で発現した。
6.わずかにしか発現しないタンパク質もすぐに入手できる:1回分が多く、その上、低コストのデンプン樹脂を使用することによって、まだ予算がある中で、わずかにしか発現しないタンパク質もすぐに入手することができる。
7.使い捨てできる精製したタンパク質およびタグ切断サブシステム:コンタミネーションの危険性を低くする、使い捨てできるタンパク質精製およびタグ切断サブシステムが本発明で提供された。
【0077】
他の実施形態
本明細書に開示された全ての特徴は、いずれの組み合わせでも行うことができる。本明細書に開示された各特徴は、同様、同等、または類似の目的を果たす代替の特徴に替えることができる。したがって、別途明白に記載しない限り、開示された各特徴は、同等または類似特徴の包括的一連の一例に過ぎない。上記の説明から、当業者は容易に本発明の基本的な特徴を突き止めることができ、本発明の精神と範囲から逸脱しなければ、本発明の様々な変更および修正を行い、様々な使用および条件に適応させることができる。したがって、他の実施形態も、以下の特許請求の範囲内である。
【0078】
本明細書で引用する全ての特許出願および出版物は、本発明に適した当業者のレベルを示すものである。全ての特許出願および出版物は、個々の出版物が参照により組み込まれると個々に具体的に示されるのと同じ限度で、参照により本明細書に組み込まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)デンプン結合性タンパク質(SBP)タグ組換えタンパク質を含む溶液を用意する工程と、
(b)SBP結合性マトリックスを含む第1容器に前記溶液を添加する工程と、
(c)工程(b)の第1容器にアルカリ性緩衝液を溶出して、混合物を得る工程と、
(d)第2容器中で、前記混合物と、SBPおよび組換えタンパク質を切断するための溶液とを混合し、反応混合物を生成する工程と、
(e)SBP結合性マトリックスを含む第3容器に前記反応混合物を添加し、組換えタンパク質を回収する工程と
を含む、組換えタンパク質を精製するための方法。
【請求項2】
SBP結合性マトリックスが、デンプン、アミロペクチン、アミロース樹脂、デキストリン樹脂またはアルギネートビーズを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
工程(a)のデンプン結合性タンパク質(SBP)タグ組換えタンパク質が細胞に由来し、工程(b)のSBP結合性マトリックスがデンプンである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
工程(b)の第1容器、工程(d)の第2容器、または工程(e)の第3容器が使い捨て型である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
工程(d)の混合物にSBPエンドプロテアーゼをさらに添加する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
SBPエンドプロテアーゼがSBP-SARSプロテアーゼまたはSBPエンテロキナーゼである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
工程(a)の溶液がpH4から6である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
工程(c)の緩衝液がpH7から11である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
デンプン結合性タンパク質(SBP)タグ組換えタンパク質が、SBPと標的タンパク質との間にエンドプロテアーゼ認識部位を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
工程(b)の溶液がpH4から8である、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
pHを5から7までに調整するために、工程(e)の前に中和工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
(a)SBPタグ組換えタンパク質を含む溶液を用意するための手段と、
(b)SBP結合性マトリックスを含む第1容器に前記溶液を添加するための手段と、
(c)(b)の第1容器にアルカリ性緩衝液を溶出して、混合物を得るための手段と、
(d)第2容器中で、前記混合物と、SBPおよび組換えタンパク質を切断するための溶液とを混合し、反応混合物を生成するための手段と、
(e)SBP結合性マトリックスを含む第3容器に前記反応混合物を添加し、組換えタンパク質を回収するための手段と
を含む、組換えタンパク質を精製するためのシステム。
【請求項13】
SBP結合性マトリックスが、デンプン、アミロペクチン、アミロース樹脂またはデキストリン樹脂を含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
手段(a)のデンプン結合性タンパク質(SBP)タグ組換えタンパク質が細胞に由来し、手段(b)のSBP結合性マトリックスがデンプンである、請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
(b)の第1容器、(d)の第2容器、または(e)の第3容器が使い捨て型である、請求項12に記載のシステム。
【請求項16】
(d)の混合物にSBPエンドプロテアーゼをさらに添加する、請求項12に記載のシステム。
【請求項17】
SBPエンドプロテアーゼがSBP-SARSプロテアーゼまたはSBPエンテロキナーゼである、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
(a)の溶液がpH4から6である、請求項12に記載のシステム。
【請求項19】
(c)の緩衝液がpH7から11である、請求項12に記載のシステム。
【請求項20】
デンプン結合性タンパク質(SBP)タグ組換えタンパク質が、SBPと標的タンパク質との間にエンドプロテアーゼ認識部位を含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項21】
(b)の溶液がpH4から8である、請求項12に記載のシステム。
【請求項22】
pHを5から7までに調整するために、中和手段をさらに含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項23】
請求項1に記載の方法によって調製され、SBPタグおよび標的タンパク質により融合された、熱安定性を有する組換えタンパク質。
【請求項24】
標的タンパク質が、リパーゼ、キシラナーゼまたはフィターゼである、請求項23に記載の組換えタンパク質。
【請求項25】
SBPタグおよびプロテインAを含み、酵母または細菌によって発現される、組換えタンパク質を調製するための方法。
【請求項26】
酵母がピキアである、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
細菌が大腸菌である、請求項25に記載の方法。

【図3】
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【図1】
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【図2】
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【図4(A)】
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【図4(B)】
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【図4(C)】
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【図5】
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【図6】
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【図7(A)】
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【図7(B)】
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【公開番号】特開2010−263892(P2010−263892A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−111082(P2010−111082)
【出願日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【出願人】(509122212)シンプソン・バイオテック・カンパニー・リミテッド (3)
【Fターム(参考)】