説明

テーブルのフレーム構造

【課題】脚体に設けた天板を支持する前後の支持杆を、特殊な部品等を介在させることなく一つの脚体に容易に支持でき、かつ前後の支持杆が天板上方からの荷重を受けても天板を安定して支持可能な撓みにくいテーブルのフレーム構造を提供すること。
【解決手段】天板は、前後に独立した支持杆9,10からなる支持フレームによって支持され、支持杆9,10を前後方向に対向させた際に、前方の支持杆9は左右方向の一方側から後方に延びる突起9aを有し、後方の支持杆10は左右方向の他方側から前方に延びる突起10aを有し、一方の突起10aに少なくとも上下に2つの左右方向に向くピン10bを設けるとともに、他方の突起9aに嵌合孔9bを形成し、ピン10bと嵌合孔9bを嵌合し、その後支持杆9,10を支柱3に固着してフレーム構造を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天板と、該天板を支持する少なくとも左右一対の脚体とからなるテーブルにおいて、前記天板を支持するためのテーブルのフレーム構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、会議等に利用されるテーブルには、天板を支持する左右一対の脚が設けられている。脚は脚本体部と、これを支持する足部とから構成されている。この脚本体部には天板を直接支持する天板支持部と、この天板支持部を支持する2つの筒状部材を有する縦脚部から成っている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
天板支持部は前後に、長い天板支持要素と短い天板支持要素を有し、両天板支持要素の対向する互いの端部にはそれぞれ凸部と孔が併設されている。そこで、一方の天板支持要素の凸部と孔が、他方の天板支持要素の孔と凸部に互いに嵌合して位置決めされ、さらに、両端部が連結部材を用いて締結された後、各天板支持要素をそれぞれ筒状部材に螺着して天板支持要素を縦脚部に取り付けている。
【0004】
【特許文献1】特開2002−177054号公報(段落0010〜16、図1,図4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1にあっては、前後の天板支持要素はその当接端面に設けた凸部および孔による嵌合であるため、天板支持要素の先端部に荷重が掛かると外れやすく、これを防ぐために連結部材を必要とした。また、各天板支持要素を縦脚部に取り付けるために2つの筒状部材を用意する必要があり、部品点数の増加が避けられなかった。
【0006】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、脚体に設けた天板を支持する前後の支持杆を、特殊な部品等を介在させることなく一つの脚体に容易に支持でき、かつ前後の支持杆が天板上方からの荷重を受けても天板を安定して支持可能な撓みにくいテーブルのフレーム構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載のテーブルのフレーム構造は、天板と、該天板を支持する少なくとも左右一対の脚体とからなるテーブルにおいて、前記天板を支持するためのテーブルのフレーム構造であって、前記天板は、前記脚体に設けられた前後方向を向く支持フレームによって支持され、該支持フレームは、独立した前後の支持杆から構成され、該両支持杆を前後方向に対向させた際に、前記前方の支持杆は左右方向の一方側から後方に延びる突起を有し、前記後方の支持杆は左右方向の他方側から前方に延びる突起を有し、前記両突起を互いに相対回動不能に取り付けることによって、前記両支持杆を位置決めした状態で、前記脚体に固着することを特徴としている。
この特徴によれば、両突起同士を互いに相対回動不能に取り付けて、両支持杆を脚体に固着したことで、両支持杆は天板の荷重に対しても、常に天板を安定して支持可能な撓みにくいフレーム構造となる。さらに、支持フレームを前後の支持杆で構成したことで、例えば、前後幅が異なる天板の場合であっても、長さの異なる支持杆を選定することで柔軟に対応できる。
【0008】
本発明の請求項2に記載のテーブルのフレーム構造は、請求項1に記載のテーブルのフレーム構造であって、前記両突起のいずれか一方の突起に少なくとも上下に2つの左右方向に向くピンを設けるとともに、他方の突起に嵌合孔を形成し、前記ピンと嵌合孔を嵌合し、前記両突起を互いに相対回動不能に取り付けたことを特徴としている。
この特徴によれば、一方の支持杆の突起に少なくとも上下に2つピンが設けられたことで、ピンと嵌合孔の嵌合により他方の支持杆とのピン回りの相対回動が確実に防止され、撓みにくいフレーム構造となる。
【0009】
本発明の請求項3に記載のテーブルのフレーム構造は、請求項1または2に記載のテーブルのフレーム構造であって、前記突起は、前記前方の支持杆の後端部と、前記後方の支持杆の前端部とから一体に突出したものであることを特徴としている。
この特徴によれば、突起が支持杆の端部から一体に突出したものであるから、支持強度に優れ、しかも引き抜き等により容易に加工できる。
【0010】
本発明の請求項4に記載のテーブルのフレーム構造は、請求項1乃至3のいずれかに記載のテーブルのフレーム構造であって、前記各突起の先端面は、対向する相手側の支持杆の先端面と当接した状態で位置決めされ前記脚体へ固着されることを特徴としている。
この特徴によれば、前記ピンと嵌合孔の嵌合時に、各突起の先端面が相手側の支持杆の先端面と当接した状態で位置決めして脚体へ固着するので、支持杆同士の一体化が図れ、両支持杆の撓みがより防止され、安定した天板の支持強度が得られる。
【0011】
本発明の請求項5に記載のテーブルのフレーム構造は、請求項1乃至4のいずれかに記載のテーブルのフレーム構造であって、前記脚体は、ベース脚と、該ベース脚から上方に延出した支柱とからなり、前記両支持杆の各々を、前記支柱に上方から螺着したことを特徴としている。
この特徴によれば、両支持杆がそれぞれ支柱に上方から螺着されるので、両支持杆と支柱とを連結のためにL字アングル等の新たな取付部材を用いて支柱の上部を傷めることが回避され、支柱強度を弱めることなく容易に螺着することができる。しかも螺着部が天板によって隠れるので、支柱と両支持杆の連結箇所が外部から遮蔽され見栄えも良い。
【0012】
本発明の請求項6に記載のテーブルのフレーム構造は、請求項5に記載のテーブルのフレーム構造であって、前記各支持杆が前記支柱に螺着されるためのネジ用貫通孔を、前記各支持杆の左右幅方向の範囲内と、左右側端部から外方に突設した突出部との2カ所に少なくとも穿設したことを特徴としている。
この特徴によれば、各支持杆の左右幅から突設した突出部にもネジ用貫通孔を設けたことにより、各支持杆の左右幅内だけにネジ用貫通孔のみを設けるよりも、各支持杆の支持強度の低下を回避することができ、しかも、突出部に必要であればネジ孔を増やして一層の連結強度向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の実施例を以下に説明する。
【実施例】
【0014】
図1は、本発明の実施例におけるフレーム構造を用いたテーブルの全体像を示す斜視図であり、図2は、テーブルの分解組立斜視図であり、図3は、フレーム構造を構成する支持フレーム(前後の支持杆)および取付具と、脚体を構成する一対のベース脚および支柱を示す要部拡大分解斜視図であり、図4(a)は、前後の支持杆のピンと嵌合孔の嵌合による両支持杆の連結過程を示す平面図であり、図4(b)は、連結された両支持杆の突出部を支柱に螺着する状態を示す平面図であり、図4(c)は、さらに両支持杆の左右幅方向の範囲内で支柱と螺着する状態を示す平面図であり、図5(a)は、テーブルのフレーム構造を示す一部破断平面図であり、図5(b)は、テーブルの全体像を示す平面図であり、図6は、図5(b)の矢視A−A線から見た天板および支持杆、支柱、取付具、連結杆の連結構造の概略側面図である。以下、本実施例の説明において、図1に示されたテーブル1に対面した状態で見て、テーブル1の手前側を前方とし、テーブル1の奥行き側を後方とし、左手側を左方、右手側を右方として説明する。
【0015】
図1および図2に示されるように、テーブル1は、主に上面視横長矩形状に形成された天板2と、この天板2の長手方向を支持すべく前後に対向して左右方向に向けて延設された一対の連結フレーム19,20および天板2の左右両端側部を支持すべく左右に対向して前後方向に向く一対の支持杆9,10から構成される左右の支持フレーム8,8から成るフレーム構造と、この支持フレーム8,8が連結される左右の支柱3,3および該支柱3,3の下部に連結され床面60に設置された前後方向を向く一対のベース脚5,6から成る脚体4,4と、左右の支持杆9,10の中間の対向面側に天板を支持する一対の取付具40,41と、両取付具40,41に掛け渡される左右長手方向に延びる連結杆35と、から構成され、例えば、企業の会議室や図書館、学校等の教室にて利用可能になっている。
【0016】
連結フレーム19,20と支持杆9,10とは、前方側に配置の左右の支持杆9,9の前端に連結フレーム19が連結されるとともに、後方側に配置の左右の支持杆10,10の後端に連結フレーム20が連結されることで、上面視横長矩形状のフレームが構成され、このフレーム構造および取付具40,41と連結杆35を介して天板2が脚体4,4に支持される構成になっている。尚、本実施例において、連結フレーム19,20および支持フレーム8(支持杆9,10)、そして支柱3,3およびベース脚5,6はアルミ合金で成型されていることから、軽量で持ち運べ易く且つ強度的にも優れているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、これらの部材を他の材質として強度のある硬質のプラスチック材を用いて成型しても良い。
【0017】
後述において説明するが、予め支持杆9,10は支柱3の上端から下方に向けてボルトで連結固定されており、同様に特に図示しないが、ベース脚5,6は支柱3の下端から上方に向けてボルトで連結固定されたことで、フレーム構造の一部である支持杆9,10と、脚体4,4でも側面視エ字状に一体化されている。また、連結フレーム19,20の左右端部には、ABS樹脂材からなるカバー部材30が各々取り付け可能になっている。
【0018】
次に、支持フレーム8を構成する支持杆9,10と支柱3、取付具40,41および連結杆35について具体的に説明するが、本実施例においては天板2を支持する構造が左右対称の同一構造のため、天板2の左側下面を支持する支持フレーム8および脚体4を中心に以下に説明する。
【0019】
図3に示されるように、前後のベース脚5,6の接合箇所の上部には、支柱3が上方に延出するように設けられ、支柱3の上端3cの左側にはネジ穴3a,3a’が前後位置に上下方向に形成され、右側にも同様にネジ穴3b,3b’が前後に形成されている。支持杆9,10のフラットに形成された上面11,12には、それぞれ前後方向に所定間隔で上方を向く複数の開口が形成されると共に、この開口内に複数の補強用11a,リブ12aが形成されている。支持杆9の後端部の左右方向の一方側(本実施例では右側)は下方に切り欠かれた切欠部11bが形成され、その切り欠かれた後端側に、後端部の後端面9eよりも後方に向けて、一体で突出された突起9aが形成されており、この突起9aの左側面の上下位置に嵌合孔9b,9bが一対凹設されている。
【0020】
支持杆10の前端部の右側略半分は下方に切り欠かれた切欠部12bが形成され、切り欠かれていない他方側(本実施例では左側)に、切り欠かれた前端部の前端面10dよりも前方に向けて、一体で突出された突起10aが形成されており、この突起10aの下方の上下位置に右方に向くピン10b,10bが一対で突設されている。尚、ピン10b,10bの形成箇所は前述の嵌合孔9b,9bに嵌合可能な位置となっている(図4参照)。
【0021】
次に、取付具40には、フラットに形成された上面42から下方に向けて貫通するボルト孔44が前後左右に4箇所で穿設されるとともに、取付具40の左方上部には、取付具40の嵌合突部46が左方に向けて突設され、前後位置に同型のネジ用貫通孔43、43’が上下方向に貫通して形成されている。嵌合突部46は支持杆9,10の切欠部11b,12bに載置可能となっており、嵌合突部46の前後幅の長さは、切欠部11b,12bの前後の長さの和と略同じである。連結杆35の左端部36は取付具40にボルト等で連結され、同様に特に図示しないが取付具41に連結杆35の右端部35が連結される(図5参照)。
【0022】
図4に示されるように、支持杆9の後端部の左側面には、左方に突設する突出部13が設けられ、上下方向にネジ用貫通孔13aが穿設され、このネジ用貫通孔13aの右方位置の後端部上面11(支持杆9の左右幅方向の範囲内にある)に同形のネジ用貫通孔9fが穿設されている。切欠部11bにはネジ穴11cが形成されている。支持杆10の突起10aの左側面にも、左方に突設する突出部14が設けられ、上下方向にネジ用貫通孔14aが穿設され、このネジ用貫通孔14aの右方位置の前端部上面12(支持杆10の左右幅方向の範囲内にある)同形のネジ用貫通孔10fが穿設されている。切欠部12bにはネジ穴12cが形成されている。
【0023】
次に、前後の支持杆9,10と支柱3との連結過程について説明する。まず、図4(a)に示されるように、支持杆10のピン10bを支持杆9の嵌合孔9bに左方から右方に向けて嵌合する。次いで、図4(b)に示されるように、嵌合孔9bにピン10bが嵌合されたことで、両者の連結位置が位置決めされ、支持杆10の前端面10dが突起9aの先端面と、支持杆9の後端面9eが突起10aの先端面と互いに当接係合され、それぞれの切欠部11b,12bも前後で連結される。そして、支持杆9の上面11と支持杆10の上面12とが面一で整合され前後の支持杆9,10が前後方向に向く支持フレーム8として一体化される。
【0024】
そこで、支柱3の上端3cに両支持杆9,10のネジ用貫通孔13aおよびをネジ用貫通孔14aをネジ穴3aとネジ穴3a’と同位置で重ね合わせて載置し、一対のボルト54,54を各々に対応するネジ用貫通孔13a,14aを介してネジ穴3a,3a’に螺合し、突出部13,14を支柱3に締結する。同様に、上面11,12のネジ用貫通孔9f,10fも一対のボルト55,55でネジ穴3b,3b’に螺合して支柱3に締結することで、支持杆9および支持杆10がそれぞれ支柱3の左右2箇所で連結される。
【0025】
このように、各支持杆9,10の左右幅から突設した突出部13,14にもネジ用貫通孔13a,14aを設けたことにより、各支持杆9,10の左右幅内だけにネジ用貫通孔9f,10fのみを設けるよりも、支持杆9,10の支持強度の低下を回避することができ、しかも、突出部13,14に必要であれば、さらに新たなネジ孔を増やして一層の連結強度の向上を図ることもできる。
【0026】
さらに、両支持杆9,10がそれぞれ支柱3に上方からボルト54,55のみで直に螺着されるので、両支持杆9,10と支柱3とを連結のためにL字アングル等の新たな取付部材を用いて支柱3の上部を傷めることが回避され、支柱強度を弱めることなく容易に螺着することができる。
【0027】
そして、支持杆9,10同士が互いに上下2箇所の嵌合孔9bおよびピン10bの嵌合で連結されることから、ピン10bを備えた一方の支持杆10と、嵌合孔9bが形成された他方の支持杆9とのピン回りの相対回動が防止されるので、両支持杆10,9は天板2の荷重に対しても、常に天板2を安定して支持可能な撓みにくく、互いの左右にブレにくいフレーム構造となり、より強力な連結が構築される。
【0028】
しかも、突起9aおよび突起10aはそれぞれの支持杆9の後端部および支持杆10の前端部から一体で突出して形成されているので支持強度に優れ、しかも引き抜き等により容易に加工できる。そして各突起の先端面は、対向する相手側の支持杆の先端面と当接した状態で位置決めされて脚体へ固着できるので、支持杆同士の一体化が図れる。さらに、支持フレーム8を前後の支持杆9,10で構成したことで、例えば、前後幅が異なる天板の場合であっても、長さの異なる支持杆を選定することで柔軟に対応できる。尚、突出部13,14の上部には、遮蔽するABS樹脂製の蓋材15を取付可能になっており、ボルト54の上部を外部から遮蔽することができる。
【0029】
次に、図5(a)に示されるように、支持杆9,9の左右の前端部9d,9dには、それぞれ左右一対のボルト50,50で前方の連結フレーム19が締結され、同じく支持杆10,10の左右の後端部10e,10eには、それぞれ左右一対のボルト50、50で後方の連結フレーム20が締結され、天板2を支持する矩形のフレーム枠が構成される。
【0030】
ボルト等で取り付けられた連結杆35を備えた取付具40,41を取り付けるには、前後左右の支持杆9,10の上方から、左右の支持杆9,10の前後中央に位置する切欠部11b,12bに、取付具40,41の嵌合突部46,46を嵌合し仮固定する。この時、切欠部11b,12bに形成されたネジ穴11c,12cと、嵌合突部46,46の前後に形成されたネジ用貫通孔43,43’が上下位置で重ね合わされる。
【0031】
そして、ボルト52,52を嵌合突部46,46の前後に形成されたネジ用貫通孔43,43’に向けて上方より挿通し、ネジ穴11c,12cに螺合することで、取付具40,41がそれぞれ前後の支持杆9,10の連結箇所の上部に連結される。尚、この取り付けによって取付具40,41および連結杆35も、左右の支持杆9,10および前後の連結フレーム19,20から構成されるフレーム構造の一部となるとともに、連結フレーム19,20、支持杆9,10、取付具40,41および連結杆35の上面は全て同一高さになるように構成されている。
【0032】
つまり、図5(b)および図6に示されるように、支持杆9,10および連結フレーム19,20、そして取付具40,41および連結杆35の上面が同じ高さで面一となり、これら部材に天板2を載置した際に、天板2との間に隙間を生じさせずに外部からの体裁もよく、これら部材の上面で天板2の下面が安定して支持されガタツキも生じさせない。
【0033】
次いで、天板2を支持杆9,10および連結フレーム19,20と、取付具40,41および連結杆35の上面に載置した後、連結フレーム19,20の左右端部および、必要であればそのその中間部に形成された上下に貫通する貫通孔23a,23aに、ボルト51を貫通孔23a,23aの下方から上方に向けて貫通させ、天板2の下面に形成された特に図示しないボルト穴にねじ込むことで天板2が止着される。
【0034】
さらに、図6に示すように、左右の取付具40,41の下方からボルト孔44に向けて、ボルト53を上方に向けて貫通し、天板2の下面に予め形成されたボルト穴2aに螺合することで天板2を止着する。必要であれば支持杆9,10の下方からもボルトで止着してフレーム枠体に天板2を強固に止着することができる。このように、左右の支持杆9,10からそれぞれの対向面側に突設した取付具40,41に天板2が止着されたことで、天板2の前後中間位置の撓みが確実に防止される。特に天板2の前後寸法を大とした場合において、取付具40,41を支持杆9,10の前後中間位置に設けて止着した場合には、天板2の中央部での撓みが、連結杆35と共により効果的に防止される。
【0035】
また、支柱3の上端3cの左側と突出部13との締結に用いられたボルト54の頭部は、蓋材15に覆われたことで遮蔽され、支柱3の上端3cの右側と支持杆9、10との締結に用いられたボルト55の頭部は天板2によって遮蔽され、支持杆9、10と取付具40との締結に用いられたボルト52の頭部も天板2によって遮蔽されて、取付具40と天板2の締結に用いられたボルト53の頭部は、取付具40の内部に配置されることで遮蔽されている。このように、各部材のボルト連結箇所が外部から遮蔽された構造となっており、テーブル1の外部からの見栄えの向上が図られている(図1参照)。
【0036】
以上の説明により本実施例においては、脚体4の一部を構成する支柱3に対して、支持杆9,10を特殊な部品等を介在させることなく、ボルト54,55のみで直接取り付けることができるとともに、ボルト54,55を支持杆9,10の上方から支柱3に向けて取り付けることができるテーブル1のフレーム構造となっている。
【0037】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれ、例えば上記実施例では、支持杆9,10から一体で突起9a,10aが突出されたことで、それぞれの支持杆9,10を引き抜き等で一体にして成型できることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、突起9a,10aを別個に支持杆9の後端部9eおよび前端部10dに設けても良く、熱(レーザー)溶接等で溶着すれば、一体成型とほぼ変わらない支持強度を得られる。
【0038】
また、上記実施例では、支持杆10のピン10bの数を上下2個としたことで、ピン回りの相対回動が確実に防止されることから好ましいが、ピン10bが2個以上あっても良いことは言うまでもなく、本発明はこれに限定されず、前記両突起9a,10aを互いに相対回動不能に取り付けることが可能であれば他の構成でも良く、例えば、ピンの形状を多角形状とすることで、1つのピンであってもピン回りの相対回動を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の実施例におけるフレーム構造を用いたテーブルの全体像を示す斜視図である。
【図2】テーブルの分解組立斜視図である。
【図3】フレーム構造を構成する支持フレーム(前後の支持杆)および取付具と、脚体を構成する一対のベース脚および支柱を示す要部拡大分解斜視図である。
【図4】(a)は、前後の支持杆のピンと嵌合孔の嵌合による両支持杆の連結過程を示す平面図であり、(b)は、連結された両支持杆の突出部を支柱に螺着する状態を示す平面図であり、(c)は、さらに両支持杆の左右幅方向の範囲内で支柱と螺着する状態を示す平面図である。
【図5】(a)は、テーブルのフレーム構造を示す一部破断平面図であり、(b)は、テーブルの全体像を示す平面図である。
【図6】図5(b)の矢視A−A線から見た天板および支持杆、支柱、取付具、連結杆の連結構造を示すの概略側面図である。
【符号の説明】
【0040】
1 テーブル
2 天板
2a ボルト穴
2b 下面
3 支柱(脚体の一部)
3a、3a’ ネジ穴
3b、3b’ ネジ穴
3c 上端
4 脚体
5、6 ベース脚(脚体の一部)
8 支持フレーム
9、10 前後の支持杆(支持フレーム)
9a、10a 突起
9b 嵌合孔
10b ピン
9d、10d 前端部
9e、10e 後端部
9f、10f ネジ用貫通孔
11、12 上面
11a、12a リブ
11b、12b 切欠部
11c、12c ネジ穴
13、14 突出部
13a、14a ネジ用貫通孔
15 蓋材
19、20 連結フレーム
23a 貫通孔
24 下面
30 カバー部材
35 連結杆
35a 上面
36、37 端部
40、41 取付具
42 上面
43、43’ ネジ用貫通孔
44 ボルト孔
46 嵌合突部(取付部)
50、51、52 ボルト
53、54、55 ボルト
59 六角レンチ
60 床面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板と、該天板を支持する少なくとも左右一対の脚体とからなるテーブルにおいて、前記天板を支持するためのテーブルのフレーム構造であって、
前記天板は、前記脚体に設けられた前後方向を向く支持フレームによって支持され、該支持フレームは、独立した前後の支持杆から構成され、該両支持杆を前後方向に対向させた際に、前記前方の支持杆は左右方向の一方側から後方に延びる突起を有し、前記後方の支持杆は左右方向の他方側から前方に延びる突起を有し、前記両突起を互いに相対回動不能に取り付けることによって、前記両支持杆を位置決めした状態で、前記脚体に固着することを特徴とするテーブルのフレーム構造。
【請求項2】
前記両突起のいずれか一方の突起に少なくとも上下に2つの左右方向に向くピンを設けるとともに、他方の突起に嵌合孔を形成し、前記ピンと嵌合孔を嵌合し、前記両突起を互いに相対回動不能に取り付けた請求項1に記載のテーブルのフレーム構造。
【請求項3】
前記突起は、前記前方の支持杆の後端部と、前記後方の支持杆の前端部とから一体に突出したものである請求項1または2に記載のテーブルのフレーム構造。
【請求項4】
前記各突起の先端面は、対向する相手側の支持杆の先端面と当接した状態で位置決めされ前記脚体へ固着される請求項1乃至3のいずれかに記載のテーブルのフレーム構造。
【請求項5】
前記脚体は、ベース脚と、該ベース脚から上方に延出した支柱とからなり、前記両支持杆の各々を、前記支柱に上方から螺着した請求項1乃至4のいずれかに記載のテーブルのフレーム構造。
【請求項6】
前記各支持杆が前記支柱に螺着されるためのネジ用貫通孔を、前記各支持杆の左右幅方向の範囲内と、左右側端部から外方に突設した突出部との2カ所に少なくとも穿設した請求項5に記載のテーブルのフレーム構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−125167(P2007−125167A)
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−319798(P2005−319798)
【出願日】平成17年11月2日(2005.11.2)
【出願人】(000000561)株式会社岡村製作所 (1,415)
【Fターム(参考)】