説明

テーブルのフレーム構造

【課題】脚体同士を連結するフレーム(連結杆)の組み付けが容易で、天板のサイズに合わせて連結杆の選択が自由にでき、天板側から大きな荷重が加えられた場合でも、脚と連結杆の連結構造を大形複雑化することなく天板を確実に支持できるテーブルのフレーム構造を提供すること。
【解決手段】連結杆35は、その左右端部を取付具40,41に固着された状態で脚体3へ固着されるものとし、取付具40,41は少なくとも連結杆35を支持する上方に開口する支持部45と、脚体4へ固着される取付部とを備え、連結杆35は、ボルトによって、外方から取付具40,41に螺着されるとともに、取付部は、脚体3,3の上部の上方に向けて開口形成された切欠部11b,12bに嵌合する嵌合突部46を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本発明は、天板と、該天板を支持する少なくとも左右一対の脚体と、該脚体同士を、左右方向の連結杆により連結してなるテーブルのフレーム構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、天板を支持する少なくとも左右一対の脚体同士を、連結杆により連結してなるテーブルのフレーム構造として、連結杆の中央部位に、床面に接地する2本の中間脚が溶着して一体化され、天板の中央部の荷重を支持しているものが知られている(特許文献1)。そしてこの連結杆の各端部は取付金具を介して前後の側部フレームにボルトで連結されている。
【0003】
【特許文献1】特開2005−185641号公報(段落0013,0016−0017、図1〜4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1にあっては、天板の上方からの強い荷重が連結杆に加わった際に、長手方向を支持する側部フレームを下方に撓ませることがないように、2本の中間脚で撓みを極力防いでいるが、連結杆と中間脚とは溶着により一体化されているため、異なるサイズの天板をテーブルに用いる際に、各種長さの連結杆を中間脚を溶着する必要があり、フレーム構造の構築に手間が掛った。
【0005】
さらに特許文献1には、左右前後の支持脚をそれぞれ連結する連結杆に相当する端部フレームあるいは側部フレームが記載されているが、このフレームは両端に形成された嵌合溝に、支持脚の側部に設けられた突設された嵌合突起がそれぞれ嵌合して連結されているものであり、天板の上方からの強い荷重に対して大きな支持強度を得るために、嵌合突起を長く突設して大きな支持面積を確保しなければならず、支持脚とフレームとの連結構造が大形複雑化する傾向にあった。
【0006】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、脚体同士を連結するフレーム(連結杆)の組み付けが容易で、天板のサイズに合わせて連結杆の選択が自由にでき、天板側から大きな荷重が加えられた場合でも、脚と連結杆の連結構造を大形複雑化することなく天板を確実に支持できるテーブルのフレーム構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載のテーブルのフレーム構造は、天板と、該天板を支持する少なくとも左右一対の脚体と、該脚体同士を、左右方向の連結杆により連結してなるテーブルであって、前記連結杆は、その左右端部を、前記各脚体に固着された取付具に固着されるものとし、 前記取付具は、少なくとも前記連結杆を支持する支持部と、前記脚体へ固着される取付部とを備え、前記連結杆は、前記支持部に載置された状態でボルトによって、外方から前記取付具に螺着されるとともに、前記取付部は、前記取付具における上面を前記脚体方向へ延設してなり、前記脚体上部の上方に向けて開口形成された切欠部に嵌合する嵌合突部からなり、該嵌合突部の高さ及び突出寸法を、前記切欠部の高さ及び前後左右の幅と略同一としたことを特徴としている。
この特徴によれば、脚体上部の上方に向けて開口形成された切欠部に取付具の嵌合突部を上方から載置して脚体に固着できるので、連結構造が簡素でありかつ組み付けが容易に行える。しかも、切欠部の高さ及び前後左右の幅と、嵌合突部の高さ及び突出寸法が略同一となるため、脚体の上面と取付部の上面を面一にでき、天板下面と脚体および取付具との隙間を生じさせずに、安定して天板を支持できるとともに、外部からの見栄えも良くなるばかりでなく、天板の上方からの大きな荷重が加えられた場合でも、取付具を介して脚体の切欠部下面で受けることができ、天板に対し支持強度を安定化させることができる。また、連結杆と脚体の連結に取付具を用いたことで、天板のサイズに合わせて適宜、長さの異なる連結杆の選定組み付けが容易に行える。
【0008】
本発明の請求項2に記載のテーブルのフレーム構造は、請求項1に記載のテーブルのフレーム構造であって、前記嵌合突部の下面における前記支持部側の部位を垂下させて形成した当接面を前記左右の脚体の各々における互いに対向する内面に当接させたことを特徴としている。
この特徴によれば、嵌合突部の支持部側の部位を垂下して形成した当接面を、脚体の互いに対向する内面に当接させているので、脚体と取付具との密着度が高まり、より安定して連結杆が取付具を介して脚体に支持されるるとともに、両者の接合強度を高めることができる。
【0009】
本発明の請求項3に記載のテーブルのフレーム構造は、請求項1または2に記載のテーブルのフレーム構造であって、前記支持部は、前記取付具の上面を開口して形成され、該開口は、前記連結杆の開口への載置時に、支持部の上面と連結杆の上面が面一となり、前後幅が連結杆の前後幅と略等しくなるように構成したことを特徴としている。
この特徴によれば、連結杆の左右端部支持部の上方に開口されたところに載置し、外方よりボルトで螺着できるので、連結杆の取付具への固着が簡便に行える。連結杆の開口への載置時に、支持部の上面と連結杆の上面が面一となり、前後幅が連結杆の前後幅と略等しくなるように開口を構成したので、支持部に連結杆を確実に仮固定でき、かつ連結杆と取付具の上面に段差なく、両者で天板を安定して支持できる。
【0010】
本発明の請求項4に記載のテーブルのフレーム構造は、請求項1乃至3のいずれかに記載のテーブルのフレーム構造であって、前記取付具には、前記開口に連通する左右方向に延びる連結杆取付のための貫通孔が当該当接面よりも対向する脚体寄りの位置に形成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、連結杆と取付具とを貫通孔を介してボルトで螺着したときに、貫通孔が当該当接面よりも対向する脚体寄りの位置に形成されているので、ボルト頭を当接面よりも外方に突出させずに収めることが可能となり、嵌合突部の脚体への嵌合時に取付具の脚体への当接が妨げられず、しかも外部からボルトを完全に遮蔽することができる。
【0011】
本発明の請求項5に記載のテーブルのフレーム構造は、請求項1乃至4のいずれかに記載のテーブルのフレーム構造であって、前記脚体は、床面に接地されるベース脚と、該ベース脚から上方に延出された支柱と、によって構成され、該支柱の上部に前後方向を向く天板を支持する支持杆を固着し、該支持杆の上面を切り欠いて前記切欠部を形成したことを特徴としている。
この特徴によれば、脚体の上部を支柱に固着された前後方向を向く支持杆としたことで、連結杆の左右方向とは異なる前後方向にも天板の支持範囲を拡大でき、天板をより安定して支持できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の実施例を以下に説明する。
【実施例1】
【0013】
図1は、本発明の実施例1におけるフレーム構造を用いたテーブルの全体像を示す斜視図であり、図2は、テーブルの分解組立斜視図であり、図3は、取付具および連結杆と、支持フレーム(前後の支持杆)と、脚体を構成する一対のベース脚および支柱を示す要部拡大分解斜視図であり、図4(a)は、前後の支持杆の連結過程を示す平面図であり、図4(b)は、連結された両支持杆の突出部を支柱に螺着する状態を示す平面図であり、図4(c)は、さらに両支持杆の左右幅方向の範囲内で支柱と螺着する状態を示す平面図である。図5(a)は、取付具を示す平面図であり、図5(b)は、図5(a)のA−A線の断面図であり、図5(c)は、図5(a)のB−B線の断面図と、取付具と連結杆との連結過程を示す平面図であり、図6(a)は、連結杆の左右端部と左右一対の取付具との連結状態を示す断面図であり、図6(b)は、連結杆と一対の取付具との連結状態を示す平面図であり、図7(a)は、テーブルのフレーム構造を示す一部破断平面図であり、図7(b)は、テーブルの全体像を示す平面図であり、図8は、図7(b)の矢視C−C線から見た天板および支持杆、支柱、取付具、連結杆の連結構造を示す概略側面図である。
【0014】
以下、本実施例の説明において、図1に示されたテーブル1に対面した状態で見て、テーブル1の手前側を前方とし、テーブル1の奥行き側を後方とし、左手側を左方、右手側を右方として説明する。図1および図2に示されるように、テーブル1は、主に上面視横長矩形状に形成された天板2と、この天板2の長手方向を支持すべく前後に対向して左右方向に向けて延設された一対の連結フレーム19,20および天板2の左右両端側部を支持すべく左右に対向して前後方向に向く一対の支持杆9,10から構成される左右の支持フレーム8,8から成るフレーム構造と、この支持フレーム8,8が連結される左右の支柱3,3および該支柱3,3の下部に連結され床面60に設置された前後方向を向く一対のベース脚5,6から成る脚体4,4と、左右の支持杆9,10の中間の対向面側に天板を支持する一対の取付具40,41と、両取付具40,41に掛け渡される左右長手方向に延びる連結杆35と、から構成され、例えば、企業の会議室や図書館、学校等の教室にて利用可能になっている。
【0015】
連結フレーム19,20と支持杆9,10とは、前方側に配置の左右の支持杆9,9の前端に連結フレーム19が連結されるとともに、後方側に配置の左右の支持杆10,10の後端に連結フレーム20が連結されることで、上面視横長矩形状のフレームが構成され、このフレーム構造および取付具40,41と連結杆35を介して天板2が脚体4,4に支持される構成になっている。尚、本実施例において、連結フレーム19,20および支持フレーム8(支持杆9,10)、そして支柱3,3およびベース脚5,6はアルミ合金で成型されていることから、軽量で持ち運べ易く且つ強度的にも優れているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、これらの部材を他の材質として強度のある硬質のプラスチック材を用いて成型しても良い。
【0016】
後述において説明するが、予め支持杆9,10は支柱3の上端から下方に向けてボルトで連結固定されており、同様に特に図示しないが、ベース脚5,6は支柱3の下端から上方に向けてボルトで連結固定されたことで、フレーム構造の一部である前後の支持杆9,10と脚体である支柱3および前後のベース脚5,6とが、側面視エ字状に一体で構成されている。また、連結フレーム19,20の左右端部には、ABS樹脂材からなるカバー部材30が各々取り付け可能になっている。
【0017】
次に、支持フレーム8を構成する支持杆9,10と支柱3、取付具40,41および連結杆35について具体的に説明するが、本実施例においては天板2を支持する構造が左右対称の同一構造のため、天板2の左側下面を支持する脚体4側を中心に以下に説明する。
【0018】
図3に示されるように、脚体4は、床面60に接地される前後方向を向くベース脚5,6と、ベース脚5,6の接合箇所の上部から上方に延出された支柱3と、から構成され、支柱3の上端3cの左側には、ネジ穴3a,3a’が前後位置に上下方向に形成され、右側にも同様にネジ穴3b,3b’が前後に形成されている。支柱3の上端には、後述において説明するが、前後方向に向けて天板2を支持する支持杆9,10が固着可能となっており、支持杆9,10のフラットに形成された上面11,12には、それぞれ前後方向に所定間隔で上方を向く複数の開口が形成されると共に、この開口内に複数の補強用11a,リブ12aが形成されている。
【0019】
支持杆9の後端部の右側は下方に切り欠かれた切欠部11bが形成され、その後端側に後端部9eよりも後方に向けて、一体で突出した突起9aが形成されている。支持杆10の前端部の右側略半分は下方に切り欠かれた切欠部12bが形成され、その左側に前端部よりも前方に向けて、一体で突出された突起10aが形成されている。
【0020】
取付具40には、図5(a)(b)にも示されるように、フラットに形成された上面42から下方に向けて貫通するボルト用の貫通孔44が前後左右に4箇所で穿設されるとともに、取付具40の左方上部には、取付具40の取付部に相当する嵌合突部46が突設され、前後に同型のボルト用の貫通孔43、43’が上下方向に貫通して形成されている。嵌合突部46は支持杆9,10の切欠部11b,12bに載置可能となっており、嵌合突部46の前後幅の長さは、切欠部11b,12bの前後幅の長さの和と略同じであるとともに、嵌合突部46の左右方向における突出寸法は、切欠部11b,12bの左右幅と略同一であり、嵌合突部46の高さと切欠部11b,12bとの高さも略同一である。したがって、嵌合突部46を切欠部11b,12bに載置したときには、両者の上面は面一になっている。
【0021】
嵌合突部46の下面における後述する支持部45側の部位を垂下させて形成した当接面47の前後中間位置には右方に向けて凹溝47aが形成されており、この凹溝47aからこの当接面47側の支柱3と対向する支柱3寄りの方向に向けてボルト用の貫通孔45a,45aが開口されている。
【0022】
上面42の前後中間位置の右方には、図5(c)にも示されるように下方に切り欠かれ上方が開口する支持部45が形成され、この支持部45にはボルト39,39を左右方向に挿通可能なボルト用の貫通孔45a,45aが上下所定間隔で離間された位置で形成され、凹溝47aに向けて貫通している。支持部45の下端には右方に向く支持片45bが設けられており、連結杆35の左端部36を支持可能になっている。連結杆35の左端部36には若干内側に螺着部38が設けられ、上下に一対で螺合孔38a,38aが形成されている。尚、連結杆35の右端部37にも、同様に螺合孔38aを備えた螺着部38が設けられている(図3参照)。
【0023】
取付具40に連結杆35を取り付けるには、図5(c)に示されるように、取付具40の支持片45bに連結杆35の左端部36を載置させた後、ボルト39,39を凹溝47a側からボルト用の貫通孔45a,45aに挿通するとともに、螺合孔38a,38aに向けて螺合する。この螺合の際には、図6(a)に示されるように、ボルトの取り付け作業を容易かつ確実に行うため本実施例では六角レンチ59を用いて作業が行われる。そこで、ボルト39が六角レンチ59の操作により、ボルト用の貫通孔45aを介して螺合孔38aに向けて螺合し締め込まれていくことで、連結杆35が直に取付具40に締結され、同様に連結杆35の右端部37も一対のボルト39で取付具41に締結される。
【0024】
このように、連結杆35の両端部36,37は、それぞれ外方より上下2箇所でボルト39,39によって螺着されたことで、連結杆35が簡便かつ強固に固定されるとともに、ボルト39,39が少なくとも2箇所でボルト用の貫通孔45a,45aを介して連結杆35に螺着されて、ボルト39,39周りの相対回動が確実に規制されるので、連結杆35が安定して取付具40,41を介して支柱3に固着され、常に天板2を安定して支持可能な構成となる。また、取付具40,41に左右方向を向く支持片45bが設けられたことで、連結杆35の両端部36,37を支持片45bに載置するだけで、ボルト用の貫通孔45aと螺合孔38aの上下位置が重なり、ボルト39を左右方向に挿通し易い状態で位置決めされる構成になっている。
【0025】
そして、図6(b)に示されるように、左右の取付具40,41の支持部45,45の上方が開口した開口部の前後幅は連結杆35の前後幅と略等しく、開口部の高さは、連結杆35を支持片45bに載置したときに、支持部45,45の上面42と連結杆35の上面が面一になるように構成されている。したがって、連結杆35および取付具40に天板2を載置した場合においても、天板2の下面との隙間を生じさせずに、連結杆35および取付具40で天板を安定して支持できるとともに、外部からの見栄えも良くなる(図8参照)。さらに、連結杆35の左右端部36,37が支持部45,45に直に挟持されるので、取付具40,41と連結杆35との一体性が保たれ、より強い連結強度となる。しかも、当接面47の前後中間位置には凹溝47aが形成されたことで、ボルト39を前後側面48,49で遮蔽することができる。
【0026】
図4に示されるように、支持杆9の後端部の左側面には、左方に突設する突出部13が設けられ、上下方向にボルト用の貫通孔13aが穿設され、このボルト用の貫通孔13aの右方位置の上面11の左右幅方向の範囲内に同形のボルト用の貫通孔9fが穿設されている。切欠部11bにはネジ穴11cが形成されている。支持杆10の突起10aの左側面には、左方に突設する突出部14が設けられ、上下方向にボルト用の貫通孔14aが穿設され、このネジ用貫通孔14aの右方位置の上面12の左右幅方向の範囲内に同形のボルト用の貫通孔10fが穿設されている。切欠部12bにはネジ穴12cが形成されている。
【0027】
次に、前後の支持杆9,10と支柱3との連結過程について説明する。まず、図4(b)に示されるように、支持杆9の後端部9eを支持杆10の突起10aに当接させ、支持杆10の前端部10dを支持杆9の突起9aに当接させる。この当接に際し、図4(a)に示されるように、突起10aの側面に設けたピン等の突出物を突起9aの側面に設けた嵌合孔に嵌合係止させる。これにより、前後の支持杆9,10の上面11と上面12とが面一で整合し、切欠部11b,12bが前後で連接する。
【0028】
そして、支持杆9のボルト用の貫通孔13aと支柱3のネジ穴3aおよび、支持杆10のボルト用の貫通孔14aと支柱3のネジ穴3a’を位置合わせして載置し、一対のボルト54,54で突出部13,14を支柱3に締結する。この締結時に、支持杆9、10のボルト用の貫通孔9f,10fは、支柱3のネジ穴3b,3b’に上下位置で重なるので、図4(c)に示されるように、一対のボルト55,55を各々に対応するボルト用の貫通孔9f,10fを介してネジ穴3b,3b’に螺合して支柱3に締結する。これにより支持杆9および支持杆10がそれぞれ支柱3の左右2箇所で連結され、支持杆9,10が前後方向に向く支持フレーム8として一体化される。尚、突出部13,14の上部には、遮蔽するABS樹脂製の蓋材15が取付可能になっており、ボルト54の上部を外部から遮蔽することができる。
【0029】
その後、図7(a)に示されるように、支持杆9,9の左右の前端部9d,9dをそれぞれ一対のボルト50,50で前方の連結フレーム19に締結し、同じく支持杆10,10の左右の後端部10e,10eをそれぞれ一対のボルト50、50で後方の連結フレーム20に締結し、天板2を支持する矩形のフレーム枠が構成される。
【0030】
次に、左右に取付具40,41を連結した連結杆35を支柱3側に取り付けるには、図7(a)に示されるように、支持杆9,10の上方に開口する切欠部11b,12bに向けて、取付具40,41の嵌合突部46,46を上方から嵌合することで、切欠部11b,12bの高さ及び前後左右の幅と、嵌合突部46,46の高さ及び突出寸法が略同一となるため、切欠部11b,12bに嵌合突部46,46を簡便に嵌合でき仮固定される。この時、切欠部11b,12bに形成されたネジ穴11c,12cと、嵌合突部46,46の前後に形成されたボルト用の貫通孔43,43’とは上下位置でほぼ整合している。
【0031】
そして、ボルト52,52を嵌合突部46,46の前後に形成されたボルト用の貫通孔43,43’に向けて上方より挿通し、ネジ穴11c,12cに螺合することで、取付具40,41がそれぞれ前後の支持杆9,10の連結箇所の上部に連結される。
【0032】
取付具40,41および連結杆35も、左右の支持杆9,10および前後の連結フレーム19,20から構成されるフレーム構造の一部となる。この取り付けによって、図8に示されるように、支持杆9,10および連結フレーム19,20、そして取付具40,41および連結杆35の上面が同じ高さで面一となり、これら部材に天板2を載置した際に、天板2との間に隙間を生じさせずに外部からの体裁もよく、これら部材の上面で天板2の下面が安定して支持されガタツキも生じることがない。
【0033】
次いで、天板2を支持杆9,10および連結フレーム19,20と、取付具40,41および連結杆35の上面に載置した後、連結フレーム19,20の左右端部および、必要であればそのその中間部に形成された上下に貫通する貫通孔23a,23aに、ボルト51を貫通孔23a,23aの下方から上方に向けて貫通させ、天板2の下面に形成された特に図示しないボルト穴にねじ込むことで天板2が止着される。
【0034】
さらに、図7,8に示すように、左右の取付具40,41の下方からボルト用の貫通孔44に向けて、ボルト53を上方に向けて貫通し、天板2の下面に予め形成されたボルト穴2aに螺合することで天板2を止着する。必要であれば支持杆9,10の下方からもボルトで止着してフレーム枠体に天板2を強固に止着することができる。このように、左右の支持杆9,10からそれぞれの対向面側に突設した連結杆35を備えた取付具40,41を天板2に止着することで、天板2の前後中間位置の撓みが確実に防止される。
【0035】
このように、左右の脚体4,4(支柱3、ベース脚5,6)の上部に支柱3,3に固着された前後方向を向く支持杆9,10を固着としたことで、連結杆35の左右方向とは異なる前後方向にも天板2の支持範囲を拡大でき、天板2をより安定して支持できるとともに、支持杆9,10の上面を切り欠いて切欠部11b,12bを形成したことで、取付具40,41の嵌合突部46,46を支持杆9,10の上方から容易に取り付けることができる。
【0036】
そして、図8に示されるように、取付具40が支持杆9、10に連結された状態において、当接面47が切欠部11bの左側面に当接されることから、支持杆9と取付具40との密着度が高まり、両者の接合強度を高めることができ、支持杆9、10に対する取付具40の収まりがよく、連結強度が高められるので、より安定して連結杆35が取付具40を介して脚体に支持されることになる。
【0037】
さらに、取付具40と連結杆35とを連結するボルト39のボルト頭39aが凹溝47a内に収納されたことにより、このボルト頭39aが当接面47よりも外方に突出されずにボルト用の貫通孔45a側に収納され、支持杆9、10と取付具40の連結時にボルト頭39aの支持杆9、10への当接が回避されるとともに、外部からボルト頭39aが遮蔽され見栄えも良い。
【0038】
また、支柱3の上端3cの左側と突出部13との締結に用いられたボルト54の頭部は、蓋材15に覆われたことで遮蔽され、支柱3の上端3cの右側と支持杆9との締結に用いられたボルト55の頭部は天板2によって遮蔽され、支持杆9と取付具40との締結に用いられたボルト52の頭部も天板2によって遮蔽されて、取付具40と天板2の締結に用いられたボルト53の頭部は、取付具40の内部に配置されることで遮蔽されている。 更に、取付具40と連結杆35の締結に用いられたボルト39の頭部39aは、係合突部46と、その下面に垂下された当接面47とが支持杆9、10の内面側に当接することで遮蔽されている。
【0039】
以上の説明により本実施例1においては、連結杆35と支持杆9,10の連結に取付具40,41を用いたことで、天板2のサイズに合わせて適宜、連結杆35の交換および組み付けが容易に行えるとともに、連結杆35は取付具40,41および支持杆9,10を介して左右の支柱3,3の上部で支持されるので、連結杆35に天板2の上方からの大きな荷重が加えられた場合でも、脚体である支柱3,3および、それに対応するベース脚5,6によって強固に支持される。
【実施例2】
【0040】
次に、本発明の実施例2を図9に基づいて説明する。図9(a)は、本発明の実施例2における取付具の支柱への取り付け示す平面図であり、図9(b)は、取付具を支柱に螺着する過程を示す平面図である。尚、以下の実施例2において前述の実施例1と同様の構造部分に関しては、同一の符号を付すことにより詳細な説明は省略することにする。
【0041】
図9(a)に示されるように、支柱31の上端31cの右側の中間部は、下方に切り欠かれた切欠部31dが形成され、切欠部31dの前後位置に等間隔で同形のネジ穴31a,31bが一対で形成されている。この切欠部31dの前後方向の幅および高さは、取付具40’の嵌合突部46’の前後方向の幅および高さと略同一に形成されている。嵌合突部46’の前後位置にもネジ穴31a,31bと対応するように、等間隔幅で略同形のボルト用の貫通孔43’’,43’’’が形成されている。
【0042】
取付具40’には予めボルト39が左方の支柱31側の外方より右方(内側)に向けて、ボルト用の貫通孔45aを貫通して、左右に延びる連結杆35に螺合締結され、連結杆35の上面と取付具40’の上面42とが面一で整合されており、当接面47の前後中央に形成された凹溝47a内にはボルト頭39aが収納されている。そこで、嵌合突部46’を上方から切欠部31dに向けて載置する。
【0043】
図9(b)に示されるように、切欠部31dに嵌合突部46’が嵌合されると、ネジ穴31a,31bにボルト用の貫通孔43’’,43’’’が同位置で重ね合わされ、ボルト54’の連結位置が位置決めされる。そして、取付具40’の上面42と支柱31の上端31cとが面一で整合されるとともに、取付具40’が支柱3に仮固定される。次いで、ボルト54’,54’を上方からボルト用の貫通孔43’’,43’’’を介してネジ穴31a,31bに螺合することで、支柱31に取付具40’が連結される。
【0044】
そして、図示しないボルトを取付具40’の下方から上方に向けて、前後左右に形成されたボルト用の貫通孔44を貫通して天板に螺合することで、天板が取付具40’に止着される。尚、この連結状態において、支柱31の上端31cおよび取付具40’の上面42と連結杆35の上面とは面一で整合されるので、この3部材(支柱31,取付具40’,連結杆35)で天板を安定して支持できるとともに、天板の下面との隙間を生じさせずに外部からの見栄えも良いものとなる。また、支柱3の右側面(内側面31e)に取付具40’の当接面47が接合されており、ボルト頭39aは外部から遮蔽される。
【0045】
以上の説明により実施例2では、前述の実施例1において説明した脚体4の上部に固着された支持杆9,10(図7参照)を用いることなく、支柱31の上端31cに取付具40’を直に支柱31に取り付けるたもので、必ずしも支柱に支持杆を設けた上で取付具を固定する必要はない。
【0046】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれ、例えば上記実施例では、床面60に接地されるベース脚5,6から上方に向けて支柱3を延出することで、脚体4が構成され支柱3の天板2に対する支持強度を高めていることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、ベース脚5,6を用いることなく直に支柱を単独で床面に立設して、脚体を構成するようにしても良い。
【0047】
また、上記実施例では、支持杆9の前端部9dおよび支持杆10の後端部10eに連結フレーム19,20を連結することで、天板2を支持する矩形のフレーム枠体を構成し、天板の前後左右側端部を安定して支持できることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、連結フレーム19,20を用いなくても良い。天板が比較的小さい場合には、脚体4,4に支持された連結杆35で天板を支持させることも可能である。
【0048】
また、上記実施例では、取付具40,41の支持部45を上面が開口するように形成することで、連結杆の左右端部36,37を上方から支持部45に容易に載置できることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、上面が開口されない支持部であっても、左右方向から支持部に向けて連結杆35の左右端部36,37を嵌入して取り付けることができることは言うまでもない。
【0049】
更に、上記実施例では、連結杆35の端部を2つのボルト39、39で取付具40に螺合連結させているが、ボルトの数は2個に限定されるものではなく、1個であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の実施例1におけるフレーム構造を用いたテーブルの全体像を示す斜視図である。
【図2】テーブルの分解組立斜視図である。
【図3】取付具および連結杆と、支持フレーム(前後の支持杆)と、脚体を構成する一対のベース脚および支柱を示す要部拡大分解斜視図である。
【図4】(a)は、前後の支持杆の連結過程を示す平面図であり、(b)は、連結された両支持杆の突出部を支柱に螺着する状態を示す平面図であり、(c)は、さらに両支持杆の左右幅方向の範囲内で支柱と螺着する状態を示す平面図である。
【図5】(a)は、取付具を示す平面図であり、(b)は、図5(a)のA−A線の断面図であり、(c)は、図5(a)のB−B線の断面図と、取付具と連結杆との連結過程を示す平面図である。
【図6】(a)は、連結杆の左右端部と左右一対の取付具との連結状態を示す断面図であり、(b)は、連結杆と一対の取付具との連結状態を示す平面図である。
【図7】(a)は、テーブルのフレーム構造を示す一部破断平面図であり、(b)は、テーブルの全体像を示す平面図である。
【図8】図7(b)の矢視C−C線から見た天板および支持杆、支柱、取付具、連結杆の連結構造を示す概略側面図である。
【図9】(a)は、本発明の実施例2における取付具の支柱への取り付け示す平面図であり、(b)は、取付具を支柱に螺着する過程を示す平面図である。
【符号の説明】
【0051】
1 テーブル
2 天板
2a ボルト穴
2b 下面
3 支柱(脚体の一部)
3a、3a’ ネジ穴
3b、3b’ ネジ穴
3c 上端
4 脚体
5、6 ベース脚(脚体の一部)
8 支持フレーム
9、10 前後の支持杆(支持フレーム)
9a、10a 突起
9d、10d 前端部
9e、10e 後端部
9f、10f ボルト用の貫通孔
11、12 上面
11a、12a リブ
11b、12b 切欠部
11c、12c ネジ穴
13、14 突出部
13a、14a ボルト用の貫通孔
15 蓋材
19、20 連結フレーム
23a 貫通孔
24 下面
30 カバー部材
31 支柱
31a,31b ネジ穴
31c 上端
31d 切欠部
31e 内側面
35 連結杆
35a 上面
36、37 端部
38 螺着部
38a 螺合孔
39 ボルト
39a ボルト頭
40、41 取付具
40’ 取付具
42 上面
43、43’ ボルト用の貫通孔
43’’、43’’’ ボルト用の貫通孔
44 ボルト用の貫通孔
45 支持部
45a ボルト用の貫通孔
45b 支持片
46、46’ 嵌合突部(取付部)
47 当接面
47a 凹溝
48、49 側面
50、51、52 ボルト
53、54、55 ボルト
54’ ボルト
59 六角レンチ
60 床面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板と、該天板を支持する少なくとも左右一対の脚体と、該脚体同士を、左右方向の連結杆により連結してなるテーブルであって、
前記連結杆は、その左右端部を、前記各脚体に固着された取付具に固着されるものとし、 前記取付具は、少なくとも前記連結杆を支持する支持部と、前記脚体へ固着される取付部とを備え、前記連結杆は、前記支持部に載置された状態でボルトによって、外方から前記取付具に螺着されるとともに、前記取付部は、前記取付具における上面を前記脚体方向へ延設してなり、前記脚体上部の上方に向けて開口形成された切欠部に嵌合する嵌合突部からなり、該嵌合突部の高さ及び突出寸法を、前記切欠部の高さ及び前後左右の幅と略同一としたことを特徴とするテーブルのフレーム構造。
【請求項2】
前記嵌合突部の下面における前記支持部側の部位を垂下させて形成した当接面を前記左右の脚体の各々における互いに対向する内面に当接させた請求項1に記載のテーブルのフレーム構造。
【請求項3】
前記支持部は、前記取付具の上面を開口して形成され、該開口は、前記連結杆の開口への載置時に、支持部の上面と連結杆の上面が面一となり、前後幅が連結杆の前後幅と略等しくなるように構成した請求項1または2に記載のテーブルのフレーム構造。
【請求項4】
前記取付具には、前記開口に連通する左右方向に延びる連結杆取付のための貫通孔が当該当接面よりも対向する脚体寄りの位置に形成されている請求項2または3に記載のテーブルのフレーム構造。
【請求項5】
前記脚体は、床面に接地されるベース脚と、該ベース脚から上方に延出された支柱と、によって構成され、該支柱の上部に前後方向を向く天板を支持する支持杆を固着し、該支持杆の上面を切り欠いて前記切欠部を形成した請求項1乃至4のいずれかに記載のテーブルのフレーム構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−125168(P2007−125168A)
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−319799(P2005−319799)
【出願日】平成17年11月2日(2005.11.2)
【出願人】(000000561)株式会社岡村製作所 (1,415)
【Fターム(参考)】