説明

テーブル

【課題】誰にでも天板のフラップ動作や使用位置とする動作を行ない易く、且つ使用位置において誤って天板をフラップ動作してしまうという不具合を有効に回避したテーブルを提供する。
【解決手段】テーブルTは、天板2の下面における使用端2aに近い位置に前記天板2に接離する方向に回動するロック解除用のレバー223を設けるとともに、そのレバー223の近接する位置に使用位置Pにおいてこのレバー223よりも下方に突出する保護突部たるハンドル23を設けている。これにより、使用位置Pにあるレバー223に使用者の足や、例えば移動可能な椅子や車椅子の肘が当接してしまい、天板2が動作してしまうという不具合を有効に回避し得たものとなっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オフィスや会議室等に好適に用いられる、天板がフラップ動作可能に構成されたテーブルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、特に会議室などでは、非使用時に多くのテーブルを少ないスペースに収容することができるように、例えば使用位置にあるテーブルの天板を縦に跳ね上げて収納位置とし、他の同型のテーブルとスタックするなどして、少ないスペースにしまい込むことができる、フラップ天板式のテーブルが多く使用されている。(例えば、特許文献1参照)。当該特許文献1に記載のものは、例えば天板のフラップ動作の際における異物の挟み込み等を有効に回避し得るものとなっている。
【0003】
ところで、現在では上記のようなテーブルのみならず、種々の家具に対し、誰にでも簡単に、且つ誤り難く操作し得るという、いわゆるユニバーサルデザインという視点からの機能が求められている。そして上記のようなフラップ天板式のテーブルの場合、天板をフラップ動作させる際に使用者が操作するためのレバーを、使用位置にあるテーブルの使用者にとって都合の良い位置に配置することが考えられる。しかしながら、そのような位置とは勿論使用者に近接した位置にレバーを配置することとなる。すなわち、使用者に近接した位置にレバーを配置するということは、使用者が意図しないとき使用者の動作によってに誤ってレバーを動かしてしまったり、係る誤操作を回避しようとして使用者が意図しない配慮を強いられてしまったりというと言うことが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−50475号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述した点に着目したものであり、誰にでも天板のフラップ動作や使用位置とする動作を行ない易く、且つ使用位置において誤って天板をフラップ動作してしまうという不具合を有効に回避したテーブルを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、このような目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。
【0007】
すなわち本発明に係るテーブル天板を使用位置と起立した収納位置との間でフラップ動作させることができるとともに、少なくとも前記使用位置において前記天板をフラップ動作不能にロックすることができるようにしたテーブルにおいて、前記天板の下面における使用端に近い位置に前記天板に接離する方向に回動するロック解除用のレバーを設けるとともに、そのレバーの近接する位置に前記使用位置においてこのレバーよりも下方に突出する保護突部を設けていることを特徴とする。
【0008】
このようなものであれば、レバーよりも下方に突出するように当該レバーに近接した位置で保護凸部を設けているので、使用位置にあるレバーに使用者の足や、例えば移動可能な椅子や車椅子の肘が当接してしまい、天板が動作してしまうという不具合を有効に回避することができる。これにより、使用者自らが意図した場合のみレバーを動作させ得るものとなるのみならず、レバーの誤操作をしてしまうことを気にすることなく快適にテーブルを使用することができる。すなわち本発明によれば、使用者が簡単且つ安心して使用し得るテーブルを提供することができる。
【0009】
保護凸部の存在を必要以上に目立たせず、且つ扱いやすいものとするためには、保護突部を手を掛けることができるハンドルとすることが望ましい。
【0010】
使用位置にある天板を使用している使用者にとって扱いやすく、速やかにレバーを操作し得るものとするためには、レバーを、前記天板の使用端と側縁とが交わるコーナー部の近傍に設けることが望ましい。
【0011】
さらに使用位置にあるテーブルにおける使用者の着座位置に拘わらず使用者がレバーを扱い易くためには、レバーを、前記天板の使用端と一方の側縁とが交わるコーナー部の近傍、及び前記天板の使用端と他方の側縁とが交わるコーナー部の近傍にそれぞれ設けることが望ましい。
【0012】
そしてレバーを前記コーナー部に配した場合の保護凸部の配置の望ましい一例として、この保護突部を、近接するレバーよりも左右方向中央寄りに配置しておくことが好ましい。
【0013】
特に、使用者の座り方等の姿勢に拘わらずレバーの操作を行ないやすくするためには、このレバーを、先端側が漸次天板から離れる方向に湾曲した形状とすることが望ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、誰にでも天板のフラップ動作や使用位置とする動作を行ない易く、且つ使用位置において誤って天板をフラップ動作してしまうという不具合を有効に回避したテーブルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態に係る外観図。
【図2】同正面図。
【図3】同要部の外観図。
【図4】同右側面図。
【図5】同他の右側面図。
【図6】図2に係る要部のX−X線断面図。
【図7】図6に係る動作説明図。
【図8】同実施形態に係る要部の分解斜視図。
【図9】同実施形態に係る要部の右側面図。
【図10】図9に係る要部の作用説明図。
【図11】同実施形態に係る要部の構成説明図。
【図12】図11に係る動作説明図。
【図13】図9に係るY−Y線断面図。
【図14】同Z−Z線断面図。
【図15】同実施形態に係る要部の外観図。
【図16】図15に係る動作説明図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態を図1〜図16を参照して説明する。
【0017】
このテーブルTは、図1〜図5に示すように、天板2を使用位置(P)と起立した収納位置(Q)との間でフラップ動作させることができるとともに、少なくとも前記使用位置(P)において前記天板2をフラップ動作不能にロックすることができるようにしたものである。すなわち、このテーブルTは、左右対をなす移動可能な脚体1と、これら脚体1に開口部211を有する取付フレーム21を枢支させることにより使用位置(P)と起立した収納位置(Q)との間でフラップ動作可能な天板2と、前記天板2の前記取付フレーム21内に設けられこの天板2を少なくとも前記使用位置(P)にロックするためのロック機構22と、前記開口部211の一部を塞ぐようにして設けられたハンドル23とを主体に構成されたものである。
【0018】
各脚体1は、同図に示すように、脚ベース3と、この脚ベース3の中間位置に立設した支柱4と、この支柱4の上端部4aにビスを介して止着された支持部材9とを具備してなる。左右の脚体1は、前記支持部材9間に架設した横架材Sにより剛結されている。脚ベース3は、ベース本体5と、このベース本体5の使用端2a側に装着された第一のキャスタ6と、前記ベース本体5の反使用端2b側に装着された第二のキャスタ8とを備えたものである。
【0019】
ベース本体5は、図1、図2、図4、図5、図9及び図10に示すように、キャスタ収容空間55、56を形成すべく下縁が切り欠かれた形状をなす使用端側のキャスタ取付部51及び反使用端側のキャスタ取付部52を備えたものであり、前記使用端側のキャスタ取付部51に前記第一のキャスタ6が旋回可能に取り付けられているとともに、前記反使用端側のキャスタ取付部52に前記第二のキャスタ8が旋回可能に取り付けられている。詳述すれば、ベース本体5は、板金素材を主体に構成されたものであり、少なくとも前記キャスタ取付部51、52に、その素材端面を覆う樹脂製のカバー57、58を備えている。具体的には、ベース本体5は、板金素材を下方に開口するチャネル状に成形したもので、各キャスタ取付部51、52にはナット51a、51bを有したキャスタ取付座51a、52aが溶接等により固設されているとともに、中間部53には、前記支柱4を補強するための支柱補強板53aが取り付けられている。ベース本体5の天壁54は、上方に膨出するような湾曲形状をなしている。また、前記使用端側のキャスタ収容空間55は、操作部材7に対する操作を常時可能にするだけの大きさを備えている。反使用端側のキャスタ収容空間56は、第二のキャスタ8の旋回動作を許容するのに必要かつ十分な大きさに設定されている。使用端2a側のキャスタ収容空間55に面する第一のカバー57は、素材端面を含みベース本体5の使用端側のキャスタ取付部51の下面全域を覆うカバー本体57aと、このカバー本体57aに一体に設けられベース本体5の使用端2a側の端面を覆う先端キャップ57bとを備えている。反使用端2b側のキャスタ収容空間56に面する第二のカバー58は、素材端面を含みベース本体5の反使用端2b側のキャスタ取付部52の下面全域を覆うカバー本体58aと、このカバー本体58aに一体に設けられベース本体5の反使用端2b側の端面を覆う先端キャップ58bとを備えている。
【0020】
第一のキャスタ6は、図9〜図16に示すように、取付軸61に対して旋回動作可能なキャスタ本体62と、このキャスタ本体62に軸着された車輪63と、操作部材7を下位置(D)に操作した場合に前記車輪63を前記キャスタ本体62に対してロックするとともに、前記操作部材7を上位置(U)に操作した場合にそのロック状態を解除するように構成されたブレーキ機構64とを具備してなる。なお図11は、第一のキャスタ6において片方の車輪63を取り外して示す構成説明図である。キャスタ本体62は、前記ベース本体5のキャスタ取付座51aに取り付けられた取付軸61に対して水平方向に旋回可能に構成されたもので、前記車輪63を支持するための支軸62aを備えており、その支軸62aの両端に対をなす車輪63をそれぞれ回転可能に設けている。ブレーキ機構64は、水平な軸75bを介してキャスタ本体62に上下方向に回動可能に支持された操作部材7と、この操作部材7の回動に伴って車輪63のリム63aの内周に対して接離するピン状の係止部材66と、この係止部材66と係合すべく前記リム63aの内周に設けられた内歯歯車65と、前記操作部材7を上位置(U)または下位置(D)に安定保持するための節度部材67とを具備してなる。操作部材7は、上下方向に間隔をあけて配された上操作片73及び下操作片74を備えたものであり、前記車輪63がキャスタ本体62に対してロックされる下位置(D)において前記下操作片74が床面に対して起立したような姿勢で近接するように構成されている。詳述すれば、操作部材7は、基端部75が軸75bを介して前記キャスタ本体62に支持されたアーム部71と、このアーム部71の回動端に設けられた板状をなす中間部72と、この中間部72の上側に設けられた上操作片73と、前記中間部72の下側に設けられた下操作片74とを具備してなるもので、合成樹脂により一体に形成されている。上操作片73は、下位置(D)において下を向く面を主操作面76として操作されるようになっており、下操作片74は、上位置(U)において上を向く面を主操作面78として操作されるようになっている。そして、下操作片74の主操作面78は、下位置(D)において床面に対してほぼ起立した姿勢をなすように設定されている。そして、この主操作面78には、操作を促すとともに、操作時の滑りを抑制するための凹凸78aが設けられている。一方、前記上操作片73は、前記車輪63がキャスタ本体62に対してロックされる下位置(D)においてほぼ水平姿勢になるよう構成されている。すなわち、上操作片73の主操作面76は、下位置(D)において下を向くように設定されている。そして、前記上操作片73の前記下位置(D)において上を向く面、すなわち、前記主操作面76に対する裏側の面77にロック状態である旨を示す表記77aが施されている。具体的には「LOCK」という文字が記載されている。なお、上操作片73、下操作片74及び中間部72の幅寸法は、当該第一のキャスタ6の全幅寸法に近い値に設定してある。係止部材66は、前記操作部材7の基端部75における前記軸から偏心した位置に貫設されたピン状のもので、その両端部を両車輪63のリム63aの内周に臨ませている。そして、操作部材7が下位置(D)に操作された場合に係止部材66が車輪63のリム63a方向に移動して内歯歯車65に係り合うようになっており、それによって、前記両車輪63がキャスタ本体62に対してロックされるようになっている。一方、操作部材7が上位置(U)に操作された場合には、係止部材66が車輪63のリム63aから離れる方向に移動しそのロック状態が解除されるようになっている。節度部材67は、キャスタ本体62に一体に形成された板バネ状のもので、操作部材7のアーム部71の基端部75外周に形成されたカム面75aに弾接して節度機能を発揮し得るようにしたものである。
【0021】
第二のキャスタ8は、図1、図4、図5及び図9に示すように、取付軸81に対して旋回動作可能なキャスタ本体82と、このキャスタ本体82に軸着された車輪83とを備えたもので、前述したブレーキ機構64を備えていないものである。
【0022】
支柱4は、図1〜図8に示すように、例えばパイプ状をなす金属製のもので、脚ベース3の天壁54及び支柱補強板53aに溶接等により取り付けられている。
【0023】
支持部材9は、図6、図7及び図8に示すように、例えば厚板板金製のもので、天板2を使用位置(P)にロックするための第一係止部91と、天板2を収納位置(Q)に保持するための第二係止部92とを備えている。
【0024】
しかして本実施形態に係るテーブルTは上述の通り、前記天板Tの下面における使用端2aに近い位置に前記天板2に接離する方向に回動するロック解除用のレバー223を設けるとともに、そのレバー223の近接する位置に前記使用位置(P)においてこのレバー223よりも下方に突出する保護突部たるハンドル23を設けていることを特徴とする。以下、天板2の構成を説明するにあたり、当該保護凸部たるハンドル23及びレバー223について詳述する。
【0025】
天板2は、図1〜図8に示すように、例えば長方形状をなす天板本体20の左右の両端部下面にそれぞれ取付フレーム21を固着したものである。
【0026】
取付フレーム21は、図3〜図8に示すように、天板2の下面に図示しないビス等により止着されたベース壁212と、このベース壁212の左右両側縁からそれぞれ垂下させた内側壁213及び外側壁214とを備えたもので、前記内側壁213の下縁と外側壁214の下縁との間に下方に開放された開口部211が形成されている。取付フレーム21の外側壁214は、主軸215を介して前記脚体1の支持部材9に回動可能に軸着されている。
【0027】
ロック機構22は、図3〜図8に示すように、前記脚体1の支持部材9に設けられた第一係止部91及び第二係止部92のいずれかに選択的に係り合う係合子222と、この係合子222を支持部材9方向に付勢するバネ225と、このバネ225の付勢力に抗して前記係合子222を操作するためのレバー223と、このレバー223の動きを前記係合子222に伝達するための伝動機構224とを具備してなる。係合子222は、軸221を介して取付フレーム21の外側壁214に支持されたもので、先端部が前記支持部材9に対して接離するように回動する。本実施形態においては、右側の取付フレーム21内及び左側の取付フレーム21内にそれぞれロック機構22が設けられており、右の取付フレーム21内の係合子222と左の取付フレーム21内の係合子222とは、連動部材Rを介して連動し得るように結合されている。
【0028】
そしてレバー223は、図3、図6〜図8に示すように、前記天板2の下面における使用端2aに近い位置に設けられるロック解除用のもので、前記天板2に接離する方向に回動するようになっている。詳述すれば、前記レバー223は、前記天板2の使用端2aと側縁2dとが交わるコーナー部2cの近傍に設けられており、前記取付フレーム21の内側壁213及び外側壁214に回転可能に支持された回転軸227に固着されている。レバー223は、例えば合成樹脂により成形されたもので、先端側が漸次天板2から離れる方向に湾曲した湾曲凹部223aと、天板2の側端2dよりの端部を上方へカーブさせて設けたアール部223bとを有している。この湾曲凹部223aにより、使用者は指だけでなく手の甲により上方に押圧してレバー223を回動操作できるようになっている。またアール部223bにより、使用者は掌で湾曲凹部223aを押圧した場合、その状態から違和感なく天板2の側縁2dすなわち使用端2a側のコーナー部2cを掴んだ状態で天板2を少ない力でフラップ動作させることができる。
【0029】
伝動機構224は、前記レバー223と一体に回転する前記回転軸227と、基端をその回転軸227に固着した回動アーム228と、この回動アーム228に一端を枢着するとともに他端を前記係合子222の中間部分に枢着したリンクメンバ229とを具備してなるもので、前記レバー223を天板2に接近する方向に回動操作して、前記回動アーム228を前記回転軸227とともに回転させて前記リンクメンバ229により前記係合子222を牽引することによって、前記係合子222が前記バネ225の付勢力に抗して前記支持部材9から離れる方向に回動するようになっている。伝動機構224は、前記係合子222と同様に左右の取付フレーム21内に配されており、これに対応して前記レバー223も、前記天板2の使用端と一方の側縁2dとが交わるコーナー部2cの近傍、及び前記天板2の使用端2aと他方の側縁2dとが交わるコーナー部2cの近傍にそれぞれ設けられている。以上のようにしてなる取付フレーム21の開口部211は、前記ハンドル23及びカバー24により塞がれている。
【0030】
ハンドル23は、図1〜図8に示すように、前記開口部211の一部、すなわち前半部分を塞ぐようにして設けられたループ状をなす合成樹脂製のものである。具体的には、ハンドル23は、ハンドル本体231と、このハンドル本体231に一体に設けられ前記開口部211を塞ぐ閉塞部232と、この閉塞部232の一側縁から内側壁213の外面に沿って天板2方向に伸びる延出部233と、この延出部233の先端縁に一体に設けられ天板2の下面に添接される取付部234とを備えたものであり、前記取付部234がビス等により天板2に止着されることにより天板2に固定されている。ハンドル本体231の反使用端2b側には、前記カバー24の使用端の浮き上がりを防止するためのカバー位置決め部235が設けられている。具体的には、カバー位置決め部235は、例えば多角形の開口形状をなした凹陥部からなる。ハンドル23は、前記レバー223に隣接させて天板2の使用端2aに近い位置に設けられたもので、具体的には、前記天板2の使用端2aと側縁2dとが交わるコーナー部2cの近傍に設けられている。すなわち、手を掛けることができるハンドル23は、近接するレバー223よりも左右方向中央寄りに配置されたものであり、そのレバー223の近接する位置に前記使用位置(P)においてこのレバー223よりも下方に突出する寸法を備えている。換言すれば、このハンドル23は、使用者の脚等によりレバー223が誤操作されるのを抑制するための保護突部としての役割をなしている。ハンドル23は、前記左右のレバー223に対応させてそれぞれその近傍に設けられており、具体的には、左右のハンドル23は、前記天板2の使用端2aと一方の側縁2dとが交わるコーナー部2cの近傍、及び前記天板2の使用端2aと他方の側縁2dとが交わるコーナー部2cの近傍にそれぞれ設けられている。
【0031】
カバー24は、図1〜図8に示すように、前記開口部211の一部、すなわち後半部分を塞ぐようにして設けられた合成樹脂製のものである。具体的には、カバー24は、取付フレーム21における下向きの開口部211を塞ぐ下閉塞部241と、この下閉塞部241の内側縁から天板2方向に延出する側方閉塞部242と、この側方閉塞部242の先端縁における反使用端2b側に一体に設けられ天板2の下面に添接される取付部243とを備えたものであり、前記取付部243がビス等により天板2に止着されることにより天板2に固定されている。下閉塞部241は、中空箱形のもので、その外面は前記ハンドル23の外面と連続するように成形されており、その使用端2a側の端面には、前記ハンドル23のカバー位置決め部235に係わり合う係合部244が設けられている。具体的には、この係合部244は、前記カバー位置決め部235に嵌合する多角柱状の突起である。下閉塞部241には、前記支持部材9との干渉を回避するためのスリット245が設けられている。また、側方閉塞部242には、前記横架材Sとの干渉を回避するための第一の切欠部246と、前記連動部材Rとの干渉を回避するための第二の切欠部247とが設けられている。
【0032】
なお、本実施形態においては、天板2の反使用端2bの近傍に幕板Mが設けられている。幕板Mは、平板状のもので、この上端縁M1を天板2に設けたブラケット26の先端に枢支させるとともに、下端縁M2をリンクメンバ41を介して支柱4に支持させている。この幕板Mの動きについては、通常のものと同様であるため、説明を省略する。また、天板2の下面側には、湾曲させたパイプを取り付けることにより、荷物受け25が設けられている。
【0033】
以上のようにしてなるテーブルTにおいては、前記第一のキャスタ6の操作部材7及びレバー223には、当該テーブルTに施されている色調とは異なった色調の色彩が施されている。具体的には、このテーブルTは、主にシルバー及びグレーを基調として色彩デザインが施されているが、前記操作部材7及びレバー223には、黄色の色彩が施されている。
【0034】
ここで、本実施形態に係るテーブルTは図1〜8に示す通り、レバー223を天板2の両コーナー部に設けるとともにこれらレバー223よりもそれぞれ若干中央よりの位置に保護凸部たるハンドル23を設けているので、テーブルTを使用する使用者にはレバー223よりもハンドル23が優先して当接するようになっている。加えて、レバー223とハンドル23とが近接しているので、レバー223を操作している手のみならず、もう片方の手でハンドル23を掴みながら天板2をフラップ動作させることができるので、使用者の腕力の如何に拘わらず、無理なくレバー223操作から天板2のフラップ動作という一連の動作を行なうことができる。
【0035】
以上のような構成とすることにより、本実施形態に係るテーブルTは、レバー223の近接する位置に前記使用位置(P)においてこのレバー223よりも下方に突出する保護突部たるハンドル23を設けているので、使用位置(P)にあるレバー223に使用者の足や、例えば移動可能な椅子や車椅子の肘が当接してしまい、天板2が不意に動作してしまうという不具合を有効に回避し得たものとなっている。その結果、使用者自らが意図した場合のみレバー223を動作させ得るものとなっている。加えて使用者は斯かる構成により、レバー223の誤操作をしてしまうことを気にすることなく快適にテーブルTを使用することができる。つまり本実施形態に係るテーブルTは、使用者が簡単且つ安心して使用し得るものとなっている。
【0036】
レバー223を保護するための本発明の保護凸部としての存在を必要以上に目立たせず、且つテーブルT自体をより扱いやすいものとするために本実施形態では、レバー223の近傍に設けたハンドル23に、本発明の保護凸部としての役割を担わせている。
【0037】
使用位置(P)にある天板2を使用している使用者にとって扱いやすく、速やかにレバー223を操作し得るものとするために本実施形態では、レバー223を、前記天板2の使用端2aと側縁2dとが交わるコーナー部2cの近傍に設けている。
【0038】
さらに使用位置(P)にあるテーブルTにおける使用者の着座位置に拘わらず使用者がレバー223を扱い易くために本実施形態では、レバー223を、前記天板2の使用端2aと一方の側縁2dとが交わるコーナー部2cの近傍、及び前記天板2の使用端2aと他方の側縁2dとが交わるコーナー部2cの近傍にそれぞれ設けている。
【0039】
加えてレバー223を前記コーナー部2cに配すとともにハンドル23を、近接するレバー223よりも左右方向中央寄りに配置することによって、使用位置(P)でテーブルTに着席している使用者にとってハンドル23が常にレバー223の手前に位置付けられるため、使用者の椅子、車椅子の肘や使用者自身の脚がレバー223に当たってしまうことを有効に回避し得たものとなっている。
【0040】
特に本実施形態では、使用者の座り方や姿勢に拘わらずレバー223の操作を行ないやすくするために、このレバー223を、先端側が漸次天板2から離れる方向に湾曲した形状として、掌や指、さらには手の甲でレバー223を触れても、レバー223の湾曲凹部223aに好適に収まり、正確なレバー223の動作を担保している。
【0041】
以上、本発明の実施形態について説明したが、各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【0042】
例えば、上記実施形態ではコーナー部にレバーや保護凸部を設けた態様を開示したが、勿論、天板の使用端における中間位置にレバーや保護凸部を配したものであってもよい。また保護凸部の具体的な形状やハンドルの具体的な態様は上記実施形態のものに限定されることはなく、既存のものを含め、種々の態様のものを適用することができる。
【0043】
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明はオフィスや会議室等に好適に用いられる、天板がフラップ動作可能に構成されたテーブルとして利用することができる。
【符号の説明】
【0045】
2…天板
2a…使用端
2c…コーナー部
2d…側縁
223…レバー
23…保護突部(ハンドル)
P…使用位置
Q…収納位置
T…テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板を使用位置と起立した収納位置との間でフラップ動作させることができるとともに、少なくとも前記使用位置において前記天板をフラップ動作不能にロックすることができるようにしたテーブルにおいて、
前記天板の下面における使用端に近い位置に前記天板に接離する方向に回動するロック解除用のレバーを設けるとともに、そのレバーの近接する位置に前記使用位置においてこのレバーよりも下方に突出する保護突部を設けていることを特徴とするテーブル。
【請求項2】
前記保護突部が、手を掛けることができるハンドルである請求項1記載のテーブル。
【請求項3】
前記レバーが、前記天板の使用端と側縁とが交わるコーナー部の近傍に設けられている請求項1または2記載のテーブル。
【請求項4】
前記レバーが、前記天板の使用端と一方の側縁とが交わるコーナー部の近傍、及び前記天板の使用端と他方の側縁とが交わるコーナー部の近傍にそれぞれ設けられている請求項1、2または3記載のテーブル。
【請求項5】
前記保護突部が、近接するレバーよりも左右方向中央寄りに配置されたものである請求項3または4記載のテーブル。
【請求項6】
前記レバーが、先端側が漸次天板から離れる方向に湾曲した形状をなしている請求項1、2、3、4または5記載のテーブル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−52162(P2013−52162A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−193513(P2011−193513)
【出願日】平成23年9月6日(2011.9.6)
【出願人】(000001351)コクヨ株式会社 (961)
【Fターム(参考)】