説明

デジタルカメラおよびその露光制御方法

【課題】画像センサーを露光する時間をより適正なものとする。
【解決手段】光が当たっているイメージセンサーに当たる光が遮断されるようシャッター羽根を走行させる(時刻t5)。そして、シャッター羽根がイメージセンサーに当たる光を遮断し始める前に、シャッター羽根が移動開始から所定量の移動をしたことを検出し(時刻t6)、さらに、シャッター羽根がイメージセンサーに当たる光を遮断し始める前に、シャッター羽根の移動開始から所定量の移動を検出するまでの検出所要時間Tdに応じたリセットタイミングで、イメージセンサーの露光量の垂直上方へのリセット走査を開始させる(時刻t7)。これにより、シャッター機構の個体差や経年変化により走行の仕方にバラツキや変化がある場合に、カメラ毎のシャッター走行の仕方に応じたタイミングでイメージセンサーの露光量をリセットすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルカメラおよびその露光制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のデジタルカメラに適用可能な撮像装置としては、受光した光を電荷として蓄積する撮像素子とこの撮像素子を遮光するように走行するフォーカルプレーン型のシャッタとを備え、静止画像を撮影するときに、先幕の走行に相当する撮像素子の電荷蓄積走査の開始時期と、後幕の走行に相当するシャッタ走行の開始時期とを制御することによって、露光時間を調節するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、電子シャッターとメカシャッターとを併用して露光制御を行なう電子カメラとして、メカシャッターの閉動作が指示されてから実際に閉動作が開始されるまでのメカ遅れの個体差により生じる露光時間のズレの調整を、1画面分の明るさデータに相当する信号積算値を利用して露光量の評価を行ないながら、電子シャッターの電荷蓄積開始タイミングやシャッター駆動開始タイミングの前後調整により行なうものも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3988215号公報(特開平11−41523号公報)
【特許文献2】特開平11−234574号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の後者のカメラでは、メカシャッターの個体差により生じる露光時間の調整を個体毎に行なう必要があり、一定の環境下で決まった光源を撮影する必要があるなどのため、調整にはある程度の時間や設備が必要であった。また、メカシャッターに経年変化が生じたときには、ユーザーは露光時間を調整できず、適正な撮影画像を得られなくなる場合があった。
【0006】
本発明のデジタルカメラおよびその露光制御方法は、画像センサーを露光する時間をより適正なものとすることを主目的とする。
【0007】
本発明のデジタルカメラおよびその露光制御方法は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のデジタルカメラは、
露光量に基づいて画像信号を生成する画像センサーと、
所定方向に移動して前記画像センサーに当たる光を遮断するシャッターと、
光が当たっている前記画像センサーに当たる光が遮断されるよう前記シャッターを移動させる移動制御部と、
前記シャッターが前記画像センサーに当たる光を遮断し始める前に、前記シャッターが移動開始から所定量の移動をしたことを検出する移動検出部と、
前記シャッターが前記画像センサーに当たる光を遮断し始める前に、前記シャッターの移動開始から前記移動検出部による検出までの検出所要時間に応じたタイミングで、前記画像センサーの露光量の前記所定方向へのリセット走査を開始させるリセット制御部と、
を備えることを要旨とする。
【0009】
この本発明のデジタルカメラでは、光が当たっている画像センサーに当たる光が遮断されるよう画像センサーに当たる光を遮断するシャッターを移動させる。そして、シャッターが画像センサーに当たる光を遮断し始める前に、シャッターが移動開始から所定量の移動をしたことを検出し、さらに、シャッターが画像センサーに当たる光を遮断し始める前に、シャッターの移動開始から所定量の移動を検出するまでの検出所要時間に応じたタイミングで、画像センサーの露光量の所定方向へのリセット走査を開始させる。即ち、後幕動作としてシャッターの移動を開始してからの検出所要時間に応じたタイミングで先幕動作として画像センサーの露光量のリセット走査を開始させるのである。このように、シャッターの移動開始から所定量の移動を検出するまでの時間に応じたタイミングで画像センサーの露光量のリセット走査を開始させるから、シャッターを含む機構の個体差により移動の仕方にバラツキがある場合やシャッターを含む機構の経年変化により移動の仕方が変化した場合に、カメラ毎のシャッターの移動の仕方に応じたタイミングで画像センサーの露光量をリセットすることができる。この結果、画像センサーを露光する時間をより適正なものとすることができる。ここで、所定方向へのリセット走査は、画像センサーの露光量のリセットを所定方向に順に行なうものであり、この露光量のリセットには、露光量のリセットが行なわれていない状態で露光量のリセットを行なうことと、露光量のリセットが継続して行なわれている状態で露光量のリセットを終了することとが含まれ、また、読み出し処理等の結果としてリセットが行なわれることと、読み出し処理等の終了の結果としてリセットが終了されることとが含まれる。なお、画像センサー回路の一部の領域(有効画素領域とも呼ぶ)のみ有効なものとする場合には、ここで言う画像センサーは有効画素領域の画像センサー回路を意味する。
【0010】
こうした本発明のデジタルカメラにおいて、前記リセット制御部は、前記画像センサーを露光させるべき露光時間が予め定められた時間閾値よりも短い場合には、前記画像センサーが前記露光時間に亘って露光されるよう前記検出所要時間に応じたタイミングで前記画像センサーの露光量の前記所定方向へのリセット走査を開始させ、前記露光時間が前記時間閾値よりも長い場合には、前記画像センサーが前記露光時間に亘って露光されるよう前記検出所要時間とは無関係に前記画像センサーの露光量の前記所定方向へのリセット走査を開始させる、ものとすることもできる。露光時間が比較的長い場合には、後幕動作としてシャッターの移動を開始してからの検出所要時間に応じたタイミングで先幕動作として画像センサーの露光量のリセット走査を開始させようとすると、露光時間を確保できない場合がある。また、露光時間が比較的長い場合には、シャッターを含む機構の個体差や経年変化が実際の露光時間に与える影響は比較的小さい。このため、露光時間が時間閾値より長い場合には画像センサーが露光時間に亘って露光されるよう検出所要時間とは無関係に画像センサーの露光量のリセット走査を開始させることにより、画像センサーを露光する時間をより適正なものとすることができる。この場合、前記時間閾値は、前記シャッターが移動開始後に前記所定量の移動をしてから前記画像センサーに当たる光を遮断し始めるまでの前記シャッターの移動に要する時間以内で予め定められた時間である、ものとすることもできる。また、この場合、前記リセット制御部は、前記露光時間が前記時間閾値と等しい場合には、前記画像センサーが前記露光時間に亘って露光されるよう前記検出所要時間に応じたタイミングで前記画像センサーの露光量の前記所定方向へのリセット走査を開始させるものとしてもよいし、前記画像センサーが前記露光時間に亘って露光されるよう前記検出所要時間とは無関係に前記画像センサーの露光量の前記所定方向へのリセット走査を開始させるものとしてもよい。
【0011】
この露光時間が時間閾値以下か否かに応じて画像センサーの露光量のリセット走査を開始させる態様の本発明のデジタルカメラにおいて、前記リセット制御部は、前記露光時間が前記時間閾値よりも短い場合には、前記露光時間が所定の露光時間より長い場合に該露光時間が該所定の露光時間より短い場合に比して早くなり且つ前記検出所要時間が所定の所要時間より長い場合に該検出所要時間が該所定の所要時間より短い場合に比して遅くなるタイミングで前記画像センサーの露光量の前記所定方向へのリセット走査を開始させる、ものとしてもよい。言い換えると、露光時間が時間閾値よりも短い場合には、露光時間が長いほど早くなる傾向で(例えば、露光時間が長いほど比例傾向または階段状(段階的)に早くなり)且つ検出所要時間が長いほど遅くなる傾向の(例えば、検出所要時間が長いほど比例傾向または階段状(段階的)に遅くなる)タイミングで画像センサーの露光量の所定方向へのリセット走査を開始させる、ものとしてもよいのである。この場合、前記リセット制御部は、前記露光時間が前記時間閾値よりも長い場合には、前記画像センサーが前記露光時間に亘って露光されるように前記移動制御部により前記シャッターの移動を開始させるべき移動開始タイミングと共に設定されるリセットタイミングで、前記画像センサーの露光量の前記所定方向へのリセット走査を開始させるものとすることもできる。
【0012】
また、本発明のデジタルカメラにおいて、前記移動検出部は、開放状態の前記シャッターにおける前記画像センサー側の端部と前記画像センサーの前記シャッター側の端部との間の検出位置に前記シャッターが移動により到達することを検出する、ものとすることもできる。
【0013】
本発明のデジタルカメラの露光制御方法は、
露光量に基づいて画像信号を生成する画像センサーと、所定方向に移動して前記画像センサーに当たる光を遮断するシャッターと、を備えるデジタルカメラの露光制御方法であって、
(a)光が当たっている前記画像センサーに当たる光が遮断されるよう前記シャッターを移動させるステップと、
(b)前記シャッターが前記画像センサーに当たる光を遮断し始める前に、前記シャッターが移動開始から所定量の移動をしたことを検出するステップと、
(c)前記シャッターが前記画像センサーに当たる光を遮断し始める前に、前記シャッターの移動開始から前記ステップ(b)による検出までの検出所要時間に応じたタイミングで、前記画像センサーの露光量の前記所定方向へのリセット走査を開始させるステップと、
を含むことを要旨とする。
【0014】
本発明のデジタルカメラの露光制御方法では、後幕動作としてシャッターの移動を開始してからの検出所要時間に応じたタイミングで先幕動作として画像センサーの露光量のリセット走査を開始させる。このように、シャッターの移動開始から所定量の移動を検出するまでの時間に応じたタイミングで画像センサーの露光量のリセット走査を開始させるから、シャッターを含む機構の個体差により移動の仕方にバラツキがある場合やシャッターを含む機構の経年変化により移動の仕方が変化した場合に、カメラ毎のシャッターの移動の仕方に応じたタイミングで画像センサーの露光量をリセットすることができる。この結果、画像センサーを露光する時間をより適正なものとすることができる。ここで、所定方向へのリセット走査は、画像センサーの露光量のリセットを所定方向に順に行なうものであり、この露光量のリセットには、露光量のリセットが行なわれていない状態で露光量のリセットを行なうことと、露光量のリセットが継続して行なわれている状態で露光量のリセットを終了することとが含まれる。なお、このデジタルカメラの露光制御方法において、上述したデジタルカメラの種々の態様を採用してもよいし、また、上述したデジタルカメラの各機能を実現するようなステップを追加してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態であるデジタルカメラ10の構成の概略を示す構成図。
【図2】シャッター機構23を光の入射方向から見たときの様子を説明する説明図。
【図3】イメージセンサー22を露光する様子を説明する説明図。
【図4】露光処理ルーチンの一例を示すフローチャート。
【図5】リセット走査開始後にシャッター走行を開始したときの様子を示す説明図。
【図6】シャッター走行開始後にリセット走査を開始したときの様子を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。図1は本発明の一実施形態であるデジタルカメラ10の構成の概略を示す構成図であり、図2はシャッター機構23を光の入射方向から見たときの様子を説明する説明図であり、図3は光の入射方向から見てイメージセンサー22を露光する様子を説明する説明図である。
【0017】
本実施形態のデジタルカメラ10は、被写体の像を光電変換して生成した画像信号に基づいて撮影画像用の信号を出力する電子撮像ユニット20と、電子撮像ユニット20から出力された信号を入力して所定の画像処理を施して撮影画像の画像データや画像ファイルを生成する画像処理装置60と、画像処理装置60から入力した画像データをEVF(Electronic View Finder)72や液晶モニター74に表示させる表示制御装置70と、ユーザーによって操作される各種の操作ボタン群80と、画像処理装置60により生成された画像ファイルを保存可能なメモリーカード50と、デジタルカメラ10の各部に電力を供給するバッテリー55と、装置全体を制御するメインコントローラー40とを備える。
【0018】
電子撮像ユニット20は、デジタルカメラ10の本体に図示しないレンズマウントを介して交換可能に取り付けられる撮影レンズ21と、撮影レンズ21を介して入力した光を光電変換によって電気信号に変換するイメージセンサー22と、撮影レンズ21とイメージセンサー22との間に配置されたシャッター機構23と、イメージセンサー22から出力された電気信号をデジタル信号に変換して出力するアナログフロントエンド(AFE)28と、イメージセンサー22や画像処理装置60にクロック信号を出力するパルス発生回路30とを備える。
【0019】
撮影レンズ21は、凸レンズと凹レンズとを組み合わせて構成された複数のレンズ群の他に、イメージセンサー22に入射する光量を調節する絞り機構21aや、図示しない測距センサや撮影レンズ21からの情報に基づいて焦点合わせを行なうオートフォーカス機構21bを備える。絞り機構21aやオートフォーカス機構21bは、メインコントローラー40からの信号により各機構のモーターを駆動することによって制御される。
【0020】
イメージセンサー22は、マトリックス状に配置され撮像面22a(図3参照)を形成する図示しない複数のフォトダイオードや、フォトダイオードごとに設けられた図示しない複数の増幅器を備えるCMOSイメージセンサーとして構成されている。フォトダイオードは、露光されたときの光を電荷に変換して蓄積する光電変換素子であり、画素ごとに設けられている。このフォトダイオードは、電荷を図示しない基板へ逃がすことができるようになっている。増幅器は、フォトダイオードが蓄積した電荷を信号として読み出すことができるように増幅する。イメージセンサー22では、撮像面22aにカラーフィルターを用いることにより、各フォトダイオードから増幅器を介してレッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)のいずれかの色の信号を出力するようになっている。イメージセンサー22の各フォトダイオードには、パルス発生回路30から水平走査クロック(水平駆動パルス)が供給されると共に、パルス発生回路30で発生し垂直駆動変調回路32により周波数が変調された垂直走査クロック(垂直駆動パルス)が供給されている。実施形態では、パルス発生回路30によるクロック供給と垂直駆動変調によるクロック周波数の変調とをメインコントローラー40からの信号により制御することによって、フォトダイオードに蓄積した電荷を吐き出すイメージセンサー22の露光量のリセット走査や、露光量に基づいて生成されたイメージセンサー22からの画像信号の読み出し走査を、走査速度の調整を伴って実行すると共に、イメージセンサー22の露光量のリセット走査を電子先幕の動作として機能させている。
【0021】
シャッター機構23は、電子先幕に対するメカ後幕として機能するものであり、図2に示すように、イメージセンサー22の光軸方向前方でデジタルカメラ10の本体に支持され矩形状の開口24aが形成された地板24と、複数の矩形状のシャッター羽根25と、各シャッター羽根25の一端に連結されこのシャッター羽根25と共に平行リンク機構を構成する駆動アーム26aおよび従動アーム26bとを備える。駆動アーム26aと従動アーム26bとは、それぞれシャッター羽根25が連結された端部と反対側の端部で軸26cと軸26dとを中心に回動する。従動アーム26bは、図示しない連結部材により駆動アーム26aに連結されており、駆動アーム26aと共に回動する。駆動アーム26aの回動によるシャッター羽根25の走行は、次に説明するように行なわれる。シャッター羽根25が開放状態(図2の状態)のときに、駆動アーム26aは、まず図示しない電磁石への通電により回動不能に保持され、更に図示しないモーターの駆動による係止部材の解除によって、電磁石への通電を解除すればいつでも回動可能な状態とされる。続いて、駆動アーム26aが電磁石への通電解除によって回動を開始すると、シャッター羽根25は、図示しないスプリングの付勢力によりデジタルカメラ10の垂直下方から上方(図2の太線矢印方向)へ走行する。シャッター羽根25が走行すると、地板24の開口24aからイメージセンサー22への入光が遮断され、遮光状態となる。その後、駆動アーム26aが再びモーターの駆動によって逆方向に回動すると、シャッター羽根25が元の位置(図2の位置)に戻り、更にモーターの駆動による係止部材の係止によって駆動アーム26aが回動不能とされるようになっている。
【0022】
このシャッター機構23では、シャッター羽根25は地板24の開口24aよりも広範囲を遮るように走行するため、図2に示すように、シャッター羽根25の開放状態では、シャッター羽根25の垂直上端(以下、先端という)と開口24aの下端との間にマージンα1が確保される。また、シャッター羽根25による遮光状態では、シャッター羽根25の先端は開口24aの上端からマージンα2だけ上方に位置する。実施形態のデジタルカメラ10は、イメージセンサー22の光の入射経路上にミラーのないミラーレス構造を採用しており、シャッター羽根25が開放状態になると、直ちにイメージセンサー22に光を照射可能な状態となる。なお、図2中、位置センサー25aは、地板24の光軸方向前側で、開放状態のシャッター羽根25の先端(シャッター羽根25のイメージセンサー22側の端部)とイメージセンサー22の撮像面22aの下端(撮像面22aのシャッター羽根25側の端部)との間の位置が検出位置となるように取り付けられており、シャッター羽根25の先端が撮像面22aの下端で遮光を開始する前に、シャッター羽根25の先端が開放状態から移動開始して上方に所定量を走行して検出位置に到達することを検出する。この位置センサー25aとしては、例えば電界や磁界による近接スイッチなどの非接触センサーを用いることができる。所定量の意味については、改めて説明する。
【0023】
画像処理装置60は、図示しないが、RGB画素の色補間処理やホワイトバランス処理、色再現処理、リサイズ処理、ガンマ補正処理、画像ファイル生成処理などのデジタルカメラにおける周知の画像処理を実行する各種の画像処理機能ブロックを備える。この画像処理装置60は、電子撮像ユニット20から出力されるデジタル信号を入力すると共に、パルス発生回路30からクロック信号を入力し、画像処理を実行して撮影画像を生成したり、生成した撮影画像を所定形式の画像に変換し撮影情報を付加して画像ファイルを生成したりする。また、画像処理装置60は、所定時間毎に電子撮像ユニット20から出力されるデジタル信号を順次入力してライブビュー表示用の画像を生成したりする。
【0024】
表示制御装置70は、画像処理装置60で生成された撮影画像を液晶モニター74に表示したり、画像処理装置60で生成されたライブビュー表示用の画像をEVF72または液晶モニター74に順次表示するライブビュー表示を行なう。
【0025】
操作ボタン群80は、ユーザーにより押下されると被写体の撮影指令をメインコントローラー40へ出力するためのシャッターボタン80aや、シャッタースピードや絞り値,露出値などの撮影に関する各種設定値を設定するための複数の設定ボタン80b、電源のオンオフを指示する電源ボタン80cなどからなる。
【0026】
メインコントローラー40は、CPU42を中心とするマイクロプロセッサーとして構成されており、処理プログラムや各種テーブルを記憶するROM44と、データを一時的に記憶するRAM46と、データを書き換え可能で電源を切ってもデータを保持するフラッシュメモリー48と、図示しない入出力ポートとを備える。メインコントローラー40には、シャッター羽根25が移動開始から所定量を走行したことを検出する位置センサー25aからの検出信号(オンオフ信号)や、操作ボタン群80からの各種の操作信号、撮影レンズ21の情報、メモリーカード50から読み出した画像ファイル、画像処理装置60からの各種画像などが入力される。また、メインコントローラー40からは、撮影レンズ21への駆動信号や、図示しないモーターを制御したり電磁石への通電を制御するためのシャッター機構23への制御信号、パルス発生回路30への制御信号、垂直駆動変調への制御信号、メモリーカード50へ書き込む画像ファイル、画像処理装置60への画像処理指令、表示制御装置70への表示制御指令などが出力される。
【0027】
こうして構成された実施形態のデジタルカメラ10では、シャッタースピードなどの各種設定値が設定されてシャッターボタン80aの操作に応じて撮影指令が出力されると、メインコントローラー40により、イメージセンサー22の露光量のリセット走査や、シャッター羽根25の走行制御、イメージセンサー22からの画像信号の読み出し走査などの露光のための各種制御が実行され、最終的に電子撮像ユニット20の出力信号から画像処理装置60により生成された画像ファイルがメモリーカード50に保存される。イメージセンサー22の撮像面22aにおける露光のための各種制御によると、図3に示すように、まずイメージセンサー22のリセット走査によりリセット走査位置(ライン)が上方へ移動して電子先幕が作動し、次にシャッター羽根25の先端に相当する位置(以下、シャッター先端位置という)が上方へ移動してメカ後幕による遮光が行なわれ、最後にイメージセンサー22の読み出し走査位置(ライン)が上方へ順次移動することになる。したがって、イメージセンサー22の1点に注目したときに、その1点を電子先幕の後端に相当するリセット走査位置が通過して露光され始めてからメカ後幕の先端に相当するシャッター先端位置が通過して遮光されるまでの時間がシャッタースピード(露光時間)に相当し、この時間を調整することにより、イメージセンサー22の撮像面22aへ被写体像が照射される時間が制御される。このとき、イメージセンサー22の撮像面22aにおけるリセット走査位置とシャッター先端位置との間の領域(図中の斜線領域)がイメージセンサー22の電荷蓄積領域となるが、この領域は露光時間が短いときにはスリット状の領域となる。なお、イメージセンサー22の露光量の垂直上方へのリセット走査は、イメージセンサー22の露光量のリセットを垂直上方へ順に行なうものであり、実施形態では、この露光量のリセットは、露光量のリセットが行なわれていない状態で露光量のリセットを瞬間的に行なうものとしてもよいし、露光量のリセットが時間的に継続して行なわれている状態で露光量のリセットを終了するものとしてもよい。また、読み出し走査などの他の処理の結果として露光量のリセットが行なわれるものとしてもよい。
【0028】
次に、こうして構成された本実施形態のデジタルカメラ10の動作、特に露光のための動作について説明する。図4は、メインコントローラー40のCPU42により実行される露光処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、シャッターボタン80aの操作による撮影指令をメインコントローラー40が入力したときに実行される。なお、撮影指令をメインコントローラー40が入力するまでにシャッタースピードや絞り値,露出値などの撮影に関する各種設定値は設定されているものとする。
【0029】
露光処理ルーチンが実行されると、メインコントローラー40のCPU42は、まず、設定された露光時間Texなど露光処理に必要なデータを入力し(ステップS100)、入力した露光時間Texが時間閾値Trefより長いか否かを判定する処理を実行する(ステップS110)。ここで、露光時間Texは、シャッタースピードとして、ユーザーによる設定ボタン80bの操作により設定されたものや図示しない自動露出用設定ルーチンにより設定されたものなどを入力することができる。また、時間閾値Trefは、実施形態では、シャッター羽根25が移動開始から位置センサー25aの検出位置まで所定量を走行するタイミングから、イメージセンサー22への入光が遮断され始めるまでの、シャッター羽根25の走行に要する時間(個体差や経年変化を考慮すれば最短のもの)を予め実験などにより求め、こうして求めた時間以内で予め定められたシャッタースピード(露光時間)(例えば4000分の1秒)として設定されたものを用いるものとした。なお、こうしたシャッタースピード(露光時間)が複数ある場合には大きい方(例えば4000分の1秒と8000分の1秒とのうち4000分の1秒の方)を用いるものとした。この時間閾値Trefの意味については、改めて説明する。
【0030】
露光時間Texが時間閾値Trefより長いと判定されたときには、シャッター羽根25の走行(以下、シャッター走行ともいう)を開始した後にイメージセンサー22のリセット走査を開始すると露光時間Texを確保できないと判断し、露光時間Texに基づいてイメージセンサー22のリセット走査のリセットタイミングとシャッター羽根25の走行開始タイミングとを設定する(ステップS120)。ここで、リセットタイミングは、実施形態では、撮影指令を入力してからの撮像面22aの垂直方向位置毎(ライン毎)の時間として設定され、走行開始タイミングは、撮影指令を入力してからの時間として設定されるものとした。このリセットタイミングおよび走行開始タイミングは、実施形態では、露光時間Texとこの露光時間Texが得られるリセットタイミングおよび走行開始タイミングとの関係を予め実験や解析により定めてタイミング設定用マップとしてROM44に記憶しておき、露光時間Texが与えられると記憶したマップから対応するリセットタイミングと走行開始タイミングとを導出して設定するものとした。
【0031】
こうしてイメージセンサー22のリセット走査のリセットタイミングとシャッター羽根25の走行開始タイミングとを設定すると、設定したリセットタイミングによるイメージセンサー22の露光量のリセット走査を開始すると共に設定した走行開始タイミングでシャッター走行を開始して(ステップS130)、露光処理ルーチンを終了する。リセット走査は、パルス発生回路30と垂直駆動変調回路32とにそれぞれ制御信号を出力することにより行なわれる。シャッター走行の開始は、シャッター機構23に走行開始を指示する制御信号を出力することにより行なわれる。図5に、露光時間Texが時間閾値Trefより長い場合にリセット走査開始後にシャッター走行を開始したときの露光の様子の一例を示す。図中、横軸は時間を示し、縦軸は垂直方向位置を示す。縦軸上、下から順に開放状態でのシャッター先端位置(後幕開放位置),撮像面22aの下端,撮像面22aの上端,遮光状態でのシャッター先端位置(後幕遮光位置)が示されている。図示するように、時刻t1でリセット走査を開始し(一点鎖線参照)、その後に時刻t2でシャッター走行開始が指示されると(実線参照)、シャッター先端位置が撮像面22aの下端から上端まで移動する間は、シャッター先端位置の軌跡に対して露光時間Texが丁度確保されるように設定されたリセットタイミングに従ってリセット走査が実行される。そして、時刻t3でリセット走査が全てのラインについて終了すると、その後に時刻t4でシャッター走行が終了したラインから順にイメージセンサー22の読み出し走査が開始される(二点鎖線参照)。
【0032】
こうしてシャッター走行が終了したラインから読み出し走査が行なわれて全てのラインについて読み出し走査が終了すると(ステップS190)、露光処理ルーチンを終了する。露光処理ルーチンを終了すると、イメージセンサー22から読み出した信号をAFE28でデジタル変換して画像処理装置60により所定の画像処理を施して最終的に撮影画像の画像ファイルがメモリーカード50に保存される。こうした処理により、露光時間Texが時間閾値Trefより長い場合に、設定された露光時間Texによるイメージセンサー22の露光を行なうことができる。
【0033】
ステップS110で露光時間Texが時間閾値Tref以下であると判定されたときには、まずシャッター走行を開始すると共に(ステップS140)、位置センサー25aからオン信号としての検出信号が入力されるのを待ち(ステップS150)、位置センサー25aからオン信号としての検出信号を入力したときには、図示しないタイマーにより計時された時間を用いてシャッター走行開始を指示してからの経過時間として検出所要時間Tdを設定する(ステップS160)。なお、位置センサー25aが検出対象とするシャッター羽根25の移動についての所定量は、実施形態では、シャッター機構23の個体差や経年変化に起因するシャッター羽根25の走行の遅れや進みといった変化の傾向を把握するのに必要な移動量として予め実験などにより定められたものを用いている。
【0034】
続いて、露光時間Texに基づいて検出所要時間Tdに応じたイメージセンサー22のリセットタイミングを設定する(ステップS170)。この設定は、実施形態では、露光時間Texと検出所要時間Tdとこの露光時間Texが得られるリセットタイミングとの関係を予め実験や解析により定めてタイミング設定用マップとしてROM44に記憶しておき、露光時間Texと検出所要時間Tdとが与えられると記憶したマップから対応するリセットタイミングを導出して設定するものとした。このタイミング設定用マップでは、リセットタイミングは、露光時間Texが長いほど早いタイミングに設定されると共に検出所要時間Tdが長い(検出タイミングが遅い)ほど遅いタイミングに設定されている。
【0035】
図6に、露光時間Texが時間閾値Tref以下の場合にシャッター走行開始後にリセット走査を開始したときの露光の様子の一例を示す。図中、シャッター先端位置について、実線は、シャッター機構23の個体差や経年変化(例えば、図示しない電磁石やスプリングの個体差や劣化など)により走行に遅れが生じている場合の軌跡を示し、破線は、デジタルカメラ10の出荷時などの基本的な状態で走行に進みや遅れが生じていない場合の基準例の軌跡を示す。また、図中、各種時刻や時間は実線の場合のものを示し、例えば、時刻t5でシャッター走行開始が指示され、その後に時刻t7でリセット走査が開始されている。図示するように、露光時間Texが時間閾値Tref以下の場合には、シャッター機構23の個体差や経年変化によるシャッター走行の遅れ時間や進み時間の露光時間Texに占める割合が大きいことから、シャッター機構23の個体差や経年変化が実際の露光時間に与える影響は大きくなる。このため、設定された露光時間Texが長いほどシャッター先端位置の軌跡に対して早いタイミングをリセットタイミングとして設定するだけでなく、位置センサー25aによる検出位置でのシャッター羽根25の検出タイミングが遅いほど、即ち検出所要時間Tdが長いほどリセットタイミングを遅くなるように調整するのである。図中、破線で示す基準例と実線の場合とを比較すると分かるように、シャッター走行を開始する時刻t5の後幕開放位置からシャッター先端位置が検出位置に到達する時刻t8までの時間Td1や、時刻t5の後幕開放位置からシャッター先端位置が撮像面22aの上端に到達する時刻t9までの時間Td2は、時刻t5から時刻t6までの検出所要時間Tdが長いほど長くなる傾向がある。実施形態では、こうした傾向を検出タイミングのズレとして捉えて露光時間を調整するのである。こうして位置センサー25aによる検出所要時間Tdに応じてリセットタイミングを設定することにより、丁度の露光時間Texをより確実に確保することができる。なお、検出所要時間Tdが長いほど遅いタイミングにリセットタイミングを設定することは、検出所要時間Tdが短いほど早いタイミングにリセットタイミングを設定することになる。また、図示する時間閾値Trefの一例から分かるように、露光時間Texがこの時間閾値Trefより長い場合には位置センサー25aによる検出後にリセット走査を開始しても露光時間Texを確保することはできない。よって、時間閾値Trefは、位置センサー25aによる検出タイミング後にリセット走査を開始してもよいか否かを判断するためのもの、ということができる。
【0036】
こうしてリセットタイミングを設定すると、設定したリセットタイミングによるリセット走査を開始し(ステップS180)、最後に読み出し走査を行なって(ステップS190)、露光処理ルーチンを終了する。
【0037】
ここで、本実施形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施形態のイメージセンサー22が本発明の「画像センサー」に相当し、シャッター羽根25が「シャッター」に相当し、シャッター羽根25の走行を開始するようシャッター機構23を制御する図4の露光処理ルーチンのステップS140の処理を実行するメインコントローラー40が「移動制御部」に相当し、シャッター羽根25が移動開始から所定量の移動をしたことを検出する位置センサー25aと位置センサー25aからの検出信号を判定する図4の露光処理ルーチンのステップS150の処理を実行するメインコントローラー40とが「移動検出部」に相当し、位置センサー25aによる検出所要時間Tdに応じてリセットタイミングを設定してリセット走査を開始する図4の露光処理ルーチンのステップS170,S180の処理を実行するメインコントローラー40が「リセット制御部」に相当する。なお、本実施形態では、デジタルカメラの動作を説明することにより本発明のデジタルカメラの露光制御方法の一例も明らかにしている。
【0038】
以上説明した実施形態のデジタルカメラ10では、光が当たっているイメージセンサー22に当たる光が遮断されるようシャッター羽根25を走行させる。そして、シャッター羽根25がイメージセンサー22に当たる光を遮断し始める前に、シャッター羽根25が移動開始から所定量の移動をしたことを検出し、さらに、シャッター羽根25がイメージセンサー22に当たる光を遮断し始める前に、シャッター羽根25の移動開始から所定量の移動を検出するまでの検出所要時間Tdに応じたリセットタイミングで、イメージセンサー22の露光量の垂直上方へのリセット走査を開始させる。このように、シャッター羽根25の移動開始から所定量の移動を検出するまでの時間に応じたタイミングでイメージセンサー22の露光量のリセット走査を開始させるから、シャッター機構23の個体差により走行の仕方にバラツキがある場合や、シャッター機構23の経年変化により走行の仕方が変化した場合に、カメラ毎のシャッター走行の仕方に応じたタイミングでイメージセンサー22の露光量をリセットすることができ、イメージセンサー22を露光する時間をより適正なものとすることができる。
【0039】
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
【0040】
上述した実施形態では、時間閾値Trefとして、シャッター羽根25が移動開始後に位置センサー25aの検出位置まで所定量を走行してからイメージセンサー22への入光が遮断され始めるまでのシャッター羽根25の走行に要する時間以内で予め定められたシャッタースピード(露光時間)を用いるものとしたが、このシャッター羽根25の走行に要する時間をそのまま用いるものとしてもよいし、こうして定められたシャッタースピード(露光時間)より若干短い時間を用いるものとしてもよい。
【0041】
上述した実施形態では、露光時間Texが時間閾値Tref以下の場合には、イメージセンサー22のリセットタイミングを、露光時間Texが長いほど早くなり且つ検出所要時間Tdが長いほど遅くなるタイミングに設定するものとした、即ち、露光時間Texが長いほど比例傾向に早くなり且つ検出所要時間Tdが長いほど比例傾向に遅くなるタイミングに設定するものとしたが、露光時間Texが長いほど階段状(段階的)に早くなるタイミングに設定するものとしてもよいし、検出所要時間Tdが長いほど階段状(段階的)に遅くなるタイミングに設定するものとしてもよい。
【0042】
上述した実施形態では、シャッター羽根25が移動開始から所定量の移動したことを検出するセンサーとして、シャッター羽根25の先端が開放状態から移動開始して上方に所定量を走行して検出位置に到達することを検出する位置センサー25aを用いるものとしたが、これに代えて、例えばシャッター機構23の駆動アーム26aの回転位置を検出する回転位置センサーなどを用いるものとしてもよい。また、位置センサーは一つに限られず、複数の位置センサーを用いてこれらの検出結果に基づいてリセット走査の制御を行なってもよい。この場合、シャッター羽根25の移動終了側(撮像面22aの上端より上方側)の位置にも位置センサーを設けて、その位置センサーの検出結果を次の撮影時のリセット走査の制御に反映させてもよい。
【0043】
上述した実施形態では、シャッター機構23はシャッター羽根25が垂直方向に走行するいわゆる縦走りであるものとしたが、イメージセンサー22の撮像面22a前方で撮像面22aよりも広範囲を遮るように所定方向に移動するものであれば、シャッター羽根が水平方向に走行するいわゆる横走りであるものとしてもよい。また、回転方向に走行するシャッターなど、他の構造のシャッターを用いてもよい。この場合、位置センサーの種類や取り付け位置はシャッター構造に応じて適宜選択すればよい。
【0044】
上述した実施形態では、イメージセンサー22の全フォトダイオードを有効なものとして説明したが、複数のフォトダイオードの全てを有効なものとする必要はなく、一部領域(有効画素領域ともいう)のフォトダイオードを有効なものとしてもよい。この場合、有効画素領域を除く領域のフォトダイオードは、光が当たらないようによう覆いをしたり、電荷を読み出さないものとしたり、読み出された電荷や信号を無視したりする。そして、シャッター羽根25がイメージセンサー22の有効画素領域に当たる光を遮断し始める前に、シャッター羽根25が移動開始から所定量の移動をしたことを検出し、さらに、シャッター羽根25がイメージセンサー22の有効画素領域に当たる光を遮断し始める前に、シャッター羽根25の移動開始から所定量の移動を検出するまでの検出所要時間Tdに応じたリセットタイミングで、イメージセンサー22の露光量の垂直上方へのリセット走査を開始させるようにすることができる。なお、シャッター羽根25が有効画素領域を除く領域のフォトダイオードに当たる光を遮断し始めた後に位置センサーによる検出やリセット走査の開始を行なっても構わない。
【0045】
上述した実施形態では、本発明をデジタルカメラ10に適用して説明したが、こうしたデジタルカメラの露光制御方法としてもよい。
【符号の説明】
【0046】
10 デジタルカメラ、20 電子撮像ユニット、21 撮影レンズ、21a 絞り機構、21b オートフォーカス機構、22 イメージセンサー、22a 撮像面、23 シャッター機構、24 地板、24a 開口、25 シャッター羽根、25a 位置センサー、26a 駆動アーム、26b 従動アーム、26c,26d 軸、28 アナログフロントエンド(AFE)、30 パルス発生回路、32 垂直駆動変調回路、40 メインコントローラー、42 CPU、44 ROM、46 RAM、48 フラッシュメモリー、50 メモリーカード、55 バッテリー、60 画像処理装置、70 表示制御装置、72 EVF、74 液晶モニター、80 操作ボタン群、80a シャッターボタン、80b 設定ボタン、80c 電源ボタン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
露光量に基づいて画像信号を生成する画像センサーと、
所定方向に移動して前記画像センサーに当たる光を遮断するシャッターと、
光が当たっている前記画像センサーに当たる光が遮断されるよう前記シャッターを移動させる移動制御部と、
前記シャッターが前記画像センサーに当たる光を遮断し始める前に、前記シャッターが移動開始から所定量の移動をしたことを検出する移動検出部と、
前記シャッターが前記画像センサーに当たる光を遮断し始める前に、前記シャッターの移動開始から前記移動検出部による検出までの検出所要時間に応じたタイミングで、前記画像センサーの露光量の前記所定方向へのリセット走査を開始させるリセット制御部と、
を備えるデジタルカメラ。
【請求項2】
請求項1記載のデジタルカメラであって、
前記リセット制御部は、前記画像センサーを露光させるべき露光時間が予め定められた時間閾値よりも短い場合には、前記画像センサーが前記露光時間に亘って露光されるよう前記検出所要時間に応じたタイミングで前記画像センサーの露光量の前記所定方向へのリセット走査を開始させ、前記露光時間が前記時間閾値よりも長い場合には、前記画像センサーが前記露光時間に亘って露光されるよう前記検出所要時間とは無関係に前記画像センサーの露光量の前記所定方向へのリセット走査を開始させる、
デジタルカメラ。
【請求項3】
請求項2記載のデジタルカメラであって、
前記時間閾値は、前記シャッターが移動開始後に前記所定量の移動をしてから前記画像センサーに当たる光を遮断し始めるまでの前記シャッターの移動に要する時間以内で予め定められた時間である、
デジタルカメラ。
【請求項4】
請求項2または3記載のデジタルカメラであって、
前記リセット制御部は、前記露光時間が前記時間閾値よりも短い場合には、前記露光時間が所定の露光時間より長い場合に該露光時間が該所定の露光時間より短い場合に比して早くなり且つ前記検出所要時間が所定の所要時間より長い場合に該検出所要時間が該所定の所要時間より短い場合に比して遅くなるタイミングで前記画像センサーの露光量の前記所定方向へのリセット走査を開始させる、
デジタルカメラ。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1つの請求項に記載のデジタルカメラであって、
前記移動検出部は、開放状態の前記シャッターにおける前記画像センサー側の端部と前記画像センサーの前記シャッター側の端部との間の検出位置に前記シャッターが移動により到達することを検出する、
デジタルカメラ。
【請求項6】
露光量に基づいて画像信号を生成する画像センサーと、所定方向に移動して前記画像センサーに当たる光を遮断するシャッターと、を備えるデジタルカメラの露光制御方法であって、
(a)光が当たっている前記画像センサーに当たる光が遮断されるよう前記シャッターを移動させるステップと、
(b)前記シャッターが前記画像センサーに当たる光を遮断し始める前に、前記シャッターが移動開始から所定量の移動をしたことを検出するステップと、
(c)前記シャッターが前記画像センサーに当たる光を遮断し始める前に、前記シャッターの移動開始から前記ステップ(b)による検出までの検出所要時間に応じたタイミングで、前記画像センサーの露光量の前記所定方向へのリセット走査を開始させるステップと、
を含むデジタルカメラの露光制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−186682(P2012−186682A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−48739(P2011−48739)
【出願日】平成23年3月7日(2011.3.7)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】