説明

トルクヒンジ装置

【課題】部品点数を減らして加工工程を削減するとともに、薄型化が可能なトルクヒンジ装置を提供する。
【解決手段】第1部材32と第2部材34とを相対的に回動可能に装着し、且つ任意の回動角度においてその角度を保持することができるトルクヒンジ装置30において、第1部材32は、回動中心となる軸部35が設けられ、軸部35に対して回動不能に装着され、且つ外径方向に向けて付勢力を有する付勢部46が形成された外径付勢ワッシャ40が設けられ、第2部材34は、外径付勢ワッシャ40を収納する収納孔42が形成され、外径付勢ワッシャ40が収納孔42の内壁面を付勢部46によって押圧しつつ収納孔42内で回動可能となるように設けられ、第2部材34および外径付勢ワッシャ40を軸部35から抜け落ちないようにするために軸部35に固定されるストッパ55が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1部材と第2部材とを連結し、この第1部材と第2部材とを任意の角度位置に保持するための角度保持機能を備えるトルクヒンジ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、パーソナルコンピュータにおける液晶ディスプレイや、あるいは通常のテレビにおいては、画面を見やすい角度に調整可能であって、且つ調整した角度を保持することができる角度保持機能を備えたトルクヒンジ装置が採用されている。
【0003】
従来、このような角度保持機構を備えたトルクヒンジ装置の例として、図10に示す構成が挙げられる(例えば、特許文献1参照)。
このトルクヒンジ装置は、第1部材10が第2部材20に対して、回動可能であって、且つ設定した角度で保持できるように設けられているものである。
第1部材10は、第2部材20に取り付けられる軸部12を有している。軸部12は、断面円形の一部を切り欠いてフラットな平面部分11が形成された形状であって、この平面部分11は円の中心を挟んで対向するように円の直径に対して線対称となる位置に形成されている。
第1部材10の先端部13は、ディスプレイ等の他の部材に取り付けられるような構造となっている。
【0004】
第2部材20は、第1部材10の軸部12に対して回動可能な部材であり、他の部材へ取り付け可能な板状の取り付け部21と、取り付け部21の表面に対して垂直に立設されている軸取り付け部22とを有している。軸取り付け部22には、第1部材10の軸部12を挿通可能な挿通孔24が形成されている。
【0005】
第1部材10と第2部材20との取り付けは、2枚のフリクションワッシャ26、スプリングワッシャ27、ストッパ28を介して行われる。
まず、第1部材10の軸部12にフリクションワッシャ26を挿通させる。フリクションワッシャ26の中心孔は、軸部12の断面形状と同一形状に形成されており、フリクションワッシャ26は軸部12に対しては回動せずに固定される。
そして、軸部12を第2部材20の挿通孔24に挿通させ、挿通孔24を挿通した軸部12に先ほどのフリクションワッシャ26と同一形状のフリクションワッシャ26と、スプリングワッシャ27とストッパ28を順に挿通させる。
【0006】
フリクションワッシャ26、軸取り付け部22、フリクションワッシャ26、スプリングワッシャ27を圧接した状態で、ストッパ28を軸部12に対してかしめて固定する。
このような構成によれば、第2部材20の軸取り付け部22の両面にフリクションワッシャ26が所定の摩擦力をもって接触しているので、第1部材10の軸部12に対して第2部材20を回動させようとすると、所定の回動トルクが必要となり、第1部材10と第2の部材とを任意の角度に回動させた位置で保持させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−12451号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来のトルクヒンジ装置においては、複数枚のワッシャが必要であり、構成部品の部品点数が多いという課題があった。そして、このような多い部品を組み付けるため加工工程も多くなっているので、加工工程の削減を図りたいという要望もあった。
さらに、従来のトルクヒンジ装置は、複数枚のワッシャを軸部に対して組み付けて行くので、軸部の軸線方向に沿って厚い構成となってしまい、薄型化・小型化の要請に応えることができないという課題もあった。
【0009】
そこで本発明は上記課題を解決すべくなされ、その目的とするところは、部品点数を減らして加工工程を削減するとともに、薄型化が可能なトルクヒンジ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明にかかるトルクヒンジ装置によれば、第1部材と第2部材とを相対的に回動可能に装着し、且つ任意の回動角度においてその角度を保持することができるトルクヒンジ装置において、前記第1部材は、回動中心となるように形成された柱状または筒状の軸部が設けられ、軸部に対して回動不能に装着され、且つ外径方向に向けて付勢力を有する付勢部が形成された外径付勢ワッシャが設けられ、前記第2部材は、外径付勢ワッシャを収納する収納孔が形成され、外径付勢ワッシャが収納孔の内壁面を付勢部によって押圧しつつ収納孔内で回動可能となるように設けられ、前記第2部材および外径付勢ワッシャを軸部から抜け落ちないようにするために軸部に固定されるストッパが設けられていることを特徴としている。
この構成を採用することによって、軸部に対して回動不能な外径付勢ワッシャが第2部材の収納孔の内壁面を押圧しつつ回動する。このため、必要なトルクは、外径付勢ワッシャの付勢部と第2部材の収納孔の内壁面との間で発生する。したがって、フリクションワッシャ等を複数枚使用してトルクを出すことがなく、部品点数を削減できる。そして、軸部方向に対してフリクションワッシャ等を複数枚重ねることがないので薄型化を図れる。
【0011】
また、前記外径付勢ワッシャは、平面視ほぼ円径の外径付勢ワッシャの外縁の一部を残して、外縁よりも内側を円周方向に切り欠いて形成して、一部残された外縁部分が1または複数、円の外径方向にバネ性を有する付勢部として設けられていることを特徴としてもよい。
この構成によれば、1枚の円盤状の部材を、外縁の一部を付勢部として残し、この内側部分を切り欠いて構成することによって、この付勢部が円の外径方向に付勢力を有して外径付勢ワッシャとすることができる。
【0012】
また、前記外径付勢ワッシャは、平面視ほぼ円形の外径付勢ワッシャの外縁をそのまま残して、円周方向に沿った1または複数の円弧状の打ち抜き孔が形成されており、前記付勢部は、打ち抜き孔の外縁部分が円の外径方向にバネ性を有する付勢部として設けられていることを特徴としてもよい。
この構成によれば、1枚の円盤状の部材に打ち抜き孔を穿設し、この打ち抜き孔の外方に位置する外縁部分が円の外径方向に付勢力を有する付勢部として設けられた外径付勢ワッシャとすることができる。
【0013】
さらに、前記第2部材と前記外径付勢ワッシャは同一の厚さを有しており、第2部材の収納孔に外径付勢ワッシャを収納した際には、前記第2部材の表面と前記外径付勢ワッシャの表面とが同一平面となることを特徴としてもよい。
この構成によれば、軸部方向に対してさらに薄型化を図ることができる。
【0014】
なお、前記付勢部には、外径方向に突出する凸部が形成され、前記収納孔の内壁部には、付勢部の凸部を収納可能な凹部が形成されていることを特徴としてもよい。
この構成を採用することによって、第1部材と第2部材とを相対的に回動させたときに凸部が凹部に収納する位置ではクリック感を生じさせることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明にかかるトルクヒンジ装置によれば、部品点数を減らして加工工程を削減するとともに、薄型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】トルクヒンジ装置の外観構成を示す平面図である。
【図2】トルクヒンジ装置を側面からみた分解図である。
【図3】軸部の他の構成を示す、トルクヒンジ装置を側面からみた分解図である。
【図4】図2の斜視図である。
【図5】外径付勢ワッシャの平面図である。
【図6】外径付勢ワッシャと第2部材の収納孔との関係を示す説明図である。
【図7】外径付勢ワッシャの他の形態を示す説明図である。
【図8】第2部材の収納孔の凹部を増やし、且つ外径付勢ワッシャの府西部の数も増やした構成を示す分解図である。
【図9】第2部材の収納孔の凹部を増やした構成を示す分解図である。
【図10】従来のトルクヒンジ装置の組み立て分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明に係るトルクヒンジ装置の実施形態について、図面に基づいて説明する。
図1はトルクヒンジ装置の組み付け後の全体構成を示しており、図2は図1のトルクヒンジ装置の側面からの分解図、図3は軸部を第1部材とは別部材にした場合の側面からの分解図、図4は図2に示したトルクヒンジ装置の斜視図(第2部材の一部を省略)を示している。また、図5は外径付勢ワッシャの平面図、図6は外径付勢ワッシャと第2部材の収納孔との関係を示している。
【0018】
本実施形態のトルクヒンジ装置30は、第1部材32と第2部材34とが相対的に回動可能となっている構成であって、且つ回動させたときに任意の回動角度でその回動角度を保持可能に設けたものである。
本実施形態における第1部材32は、板状に形成された金属板であって、任意の箇所に、回動中心となる軸部35が設けられている。
図2で示す例では、軸部35は、板状の第1部材32の表面から、表面に対して垂直方向に延びるように形成されており、バーリング加工等によって第1部材32と一体に形成された筒状の構成としている。このような軸部35の構成としては、第1部材32と一体に形成されることによって第1部材に対しては回動不能且つ部品点数の削減が図れるので、第1部材32を加工して形成することが好ましい。
【0019】
なお、図3に図示する例のように、軸部35は、第1部材32とは別部材で形成し、板状の部材の表面から垂直方向に突出するよう、筒状または柱状に形成された部材としてもよい。この軸部35は、板状の第1部材32に形成された軸部貫通孔38に背面から進入し、表面から突出するように構成されている。
軸部35の平面側は、軸部35の外方へ突出するフランジ部33が設けられており、フランジ部33が第1部材32の背面に当接することで軸部35の抜け止めとなる。この場合、軸部貫通孔38内に収納された軸部35はかしめ等により第1部材32に固定される。
【0020】
また、軸部35は、後述する外径付勢ワッシャ40をその外周面に回動不能となるように固定されて設けられている。
外径付勢ワッシャ40をその外周面に固定させる手段として、軸部35は断面視完全な円形ではなく、その外周面の一部に平坦面35aを形成している例が挙げられる。平坦面35aは、軸部35を形成する筒状の厚さ部分の一部を切断または研削する加工によって形成されている。
なお、本実施形態では、平坦面35aが複数形成されるように、軸部35断面形状は12角形となっているが、平坦面35aの数はいくつでもよい。
【0021】
本実施形態における第2部材34は、第1部材32の軸部35が突出する方向の表面に装着される。第2部材34は、第1部材32の表面に接触して第1部材32の表面に対して摺動可能な回動部36と、回動部36に対して所定の角度を有しており他の部材に接続可能な接続部37とを有している。
回動部36には、内部に後述する外径付勢ワッシャ40を収納する収納孔42が形成されている。
【0022】
本実施形態としては、第2部材34の一例として、板状の回動部36と板状の接続部37(図4では省略して図示)とが、一枚の金属板を直角に折り曲げて形成された構成であるが、第2部材34としてはこのような構成には限定されない。回動部36と接続部37とが別部材で構成されていてもよい。
さらに、例えば、回動部36は、第1部材32の表面に接触しないような位置(第1部材32の表面から隙間をあけた位置)に、外径付勢ワッシャ40を介して配置されていてもよい。
また、接続部37の形状としては板状でなくてもよい。
【0023】
外径付勢ワッシャ40には、内部に第1部材32の軸部35を収納する収納孔44が形成されている。収納孔44の形状は、軸部35の断面形状と同一であって、外径付勢ワッシャ40の収納孔44を軸部35に収納させると外径付勢ワッシャ40は、軸部35に対して回動不能となるように装着される。
上述したように、軸部35の外周面には、平坦面35aが形成されているので、外径付勢ワッシャ40の収納孔44の内壁面には、この平坦面35aと一対一で接する平坦面が形成されていればよい。
また、本実施形態では、軸部35の断面形状は多角形(具体的には12角形)であるから収納孔44の形状も多角形(12角形)としている。
【0024】
外径付勢ワッシャ40には、その外径方向に付勢する付勢部46が形成されている。
本実施形態の付勢部46の構成は、一端(付け根部分)が外径付勢ワッシャ本体につながっており、他端(先端部)が外径付勢ワッシャ本体から切り離された腕状に形成されたものである。腕状の付勢部46は、ほぼ円形の外径付勢ワッシャ40の外縁をそのまま残して形成され、その内側は円周方向に切り欠いた切り欠き部48が形成されている。
腕状の付勢部46は、その腕の付け根部分から腕の先端部にかけて外方に向かうバネ性を有している。したがって、付勢部46の腕の先端部においては、外径方向に向かう力がはたらいており、腕状の部位以外の部位よりも外径方向にわずかに突出している。
【0025】
本実施形態では、腕状の付勢部46は、外径付勢ワッシャ40を平面視したときの円の中心に対して互いに点対称となる位置の2箇所に設けられている。
付勢部46を設ける箇所の箇所数を変更することによって、第2部材34に対するトルクの大きさを調整することができる。
【0026】
外径付勢ワッシャ40は、第2部材34の収納孔42内に収納される。このとき、外径付勢ワッシャ40の付勢部46が、収納孔42の内壁面を押圧するので、外径付勢ワッシャ40と第2部材34は、付勢部46が内側から第2部材34を押圧することによりトルクが発生する。
このように、トルクの発生箇所を収納孔の内壁面と、この内壁面に接触する部位だけで出しているので、部品点数の削減や薄型化を図ることができる。
【0027】
また、腕状の付勢部46の先端部近傍には、外方に突出する凸部50が形成されており、この凸部50を収納可能な大きさの凹部52が、第2部材34の収納孔42の内壁面に形成されている。
本実施形態では、付勢部46は中心を点対称とした2箇所に形成されているので、凸部50も1つの外径付勢ワッシャ40に対して2箇所に形成されている。
このような構成を採用することで、第2部材34を外径付勢ワッシャ40に対して回動させた場合、凸部50が凹部52に入り込んでいない箇所では大きいトルクが発生し、凸部50が凹部52に入り込んだときには、その位置で一旦停止する。もう一度回動を開始させる際には大きなトルクが必要となる。この凸部50が凹部52に入り込む位置での感触をクリック感として操作者に認識させることができるので、予め決まった回動角度を操作者は認識しやすくなる。
【0028】
また、凹部52は、外径付勢ワッシャ40の凸部50の数と同じか、多く形成されているとよい。また、複数の凸部50の何れかが凹部52にはまり込んだときには、他の凸部50も他の凹部52にはまり込むように形成されているとよい。
例えば、凸部50が外径付勢ワッシャ40において、凸部50が中心をはさんで対向する2箇所に形成されている場合に、収納孔44の内壁面の凹部52を、中心を挟んでそれぞれ90度ずつの角度を有している4箇所に設けるとよい。
この構成では、第2部材34と第1部材32とを回動させた場合に、90度回動させる毎にクリックが発生する。
【0029】
また、外径付勢ワッシャ40の厚さを第2部材34と同一の厚さに形成するとよい。これによると、第2部材34の収納孔44内に外径付勢ワッシャ40を収納したときに、各部材が同一平面となるので、後述するストッパ55を装着したときに、がたつき等を抑えることができる。
【0030】
軸部35に、第2部材34および外径付勢ワッシャ40を装着したのち、軸部35の先端部側に、第2部材34および外径付勢ワッシャ40の表面に密着させたストッパ55を設ける。
ストッパ55は、軸部35の断面形状と同一形状の収納孔59が形成されており、収納孔59内に軸部35を挿入させ、軸部35に対してかしめによって固定される。このストッパ55は軸部35に対する、第2部材34および外径付勢ワッシャ40の抜け止めとして構成される。
【0031】
次に、外径付勢ワッシャの他の実施形態について、図7に基づいて説明する。
本実施形態の外径付勢ワッシャ60は、付勢部62が腕状ではなく、外径付勢ワッシャ60の外縁部そのままの形状である。つまり、付勢部62は外径付勢ワッシャ本体と両端部が完全につながっている。付勢部62の内側は、円弧状または円弧に近い形状に切り欠かれた切り欠き部64が形成されている。1枚の板状の部材に、このような切り欠き部64を形成することによっても、切り欠き部64の外縁は外径方向に突出する付勢力を有する。
本実施形態における付勢部62にも凸部50を形成するとよい。
【0032】
続いて図8に、第2部材34の収納孔42の内壁面に多数の凹部52を形成し、且つ外径付勢ワッシャ40の付勢部46を4箇所に設けた実施形態を示す。
まず本実施形態の凹部52は、収納孔42の内壁面の12箇所に形成されている。このように、凹部52の数を多くすることにより、第2の部材34を第1の部材32に対して回動させたときに、大きな角度の回動ではなくてもクリック感を感じつつ回動させることができる。
【0033】
なお、図9には、第2部材34の収納孔42の内壁面に多数の凹部52を形成し、且つ外径付勢ワッシャ40の付勢部46を2箇所に設けた実施形態を示す。
図9に示す実施形態は、凹部52が収納孔42の内壁面の12箇所に形成されている。この点は図8の構成と同様であり、凹部52の数を多くすることにより、第2の部材34を第1の部材32に対して回動させたときに、大きな角度の回動ではなくてもクリック感を感じつつ回動させることができる。
【0034】
そして、図8と図9の違いは、外径付勢ワッシャ40の付勢部46の数の違いである。この付勢部46の数を変更することでトルクの変更を容易に行うことができる。図8では、付勢部46を4箇所に設けているので、付勢部46を2箇所に設けている図9の実施形態よりも収納孔42の内壁面への付勢力が大きくはたらくので、図9の構成よりもトルクのアップを図ることができる。
逆に回動時のトルクを減らしたい場合には、付勢部46の数を減らせばよい。
【0035】
なお、本発明としては、上述した外径付勢ワッシャの付勢部の形状としては、上述した実施形態に限定するものではなく、外径方向に付勢力を有する形状であればよいことはもちろんである。
【0036】
また、本発明のトルクヒンジ装置としては、パーソナルコンピュータにおける液晶ディスプレイや、テレビなどの映像機器に用いることには限定されることはなく、様々な機器に用いることができる。
【符号の説明】
【0037】
30 トルクヒンジ装置
32 第1部材
33 フランジ部
34 第2部材
35 軸部
35a 平坦面
36 回動部
37 接続部
38 軸部貫通孔
40,60 外径付勢ワッシャ
42,44,59 収納孔
44 平坦面
46,62 付勢部
48,64 切り欠き部
50 凸部
52 凹部
55 ストッパ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1部材と第2部材とを相対的に回動可能に装着し、且つ任意の回動角度においてその角度を保持することができるトルクヒンジ装置において、
前記第1部材には、回動中心となるように形成された柱状または筒状の軸部が設けられ、
軸部に対して回動不能に装着され、且つ外径方向に向けて付勢力を有する付勢部が形成された外径付勢ワッシャが設けられ、
前記第2部材は、外径付勢ワッシャを収納する収納孔が形成され、外径付勢ワッシャが収納孔の内壁面を付勢部によって押圧しつつ収納孔内で回動可能となるように設けられ、
前記第2部材および外径付勢ワッシャを軸部から抜け落ちないようにするために軸部に固定されるストッパが設けられていることを特徴とするトルクヒンジ装置。
【請求項2】
前記外径付勢ワッシャは、
平面視ほぼ円径の外径付勢ワッシャの外縁の一部を残して、外縁よりも内側を円周方向に切り欠いて形成して、一部残された外縁部分が1または複数、円の外径方向にバネ性を有する付勢部として設けられていることを特徴とする請求項1記載のトルクヒンジ装置。
【請求項3】
前記外径付勢ワッシャは、
平面視ほぼ円形の外径付勢ワッシャの外縁をそのまま残して、円周方向に沿った1または複数の円弧状の打ち抜き孔が形成されており、
前記付勢部は、打ち抜き孔の外縁部分が円の外径方向にバネ性を有する付勢部として設けられていることを特徴とする請求項1記載のトルクヒンジ装置。
【請求項4】
前記第2部材と前記外径付勢ワッシャは同一の厚さを有しており、第2部材の収納孔に外径付勢ワッシャを収納した際には、前記第2部材の表面と前記外径付勢ワッシャの表面とが同一平面となることを特徴とする請求項1〜請求項3のうちのいずれか1項記載のトルクヒンジ装置。
【請求項5】
前記付勢部には、外径方向に突出する凸部が形成され、
前記収納孔の内壁部には、付勢部の凸部を収納可能な凹部が形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のうちのいずれか1項記載のトルクヒンジ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−214674(P2011−214674A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−83729(P2010−83729)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(592143057)株式会社 サンコー (30)
【Fターム(参考)】