説明

トンネル照明用の予防保安システム

【課題】 LED照明による可視光通信技術を利用したトンネル照明のメンテナンスへの活用を目的とする。
【解決手段】 トンネル内のLED照明からの出力信号については極力少なくし巡廻黄色パトカーに搭載した受信器で受ける受信情報をもとに端末側でデータ処理を行い、故障場所を特定して速やかに修理補修を行うことができる。このため高速道路の安全な走行が確保できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はトンネル照明用LED灯具による可視光通信を利用した予防保安システムに関する。
【背景技術】
【0002】
高出力のLED(発光ダイオード)は発光効率の改善が進み、年々明るさが増加し、トンネル照明用の灯具への応用も実施化されて来ている。
【特許文献1】 特開2009−5192号公報
【特許文献2】 特願2008−320232号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
高出力LEDによる照明用LEDを照明用として見た場合、最近のHID灯との比較では明らかに光量が不足しているが、LEDの特徴を生かした光学設計でそれを克服すると共に、さらなる省エネ化の検討を重ねた結果本発明に到達したものであって、LEDは前記のように蛍光灯やHIDランプより寿命が長く、このためLED光源の交換時間も5万時間以上と長くなる傾向にある。さらに補正調光を入れると、その分LEDの劣化状態を正確に把握する必要がある。このためトンネル用LED灯具に可視光通信を組合せることで、灯具内のLEDの状態を正確に把握できるようになった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
発明者は、このようにトンネル内のLED灯具から可視光通信により灯具からの情報を引出すため発明者は鋭意研究を重ねた結果本発明のシステムを開発したものである。
【0005】
本発明は、トンネル照明用LED灯具に可視光通信の機能を組込み、LED照明の出力電流や電圧、照度センサの出力等の情報を内蔵したマイコンでモニタし、可視光通信により照明光に重調した情報をトンネル内を走行するメンテナンス車両に搭載した可視光通信ユニットで送受信し、得られた情報を車載器又は電子媒体に記録し、保守用PCにてソフト処理したのちメンテナンス情報として取り出すことを特徴としたトンネル照明の保安システムを開発して本発明を完成させた。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、可視光通信システムを採用したトンネル照明用LED灯具の照度の低下や不点灯およびLED寿命の予測等の事故の原因となる情報を可視光通信によって黄パトカーに搭載した受信機によって伝達され得られる情報を素早く知ることができるためトンネル内での走行の安全が約束される。このためトンネルの多い日本の高速道路の走行が安全安心なため、この効果は著大である。本発明はこのようなトンネル灯具を使用することによって、従来の蛍光灯による照明に比較して地球環境の保護に大きな効果を発揮することができるため、蛍光灯水銀などの環境負荷物質の削減が可能となった。
【実施例】
【0007】
添付図面により本発明の可視光通信システムを組合せ、このシステムを説明する。図1は本発明のシステムの構成図であって、トンネル照明灯には可視光通信システムとして灯具の照度の明暗や不点灯があるか否か(球切れ)、システム内では前記これらの外、電源の寿命の予測、灯具の汚染度合等各種の情報を知ることができる。
【0008】
この情報は高速道路を巡回している黄色パトカーに搭載されている受信器によって受信することが出来るため、灯具の修理や補修が速やかに指示できて安全な走行の確保が可能となる。
【0009】
通信仕様例として、
(1)データ形式 JEITA CP−1222準拠
(2)送信変調方式 サブキャリア28.8kbps
(3)通信速度 4.8kbps
動作仕様例として、
(1)あらかじめ照明に設定されたデータを可視光データとして送信し受信器で受信する。
(2)受信データは受信器を経由し、PCの専用アプリケーションで確認する。
(3)走行中の車で受信を可能にする。
【産業上の利用可能性】
【0010】
上述のように本発明は、トンネル照明用のLED灯具の具合や故障などの情報を可視光通信によって得られるため、具合の悪い場所や故障のある灯具の場所をいち早く知り修理補修ができるためトンネル内の安全な走行が可能となり、このため産業の流通に大きく貢献でき、本発明の利用価値は大きい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】 本発明のシステム図

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トンネル照明用LED灯具に可視光通信の機能を組込み、LED照明の出力電流や電圧、照度センサの出力等の情報を内蔵したマイコンでモニタし、可視光通信により照明光に重調した情報をトンネル内を走行するメンテナンス車両に搭載した可視光通信ユニットで送受信し、得られた情報を車載器又は電子媒体に記録し、保守用PCにてソフト処理したのちメンテナンス情報として取り出すことを特徴としたトンネル照明の予防保安システム。

【図1】
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【公開番号】特開2011−40353(P2011−40353A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−198923(P2009−198923)
【出願日】平成21年8月7日(2009.8.7)
【特許番号】特許第4526095号(P4526095)
【特許公報発行日】平成22年8月18日(2010.8.18)
【出願人】(508136205)浜井電球工業株式会社 (6)
【出願人】(509148164)中日本ハイウエイ・エンジニアリング名古屋株式会社 (4)
【Fターム(参考)】