説明

ネットワークシステム、及び記録媒体

【課題】不所望のタイミングでスクリーンシャッタ機能等の不所望の処理が作動してしまうことを無くすと共に、オペレータが離席した場合に、表示データのセキュリティを確保すること。
【解決手段】距離センサ28でオペレータとの距離を測定し、その距離が所定距離D2 を基準にして離れる方向であれば、CPU10は、表示装置14のスクリーンシャッタ処理を行い、近づく方向であれば、表示装置14のスクリーン解除処理を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スクリーンシャッタ機能を提供するデータ処理装置、そのようなデータ処理装置が複数接続されたネットワークシステム、及びパーソナルコンピュータをそのようなデータ処理装置として動作させるためのプログラムを格納した記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、コンピュータ等のディスプレィの焼き付けを防ぐために、一定時間キーボード等からの入力が無き場合はディスプレィ表示を止める(画面全体に黒を表示する)スクリーンセーバ機能が知られている。近年、ディスプレィの性能向上により、簡単に焼きつくようなことがなくなり、スクリーンセーバは単純な黒画面表示から、アニメーション表示等、言わば遊び感覚の物へと移ってきている。さらに、最近では、いわゆる省エネ対策として、スクリーンセーバからディスプレィの電源を切るというようなスクリーンシャッタという機能へと移ってきている。
【0003】
また、一定時間キーボード等からの入力が無いときにスクリーンロック機能が作動し、その後、キーボード等からの入力が発生すると、パスワード入力画面になり、パスワードが正しくないとコンピュータのオペレーションができなくするという機能も知られている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のスクリーンセーバ機能やスクリーンシャッタ機能では、キーボード等からの入力が、予め定めた一定時間無かった場合に作動する仕掛けになっているため、オペレータが必要でモニタを見続けている場合でも、時間になると作動してしまい、その結果、オペレータはマウスを動かしたり、キーボードから実際には入力されることの無いキー(例えばシフトキー)を押して、スクリーンセーバ機能やスクリーンシャッタ機能を解除しなければならなかった。また、これらの機能は、アプリケーションやドキュメントの内容に関わらず作動してしまうので、単なる邪魔な機能となってしまうなどの不都合が合った。
【0005】
一方、セキュリティの観点からは次のような問題がある。
即ち、オペレータが席を離れた場合、上記スクリーンセーバ機能やスクリーンシャッタ機能が働くことで、作業中のドキュメントの内容を隠すことはできるが、キー入力等の入力作業を行えば誰でもこれらの機能を解除することができるので、当該コンピュータを利用していたオペレータ以外の人が解除することも可能となり、表示セキュリティは無いに等しい。
【0006】
これは、解除時にパスワード入力を求めることで、防ぐことは可能であるが、上記のようにオペレータの意志とは無関係に経過時間のみで判断する従来の機能では、オペレータが席を離れた場合でも予め設定された時間が経つまで作動せず、したがって、他人に見られては行けない(見せては行けない)データ等を表示したまま離席すると、その所定時間経過するまでの表示データにセキュリティは無い。
【0007】
本発明の課題は、不所望のタイミングでスクリーンシャッタ機能等の不所望の処理が作動してしまうことを無くすと共に、オペレータが離席した場合に、表示データのセキュリティを確保することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明の手段は次の通りである。
距離測定手段は、オペレータとの距離を測定する。
距離変化判別手段は、上記距離測定手段によって測定された距離の変化が、所定距離を基準にして離れる方向か近づく方向かを判別する。
処理実行手段は、上記距離変化判別手段による判別結果に応じた予め定義されている所定処理を実行する。
【0009】
また、請求項9の発明の手段は次の通りである。
コンピュータが読み取り可能な記録媒体は、オペレータがコンピュータを使用する際に、以下の処理をコンピュータに実行させる命令を含むプログラムを格納する。
第1の処理は、オペレータとの距離を測定する処理である。
第2の処理は、上記測定された距離の変化が、所定距離を基準にして離れる方向か近づく方向かを判別する処理である。
第3の処理は、上記判別結果に応じた予め定義されている所定処理を実行する処理である。
【0010】
請求項1及び請求項9の発明の手段の作用は次の通りである。
オペレータとの距離を測定して、この測定された距離の変化が、所定距離を基準にして離れる方向か近づく方向かを判別し、その判別結果に応じた予め定義されている所定処理、例えば離れる方向であればスクリーンシャッタ処理を実行し、近づく方向であればスクリーンシャッタ解除処理を実行する。
従って、不所望のタイミングでスクリーンシャッタ機能等の不所望の処理が作動してしまうことを無くすと共に、オペレータが離席した場合に、表示データのセキュリティを確保することができる。
【0011】
請求項6の発明の手段は次の通りである。
複数のコンピュータがネットワークでつながれたネットワークシステムであって、オペレータ識別手段は、各コンピュータにおいて当該コンピュータを使用中のオペレータを識別する。
処理状況記憶手段は、各コンピュータから当該コンピュータを使用中のオペレータが所定距離よりも離れたとき、上記オペレータ識別手段により識別されたオペレータによる当該コンピュータでのデータ処理状況を記憶する。
処理状況転送手段は、いずれかのオペレータがいずれかのコンピュータに上記所定距離よりも近づいたとき、上記オペレータ識別手段によりそのオペレータを識別し、上記処理状況記憶手段に記憶されている当該オペレータが行っていたデータ処理状況を、当該オペレータが近づいたコンピュータに転送する。
【0012】
また、請求項10の発明の手段は次の通りである。
コンピュータが読み取り可能な記録媒体は、複数のコンピュータがネットワークでつながれたネットワークシステムで複数のオペレータが各コンピュータを使用する際に、以下の処理をコンピュータに実行させる命令を含むプログラムを格納する。
第1の処理は、各コンピュータにおいて当該コンピュータを使用中のオペレータを識別する処理である。
第2の処理は、各コンピュータから当該コンピュータを使用中のオペレータが所定距離よりも離れたとき、上記識別されたオペレータによる当該コンピュータでのデータ処理状況を記憶する処理である。
第3の処理は、いずれかのオペレータがいずれかのコンピュータに上記所定距離よりも近づいたとき、上記オペレータを識別する処理によってそのオペレータを識別し、上記記憶されている当該オペレータが行っていたデータ処理状況を、当該オペレータが近づいたコンピュータに転送する処理である。
【0013】
請求項6及び請求項10の発明の手段の作用は次の通りである。
複数のコンピュータがネットワークでつながれたネットワークシステムで、各コンピュータにおいて当該コンピュータを使用中のオペレータを識別し、各コンピュータから当該コンピュータを使用中のオペレータが所定距離よりも離れたとき、上記識別されたオペレータによる当該コンピュータでのデータ処理状況を記憶しておき、いずれかのオペレータがいずれかのコンピュータに上記所定距離よりも近づいたとき、そのオペレータを識別して、上記記憶されている当該オペレータが行っていたデータ処理状況を、当該オペレータが近づいたコンピュータに転送する。
従って、複数のコンピュータがネットワークでつながれたシステムにおいて、所定オペレータがある1台のコンピュータで処理を実行し、その処理途中でそのオペレータがネットワーク上の他のコンピュータで処理を再開する際、前のコンピュータで処理していた内容をそのまま引き継いで処理が実行できるようになる。
【発明の効果】
【0014】
請求項1及び請求項9の発明によれば、不所望のタイミングでスクリーンシャッタ機能等の不所望の処理が作動してしまうことを無くすと共に、オペレータが離席した場合に、表示データのセキュリティを確保することができる。
【0015】
請求項6及び請求項10の発明によれば、複数のコンピュータがネットワークでつながれたシステムにおいて、所定オペレータがある1台のコンピュータで処理を実行し、その処理途中でそのオペレータがネットワーク上の他のコンピュータで処理を再開する際、前のコンピュータで処理していた内容をそのまま引き継いで処理が実行できるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を、図1乃至図4を参照して説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態のデータ処理装置の適用されたパーソナルコンピュータの構成を示す図で、図中の参照番号10は、当該パーソナルコンピュータ全体を制御する制御部としてのCPUである。12はキーボードやマウス等の入力装置であり、14はCRT等の表示装置である。16はハードディスクやROM等の記憶装置であり、18はRAMである。
【0017】
また、参照番号20は装着されたフロッピー(登録商標)ディスクや光(磁気)ディスク等の記憶媒体22に対するデータの記憶及び読み出しを制御する記憶媒体制御部であり、24は通信回線(有線又は無線)26を介して外部とデータの送受を行う通信制御部である。
【0018】
なお、上記記憶装置16もしくは記憶媒体22は、上記CPU10で実行される当該パーソナルコンピュータをデータ処理装置として動作させる処理プログラムやデータ等が予め記憶されているものであるが、もちろん、このような記憶装置16もしくは記憶媒体22に記憶するプログラムやデータ等は、通信制御部24により、通信回線26等を介して接続された他の機器から受信して(例えばRAM18に設けた図示しないワークメモリに)記憶する構成にしてもよく、さらに、通信回線26等を介して接続された他の機器側に記憶装置や記憶媒体を設け、そこに記憶されているプログラム、データを通信回線26を介して使用する構成にしてもよい。
【0019】
また、参照番号28は、当該パーソナルコンピュータとオペレータとの間の距離を、例えば赤外線等の反射光を用いて測定する距離センサである。本実施の形態においては、図2の(A)に示すように、この距離センサ28を表示装置14上に配置し、表示画面とオペレータとの間の距離を測定するようにしている。
【0020】
次に、このような構成における動作を説明する。
図3は、本発明の第1の実施の形態のデータ処理装置の動作を説明するフローチャートである。このフローチャートに記載した各機能を実現するプログラムは、CPU10が読み取り可能なプログラムコードの形態で上記記憶装置16もしくは記憶媒体22に記憶されている。
【0021】
まず、初期設定として、CPU10内又はRAM18内に構成した図示しないスティ(stay)フラグをオンする(ステップS10)。
そして、キーボードやマウス等の入力装置12の操作の有無を判定し(ステップS12)、何らかの操作があれば、その操作に対応する処理を実行した後(ステップS14)、上記ステップS12に戻る。
【0022】
これに対して、入力装置12の操作が無い場合には、次に、オープンしているファイルがあるかどうか判断する(ステップS16)。オープンファイルが無いならば、上記ステップS12に戻る。オープンファイルがある場合には、図2の(B)に示すような、RAM18に予めオペレータが設定したスクリーン設定テーブル18Aを参照して、そのオープンされているファイルを使用しているアプリケーションのスクリーン設定の有無を判定する(ステップS18)。当該アプリケーションがスクリーン設定されていなければ(設定無であれば)、上記ステップS12に戻る。
【0023】
スクリーン設定されている(設定有の)場合には、次に、距離センサ28によりオペレータとの距離を測定する(ステップS20)。ここで、通常の使用状態であれば、表示画面とオペレータとの間の距離は、図2の(C)に示すD1 (例えば20cm)乃至D2 (例えば1m)の範囲にある。そこで、上記測定した距離がこのD2 以上であるかどうか判定することにより、オペレータが離席したかどうか判断する(ステップS22)。
【0024】
オペレータが離席していない場合には、上記stayフラグがオフかどうか判別し(ステップS24)、オンであれば、さらに上記測定した距離がD3 未満であるかどうか判定する(ステップS26)。ここで、距離D3 は、図2の(C)に示すように、本実施の形態では10cmとしており、これは、通常の利用状態では取られることがなく、オペレータが意志を持って近づかなければ得られない距離である。測定距離がD3 未満でない場合つまり通常の使用状況であれば、上記ステップS12に戻る。
【0025】
而して、上記ステップS22において、上記測定距離がD2 以上つまりオペレータが離席したと判断された場合には、上記stayフラグがオンかどうか判別する(ステップS28)。ここで、それがオンであると判別したならば、このstayフラグをオフして(ステップS30)、表示装置14の電源をオフするスクリーンシャッタ処理を行った後(ステップS32)、上記ステップS12に戻る。
【0026】
そして、オペレータが離席したままであれば、測定距離はD2 以上であるとステップS22で判定されるが、ステップS28においてstayフラグがオフであると判定される。この場合には、何ら状態を変化させる必要が無いので、上記ステップS12に戻る。
【0027】
一方、オペレータが戻ってきて、D2 の距離まで近づくと、ステップS22で測定距離はD2 以上ではないと判断され、上記ステップS24に進む。そして、上記ステップS30で上記stayフラグがオフされているので、ステップS24では、今度はそれがオフと判定される。この場合には、そのstayフラグをオンして(ステップS34)、表示装置14の電源をオンするスクリーンシャッタ解除処理を行った後(ステップS36)、上記ステップS12に戻る。
【0028】
また、上記ステップS26において測定距離がD3 未満と判断された場合には、例えば、アクティブウィンドゥのファイルデータの更新保存処理等のスクリーンシャッタ処理以外の所定の処理を実行した後(ステップS38)、上記ステップS12に戻る。
【0029】
以上のように、本第1の実施の形態では、距離センサ28でオペレータとの距離を測定し、その距離が所定距離を基準にして離れる方向か近づく方向かを測定し、その測定結果に応じて所定処理、例えば、スクリーンシャッタ処理やスクリーン解除処理を実行するようにすることで、不所望のタイミングでスクリーンシャッタ機能等の不所望の処理が作動してしまうことを無くすと共に、オペレータが離席した場合に、表示データのセキュリティを確保することができるようになる。
【0030】
また、本第1の実施の形態では、上記所定距離を複数設定していることで、表示データを隠すような処理に加えて、アクティブウィンドゥファイルデータ更新保存処理等の別の処理を行わせるようにすることが可能となっている。
【0031】
なお、オペレータが上記所定距離を基準にして離れる方向であった場合での上記所定処理としては、スクリーンシャッタ処理に限らず、スクリーンセーバ処理や、ウィンドゥ最小化処理、アイコン化処理、等のその他の処理であっても良い。この場合、オペレータが上記所定距離を基準にして近づく方向であった場合での上記所定処理も、それに対応して、スクリーンセーバ解除処理や、ウィンドゥ最小化解除処理、アイコン化解除処理、等のその他の処理となることはもちろんである。
【0032】
また、上記ステップS36において、無条件にスクリーンシャッタ解除処理を行うのではなく、パスワード入力を要求し、正確なパスワードが入力されたときにのみ、スクリーンシャッタ解除処理を行うようにしても良い。
【0033】
さらに、起動中のアプリケーションや作業内容に重み付けして、オペレータが離席したときの対処を区別するようにしても良い。例えば、予めアプリケーション毎に重要度を設定しておき、その重要度によって単なるスクリーンシャッタ機能か、キーボードロック機能(参照のみ許され入力は不可)等か、あるいはパスワード付スクリーンシャッタ、等々、様々な処置が可能となる。
【0034】
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。
本実施の形態は、図2の(D)に示すように、LAN等のネットワークを介して複数台のパーソナルコンピュータ(PC1,PC2,PC3,…)とサーバが接続された状況において、サーバには、環境ファイルと作業ファイルとを保存する各オペレータ毎のフォルダが設けられている。ここで、環境ファイルとは、表示形態、ウィンドゥ順位、直前作業位置(どのウィンドゥのどのページのどこを表示し、どこをカーソル指定していたのか等)などを保存するものであり、作業ファイルとは、オープンしていたファイルの全てを保存するものである。
【0035】
各PCは、上記第1の実施の形態と同様の構成のデータ処理装置が適用されており、各PCのCPU10は、図4に示すような動作を行う。但し、本実施の形態では、各オペレータは自己を特定するためのIDカード等を持っており、これに発信器等を埋め込んでおき、ID等を発信することで、距離センサ28はその発信信号の強弱により各オペレータとの距離を測定することができる。
【0036】
而して、オペレータが当該PCに近づき、例えば上記距離D2 よりも接近すると、距離センサ28がそれを検出して、CPU10にそのことを報知する。これに応じて、CPU10は、当該PCのメイン電源をオンし(ステップS40)、距離センサ28で受信したIDを認識してそのIDに対応するフォルダをサーバから記憶装置16にアップロードする(ステップS42)。
【0037】
そして、キーボードやマウス等の入力装置12より何らかの操作が行われたかどうか判断し(ステップS44)、なにも操作がないときには、オペレータとの距離がD2 以上かどうか判断する(ステップS46)。D2 以上でなければ、上記ステップS44に戻り、またD2 以上のときには、オペレータが離れていったと判断して、当該PCのメイン電源をオフして(ステップS48)、処理を終了する。
【0038】
一方、何らかの操作がなされた場合には、記憶装置16にアップロードしたフォルダ中の環境ファイル及び作業ファイルにより、そのオペレータが別のPCで行っていた直前の画面を復活して表示装置14に表示する(ステップS50)。その後、入力装置12の操作の有無を判定し(ステップS52)、何らかの操作があれば、その操作に対応する処理を実行した後(ステップS54)、上記ステップS52に戻る。
【0039】
これに対して、入力装置12の操作が無い場合には、次に、距離センサ28によりオペレータとの距離を測定し(ステップS56)、その測定した距離がD2 以上であるかどうか判定することにより、オペレータが離席したかどうか判断する(ステップS58)。オペレータが離席していない場合には、上記ステップS52に戻る。
【0040】
これに対して、上記測定距離がD2 以上つまりオペレータが離席したと判断された場合には、記憶装置16に記憶されている環境ファイル及び作業ファイルを更新し(ステップS60)、それらをサーバの当該オペレータに対応するフォルダにダウンロードする(ステップS62)。その後、上記ステップS48に進み、当該PCのメイン電源をオフして、処理を終了する。
【0041】
このように、本第2の実施の形態では、オペレータが離席した際に、その作業状態をサーバに保存しておくことにより、オペレータが特定のPCにこだわることなく、どのPCへ移動しても直前の状態から作業を始められるようになっている。
【0042】
また、オペレータが離席した際に、その作業状態をサーバに保存し終えたならば、その離席されたPCは電源が切られるので、離席前に表示していた表示データは第三者に見られることはない。この場合、記憶装置16には、その作業状態が保存されていることになるが、別の者が当該PCを使用しようとしたときには、その者のIDに対応する環境ファイル及び作業ファイルがアップロードされて書き換えられた後に、表示装置14の表示が開始されるようになっているので、前のオペレータの作業データを見ることはできない。このように、オペレータが処理途中のPCから離れる場合には、スクリーンセキュリティが働くので、オペレータが離席した場合に、表示データのセキュリティを確保することができる。
【0043】
なお、環境ファイル及び作業ファイルをサーバにダウンロードすることなく、移動先のPCにて直接、移動前のPCの記憶装置16からアップロードするようにしても良い。
【0044】
また、上記ステップS62でのサーバへのダウンロード後、記憶装置16に記憶されているそれらの環境ファイル及び作業ファイルを削除するようにすれば、セキュリティ上より好ましい。
【0045】
さらに、本第2の実施の形態は、LAN接続されたPCだけでなく、携帯情報端末にも適用可能なことは勿論である。即ち、いわゆるモバイルコンピューティングでも、このセキュリティ機能を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の第1の実施の形態のデータ処理装置の適用されたパーソナルコンピュータのブロック構成図である。
【図2】(A)は図1中の距離センサの設置状況を示す図、(B)は図1中のRAMに設けられたスクリーン設定テーブルの構成を示す図、(C)は図1中の表示装置の表示画面とオペレータとの距離範囲を説明するための図であり、(D)は本発明の第2の実施の形態のデータ処理装置の適用されたネットワークシステムの構成を示す図である。
【図3】第1の実施の形態の動作を説明するためのフローチャートである。
【図4】第2の実施の形態の動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0047】
10 CPU
12 入力装置
14 表示装置
16 記憶装置
18 RAM
18A スクリーン設定テーブル
20 記憶媒体制御部
22 記憶媒体
24 通信制御部
26 通信回線
28 距離センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オペレータとの距離を測定する距離測定手段と、
上記距離測定手段によって測定された距離の変化が、所定距離を基準にして離れる方向か近づく方向かを判別する距離変化判別手段と、
上記距離変化判別手段による判別結果に応じた予め定義されている所定処理を実行する処理実行手段と、
を具備することを特徴とするデータ処理装置。
【請求項2】
上記処理実行手段は、上記距離変化判別手段が、上記距離変化方向を離れる方向であると判別した場合に、上記所定処理として、オペレータが作業していたデータの表示を禁止するスクリーンセキュリティ処理を行うことを特徴する請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項3】
上記処理実行手段は、上記距離変化判別手段が、上記距離変化方向を近づく方向であると判別した場合に、上記所定処理として、上記表示を禁止されたデータの表示を復帰させるスクリーンセキュリティ解除処理を行うことを特徴する請求項2に記載のデータ処理装置。
【請求項4】
上記距離変化判別手段は、上記所定距離として複数の距離を基準にして、上記判別処理を行い、
上記処理実行手段は、上記複数の距離それぞれに対応した個々の処理を定義されており、上記距離変化判別手段による各距離についての判別結果に応じて、対応する処理を実行することを特徴する請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項5】
上記処理実行手段による上記所定処理を行うかどうかを、アプリケーション毎に定義するアプリケーション定義手段をさらに具備し、
上記処理実行手段は、上記アプリケーション定義手段での定義に従って、現在開かれているアプリケーションに対して上記所定処理を実行するかどうかを決定することを特徴する請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項6】
複数のコンピュータがネットワークでつながれたネットワークシステムであって、
各コンピュータにおいて当該コンピュータを使用中のオペレータを識別するオペレータ識別手段と、
各コンピュータから当該コンピュータを使用中のオペレータが所定距離よりも離れたとき、上記オペレータ識別手段により識別されたオペレータによる当該コンピュータでのデータ処理状況を記憶する処理状況記憶手段と、
いずれかのオペレータがいずれかのコンピュータに上記所定距離よりも近づいたとき、上記オペレータ識別手段によりそのオペレータを識別し、上記処理状況記憶手段に記憶されている当該オペレータが行っていたデータ処理状況を、当該オペレータが近づいたコンピュータに転送する処理状況転送手段と、
を具備することを特徴とするネットワークシステム。
【請求項7】
上記オペレータ識別手段での各オペレータの識別は、各オペレータ所有のIDカードにより行うことを特徴する請求項6に記載のネットワークシステム。
【請求項8】
上記オペレータが処理途中のコンピュータから上記所定距離よりも離れた場合に、当該コンピュータにスクリーンセキュリティ処理を行わせるスクリーンセキュリティ手段を更に具備することを特徴する請求項6に記載のネットワークシステム。
【請求項9】
オペレータがコンピュータを使用する際、
オペレータとの距離を測定する処理と、
上記測定された距離の変化が、所定距離を基準にして離れる方向か近づく方向かを判別する処理と、
上記判別結果に応じた予め定義されている所定処理を実行する処理と、
をコンピュータに実行させる命令を含むプログラムを格納した、コンピュータが読み取り可能な記録媒体。
【請求項10】
複数のコンピュータがネットワークでつながれたネットワークシステムで複数のオペレータが各コンピュータを使用する際、
各コンピュータにおいて当該コンピュータを使用中のオペレータを識別する処理と、
各コンピュータから当該コンピュータを使用中のオペレータが所定距離よりも離れたとき、上記識別されたオペレータによる当該コンピュータでのデータ処理状況を記憶する処理と、
いずれかのオペレータがいずれかのコンピュータに上記所定距離よりも近づいたとき、上記オペレータを識別する処理によってそのオペレータを識別し、上記記憶されている当該オペレータが行っていたデータ処理状況を、当該オペレータが近づいたコンピュータに転送する処理と、
をコンピュータに実行させる命令を含むプログラムを格納した、コンピュータが読み取り可能な記録媒体。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のコンピュータがネットワークでつながれたネットワークシステムであって、
各コンピュータにおいて当該コンピュータを使用中のオペレータを識別するオペレータ識別手段と、
各コンピュータから当該コンピュータを使用中のオペレータが所定距離よりも離れたとき、上記オペレータ識別手段により識別されたオペレータによる当該コンピュータでのデータ処理状況を記憶する処理状況記憶手段と、
いずれかのオペレータがいずれかのコンピュータに上記所定距離よりも近づいたとき、上記オペレータ識別手段によりそのオペレータを識別し、上記処理状況記憶手段に記憶されている当該オペレータが行っていたデータ処理状況を、当該オペレータが近づいたコンピュータに転送する処理状況転送手段と、
を具備することを特徴とするネットワークシステム。
【請求項2】
上記オペレータ識別手段での各オペレータの識別は、各オペレータ所有のIDカードにより行うことを特徴する請求項1に記載のネットワークシステム。
【請求項3】
上記オペレータが処理途中のコンピュータから上記所定距離よりも離れた場合に、当該コンピュータにスクリーンセキュリティ処理を行わせるスクリーンセキュリティ手段を更に具備することを特徴する請求項1に記載のネットワークシステム。
【請求項4】
複数のコンピュータがネットワークでつながれたネットワークシステムで複数のオペレータが各コンピュータを使用する際、
各コンピュータにおいて当該コンピュータを使用中のオペレータを識別する処理と、
各コンピュータから当該コンピュータを使用中のオペレータが所定距離よりも離れたとき、上記識別されたオペレータによる当該コンピュータでのデータ処理状況を記憶する処理と、
いずれかのオペレータがいずれかのコンピュータに上記所定距離よりも近づいたとき、上記オペレータを識別する処理によってそのオペレータを識別し、上記記憶されている当該オペレータが行っていたデータ処理状況を、当該オペレータが近づいたコンピュータに転送する処理と、
をコンピュータに実行させる命令を含むプログラムを格納した、コンピュータが読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−18835(P2006−18835A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−189104(P2005−189104)
【出願日】平成17年6月29日(2005.6.29)
【分割の表示】特願平9−259939の分割
【原出願日】平成9年9月25日(1997.9.25)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】