説明

ハナビラタケ、及びベータグルカンの生産方法。

【課題】
ハナビラタケの発芽量を多くし、生産期間を短くし生産量を上げる方法を見出す。またカビの汚染を防ぐと共に、食べた時シャキシャキ感のあるハナビラタケを生産する。ベータグルカンの含有量の多いハナビラタケを生産する。
【解決手段】
発芽量を多くする為に、前記の茸の栽培ビンのビン口の中の菌床の表面を押圧して培養速度を促進する為の空気穴を埋める押菌工程、その後、ハナビラ茸とは異種の第二の菌糸を振りかけて多くの原基が発生させる工程を設けた。芽出し時に栽培ビンのキャップを除去し、前記栽培ビンまたはコンテナの上方から通気性と光の透過性のある高分子材料またはポリエチレンの袋またはカバーケースを被せて、ハナビラタケの子実体を育成できる様にした。また、バナナをミキサーにて砕いて培地にまぜ、バナナやハチミツを多く培地に加え攪拌させ、ベータグルカンの量の多いハナビラタケを得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ハナビラタケの人工栽培による大量生産方法、およびベータグルカンの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
英語名Sparasscrispaと言われ、幻の茸と呼ばれるハナビラタケの人工栽培による大量生産方法に関する工程、技術はまだ十分に確立されていなかった。ハナビラタケは自然界においては非常に僅少であるが、歯ごたえがよく、味に癖がなく、何よりもその純白の色合いに、葉牡丹の様な形態が高級料理に用いられ、外国の料理界からも注目されている。
ハナビラタケはハナビラマイタケとも呼ばれ、一般の茸と同様に食用の食品に用いられる。毒性もない。
また、ベータグルカン(1−3)Dを多量に含むことは学会等で知られている。
今までのデータでは、ベータグルカンの含有量の最高値は100グラム中、43.5グラム含まれていると言うデータがあり、生活習慣病の防止、免疫力の向上、抗癌、抗腫瘍作用のある健康食品として、将来的には薬用としても用いられる方向性がある。
しかしながらハナビラタケは一般の茸に比べて成長が遅く、カビに汚染され易く、培地成分によりその組成が大きく変化し、人工栽培は非常に困難であるとされていた。実際に栽培を行うと、接種から刈り取りまで4ヶ月間位掛かり、カビに汚染され易く、今まで容易に産業的生産を行うことはできなかった。
そこで本発明者は、従来の栽培方法を見直し、比較的短期間で大量生産が可能で、且つ収穫が多くでカビの拡散を完全に防止でき、自然界で生えているハナビラタケに近い歯ごたえのある茸に育成させ、更にベータグルカンの量を多く含むハナビラタケの生産方法を見出す課題を解決したことをここに記す。
ハナビラタケの大量生産過程の工程においては、効率のよい機械生産工程とした。
本出願の請求項の内容や明細の内容については、多数のハナビラタケを実際に生産して実験を繰り返し行った結果による数値、工程順序としての発明の内容を示す。
また次の様にハナビラタケについて公開されている特許文献を明示する。
【特許文献1】特開2003−304741
【特許文献2】特開 平11− 56098
【特許文献3】特開2004−236615
【特許文献4】特開2005− 21121
【特許文献5】特開2005− 52068
【特許文献6】特開2002−125460
【特許文献7】特開2004−236646
【特許文献8】特開2004−236615
【特許文献9】特開2005−137263
【特許文献10】特開2005−102659
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ハナビラタケ、及びハナビラタケに含まれるベータグルカンを大量生産するには、ハナビラタケに合った生産工程およびハナビラタケの中に多量のベータグルカンを多く含ませる工程や手段を見出さなければならない。
【0004】
短期間に確実に多量にハナビラタケの子実体を発芽させる方法を見出す。
【0005】
栽培ビン1本に対して多量の収穫ができる様に育成させる方法により、生産量を高める方法を見出す。
【0006】
自然界におけるハナビラタケと人工栽培におけるハナビラタケはかなり食感が異なる。自然界にて成長したハナビラタケは、食べた時に噛みごこちの良いシャキシャキ感がある。この様にシャキシャキ感のあるおいしい茸を、大量生産できる方法を見出す。
【0007】
ハナビラタケの菌糸が早く成長する温度は20〜24℃位であり、同じ菌糸の仲間であるカビの成長に適する温度とほぼ同じため、ハナビラタケの生育時にカビが発生した場合は、カビが大発生する事となり、ハナビラタケはカビ汚染されやすい。
よって、このカビの汚染を防ぐ方法を見出さなければならない。
【0008】
ベータグルカン(1−3)Dの量を増やす為に、各種成分を培地に混ぜるが、いかなる成分がハナビラタケの成長に適しているか、いかなる成分がベータグルカン(1−3)Dの量に反映できるかが大きな問題であった。これを実験にて決定する。
また、茸が各種成分をよく吸収できる方法を見出す。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1、2、3、4、5に示す様に、茸の栽培ビンに1個以上の空気穴を設けて充填された培地に、ハナビラタケの菌糸を接種して培養し、前記の茸の栽培ビンのビン口の中の前記の培地部分の菌床の表面を押圧し前記穴を埋める押菌工程を用いる。引き続き請求項2,4に示す様に、前記培地に菌糸を培養し熟成させた後にハナビラ茸とは異種の第二の菌糸を振りかける第二の菌子の接種工程により、前記子実体をビン口の中の前記培地部分の菌床の表面に多く発生させられる手段を用いる。
【0010】
請求項6に示す様に、芽出時に栽培ビンのキャップを除去し、前記栽培ビンの上方から光の透過性と通気性のある高分子材料で出来た袋またはカバーケースを被せ、光を照射しつつ前記の袋の中でハナビラタケの子実体を育成する手段を用いる。
【0011】
請求項7に示す様に、芽出し時に栽培ビンのキャップを除去し、前記栽培ビンの上方から光の透過性のあるポリエチレンの袋またはカバーケースを被せ、光を照射しつつ前記袋の中でハナビラタケの子実体を育成する手段を用いる。
【0012】
請求項8に示す様に、栽培ビンの入っているコンテナに光の透過性と通気性のある高分子材料の袋またはカバーケースにて覆って、光を照射しつつ子実体を育成するハナビラタケの生産方法の手段を用いる。
【0013】
請求項9に示す様に、栽培ビンの入っているコンテナを光の透過性のあるポリエチレンの袋またはカバーケースにて覆って、光を照射しつつ子実体を育成するハナビラタケの生産方法の手段を用いる。
【0014】
請求項10に示す様に、ベータグルカンの量を増やす為、バナナをミキサーにて砕いて半液体状にして培地にまぜて攪拌させて栽培ビンに詰め、ハナビラタケがバナナ成分を吸収しやすくなる培地の作り方の手段を用いる。
【0015】
請求項11に示す様に、略1.0〜1.5立方メートルの培地にバナナを 4キログラム以上を加えてベータグルカン(1−3)Dを多く含ませる手段を用いる。
【0016】
請求項12に示す様に、略1.0〜1.5立方メートルの培地にハチミツを 2キログラム以上を加えてベータグルカン(1−3)Dを多く含ませる手段を用いる。
【0017】
請求項14に示す様に、上記生産方法で出来たハナビラタケを刈り取り、高温にて乾燥し、粉砕して生産するベータグルカン(1―3)Dを製造する手段を用いる。
【0018】
請求項1に示す、培地の攪拌工程、栽培ビンへの培地詰め工程、殺菌工程、ハナビラタケの菌糸の接種工程、培養工程、押菌工程、芽出工程、育成工程、刈取工程の順序の工程の手段による。
【0019】
請求項2に示す、培地の攪拌工程、栽培ビンへの培地詰め工程、殺菌工程、ハナビラタケの菌糸の接種工程、培養工程、押菌工程、第二の菌糸の接種工程、芽出工程、育成工程、刈取工程の順序の工程の手段による。
【0020】
請求項3に示す、培地の攪拌工程、栽培ビンへの培地詰め工程、殺菌工程、ハナビラタケの菌糸の接種工程、培養工程、押菌工程、芽出工程、袋またはカバーケース掛工程、育成工程、刈取工程の順序の手段による。
【0021】
請求項4に示す、培地の攪拌工程、栽培ビンへの培地詰め工程、殺菌工程、ハナビラタケの菌糸の接種工程、培養工程、押菌工程、第二の菌糸の接種工程、芽出工程、袋またはカバーケース掛工程、育成工程、刈取工程の順序の手段による。
【発明の効果】
【0022】
請求項1から請求項4に示す工程、および請求項5から請求項12までの各種手段による効果を含め、カビの付着、発生、拡散が少なく、刈り取りまでの成長速度が速く、多収量で、一定の期間にそろって発芽し、収穫量も収穫時期も一定で、子実体が菌床から抜け落ちる事もない、短期間に大量生産できる完成された工程である。
【0023】
請求項5に示す様に、茸の栽培ビンに1個以上の空気穴を設けて充填された培地に、ハナビラタケの菌糸を接種して培養し、前記の茸の栽培ビンのビン口の中の前記の培地部分の菌床の表面を押圧し前記穴を埋める押菌工程により、
栽培ビンの中の培地の上部の菌床を空気穴が上部から見えない状態に平らに広くする事ができ、子実体が発芽できる培地の面積を広く取れ、ハナビラタケの発芽量を多くすることができる様になった。
【0024】
また前記押し菌工程を用いる事により、発芽量が多くする事ができるので一定量のハナビラタケを育成する為の育成日数が少なくて済み、芽出しから刈り取りまで、同じ大きさのハンビラタケの生産が出来、旧来の方法に比較して2ヶ月間が1ヶ月間半となった。
接種から刈り取りまでの期間を4ヶ月間から3ヶ月間とすることができた。
【0025】
発芽量が多いため、また茸が生育により大きく育ってからの収穫量が多くなった。
【0026】
栽培ビンの中の培地の上部の菌床を平らにする事により菌床が固くなり、ハナビラタケが培地の菌床の全体の面積に着床し、その着床力が強いのでハナビラタケが倒れたり子実体の重さにより菌床から抜け落ちたりしなくなった。
【0027】
培地の上部の菌床を平らにする事により空気穴を塞いでしまうので、栽培ビンの培地の穴の中に第二の菌糸が落ちることはなくなった。よって第二の菌糸を接種する栽培ビンの口元の菌床部分だけにて、ハナビラタケの菌糸と第二の菌糸の戦いにより、培地の上部の菌床一杯に子実体の発芽の発生を早く見出すことができる。子実体の発芽は1ヶ月間を約半月間とできた。
【0028】
培地の上部の菌床を平らにする事により穴を塞いで、栽培ビンの培地の穴の中に第二の菌糸が落ちることはないので、空気穴の下部にてハナビラタケの菌糸と第二の菌糸が戦う事により空気穴の下部から発生する子実体がなく、菌床部分においてだけで菌糸と第二の菌糸戦う事により、培地の上部の菌床の部分だけに子実体の発芽が一定の期間に発生し、菌床の下方に発芽することがなくなった。よって菌床より上の部分だけの子実体のみが大きく育つ。
【0029】
芽出し時に、栽培ビンのキャップを除去し、前記栽培ビンの上方やコンテナに、光の透過性のある高分子材料やポリエチレンの袋またはカバーケースを被せて、光を照射しつつハナビラタケの子実体を前記袋の中で育成することにより、茸自体から発する水分を保ちつつ、袋またはカバーケース内の湿度を一定に保てる。
また湿度を一定に保てるので、ハナビラタケの成長が早い。
【0030】
芽出し時に、栽培ビンのキャップを除去し、前記栽培ビンの上方やコンテナに、光の透過性のある高分子材料やポリエチレンの袋またはカバーケースを被せて、ハナビラタケを前記袋の中で子実体を育成することにより、袋、囲い内のハナビラタケから発生する水分がハナビラタケ自身と調和し、適度な水分を含んだ噛みここちが良いシャキシャキ感のある茸を生産できる様になった。
【0031】
芽出し時に、栽培ビンのキャップを除去し、光の透過性のある高分子材料やポリエチレン材の袋またはカバーケースを前記栽培ビンの上方から被せたり被ったりして、またはコンテナを囲って、ハナビラタケを前記袋またはカバーケース中で子実体を育成することにより、カビが発生しても袋に覆われているので、周りのコンテナ、栽培ビンのハナビラタケにカビの感染を防ぐばかりでなく、袋の外部からのカビや虫の汚染も防ぐ事ができる様になった。
【0032】
ハナビラタケが原基から子実体へと大きくなり、葉ボタン状に成長すると、ハナビラタケ自身の重さでハナビラタケが重力により下方に引っ張られて、菌床から剥離し栽培ビンの下へ落ちてしまうことがあった。しかし、袋またはカバーケースを栽培ビンまたはコンテナに被せる事により、大きく成長したハナビラタケでも傾いたり、菌床から剥離し栽培ビンの外部の下へ落ちてしまうことは無くなった。
【0033】
バナナをミキサーにて砕いて培地にまぜて攪拌させる事により、またハチミツ成分を多くすることにより、ハナビラタケの菌糸がバナナ成分、ハチミツ成分を吸収しハナビラタケに含まれるベータグルカン(1−3)Dの成分を多くすることができた。
茸は一般に培地成分により茸の成分も変化する。よって、バナナや、ハチミツを培地に多量に加えると、ベータグルカン(1−3)Dの量を増やす事ができる事が実験でわかった。
よってベータグルカン(1−3)Dを多く含むハナビラタケを大量生産できる方法を見出した。
略1.0〜1.5立方メートルの培地に対してバナナを5キログラム、ハチミツを3キログラム以上含ませると、100グラムのハナビラタケの粉末において、ベータグルカン(1−3)Dを約50グラム以上を含んだハナビラタケを栽培可能とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
本発明のハナビラタケの生産工程は、次の様に行なう。
培地の攪拌工程、栽培ビンへの培地詰め工程、培地の殺菌工程、ハナビラタケの菌糸の接種工程、培養工程、押菌工程、第二の菌糸の接種工程、芽出工程、袋またはカバーケース掛工程、育成工程、刈取工程の各工程の組み合わせにより、数種類の工程順序がある。更にベータグルカンの粉末を得る、乾燥、破砕工程がある。
【実施例1】
【0035】
培地の攪拌工程21においては、攪拌機にてオガは広葉樹であるカラマツ材を主成分とする大鋸屑又はチップにもしくはこれらを含む混合物に栄養成分を加えて培地として用いる。例えば、略1.0〜1.5立方メートルの培地のオガに対して、小麦粉50キログラム、ポリペプトン150グラム、酵母(エビオス)450グラム、塩化カルシューム75グラム、ハイポネックス75グラム、バナナ4〜5キログラム、ハチミツ2〜3キログラムを加え、水分を加えて水分が攪拌機の中のオガに対して60〜65%の湿度となる様に攪拌機にて十分攪拌する。この時、PHは略3.0〜4.5とする。
オガに対する水分の含有量は、オガを手に握り絞めて、手の指のすきまから水分がニジミ出る位を60〜65%の湿度の目安としている。
なおオガは、外の雨を含まない状態にての保存のものを用いた。オガの容積は、水分の含みにより、かなり異なる。
【0036】
栽培ビンへの培地詰め工程22においては、詰め機械にて栽培ビン2に培地を詰める。栽培ビン2はポリプロピレン製の材質のものを用いた。サイズはビンの内径58ミリ、ビンの高さは165ミリのものを用いた。また、コンテナ3は栽培ビン2の数を16本用を用いた。
栽培ビン2に培地13を詰める際は、茸の栽培ビン2のビン口の培地の上の菌床部分に、1個以上の空気穴14を設けて培地13を栽培ビン2の中に充填する。この様に1個以上の空気穴14を培地13に設けるのは、培地13の下部の中まで空気の流通をよくして、後にハナビラタケの菌糸を培地13の菌床の表面に接種して、培地内に菌糸が成長し培地の中に菌子が一杯になるまでの日数を短くする培養日数の短縮の効果がある。
また空気の還流する穴としているが、この空気穴に接種の際、ハナビラタケの種菌が落下し、空気穴の下部から種菌からの菌糸が広がる効果がある。
1個以上の空気穴14を設けて栽培ビン2の中に培地13を充填した後に、空気の流通を確保したキャップ17を被せる。
詰め機においては、1つのコンテナ3に入っている16本の栽培ビン2毎に一度に培地13を詰め充填し、キャップ被せ機によりキャップ17を被せる事を自動的に行なう。
栽培ビン2の中に培地13を詰める際は、栽培ビン2の中に培地が十分に詰まっていない状態の軽詰めにならない様にする。培養工程25にて、栽培ビン2の中の軽詰めのスキマ部分に子実体ができ、芽出し後のハナビラタケの菌床の表面より上の部分の成長が阻害されやすい。
【0037】
培地の殺菌工程23では、殺菌釜の中にコンテナ3に入れられ培地13の詰められた栽培ビン2入れて殺菌を行う。殺菌釜は電気釜、通常釜を用いるが、圧力を高めて行う圧力釜でもよい。
殺菌後は、自然空冷を行ない、急激な空冷にて、外気が栽培ビン2の中に吸入されるのを防ぐ必要がある。これはカビ等の菌糸が栽培ビンの中に吸収を防ぐものである。
殺菌後は自然に温度が下がるまで蒸らしを行い、外気が栽培ビン2の中に進入しない様にすると殺菌力は更に強まる。
【0038】
ハナビラタケの菌子の接種工程24では、ハナビラタケの種菌を接種機にて接種を行う。ハナビラタケの種菌を栽培ビン2の中の培地の上部と、および1個以上設けられた空気穴14の中の下部16に、ハナビラタケの種菌が落ちる事が望ましい。種菌が培地に設けられた空気穴の下部16に入り込む事により、ハナビラタケの種菌は空気穴の奥つまり栽培ビ2ンの下部16と上部15の両方から成長し、菌糸は栽培ビン2の培地内に広がることができる。
図7は栽培ビン2に空気穴14を設けて培地13を充填しハナビラタケの菌子の種菌15を接種した状態の断面図である。15は接種したハナビラタケの種菌である。16は空気穴14の中に落ちたハナビラタケの種菌である。
接種終了後は直ぐ栽培ビン用キャップ17を閉める。
栽培ビン用キャップ17には、空気の流通穴があり、この栽培ビン用キャップ17により、栽培ビン2の中と外気が遮断されることはない。
ハナビラタケの菌子の接種工程24においては、ハナビラタケの菌糸が接種される前に、カビ等が栽培ビン2の中に入らない様に、細心の注意が必要である。
また、接種の際は、空気冷やして空気を重くし、対流を防ぐため、ハナビラタケの菌子の接種工程24においては室温を摂氏10度以下として空気の移動を最小限にしなければならない。外気の流入は厳禁で、流入させる場合は雑菌が室内に入らない様に十分なフイルタを用いる。
なお接種は、他の栽培ビンの培地13の種菌を用いてもよいし、液体にて培養した種菌、液体接種で行なってもよい。
【0039】
培養工程25では、栽培ビン2の入ったコンテナ3を重ねて載置して培養してよい。
栽培ビン2の中のハナビラタケの菌糸の広がりは、外見から色具合で確認することができる。
培養工程25は、通常培養室なる場所を確保し、温度、酸素を一定に維持する。
温度は高い温度または低い温度でも、ハナビラタケの菌糸の伸びは阻害される。
酸素を一定に維持するのは、外気を取り入れ且つ場所の培養室内の空気を攪拌または対流をさせる必要がある。
空気は二酸化炭素が増さない様にすべきで、高い湿度(70%以上)は、培養中の栽培ビンの中にカビの発生を見出し易い。しかしながら適度の湿度40%以上は確保し、カビの発生にてその胞子が乾燥して粉散しない様にしなければならない。
よって培養室の湿度は、カビの発生にて胞子が乾燥にて空気中に粉散しない湿度としなければならない。よって30%以上〜70%以下が好ましい。
また、過度な光を培養中に照射すると、栽培ビン2の中に子実体を作りやすい。
【0040】
押菌工程26は、第二の菌子を接種するための準備でもある。しかしながら第二の菌糸を接種しない方法において、袋がけを行なわない工程にも用いることができる。
この押し菌工程は請求項1から4までの工程にも用いることができる。請求項1から4までの工程以外の生産工程においても、用いることができる。
請求項1〜4までの押菌工程は、見方によれば空気穴の穴埋工程とも言えるし、押菌と空気穴の穴埋工程が一緒になったものとも言える。空気穴のある栽培ビンの中の培地を押しても、栽培ビンの中の培地の詰まり度合いが高い場合、押しても培地の移動がよくなく、空気穴が埋まらない場合も有り得る。
この押菌工程26は、通常、栽培ビン2のハナビラタケの菌糸が、熟成をしてから行なうが、この状態に限られることはない。
熟成とは、菌糸が栽培ビン2の中の培地一杯に成長して行き渡る状態を言う。
栽培ビン2の中の空気穴14の開いた培地13の上部を、略円盤状の回転体または円柱状、円錐状の回転体12を回しながら押し付け、培地の上部の穴の部分18を埋め略平にする。
図8は押菌工程26の栽培ビン2の断面図を示す。栽培ビン2の中に空気穴14を設けながら充填された培地13がある。この栽培ビン2の口の中の培地13の上部の菌床になる部分を回転体12により、培地の菌床部分に押し付けて、空気穴14の上部の空気穴の部分を埋めた培地18にてふさいでしまう。培地13は、適度な水分を含んでいるので、空気穴の部分を埋めた培地18により、ビン口の中の上部の菌床の部分は略平らとなる。なお回転体12の回転方向は左右どちらでもよく、また完全に一回転しない状態の繰り返し(ウエスト動作)でもよい。
培養は後の芽出し工程28において、原基の発芽日を略同じくするため、また同日に同ロット毎のハナビラタケの刈り取りが行なえる様に育成するために、栽培効率上、培養室の、環境条件は温度、光、酸素を一定に保ち、栽培ビンの中の菌糸の伸びを一定にする必要がある。
酸素濃度を一定に保つには、外気を取り込むと共に、空気を培養室内で対流、攪拌させる必要がある。
他の茸の通常の栽培においては、押菌工程は行なわなく、菌掻工程があり、この菌掻き工程においては栽培ビンの菌床の上部の培地を掻き取ったりして、茸の芽を出させるために菌糸を刺激する方法を用いている。
押菌工程は、栽培ビンの中の培地の菌床の表面を刺激して、菌糸の子実体を発生させるためでもあるので、菌掻き工程の目的も兼ねるものとも言える。
【0041】
第二の菌の接種工程27においては、栽培ビ2ンの中にて培養されたハナビラタケの発芽を略同時に発生させる為に行なう。この第二の菌糸は、ハナビラタケの菌糸が第二の菌糸と融和することなく、桔抗作用により対峙状態になり、ハナビラタケは子孫を残そうとするために子実体の原基を作り発芽する作用を利用している。
この第二の菌子の接種を行なって、菌糸の培養の状態、光、酸素、温度状態を均一に保つことにより、ハナビラタケは数日以内の略同日に原基である芽を出すことになる。
第二の菌糸の接種においても、通常の接種機を改造して用いる。
この第二の菌の接種工程27は請求項1から4までの工程にも用いることができる。
図9は、空気穴14を設けた栽培ビン2の中の培地の上部の菌床の部分に、第二の菌
19を接種した状態の断面図を示す。
【0042】
上記、押菌工程26および第二の菌子の接種工程27を実行する事により、「発明の効果」の覧に多くの効果を記した利点を生じる。
また請求項5に示す一連の工程は、開示されているハナビラタケの一般的生産に限らず、前記請求項1から4までの工程にも用いることができる。
【0043】
芽出工程28では、栽培ビン2の口の中の菌床部分にて、ハナビラタケの菌糸と第二の菌糸の戦いのにより、培地13の上部の菌床の上部に子実体の発芽の発生を一定の期間に早く見出すことができる。
通常の茸栽培の芽出工程においては、栽培ビン2の口に取り付けられていた栽培ビン用キャップ17を栽培ビン2から外すか、除去している。
【0044】
ハナビラタケの生産においては、栽培ビン用キャップを除去した後、直ぐに各々の栽培ビンの上部から袋またはカバーケースを被せる場合がある。
袋掛工程29では、栽培ビン2に被せる袋1,4、5、6または各種カバーケース1,4,10,11は、光の透過性と通気性のある高分子材料またはポリエチレン製の物を被せ、光を照射しつつ前記の袋の中でハナビラタケの子実体を育成するものとする。
ポリエチレン5,6には、目に見えない穴が開いていて、空気分子を通すものを用いる。
水分により目に見えないポリエチレン、袋およびカバーケースの穴が塞がれる恐れが考えたが、実験を行なった結果、目に見えない穴が完全に塞がれる事はない。よって上記の効果が期待できる。
図1、図2は栽培ビン2に被せられた高分子材またはポリエチレンで出来た多角形の袋1、4または円柱のカバーケース1、4である。
カバーケース1は天井部分を有している。
袋5を被せた栽培ビン2はそれぞれコンテナ3に戻される。
図3は、栽培ビン2に通常の高分子材のポリエチレンの袋5を被せた状態である。
【0045】
または、複数の栽培ビン2の入っているコンテナ3を光の透過性と通気性のある高分子材料のカバーケース10,11やポリエチレンの袋5、被い6にて覆う様にすることもできる。
この様に高分子材料またはポリエチレン材の袋5、被い6またはカバーケース1,4、10,11を栽培ビン2または1個以上のコンテナを被うことにより、茸自体から発する水分によって袋内、囲い内の湿度を保ち、高分子材料またはポリエチレンの袋5、被い6カバーケース1,4,10,11の囲いの内側の湿度を保てる。よって袋またはカバーケースを用いる。
【0046】
図4は栽培ビン2の入っているコンテナ2に高分子材またはポリエチレンの袋6を掛けた状態である。支え9は太い金属棒であり高分子材またはポリエチレンの袋、囲い6を支えるものである。高分子材またはポリエチレンの袋、囲い6によって、栽培ビン2の収納されているコンテナ3の下部8まで覆われている、この時、コンテナの通気部分7は被っても被わなくてもよい。
図5は栽培ビン2の入っているコンテナ3に成形した高分子材の袋またはカバーケース10を掛けた状態である。カバーケース10はコンテナ3の側面の穴7を被わない様に、コンテナ3の上にカバーケース10が乗せる様になっているが、カバーケース10はコンテナ3の下部まで被う様にしてもよい。
図6は成形され区切りのあるカバーケース11を示す。
【0047】
本、栽培ビン2を被う高分子材料の厚さは、略0.1ミリ以下でありカバーケース1,4,10,11の被い、囲い、袋等5,6は市販のものを用いてよい。
栽培ビン2の内径58ミリ、高さは165ミリのものを用いた時は、ポリエチレンの大きさは市販のものでは厚さが 略0.03ミリであり、福助工業製の規格No12で、幅230ミリ、340ミリの透明な袋を用いるのが適当である。このサイズの袋の中でハナビラタケが成長する。ハナビラタケが刈り取りまでできる様に大きく成長したときを考慮して、袋5の大きさを選定する。ポリエチレン、高分子材料において、袋のサイズ大きさは、これに限ることなしに、通気性のある適選なものを用いる。
厚さは空気を通す厚さがよく、ポリエチレン材、高分子材なら何でもよい。
高分子材またはポリエチレン袋、囲いは着色でもよく、紫外線を通すものがよい。
コンテナを囲うカバーケース10,11においても、同様に通気性のものを用いるとよいが、空間が広い為、通気性は必ずしも必要でない。二酸化炭素は重い為、カバーケースの中に留まらない。
【0048】
前記、高分子材料またはポリエチレン材料の袋1,4,5,6、囲いを行なうカバーケース1,4,10,11ことにより、ハナビラタケの肉質は、天然のハナビラタケに近い噛みここちが良く、シャキシャキ感のある茸を生産することができる。
【0049】
また、高分子材料またはポリエチレン材料の袋1,4,5,6、カバーケース1,4,10,11の囲いに被われているので、カビ、虫が発生しても、回りの栽培ビン2のハナビラタケへのカビの汚染、虫の汚染を防ぐ事ができる様になった。
ハナビラタケは高温性の茸であり、雰囲気温度が例えば摂氏20〜26度とカビが繁殖がしやすく、周りにある栽培ビン2の茸にもカビが感染しやすい問題点があった。
【0050】
前記請求項6から9までは、開示されている一般のハナビラタケの生産においても用いる事ができるし、及び前記請求項3、4の工程にも用いることができる。
【0051】
育成工程30では、袋1,4,5,9やカバーケース1,4,10,11を掛けたまま育成を行う。その為、高温性の茸のハナビラタケに係らず、カビの汚染や茸ハエの問題等もない。
育成工程30は通常、育成室を設け行うが、芽出室と場所を同じくしてよい。
芽出室、育成室においては、光をハナビラタケの原基に与える発光設備が必要である。原基が成長して葉ボタン状に成長してからも、継続して光を与えた。光は蛍光灯でもよい。
【0052】
刈り取り工程31では、袋1,4,5,6、カバーケース1,4,10,11を取り去り、刈り取りを行う。通常包丁、刈り取り機にて行う。包丁の殺菌も行う。
【0053】
上記の育成工程までの生産方法で出来たハナビラタケを刈り取り、乾燥工程32にて乾燥し、粉砕工程33にて生産された粉末は、ベータグルカン(1−3)Dの抗腫瘍の効果のある薬としても用いられる。
生産された粉末は容器詰め工程34にて各種容器、袋に収納される。
【0054】
通常、茸の生産工程においては、培地の攪拌工程、栽培ビンへの培地詰め工程、菌糸の接種工程、殺菌工程、培養工程、接種工程、菌掻工程、芽出工程、育成工程、刈取工程の順序にて行う。
本発明の工程によれば、新たな工程である押菌工程26、第二の菌糸の接種工程27、袋掛工程29を用いる。
これらにより、ハナビラタケの独自の生産方法として確立した。
【0055】
本発明のハナビラタケの生産方法の工程においては、3つの組み合わせがありえる。
図10と請求項1に示す、培地の攪拌工程21、栽培ビンへの培地詰め工程22、殺菌工程23、ハナビラタケの菌糸の接種工程24、培養工程25、押菌工程26、芽出工程28、育成工程30、刈取工程31の順序からなるハナビラタケの生産方法。
【0056】
図11と請求項2に示す、培地の攪拌工程21、栽培ビンへの培地詰め工程22、殺菌工程23、ハナビラタケの菌糸の接種工程24、培養工程25、押菌工程26、第二の菌糸の接種工程27、芽出工程28、育成工程30、刈取工程31の順序からなるハナビラタケの生産方法。
【0057】
図12と請求項3に示す、培地の攪拌工程21、栽培ビンへの培地詰め工程22、培地の殺菌工程23、ハナビラタケの菌糸の接種工程24、培養工程25、押菌工程26、芽出工程28、袋またはカバーケース掛工程29、育成工程30、刈取工程31の順序からなるハナビラタケの生産方法。
【0058】
図13と請求項4に示す、培地の攪拌工程21、栽培ビンへの培地詰め工程22、培地の殺菌工程23、ハナビラタケの菌糸の接種工程24、培養工程25、押菌工程26、第二の菌糸の接種工程27、芽出工程28、袋またはカバーケース掛工程29、育成工程30、刈取工程31の順序からなるハナビラタケの生産方法。
【0059】
図10と請求項1に示すハナビラタケの生産方法の工程においては、本発明の押菌工程26を取り入れた、
図11と請求項2に示すハナビラタケの生産方法の工程においては、本発明の押菌工程26と第二の菌子の接種工程27を取り入れた、
図12と請求項3に示すハナビラタケの生産方法の工程においては、本発明の押菌工程26と袋掛工程29を取り入れた、
図13と請求項4に示すハナビラタケの生産方法の工程においては、本発明の押菌工程26と第二の菌糸の接種工程27と袋掛工程29を取り入れた、
なお図10、図11、図12、図13においては、説明上29袋掛工程と記したが、請求項6,7,8,9のポリエチレン、高分子材料、カバーケース、袋掛け等も含むものとする。
【0060】
菌株の種類は特定しない。なぜならハナビラタケなる種においては高温性の茸が多く、本発明において高温性のハナビラタケを対象とする。
高温性の茸のために、カビ等の発生度合いが高く、ベンレート、オスバンの消毒を中心に行なうが、食品故に消毒剤を用いるにも、限度があり、新しいハナビラタケの工程により、カビ等も防ぐことが出来る。
【0061】
茸は一般に培地成分により茸の成分も変化する。今までは何の成分がベータグルカン(1−3)Dを含有させるのか、わからなかった。今回の実験にて、バナナや、ハチミツを培地に多量に加えると、ベータグルカン(1−3)Dの量を増やす事ができる事がわかった。
略1.0〜1.5立方メートルの培地のオガにつき、バナナを4〜5キログラムを加えたり、ハチミツを2〜3キログラムを加えてベータグルカン(1−3)Dを多く含ませることができる。
ベータグルカン(1−3)Dの量は、100グラムのハナビラタケを乾燥して粉砕した計った結果、100グラム中約50グラム以上を含ませることができた。
このベータグルカン(1−3)Dの値は、ハナビラタケの上部より、培地の近くの根の部分に多く含まれる。
なお、請求項1から請求項4における工程においては、請求項11、請求項12の成分量に縛られる事はない。
【0062】
通常、ベータグルカンは米国では、小麦から注出している。
上記生産方法で出来たハナビラタケを刈取り、乾燥し、粉砕して生産するベータグルカン(1−3)Dをこの様に多量に得ることができる。
このベータグルカン(1−3)Dは、健康補助食品としても摂取できる。
また認可された後は、特殊な目的な医薬、免疫を上げる薬、抗腫瘍剤等の薬とすることができる作用がある。
ここでは、例示として代表的なベータグルカン(1−3)Dを示したが、ベータグルカン(1−6)Dも含むことより、ベータグルカン(1−6)Dを含んでも何ら権利の範囲は変わりはない。
薬品、健康補助食品においては、粒状化、錠剤化はもちろん、カプセル化された組成物として、商品化される。また、添加物として、多糖類、糖類の誘導体を含む上記作用のある薬品として用いられる。
【産業上の利用可能性】
【0063】
茸のハナビラタケ及びハナビラタケにて生産されるベータグルカンの生産に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】コンテナの栽培ビンに多角形、円柱のカバーケースを掛ける状態。
【図2】栽培ビンに多角形、円柱の高分子材料のカバーケースを掛けた時。
【図3】栽培ビンに高分子材料またはポリエチレンの袋を被せた状態。
【図4】栽培ビンの入っているコンテナに高分子材料またはポリエチレンの袋または囲いを掛けた状態。
【図5】栽培ビンの入っているコンテナにカバーケースを掛けた状態。
【図6】内側に区切りのある成形されたカバーケースを示す。
【図7】空気穴の設けられた培地と接種後の栽培ビンの状態の断面図を示す。
【図8】押菌を行う方法の状態の断面図を示す。
【図9】押菌完了後に第二の菌の接種後の状態の断面図を示す。
【図10】請求項1の工程図
【図11】請求項2の工程図
【図12】請求項3の工程図
【図13】請求項4の工程図
【符号の説明】
【0065】
1.多角形の袋、カバーケース
2.栽培ビン
3.コンテナ
4.円柱の袋またはカバーケース
5.高分子材またはポリエチレンの袋
6.高分子材またはポリエチレンの袋または被い
7.コンテナの通気部分
8.底部
9.支え
10.コンテナ用のカバーケース
11.内側に区切りのあるコンテナ用のカバーケース
12.回転体
13.培地
14.空気穴
15.接種したハナビラタケの種菌
16.空気穴の中に落ちたハナビラタケの種菌
17.栽培ビン用キャップ
18.空気穴を埋めた培地部分
19.第二の菌子
21.培地の攪拌工程
22.栽培ビンへの培地詰め工程
23.培地の殺菌工程
24.ハナビラタケの菌糸の接種工程
25.培養工程
26.押菌工程
27.第二の菌糸の接種工程
28.芽出工程
29.袋掛工程
30.育成工程
31.刈取工程
32.乾燥工程
33.破砕工程
34.容器詰め工程

【特許請求の範囲】
【請求項1】
培地の攪拌工程、栽培ビンへの培地詰め工程、殺菌工程、ハナビラタケの菌糸の接種工程、培養工程、押菌工程、芽出工程、育成工程、刈取工程の順序からなる事を特徴とするハナビラタケの生産方法。
【請求項2】
培地の攪拌工程、栽培ビンへの培地詰め工程、殺菌工程、ハナビラタケの菌糸の接種工程、培養工程、押菌工程、第二の菌糸の接種工程、芽出工程、育成工程、刈取工程の順序からなる事を特徴とするハナビラタケの生産方法。
【請求項3】
培地の攪拌工程、栽培ビンへの培地詰め工程、殺菌工程、ハナビラタケの菌糸の接種工程、培養工程、押菌工程、芽出工程、袋またはカバーケース掛工程、育成工程、刈取工程の順序からなる事を特徴とするハナビラタケの生産方法。
【請求項4】
培地の攪拌工程、栽培ビンへの培地詰め工程、殺菌工程、ハナビラタケの菌糸の接種工程、培養工程、押菌工程、第二の菌糸の接種工程、芽出工程、袋またはカバーケース掛工程、育成工程、刈取工程の順序からなる事を特徴とするハナビラタケの生産方法。
【請求項5】
茸の栽培ビンに1個以上の空気穴を設けて充填された培地に、ハナビラタケの菌糸を接種して培養し、前記茸の栽培ビンのビン口の中の前記培地の菌床の表面を押圧し前記空気穴を埋める押菌工程を用いる事を特徴とするハナビラタケの生産方法。
【請求項6】
芽出時に栽培ビンのキャップを除去し、前記栽培ビンの上方から光の透過性と通気性のある高分子材料の袋またはカバーケースを被せ、光を照射しつつ前記の袋の中で子実体を育成する事を特徴とするハナビラタケの生産方法。
【請求項7】
芽出時に栽培ビンのキャップを除去し、前記栽培ビンの上方から光の透過性と通気性のあるポリエチレンの袋またはカバーケースを被せ、光を照射しつつ前記袋の中で子実体を育成する事を特徴とするハナビラタケの生産方法。
【請求項8】
芽出時に栽培ビンのキャップを除去し、コンテナに光の透過性と通気性のある高分子材料で覆って、光を照射しつつ子実体を育成することを特徴とするハナビラタケの生産方法。
【請求項9】
芽出時に栽培ビンのキャップを除去し、コンテナに光の透過性と通気性のあるポリエチレンで覆って、光を照射しつつ子実体を育成することを特徴とするハナビラタケの生産方法。
【請求項10】
バナナをミキサーにて砕いて培地に混ぜて攪拌させて培地を作る事を特徴とするハナビラタケの生産方法。
【請求項11】
培地の攪拌工程において、略1.0〜1.5立方メートルの培地にバナナを4キログラム以上を加えてベータグルカン(1−3)Dを多く含ませることを特徴とするハナビラタケの生産方法。
【請求項12】
培地の攪拌工程において、略1.0〜1.5立方メートルの培地にハチミツを2キログラム以上を加えてベータグルカン(1−3)Dを多く含ませることを特徴とするハナビラタケの生産方法。
【請求項13】
前記請求項1から12までのいずれかのハナビラタケの生産方法で出来たハナビラタケ。
【請求項14】
前記請求項1から12までのいずれかの生産方法で出来たハナビラタケを刈取り、乾燥し、粉砕して生産するハナビラタケの生産方法から出来たベータグルカン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−271957(P2008−271957A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−86558(P2008−86558)
【出願日】平成20年3月28日(2008.3.28)
【出願人】(591184507)
【Fターム(参考)】