説明

ヒンジキャップ

【課題】 加熱によるキャップ内の空気の圧力上昇を抑制して、上蓋が開蓋することがないようにするとともに、温水シャワー時に、温水がキャップ内に侵入することを防止することができるヒンジキャップを提供すること。
【解決手段】 キャップ本体Aの蓋係合部18には、外方膨出部25および内方膨出部26、第1のエアー溝31が設けられたテーパー面29が形成され、上蓋Bの外筒壁36の下端部には、蓋係合部18が嵌合する係合凹部40と、その内周側に当接筒41とが設けられている。係合凹部40は、外側周面42と内側周面44が前記膨出部と係合してシール部S1、S2を形成するとともに、底面45には第2のエアー溝46が設けられている。打栓時には、上蓋Bが下降して当接筒41の先端がテーパー面29上を摺動し、開放されたシール部S1、S2およびエアー溝がキャップ内の空気を排出するとともに、打栓終了時には速やかに密封状態を回復する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器の口部に装着されるキャップ本体にヒンジを介して上蓋が連設されたヒンジキャップに関し、とくに容器内に充填した加熱殺菌された内容液によりキャップ内の空気が加熱されたとき、内圧が上昇してキャップの上蓋が開蓋することを防止するとともに、温水シャワーによる冷却時に、温水をキャップ内に吸い込むことを防止するようにしたヒンジキャップに関するものである。
【背景技術】
【0002】
殺菌のために加熱された内容液を充填した容器に装着されるヒンジキャップにおいて、内容液を充填して容器内部を殺菌し、ヒンジキャップを打栓して容器に装着した後、次いで容器外部より温水シャワーで洗浄、冷却することは従来より行われている。
【0003】
また、キャップ打栓後に、内容液の熱によりキャップ内の空気が加熱され、内圧が上昇することにより上蓋が開蓋することを防止するために、キャップの内圧が上昇すると上蓋とキャップ本体の間に空気の流通路が形成され、キャップ内の空気を容器外に逃がしてキャップの上蓋内の圧力上昇を防止するようにしたキャップも従来より知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−272648号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1記載のヒンジキャップ付き容器では、キャップ内の空気圧により空気の流通路を形成、または閉鎖しているので、キャップ内の空気圧が高くなって空気の流通路が形成されているときに、容器外から温水シャワーで冷却すると、キャップ内の空気圧が急激に低下し、空気の流通路が閉鎖される前に空気と一緒に温水までキャップ内に吸い込むという問題があった。
また、加熱により、キャップ内の空気圧が急激に上昇した場合、空気圧が上蓋(20)の側壁部(22)を押圧して外方に変形させることで、側壁部(22)と中蓋(2)の係合凹部(9)との係合が外れ、上蓋(20)が開蓋することもあった。
【0006】
本発明は、上記問題を解決することを課題とし、加熱によるキャップ内の空気の圧力上昇を抑制して、上蓋が当該圧力上昇により開蓋することがないようにするとともに、温水シャワー時に、温水がキャップ内に侵入することを防止することができるヒンジキャップを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するため、ヒンジキャップとして、容器の口筒部に取着されるキャップ本体と、キャップ本体にヒンジを介して連設された上蓋とからなるヒンジキャップにおいて、キャップ本体には、容器の口筒部が嵌合する係合筒部の上部に蓋係合部が立設され、蓋係合部は、外周面に外方膨出部が環状に突出し、内周面の上方には内方膨出部が環状に突出するとともに、内周面の下方にはテーパー面が形成され、テーパー面の下部から半径方向所定範囲には第1のエアー溝が設けられており、上蓋は、頂壁と、頂壁外周から垂下する外筒壁とを備え、外筒壁の下端部には、蓋係合部が嵌合する係合凹部と、係合凹部の内周側に先端部がテーパー面に当接する当接筒とが設けられ、係合凹部は、内側周面が内方膨出部と係合して内方シール部を形成するとともに、外側周面には外方膨出部の下面と係合して外方シール部を形成する係合突出部が設けられ、底面には半径方向に第2のエアー溝が設けられており、打栓時には、押圧力により上蓋がキャップ本体に対して下降して蓋係合部の上面が係合凹部の底面に当接するとともに、当接筒は弾性変形しながら先端がテーパー面上を摺動し、第1のエアー溝が設けられた前記所定範囲まで下降することを特徴とする構成を採用する。
【0008】
本発明のヒンジキャップの具体的実施形態として、蓋係合部の上面には、打栓時の押圧力を受けるための平坦面が形成されていることを特徴とする構成、また、注出筒の内周下部に縦リブが突設され、打栓時に上蓋頂壁から垂設された密封筒の先端が縦リブに乗り上げることで、密封筒と注出筒との間に空気の流通路が形成されることを特徴とする構成を採用する。
【発明の効果】
【0009】
本発明のヒンジキャップは、打栓時の押圧力により上蓋がキャップ本体に対して下降したとき、テーパー面によって当接筒がわずかに弾性変形し、係合凹部と内方膨出部および外方膨出部との係合による内方シール部および外方シール部が開放されるとともに、第1,第2エアー溝によってキャップ内外を連通する空気流通路が形成され、キャップ内の空気が排出される。
その後、打栓が終了し押圧力が解除されると、当接筒の強い弾性復元力がテーパー面に作用して上蓋を上昇させ、当接筒の先端がテーパー面上を摺動して第1エアー溝による空気の流通路を速やかに閉鎖するので、キャップ内はわずかに負圧となり、さらに、内方シール部、外方シール部も速やかに復帰して負圧が維持されることにより、加熱された内容液や温水シャワーによってキャップ内の圧力が上昇しても、上蓋が開蓋するほどの圧力には達せず、加熱による開蓋を確実に防ぐことができる。
また、テーパー面の作用によって内方、外方シール部が速やかに復帰するので、打栓後のシャワー時の温水がキャップ内に侵入することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施例であるヒンジキャップの閉蓋状態を示す断面側面図であり、(a)は全体図、(b)は要部Eの拡大図である。
【図2】ヒンジキャップの開蓋状態を示す図であり、(a)は上面図、(b)は断面側面図である。
【図3】ヒンジキャップの打栓時の状態を示す断面側面図であり、(a)は全体図、(b)は要部Gの拡大図である。
【図4】ヒンジキャップの要部拡大図であり、(a)は図1(a)における要部Fの拡大図、(b)は図3(a)における要部Hの拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明のヒンジキャップについて、実施例を示した図面を参照して説明する。
【実施例】
【0012】
図1において、Aは容器本体Dに打栓されるキャップ本体、Bはキャップ本体AにヒンジCを介して一体成形された上蓋である。
容器本体Dの口筒部1外周には、係合突条2が設けられている。
【0013】
図1、2に示すように、キャップ本体Aは、底壁5と、底壁5の周縁に立設される注出筒6と、注出筒6の下端外周よりリング状底壁7を介して連設される係合筒部8と、係合筒部8外周に一定の間隙を有して連設され、上端外周にヒンジCを介して上蓋Bを連設する外周筒部9とからなっている。
【0014】
底壁5には、使用時に注出口を開口するための薄肉弱化部11が設けられており、底壁5の上面には、弱化部11によって画成された除去部10を引上げて切断除去するプルリング12が支柱を介して設けられている。
注出筒6のヒンジC側の内周面には、下部に2本の縦リブ13が所定範囲にわたって垂直方向に設けられている。
【0015】
係合筒部8は、容器本体Dの口筒部1を嵌合する環状嵌合部15をはさんで、内周側にリング状底壁7の外周縁と接続する内筒16と、外周側に外筒17とが設けられ、内筒16と外筒17は、上部で蓋係合部18により連設されている。
外筒17の内周には、容器本体Dの口筒部1の係合突条2と係合する掛止部19が突出して設けられており、係合筒部8は、打栓することにより環状嵌合部15に容器本体Dの口筒部1を嵌合し、内筒16外周と外筒17内周により口筒部1を挟持するとともに、係合突条2と掛止部19とが係合して、キャップ本体Aが容器本体の口筒部1に装着される。
【0016】
図2に示すように、外筒17の下端外周と外周筒部9の下端内周は、ヒンジCと反対側の位置に所定円弧範囲にわたって設けられた連結片20と、該円弧範囲以外のヒンジC側の円弧範囲に間隔をおいて複数配設された破断可能な弱化片21とを介して連設されている。
【0017】
蓋係合部18は、外周面には外方膨出部25が環状に突出し、その下方に外方くびれ部27が連続しており、内周面には斜め上方に内方膨出部26が環状に突出し、その下方には内方くびれ部28が連続し、さらにその下方にすり鉢状のテーパー面29が連続して形成されている。
内方膨出部26の上面には、打栓時の押圧力を受ける平坦面30が設けられており、内方膨出部26は、環状嵌合部15に嵌合する容器本体Dの口筒部1のほぼ上に位置するように配置されている。
また、テーパー面29の下部から半径方向所定範囲には、第1のエアー溝31が複数個所、図2に示すように本実施例では4個所に設けられている。
【0018】
上蓋Bは、頂壁35と、頂壁35の周縁から垂設された外筒壁36とからなり、頂壁35下面には、キャップ本体Aの注出筒6の内周に嵌挿される密封筒37が垂設されている。
外筒壁36は、下端外周の所定箇所でヒンジCを介してキャップ本体Aと連設し、ヒンジCの反対側には摘み部38を具えている。
【0019】
外筒壁36の下端部には、蓋係合部18の外方膨出部25、内方膨出部26が嵌合する係合凹部40が形成され、係合凹部40の内周側に先端部が蓋係合部18のテーパー面29に当接する当接筒41が設けられている。
係合凹部40の外周側の外側周面42には、外方膨出部25の下面と係合して外方シール部S1を形成する係合突出部43が設けられ、外方くびれ部27の上部に嵌入している。
また、係合凹部40の内周側の内側周面44は、内方膨出部26と係合して内方シール部S2を形成する。
【0020】
外筒壁36の外周下端は、閉蓋時には外周筒部9の上端をわずかに押圧して当接しており、その反力が外方膨出部25の下面と係合突出部43の上面とを圧接係合して外方シール部S1を確実に密閉している。
係合凹部40の底面45には、周方向の複数個所、本実施例では4個所に第2のエアー溝46が半径方向に設けられている。
【0021】
次に、本発明のヒンジキャップの作用効果について、図面を参照して説明する。
まず、上蓋Bをキャップ本体Aに対して閉蓋することにより、図1に示すように、上蓋Bの密封筒37がキャップ本体Aの注出筒6に嵌入し密封するので、注出筒6の外側に空気室a、内側に空気室bが形成される。
容器本体Dに加熱された内容液を充填し、容器本体Dの口筒部1に、閉蓋したヒンジキャップの係合筒部8の環状嵌合部15をあてがい、上方から押圧して打栓する。
【0022】
打栓前の閉蓋されたヒンジキャップ内は、図1(b)に示すように、キャップ本体Aの蓋係合部18が上蓋Bの係合凹部40に嵌合しているので、上蓋Bの外筒壁36の係合突出部43と、キャップ本体Aの蓋係合部18の外方膨出部25との係合による外方シール部S1、および外筒壁36の係合凹部40の内側周面44と、蓋係合部18の内方膨出部26の内方への最突部との係合による内方シール部S2の働きにより、空気室aは密封され、外気との空気の流通は封鎖されている。
【0023】
打栓時には、図3に示すように、上蓋Bの頂壁35の上部より強い押圧力がかかり、上蓋Bの外筒壁36が、外周筒部9の上端を押圧し、連結片20及び弱化片21を撓ませながら外周筒部9を下降させるとともに、外筒壁36自身もわずかに外方に押し開かれるように撓みながら上蓋Bが下降する。
上蓋Bが下降することにより、図3(b)に示すように、上蓋Bの係合突出部43の上面がキャップ本体Aの外方膨出部25の下面から離隔し、外方シール部S1が開放されるとともに、当接筒41の先端がテーパー面29上を摺接しながら下降することにより、当接筒41がわずかに内方に撓んで、蓋係合部18の内方膨出部26が係合凹部40の内側周面44から離隔し、内方シール部S2も開放される。
【0024】
このとき、係合凹部40の底面45が内方膨出部26の平坦面30に当接して打栓の押圧力を受け止め、上蓋Bが必要以上に下降して弱化片21を破断したりしないようにしているが、底面45には第2のエアー溝46が形成されているので、第2のエアー溝46を通じて空気が流通するようになっている。
なお、内方膨出部26の上面は必ずしも平坦でなくてもよいが、打栓の押圧力を受け止め上蓋Bの最下降位置を正確に決めるためには、平坦面とすることが好ましい。
また、当接筒41の先端はテーパー面29上を摺動して、上蓋Bの最下降位置では、第1のエアー溝31が設けられた半径方向所定範囲まで下降するので、第1のエアー溝31によって空気の流通路が形成され、当接筒41の先端とテーパー面29との当接によって空気の流通が妨げられることはない。
【0025】
このように、打栓時に上蓋Bがキャップ本体Aに対して押し下げられ、キャップ内の空気室aが縮小したとき、外方シール部S1、内方シール部S2が開放され、第1のエアー溝31、第2のエアー溝46によって空気の流通路が形成されるため、空気室a内の空気は、第1のエアー溝31、開放された内方シール部S2、第2のエアー溝46、開放された外方シール部S1の順に通って、最後は外周筒部9と外筒17との間隙から弱化片21の間を通りキャップ外に排出される。
【0026】
また、図4(b)に示すように、打栓時の上蓋Bの下降により密封筒37も下降し、密封筒37の先端が注出筒6の縦リブ13に乗り上げるようになり、密封筒37がわずかに撓んで注出筒6との密封が破れるようになる。
このため、キャップ内の空気室bと空気室aとの間でも空気の流通路が形成され、上蓋Bの下降によって圧縮された空気室b内の空気も、空気室aを通ってキャップ外に排出される。
【0027】
その後、打栓が終了し押圧力が解除されると、テーパー面29に圧接され、撓んでいた当接筒41の弾性復元力がテーパー面29に作用し、その反作用として上蓋Bを上昇させる力が働いて、上蓋Bが速やかに元の位置に戻ることによって元の形状に復帰する。
上蓋Bが元の位置・形状に復帰する過程で、上蓋Bが上昇するとともに当接筒41の先端がテーパー面29上を摺動して第1のエアー溝31の範囲を脱し、空気の流通路を速やかに密閉するので、上蓋Bが上昇・復元を続けることでキャップ内はわずかに負圧となる。
さらに、外方シール部S1、内方シール部S2も速やかに復帰して、負圧がさらに増大するとともに負圧が維持される。
【0028】
このように、本実施例のヒンジキャップは、打栓時にキャップ内外を連通する空気の流通路が形成され、打栓の押圧力が解除されると、当接筒41とテーパー面29の係合作用によって上蓋Bが速やかに元の位置・形状に復帰することにより、空気の流通路が速やかに密閉されるので、キャップの内圧が負圧になっても、打栓後のシャワー時の温水等がキャップ内に侵入することを防止することができ、また、打栓時に内圧が負圧になっているので、加熱された内容液や温水シャワーによってキャップ内の圧力が上昇しても、上蓋が開蓋するほどの圧力には達せず、加熱による開蓋を確実に防ぐことができる。
なお、打栓時に生じたヒンジキャップ内の負圧は僅かであるため、消費者が必要に応じて開蓋する際には開蓋操作の障害にはならない。
【0029】
また、本実施例のヒンジキャップは、外周筒部9と連結片20,弱化片21を具えていることにより、容器本体Dから取り外して分別廃棄することができるようになっている。
消費者が内容物を全て使用した後、容器を分別廃棄するには、まず、上蓋Bを開蓋して引張り上げることにより、ヒンジCを介してキャップ本体Aの外周筒部9を引き上げると、外周筒部9と係合筒部8との間の弱化片21が破断する。
さらに上蓋Bを引張ると、外周筒部9と係合筒部8との間の連結片20を支点として外周筒部9のヒンジC側が上昇し、外周筒部9の連結片20側も上昇する。
そして、連結片20を介して係合筒部8の外筒17の下端部が引張られることで外筒17が変形し、キャップ本体Aと容器本体Dの口筒部1との係合が外れて、ヒンジキャップを容器本体Dから外して、分別廃棄することができる。
【0030】
なお、本実施例では、縦リブ13を2本設けて、その間に空気の流通路を形成しやすいようにしているが、縦リブ13は必ずしも2本必要なわけではない。
また、本実施例のヒンジキャップは、連結片20と弱化片21とで連設された外周筒部9を設けた分別廃棄可能なものとしたが、他の形式の分別廃棄可能なヒンジキャップでもよく、分別廃棄が不可能なヒンジキャップであってもかまわない。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明のヒンジキャップは、上蓋の当接筒とキャップ本体のテーパー面の係合作用によって、打栓時にキャップ内外を連通する空気の流通路を速やかに閉鎖し、不用意な開蓋を防止するとともにシャワー温水などのキャップ内への侵入を防止するので、各種の加熱内容液を充填する容器のヒンジキャップとして広く利用することができる。
【符号の説明】
【0032】
A キャップ本体
B 上蓋
C ヒンジ
D 容器本体
S1 外方シール部
S2 内方シール部
a、b 空気室
1 口筒部
2 係合突条
5 底壁
6 注出筒
7 リング状底壁
8 係合筒部
9 外周筒部
10 除去部
11 弱化部
12 プルリング
13 縦リブ
15 環状嵌合部
16 内筒
17 外筒
18 蓋係合部
19 掛止部
20 連結片
21 弱化片
25 外方膨出部
26 内方膨出部
27 外方くびれ部
28 内方くびれ部
29 テーパー面
30 平坦面
31 第1のエアー溝
35 頂壁
36 外筒壁
37 密封筒
38 摘み部
40 係合凹部
41 当接筒
42 外側周面
43 係合突出部
44 内側周面
45 底面
46 第2のエアー溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器の口筒部に取着されるキャップ本体と、キャップ本体にヒンジを介して連設された上蓋とからなるヒンジキャップにおいて、
キャップ本体には、容器の口筒部が嵌合する係合筒部の上部に蓋係合部が立設され、
蓋係合部は、外周面に外方膨出部が環状に突出し、内周面の上方には内方膨出部が環状に突出するとともに、内周面の下方にはテーパー面が形成され、テーパー面の下部から半径方向所定範囲には第1のエアー溝が設けられており、
上蓋は、頂壁と、頂壁外周から垂下する外筒壁とを備え、
外筒壁の下端部には、蓋係合部が嵌合する係合凹部と、係合凹部の内周側に先端部がテーパー面に当接する当接筒とが設けられ、
係合凹部は、内側周面が内方膨出部と係合して内方シール部を形成するとともに、外側周面には外方膨出部の下面と係合して外方シール部を形成する係合突出部が設けられ、底面には半径方向に第2のエアー溝が設けられており、
打栓時には、押圧力により上蓋がキャップ本体に対して下降して蓋係合部の上面が係合凹部の底面に当接するとともに、当接筒は弾性変形しながら先端がテーパー面上を摺動し、第1のエアー溝が設けられた前記所定範囲まで下降することを特徴とするヒンジキャップ。
【請求項2】
蓋係合部の上面には、打栓時の押圧力を受けるための平坦面が形成されていることを特徴とする請求項1記載のヒンジキャップ。
【請求項3】
注出筒の内周下部に縦リブが突設され、打栓時に上蓋頂壁から垂設された密封筒の先端が縦リブに乗り上げることで、密封筒と注出筒との間に空気の流通路が形成されることを特徴とする請求項1または2記載のヒンジキャップ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2013−75676(P2013−75676A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−216673(P2011−216673)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000006909)株式会社吉野工業所 (2,913)
【Fターム(参考)】